【 2 】長崎市(地域)救急実態調査
❶ 地域背景
長崎地域(長崎市消防局管内)の実態調査では、長崎市および隣接する2町(下表)における 救急車で搬送された傷病者の搬送先の医療機関より提出された報告書をもとに解析を行った。 長崎医療圏(2次医療圏)は、長崎市、長与町、時津町、西海市より構成されるが、西海市 は佐世保消防局管内であるため佐世保地域の一部として集計している。
市町村別人口 高齢者比率
・人口は前年比で毎年約1%ずつ減少となった。
・長崎市、長与町、時津町ともに高齢者比率が1%増加しており、全体で27%を超えた。
長崎市
長崎市
長崎市
旧外海町旧外海町
旧外海町 旧琴海町旧琴海町旧琴海町
時津町 時津町
時津町 長与町長与町長与町
旧伊王島町 旧伊王島町 旧伊王島町
旧高島町 旧高島町 旧高島町
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❷
総合分析
「1」回収率と内訳
今回、2013年4月1日から2015年3月31日までの2年間の集計を行ったが、2013年度から 「総搬送数」は21, 000件超えとなった。「総回収率」に関して2013年度より100%、99%超えとなり 回収での改善が見受けられるが、一方で「記載不十分・不明」では件数が増加しており、今後 の対策が必要である。各医療機関から報告書が回収され記載不十分・不明分を除いた2013年 度20, 272件(集計率95. 4%)、2014年度20, 451件(集計率95. 4%)において集計・分析を行った。
2014年度において内因性疾患は14, 040件(68. 7%)との14, 000件超えとなり増加傾向である。 外因性疾患は6, 411件(31. 3%)と前年より減少している。
「2」搬送患者の年齢分布
2014年度の搬送患者の年齢分布を10才ごとの年齢層別にみると、50才代以降の年齢層が上 がるにつれ件数が急激に増加し、80代でピークを迎えている。70才以上の搬送比率が53. 8% と総搬送の半分以上を占めている。
「3」疾患群別内訳
2014年度の内因性疾患は搬送された人は14, 040人で、うち疾患群で最も多かったのは消化 器疾患群で全体の約11. 3%を占めており、次いで呼吸器、循環器、脳疾患の順であった。ま た、内因性疾患の構成比においても68. 7%と7割に近づいており、高年齢化に伴い内因性疾 患の割合が高くなっている。
2014年度 疾患群別搬送7日後の転帰
2014年度 疾患群別搬送7日後の転帰(前年度比較)
−6−
「4」転帰
2014年度の搬送7日目の転帰では全体の3. 5%が死亡し、7日間以上の入院(入院中)は41. 2 %であった。全体の約61%が入院を要していた。一方、外来のみで帰宅したのは36.5%であった。 内因性疾患を疾患群別にみると、7日間以上の入院中は全体の43. 0%であり、脳疾患は59. 5 %、循環器疾患は50. 7%、呼吸器疾患は63. 0%と非常に高い割合であった。
外因性疾患は全体では46. 3%が外来診療のみであり、7日間以上の入院が37. 2%、死亡率 は0. 4%であった。
2013年度との比較では、内因性疾患の脳疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患は増 加しており、外因性疾患においてはその他疾患で減少している。
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❹ CPA症例
CPAもしくは外来死亡について、疾患別に件数を示す。
❺ 高齢者について
70才以上の高齢者の搬送は11, 054件(全搬送の54. 1%)で、半数以上が入院を要したもので あり70才未満と比較して、転帰、疾患分布に明らかな差がみられる。転帰に関して入院を要 したものは、70才以上が約74. 1%に対し70才未満では約46. 3%と高齢者の方が入院に至る割 合が明らかに高い。
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❻
救急搬送発生場所について
長崎地域では搬送発生場所を8種に分け分類している。これらを4分類に集約して搬送人 数、年齢階層、疾患群の分析を行った。
住宅、医療機関では60歳、70歳、80歳代が中心であり、介護施設はひと回り年齢層が上がっ ていることが分かる。その他の場所では高齢者の搬送割合も高いが、若年層においても高く、 特に10歳、20歳、30歳代では他の発生場所よりも高くなっている。
内因性疾患の発生場所は圧倒的に住宅が半数以上を占めているが、外因性疾患ではその他 の場所が45. 4%と発生場所では内因性との相違があった。
男女別構成(2014年度)
年齢階層別構成(2014年度)