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図8.8 逃げ角の工具摩耗への影響の比較 (すくい角50の場合)
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図8.9 逃げ角の工具摩耗への影響の比較 (すくい角00の場合)
m で寿命となり, 肉厚 の厚い 切り くずを出す 外周切れ刃付近で損傷
が 起こっており, 成績は良くなかった. 逃げ角120以上では外周切れ刃付近でも
損傷は起こらず, 安定した摩耗を示し, 十分切削が可能である. また逃げ角が 150までは, 大きくなるにつれて摩耗は減少する傾向を示した. 逃げ角1 50では溝 10mを切削しでも最大摩耗(中央, 外周角部および角摩耗のうちの最大)が0.075mm と非常に小さく, 逃げ角150が一番良いことがわかった.
図8. 9はすくい角が 標準の00の場合である. すくい角5 0の場合と同様に逃げ角
120以上で安定した摩耗を示し3 すくい角O。でも3 逃げ角を1 50程度にすれば, す くい角50より少し摩耗は大きい が, 十分切削が可能である. すくい角50で逃げ角
123
を変化した場合と比較して, 逃げ角 80のと き に異なった摩耗挙動を示した. すくい角 50の場合には外周切れ刃で大きな損傷が起
こったが, すくい角O。の場合には 比較的切 りくず厚さが薄い側面切れ刃で損傷が起こ った. またすくい角50の場合には切れ刃の
垂れ(第3章, 図3.2(c)参照)はほとんどな かったが, すくい角00では少し現れた. こ れらには一因として すくい面や刃先に付着 した溶着物が関係しているものと思われる.
ADIを切削する場合に溶着物が発生するこ とを確認しており(図8.10参照), これが刃 先を保護しているものと考えられる.
8.5.2ホブ 条数の影響
図8 . 11はホプ条数の工具摩耗への影響を 示す. すくい角5 0, 逃げ角15 0 , ホプ送り 1.0mm/rev, 切削速度47m/min, 乾式で行つ
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図8.11ホプ条数の影響
た. 1条 , 2条ホプ共に歯車13.5個分 を切削して最大摩耗は0.08mm程度で顕著な差 は なく, 十分切削可能である. 3条ホプの場合には 歯車6.1 個分切削で外周切れ刃 に損傷が起ごった. 条数を 増すにつれて外周切れ刃の摩耗が増加していることが わかる. これは切りくず長さは微増であるが, 厚さが増したために, 刃先にかか る負担が 大き くなったものと考えられる. 切りくず厚さが小さし) 1条ホプが有利 である.
8.5.3ホブ送りの影響
ホブ送りをし0, 2.0, 3.0, および4.0 mm/revと変化して工具摩耗への影響を 調べた結果が図8 . 1 2である. すくい角50, 逃げ角15 0, 1条ホプ, 切削速度47m/
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mln, 乾式で行った. ホブ送り3.0 mm/revまでは歯車13.5個分を切削 しでも最大摩耗が0.12mm以下で,
十分切削可能である. その中でも ホブ送り1.0mm/revの場合は0.075 mm程度の小さい摩耗である. ホプ 送り4.0mm/revの場合は歯車8.9個
分切削で外周切れ刃で損傷が起こ った. 送りを増すと切りくず長さ は微増であるが, 厚さが増加する ために, 外周切れ刃付近で摩耗が 増加する. 実験したホブ送りの中 では低送りの1. 0mm/revが一番摩 耗が少ない.
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図8.12 ホプ送りの影響
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注
図8.13 切削速度の影響
度を増すにつれて摩耗は減少して, 切削速度63m/皿lnで最少の摩耗を示した. 最大 摩耗(角摩耗)も0.07mm程度で, 十分切削可能である. しかし切削速度86m/minでは 切削溝1.9mで損傷が起こった.
8.5.5 切削油および圧縮空気の影響
切削油および圧縮空気の工具摩耗への影響を切削速度34, 47, 63, および86m/
mlnについて図8. 14---図8. 1 7にそれぞれ示す. 圧縮空気は舞いツールのすくい面 側より, 刃先に向け吹き付けた. 塩素化脂肪系切削油を用いた場合, 本実験での
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切削油および圧縮空気の影響 (切削速度47m/min)
図8.15 切削油および圧縮空気の影響
(切削速度34m/min) 図8.14
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切削油および圧縮空気の影響 (切削速度86m/min)
図8.17 切削油および圧縮空気の影響
(切削速度63m/皿in) 図8.16
溝10mまで切削できたのは すべての切削速度において乾式よりも摩耗は大きく,
この場合も乾式に比べると摩耗は約1. 5倍に増えた. 47 切削速度34m/minだけで,
切削速度を増すにつれて損傷が起こる ま m /m in以上の速度では損傷が起こった.
塩素化脂肪系切削油に含まれる塩素系の極圧 での切削溝長さが短くなっている.
添加剤が工具刃先を保護すると考えられる溶着物の付着を少なくするために3 摩 耗が増加したものと考えられる(図8.18参照).
摩耗は約20見減 また乾式の傾向と同様に切削速度63m/minで摩耗が最少になり3 最大摩
切削速度63m/minまでは乾式と比べて,
圧縮空気を用いた場合,
少した.
耗(角摩耗)がO.06mm程度とかなり小 さくなった. これは乾式の場合と比
べて, 圧縮空気によって冷却され,
溶着物の付着量が増加し, 刃先を保 護したためと思われる(図8.18参照).
乾式よりも圧縮空気を吹き付けたほ うが, 溶着物の付着量が多いことか ら, 溶着物の発生には切削温度が関
係していると考えられる. すなわち 切削温度が低いほうが溶着物の発生 が多いと推測される. しかし冷却の 点では, 切削油を用いたほうがよい が, 切削油はその反溶着作用のため,
溶着物の付着を少なくしていると思 われる. これらよりADIのホプ切り では, 潤滑能よりも冷却能のほうが 工具煩傷の防止に効果があると考え られる. 切削速度86m/minでは圧縮 空気の効果が現れず, 乾式の場合と 同程度の溝長さ1.2mで、損傷が起こっ た. しかしながら乾式と比べて損傷 が発生した位置が異なっており, 乾 式の場合の外周切れ刃付近に対して,
圧縮空気の場合は側面切れ刃に損傷 が発生した(図8.19参照).
図8.20は圧縮空気の供給方法をす くい面側あるいは逃げ面側と変えて 比較したものである. 切削速度は86
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逃げげ,j lmm
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(a) I吃式
liヲ二
(b) .tòL�佑脂肪系切rílJ i!ll
(c) J1:新i/<�気
関8.18 左目IJ n'ií !ïJれ刃仁のj代打物のf、j お状況(切ì�IJ速fU8Gm/min)
切内Ij溝1.2m(歯車1.6何分), 切門IJ速度86m/min
側面摩耗幅O.93mm
図8.19 圧縮空気を吹付けた場合の仮11[(ij切 れ刃でのE只煩傷
127
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逃げ 面側から圧縮空気を供 m/minである.
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Hωω訟はAロ何回同O缶円以区 すくい面側とほとんど同じ結果 給しても,
また両者共に側面切れ刃で損傷が である.
乾式の場合と比べて損傷の 発生する位置が異なっている.
8.6
起こっており,
まとめ
ADIを高速度鋼工具鋼の舞いツールで切 。
ホブ Dry
ホブ条数,
工具すくい角,
削を行い,
圧縮空気の供給方法の違い による工具摩耗の比較
図8.20
および切削速度を変化してホブ摩耗 送り,
切削油および圧 への影響を調べた. また,
次のことが明らかになった.
縮空気の工具寿命に及ぼす影響を調べた結果,
逃げ角は1 50の場合にホプ刃先に突発的な損傷も起こら 工具すくい角 5 0,
、、,,f4EEA ,,a‘、
標準のすくい角 十分切削が可能である. また,
安定して少ない摩耗を示し,
ず,
損傷も起こらず十分切削が可能である.
。。の場合でも逃げ角を1 50程度にすれば,
ホブ条数は切りくず厚さの 小さし'1 1条ホブが有利である.
( 2 )
刃先負担の少ない低送りの1.Omm/revが良 ホブ送りも切りくずが小さく,
( 3 ) し1
中速域での切削が可能であ 切削速度は63m/minで一番摩耗が少なくなり3
( 4 ) る.
本実験で用いた塩素化脂肪系切削油は乾式に比べて摩耗を増大させる.
( 5 )
ADIを切削した場合の工具刃先の損傷には切削温度がかなり影響しているものと その損傷を防止し3 中速
圧縮空気を吹き付けて冷却することにより3 考えられ,
圧縮空気の供給法をすくい面側 その効果は同じである.
度まで少ない摩耗で安定した切削を可能にした.
と逃げ面側と比較しでも,
第9章 結 論
歯車装置の性能向上の点から, 歯車の加工において高精度化の要求が高まって きている. 一般に歯車の加工には, 歯車の精度や生産能率の点で有利なホブ切り が多く用いられており, ホプ切り歯車の精度と加工能率を, 経済性も考慮、に入れ て, いかにして向上させるかということが大きな課題となっている. それにはホ
プの切削性能が重要となる.
本論文では, まず平歯車のホブ切り機構の解析を行い, ホブの各切れ刃の切削 分担量を計算した. この計算より切りくずの長さおよび厚さが一致するように,
ホプ切りを舞いツール切削に置き換え, ホブ摩耗の低減および切削仕上げ面粗さ の向上を目的として, 特にホブの耐久力に関連があるホブ材質, 切削油剤につい て実験的検討を行った. また難削材のオーステンパ球状黒鉛鋳鉄歯車を取り上げ,
難削材のホブ切りについて研究を行った.
以上の成果を次にまとめる.
( 1 ) 平歯車のホブ切り機構の解析について(第2章)
平歯車のホブ切りにおけるホプ外周切れ刃の解析を行い, 各切れ刃の切
りくずの切取り長さおよび厚さの計算を行った. 計算により求めた切りく ずの切削負担量(切くずの長さ×厚さ)と中央摩耗には相関があり, 切削負 担の大きい刃, すなわち最大切りくずを出す刃の中央摩耗は大きい. また 計算した切りくず形状は中央摩耗の発生位置と対応しているが, その切削 負担量と角摩耗とも相関があることがわかった. したがって3 外周切れ刃 が出す切りくず形状から, 中央摩耗だけではなく3 角摩耗の大小を予測で きることがわかった.
(2 )舞いツールによるホブの耐久力試験法について(第3章)
ホブ切りと舞いツール切削において, 最大切りくずを出す刃の逃げ面摩 耗は両者の実験でよく合し\ ホプ切りと舞いツール切削試験との対応性が
一 129