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スクラムの優劣が試合にもたらす影響 学籍番号 13A0033 学生氏名上野拳太郎 ( 研究目的 ) ラグビーはセットプレーから試合が展開される その中でもノックオンなどのミスのあとはスクラムから試合が再開され そこでボールの取り合いが行われる セットプレーの中で重要なプレーであるスクラムの優劣 また

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(1)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0015

学生氏名 石井 悠道

〈研究目的〉 トライを量産する役割を担うバックスの一方で、フォワ ードにはスムーズなボール展開や近場でのボールキープを 目的としたボールキャリーが求められることが多い。ただ 強く突進したり速いスピードでアングルを突くだけでな く、有効的なボールキャリーの法則を頭に入れておき、今 後のプレイに役立たせることでより楽しくラグビーに打ち 込むことが目的である。 〈研究方法〉 フォワードのボールキャリアがボールを持ってからタッ クルポイントよりも前でボールリリースができたか、フラ ットでリリースしたか、相手プレーヤーによるタックルで タックルポイントよりも後方に返されたかの3つに分けて ボールキャリーを評価する。日本対南アフリカ戦、日本対 サモア戦のそれぞれの3パターンをすべてカウントする。 それぞれの共通点を見つけ、より有効的なボールキャリア を攻守の両方の観点から導き出していく。 〈結果と考察〉 表1 フォワードのボールキャリーの結果(南アフリカ戦) ゲイン フラット マイナス 日本 10 11 3 南アフリカ 22 15 9 表2 フォワードのボールキャリーの結果(サモア戦) ゲイン フラット マイナス 日本 9 9 4 サモア 24 10 11 以上の結果からわかるように世界の強豪国と比較してフィ ジカルで劣る日本代表がゲインできている回数は少ないが、 タックルで返される回数は他の強豪国に比べても圧倒的に 少ない。ビックゲインや吹っ飛ばしなどの派手さはないもの の、より有効的な日本人の体格や能力に合ったボールキャリ アが実現できているといえる。 有効的なボールキャリアにみられる共通点を相手の配置 別に分析すると、アップテンポで相手と相手の間にスペース があるときは内側の相手がメインタックラーになるように ボールをもらい、一歩ずらして(タックラーの足が出てくる タイミングで外足を蹴り一歩内側に入り、二人目がタックル に来る直前に逆足をかくのがベスト)外側の選手の懐に突進 して足をかくことと、ダウンペースで相手の守備が揃ってい るときは相手二人のプレッシャーに負けぬようにボールを 持った瞬間に二人のどちらかの懐に突っ込むことが成功パ ターンとして非常に多くみられた。(日本代表のゲイン19 本のうち15本) 他にもいくつかのゲインパターンがみられたが、個人のパ ワーや能力が大きく関わるものが多かったので法則として は成り立たないものとする。 〈結論〉 冒頭でも述べたが、フォワードのボールキャリアにはバッ クスとは違いセットプレー全体の流れや展開の小さな歯車 そのものとなる必要があるため、テンポを崩さないためにス ムーズな球出しやターンオーバーにならないための確実な 球出しが求められる。すなわち、感情的に突っ込んだり判断 のないまま突進していては質の高いラグビーとは言い難い。 様々な要素で細かく追及していく余地のあるフォワード のボールキャリアを、これからも自身のプレー向上のために 分析していこうと思う。 ラグビーのフォワードにおける有効的なボールキャリア

(2)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室

指導教員 米地 徹 准教授

学籍番号 13A0033

学生氏名 上野 拳太郎

(研究目的)

ラグビーはセットプレーから試合が展開される。

その中でもノックオンなどのミスのあとはスクラ

ムから試合が再開され、そこでボールの取り合いが

行われる。セットプレーの中で重要なプレーである

スクラムの優劣、また勝敗がラグビーの試合の中で

どれほど試合の優劣に関係しているのか、またどれ

ほど勝敗に関係しているのかを研究する。

(方法)

2016 年度関東大学対抗戦における、日本体育大

学が大差で負けた明治大学戦、帝京大学が大差で勝

った日本体育大学戦、慶応大学が僅差だが圧倒して

勝った日本体育大学戦、成蹊大学が僅差で負けた日

本体育大学戦の

4 試合における、4 チームの試合中

のスクラムを

AT と DF に分け、AT では安定した

スクラムを

A、プレッシャーの中でのボールアウト

B、ボールを取られてしまった、ペナルティを犯

したなどを

C とする。DF では、プレッシャーをか

けた、またボールを取ったスクラムを

A、キープを

B、ペナルティを犯した、押されてしまったスクラ

ムを

C として、各チームのパーセンテージを算出

し、試合の優劣と比較し関係性を調べる。

1、 日本体育大学 vs 明治大学(秩父宮ラグビー場)

9 月 11 日 0vs79 15 時 K.O

2、 帝京大学 vs 日本体育大学 (帝京大 G)

9 月 25 日 134vs3 17 時 K.O

3、 慶応大学 vs 日本体育大学 (慶応大 G)

10 月 9 日 55vs0 14 時 K.O

4、 成蹊大学 vs 日本体育大学(江戸川陸上競技場)

11 月 26 日 27vs38 14 時 K.O

(結果)

1)AT スクラムによるキープ率

日体大

帝京大

慶応大

成蹊大

A

30%

100%

100%

75%

B

70%

0%

0%

25%

C

0%

0%

0%

0%

2) DF スクラムによるプレッシャー率

日体大

帝京大

慶応大

成蹊大

A

0%

70%

40%

40%

B

40%

15%

50%

60%

C

60%

15%

10%

0%

(考察)

1 を見ると、試合を優位に進めて試合に勝利し

ている帝京大学と慶応大学は

A スクラムが 100%で

あり、全く点を取れていない日本体育大学は非常に

A スクラムが少なく、思い通りに点を取れていない

成蹊大学も数値にばらつきがある。スクラムからの

AT で BK に安定したボールを供給出来、セットプレ

ーからのアタックがしやすく点に結びついていると

言える。表

2 を見ると、防戦一方な試合運びをして

しまっている日本体育大学の

A スクラムは 0%であ

り、

DF で競った試合運びをしている成蹊大学、圧

倒した

DF で試合を優位に進めている帝京大学と慶

応大学は

8~9 割方を A スクラムと B スクラムが締

めていて、スクラムでのプレッシャーが相手の

AT

を難航させ、自分たちの優位な

DF に持ち込んでい

るためだと言える。

(結論)

試合を優位に進めるには、安定した

AT スクラム

とプレッシャーをかけることが出来る強い

DF スク

ラムが必要であることがわかった。ラグビーという

競技でいかにスクラムの強化が必要であるかを理解

するとともに、スクラムの優劣が試合の勝敗に大き

く影響しているということを理解することが出来

た。

スクラムの優劣が試合にもたらす影響

(3)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0061

学生氏名

沖野

早十

(研究目的) 私は、幼少期からラグビーを始めた。これまで様々な ポジションを経験してきたが、CTB というポジション に特にやりがいを感じた。ラグビーにおいてボールを持 って多彩なアタックをすることは魅力的な部分である。 そこで、CTB がセットプレー(スクラム、ラインアウト) からの一次攻撃でラインブレイクをすると、そこからの アタックに流れが出て、得点につながってくるのではな いかと考え、検証することを目的とした。 (研究方法) 2016 年度 関東大学対抗戦 A ・9 月 11 日 vs 明治大学 0-79 秩父宮 ・9 月 25 日 vs 帝京大学 3-134 帝京大学百草 ・10 月 16 日 vs 早稲田大学 40-45 群馬砂川 ・12 月 11 日 vs 明治学院大(入替戦) 52-21 熊谷 2016 年度関東大学対抗戦 A グループの4試合のデー タをもとに、日本体育大学と対戦大学のセットプレーか らのアタックの回数から4つにわけた。そのうち、ゲイ ンラインを越えてボールを継続できた場合(トライも含 む)を A、ゲインラインを越えているがボールを継続で きなかった場合をB、ゲインラインを越えていないがボ ールは継続できた場合をC、ゲインラインを越えられず にボールも継続できなかった場合を×と分類する。 (結果と考察) 表1 関東大学対抗戦 A における日本体育大学のセット プレーからのアタックのデータ 総数 A B C × 明治 4 0 0 1 3 帝京 5 0 0 1 4 早稲田 4 2 0 2 0 明学 6 3 0 2 1 表 2 関東大学対抗戦 A における対戦大学のセットプレ ーからのアタックのデータ 総数 A B C × 明治 5 3 0 2 0 帝京 4 2 1 1 0 早稲田 10 5 0 4 1 明学 4 2 0 1 1 表1から、得点を取れずに大敗した明治大学、帝京大 学戦では、相手の出足の鋭いタックルで受け身に回って しまい良いアタックができず両試合ともボールを継続で きた回数が1回のほかはミスで終わってしまっているた め得点できずに終わっている。ゲインラインを越えられ なかったがボールを継続できた場合も、その後の二次攻 撃に相手のプレッシャーでアタックがまともにできず得 点にはつながらなかった。接戦となった早稲田大学戦、 勝利した明治学院大学戦では、CTB がラインブレイクし てそのままトライを取るシーンが 1 回あったり、ライン ブレイクをしてボールを継続できた回数がともに半分を 占め、ミスがとても少ないために得点ができ、接戦や勝 利につながったと考える。 表2から、大量得点を取っている明治大学、帝京大学 はミスがひとつもなかった。勝利しているチームはゲイ ンラインを越えてボールを継続できた場合が最も多く、 CTB がセットプレーからの一次攻撃でのラインブレイク ができると、相手のディフェンスラインを下げることが でき、その後の攻撃に良い流れが出て有利な展開に運ん でいける可能性が高くなり得点につながっていることが わかる。 (結論) セットプレーからの一次攻撃でCTB がラインブレイク をすると、そこからのアタックに良い流れが出ることに より、得点につながっていることが分かった。このこと からCTB のゲインラインを突破する能力は、試合で得点 を取ることに大きく影響してくると考える。

セットプレーからの CTB のオフェンスについて

(4)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0127

学生氏名

近藤

静也

<目的> ラグビーの試合ではペナルティーが起こる。その数や種類は チームやその対戦相手、またその日の環境条件などにより様々 である。また時間帯や場所によって、ひとつのペナルティーが その試合の勝敗を左右することもある。日本体育大学が関東大 学対抗戦 A で戦っていくうえで、ペナルティーの種類やその 原因を究明し、上位校に対していかにペナルティーの少ない優 位な試合を展開していくことができるかを検証することを目 的とした。 <方法> 2016年度関東大学ラグビー対抗戦 A において日本体育 大学が、上位3校と対戦した試合のビデオから、ペナルティー の数、種類を分析し、試合への影響を考察した。分析対象は以 下の通りである。 ※ブレイクダウン…タックルが成立した後のボールの争奪戦 ※セットプレー…スクラム、ラインアウト 9月11日 VS 明治大学 0-79 9月25日 VS 帝京大学 3-134 10月16日 VS 早稲田大学 40-45 <結果> 21% 17% 13% 52% ブレイクダウン セットプレー 危険なプレー その他 図1ペナルティーの内訳 表1 日本体育大学VS 明治大学 前半 後半 合計 日体 4 2 6 明治 2 3 5 表2 日本体育大学VS 帝京大学 前半 後半 合計 日体 5 6 11 帝京 3 2 5 表3 日本体育大学VS 早稲田大学 前半 後半 合計 日体 3 3 6 早稲田 4 3 7 <考察> 図1より日体大のペナルティーは半数を超える52%がブレ イクダウン周辺で発生しており、これはフィジカルの面で日体 大は上位校よりも劣勢であり、相手の強いプレッシャーを受け ながら攻撃を継続したり、ディフェンスをしていくなかでペナ ルティーに繋がる事が多くなったと考えられる。また全体の割 合では少ないがセットプレーにおいて、特に上位校の強みであ るスクラムでのペナルティーの原因も、身体の大きさ、フィジ カルの差だと考えられる。その他オフサイドやハイタックルの ペナルティーが見られたのは、下がりながらのディフェンスや 不利な体勢からのタックルをしなければならない場面を相手に 多く作られてしまったことから起きたと考えられる。 表1より点差ほどペナルティーの数に差はない。表2より相 手より倍以上のペナルティーをとられ、結果大敗している。表 3より相手よりペナルティーの数は少ないが試合には負けてい る。このようにペナルティーの数が少ないチームが勝つという わけでもなく、その数の差が点差と比例しているわけでもない 事がいえる。 <結論> ペナルティーの半数以上がブレイクダウンで発生している。 その原因は上位校のプレッシャーに対しコンタクトの局面で負 けているからである。ブレイクダウンにおけるスキルと相手の プレッシャーに負けないフィジカルの向上、ルール理解が求め られる。またチームの一人一人がペナルティーに対する意識を 高く持ち規律を守り続けることが重要である。 ペナルティーの数が直接試合結果に関係するものではない が、その改善を図り、自分たちのペナルティーを減らし、相手 のチャンスを増やすことをなくしていくことで日本体育大学が 上位校に対し優位な試合を展開し、勝利を収めるための大事な 要因の一つといえる。

ペナルティーの原因とその影響

(5)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0140 学生氏名 櫻木 楽哉 <研究目的> 私は、この学生時代に FL(フランカー)として 4 年間プレー してきた。FL は誰よりも体を張り、最前線で戦う必要がある 為豊富な運動量や強靭な体、器用さが求められるポジションで ある。2015 年にはイングランドで W 杯が開催され、各国の FL の特徴的なプレーが多く見られた。そこで世界の強豪国の FL をピックアップして、どのようなタックルの傾向がみられるか を研究し、自身のラグビーについての考え方を深めていく事を 目的とした。 <研究方法> 下記の3選手を研究対象とし、大会期間中の試合から1選手 につき3試合、合計7試合を研究した。 また、途中交代の試合は80分換算の数値で表す。 ⑴ ジェローム・カイノ No.6 (ニュージーランド) ⑵ マイケル・フーパ― No.7 (オーストラリア) ⑶ スカルク・バーガー No.7 (南アフリカ) 1. 〇ニュージーランド34 VS オーストラリア17● 2. 〇ニュージーランド20 VS 南アフリカ 18● 3. 〇ニュージーランド62 VS フランス 13● 4. 〇オーストラリア 29 VS アルゼンチン 15● 5. 〇オーストラリア 33 VS イングランド 13● 6. 〇南アフリカ 24 VS アルゼンチン 13● 7. 〇南アフリカ 23 VS ウェールズ 19● 以下のⅠ~Ⅶが分析項目である。 Ⅰ 敵陣側に倒している Ⅱ 自陣側に倒れている Ⅲ 上半身にタックルしている Ⅳ 下半身にタックルしている Ⅴ ジャッカル回数 Ⅵ 撤退 Ⅶ 総回数(ブレイクダウン含む) <結果及び考察> 2 5 1 2.7 5 5 5 5 7 8 4 6.3 0 1 2 1 0 2 1 1 3 2 2 7 7 10 7 8 0 2 4 6 8 10 12 1 2 3 平均 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 図1 ジェローム・カイノ選手の試合データ 5 3 2 3.3 11 13 7 10.3 6 7 3 5.3 10 9 6 8.3 5 13 7 8.3 8 6 3 5.7 19 24 12 18.3 0 5 10 15 20 25 30 1 4 5 平均 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 図2 マイケル・フーパ―選手の試合データ 5 0 1 2 9 12 10 10.3 13 10 9 10.7 11 2 2 1.7 10 4 5 1 0 7 2.7 15 14 15 14.7 0 2 4 6 8 10 12 14 16 2 6 7 平均 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ 図3 スカルク・バーガー選手の試合データ まず、タックルの傾向として図 1 や図3からは身長が高いた めに上半身へのタックルが多く、有効であることが分かる。逆 に図2からは身長が、この3選手の中で小柄なため下半身への タックルが多く見受けられた。これらから、身長とタックルす る位置の関係性が分かった。タックル後のリアクションに関し ては、図2より全体の50%がタックル後にジャッカルまたは、 ジャッカル単独でボールに働きかけている。これは他選手と比 べても非常に高い数値であることが分かった。 <結論> 今回の研究では、3選手を比較して特徴を捉える事が出来た。 3選手中2選手は平均で約15回以上タックル(ブレイクダウ ン含む)をしている事が分かり、FL は運動量の重要性を改めて 自覚した。その中で3選手は各々の得意なスタイルでプレーし ており、ファイトして球出しを遅らせるなど工夫されていた。 また、強豪国の FL であっても自陣に食い込まれている場合の方 が相手側に倒す割合よりも多いという結果が分かった。 ラグビーへの考え方や観点が変わり、その上で現役時代か らの課題である体づくりに励んでいきたい。

世界で活躍する FL のタックルの特徴について

~W 杯2015イングランド大会から~

(6)

日本体育大学 卒業抄録

運動方法(ラグビー)研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0158

学生氏名 鹿内 凌

<目的> ラグビーの試合において、得点する方法はいくつかあるが 今回はゴールキックについてとりあげた。そこでトップリ ーグと、日本体育大学のゴールキック(コンバージョンキ ック・PG)の成功率を導き出し、勝敗にどのように関係し ているか考察することにより、今後の競技力向上につなげ ることを目的とする。 <方法> 2016年におけるトップリーグ二試合、2016年にお ける日本体育大学の二試合を使って各試合に行われたコン バージョンキックやPG の回数、成功率が試合にどのよう な影響を及ぼしているかを調べる。標本とした試合は以下 の通りである。ゴールキックの本数または成功率が影響し た試合を標本とした、 トヨタ自動車 VS 東芝 12 月 24 日 31 対 32 NTT コム VS 東芝 10 月 29 日 34 対 29 日本体育大学VS 早稲田大学 10 月 16 日 40 対 45 日本体育大学 VS 青山学院大学 11 月 26 日 24 対 31 <結果> 表1トヨタ自動車VS 東芝 キックでの得点内訳 トライ数 コンバー ジョン数 PG 数 成功率 トヨタ 4 4 1 100% 東芝 4 3 2 62.5% 表2 NTT コム VS 東芝 キックでの得点内訳 トライ数 コンバー ジョン数 PG 数 成功率 N コム 4 4 1 100% 東芝 4 3 1 66% 表3 日本体育大学VS 早稲田大学 キックでの得点内訳 トライ数 コンバー ジョン数 PG 数 成功率 日体大 6 5 0 62.5% 早稲田 7 5 0 71% 表4 日本体育大学VS 青山学院大学キックでの得点内訳 トライ数 コンバー ジョン数 PG 数 成功率 日体大 4 2 0 33% 青学大 5 3 0 60% (※PG・ペナルティキック) <考察> 表1~4から読み取れるように、ディフェンスの発達した 現代ラグビーにおいてトライをとることが難しい試合や場 面の中で、キックによる得点は大変重要となっている。表1 の試合では勝利した東芝の方がゴール成功率は低いが、29 対 31 のビハインドの状態から後半ロスタイムに逆転の PG を決め勝利している。PG での3点を追加することのみなら ず、コンバージョンでの2点を加点することにより得点差は 変わってくる。またキックが安定していればしているほど自 チームには安心感を与え、相手チームには反則をできない状 況を与え心理的にもプレッシャーをかけられることができ ると考えられる。安定して2点、3点と積み重ねることによ り点差は開き、トライの5点のように大きい得点ではない が、試合の中では非常に重要になることが分かった。 <結論> 本研究により、コンバージョンキック、PG の成功率が勝 敗に大きく影響していることが分かった。これにより、キッ クの正確性を上げることはもちろん、キックを狙う回数を増 やすことで、相手チームに対しプレッシャーを与えることが でき、さらに得点を重ねることでチーム全体に勢いを与える ことができる。このことから、優位な試合運びにつなげるこ とがきると考える。しかし、逆に考えれば相手チームにとっ ても条件は同じなので、いか反則数を減らせるかが勝利のカ ギとなると分かった。日本体育大学は格上のチームと対戦す ることが多く、少ないトライの中でのコンバージョンキック での2点、PG の3点を確実に積み重ねることで相手チーム との得点差をなくし、試合を進めることができるはずであ る。キック精度、正確性の向上こそ最大の強みであり、試合 をするに最も重要なプレーの一つである。今回の研究結果か ら、プレーヤーを続けるうえで日々試合でのキックの重要性 を理解し、練習などに活かしていきたいと考えた。

ラグビーにおけるゴールキックの重要性

(7)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0175

学生氏名

菅原

拓哉

<研究目的> セブンズラグビーの試合では、必ずと言っていいほどハ ンドリングエラーが起こる。選手の能力やチームスタイル、 天候によって多くのミスが生まれる。ラグビーよりセブン ズラグビーの方が、1つのミスで勝敗が大きく左右される ことが今までの経験で感じることができた。しかし、これ からもラグビーを続けていく上でハンドリングエラーがど れだけ試合に影響が出るのか数字にして調査し、今後の競 技人生に活かすことを目的とした。 <研究方法> 私が出場していた 2016 年関東大学対抗戦セブンス大会 の4 試合のビデオを見て、ハンドリングエラーの数と相手 のハンドリングエラーによってトライに結び付いたものを 分析し、勝敗の影響につい考察した。ここでのハンドリン グエラーの対象は、パスが地面に落ちたものや相手にイン ターセプトのようなマイナスになっているものを対象とす る。分析対象は以下の通りである。 4 月 10 日 vs 日体大学 B 26-21 〇 vs 成城大学 19-17 〇 vs 成蹊大学 10-30 ☓ vs ユースアカデミー 7-42 ☓ <結果と考察> 表1 各試合の両チームのハンドリングエラー数 対戦校 日体(回) 相手(回) 日体大B 1 2 成城大 2 2 成蹊大 4 2 ユースアカデミー 5 2 表2 ハンドリングエラーによりトライに結び付いた数 対戦校 日体(回) 相手(回) 日体大B 2 0 成城大 1 1 成蹊大 1 0 ユースアカデミー 0 3 表1 から、勝っている試合はハンドリングエラーが相手に 比べて同じか少なく、負けている試合はハンドリングエラー が倍以上多いことがわかる。特に日体大が負けている試合で のハンドリングエラーが多い状況として、パススキル・キャ ッチスキル不足や、状況判断ミスでのハンドリングエラーが 多く見られた。これらのハンドリングエラーは、簡単に直せ るものが多くそれは、周りからのコミュニケーションやひと りひとりの意識によって大きく改善され、結果も大きく変わ ってくるのだと考えられる。 表2 から、相手のハンドリングエラーの合計が 8 回でハ ンドリングエラーによってトライに結び付いた数が 4 回で ある。しかし、相手がハンドリングエラーによりトライに結 び付いた数が少ない結果になっている理由として、日体大が 大会に向けてDF を強化していので、この様な結果に結びつ いたと考えられる。この数字を見てわかるようにハンドリン グエラーを相手にさせることが出来れば、50%の確率でト ライを取ることが出来る計算になる。しかし、逆を考えれば 日体大が1 回ハンドリングエラーをした場合 33%の確率で トライを取られてしまう計算になった。どちらもかなり大き な確率であり 1 つのハンドリングエラーが試合の流れを大 きく変えてしまうことは間違いないことが分かった。1 つの ハンドリングエラーによって、選手に肉体的な疲労のみなら ず精神面への負担も掛かってしまうことが考えられ、最悪の 場合トライを取られるリスクがあるのだ。このことから、ハ ンドリングエラーは非常に重要だと言える。 <結論> 結果を見て分かるように、日体大がハンドリングエラーを するたびに33%の確率でトライを取られてしまう。しかし、 相手がハンドリングエラーをするたびに 50%の確率でトラ イを取れることが分かった。この結果から分かるように、1 回のミスでトライを取られるだけでなく、試合の流れを大き く変えてしまうことが分かった。試合に勝つには、自分たち がミスをしないことで相手にチャンスを与えず、プレッシャ ーをかけ続けることが必要だ。また、相手のミスにも素早く 反応し、どんな状況でも選手ひとりひとりが自信をもってプ レーをし続けていくことが大切だということが言える。

セブンズラグビーにおけるハンドリングエラーの重要性と勝敗の関係

(8)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0182

学生氏名 鈴木 裕也

[目的] ラグビーのプレーは、必ずセットプレーから行われる。そ のため、セットプレーが安定しない試合では必ず不利なゲ ームゲーム展開になっていく。 大学に入学してから、関東大学ラグビー対抗戦の試合で は、日本体育大学より体が大きい大学ばかりであった。ラ グビーのセットプレーは2つあり、スクラムとラインアウ トがある。スクラムは、最近、ルール改正(2013 年 8 月 1 日より、スクラムのコールが4 段階から 3 段階に変わり、 スクラムを組む前に相手をバインドすることになった)が あり、体の大きい大学に対してもクリーンにボールを出す ことができるが、ラインアウトは大きなルール改正がなく、 身長の高い選手がいる大学が有利になる。 研究の目的は、ラインアウトの成功数について調べ、マイ ボールラインアウトを前、中、後のどこにスローイングす れば成功数が上がるか調べた。また、成功数を上げるため にどういう工夫をすればいいかも調べた。 [方法] 方法は、2016 年度関東大学ラグビー対抗戦の日本体育大 学の全ての試合の日本体育大学マイボールラインアウトを 分析した。また、ラインアウトの成功した位置を前、中、 後の3つに分けて成功数を出す。 [結果および考察] 表1 2016年度関東大学ラグビー対抗戦 A リーグでの 日本体育大学のラインアウトのデータ 獲得数 前 中 後 帝京 3回 1回 1回 1回 早稲田 6回 4回 2回 0回 明治 4回 2回 0回 2回 筑波 7回 5回 2回 0回 青山学院 7回 4回 3回 0回 成蹊 9回 4回 3回 2回

ラインアウトの重要性について

2016 年関東大学ラグビー対抗戦での日本体育大学のラ インアウト、エリアごとの成功数は、前が20 回、中が1 1回、後が5 回であった。 ラインアウトの獲得位置を見てみると、前での成功数が 多いことがわかる。他の大学と比べて身長の差があるた め、リスクの低い前での成功数が多かったと考える。また、 ムーブを使う場面が多くあったため、前での成功数が多く なったと考える。 日本体育大学は真ん中のサインが得意だが、真ん中の位 置には他の大学は、大きい選手がディフェンスしているた め成功数があまり多くはならなかったと考える。 後ろでのラインアウト成功数(5/11)が少ない要因として は、スローイングが長くなるため相手に読まれやすいこと やスローイングの精度が高くなければミスにもつながる ため後ろのラインアウト成功数が少なくなったと考える。 また、上位チーム(帝京、早稲田、明治)に対する成功数 より下位チーム(筑波、青山学院、成蹊)の成功数のほうが 多いことがみられる。 [結論] 今後、日本体育大学が上位チームに勝つためには、ライ ンアウトの成功数を上げるとともに、どこで獲得するかが 重要である。また、現状、前での成功数が圧倒的に多いが、 前で獲得した時にスクラムハーフのパスが長くなり、スタ ンドオフにプレッシャーがかかりやすくなるため、前で獲 得した際のオプションが絞られていく。そのため、中や後 で成功数して、オプションを増やすことによって試合を優 位に進めることができる。 日本体育大学は、他の大学を比べて、平均身長(175,6 ㎝)が低いため、セットを速くして、相手がセットする前 にスローイングしてマイボールを獲得したりムーブをし て相手に的を絞らせないようにすることが必要である。 スローイングの精度の向上、ジャンパー・リフターのス キルアップが今後、関東大学ラグビー対抗戦で相手と対等 もしくは、優位に試合を進めることにつながる。

(9)

日本体育大学 卒業抄録

研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号

学生氏名 蘇武 岳人

1.目的 ラグビーの試合(7’s)の試合において得点方法 は、いくつか存在するが、その主な得点方法はトライ である。そこでそのトライをするための一つのプレー であるペナルティからの有効なセットプレーのプレ ー選択というのは何なのか数値化し、今後東京オリン ピックの正式種目である7’sの試合において有利に 試合を進めるために有効なペナルティーからのプレ ー選択を調べることを目的とした。 2.方法

① Fiji vs USA 2016/3/13 Vancouver 31-26

② Australia vs Argentina 2016/3/30 Wellington 21-5

③ South Africa vs USA 2016/4/10 Hong Kong 28-0

④ Fiji vs South Korea 2016/4/8 Hong Kong 57-0

⑤ New Zealand vs Fiji 2016/4/10 Hong Kong 7-21

⑥ New zealand vs South Africa 2016/5/15 Paris 19-29

⑦ Scotland vs USA 2016/4/17 Singapore 14-10

⑧ New Zealand vs USA 2016/4/15 Singapore 19-12

以上2016年に行われた7’sの国際戦,8試合の データを参考にし、ペナルティを獲得した際の2つの プレー選択(1、クイックリスタート 2、ラインア ウト )に分けてカウントし、成功の場合は、プレー 開始から途切れるまでにトライをしたら成功、できな かったら失敗とし、考察した。 3.結果及び考察 成功 成功 失敗 失敗 計 計 図1クイックリスタートの成功率 図2ラインアウトの成功率 図1より、カウントしたデータで最も多かったデータ がこのクイックリスタートで、最も成功率も高かった。 この結果からわかるのは、7’sの試合の特徴のひと つである、7人で15人制と同じグラウンドを使って 試合をするという特徴を考えた結果であるといえる。 どういうことかというと、15人制に比べ人数が少な いため、個人技で相手からトライを取る可能性が高く、 クイックリスタートからプレーを再開することで確実 にマイボールからはじまり、あいての DF がそろう前に 有利な状況から相手を攻めることができたためこのよ うな結果になったと考えられる。 この図2のデータがクイックリスタートの数よりも 少なく、成功率も低かった理由は恐らく15人制ラグ ビーにおいて人数が多いためセットプレーからのサイ ンに多くの人数を使うことができるのでセットプレー を選択して相手を攻めることができる。 15人制ではラインアウトや、スクラムを選択する が、7’sなので人数が少なく満足なサインができな い上に、マイボールになるかも確実ではないためこの ような結果になったと考えられる。 4.結論 国際戦8試合を見て、どの国も半分以上のプレー選 択がクイックリスタートであった。そして成功率も最 も高かった。この結果は、15人制の試合とは違い多 くのアンストラクチャーからのトライが生まれる7’ sの試合ならではの結果になった。このクイックリス タートからのトライをさらに増やすこと、また、相手 のクイックリスタートからのトライを防げるかによっ て試合を有利に進められるかが決まる。そのためには、 AT と DF 両方で、運動量の多い選手を出してできるだ け相手より人数が多い状況を作るのが必要である。

試合 選択 獲得率

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日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹

教授 学籍番号 13A0191

学生氏名 髙倉 亮佑

【研究目的】 ラグビーのアタックはほとんどの場合セットプレーから 行われる。このセットプレーから行われる(一次攻撃)ア タックが成功すればトライへのチャンスは大きくなり、そ して広がる。しかし、逆に失敗に終わってしまった場合相 手が得点を得るチャンスを与えてしまい逆にピンチとな る。 私たち日体大ラグビー部は関東大学対抗戦に所属してお り、他には帝京、明治、早稲田、慶応、筑波、青山学院、 成蹊などの大学が名を連ねる。そこで私たち日体大ラグビ ー部は小柄なチームであり他の大学とはフィジカル面で差 があり、またレベル的にも少し差がある。 そこで数少ないチャンスをものにし、トライに繋げるに は、セットプレーから行われるアタックがどれだけ重要で あるかに気付きそれについて調べた。 研究の目的としてバックスの一次攻撃の回数を(敵陣に 入ってから)を表で表し、A,B の成功率を出して重要性を 再認識することとする。 【研究方法】 方法は2016 年に行われた関東大学対抗戦の日本体 育大学の全ての試合を見て、エリアは敵陣に入ってか らのものとする。そこで、ゲインラインを突破した、 若しくはトライに繋がった、これを A とする。次に マイボールはキープできた、あまり有効なアタックで はなかった場合をB とする。最後にボールがそれた、 ボールを落とした場合を C とする。またキックの場 合にその 1,セットプレーでミスがあった場合その 2 と表示する。 これらA.B.C,その 1,2 にわけ回数を表にまとめ、そして これを表で表示する。 【結果と考察】表:2016 年関東大学対抗戦における 他大学に対する日体大のアタックについて アタッ ク総数 A B C そ の 1 2 明治 8 0 3 3 2 1 帝京 9 0 5 2 0 2 慶応 15 4 4 3 1 3 早稲田 8 4 0 1 2 1 筑波 13 0 5 1 1 6 青山学院 13 3 4 2 1 3 成蹊 11 3 3 0 2 3 次にA,B の成功率をだす。 明治 帝京 慶応 早稲田 筑波 青山学院 成蹊 0 10 20 30 40 50 60 図1 A,B の成功率について 図1 のように A(ゲインをきる、トライに繋がるアタック)、 B(キープができた)の観点で見てみると明治戦、筑波戦以 外は全て 50%を超えることができている。しかし、なぜ勝 つことができないのか、自分なりに考察してみた。 まずアタックの成功率が低かった明治戦、筑波戦はなぜ成 功率が低かったのか理由は単に相手が強く自分たちのチャ ンスが少なかったということもあるが、セットプレーの不安 定さなども見受けられた。明治戦はともかく筑波戦は13 回 のアタックのうち6 回もセットプレーでミスである。僅差で 負けた早稲田戦や青山学院戦、勝利した成蹊戦は何がよかっ たのか、考えるとやはりセットプレーからのアタックでボー ルキープしトライに繋げる場面があった。しかし、ブレイク ダウンでプレッシャーをかけ、アンストラクチャーからのア タックで点も取っていたが、ブレイクダウンでターンオーバ ーできる可能性は低いため、まずセットプレーからのアタッ クの成功率マイボールキープを大事にしなければならない。 【結論】 関東大学対抗戦一部になるとやはり強豪が集う。そのため 数少ないアタックチャンスをものにしなければ勝利をおさ めることはできない。数少ないチャンスをものにするにはど れだけアタックを継続することができるかが重要である。継 続するアタックができれば勝利に繋げることができるため セットプレーからの一次攻撃はとても重要だと考える。

敵陣におけるBKのセットプレーからのアタックの成功率について

(11)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0192

学生氏名 髙嶋 就斗

(研究目的) ラグビーの試合において、気をつけていても必ず起きて しまうのがペナルティーである。それぞれのチームや出場 する人によってディフェンスのやり方、アタックの攻め方 が様々である。ペナルティーを犯してしまうとエリアを取 られたり、3点を与えてしまったりして試合に大きな影響 を及ぼすと考える。そのため私は今後コーチとしてラグビ ーを指導していくうえでどこのエリアで何のペナルティー が多くてどのように試合に影響しているのかを調査し、こ れからの指導に生かす事を目的とした。 (研究方法) 私が出場した2016年関東大学ラグビー対抗戦のうち 3試合のビデオを見て①各試合で両チームが犯したペナル ティーの数・種類、②ペナルティーを犯したエリアを分析 し、試合への影響を考察した。分析対象は、以下の通りで ある。 11月 6日 vs筑波大学 14対46 @熊谷B 11月19日 vs青山学院 24対31 @三ツ沢 11月26日 vs成蹊大学 38対27 @江戸川 (結果と考察) 表1 各試合の両チームのペナルティー数 対戦校 日体大<回> 相手<回> 筑波大学 6 2 青山学院 5 7 成蹊大学 10 1 合計 21 10 表2 ペナルティーを犯したエリアと回数 自陣 敵陣 IG~22 8 3 22~10 3 8 10~HL 5 4 表1から分かる様に各大学のペナルティーの合計31個 のペナルティーの内訳がこれであった。 図1 3試合で犯した日体大のペナルティーの内訳 図1を見て分かる通りオフサイドが全体の三分の一を占 めている。オフサイドは特にゴール前で起きていた。ゴール 前というのはどのチームもディフェンスラインを破られる とすぐにトライを許してしまうという焦りから相手がボー ルを出す前にオフサイドラインを越えてしまう現象がよく 見られる。またノットリリースザボールやオーバーザトップ やノットロールアウェイといったコンタクトプレーで起こ りうる反則は22mライン~10mラインと10mライン ~ハーフウェイラインというグランドの中盤で起こってい た。特にフィジカルが自分達より強い相手との試合をすると きに一つ一つの接点で劣勢になるためこれらのペナルティ ーが多く見られる。 (結論) チームの能力の差が近ければ近いほど勝敗を分ける要因 はペナルティーであった。また、強い相手とする時もペナル ティーが少ない試合では、点差が開かなかった。さらに、日 体大はゴール前でのペナルティーが多かったために、実力に 差が無いチームとの試合も勝ちきれないことが多かった。 ペナルティーは相手に得点を与えてしまい、自分達は試合 を有利に進めることが難しくなる。ペナルティーを減らして いくためには、フィジカルの強化やコンタクトでのスキルの 向上を図る必要がある。また、ルールをしっかりと熟知する ということもペナルティーを減らしていく大きな鍵になる と考える。 40% 24% 20% 16% オフサイド ノットリリース オーバーザトップ ロールアウェイ

ラグビーの試合におけるペナルティーと勝敗の関連性

(12)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0194

学生氏名 高田 大輝

(研究目的) 私は、高校、大学とFWというポジションをやってきた。 そのなかのプロップというポジションをやってきた。プロ ップとしてやってきて一番大事なプレーは、セットプレー だと感じた。セットプレーには、主にスクラムとラインア ウトがあり、プロップはスクラムの最前線で相手と攻防し、 ラインアウトでは特に味方を上げるリフターなど重要な部 分を担っている。試合の前後半のはじめのキックオフ以外 は、このスクラムとラインアウトからプレーが再開される ことがほとんどである。またセットプレーは、一試合で4 0回近く行われこの回数からも重要なことがわかる。 そこで本研究では、セットプレーでのボール獲得率が試 合にどのように関係してくるのかを調べることを目的とし た。 (研究方法) 2016年度関東大学対抗戦A、入れ替え戦の6試合の ビデオを参考とし、セットプレーのボールの獲得率を求め ていく。(スクラムとラインアウトの2つ)獲得の有無はボ ールの乱れや動きの崩れがあってもボールを獲得していれ ばいいものとする。 (結果) 表1日本体育大学● 0-79 ○明治大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 日体大 100% 66% 85% 明治 100% 93% 95% 表2日本体育大学● 0-55 ○慶應大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 日体大 90% 78% 82% 慶應 100% 82% 87% 表3日本体育大学● 40-45○早稲田大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 日体大 57% 86% 71% 早稲田 100% 100% 100% 表4日本体育大学○ 52-21●明治学院大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 日体大 88% 81% 83% 明治学院 100% 88% 94% 表5 帝京大学○ 42-31 ●慶應義塾大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 帝京 0%(2分の0) 93% 81% 慶應 90% 64% 76% 表6 帝京大学○ 29-24 ●筑波大学(獲得率) スクラム L/O 獲得率 帝京 100% 86% 90% 筑波 86% 83% 84% (考察) 表1~4の日体大だけでいうと85%以下の試合が多い。 表3の接戦になっている日体大対早稲田の試合は、獲得率だ けでみると差があるのがわかる。勝つことのできなかった理 由のひとつとしても考えられる。 表1~6をみて、表1~3と表5,6は、獲得率の高いチー ムが勝っていることがわかる。しかし、表4は、セットプレ ーでの獲得率の低い方のチームが勝利している。表5では、 帝京がスクラム、慶應がラインアウトにおいて劣性になって いることがわかる。 これらのことから、セットプレーでの獲得率が高いチーム が勝つ確率は高いが必ずしも高いチームが勝つわけではな いことがわかった。 (結論) ラグビーの試合では、プレー再開をスクラム、ラインアウ トが大半を占めている。そのためセットプレーはとても重要 なものである。セットプレーでの獲得率が必ずしも勝敗にか かわってくるとは言えないが、獲得率が高いチームのほうが 試合を有利に進めることができると考える。 セットプレーは相手やその場の状況によって変化する。そ れにいつでも対応できるように試合に向け練習しなければ ならない。

セットプレーの獲得率と試合への影響

(13)

日本体育大学 卒業抄録

VS ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0274

学生氏名 深津 賢登

<研究目的>

私は、4歳の時からラグビーを始めた。始めたき

っかけは仲間のために体を張るという男らしいス

ポーツにひかれたからである。高校時代から今まで

フランカー、NO.8としてプレーをしてきた。

NO.8はとても豊富な運動量や機動力、ラグビ

ーの醍醐味であるタックルスキルが必要なポジシ

ョンである。

以上のことから私はNO.8に必要とされるワー

クレートという一試合の仕事量について各レベル

のNO.8の現状の数値を比較し、今後監督、コー

チになった時の指導力向上に役立てることを目的

とした。

<研究方法>

Newzealand(NZ) VS Ausaralia 37-10(15-10)

2016/10/22 Bledisloe Cup Eden Park

② 帝京大学

VS 東海大学 33-26(14-14)

2017/1/9 大学選手権決勝 秩父宮ラグビー場

③ 日本体育大学

VS 東洋大学 41-19(22-0)

2016/10/10 Jr 選手権 東洋大学G

カッコ内は前半40 分のスコア 2016 年度に行われた上記の三試合から世界のトッ プレベル、大学トップレベル、自チームの試合におけ る各8番 NO.8 のワークレートについて比較し分析 した。上記の3試合を選択した理由は、レベルの異な る試合を分析するためである。

NO.8 の選手は途中交代が少ないポジションで

あるので試合開始から終了までの

80 分間のワーク

レートの数値を出すこととした

ここではワークレートを

1st タックル、2nd タッ

クルに入った回数をタックル数、ラックにオーバー

またはプレッシャーを与えに入った回数(ジャッカ

ルなどを含む)をブレイクダウン(BD)参加数、

ボールを持った回数をボールキャリア(BC)数に

しこの

3 点に絞りデータを出すこととした。

<結果と考察>

1 各 NO.8 選手のワークレート数値

Team

タックル数

BD参加数 BC数

New Zealand

19(8)

29(13)

12(7)

Australlia 16(7)

35(15)

12(6)

帝京大

16(6)

31(13)

13(5)

東海大

9(6)

21(15)

19(11)

日体大

15(8)

31(17)

8(3)

東洋大

11(4)

20(9)

9(5)

カッコ内は前半

40 分の数値

(注)

Australlia の選手は 55 分での交代となるた

め、2選手の合計となる。

1 より New Zealand の選手はタックル回数が

最も多いことがわかった。

Ausaralia の選手はブレ

イクダウンに参加する回数が最も多いことがわかっ

た。日本体育大学の選手はボールキャリアになる回

数が少なかった。

以上のことから、世界のトップレベルの

NO.8 の

ワークレートを見ると、タックル回数やブレイクダ

ウン参加回数が非常に高いことがわかった。また大

学トップレベルの帝京大学の選手もワークレートが

非常に高く大学選手権

8 連覇の要として活躍をして

いた。

日本体育大学の選手はボールキャリアになる回数

が一番少ない結果となった。つまり高いワークレー

トを出すためには、ボールキャリアになる回数を増

やす必要があると考える。

<結論>

ラグビーにおける

NO.8 に必要とされるワークレ

ートについて各レベルの選手の数値を知ることがで

きた。数値を比較するとレベルの高い選手は仕事量

が多く、総合的な数値が高かった。

レベルの高い

NO.8 を育成するためにはタックル

回数、ブレイクダウン参加数も重要であるが総合的

な数値を高めるための高いフィットネス、また適切

な判断力を培うような練習メニューを組むことが必

要である。

ラグビーの No.8 におけるワークレートについて

(14)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0279

学生氏名 藤澤 圭二郎

(目的) 私は、13年間ラグビーをしてきた。ラグビーは15人で 試合を行いコンタクトスポーツで相手と激しくぶつかり合う 競技である。日本体育大学は体が小さく帝京大学や明治大学 のような体の大きい選手がそろう相手に対し、1対1でタッ クルするより、2対1でタックルをすることでゲインをきら せないことが出来るのではないかというところに着目し、試 合を優位に進めるためにダブルタックルが及ぼす影響を研究 目標とした。 (研究方法) 2016年関東大学対抗戦A の、日本体育大学対明治大学 の試合、日本体育大学対早稲田大学の試合を参考にし、日本 体育大学のダブルタックルとシングルタックルのそれぞれの 統計をとり、ゲインされている・ゲインされていないで判別 し、ダブルタックルの有効性について研究する。 判断基準は以下としカウントした。 ・ダブルタックル・・・ボールを持って走り込んできた相手 に対して、2人でタックルをすること。 ・シングルタックル・・・ボールを持って走り込んできた相 手に対して、1人でタックルをすること。 ・ゲインされている・・・ボールを持って走り込んだプレー ヤーがタックルされた際に攻撃方向に前進できたこと。 ・ゲインされていない・・・ボールを持って走り込んできた 相手がタックルされた際にその場で倒れる又は、攻撃方向に 対して後退すること。 <結果・考察> 表1 タックル回数(日本体0―79明治大) ゲインされてい る ゲ イ ン さ れ て い ない ダブルタックル 11本(12%) 29本(31%) シングルタックル 40本(43%) 13本(14%) 表2 タックル回数(日体大40-45早稲田大) ゲ イ ン さ れ て い る ゲ イ ン さ れ て い ない ダブルタックル 11本(12%) 27本(30%) シングルタックル 42本(46%) 10本(12%) 2016年関東対抗戦A の、日本体育大学 対 明治大学 の試合、日本体育大学 対 早稲田大学のダブルタックルと シングルタックルの統計をとった結果、シングルタックルの 回数が多いことが分かる。しかし表1.表2から見てもシン グルタックルの場合ゲインされている確率が2つの試合で 40%を超え一番多い数値となった。これに対してダブルタ ックルのゲインされている確率は10%台となっており、シ ングルタックルよりもダブルタックルのほうがゲインされ ていないことがわかる。 また明治大学と早稲田大学との試合を比較してみるとタ ックルの数値はあまり変わらないのに点数にはとても差が 出ている。その原因として考えられることは明治大学のダブ ルタックルで人数が減った場所を攻められたのに対し早稲 田大学はダブルタックルで人数が減った場所を攻められな かったと考える。 どのようなときにダブルタックルができているかという と、ディフェンスラインがしっかりとそろったときにゲイン をされないでダブルタックルができていると分かった。 <結論> シングルタックルよりもダブルタックルのほうが、ゲイン をされる確率が低いことが分かった。相手をゴールラインに 近づけさせない試合展開を送ることにより、よい試合展開を 送ることが出来るのではないかと考える。しかし、明治大学 のようにダブルタックルのリスクを攻められることもある。 ダブルタックルは体の小さい日体大が、相手を止めるため にはダブルタックルはとても有効的である。だがダブルタッ クルをすると、人が少なくなるため相手よりも人数が少なく なってしまう。一人が二人分走る事ができればカバーでき る。ダブルタックルの技術を上げていき相手よりも走ること で、ゲインをされずに試合を優位に展開に繋げることが出来 るのではないかという結論に至った。

ダブルタックルの有効性

(15)

日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0303

学生氏名 三森 悠平

(目的) ラグビーはセットプレーから試合が再開される。2012 年 から 2015 年までラグビー日本代表ヘッドコーチを務めた エディー・ジョーンズによると、ラインアウトの成功率が 80%以上あると試合が優位になると言われている。 2016年度関東大学ラグビー対抗戦Aでは、日本体育 大学の勝率とラインアウト獲得率があまり良くないと感じ た。そこで、日本体育大学及び対戦大学の勝敗とラインア ウト獲得率、どこでボールを獲得しているのかを調べるこ とにし、今後の日本体育大学のラインアウトに活かし、 優位な試合展開にする事を目的とした。 (研究方法) 2016年 関東大学ラグビー対抗戦A ・9月9日 日本体育大学vs明治大学(0-79)(57%―84%) ・9月24日 日本体育大学vs帝京大学(3-134)(50%―%100%) ・10月14日 日本体育大学vs早稲田大学(40-45)(75%-100%) ・11月6日 日本体育大学vs筑波大学(14-46)(53%―66%) ・11月19日 日本体育大学vs青山学院大学(24-31)(77%―92%) ・11月26日 日本体育大学vs成蹊大学(38-27)(69%―71%) 以上の日本体育大学の6 試合をデータに、日本体育大学 と対戦校のマイボールラインアウトを分析した。 日本体育大学と対戦大学のラインアウト獲得率と、ライ ンアウトの5mから15mラインの範囲を3つに分け、前、 中、後ろ、のどこで獲得しているのかを調べた。ボールを 投げ入れ自チームがボールを獲得すると成功とした。 (結果と考察) 表 1 2016年度関東大学ラグビー対抗戦A日本体育大 学のラインアウトデータ 獲得数 獲得率 前 中 後ろ 明治 4 回 57% 2 回 0 回 2 回 帝京 3 回 50% 1 回 1 回 1 回 早稲田 6 回 75% 4 回 2 回 0 回 筑波 7 回 53% 5 回 2 回 0 回 青学 7 回 77% 4 回 3 回 0 回 成蹊 9 回 69% 4 回 3 回 2 回 表2 対戦大学のラインアウトデータ 獲得数 獲得率 前 中 後ろ 明治 11 回 84% 3 回 5 回 3 回 帝京 10 回 100% 2 回 6 回 2 回 早稲田 13 回 100% 4 回 4 回 5 回 筑波 6 回 66% 5 回 1 回 0 回 青学 13 回 92% 6 回 6 回 1 回 成蹊 10 回 71% 3 回 4 回 3 回 表1、表2の結果と試合のスコアを見ると、ラインアウト の獲得率が試合結果に必ずしも反映されるわけではないが、 影響が反映されていることが分かる。日本体育大学のライン アウト獲得率は 50%台が多い。対抗戦上位3校の帝京・早 稲田・明治は、獲得率80%を超えている。 ラインアウトの獲得位置を見ると、日本体育大学は前での 獲得が多く相手のプレッシャーを受ける場面が多くみられ 得点やゲインに結び付く有効な攻撃に繋がらなかったと考 える。対戦大学は真ん中、後ろでの獲得数が多くありプレッ シャーを受けにくく攻撃の選択肢も多く選択できたため得 点やゲインに繋がる有効な攻撃であったと考える。言い換え ると、ラインアウトが安定できないと有効な攻撃に繋がらな いと言え、得点や勝敗に繋がる大きな原因の一つと考えるこ とが出来る。相手の獲得率を下げるのも大切だが、自チーム の獲得率を上げる事が大切であると考える。 (結論) ラグビーの試合におけるラインアウトといったセットプ レーの獲得率は重要である。考察にもあったように、試合に おけるラインアウトの獲得率そのものが試合の結果として 反映されてしまう可能性が高いことが考えられる。 今後日本体育大学が試合に勝つためには、ラインアウトの 獲得率を上げるとともに、どこでボールを確保するかが重要 となる。ラインアウトの際には、人数を少なくしたショート ラインアウトを使い、サインを言わずにタイミングでボール を投入すること、さらに相手よりも早くセットし動きを速く しなければならない。ラインアウトの獲得率を上げることで 優位な試合展開ができると考える。

ラグビーにおけるラインアウトの獲得率と勝敗

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日本体育大学 卒業抄録

ほんだいひょう 運動方法(ラグビー)研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0308

学生氏名 村上 昌彦

1) 目的 スクラムはラグビーにおいて重要なセットプレーの一つ とされている。スクラムの優劣によって試合結果にどのよ うな影響を及ぼすのか検証し、今後の自らのプレー、また コーチングする立場になった際にどのようなポイントを伝 えるべきかということを目的とした。 2)方法 2015 年ラグビーW杯イングランド大会における 4 試合 の映像を検証し、各試合で合計何回スクラムを組み、日本 代表のボール供給率が試合にどのような影響を及ぼしてい るかを調べる。また、「相手をコントロールし、優位にボー ルを供給できた場合」をA、「劣勢だが何とかボールを供給 できた場合」をB、「プレッシャーを受けボール供給を出来 なかった場合」を C、として回数をカウントすることとす る。検証した試合は、以下の通りである。 ・日本代表 vs 南アフリカ代表(○34‐32) 2015/9/20 ・日本代表 vs スコットランド代表(●45‐10) 2015/9/23 ・日本代表 vs サモア代表(○26‐5) 2015/10/3 ・日本代表 vs アメリカ代表(○28‐18) 2015/10/12 3)結果及び考察 表1 日本代表 vs 南アフリカ代表 A 評価 B 評価 C 評価 マイボール供給率 日本 3 4 0 7/7 100% 南ア 1 1 0 2/2 100% 表2 日本代表 vs スコットランド代表 A 評価 B 評価 C 評価 マイボール供給率 日本 2 0 0 2/2 100% スコットランド 7 0 1 7/8 87.5% 表3 日本代表 vs サモア代表 A 評価 B 評価 C 評価 マイボール供給率 日本 10 1 0 11/11 100% サモア 2 2 1 4/5 80% 表4 日本代表 vs アメリカ代表 A 評価 B 評価 C 評価 マイボール供給率 日本 7 0 0 7/7 100% アメリカ 2 2 0 4/4 100% 結果のみに注目すると日本代表のボール供給率は全試合 で100%ボールを供給できており非常に安定しているが、表 1 の南アフリカ戦では NO.8 の選手がすぐにボールを捌くダ イレクトフッキングをしている。このことから、南アフリカ 相手にはスクラムで勝負するには分が悪いと判断し相手の プレッシャーを受ける前にボールを出すという判断をした と予想される。内容でも日本代表がラストワンプレーで逆転 勝利というように厳しいものになっている。それに比べ表3 のサモア戦、表4 のアメリカ代表戦では、有利なスクラムを 組めていたためダイレクトフッキングを使用せずとも安定 したボール供給に成功した。このことからスクラムを安定さ せることでセットプレーから選択できるプレーの幅が広が り、有利に試合を運べるのではないかと考えられる。表2の スコットランド戦では、日本代表のミスが多くマイボールス クラムの機会が少なかった。 スクラムにおいて重要なのはヒットスピード、FW 全員の まとまり、姿勢の低さ、足の位置、肩,首の使い方が重要に なってくる。8 人全員が一つの岩になるようなイメージで強 いパックをし、相手より強く低い姿勢を早く取ることでスク ラムが有利になる。日本代表はスクラムを細かいところまで 見直し、徹底した強化をしてきたことがW 杯初勝利という 結果につながったと考えられる。 4)結論 今回検証した試合では日本代表のマイボールスクラムの ボール供給率は全試合100%ではあったが、強力な FW を武 器としている相手にはダイレクトフッキングを使い早い球 出しを行うなどの工夫があったからこそ、今大会3 位だった 南アフリカ代表に勝利し、予選リーグ3 勝という快挙を成し 遂げられたと考えられる。 しかしダイレクトフッキングに頼ってしまうと FW のレ ベルアップ繋がらないため、どうしてもボールを出せない時 の最後の手段として指導していきたい。

ラグビーにおけるスクラムの勝敗への影響

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日本体育大学 卒業抄録

ラグビー研究室 指導教員 米地 徹 准教授 学籍番号 13A0354 学生氏名 今井 勇佑 [研究目的] 私は大学入学後タッチラグビーを始めた。日体大タッチ ラグビーサークルは、私が入学後の2013 年~2016 年の間 に3 度日本選手権で優勝している。優勝を続けている 1 つ の要因として考えるのがディフェンス力の向上である。日 体大のディフェンス力は年々向上し、今年の大会では、昨 年の大会とほぼ対戦相手が同じ中、総失点数が半分になっ た。そこで今回、過去5 年間の日本選手権の試合を比較し、 日体大の失点パターンを分析することで、苦手なプレーを 洗い出し日体大のディフェンス力の更なる向上の一助と なることを目的とする。 [方法] 本研究のため、日体大タッチラグビーサークルのマネー ジャーが録画し、ネットにアップしている「日本選手権」 の過去5 年間の試合映像をもとに調べる。失点の内容と失 点に至るまでの過程を年ごとに集計し比較した。失点内容 の基準として、両ミドルの間に架空の線を引きディフェン スを二方向に分け、その時に外側の肩の方向をショートサ イド。内側の肩の方向をヒットサイドとする。 各年の総失点数(ドロップオフは除く) 2012 年 3 試合 計 9 点 準優勝 2013 年 2 試合 計 5 点 準決勝敗退 2014 年 3 試合 計 2 点 優勝 2015 年 3 試合 計 7 点 優勝 2016 年 3 試合 計 3 点 優勝 [結果及び考察] 図1 失点の内容 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 ショートサイド(1対1) ヒットサイド(1対1) ショートサイド(パス) ヒットサイド(パス) その他 図2 失点に至るまでの過程 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 スクープ 32スクープ クイック フック、ティップス 33バス その他 図1 より、失点の少なかった 2014 年、2016 年ではショ ートサイドで失点が少ないことがわかった。日体大のディ フェンスシステム上、ショートサイドは必ず抜かれないと いう原則があり、この結果より、原則が守られている年は 総失点が少ないことが読み取れる。また、失点に至るまで の過程もだんだん変化しつつあり、2015 年、2016 年と近 年、ヒットサイドへのパスでの失点が目立つようになっ た。図2 よりこれらの失点は「33 バス」に関係した失点 であると見当がつく。「33 バス」はミドル間にリンクのプ レーヤーが走りこんでくるため、自然とヒットが起こるサ インプレーである。更にリンクの寄りやアップ、ウイング のかけひきなどディフェンスするのは難しい。しかし、日 体大を含め近年、日本選手権の準決勝、決勝に上がってく るチームは「33 バス」を多く使用する。日体大としては、 「33 バス」に対しての失点を少なくすることが今後の課 題だと言えるだろう。 [結論] 今後、日体大として、失点を減らしていくためには、シ ョートサイドを抜かれないという原則を継続して徹底す ることが大前提であり、その上で課題である「33 バス」 に対しての失点を0 にすることが必要である。AD やゲー ムなど、実践的な練習で「33 バス」を多く経験しポジシ ョンごとに出た課題を一つ一つ解決していくことが重要 である。

日体大タッチラグビーサークルにおける失点パターンについて

参照

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