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学位論文題名Development ofaYeast Stop Codon Assay Readily and Generally Applicable to Human Genes

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 片 岡 昭 彦

     学位論文題名

Development ofaYeast Stop Codon Assay Readily     and Generally Applicable to Human Genes

(任 意のヒ ト遺 伝子 に即 時適 用可 能な 酵母 スト ップ コドンアッセイの開発)

学位論文内容の要旨

    背景、目的

  ヒト遺伝子DNAに生じる変異は特殊なものを除けば塩基置換、欠失・挿入が大部分を しめる。さらに塩基置換のうちではナンセンス変異が、欠失・挿入においてはフレームシ フト変異となることが多い。このようなナンセンス変異やフレームシフト変異を酵母を用 いて効率的に診断する方法が報告され、さらにレポーターの改良でコロニーの色彩で容易 に変異を判定することが可能である。この酵母ストップコドンアッセイは優れた遺伝子診 断法であるがひとっの対象遺伝子領域に対して専用のベクターが必要なため、新たな対象 をアッセイするときはベクターの作成からおこなわねばならず時間、労力、費用を要する。

そこでこの酵母ストップコドンアッセイの利点を損ねず、かつひとつのべクターで多数の 遺伝子に対応できる汎用型のストップコドンアッセイ(ユニバーサルストップコドンアッ セイ)の開発を試みた。

    材料、方法および結果

  従来のAD.田をレポーターとしたストップコドンアッセイを改変した。その改良、工夫 の要点は、相同組み換えに必要なベクター断端部24bpの塩基配列を両端にっけた形で対象 遺 伝 子 領 域 をPCR増 幅 し 、 汎 用 型 線 形 化 ベ ク タ ー を 再 環 状 化 す る こ と で あ る 。   ユニバーサルストップコドンアッセイの概要は以下のとおりである。対象遺伝子領域を この新たな方法でPCR増幅し、汎用型線形化ベクターとともに酵母内に導入、形質転換す る。この際、被検遺伝子領域を創)E.2遺伝子の上流にin‐frame挿入しADE2とのキメラ蛋 白としてイD口欠損酵母株に発現させる。選択培地で培養しイD田遺伝子発現があれば正 常に発育し白いコロニーに、被検遺伝子領域のナンセンス変異やフレームシフト変異によ り 発 現 が な け れ ばadenine合 成経 路の 中間 代謝 産物 が蓄 積し 赤い コロ ニーと なる 。   この方針のもとにバックグラウンドレベルに影響する自己再環状化の少ない専用ベクタ ーの作成と被検(c)DNAのPCR増幅法を工夫した。

  酵母は発芽酵母S.cerevisiae株であるyPH857を使用した。(遺伝子型[MATa甜朋3−H 伽 2‐8DJ口 da2‐J〇Jカ む3_42D〇 お pJ‐463た 甜 2‐4J〔 ツ ´ ¢R] )   ベクターはび兄43マーカー遺伝子とCEM4尺S配列、イけりおよびColEl伽fを持ち、CyC プロモータで駆動されイD.田を発現する酵母/大腸菌シャトルベクターpLS381を改良した。

被検遺伝子が入る部分での線形化ベクターの自己再環状化を最小限に抑えるのを目的に CyCプロモーターと創)田遺伝子の聞の切断部位を平滑末端として本アッセイに用いる線 状化ベクターpMT18を作成した。

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  対 象 遺 伝 子 領 域 の 増 幅 はnested PCRで お こ な っ た 。lst PCRで 目 的 部 位 を 含 む 領 域 を 、 2nd PCRで 相 同 組 み 換 え の た め のpMT18の 両 端24bpと 同 じ 配 列 を 付 加 す る プ ラ イ マ ー で 増 幅 し た 。DNA polymeraseに は 校 正 機 能 を 持 つPfu TURBO polymerase (Stratagene)を 、hot start法 でlst PCRは10cycle、2nd PCRは30ー35cycleでおこなっ た。

  乳 癌 細 胞 株MCF‑7ZR‑75‑1な ど よ り 抽 出 し たgenomlcDNAを 用 い て 別 ぞCイ ´ 遺 伝 子 の exon11(codon224 ̄1365)を前約2/3(2.2kb)、後約2/3(2.2kb)、中間部約1/3(1.0kb)に分け て 対 象 遺 伝 子 と し て ア ッ セ イ を お こ な い 、 ベ ク タ ー の 自 己 再 環 状 化 の 頻 度 、 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド レ ベ ル の 設 定 、 相 同 組 み 換 え の 精 度 、 相 同 組 み 換 え 部 の 至 適 サ イ ズ 、 ア ッ セ イ 可 能 な 対象遺 伝子の大きさ、変異検出の定 量性の有無などを検討した 。

  自己 再環状化の頻度は粘着末端のpSL381と比較し減少した。

  バッ クグラウンドレベルは20%未 満で、おおくはlO%以下で あった。

  選 択 培 地 上 の 任 意 の 白 コ ロ ニ ー40個 の す べ て (95% 信 頼 区 間09111ooO) に 目 的 の 遺 伝子領 域が組み込まれており十分な 相同組み換えの精度であっ た。

  相 同 組 み 換 え の た め の 至 適 塩 基 数 を 決 め る た め18bp24bp30bp39bpの 場 合 で 検 討 し た と こ ろ バ ッ ク グ ラ ウ ン ド レ ベ ル で は 差 は な か っ た が 、 目 的 の 遺 伝 子 領 域 が ベ ク タ ー に 組 み 込 ま れ て い る か 否 か を 調 べ た 結 果 、39bpの 場 合 で そ の 精 度 は 低 下 し て い た 。 非 特 異 的 PCR産 物 やPCR増 幅 不 良 が 原 因 で あ っ た 。 こ の 結 果 よ り 本 法 で は 相 同 組 み 換 え 用 の 塩 基 数 を24bpとした。

  対 象 遺 伝 子 領 域 の 犬 き さ を10kb22kbで 検 討 し た が い ず れ も 問 題 な か っ た 。

. 野 生 型 の ア リ ル と 人 工 的 に 導 入 し た 変 異 ア リ ル を 種 々 の 比 率 で 混 合 し た 検 体 を ア ッ セ イ し 、 赤 コ ロ ニ ー の 比 率 を 検 討 す る と 直 線 に 回 帰 で きr O99と 高 い 相 関 を 示 し た 。   以 上 の 手 法 で ィPC遺 伝 子 のexon15codonll131493に つ い て 大 腸 癌 細 胞 株 お よ び 切 除 大 腸 癌 組 織 を ア ッ セ イ し 、 既 存 の イ 尸Cの ス ト ッ プ コ ド ン ア ッ セ イ と 比 較 し た と こ ろ 同 様 の 結果を 得た。

  さ ら に ヵ 朋 鰤6遺 伝 子 のcodon170402を 大 腸 癌 細 胞 株 よ り 抽 出 し たmRNAか ら のcDNA でアッ セイし、HCT15の一塩基欠失 の変異を見いだした。

  次 にBcロ ぬPm遺 伝 子 全 体 を 一 部 オ ー バ ー ラ ッ プ さ せ て3分 割 し 同 様 に ア ッ セ イ を 行 つ た と こ ろ 第 一 の 領 域 に お い て 赤 コ ロ ニ ー と 判 別 が 困 難 な ピ ン ク 色 の コ ロ ニ ー が 多 数 出 現 し た 。 目 的 の 遺 伝 子 領 域 は 組 み 入 れ ら れ て お り か つ 変 異 は み ら れ な か っ た 。 こ の 原 因 と し て ADE2を 含 む キ メ ラ 蛋 白 の 高 次 構 造 の 影 響 でADE2の 酵 素 活 性 が 十 分 に 発 揮 で き な か っ た た め と 考 え ら れ た 。 そ こ で 高 次 構 造 の 変 化 を ね ら い 、Bcロ ぬ げ 細 と 創 )五 ,2と の 間にtag配列 で あ るFLAGを 挿 入 し たpMT18nagを 新 た に 作 成 し 、 選 択 培 地 のadenine量 を 増 量 す る こ とによ ルコロニーの色彩判別が可能 となった。

    考 察、まとめ

  任 意 の ヒ ト 遺 伝 子 に 即 時 適 用 可 能 な 酵 母 ス ト ッ プ コ ド ン ア ッ セ イ を 開 発 し た 。 新 た な 対 象 遺 伝 子 領 域 の 増 幅 の た め の プ ラ イ マ ー 設 計 か ら 数 日 で ア ッ セ イ が 可 能 で 、 し か も い ち ど に 多 数 の 検 体 を 処 理 で き る た め ス ク リ ー ニ ン グ 法 と し て 有 用 と お も わ れ る 。   本 ア ッ セ イ の 開 発 に お い て は 酵 母 内 で の 線 形 化 ベ ク タ ー の 被 検 遺 伝 子 に よ る 再 環 状 化 の 際 の 相 同 組 み 換 え の た め の 塩 基 数 が 、 従 来 型 で のl00200bpは 必 ず し も 必 要 で は な く18 24bpで 十 分 で あ る こ と が 確 認 で き た こ と 、 さ ら に そ の 相 同 組 み 換 え 用 の 配 列 を 被 検 遺 伝 子の両 端に付加して増幅するPCR法 を確立できたことが重要であ った。

  Ecロ ぬe′ 加 遺 伝 子 で 新 たjpMT18の 一 部 改 変 な ど が 必 要 で あ っ た が 、 こ れ は 本 ユ ニ バ ー サ ル ス ト ッ プ コ ド ン ア ッ セ イ に 限 ら ず 従 来 型 の 酵 母 ス ト ッ プ コ ド ン ア ッ セ イ で も 共 通 の 問 題 で あ る 。 今 後 さ ら に 対 象 と す る 遺 伝 子 が 増 せ ば 新 た な 問 題 が 生 じ る か も し れ な い 。 ま た 、

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PCR増幅に難渋する遺伝子配列もあろうが、本アッセイは対象遺伝子領域を容易に変える ことができるため従来型よりも対応しやすいとおもわれる。

  さらに、本法は約2kbまでの遺伝子断片をクローニングする方法としても有用で、たと えば白コロニーからの野生型のライブラリー作成やミスセンス変異の同定に利用すること も考えられる。

  ポストゲノム時代においての有用なアッセイのひとっとなりうるものとおもわれる。

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学位論文審査の要旨

    学位 論文 題名

  Development ofaYeast Stop Codon Assay Readily     and Generally Applicable to Human Genes

(任 意の ヒト 遺伝 子に 即時 適用可 能な 酵母 スト ップ コドンアッセイの開発)

  ヒト遺伝子DNAにストップコドンが生・じるナンセンス変異やフレームシフ卜変異を効 率的に診断する酵母ストップコドンアッセイは優れた遺伝子診断法であるが、ひとつの対 象遺伝子領域に対して専用のべクターが必要という欠点があった。この酵母ストップコド ンアッセイの利点を損ねず、かっひとつのべクターで多数の遺伝子に対応できる汎用型の スト ップ コドンアッセイ(ユニバーサルストップコドンアッセイ)の開発を試みた。

  切断部位を平滑末端とした汎用型線形化ベクターpMT18と相同組み換えに必要なべク ター断端部24bpの塩基配列を両端に付加するnestedPCRで増幅した対象遺伝子領域を発芽 酵母 であ るyPH857内に導入、形質転換する。この際、被検遺伝子領域をADE2の上流に 挿入 しADE2とのキメラ蛋白として発現させる。選択培地で培養しADE2発現があれば正 常に発育し白いコロニーに、被検遺伝子領域のストッブコドンとなる変異により発現がな ければadenine合成経路の中間代謝産物が蓄積し赤いコ口ニーとなり、変異の有無がコロ ニーの色彩で容易に判別できる。アッセイの信頼性、有用性、実用性を検討するためベク ターの自己再環状化の頻度、/くックグラウンドレベルの設定、相同組み換えの精度、相同 組み換え部の至適サイズ、変異検出の実際などを調べた.、

  自己再環状化の頻度は数%以下、ノくックグラウンドレベルは20%未満で、おおくは10% 以下であった。選択培地上の任意の白コロニーで目的の遺伝子領域の組み込みを調ベ十分 な相同組み換えの精度であることを確認した。相同組み換えのための至適塩基数を決める ため相同組み換え部の塩基数がl8bp、30bp、39bpの場合でも検討し24bpを適当とした。

野生型のアリルと変異型アリルを種々の比率で混合した検体をアッセイし、変異型アリル の比率と赤コロニーの比率を検討すると直線に回帰でき高い相関を示した。イP('について 大腸癌細胞株および大腸癌組織をアッセイし、既存のイP( のストッブコドンアッセイと比 較したところ同様の結果を得た。さらに大腸癌細胞株HCT15のカM,SH6の一塩基欠失の変 異を見いだした。E‑cadher inのアッセイで野生型遺伝子領域が赤コロニーおよび赤コ口ニ ーと判別が困難なピンク色のコロニーが多数出現したことにたいしてはADE2ロ)前にtag

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博 也

正 哲

香 内

浅 守

授 授

教 教

査 査

主 副

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配列 であるFLAGを 挿入したpMT18flagを新たに 作成し、選択培地のadenine量を増量す ることによルコロニーの色彩判別が可能となった。以上より、任意のヒト遺伝子に即時適 用可能な酵母ス卜ップコドンアッセイ(ユニバーサルストップコドンアッセイ)の開発が 確認された。

  審査にあたって副査の守内教授よりE‑cadherinでのアッセイにおけるその蛋白構造の影 響、選択培地のアデニン量、異常のあった癌組織の人種などについて、遺伝子ク口ーニン グヘの応用の具体例について、従来のAPC用の酵母アッセイとの簡便さの比較についての 質問があった。申請者はE‑cadherinのロ‑sheet構造、アデニン量の50%増量、外国の症例 であること、酵母内へのクローニングであること、PCRではやや作業が増えることなどを 回答した。副査の藤堂教授より癌の発生、悪性度、治療などと遺伝子異常のかかわり、本 法のはたす役割についての質問があり、申請者は遺伝子構成の変異はいまなお重要な異常 であり本法により腫瘍の構造面のキャラクターを明らかにすることができると回答した。

最後に主査の浅香教授よルバックグラウンドレベルの設定について、HCTI5のhIvf SH6で の赤コロニー率の意味について、PCRでのアニーリング温度について、マウス、ラットは 対象となりうるかとの質問があった。申請者は切除組織では正常細胞の混入の程度で変わ りうるので一律には困難かもしれないこと、HCT15は一方の対立遺伝子のみの変異である こと、対象遺伝子固有のプライマー部を主とした条件設定が重要であること、マウスなど では経験がないが可能とおもわれることを回答した。

  この論文で示されたユニパーサルストップコドンアッセイはストップコドンとなる遺伝 子変異を酵母を用い簡便に、迅速に、省力化しスクリーニングできる手法でアッセイとし て 確 立さ れ たと 認 め 、今 後 有 用な 方 法と し て ひろ く 用い ら れ るも の と期 待 さ れる   審査員一同はこの成果を高く評価し、研究歴と併せ申請者が博士(医学)の学位を受け るのに十分な資格を有するものと判定した。

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参照

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