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現 代 商 法 と は い か な る 法 か

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(1)

現代商法とはいかなる法か

−その本質と歴史的機能をめぐる現代商法学の方法論について一

池 島 宏 幸

はじめに

一 商法学研究の進展と対象論の動向

二 いわゆる商法の意義について

三  ﹁商法11企業法﹂説への展開

四 現代商法学の研究方法

五  ﹁商法11企業法﹂の歴史的展開と世界的背景の把握の必要性

 1 現代商法の歴史的位置づけ

 2 近代法と現代法

 3 現代法と外国法

 4 近代商法から現代商法への時期区分

六 ﹁資本法﹂として把握する現代商法論一﹁資本法﹂への検討

七 ﹁資本法﹂としての現代商法の役割

 1 資本主義的企業と法

 2 資本法としての企業法一資本と企業 3 資本と信用の法的関連−資本集中における競争と資本信用

早稲田社会科学研究 第29号(S59.9)

119

(2)

4 5

資本集中体法としての会社法

企業合同︵結合︶法の現代的展開

120

はじめに

       ︵1︶ 本稿のタイトルに関しては︑従来から︑いくつかの試みを公表してきた︒本稿では︑それらをふまえて︑さらに今

ロ的な状況をも考慮しつつ︑一つの見解をまとめておくことにする︒

 ︵1︶池島宏幸﹁現代商法における企業と資本の法的構造−1社会科学としての商法学の総論的課題1.﹂法律時報三八巻一号一九

   六六年一月を公表して以来︑池島宏幸﹃商法学の現代的課題一社会科学としての商法学﹄一九七三年一月敬文堂︑同﹃増補

   商法学の現代的課題一事会科学としての商法学﹄一九七六年四月同︑池島宏幸﹁経済の変動と会社法改正﹂早稲田社会科学

   研究=ハ号一九七七年二月︑池島宏幸﹁経済と法の対応ーイギリスの経済と法をめぐる状況一﹂早稲田大学比較法研究所

   ﹁比較法学﹂一一巻一号一九七六年九月︑池島宏幸﹁社会科学としての﹃法の解釈﹄一商法学・経済法学のサイドから一﹂

   早稲田大学創立一〇〇周年記念﹃新しい社会科学を求めて﹄一九八三年三月︑池島宏幸﹃大企業支配体制の法構造一商法改

   正問題の史的検討とその広がりの側面から一﹄一九八四年九月日本評論社など︒

一 商法学研究の進展と対象論の動向

現代における商法学の研究対象の中心は︑いぜんとして会社法︑

商法の対象は企菜法にある︵以下︑﹁商法一企業法﹂とも表記する︶ と9わけ株式会社法であるとされている︒近年︑とされ︑﹁企茱に関する法﹂の研究が進展せしめ

(3)

現代商法とはいかなる法か

られてきている︒このように︑商法学の対象が﹁商法11蔓菜法﹂であるとする性格規定に定着するまでには︑諸先覚

の業績が山積してい死はじめは・商法学の学問的独自性を肇する・とからばじ・⁝た・の商法本質論の探窪︑

民法学︑経済法学など隣接領域から守備範囲を明確化することによって︑日本における従来の商法学発展の大きな推

進力となった︒

 しかし︑右のように﹁商法11企業法﹂という場合の﹁企菜法﹂の内容のとらえ方については︑後述するように学説

によって違いがあり︑また︑企業法説が提唱されてからも相当の年月を程ており︑その間︑対象となる企業そのもの

も︑大きく変質をとげている︒にもかかわらず︑戦前から今日にいたるまで︑商法学界においては︑この﹁商法11企       ︵2︶業法﹂説が︑あまりにも既知かつ周知のものとして受けとられてぎた︒そのため︑一方では現代商法学の立場︑すな

わち現代法としての立場から︑他万では経営法学の立場から︑現代の商法については︑その体系的.総合的研究ない

し基礎理論的研究の必要性が説かれ︑その結果とくに社会学や経済学などの法学以外の社会科学への接近がなされて      ︵3︶おり︑それらの接触の過程において︑新しい観点がしめされている︒

 たしかに︑この商法の対象の問題は︑ ﹁商法とはいかなる法か﹂という商法の本質またはその存在理由に直接関係

する基本問題として︑現在でもいぜん︑古くて新しい問題であるにちがいない︒しかし︑現代的課題としては︑新し      ︵4︶く脱皮し︑商法学の社会科学としての独自性が︑追求されねばならない時機にきていると思われる︒たとえば︑企業

の社会的責任の問題や︑企菜社会ないし大企三稲支配体制とか︑法人資本主義体制といわれるような現代における株式

会社の実体の認識の問題などを︑いかに商法学の体系に反映せしめるかは︑商法の対象や本質についてのすぐれて今

.日的課題といえよう︒それは︑商法学の学問的独自性を求めることよりも︑むしろ総合的.学際的な把握への方向へ

121

(4)

と向かうことになるであろう︒      22      1 私は︑現代商法学としての立場から︑現代のすぐれてダイナミックな﹁企業﹂およびそれを構成し成立せしめてい

る﹁資本﹂という言々的恥曳伽を規制すべき︑ ﹁商法陪企業法﹂を︑後述するように﹁資本法﹂として理解し︑その

具体的な法規範体系の内容と法論理的メカニズムを考察し︑全体としてマクロ的な視野からの法的構成を検討してい

きたいと思うQ

 ︵1︶ 学説論文については︑西原寛一﹃日本商法論﹄第一巻三頁以下︑大隅健一郎﹃商法総則﹄︵新版︶︵法律学全集︶二八頁以

   下︑服部栄三﹃商法総則﹄︵第三版︶︵現代法律学全集︶三頁以下︑鴻常夫﹃商法研究ノート﹄1一頁以下︑西原﹃商法学﹄

    ︵第2版︶一八頁以下︑特集﹁商法の理論と解釈﹂法律時報三六巻三号一西原﹁商法学の今日的課題﹂法律時報三六巻三号

   一 同﹃商事法研究﹄第三巻四三頁以下など参照︒

 ︵2︶ 座談会﹁これからの商法学﹂ジュリスト六五五号︵一九七八年︶では︑出席者の多くが︑大学法学部の商法の授業におい

   て︑商法学総論としての企業法説などは︑﹁単に学説史的に紹介する﹂にとどまるか︑﹁敬して遠ざけている﹂としている︒

   その理由として︑商法学者が現実に研究すべき事項が非常に拡がっており︑ ﹁そちらの方にとにかくかじりついていかざる

   をえない状況にある﹂こと︑そのため︑ ﹁従来の説と別の考え方を提示するだけのエネルギーを割き︑兄ない﹂ことなどが指

   摘されている︵一四八頁︑神崎克郎︑渋谷光子︑前田重行教授らの発言︶︒

 ︵3︶ 商法学関係では︑近年のものとして︑岩波講座現代法︑一巻﹃現代法の展開﹄七〇頁以下︑七巻﹃現代法と経済﹄︑九巻

    ﹃現代法と企業﹄︑富山康吉﹁信用制度の法的側面﹂金融論講座一巻二五九頁以下︑および経営法学全集全二〇巻など︒竹

   内ほか﹃現代の経済構造と法﹄一九七五年︑西山忠範﹃現代企業の支配構造﹄一九七五年︑同﹃支配構造論﹄一九八○年さ

   木内宜彦﹃企業法総論︵企業法学1︶﹄一九七九年︑中村一彦﹃現代的企業法論﹄一九八二年︑竹内ほか﹃企業﹄岩波講座

   基本法学7一九八三年など︒

 ︵4︶ かなり以前から商法学においても︑社会科学的考察の必要が主張されている︒たとえば︑座談会﹁これからの法律学と法

   学者﹂法律時報二六巻一号七四頁以下︒また︑特集﹁商法学の課題と方法﹂法律時報四一巻三号には︑富山康吉﹁商法学の

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反省L︑岩崎稜﹁戦後日本商法学史所感﹂︑宮坂富之助﹁立法と商法学﹂︑奥島孝康﹁判例研究と商法学﹂︑福岡博之﹁商法学

における法社会学の不在﹂︑池島宏幸﹁﹃現代法と企業﹄の検討﹂の各論考のほか︑シンポジウム﹁商法学の課題と方法﹂が

掲載されている︒座談会﹁法学ことばじめ﹂1︑2法学セミナー一八四号︑一八五号︒

二 いわゆる商法の意義について

現代商法とはいかなる法か

 商法とは何か︑いかなる法か︒従来から︑商法学の基礎概念としての商法の意義については︑伝統的にはつぎのよ

うな二つの側面に分けての説明によって︑これに答えている︒

 ︵1︶形式的意義︵狭義︶における商法−商法という名称で制定された法典︑すなわち制定法・成文法である

﹁商法典﹂︵一八九九年︵明治三二︶法四八号︶が中心をなす商事制定法の骨格をさす︒通例は六法全書の商法.商

事法の部に掲げられている各種の商事制定法−商法・付属法令・商事特別法令等よりなる︒

 ︵2︶実質的意義︵広義︶における商法It右の商法のみでなく︑企業に関する特別法令や商慣習法さらには判例       ︵1︶法・学説法等を含んだ﹁商法﹂として統一的・体系的に把握されうる企業関係の特殊な法領域の総体を指す︒

 この両者は︑入れ物と中身との関係ともいわれるが︑私は︑現代商法U企業法という卵の黄身を︵1︶に︑︵2︶

を白身に例えて説明している︒︵2︶の部分では︑従来から主として商法の概念や商法学の研究対象が問題とされて

いるが︑今日の商法学の研究対象は︑︵1︶・︵2︶の両者を含む﹁卵﹂全体である︒このような企業法全体を︑﹁生け

る商法﹂︑﹁経済社会に機能する商法﹂として﹁立体的﹂に把握したいと思う︒

123

(6)

 なお商事特別法令としては︑例えば︑とくに商法二九六条以下の社債法の特別法令として︑明治末年社債償還不能

事件を契機として一九〇五年︵明三八︶担社法が制定されている︒爾後︑普通社債︵SB︶でも担保附を原則とする

ようになる︒一九三八年︵昭=二︶商法大改正の際︑アメリカ生まれの転換社債︵CB︶の規定がドイツ法を経由し

て新設された︒しかし実際に活用されるのは昭和三〇年代︵一九五〇年後半︶になってからである︵ドル建転換社債

等︶︒また第三の類型としての社債である新株引受権附社債︵ワラント債︑WB︶が一九八一年大改正に際して創設

されている︒

 とくに二九七条の社債発行限度の歯止め規定は︑つぎのような特別法によって︑それぞれ二倍まで緩和されてい

る︒一九七六年︵昭五一︶一般電気事業会社及び一般ガス事業会社の社債発行限度に関する特例法︵一〇年の時限立

法︶︑一九七七年︵昭五二︶社債発行限度暫定措置法︵﹁当分の間﹂︵一条︶の期限立法︶によって公共事業︑巨大各

企業への選別企業金融制度が形成されることとなった︒

 一九六三年︵昭三八︶商業登記法の仮登記の制度新設︵三五条三項 本店移転登記三年間ないし商号登記等一年

間︶がある︵最判昭三六・九・二九東京ガス事件が契機となって︶︒

 商法旧第四編手形は︑統一手形法及び統一小切手法に関する国際条約の批准による国内法として︑一九三二年︵昭

七︶手形法︑一九三三年︵昭八︶小切手法として︑それ炉︑れ独立している︒

 ︵1︶ 伝統的には︑いわゆる商伝の法源の問題で︑商法四号と社会的事実との具体的認識︑その構成の問題とされる︒たとえ

   ぽ︑西原・前掲書商法学︵2版︶八C頁以下︒私は︑旧著﹃現代商法学のポイント﹄一九六九年︑敬文堂一〇三頁以下で︑

   商法の法源とは︑実質的意義における商法の存在形式︑つまり商法的判断をする根拠となる資料・情報と解している︒した

   がって広く解する立場から︑商法の法源の種類と適用順位を︑①商事自治法︵定款︑約款等︶︑②商事条約︵憲法九八条二

124

(7)

項︶・商事特別法令︑③商法典︑④商慣習法︑⑥商事判例法・商事学説法等をあげてある︵一条参照︶︒

三  ﹁商法U企業法﹂説への展開

現代商法とはいかなる法か

 右の実質的意義の商法をどのように理解するかは︑商法の対象をいかにとらえるかにかかっているため︑従前より

学説の展開があった︒その︑おおよその動向をまとめれば︑つぎのとおりである︒

 まず︑古くさかのぼって︑商法を﹁モザイク的断片的法規の全体﹂すなわち商事に関する法であるとして︑これを

統一的・体系的に把握することがなされなかった時期があり︑統一的把握不可能説といえる﹁商事法﹂説の立場が存

在した︵レーマソい①げヨき︑竹田省︑松本蒸治︶︒

 しかし︑ついでなんらかのメルクマールを定立して︑商法の対象を統一的・体系的に把握しようとの試みがなされ

る︒前者にたいして︑これを体系的把握可能解とよびうるであろう︒これは︑その対象へのアブ戸ーチの仕方のちが

いから︑内容的把握によるか性格的把握によるかによって︑つぎの過程をたどる︒

 まず第一に︑内容的把握説の立場にはいるものとして︑商︵商業︶の種類が拡大されてぎた歴史に注目する歴史説       へ︵ラスティヒUpω江σq︶と︑商法の商を経済上の﹁商﹂ととらえ︑財貨の転換の媒介に注目する媒介説︵ゴールトシュ

ミットOo6ωoげヨ一黛︶などがあり︑第二に︑商の種類によるのではなく︑規制する法律事実の特殊性に着眼する性格

的把握説として︑商取引の集団的性格に注目する集団取引説︵ヘック鵠Φ艮︶へと︑発展してきた︒日本の商法学に      伽おいては︑この集団取引説を発展させ︑独特の理論を展開した﹁商的色彩論﹂︵田中耕太郎︶がある︒これは︑商法

(8)

的な法律事実に共通する技術的性格を商的色彩と名づけ︑一般私法の法律事実のなかで商的色彩を帯びるものを商法

の対象とする考え万である︒そして第三は︑内容的把握説として︑近代企業の発展に着目して︑商法の対象を企業に

求めようとする考え方である︒これが︑第一︑第二の立場を総合した﹁企茉法説﹂である︒この説が︑近代商法の対

象を明確にとらえているとして︑今日では通説的地位を占めていることは前述のとおりである︒

 もっとも︑ここでいう﹁下寺﹂をどうとらえるかについては︑①企業法説︵ヴィーラント芝§き畠︑西原寛一︑大隅

健一郎︶︑②私的企業法説︵商私法を中心とする従来の多数説一石井照久︶︑③商的虎威︵鵠9昌住Φ一ωd昌一①﹁p①げヨΦ昌︶

法論︵鈴木竹雄︑田中誠二︶︑④資本制企説法説︵実方正雄︶などに分かれる︒しかし︑②の﹁私的﹂とは公的に対

する言葉であろうが︑ ﹁私と公﹂の現代的区分の問題や企菜の現代的責任論との関連でも問題とされており︑また︑

⑧説でいう﹁商的﹂とは何か︑商法の﹁商﹂とは何かに始まった商法の対象論が︑その出発点の問いをもって問いに      ︵1︶答えるごとく︑循環論法になっているのではないか等々との批判がある︒

 私は︑﹁商法u企菜法﹂という場合の﹁企業法﹂については︑①および④説に依りつつも︑なおそれを乗り越えて︑

後述するように︑現代における商法は︑ ﹁資本法﹂として把握することを模索すべきだと考えている︒

 ︵1︶ 大浜信泉﹃商法概論﹄一九五四年︑有斐閣二〇頁︒一九六一年目昭三六︶頃までの学説は︑山口同齢.朝川篇﹃法律学説判例

   総覧・商法総則篇﹄二〇頁以下に詳しい︒近時の学説は︑服部栄三﹁商法の対象﹂﹃商法の争点︵第二版︶﹄一二頁︒

126

(9)

四 現代商法学の研究方法

現代商法とはいかなる法か

 このような現代商法を︑理解する方法には︑まず①従来からの伝統的方法論である﹁解釈法学としての商法﹂の立

場がある︒これには権威主義的な解釈法学としてのそれ︑あるいは官僚主義的なそれなどもあるであろうが︑広い意

味での解釈法学であり︑いわゆる法の解釈をぬきにして法律学の存立がないという意味では︑この方法論は︑伝統的

には古い手法でありながら︑その必要性︑重要性を否定できない︒むしろ今日では︑従前の﹁ドグマ﹂を批判しつつ︑

新しい立場での解釈論の必要性が︑従来以上に期待されているともいえる︒つぎに︑②﹁法社会学としての商法学﹂

がある︒これは︑ ﹁経験法則﹂にもとづいて経済社会の実態調査研究によって︑いわゆる﹁生ける商法﹂の発見とそ

の解明を目的とする立場である︒戦後とくに強く提唱されてきているものである︒そして︑それをさらに前進させる      ︵1︶方法論としては︑③﹁社会科学としての商法学﹂の立場からの探究が試みられてきている︒これは︑﹁歴叉法則﹂を

ふまえて︑﹁歴史的に一定の役割の中心を果たす商法﹂を客観的・科学的に理解する立場である︒

 私は︑これらの立場を総合して︵例えとして絵画における写実主義とシュールの立場の並立のごとく︶︑現代商法

を歴史法則・経験法則によって︑歴史的な位置づけに基づく歴史的展開と世界的背景のもとで把握してみようと思

う︒かくしてこそ︑単なる法技術的解釈論からの側面のみならず︑さらに現代の社会的︑政治的︑経済的背景におい

て︑グローバルに総合的な側面をも加味することによって︑より科学的な商法学となりうるであろうと思うからであ

︵2︶      卿

る︒

(10)

 本稿では︑現代商法は︑法形式的側面では﹁資本主義的企業に関する法︵企業法︶﹂であり︑その本質は︑﹁資本に      伽関する法︵資本法︶﹂ の中心部分を占める法の総体である︵以下﹁現代商法員企業法賦資本法﹂とも表記する︶と定

義しておこう︒

 現代商法は︑ ﹁歴史的な役割を果たす商法﹂として︑客観的︑科学的に理解される必要がある︒現代のすぐれてダ       ︵3︶イナミックな﹁企業﹂およびこれを構成し成立せしめている﹁資本﹂︵企業の三要素として他に﹁労働﹂と﹁土地﹂が

あるが︑商法では後二者の側面については原則として規制の対象となってはいない︒したがって︑労働法︑民法︑行

政法等がこれらを規制しているのが現状である︶という経済的な実体をコントロールすべき法規定の総体の法構造と

その機能の分析と検討が︑今日の商法学の中心課題となっている︒したがって︑さらに﹁企業をめぐる法︵企業関係

法︶﹂︑たとえば証券取引法︑独禁法を中心とする経済法︑行政法︑税法などのほか︑国家の最高基本法たる憲法とと

もに国際法・条約︵安保条約や国際経済法など︶まで︑その視点を拡げて︑述べたいと思う︒

 本稿の立場からは︑現代商法は︑大きく分けて︑①企業組織法︑②企業行為︵活動一従来の商行為︶法︑③企業合

同︵高次元的活動︶法ないし企業結合︵企業集団一高次元的複合組織︶法︑さらには④有価証券︵流通証券︶法など

の領域が設定されうる︒①1③について︑大企業の支配体制の法構造のテーマのもと︑まず商法学研究の中心を商法       ︵4︶典改正に焦点をあてて︑関連分野を含めて︑これを歴史的かつ世界的な背景との関連で分析.検討する必要がある︒

 ︵1︶ 渡辺洋三教授は︑社会科学としての法社会学の根本課題は︑日本資本主義社会と法との相互関係を︑壁構造的に明らかに

   すること⁝⁝にあるとして︑以下のようにいう︑法律時報三七巻五月号︵﹁法社会学の課題﹂所収一一四頁︶︒

    ﹁資本主義法の理論的解明に欠くことのできない分野︑憲法︑行政法︑資本法︵商法︶︑刑法などの分野で︑基本的法則を

   認識しうるような基礎理論がつくられていないことは致命的であり︑諸学者の協力をつうじてつくりだされるべきである︒

(11)

現代商法とはいかなる法か

  解釈法学において普通いわれている諸原理︑近代憲法の原理︑近代行政法の原理︑近代商法の原理などについても︑社会科

  学的解明はこれからというところである﹂︒

︵2︶ 戒能通孝博士は︑﹁法律社会学﹂︵戒能通孝著作書写法社会学三頁︶のなかで︑要旨ば︑つぎのようにいう︒

   ﹁社会に関する過去の学問は法律学によって代表されていた︒何が法律として通用しているかの発見や︑どんな法律を作

  らねばならぬかの研究を通し︑特定の法律が適用せらるべき社会の実体を探究していた︒法律学はこの時代︵第一九世紀初

  頭頃︶には唯一の社会に関する知識提供者であった︒﹂とし︑社会をはかる尺度としての法律学の存在を.不す︒ついで︑﹁法

  律学の中から経済学が独立を宣言して以来︑法律学から分離する社会の諸学は多かった︒政治学︑財政学︑社会学等︒それ

  らの諸学が法律学から離れたため︑法律学の内容は極めて急速に貧弱になった︒社会の統一的研究の学としての法律学が︑

  社会関係諸学に解体して見ると︑二つの点が気になる︒①社会に関する統一的研究が消え去った︒そこでは決定的要素が何

  か意識的に検討が避けられ︑社会関係は意識的に不明確にされ︑経済や法律の技術的細目についてのみ取り組まれ︑重要な

  問題になるほど︑まともに対象とされてこなかった︑②いわゆる法律学者の研究は︑ ﹁現行法の絶対化とその矛盾なき字句

  解釈とに限定された︒﹂と述べ︑﹁法律学は社会の法律現象を厳正な科学的立場から︑科学的に研究することにその出発点を

  求めねばならない﹂のに︑そのような非常に技術的な細目に微視的なミクロの作業にとじ込もっていたことを力説してい

  る︒   なお︑池島宏幸﹁社会科学としての﹃法の解釈﹄一商法学・経済法学のサイドからl﹂︿早稲田大学習立一〇〇周年記念﹀

  ﹃新しい社会科学を求めて﹄一九八三年一七七頁以下参照︒

︵3︶ 後述六﹁資本法﹂参照︒

︵4︶ 詳しくは︑池島宏幸﹃大企業支配体制の法構造一商法改正問題の史的検討とその広がりの側面から一﹄一九八四年日本評

  論社を参照されたい︒

129

(12)

五 ﹁商法一企業法﹂の歴史的展開と世界的背景の把握の必要性

130

      ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   ヘ   へ 資本主義的企業形態の一種として︑資本主義経済をになう現代株式会社を規制する商法h資本主義的企業法におい

て︑ ﹁法と経済﹂とがいかに現実的かつ歴史的に関連しあっているであろうか︒この具体的検討は︑きわめて重要な

意義をもっている︒この解明のために︑わが商法目企業法の近代的展開の傾向は︑単に法技術的側面のみからつかま

えうるものではなく︑その歴史的位置づけとともに︑世界的視野のもと︑社会︑政治︑経済的背景においてこそ︑こ

れを興味深くフォローしうるとおもわれる︒

1

現代商法の歴史的位置づけ

 前章では︑ ﹁商法レ道塗法﹂を広く理解して現代商法をとらえる視点を提示したが︑つぎに本稿で現代商法という

場合の﹁現代﹂とはなにかが明らかにされねばならない︒﹁現代﹂ということばぱ︑通常︑﹁近代﹂と対置され︑﹁近

代﹂につづく新しい社会というように鮮されている︒この現代社会を歴史的に理解するためには︑近代社会から現代

社会へと推移していくなかで︑国家・法・経済・企業は︑どのように変質しているかの理解が前提となる︒近代国家      ︵1︶から現代圏家への推移は︑法螺には︑近浅法︵近代市民法︑または単に市民法という場合もある︶から現代法への展

開ととらえることができる︒経済的には︑資本主義の発展段階に退して︑近代資本主義は産業資本主義︑現代資本主

義は独占資本主義から国家独占資本主義への展開と位置づけることができる︒

(13)

現代商法と.はいかなる法か

 したがって︑現代商法を考える場合︑それを包含する現代法およびその前提たる近代法を考究する必要があろう︒

すなわち︑現代資本主義法︵巳現代資本主義国家法︶体系およびその前段階たる近代資本主義法︵11近代資本主義国

家法︶体系における﹁商法﹂の歴史的位置づけがなされねばならない︒というのは︑ ﹁商法﹂は︑それがいかに技術

的な法であるといわれようとも︑明治以来現代まで︑国家権力を直接.間接に背景として成立し︑運用されてきた国

家法の一つであることに変わりはないからである︒言いかえれば︑ ﹁商法﹂は︑底辺に商慣習.慣行をふくむ﹁社会

規範﹂を基盤とし︑その⊥部に国家の最高法規たる憲法を頂点として形成されるピラミッド型の﹁法規範﹂たる﹁国

家法体系﹂のなかに︑その全体との対応において︑論理的・機能的に位置づけがなされ︑かつ︑矛盾を内包しつつ︑

つねに静止することなき変動をともないながら機能してきていると考えられる︒

 ︵1︶ 近代法とは︑近代市民社会を底辺にして成立する近代市民国家の上部構造を形成し︑それに対応して展開される法規無体

   系である︒そしてその一定の変化・発展形態としての資本主義法たる現代法が考えられる︒特集﹁市民法と社会法﹂法律時

   二三〇巻四号︑熊倉武﹃法思想史概説﹄二〇二頁︑渡辺洋三﹁近代市民法の変動と問題﹂講座現代法一巻七〇頁︒ ﹁現代﹂

   を﹁近代﹂との対比でとらえる︑つまり歴史的典型をもとめて︑これとの偏差でとらえることについては︑渡辺﹁戦後法社

   会学の回顧と展望﹂2法律時報三七巻六号五七頁以下︒資本主義法については︑大阪市大経済研究所﹃経済学辞典﹄︵岩波︶

   五一六頁︵第二版︶五八四頁︵下山瑛二﹁資本主義法﹂︶︒

2 近代法と現代法

そこでまず︑現代商法を検討するための前提として︑近代法および現代法の問題をとりあげておきたい︒      31わが国の近代法および現代法とその歴史的位置づけを︑現代社会の現時点において︑ ﹁明治一一〇年余の日本資本 1

(14)

主義法︵近代法と戦前現代法︶と戦後四〇年の戦後現代法﹂という大枠的尺度をおき︑現代法の問題にアプ戸ーチ

してみたい︒これによって︑第一に明治初期よりの近代法の成立および展開の過程が指摘されうる︒したがって︑第

二に︑われわれが生活している現代社会における現代法の形成および展開の過程が示されよう︒

 前述のように︑近代法および現代法ともに︑いずれも︑資本主義経済社会を母体として生まれ︑かつそれを基礎と

する資本主義法︵11資本主義国家法︶であるが︑ここで近代法と現代法の時代区分を︑資本主義社会の経済的発展段       ︵1︶階に対応せしめれば︑近代法は︑産業資本主義および独占資本主義時代の経済社会時代に対応し︑現代法は︑国家独

占資本主義のそれに対応する︒

 ︵1︶ 我妻栄﹃近代法における債権の優越的地位﹄︑川島武宜﹃所有権法の理論﹄とくに三二三頁以下︑大隅﹃株式会社法変遷

   論﹄一〇四頁以下︑服部栄三﹃株式の本質と会社の能力﹄壬二七頁以下︑渡辺・前掲近代市民法七〇頁︒なお︑イギリス会

   社法に資本主義的企業法の一典型をみいだしうることについては︑池島宏幸﹁イギリス会社法における近代的発展の傾向と

   その特徴﹂静岡大学﹃法経論集﹄八号三頁以下︒

132

3 現代法と外国法

 つぎに現代法というカテゴリーを想定するとき︑歴史的位置づけとともに︑全世界的視野においても︑理解されね       ︵1︶ばならない︒というのは︑現代法とは︑現代国家の法であり︑そこでいう﹁法﹂とは︑ ﹁国家と法﹂のそれであるこ

とから︑前述のように﹁社会規範﹂のうえに成立しうる︑または成立しうべき﹁法規範﹂ないし﹁国家法体系﹂の総      ︵2︶体をさす︒それらは︑大きくつぎの三つのグループに分類しうるであろう︒一は︑資本主義国家法←資本主義法︑二

は︑社会主義国家法←社会主義法︑三は︑アジア・アフリカ新興国家法←アジア・アフリカ法︵AA法︶である︒本

(15)

現代商法とはいかなる法か

稿では︑当然︑資本主義法を対象として考察する︒

 以上のようなグローバルな視点をあげたのぱ︑たとえば資本主義法としての現代商法の法規定が︑社会主義法では

いかなる法形態を採ることとなるかの問題でもあって︑これはきわめて重要かつ興味深い課題だからである︒社会主

義法における民法・経済法・行政法・企業法の法制度との比較問題︑さらにアジア・アフリカ法でば︑資本主義法系

と社会主義法系の法制度のいずれかを採る国々において︑それぞれの国についての民法・商法.経済法.行政法.企

業関係法との﹁法社会学﹂的でかつ﹁社会科学﹂的な比較検討をも︑その考察の対象とすべしとの姿勢をもっている

からである︒商法とは何かの問題は︑法一般の問題と同様に﹁経験法則﹂によって点検し︑ ﹁歴史法則﹂にそって研        ︵3︶究されねぽならない︒       ︵4︶ なお︑成文法国であるわが国への他の資本主義国の法条文の継受ないし摂取について附言すれば︑きわめて一方的

な外国法の摂取が︑一般的特徴である︒日本における外国法の継受は︑七世紀の中国︵唐︶法︑一九世紀末の明治か       ︵5︶ら戦前までのヨーロッパ大陸法︵フランス法からドイツ法へ︶︑戦後の英米法のそれぞれの継受があるが︑明治以来︑

法規範として導入された外国法は︑そのような法条文が生まれた外国の経済的基礎とは相対的に分離し︑特殊日本的

な資本主義経済の各段階に対応して︑それに日本的内容がもられ︑その機能︵法規範の一般的機能一法規定の存在

と特定的機能一個別的・具体的事件の具体的適用を意味する︶を︑発揮してきたといえよう︒

 ︵1︶ 藤田勇訳﹃国家と法の理論﹄上巻・下巻︑稲子恒夫訳・パシュカーニス﹃法の一般理論とマルクス主義﹄︑戒能通孝﹃法

   律の階級性﹄戒能著作集W巻五一頁参照︒

 ︵2︶ 五十嵐清﹁大陸法と英米法﹂法学セミナー八七号二頁以下︒なお︑池島宏幸﹁中国の経済と企業と法﹂比較法学一七巻二 33      1   号︵早大比較法研究所︶一六一頁以下︒

(16)

︵3︶ とともにさらに︑その背景には︑先進国法制度口西側・東側法制度のいわゆる東西対立問題の複雑な絡みを含めて︑発展

  途上国法制早AA法制雪雲甘甘制度が︑いかなる法制度を採るかについて・隙問題︵途上国相互の問題︶とともに・悩

  いわゆるIEO︵国際経済秩序︶とNIEO︵新国際経済秩序︶の法制度との対決となって国連レベルなどでも顕在化しつ

  つあるように︵たとえばOECDの多国籍企業の行動指針−国際経済法の一側面︶︑南北対立問題が複雑に反映しているの

  が︑AA法の問題として今後問題とされる新たな視点でもある︒

︵4︶ 一九六五年春の比較法学会﹁日本における外国法の摂取﹂︒

︵5︶ 高柳賢三﹁日本における外国法の継受﹂法律タイムズ四巻一〇号一頁以下︑利谷信義﹁外国法の継受﹂法学セミナー九六

 号二頁︒

4

近代商法から現代商法への時期区分

 右のような大枠的理解にもとづいて︑左に︑﹁商法u企業法﹂の展開において︑おもに形式的な商法典の成立とそ

の改正の問題を︑経済の変動と関連さぜて歴史的にあとづけて=二五頁一=二六頁に図示してみよう︒厳密には︑立

法のみならず︑司法︑行政をふくめた国家機関的承認により成立する実質的法規範の総体について︑この作業をする

必要があるが︑本稿では︑ひとまず︑商法典を中心として︑経済法などの特別法にもふれることにする︒

まず日本の商法の歴史を︑一九三〇年ごろを中心に大ぎく二つの時期に時期区分して昌近代商法の蟻ぎ現

  ︵2︶代商法の時期とする︒前者は︑①初期的近代商法の形成期︑②近代商法の成立完成期︑③手直し整備期の三期に分

け︑ついで後者は︑戦前商法と戦後商法の二期に分け︑そのおのおのを︑④現代商法の成立期︑⑤戦時法期︑一九四

五年敗戦以降は︑占領前期︑後期︑安保体制は第一期から第七期までのそれぞれに分けることにする︒

 ︵1︶ 平野義太郎﹃日本資本主義社会の機構﹄三七〇頁以下の日本資本主義年表参照︒

(17)

現代商法とはいかなる法か

         戦前の企業関係法改正経過図表

商  法  改  llE 経済法(統制法)己知il 経済社会的背景

平安

剔q

コ田∫

]戸

専業の商人一商法的}}}ll度 ヨ銭・割符(さいふ)

船式目・海路諸法度  i ラ替手形・預手形・振手形

、同海損の慣習法

603中国法(隣

@ ・唐)文化 X64封建法形成

@ へ翠ニ法と商人法一一屋号

形成冾P868 〜1889 1869([り12)」纏i{有部室ヒ ・ 芝{}替

@   会社

P871(明4)会社弁 P882(明15)為替手形約束手

@   形条例

特許主義 V2国立銀行条例 W2目本銀行条例

西欧法制継受へ 走{のイく源的蓄 マの典型的強1了 o済の近代化…

ツllr位法期

近 代 商 法 の 時 期

成立冾P890 〜1910整備期1911 〜1926 1890(明23)旧商法

P899(1リ132)茉斤(耳己そ.f)1拓fぞ」ξ

H911(明44)乎直し改正

免許⊥義一法人格と

@   イ∫限責任

?則主義

、事法主義から商人

@主義へ

Q0(大9)銀行条例改

@, 〕E一合併規

@  定の特例

Q2破産法

…般法彩成

Q...二体制へ

P9041i露戦争・一

̀5泡沫会社

P914第一・次大戦〜18一.債権国へ

d要物産一軽工 ニ20戦後恐慌

@第二次反動恐

@慌

現 代 商 法 の.時 期

戦前 勛齔

ャ立冾P927 〜1937戦時法期1938 〜1945

1932(昭7)手形法 P933(昭8)小切乎法

P938(昭13)大改正

@   イ∫限会礼法

27銀行法

R1重要産業統制法

R3rl鉄株式会社法 R8国家総動員法

@戦時統制立法

金融恐慌 鴻塔oートSt.

ゥらウォールSt.

ヨ.li堺恐・1荒

燒{位廃[1:

ヌ理通貨制度 o済統制法 ニ占助長策 驪ニ自体の思想 p米会社法に山

?する制度を継 しかし…般秘、

@の展閉中断 s戦

135

(18)

戦後の企業関係法改正経過図表

商法(会礼編)改正 経済法(独禁法)改正 経済社会的背景

鶴 1

45財閥解体・農地改革

1947原始独禁法制定

1948 48.事業名−団体法

後期P949

@}

P951   1

….1950(昭25)た改IL 1949第一・次改【E 49ドッジ・ライン

T0牽月魚羊戦守+ ・ キ与三箒言.景一虫丸

.一サり

521MF体制へ

119521

@    エ955(昭30)改llこ

1953㌶二.一=〜ナく.ノく己父IL  ..良し、

@ .カルテノレ 55高度成長へ

事業渚卜月体法廃【[=

5 不公IEな取引ノ∫法・

 般指定告示

T6卜,;旧法

1958. 58塀∫.・.〜欠己父11:P案   ごノよ〕璽

.二朗 州の変化へ

1959 60所得倍増謂.画

、  旨 1962(昭37)改丁[ 6瞭表法

1963、 rド清法強化改.lll 63貿易自由fヒ92%

1...j 641MF8条国移行   I      I

1964…

1 1966〔1碧41}改Ill 65下請法強化改正

..・.一@1

D相. 1967…   3 67資本自由化

iPL削旨 68案

196δ1 「69大型合併承認

安1 ・ 1 72 裏      1 72.景ま乏法改1に

1973 73第一・』次石油危機

S.期 19ア4(昭49)改拓

1974i 75会社法全面改臣へ一 75案

会社法改IL閲題ノ∴・:意 76案. 76特例国債(赤「」・=国債)

1975 見!照会 1977強∫ヒ改11[ (1978ガイ

六}㌍以 791珂L卜切り}i}lilし ・墨ξ急、 ドライン) 79第.二次石油危機

   1P979 改ILへ ユ979外為法大改正

 1@  [

P9801

/く.

饗圖    〕

1981(昭56)ノく改iに

@83却1・会ぞi:区分.・ !二ljこへ

1981新銀行法 P982不公IEな取引:ノ∫法改

@ .IE

81企業の国際化

@.南北サ.ミッ・卜

84尺・」・ こぞL[ズ:分・・イ}f}卜 1983産構法(.1)

期  ≡ 等怠兄照会 84割賦販売法改正

(1)産構法(IE式名一特定産業構造改善臨1痔措置法一83年5月施1.∫、88年6月末迄5年間)

は、78年5月制定の特安法(特定不況lll三業安定臨時措置法一83年6月末迄5年問)を受け 継ぐ形で、内容的には鹿に進展したものである。

 もと.もと同法は、78年6/1のOECDで採択された「積極的調整政策(Posltive Adlustment Policies. PAP)に関する一.一般指針」の考え方に則しているといわれる。

 70年代のゆ:化学}:業の経済問題は、その後拡大再生産の一途をたどり、80年代の日本.経 済の不況構造へとつながって、特安法→産構法=「企.業集団救済法」という経済規制法を結 果してゆく,と.くに80.年代の状況については、石油業法(=エネルギー[日家管理法の中心)

体制のもとでの産構泣1の成立、これをてこにした資本の撤退による資本救済の法メカニズ ムが問題とされる。通産省壁業政策局編『産構法の解説一新たな産業調整へ向けて』。

136

(19)

︵2︶ 戦後法の時代区分については︑渡辺・前掲戦後法社会学113︑法律時報三七巻五−七号参照︒富山康吉・山下健次編

  ﹁戦後法・法学年表﹂法律時報前掲五号二〇四頁以下︒

  なお︑安保体制第三期以降についても︑主に商法改正を対応させながら時期区分して︑その時期の特徴を浮びあがらせよ

  うとしている︒

六 ﹁資本法﹂として把握する現代商法論il﹁資本法﹂への検討

現代商法とぽいかなる法か

 冒頭に掲げたいくつかの試みの論稿によって︑ ﹁商法11企業法﹂の資本法としての本質を明らかにすべく︑商法と

いう法規範のもつ歴史的性格の究明を試みた︒その歴史的発展の過程での一つの論証として︑商法︵11資本法︶と経

済︵歴史的・社会的事実︶との対応関係を︑ ﹁近代商法﹂と﹁現代商法﹂の対置において︑その体制と段階と状況の

設定をつみ重ねることによって︑概観してきた︒以下では︑稿を改めて﹁資本法﹂について言及し︑資本法としての    ︵1︶現代商法論を検討していきたいと考える︒

 現代企業をめぐる法構造ないし法律関係は︑経済的には︑企業を構造している三要素︑すなわち﹁資本﹂︑﹁労働﹂︑      ︵2︶﹁土地﹂によって成り立っている︒法的にば︑それぞれの側面について︑従来から︑資本に関しては︑商法︑民法等         へ3︶によっているし︑労働に関しては︑労働法︑民法等によウ︑土俗に関しては行政法︑民法等によって対応︵規制︶が

なされている︒このようなことから︑商法は︑民法等ととも二現代津田の資本に関する側面を主に規制するという意

味において︑広義に︑資本に関する法︵資本法︶と位置づけることができよう︒したがって︑商法は︑民法ととも      餅.に︑資本調達ないし資本集中・集積の法の中心部分を占めている︒とくに商法中︑会社法は︑会社︵目資本集中体と

(20)

して︶の基本構造を規定し規制するから︑資本集中体に関する法︵資本集中体法︶ともいえる︒これらの広義の意味 38       1において︑商法ぱ資本法の中心を担っているといえよう︒

 いいかえれば商法典ぽ︑資本に企業という法構造の枠組みを規定し︑資本の活動陪集中・集積のための法構造を提

供しているという意味で︑とくに現代商法は企茉に関する法であるといえる︒また︑伝統的には︑中世以降︑商人の法が

商法であったが︑一九世紀以降︑資本主義経済の高度化に伴ってまさに企業こそ︑現代の商人であり︑現代商人法は企

       ヘ  ヘ  ヘ  ヘ  ヘ      ヘ  ヘ      へ業法である︒ここで︑企業の経済的実体の本質である資本に関する法の中心部分を規定し規制する法が商法である︒      ︵4︶ 右のような広義の意味において︑私は﹁現代商法己企業法賦資本法﹂と図式化して説明している︒

 ︵1︶ 会社法は﹁資本のための法﹂として運命づけられている︑として﹁資本法﹂論を初めて展開されたのは︑実方正雄教授で

   ある︒教授は︑その著書のなかで︑つぎのようにいう︒

     ﹁産業資本の再生産運動を︑法的に保障することの需要が︑近代商法体系化の基礎である︒⁝・:資本再生産運動の法的保

   障は︑資本再生産運動を主体的に企業として法的範疇化する︑ということによって行われる︒⁝・:商法は⁝⁝﹃資本法﹄た

   るの歴史的性格と地位を担ったものと見ることができよう﹂︵﹃商法学総論﹄三頁︑一九四五年︶︒

     ﹁近代商法の内容は︑要するに︑資本制社会に於ける経済的生活体としての資本制企業が︑必要とし︑便宜とする一切の

   組織及び行為に関する法である︒⁝⁝特に⁝⁝金融資本主義経済への発展は金融資本運動に特殊な法機構や法技術などを

   も︑逐次︑商法の内容たらしめている﹂︵前同六〜七頁︶︒

     ﹁商法は対象論的には企業法としてまた歴史的性格に即してみれば資本法として把握さるべきである﹂︵﹁私法﹂七号一二

   七頁︶︒    なお︑ ﹁企業法﹂論を超克して﹁資本法﹂論を建設しようと志向する現代商法学の動きについては︑岩崎稜﹁戦後日本商

   法学史所感﹂法律時報四一巷三号六頁以下︒

  ︵2︶ この点に関して渡辺洋三教授は︑民法を商品の法とし︑商法を資本の法として位置つけて︑ つぎのようにいう︵﹁近代市

(21)

現代商法とはいかなる法か

  民法の変動と問題L講座現代法一巻八二頁︶︒

   ﹁資本の法の発展  資本主義的生産関係にとって︑資本所有を保障する法が︑中心であることはいうまでもない︒市民

  法は︑商品を把握しえても︑資本を把握しえない︒ここに資本を直接に把握する資本の法が登場せざるをえない︒商法を中

  心とする商関係法の展開が︑それである︒もちろん︑近代的商法は︑市民商法として出発する︒それは︑近代以前の商人階

  級の特権を打破し︑古い意味での商人階級法を︑すべての市民に解放し︑市民一般のための商行為へのみちを開いたという

  意味で︑近代的である︒しかし︑近代商法はなお市民的なものであって︑特殊資本家的なものではない︒それが︑生産過程

  における資本の活動と組織を︑企業の活動と組織として法的に構成する企業法として展開するとき︑資本の法としての性格

  を︑明確にうちだし︑近代商法は現代商法へと展開する︒民法と商法の差異は︑本質的には︑商品の法と資本の法との差異

  であり︑商法が資本の法としての固有の意味を本格的に発揮するのは︑やはり独占段階においてである︒﹂

︵3︶ 渡辺洋三・前掲現代法一巻八三頁は︑つぎのようにいう︒

   ﹁株式会社の法構造は︑資本制的私的所有の法構造の中心であり︑この研究は︑現代法の研究にとって最も重要な地位を

  しめている︒︹商品の法としての市民法︺回が︑商品一貨幣一嘗本−株式資本という法範疇の発展を︑ いかなる論理的すじみ

  ちをへて展開するか︑それが︑単に私的所有一般でないところの資本制的私的所有の私的性質と社会的性質との矛盾の法論      も  ヘ  へ  た  ヘ  へ  理的展開と︑どのように照応するかについて︑基礎理論的解明が必要である︒株式会社が法学にとって重要なのは︑それ

  が︑私的所有に基礎をおきながら︑所有の高度に社会的性質を一〇〇パーセント実現するためのしくみとして︑所有の私的

  性質と社会的性質を最も高度に統一した形態であり︑また︑それゆえにこそ︑その中に︑所有の私的性質と社会的性質の分

  裂と対立を最も集中的に内包している形態でもあること︵統一と分裂の弁証法︶︑したがって︑株式会社の法論理構造の分         へ  ぬ  へ  じ  析をつうじて︑資本制的私的所有の本質と運動の法形態を︑最も典型的に検出できるからにほかならない︒かくて︹資本の

  法としての株式会社法制︺と︑その対極として出てくる︹資本に対立する労働者の法としての労働法制︺とは︑現代法の二

  大中軸であり︑それは︑市民相互の商品交換関係が資本賃労働関係として展開してゆく中で︑近代市民法が︑現代資本法と

  現代労働法とに分裂することの当然の帰結である︒﹂

︵4︶ この図式で不等記号を使う意味は︑商法典以外の関連特別法をも包含しているので︑資本法の対象となる領域は拡がると 39       1  いうことを示している︒なお︑いうまでもないが︑﹁資本法﹂と︑社会主義法などとの対比で使われる﹁資本主義法﹂また

(22)

は﹁資本主義国家法﹂とは︑まったく異なる概念である︒ とともにこの図式によって︑現代商法規定が︑相対的にはますます抽象的・一般的︵あるいは画餅約︶規定となってきて

いて︵例えば各種の特例法︑計算・公開規定関連の委任立法の増大等︶︑伝統的な商法規定は︑実質的には﹁資本法﹂とい

う広範囲な法領域として︑いわゆる﹁現代法﹂の重要な部分をにないながら︑内容的には前述の広義の現代商法︵企業の自

治法である約款法や行政指導等々まで含めて︶によって︑とって代わられて︑厳密な意味では形式化し︑あるいは死文化し

て︑本来の意義を喪失して︑企芙実務による商法の政策化・空洞化がもたらされているといわれる現代商法の現状の方向性

をも示している︒いわゆる﹁良き市民法﹂と﹁悪しきブルジョア法﹂との二重の課題も︑商法学に無縁ではないと思われ

る︒特集﹁現代法学の方法と課題﹂法律時報五六巻一号i渡辺洋三﹁﹃市民法・現代法﹄論﹂=一頁︒なお︑株式会社法制

度の現代的立法改革の展望につき︑新山雄三﹁近代株式会社法の歴史的性格について﹂社会科学の方法一六一号一一頁以下

は︑改革を迫られている伝統的株式会社法制度の意義と限界の認識の必要を訴える︒

140

七 ﹁資本法﹂としての現代商法の役割

1

資本主義的企業と法

 前述のように本稿のタイトルに関するいくつかの試みの論稿では︑明治の近代法典を日本の近代法の出発点とし

た・近代商法典の成立によ・て︑そ勉以後はこ魍を中核・一して︑一つの状況がつくりだ♪A・れ︑それを越︑多.︑さらに

その補充立法︑関連立法の成立とが︑改正立法という一つの段階の形成によって︑近代商法体系という体制︵たとえ

ば﹁明治三二年体制﹂︶を拡充してゆく︒というのは︑補充立法︑関連立法や︑改正立法という形式での国家機関的

(23)

現代商法とはいかなる法か

承認の追加およびその時代との対応によって︑法規範体系は︑全体的に︑形式のみならず質的にラセソ状的な展開的

変動をしてゆくからである︒それはたとえば︑同じ条文でも︑新条文との関連で︵つまり︑状況との関連で︶︑新し

い解釈に脱皮してゆくのをみてもわかるであろう︒

 とくに大正期から昭和初頭期にかけての国家権力による経済過程へのかかわり方が︑たとえば﹁干渉﹂︑﹁介入﹂︑

﹁丸がかえ﹂という各段階をへて展開︑変動してきている︒その変動において生ずる矛盾とその展開によって︑近代

商法から現代商法への移行が現出されたのである︒そして﹁歴史的に規定された商法﹂は︑本来的に資本主義ととも

に成立し︑機能的には﹁資本法﹂として運命をともにし︑ ﹁資本主義の高度化﹂に対応して︑近代商法から︑実体的

には﹁企業法﹂としてとらえうる現代商法へと変動したのである︒したがって︑ ﹁商法とは何をするものであるか﹂

を問うとき︑それは﹁資本法﹂として機能し変動する法規範であるという機能概念を設定して︑理解すれば︑ ﹁商法

とは何であるか﹂︑﹁商法とはいかなる法であるか﹂という実体概念をダイナミックにつかまえうるであろう︒この問

題については︑その﹁展開︵プロセス︶の理論﹂によって得られる﹁歴史的操作﹂を︑ ﹁理論的操作﹂に切り替えて

︵スイッチして︶体系化しなければならない︒それによって︑前述のように︑ ﹁商法一1企菜法﹂の展開過程を現代商

法として体系化しうるのではなかろうか︒それは公企業︑私企業といった企業のカテゴリーの枠を止揚した︑すぐれ       ︵1︶てダイナミックな資本主義的企業法という次元で︑ ﹁資本法﹂として体系化しうるであろうと考える︒それはおおよ

そつぎのようである︒

 ︵1︶ 実方正雄﹃会社法学﹄IH参照︒渡辺・前掲戦後法社会学2︑3法律時報三七巻六号五七頁︑七号三六頁︒三戸岡道夫

   ﹁株式会社制度の特色と機能﹂経営法学ジャーナル一号七五頁︵資本法としての株式会社法︶︒

141

(24)

2

資本法としての企業法  資本と企業

 商法の対象たる企業は︑あくまで私的所有に立脚し︑ ﹁資本﹂の運動法則︵利潤動機と競争原理︶に規定された資

本の単位組織としての資本主義的三遠である︒資本主義的企業は︑①﹁資本の企業﹂であり︑②﹁資本による企業﹂      へ一︶であり︑②﹁資本のための辛菜﹂である︒①ば第一に︑資本をその運動の統一的主体としてとらえた企業という意味

であり︑第二に︑資本所有者が企茱の支配者である︒②は︑資本が企栗において︑主権田地位をしめ︑企業の経営が

資本の支配下におかれることをさす︒③は︑資本の増殖運動および蓄積運動のための機構であるという意味である︒

したがって︑ ﹁企菜﹂という機構ば︑資本そのものに︑あるいは資本の運動に︑一つの組織的な場を提供する︒その

機構をめぐって︑資塞の集中による企業資本︵社会資本︶に支配関係の﹁場﹂を形成する︒

 資本主義的企菜の中心は︑株式会社であり︑それは個別資本の集中にとって最高度に格好の機構を有する︒株式会

社に集中した資本︑すなわち企業資本ぱ︑出資者の出資︵貨幣資本︶の集積たるものであるが︑商法規定によって保      ︑ ︑ ︑︵2︶        ︑ ︑ ︑障された①﹁法人格﹂という法的ベール内に︵ないしマスター仮面をつけて︶集中することによって︑私的資本でか       ︑︑︑︑︑       ︵3︶つ個別資本たる個々の出資とぱ︑②﹁有限責任﹂という法岡なフィルターにより切断され︑一体化した独立の社会化

された個別資本として︑資本再生虚言瑚を展開する︒それゆえ︑株式会仕法は︑資本主義的企業の運動の合理的規制

のための法なのである︑けだし︑準則王義一7一よる﹁法人格﹂の取得と﹁有隈責任﹂の承認とば︑まさに近代株式会社      ︵4︶法の成立のための二つの基礎困要件であったのであり︑日本近代商法たる一八九〇年︵明二三︶旧商法および九九年       ︵5︶︵明三二︶新商法によって︑それぞれ相前後してその両者を法認している︒

142

(25)

︵1︶ 山・田山﹁戦後会社法の変貌の社会的背景﹂法律時報二八巻六号四頁︒

︵2︶ い■ρbdOo毛①さ竃︒富旨OoヨB旨鴫いp毛旨伍oF︵卜︒巳一日P︶℃ O㎝O悔弓O﹂G︒ωo戸ω①ρ∴Oo≦葭.ω℃毛蚕一且①ωoh竃︒ロ①ヨ

  Ooヨ冨づ図り㊤≦り心島①α;お刈ρ旨﹂お雲ω①ρ.ピ一h二pσq9①<①一一︵いわゆる法人格否認論︶が詳しい︒

︵3︶ 出資の回収は︑出資先の個々の企業とは別の証券市場からなされるというメカニズムの存在が株式会社制度の出資制度の

 前提となっている︒その意味で出資は原則として永久に出資者の手の届かない会社の法人格というベイルに覆われた企業の

  深奥に集中してゆく︒

︵4︶ 池島・前掲イギリス会仙41法一〇頁︒

︵5︶ 池島・前掲書現代的課題二四頁︒

3

資本と信用の法的関連一資本集中における競争と資本信用

稿

 私的所有の対象である出資は︑ ﹁法人格﹂内に集中すること︵資本の所有を留保しつつ︑資本の経営u機能を譲渡      ︵1︶すること︶によって︑ ﹁企業﹂という法的主体による社会的所有︵支配︶の対象たる﹁企茱資本﹂となる︒このよう      ︵2︶な妹介をするのが﹁資本信用﹂である︒それは︑資本主義田楽業そのものの限界内での私的所有としての資本の止揚        ︵3︶という作用をはたす︒すなわち︑資本ぱ︑法人格の下に統合︵集中︑蓄積︶されることによって︑その私的性格は社

会的性格へ転化せしめら引潤る︒換言すれば︑資本のもっとも単純かつ端的な形態たる私的所有権が︑一方では︑その

私的な性質と︑他万では資奉主義︐珊生産.ならびに再生産の特殊社会的性質との矛盾によって︑内的必然性をもって︑

資本信明に煤弁さ晒て︑その瓢的性質を止揚してゆく︒その展開の過程において︑資本としての所有権の最後で最高       ︵4︶の形態たる独占資本へ到達する︒そして︑この私的注質と社会的性質との対立と統一とは︑資本としての所有権︵資      43本所有権︶の全展開を貫徹してゆくので︑前者は︑企業の﹁所有﹂の側面に︑後者は︑その経営11﹁機能﹂の側面に ー

(26)

    ︵5︶あらわれる︒まさしく株式会社という企業こそは︑この所有と機能の分離という﹁資本信用﹂によって︑この矛盾を 44      1      ︵6︶も解決しようとするところの﹁信用に媒介された資本集甲体﹂として把握しうる︒

 資本集積.集中︑資本集中体の法的な規制の側面のメカニズムにおいては︑これをいかに理解しうるか︒一般に資

本主義経済はその内的必然性により︑右の競争ないし信用あるいは両者を媒介として発展し独占資本主義へと移行し

たといわれる︒経済の高度化に対応する法的枠組みの解明を追究すればするほど︑商法11企業法の資本法としての本

質が浮き彫りにされる︒商法は︑資本の集中による管理・運営・支配︵例えば︑株式・社債等による資本調達︑株式

の譲渡ないし譲渡制限︑会社の合併契約書の資本条項とともに現代的側面でもある従業員引き継ぎ条項等々︶の一般

法.基本法と言う意味で︑資本法の本質をもつといえよう︒法規定は極めて一般的で抽象的であるため︑具体的事件

ではかえって具体的内容が盛られやすく︑具体的解決のプロセスによってぱ︑資本の運動法則の展開をまざまざとみ

せつけられる︒

 ︵1︶ 西原﹁企業の法理﹂私法の理論=一五頁以下︒

 ︵2︶ マルクス.レーニン︵ζ母き国こU三国pO即巴︑切傷﹄一十本論第一巻⁝﹄①=⁝甲=.順==口Φ℃三三ω冨・H㊤寄一二国主

   義論︶のいわゆる資本集中における競争の原理に対するヒルファーディング︵匹罵oa冒ぴq一山こ∪錺薄口睾N吋9嘗鐙ごH曾O一

   金融資本論︶の資本信用.流通信用の理論がある︒北原勇﹁資本集積・集中﹂岩波﹃経済学辞典﹄第2版五八九頁︑鈴木芳

   徳﹁資本信用・流通信用﹂岩波前掲辞典五八五頁︒

    富山﹁所有と経営の論理的矛盾とその発展﹂立命館法学二九・三〇合併号四三九頁︑富山・前掲信用制度二七二頁︒我妻   ・前掲三一〇頁は︑流通信用︑投資信用という用語を使おれる︒

 ︵3︶ マルクス﹃資本論﹄3︵世界の大思想20︶三五八頁以下︒同︵大月版︶㈲一七九頁以下︒

 ︵4︶ 川島・前掲三五一頁以下︒

(27)

︵5︶ 富山﹁商品所有権と資本所有権﹂法律時報三七巻一〇号八七頁︒

︵6︶ 富山・前掲所有と経営四三九頁︒いわゆる企業と所有の経営の分離については︑宮島尚史﹁株式会社における業務執行機

 関論﹂法律論叢三一巻五号︑大野実雄﹁企業の所有と経営の分離﹂民商法雑誌三八巻一号︒

現代商法とはいかなる法か

4

資本集中体法としての会社法

       ︵1︶ 資本は集中することによって結合すると︑その資本としての所有権は︑孤立して存在している単独のそれとはまっ

たく異なった特性を示すようになる︒それは支配関係を形成する︒その支配関係の最初の発現形態が︑商芙資本︑産

業資本の段階であり︑近代商法︵近代株式会社法︶は︑その支配関係に法的基礎を与えるべく︑それに対応して成立

した法規範体系であった︒そして︑一九世紀末から資本の集積・集中の進展は︑独占の形成を促進し︑産業資本と銀

行資本との融合形態としての金融資本︑すなわち独占資本︑国家独占資本の形成を促進し︑これとの対応において︑

それぞれ︑その法規範体系たる近代商法を展開せしめ︑さらに現代商法︵現代株式会社法︶を成立せしめ︑ついでそ

れを展開せしめてゆく︒

 これらの法の規制対象である株式会社による球菜は︑著しい発達を逐げ︑今日では︑ほとんどすべての事業分野に

おいて支配的な形態となっている︒

 株式会社は︑単なる共同出資の法的メカニズムとしてではなく︑資本主義の一定の発展段階に特有な資本の存在の

形態的メカニズムとして︑その機能を十二分に発揮してきた︒株式会社が︑個別的な︑また孤立的な諸資本にとって

は不可能であった生産や流通などに︑企菜の規模の尤大な拡張で対応して︑生産力の発展をもたらし︑これによる生      燭産力の発展と生産手段の私的所有との矛盾を︑資本主義的生産形式の枠内において︑可能なかぎり可及的に止揚する

参照

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