食 の 社 会 化
家政教育 谷村賢治
「外食産業時代が到来して……外食の産業化による風俗の変化が、伝統的な食文化に変革を迫る 状況を示しはじめたのが、いまのわれわれの現実である」。たしかに江原(〔1986〕P.132)の言う 通り、食事形態は、家庭内での食事を指す「内食」と、家庭の外で食事をとる場合の「外食」の他
に、昨今ではこの中間の「お持ち帰り」のような、いわば「中食Jとでも言うべき形態もしだいに 増えつつあり、この20年の間にわれわれの食生活は大きく様変わりを遂げたことは、すでに谷村〔1994〕
においてみてきた通りである。ちなみに外食産業の規模が平成4年現在で28兆4千億円という数字 だけをみても、容易にその状況は察しがつくというものである。したがって、同稿だけではあまり にもラフに取り扱い過ぎたきらいが残る。そこで食生活の社会化あるいは市場化に関していくぶん 詳しく見ていこうと思う。まず外食産業の規模ならびにその推移を観察し、そのあとで、かかる外 食市場を支えている需要側の分析に移る。ここでは外食依存度を2つの指標でもって検討を加える。
すなわちはじめに外食への依存度を「外食率」と「食の外部依存率」によってとらえ、その推移を 観察し、つぎにこの結果と「家計調査」から得た外食費の対食料費比率との突き合わせを試みる。
最後に、以上で見てきた食生活の社会化の促進要因について考察をくわえる(1)
1 外食産業の規模ならびにその推移
ここでは産業規模ならびにその動きを見ていくが、観察に先立って、そもそも外食産業とは何 かを押さえておいて、さらにこの産業の性質についても検討を加えておくのがこれから先の論を 進めるに当たって便利であろう。
(1)外食産業とは何か
飲食業から外食産業(dine−OutindustorY)へと名称を変えたのは、昭和40年代の半ばのこと である。この契機になったのは、昭和44年3月の第2次資本自由化にともなう「飲食業の100%
資本主義自由化」で、具体的には、大規模外食チェーンの登場である。設立された順に例を挙 げると、昭和45年、ダスキンがミスタードーナッツと技術提携。ケンタッキーフライドチキン も、またすかいらーくが食品スーパーからファミリーレストランへの転業をこの年に行った。
翌46年、合弁によるマクドナルド日本法人が設立された。
要するに、「飲食業界は裾野部分で多数の小零細経営の出現を促しながら、頂上・中腹部分に 産業化・組織化した大・中規模経営を生み出すことで、外食産業と呼称されるに至ったのであ
る」秋谷・吉田〔1988〕p.181。都市型先端産業としての外食産業の誕生である。
(2) 外食産業の性質
外食産業の性質を知るには、つぎの 4つの商品を提供していることを押さえれば理解し易か ろう:原・稲垣(1985)pp. 19‑20。すなわち、
① 食 事 ( 料 理 ・ 飲 料 )
② 人的サービス
③ 雰囲気の演出
④ 食事に関連した便益
①の有形財の提供が重要な商品であることから、製造業的性格を有する外食産業はサービス 産業とはいうものの、いわば限界領域に属するといえる。
上記のような商品を〈うりもの〉にしているフードサービス産業ーであって、外食チェーン 産業ではないーの特徴は、も同じく原・稲垣(1985)pp. 21‑24によれば、下記の通りである。
① 労働集約的・技能集約的。その生産はこれまで、コック・板前などの腕に依存するとされ てきた。加えて接客サービスも合理化・省力化は難しい。
② サービス産業に特有の生産と消費の同時性。むろんフードサービス産業も、その例外では ない。
③①の技能集約的という性質から、調理部門の経営に対する優越を招き、計数感覚の欠知等 を温存しがち。
④ 料理という商品は、多品種少量生産の典型。この性質が生産、仕入れの際の合理化=規模 の経済性を拒む。
⑤ コック・板前などの腕に依存する料理は、製品差別化を簡単に行える反面、その模倣も比 較的たやすい。
⑥食文化に根ざし安定した、かっ食噌好に基づく地域差別差を伴ったマーケットを有する。
⑦ 一般に企業規模が小さく、経営者の個人的要素が経営に与える影響は大きい。
⑧ 売掛金の少ない、いわゆる 日銭商売"で、設備投資は少なくて済むから、資金効率はき わめて高い。
⑨ 材料費が低く、営業面に問題さえなければ、一般に粗利益はかなり高水準にある。
こうみてくると、たしかに多数の零細な飲食庄の存立が可能となり、なぜ裾野の広い業界と 成り得るのかがわかる。
(3) 外食産業の規模とその推移
① 外食産業の市場規模
先に外食産業総合調査研究センターの『外食産業統計資料集:1994年版
a
によって外食産 業の市場規模が平成4年現在では28兆4千億円であったことを述べた。しかし実を言うと、この数字には、外食産業の市場規模と構成比を示した図 1を見れば分かるとおり、持ち帰り 比率が過半の庄の売上高や弁当給食のそれを含んでおらず、この料理品小売業の分も計算に 入れた広義の外食産業の市場規模はじつに31兆8千億円にも達する。
‑24 ‑
食堂・レ一一ー
8 5 . 5 5 8
ストラン( 2 7 . 5 )
そば・う一一‑1 0 . 0 7 3
どん底 (3 . 2 )
すし屋 一一‑1 5 . 4 8 5
( 5 . 0 )
その他の一回・ー8 . 9 0 1
ω 飲 食 盾 (
2 . 9 )
特殊タイプ飲食一一一一一一一ー2 . 3 8 5 ( 0 . 8 )
施 設 一 一 ‑‑一一一‑‑‑‑‑5 1 . 1 2 7
(1
6 . 4 )
校‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑一一‑ー5 . 1 3 6
( 1.7 )
所‑一・申ー一‑一一一ー‑
1 3 . 8 4 9 ( 4 . 4 )
院・一一一一一‑一一ー1 2 . 3 3 2 ( 4 . 0 )
社 会 福 祉 施 設 一 一 一 一 一 一1 . 6 9 2 ( 0 . 5 )
「喫茶底・ピヤホ「喫茶底一一一・
1 4 . 8 3 3
│ ー ル 等 斗 (
4 . 8 )
料欽主体2 9 . 6 0 8
L 酒場・ピ一一‑1 4 . 7 7 5 7 0 . 6 1 9 ( 9 . 5 )
ヤホール (4 . 7 ) ( 2 2 . 7 )
L 料亭・パ一等 「 料 亭 一 一 ‑4 . 9 0 2
41.011 斗 (1. 6) (13 . 2 )
L Jト ・ 村1¥'ト ‑3 6 . 1 0 9
ナイトクヲア (11.6) 飲食活1 2 0 . 0 1 7 ( 3 8 . 6 )
営業給食1 7 3 . 5 2 9 ( 5 5 . 8 )
宿 泊 給食主体
2 1 3 . 3 6 6 ( 6 8 . 5 )
業 学 事 病 集団給食
3 9 . 8 3 7
(1
2 . 8 )
外食産業2 8 3 . 9 8 5
(91. 2):料理品小:
;売業
j 3 4 . 1 0 3
( 8 . 8 )
広 義 の外食産業
3 1 8 .
。邸 (10 0 . 0 )
外食産業の市場規模と構成比:平成4年 資料:(財)外食産業総合調査研究センター編r外食産業統計資料集.!I
1 9 9 4
年版、p . 2
注1 : r特殊タイプ飲食」とは、列車食堂、国内線機内食から成る。
2:別枠の「料理品小売業」とは、売上高のうち、持ち帰り比率が過半の底を指す。また弁当給食も含む。
図
1
その内訳は、食事主体が
77.3%
、飲料主体が22.7%
となっている。全体の8
割弱を占める 食事主体はさらに、一般飲食と集団給食に二分され、前者は一般食堂、特殊タイプ食堂なら びに宿泊施設からなり、その構成比は55.8%
にもなる。むろんその中心は、外食市場の4割 弱を占める、いわゆる飲食庖である。ホテル・旅館の売上高も1 6
.4%と、集団給食の12.8%
を
3.6%
ポイントも上回り、かなり大きなウエイトを占めている。市場規模の推移
②
外食産業総合調査研究センターの推計は
1 9 7 4
年以前は発表していない。それゆえ昭和4 0
年 代に推移については「商業統計Jを基礎資料とした原・稲垣推計に依拠して観察してみる:図 2。
それによると、
1 9 6 0
(昭和3 5 )
年の市場規模はわずか3 1 8 0
億円。その6
年後の1 9 6 6
年には8 7 9 0
億円、年平均18.5%
の成長(名目)をみせている。昭和4 0
年代に入っても市場の急成長単位・千
笥
8
誕阻
明 ぺ 周
4 0 n U
1h T
m f
2迎
円
19舗 1~ぁ 19a1991
西暦
ロ 9
ト食産業市境規模 +広義のタト食産業規模 図2
外食産業の市場規模の推移資料外食総研統計資料集 1鈎4年版 pp.46‑47
は続くが、石油ショック以前と以後ではその様相を異にし、後期の急成長はたぶんに一般価 格水準を上回る外食価格の上昇に因るところが大きく、実質ではたかだか年率にして3.2%に すぎない:原・稲垣(1985) pp .42‑44。
昭和50年代の外食市場の成長は、 1980(昭和55)年以降の実質所得の伸び悩みの影響を受 け、安定基調を歩んだといえよう。一般には外食産業は 成熟化"の段階に達したとみなさ れた。
しかし1985(昭和60)年から再び成長軌道に乗った感のある市場拡大を見せている。
2
外食依存係数とその推移外食への依存度を計るべく、いわば外食依存係数として
2
つ の 指 標 外 食 率 」 と 「 食 の 外 部 依存率Jおよび「外食費の対食料費比率Jを取り上げ、その数値の観察を行い、外食依存度の検 討を試みる。(1) r外食率」と r食の外部依存率」
外食への依存度を「外食率Jとr食の外部依存率Jによってとらえ、その推移を観察してみ よう:図3。ここでいう「外食率J とは文字通り、家庭の外でとる食事を表し、「食の外部依存 率」は持ち帰りの商品を含む、いわば調理の外部依存化率ともいうべきもので、前者を狭義の 外食、後者を広義の外食ととらえる見方もできる:佐々木(1994) p.76。
さて、図3によると、 1885(昭和60)年に33.5%となり、 3分のlの食事を外でとり始めた
‑26 ‑
%
ー 制 ド ー 平 協
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43.1
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33.4 • • • • • • • •
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1~渇 1~ぁ
西麿
ロタト食率 +食のタ卜部比率
図
3
外食率、食の外部比率の推移 資 料 外 食 総 研 統 計 資 料 集 1994年版 pp.48‑49ことがわかる。本来の意味で、食の市場化あるいは社会化と言える、広義の外食依存率の場合 は、はやくも1980(昭和55)年に3分の1を超え、昨今ともなると 4割に達している有り様で、
その伸びがここにきていくぶん停滞気味とはいえ、食生活における社会化の進展ぶりがうかが える。
(2) r家計調査」から得た外食費の対食料比率
「家計調査」は、住居および家計を共にする
2
人以上の非農林世帯を対象とするから、単独 世帯という最も外食を利用する層である単身生活者の分は抜け落ちているという制約を有する。とはいうものの、かかる 弱み"を承知の上で「家計調査」を基に外食費の対食料費比率を計 算して、外食の状況を知る方法も考えられる
ω
。図4の実線は、それを示したものである。上記の制約条件からして若干の上方修正を必要と するが、 1970(昭和45)年に8.9%だったものが、 1975(昭和50)年には10.2%と1割を超し、
その
5
年後には12.7%、さらにその5
年後は14.1%と、着実に伸びているのがわかる。そして 1990 (平成2)年には15%を上回るまでになっているが、ここにきていくぶん伸び悩みの感は 否めない。たぶんに景気の動向を反映してのことかと、推察される(3)。エンゲ、ル係数を図 4の破線で表じてみた。 1970(昭和45)年に34.1%のレベルにあったが、
5
年間で32.0%、29.0%、27.0%、25.4%と、徐々に低下していった様が判明する。ただその 下がり方が僅かではあるが減り気味にはなってきているようだ。総じてエンゲル係数の低下の中での外食費率の増大を知ることとなった。
% 泊
5
1970 1975
1
鋭渇 191:ぁ 西暦ロエンゲル係数 +外食費の対食費比$
図
4
家計支出からみた外食の割合 資料外食総研統計資料集 1994年版 pp.54‑553
食生活の社会化の促進要因1~抱 1~主2
飲食業から外食産業への「転換Jには、いかなる原因があったのだろうか。先にみたフードサー ビス業の性質を踏まえて、消費主体=需要側面と消費環境=供給側面に分けて、食生活の市場化 の促進要因を最後に探っておこう。
(1) 消費主体=需要要因
① 辻村の消費習慣仮説に基づく学校給食の役割
先に谷村(1994)において生活履歴への着目を促しておいたが、その際、一例として消費 生活における学校給食の役割を評価すべきことを指摘した。江原 (1986)に拠って簡単に振 り返ると、「ファミリーレストランの発展と、冷凍食品・加工食品の生産量の急増と、学校給 食センターの増設に次ぐ増設とは、ほとんど斬をーにしている。……ファミリーレストラン の工場製料理の味に、学校給食を経験した若年層の多くはすでに十分になれていた。いわゆ る古きよき時代の食習慣を身につけたおとな世代の噌好から、青少年の噌好はすでに分裂を 起こしていたのである。ハンバーガーの圧倒的な普及が、何よりもそれを証明した。そして 冷凍加工食品のなかでとくに調理用冷凍食品の生産量は、学校給食センターの増加に比例し て急激に増大していった。そのことが世代間の噌好の分裂を早め、ますます決定的にしていっ たと考えられるのであるJ(p .205)ということである。これは消費経済学に言う辻村仮説こ と、「習慣仮説」の追認に他ならない:辻村(1968)。
‑28 ‑
② 女性の社会進出に基づく家事労働時間の減少
外食産業は二重の意味で、フルタイムあるいはパート主婦たちに支えられている。そのひ とつめは、ことにパート主婦にとって、相当程度その働き場所になっていること。もうひと つの意味は、時間に追われる彼女ら自身がその顧客となっていることで、昼は外食、そして 夕飯のおかずに惣菜などを買って帰るとしたら、その売上の伸びと密接につながることは、
確かなところとなろう。
③ 生活水準(所得)の上昇に基づく食生活の高度化
高度経済成長がもたらした中流化、あるいは正確に言えば、中流意識を持つに至った大衆 のニーズを汲み取り、それに見事に反応して成長を遂げたのが、外食サービス産業の先端を いった、幹線道路沿いに駐車場を備え付けたファミリーレストランであった。この新しいレ ストランは彼らをそのターゲットにし、中級レストランを志向した。手ごろな値段、開放的 でちょっひ。りしゃれた雰囲気の意味するところを、「結局のところ、定価の半額は雰囲気料あ るいは席料、それにプラス駐車料だと解釈すれば、勘定はぴったり合うというしくみだ。つ まり、《製品料理+サービス》の外食産業。その営業形態が中流意識の幻想を満たしてくれた」
と、江原((1986)p. 115)は説明している。
④ 単身者世帯の増加
単身者世帯、ことに若年層の場合、消費性向が高く、外食依存度もきわめて高いことはよ く知られているが、その原因はいくつかある。まず食事をつくる時聞が少ないことがひとつ。
例え時間があったとしても、作るのが面倒くさいのが、ふたつめの理由。わたくしも、いや と言うほど実感している。三つ目は、一人分を作るよりも外で食べた方が安上がりになる場 合もたぶんにあること。最後に、彼らが持っているゆたかな食知識や情報を充たす調理技術 がないこと。だからますます外食に依存するようになり、技術はいっこうに磨かずじまいの ままで、食通になる機会はさらに増えていく、という具合に、単身者の外食はいっそう増え ていくようになるのではあるまいか。
⑤ 余限時間の増加に伴う外食機会の増加
レジャーや旅行に外食はっきものである。余暇時間の増加はレジャーや旅行を誘発させて いた。とすれば、余暇時間の増加に伴う外食機会の増加は、今後いっそう増える傾向にある
とみてよかろう。
(2) 消費環境=供給要因
人口の都市集中に基づくスケールメリットを活かした生産ならびに販売方法の展開とは、食 材種類の多様化、調理法の多様化かっ単純化、メニューの増加、庖舗展開などを指すが、販売 方法の展開ならびに生産方法について簡単に述べておく。
① 販売方法の展開
加工食品の一般への浸透は、なにも学校給食の履歴効果だけによるものではなかったよう で、供給要因も少なからず寄与していたようだ。例えば、「ファミリーレストランの場合、チェー ン展開してゆくためのノウハウは、先行業界のスーパーマーケットに蓄積された拡大戦略が 下敷きになった。……スーパーマーットの普及と発展、学校給食の充実とセンターの増設と 大型化などが、外食産業の勃興に先行する前史的段階としてあったのである。そして、加工 食品や調理食品がスーパーマーケットを通じて、家庭の台所にも急速に普及していった:江 原(1
9 8 6 ) p p . 3 6 ‑ 3 7
。② 生産方法
先にフードサービス業の特徴として技術(技能)重視を挙げたが、江原は、実際に包丁を 握っていた経験から「外食産業としてのレストラン企業は、料理を製品化することによって、
技術と経験を積んだ料理人を必要としなくなった。クックレスレストランと呼ばれる由縁で ある。調理師がいないわけではないが、彼らにはすぐれた技術や経験は要求されない。経営 者が彼らに要求するのは、工場から配送されてきた製品を電子レンジに入れたり、フライヤー に入れたり、それを皿に並べたりするだけの単純な労働である。マニュアルどおり、忠実に おこなえばよいのである(1
9 8 6 )p . 9 7
、という。自宅で、あるいは下宿で、ろくに自分の 食べる料理もつくれない学生達が、結構マニュアル片手に揚げたり焼いたりして「商品」を 仕上げているシーンに、実際、わたくしもしばしば出くわしている。以上をー表にまとめると、表1のようになる。
表
1
食生活の市場化の促進要因 消費主体│①消費習慣仮説需要側面│②女性の社会進出に基づく家事労働時間の減少
③所得=生活水準の上昇に基づく食生活の高度化
④単身世帯の増加
⑤余暇時間の増加に伴う外食機会の増加
消費環境│⑥都市化に基づくスケールメリットを活かした生産ならびに販売 供給側面│ 方法の展開
床の聞が消え、替わってダイニングキチンが現れたのも束の問、台所から忽然と主婦がい なくなり、料理もまた消えた、というわけである。
n u q o
注
(1) この節は江原(1986)に触発されて筆を執ったといってもよい。一読を勧める。
(2 ) 家計調査では、接待目的の飲食費やっきあいに伴う外食の一部は交際費あるいは小遣いとして計算されている。
それゆえ、本来というか、字義通りの外食費は、家計調査の数値にいかほどかの上方修正が必要となる。ただ「家 計調査はこづかいを総枠でとらえるという方法を用いており、また交際費の一部を構成するつき合い費は総額の みで、各品目には細分化されていない。このため雑費総額と、各品目への支出の対応は必ずしも明確でない。こ のため、雑費中の外出支出の実態を知ることは不可能である。雑費の外食部分を推計する方法として、こづかい にやつき合い費に一定の比率を掛ける方法が便宜的に用いられることが多い。普通は……三分のー前後……係数 として0.3‑0.33程度が用いられることが多い。ここでは0.33とする」とある:原・稲垣(1985)pp. 53‑54。 (3) 佐々木(1994)第11章の第2節:外食産業と景気交替局面を参照されたい。
引 用 文 献 秋谷重男・吉田 忠 (1988) [j'食生活変貌のベクトノレ』農山漁村文化協会 江 原 恵 (1986) [j'料理の消えた台所』草思社
原 勉 ・ 稲 垣 勉 (1985) [j'フードサーピス産業界』教育社新書 佐々木輝雄(1994) [j'食からの経済学』勤草書房
谷村賢治(1994) r家庭経営 いまなにを関われ、それにどう答えられるか(j'長崎大学教育学部教科教育研究報告』
23号
辻村江太郎(1968) [j'消費構造と物価』勤草書房
(財)外食産業総合調査研究センター『外食産業統計資料集:1994年版』