さて、漢訳語の虚空に対するサンスクリットは凶冨曾をはじめとして、煙日日房租︶自国昌塚四︾煙日冨圏唇四︺鴨︲ 鳴息︶噌鴨g︲邑四︶旨号冨︾ご号冨の︾ぐ昏倒旨の︶go目四口︵また特殊な場合号息︶などが存する。これらはそれぞれ語 源・原義を異にするものではあるが、すべて原画ぐ①Pのご﹀切冨の①を意味し、漢訳語の虚空・太虚空あるいは空・空 界に対応して、必ずしも用法上の相違はないと考えられる。したがってここでは、出来るだけ多数の用例を蒐集する 、、、、、︸ という趣旨からも、仏典をインド撰述の漢訳経律論に限り、その中での虚空︵太虚空・空・空界︶の比峨を対象とす 察せんとするものである。 てよいであろう。本論は︸ 知のことである︾その中一 仏典の中には数多くの比峨が用いられ、しかもそれらが仏教思想との関わりにおいて、重要な意味をもつことは周 のことである。その中でも虚空の比晩はその用例の多さと重要さの点で、仏教の中でも代表的なものであるといつ よいであろう。本論はこの虚空の比峨をできるだけ多くの仏典から蒐集し、その用例から仏教思想との関わりを考
仏教における虚空の比輪
森
幸早一一町 64仏 教 に お け る 虚 空 の 比 峨 さて第1表は、虚空の比愉の用例を、その付与された特性と、仏典の種類の両面から分類したものである。典籍の 中、︵A︶は初期仏教経典であり、四分律と長・中・雑・増一の各阿含、および法句経・出曜経を対象とした。︵B︶ は阿毘達磨文献であり、二百巻婆沙・倶舎論・成実論を調査したものである。これら所調、大乗仏教側から見ての小 乗仏教文献には、両者を合してもわずか七例の用例しか見出し難く、︵C︶以下の大乗仏教と比較すると極めて少な またここでいう比愉は曇虚空という語で把握されているものの特徴・属性が、そのまま仏教の思想あるいは概念に 、、 直接たとえられるもののみに限定し、しかも文中に虚空の特性と、それでもってたとえられる思想・概念が明示され ているもののみに限った。したがって、筋立ててもったものとしての書峨謹は勿論、例えば虚空に絵を画くとか、虚 空と大地は隔ること大きいといった比峨は、虚空そのものの特性が直接対象とはなっていないので除外し、また﹁無 分別智は虚空の如し﹂というようなものは、虚空のどんな特性が無分別智にたとえられたのか不明であるのでこれも 除外する。その詳細は後にいくつかの実例を紹介したので参照されたい。 以上のように、仏典と比喰を限定した上で、筆者の蒐集しえた虚空の比倫の用例は第1.Ⅱ表のごとくである。こ れらは本論作表のためだけに厳密に調査したものではないので、統計としては精度に欠けるが、その大要を示しうれ ばよいとの考えから敢えて図表化したものである。なお一々の典拠は末尾に註として掲げた。また図表化に当たっ ては、同様の用例が同一巻に二度以上見られる場合は、原則として一として数え、反対に同一個所で例えば、無垢 清浄・不生不滅なる虚空というように、虚空の特性として二つ以上明示されている場合は、それぞれ別個に採集した しととが注目される。 ことを付言しておく。 ることにする↑●﹄ 65
第 1 表 零 / ー 35 ’1‘‘‘ 二 ﹄ . 二0 6 QJ 3()8
⑳虚班 ⑳真実
/〃W畦巧コノFII捗州。J八二写八一三 宿モーノ臣一一F世 何廷脈叫本や 句匡亦,両一言詔逝⑳無分別
﹃lユ ⑳ 冷 帝 性無相 ﹃1入 〃バピ、叶工﹄|ロノ︲〃11 一のヒオー|口釦下 依廷笠小帝噸⑬純一無二
⑰平等無差瑛 ● ( フ ヨ q 術 7 号 征︶鋪甫不勇 −nu﹃J計プ副弛rヨ計プM牌匹 、す、フニ此1J三一Tlj⑫非三世
0何︲一/7藍 11丘刀卜培
G万:生万洞 4e無方 ⑦甚深
/ 型 一己ル [rFL]’ #﹁イ・祇④包含 ③遍在
只 . ー L J②無量
11 26 宅宮叩■|J〆 1岬りが“
第 1 I 表 F﹃L 鐸盈e馴盟岬全昇旦蒋筆 1ク 圭 一 28 卜の l」
⑬真︷
﹁rJ二郎些曲jγL謁制当り品 粥r潮一野伊凹二FII﹄ 子〆.こ#〃rⅢ ︲メイゆ⑳無分別
一〆︲竜可土﹄一口心f4I⑳不可得
一u﹄&瀬一丑Jll ⑰平等無差別⑫非三世
与処フf
⑨不生不滅 ご r 心 . 一 T − 只野#,④包含
︵い、劃﹄雲足 r 、 K フ ( ︲PP 4 |恥︽ '5 a 仏 ・ 仏 妾 b 仏 』 c 仏 語 d 仏 功 # 、一罪w 、 昨”吟 P︶ f仏勿性・如来『肯 i 仏 国 二 b 菩 薩 の ノ I c 菩 薩 の 零 d菩薩の功ij e 菩 薩 i l f 菩 提 ( 心 g 般 若 波 羅 至 h そ の イ I a 一 切 脂 b 法 f c 法 9 i そ の ′ 菩 薩 妾 生 正 貢 |辱如 ’1 そ の 他 14 1 心 ・ 心 ‘ e 勝 義 言 1 f 犬 宇 王 R そ の 竹 35 14 ワj ﹃11このように中観系諭書に虚空の比峨が極めて少ないのに対し、︵1︶︵J︶の如来蔵系経論と域伽唯識系経諭には 豊富に存することも興味深い。ここにいう︵1︶如来蔵系経諭は北本混梁経・勝這経・如来蔵経・不増不滅経および 宝性諭を対象としたものであり、︵J︶聡伽唯識系経論は、解深密経をはじめとして城川師地諭・大乗荘厳経諭・弁 中辺諭・唯識二十論・三十煩・玄英訳世親摂大乗論釈︵含む摂大乗諭本文︶・成唯識諭を対象とした。したがって域 伽唯識系経論のボリュウムはかなり大きい。 更に︵K︶は実叉難陀訳入柵伽経と真諦訳大乗起信論の、いわば如来蔵と唯識が融合した形の文献であり、︵L︶ は地蔵菩薩本願経・弥勅上生経・義浄訳金光明経・薬師如来本願功徳経・心地観経・十二章経などのその他の経典 ︵C︶は、第三二三会を除く大般若経と、大品般若の本文を含む大智度論の.般若系経諭であり、︵D︶は、八 十華厳と世親十地経諭の華厳系経諭である。これらは対象とした経諭のボリュウムも大きいとはいえ、虚空の比唯が 多出する。中でも華厳経にはもっとも多くの用例があり、これも注意しておく必要があろう。 ︵E︶は法華経・無量義経・親普賢菩薩行法経の所謂法華三部経であり、︵F︶は、無量寿経・槻無量寿経・阿弥陀 経の浄土三部経である。︵G︶は羅什訳維摩詰所説経・首溜厳三味経と支婁迦誠訳の般舟三昧経のその他の初期大乗 経典である。これらには虚空の比除の用例が少ないが、しかしこれは、これらの経典のボリュウムが小さい故であっ て、︵A︶︵B︶の小乗仏典の用例が少ないのとは事情を異にする。 次に︵H︶は中観系諭書で、中諭・百諭・十二門諭・般若灯論の外に、大乗集菩薩学諭も含めておいた。これには 七例の虚空の比唯が見出されたが、そのすべては灯諭と菩薩学論であり、中心となるべき三論にはここにいう虚空の 比峨が見出せない。しかも菩薩学諭は、厳密には中観系諭書とは言い難い面があり、これを除外するとなると一層乏 しい上bのとなる。 68
仏教における虚空の比聡 次に第Ⅱ表は、虚空のそれぞれの特性が、仏教のどのような思想・概念にたとえられているかということを表示し たものである。これはたとえば、﹁仏は法を以て身と為し、清浄なること虚空の如し﹂︵華厳、巻五︶という文章は、 虚空の特性としては、⑮の清浄、たとえられる概念としてはIla仏身というように分類したものである。これを一 覧すれば判るように、虚空でもってたとえられる思想・概念は、そのほとんどが仏と菩薩に関するものと、法・法性 についてであって、その他の思想概念をたとえる用例は一割にも満たない。念のためにⅣその他に分類したものを挙 げておくと、出家が六例、衆生が五例、衆生界・真言の三昧門が各二例の外は、みな一例で、智者︵智慧ある比丘の︶ 意・須菩提の説法・仏弟子・天神の心・禅定・身・煩悩・三界の量・妄計の法、そして﹁般若灯諭﹂が自身を例えた もの、ということになる。このように虚空は仏・菩薩そして一切法︵法性︶にたとえられるという顕著な特徴をもつ 群、そして最後の︵M︶は、大日経・金剛頂経の密教経典である︾ 以上が本論において調査の対象とした印度撰述とされる︵中にはそれが疑われているものもあるが︶漢訳仏典であ り、その一応の思想系統および成立時期による分類である。またそれぞれの箇所に於て注意したように、各々に分類 した仏典のボリュームに大小の相違があるので、虚空の比唯の用例の多少を調査結果としての数字で機械的に比較す ることは慎しまなければならない。したがってこのことを一応配慮した上で、第1表を文献の上から通観してみれ ば、次のことが指摘できるであろう。即ち、虚空の比峨は原始経典・阿毘達磨文献には少ないのに対し、大乗仏典に は全体的によく用いられているということ、しかし大乗仏典の中では中観系諭書には用例が少なく、これに対して如 来蔵・城川唯識系仏典には多く対照的であり、般若系経諭や特に華厳経にはこれが頻出するということである。 ものとい声ハノことになるc 69
②無量
、、、 智海如空無有量︵IlC︶﹁心地観経﹂三、大正三・三○一b 、、 世尊説無量不可思議法多有所鏡益如虚空無辺︵Ile︶﹁法華﹂五、大正九・四四C 、、、 ︹三界衆生︺不窮尽猶若虚空︵Ⅳ︶﹁倶舎﹂八、大正二九・四二a のごとく、無量と無辺と無尽を含む。 てみたわけであるが、その一々の典型例を次に示しておく。なお例文末尾の︵︶内は、第Ⅱ表の横欄、即ち仏教 なお、上記の第1.Ⅱ表で示したように、ここでは仏典において虚空に付与された特質、属性を三○項目に分類し 思想・概念の分類番号である。また文中の︹︺内は筆者の補った言葉である。 14 /I、 広大 、、 仏智広大同虚空普遍一切衆生心︵IlC︶﹁華厳﹂八○、大正一○・四四二c 、、 智慧澄明如大海功徳広大若虚空︵Ild︶﹁金光明﹂一○、大正一六・四五四C この中には次のようなものも含めた。 、 鵬若虚空大慈等故︵Ⅱld︶﹁無量寿経﹂下、大正二一・二七四a、くb 、、 在家煩擾若居塵宇出家閑雌猶処虚空︵Ⅳ︶﹁城川﹂一二、大正三○・三九七a 7()仏教における虚空の比
③遍在
⑤不増不滅
、、、 警如虚空一切世界若成若壊常無増減、何以故虚空無生故、諸仏菩提亦復如是︵Ⅱlf︶﹁華厳﹂五二、大正一○・ ⑥ 二七五a 如虚空遍至体細塵不染仏性遍衆生諸煩悩不染︵Ilf︶﹁宝性﹂三、大正一一二・八三一c 法身諸仏共有遍一切法猶若虚空︵Ila︶﹁成唯識﹂一○、大正三一・五八a 包含 三大誓願如一切色悉入空界如是菩薩恒沙諸願皆悉入此三大願中︵Ⅱle︶﹁勝迩経﹂大正一二・二一八a 、、 仏性遍覆猶如虚空︵Ilf︶﹁浬盤﹂一五、大正三一・四五五a 究克 、、 是諸菩薩願善決定無雑不可見、広大如法界究寛如虚空︵Ⅱle︶﹁十地経諭﹂一、大正三ハ・一三︿b 、、 我成最正覚究寛如虚空︵Ilh︶﹁大日経﹂一、大正一八・四c なお次のようなものも含めた 、、、 、、、 警如虚空加不能益衆生不能損衆生、如是:⋮.︵Ⅱlg︶﹁智度﹂八四、大正二五・六四七c 71⑩ ⑨
③無方
、、、、 警如虚空無方無隅而能顕現無辺方隅、菩薩摩詞薩亦復如是無業無報而顕示種種業報︵ⅡIC︶﹁華厳﹂四四、大正⑦甚深
、、 諸仏国土如虚空無等無生無有相︵Ili︶﹁華厳﹂八、大正一○・四一c のごとく無生や無起と云って、無滅にはふれないものも含めた。 一○・二三四b 不壊 、、、、 ︹智慧比丘︺意如虚空不可汎壊︵Ⅳ︶﹁出曜経﹂一二、大正四・七二三b 、、 阿蒋多羅三貌三菩提、亦如虚空無壊無分別︵Ilh︶﹁智度﹂四一、大正二五・三六三b 無有生故則無有滅、無有滅故則如虚空・⋮:即是如来︵Ila︶﹁入秘伽﹂五、大正一六・六一五a 、や、 不生不滅 、、、、 般若波羅蜜相、一切諸観滅、語言道断不生不滅如虚空相︵Ⅱlg︶﹁智度﹂五七、大正二五・四六七c 、、、、、、、、、、、、、、 如虚空無東方無南方西方北方四維上下、摩訓術亦如是︵Ⅲlf︶﹁智度﹂五一、大正二五・四二四b これには、 復次是法無二故甚深如虚空故甚深︵Ilf︶﹁智度﹂七二、大正二五・五六三C 弓 の ノ ム仏教における虚空の比峨 ⑭
⑬非常非断
、、、、 如虚空非常非断非語言法、甚深般若波羅蜜多亦復如是︵Ⅱlg︶﹁大般若﹂五七一、大正七・九五二c 、、、、、 如来非常非無常⋮⋮警如虚空非常非無常︵Ila︶﹁入柵伽経﹂五、大正一六・六一九alb ⑬ ⑪ 寂静不動 、、、、 心如虚空静然不動︵1lb︶﹁弥勅成仏経﹂大正一四・四二九a なお、この中には次のように寂静と不動が別個に用いられているものも含める。 非三世 、、、、、 ︹菩薩智︺自体⋮⋮出過於三世其相如虚空︵ⅡIC︶﹁十地経諭﹂二、大正二六・一三三a 、、、、、、、、、 虚空之性非過去非未来非現在、仏性亦爾︵Ilf︶﹁浬盤﹂三七、大正一二・五八○C 常不変 、、、、 諸仏如来無為之性猶如虚空不生不滅、常不変易示現法体︵1lb︶﹁宝性﹂三、大正三一・八三三a 、 仏性者常猶如虚空︵Ilf︶﹁浬盤﹂三三、大正一二・五六二b 、、 ︹法身︺清浄不変如虚空無等等︵Ila︶﹁大般若﹂五六九、大正七・九三七C 右のように、この中には常と不変が単独に用いられている場合も含めた。 73⑮清浄
、、 知法界本性清浄如虚空︵ⅢIC︶﹁弁中辺諭﹂下、大正三一・四七五b 性浄与無垢比事則如空︵ⅢIC︶﹁荘厳経論﹂六、大正三一・六一三C 前述のように次のようなものも含める。 、、、、、、、、 警如虚空非浄非械不離浄機、菩薩摩詞薩亦復如是︵ⅡIC︶﹁華厳﹂四四、大正一○・二三四b ⑯ 如来法身畢寛寂莫猶如虚空︵Ila︶|⋮起信論﹂大正三二・五八○a 、、 ︹菩薩摩詞薩︺無生法、猶如虚空不動故︵Ⅱla︶﹁華厳﹂五八、大正一○・三○六b また次のようなものもここに分類した。 、、、、、、、 如虚空非寂滅非不寂滅非離非不離、摩詞術亦如是︵Ⅲlf︶﹁智度﹂五一、大正二五・二四五a 、、、、、 このように非A非非Aといった内容を持つものは、以下Aのところで分類することとする。このような形を有す るものは他に、⑮清浄、⑳不可得、⑳無所依、⑳無分別、⑳不可言説、⑳仮名がある。 九四a 不染 如太虚空一切世界於中成壊而無分別本性清浄無染無乱⋮⋮︵Ⅱlb︶﹁華厳﹂七三、大正一○・三九八C このように、これは前項の清浄と同意語でもあるが、また 、、、 如仏弟子実知空心不動、一切結使生処不復生、雪如虚空姻火不能染大雨不能湿︵Ⅳ︶﹁智度﹂一八、大正二五・一 74仏教における虚空の比lli ⑱ ⑰ 如虚空世間法不能染︵Ilc︶﹁十地経諭﹂二、大正二六・一三一c のごとく、単に清浄の意だけではなく、何物にも染着されないという意味も付加されているので、ここに不染・ 不着・無垢といった語で示されるものを別項目としたわけである。 八三二b 純一無二 喫如虚空遍一切処皆同一味⋮⋮︵Ⅲlb︶﹁解深密経﹂二、大正一六・六九七a 、、、、 一切諸法自体来今性相空寂:;:猶如虚空無有二法︵Ⅲla︶﹁無量義経﹂大正九・三八五c なおこの中には次の如きものも含めておいた。 、、、、 法身者、非是行法無有異相、是根本故猶如虚空︵Ila︶﹁金光明経﹂二、大正一六・四○九b 平等無差践 、、、、、、、 自性清浄心平等無差別⋮⋮猶如虚空在瓦銀金三種器中平等無異無差別一切時有︵Ⅲld︶﹁宝性﹂三、大正三一 この中には勿論、 、、 心行平等如虚空︵1lb︶﹁維摩経﹂大正一四・五三七C 、、、 一切仏力猶虚空、無差別故︵Ilj︶﹁華厳﹂四四、大正一○・二三四a というように、平等と無差別が独立して表現されるものも含む。 ケ4
⑳無所依
、、、 警如十方虚空相常遍一切無所依如是真言救世者於一切法無所依︵Ila︶﹁大日経﹂六、大正一八・四二a ここにも次のようなものを含む。 、、、、、、、 雪如虚空一切世間之所依止而無所依、菩薩摩訓薩亦復如是、一切諸法之所依止而無所依︵Ⅱlc︶﹁華厳﹂四四、 ⑲⑳不可得
、、、 一切体自相不可得如虚空相︵Ⅲlb︶﹁般若灯﹂二、大正三○・一○七a 次のごとき不可思議・不可知も含める。 、、、、 諸仏法不可思議⋮⋮如虚空不可思議︵Ile︶﹁智度﹂七○、大正二五・五五一c 、、、 如虚空無所有無色無形不可知薩婆若亦如是︵Ilc︶﹁智度﹂七三、大正三○・五七五c 雪如虚空 大正一○・ 如虚空非可得非不定得喜摩詞桁亦如是電非可得非不疋得︵Ⅲlg︶一言智度﹂五言大正二五・四二五a のごとく非A非非Aの表現も含む。 無縦 非﹄た 、、 法身同虚空、無腰無差別︵Ila︶﹁華厳﹂七、大正一○・三二C 、、、、 法性一切平等本来寂静、不為諸法之所望磯、猶如虚空不為色侭︵Ⅲlb︶﹁大般若﹂五六九、大正七・九三七b 二三四a 76仏教における虚空の比峨 ⑳
⑳無性無相
、、、、、 星宿王自在天子得開示一切法如幻如虚空無相無自性解脱門︵Ⅲla︶﹁華厳﹂二、大正一○・一○b ⑳無分ゞ別 、、、 雪如虚空不分別菩薩両 次のようなものも含む。 、、、、、、、、、、、、 雪如虚空界離一切分別無分別無無分別、如是一切智智離一切分別無分別無無分別︵Ilc︶﹁大日経﹂一、大正一 八・一b 、、、、 如来示現大神変.⋮:無有害職等虚空︵Ilj︶﹁金剛頂経﹂四、大正一八・二四八a 如虚空非可説非不可説、摩詞桁亦如是非可説非不可説︵Ⅲlf︶﹁智度論﹂五一、大正二五・四二五a 次のごときものも含む。 所説一切法猶虚空不両一一一 不可言説 、、、、 所説一切法猶虚空不可言説故︵Ile︶﹁華厳﹂四四、大正一○・二三四a 、一壬申、■ 観一切法皆無所有猶如虚空︵Ⅲla︶﹁法華﹂五、大正九・三七c これには無所有も含める。 菩薩以此初発心 ︵Ⅱlf︶|:華厳﹂一六・大正一○・八六a 77⑳虚証
⑳ゞ真実 、、 如来者即是真実、真実者即是虚空、虚空者即是真実、真実者即是仏性︵Ila︶﹁浬葉﹂一三、大正一二・四四三 c⑳不堅固
於身虚空想名色不堅固︵Ⅳ︶﹁雑阿含﹂四八、大正二・三五四b 、、、 虚空無堅固、当知衆生亦無堅固︵Ⅳ︶﹁智度論﹂七八、大正二五・六一二a ⑳⑳仮名
、、、、、 如虚空兎角及与石女児無而有言説妄計法如是︵Ⅳ︶﹁入梧伽﹂三、大正一六・六○三a 、、、、、、、 ︹諸法︺如虚空者、但有名而無実法︵Ⅲla︶﹁智度﹂六、大正二五・一○二b 、、、、 法無而可得無染而有浄応知如幻等亦復似虚空︵Ⅲla︶﹁摂諭釈﹂五、大正三二・三四三b 無比無等等 、、 ︹般若灯︺寂滅無分別無比如虚空︵Ⅳ︶﹁般若灯論﹂一五、大正三○・一三五C 、、、 ︹諸仏法︺無等等如虚空、虚空無可唯故名無等等︵Ile︶﹁智度﹂七一、大正二五・五五二b 78仏教における虚空の比││,#
⑳増長
、、 如虚空一切草木衆薬花実依之増長、甚深般若波雑蜜多一切善根依之増長︵Ⅱlg︶﹁大般若﹂五七一、大正七・九 五二C 以上のように本論では仏典において虚空に与えられた特性を三○項目に分類してみた。そして前掲の第1.Ⅱ表を 見てみると、虚空の比峨における虚空の特性の最も使用例の多いものは、⑮清浄、⑯不染となり、インド仏教徒の虚 空観としては、清浄無垢というイメージがもっとも強かったということができる。続いては②の無量、③の遍在とい う順になり、①の広大もかなりに用例が多いから、虚空のイメージのもう一つの面は広大、無量、無辺にして遍在し ているということになる。そしてもう一方では、⑳無性無相も多く、③遍在と同数であり、これには⑳無分別や、⑲ 無礎のイメージも重なって、虚空の無色透明で障りなく、またとらえ難いという面が指摘できる。更に⑨不生不滅は 一四例で使用頻度からいう順位は第八位ということになるが、⑩l⑬の不壊・常不変・非三世・非常非断は不生不滅 と同義語といってもよく、これらを合わせるとかなりの用例数となる。したがって、虚空に付与された特性のもう一 面は、常不変、不生不滅となり、大凡そ虚空のイメージには以上の四類に分けられるであろう。即ち先の三○項目を もう少し大づかみに分類すれば次のようなことになろう。 I類⋮⋮特性①I③、虚空の空間的に大なることを表わすもの Ⅱ類⋮⋮特性⑨l⑭、虚空の時間的に常恒なることを表わすもの 虚空虚証、当知衆生亦虚証︵Ⅳ︶﹁智度論﹂七八、大正二五・六二一a ワーさて第Ⅲ表においては特性IからV類までの合計における%に対して特定の経典群の%の特に増減の著しいも のは、その経典群の虚空で比峨の用法が特徴を示していると見てよいであろう。とすると、cの般若系経論において は、Ⅳ類が多く、Ⅲ類が少ない、ということになる。即ち般若系経論は、多く虚空の無性無相、無分別なることが強 調されて、虚空の比聴が用いられたということであり、反対に清浄不染なることはあまり強調されなかったというこ とになる。これは般若経が無自性皆空なることを主題とするということを考え合わせれば当然の結果であり、反対に 清浄不染なるものとして法を肯定是認する傾向にないということも必然的に言いうるであろう。そしてこれが中観系 てみた。 炉帆一一者一︾ しる上﹂い矛︵ノベェGである一アブc 少なく、あえていえば、⑳不堅固、⑳虚証がそれに類するものである。ここにも虚空の比峨の特質が顕著に現われて であり、第Ⅳ類は中性的特性ということができるであろう。したがってこの虚空の特性には否定的意味をもつものは 差はないということができる︵巻六、大正四八・四四六c以下︶。また先の五類の中、第1.Ⅱ・Ⅲ類は肯定的特性 空、⑩無得の十義に分けており、③以下は哲学的視点をも加味したのであろうから、以上の筆者の分類とそれほど大 となる。ちなみに﹃宗鏡録﹂は虚空を①無障砺、②周偏、③平等、④広大、⑤無相、⑥清浄、⑦不動、③有空、⑨空 さて言以上のように仏典において付与された虚空の特性は上記の五類とすることができむしろ虚空の比峨の分 、考察にはこの大づかみの方が特徴を把握しやすいと考えられるので、第1。Ⅱ表を更に次頁のように編成しかえ V類⋮⋮特性⑳i⑳、その他 Ⅳ類⋮⋮特性⑲、I⑳、虚空の透明にしてとらえ難きことを表わすもの Ⅲ類:⋮・特性⑮I⑬ゞ虚空の清浄無垢なることを表わすもの 8()
第1II表 第 Ⅳ 表
│
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謡
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仏教における虚空の比''1 次に第Ⅳ表の横柵は虚空の特性である五類淀仏・菩薩・法・その他に於いてどのように特徴的に用いられてい るかということを見ようとしたものである。これによれば仏に関する思想。概念はほぼ合計の%と重なり、また用例 数もとり分け多いということからも、虚空は仏を比唯するという用例が最も典型的であるということができよう。次 に菩薩に関する思想・概念は第I類の広大・無辺がもっとも多く、合計の%よりかなり割合が多い。菩薩は常住、清 浄といえない部分をも残していることを考え合わせれば、杵薩の特徴が広大無辺無量遍在になることも了解できる。 また法に関するものに、第I類が少なく、平均して第Ⅱ.Ⅲ.Ⅳ表が多いということも全体的にバランスがとれてい ると考えられる。法、法性が不生不滅・清浄・無性無相というのは大乗仏教の前提となすところであるからである。 また第Ⅳ表の縦枠の︵︶内の%は、虚空のそれぞれの特性が、仏・菩薩・法・その他においてどのように用いら れているかということを見ようとしたものである。これは同じ数字を使っているのであるから、結果的には先の横欄 の%と同様の数字を表わすことになるのであるが、視点を変えるために作ってみたのである。したがってここから も、菩薩に広大無辺無量遍在の用例が多く、法には少ない、また法には不生不滅・清浄・無性無相という性格がより 多く付与されていることが判る。 以上のように虚空の比唯は、文献の種類によってやはり用法も変わり、虚空の比峨の第I類︵虚空が空間的に大な ることを表わす︶は華厳経系思想、第Ⅱ類︵虚空の時間的に常恒なることを表わす︶は浬盤経系思想、第Ⅲ類︵虚空 の清浄無垢なることを表わす︶は域伽唯識系思想、第Ⅳ類︵虚空の透明にしてとらえ難きことを表わす︶は般若系思 想の特徴的な用法であると結論づけることができよう。 83
以上の調査の結果を、もう一度ここでとりまとめてみると次のようになる。 ㈹虚空の比喉は大乗仏典に多く、これに対して大乗側から小乗と腿された仏典には極めて少ない。 ③大乗仏典のすべての領域に於て見出されるが、その中でも特に華厳系経論、如来蔵系経論、域伽唯識系経論に 数多く見出され、中観系論害には少ない。 ③仏典において虚空に付与された特性は筆者の分類によれば三○項目にのぼるが、そのほとんどが肯定的視点よ り把握されたものであり、否定的意味をもつことはほとんどない。 ㈱この特性を大づかみに編成すると次の五類に分けられる。 I類⋮⋮虚空の空間的に大なることを表わすもの Ⅱ類⋮⋮虚空の時間的に常恒なることを表わすもの Ⅲ類⋮⋮虚空の清浄無垢なることを表わすもの Ⅳ類⋮⋮虚空の透明にしてとらえ難きことを表わすもの Ⅲ類.:⋮域伽唯識系思想 Ⅳ類⋮⋮般若経系思想 ⑥虚空によりたとえられる思想・概念は、そのほとんどが仏・菩薩・法︵法性︶に関わるものであり、それ以外 (5) そしてこれらはそれ I類・⋮:華厳経系思想 Ⅱ類⋮⋮浬繋経系思想 V類⋮⋮その他 イ.れ次のような文献・思想を象徴的に表わすものということができる﹄ 84
仏教における虚空の比││魚 のものは一割にも満たない。そして特に虚空の比峨を代表するものは仏である。 ここから、虚空の比聡はすぐれて大乗的な特徴をもつ比峨であり、大乗そのものが虚空によってたとえられるよう に︵第Ⅱ表のⅢlf参照︶、また虚空が仏教思想の一特定部分に対応するのではなく、仏・菩薩・法性という大乗仏 教の中心をなす基礎共通部分にたとえられることからも、むしろ虚空という言葉は、大乗仏教を比峨的に、換言すれ ば感性的に象徴するものといっても過言ではないであろう。したがって大乗仏教のすべての領域にわたって、同じ内 容を有する虚空の比噛が、量の多少の違いはあっても見出されるのである︵第1表参照︶。 しかしながら、虚空の比喰の特徴を敢えていえば、その肯定的側面がより強く把握されていることであって、その 結果、中観系思想の否定的表現が好まれるものよりも、妙有的な性格を持つ華厳・如来蔵・域伽唯識系経諭により盛 んに用いられることになったものと考えられる。 ②無量lIla﹁浬梁﹂3、﹁傍伽﹂5、lIc﹁華厳い3、同4,5、﹁心地観﹂1,3,11.﹁華厳﹂4,11.﹁智度﹂弱 ①広大111副﹁華厳略則Ilc﹁華厳﹂4,5、帥、Ild﹁華厳﹂3、﹁余光明﹂山11.﹁智度﹂閲Ⅱla﹁聴 第1表のAIMの順とした。 異なるものである﹄同一経 伽﹂沼、Ⅱlb﹁華厳﹂妬、泊、Ⅱld﹁華厳﹂4、﹁華厳﹂妬、﹁無量寿﹂下、Ⅱlf﹁華厳﹂弱、﹁宝性﹂4、Ⅳ﹁浬桑﹂u、 異なるものである。同一経、同一巻に同一もしくはそれに近い文章による比臓は別個には採集していない。典拠の配列については 例を参照されたい。また同一経、同一巻が続く場合は同にした。これは結果的には同一項目で分類されているが、文章そのものは ら、Ⅳその他までの順序で示す。なお繁を避けるために、経典名と所出場所は、略号と巻数で示した。略号については本文中の用 本論中に於て使川した資料の典拠を次に示しておく。その要領は第Ⅱ表にもとづく。即ち特性①⋮⑳ま一ごを、|⋮塁ia仏・仏身か 「 一 1 註 L−ノ ﹁域伽﹂皿
⑬非鴬非断lIla−稽伽﹂5Ⅱ︲g一大般若﹂雁ⅡIfl犬般若﹂蝿凧︶ ⑭寂榔不動lIla恩信﹂1、IIb﹁宝性﹂4﹁弥勤成仏﹂、Ili﹁I地経諭﹂9、Ⅱla﹁華厳﹂認、Ⅲla﹁心地 観﹂6、Ⅲlb﹁大般若﹂刑、Ⅲlc﹁心地観﹂1、Ⅲlf﹁智度﹂田 ⑮清浄lⅢla﹁大般若﹂測﹁華厳﹂6、喝錨、﹁般丹三昧﹂下、﹁金光明﹂2、叩、IIb﹁華厳に”、IIc﹁華厳﹄ 2,3、﹁梢伽﹂3、Ilf﹁浬紫﹂班、Ilh﹁成唯識﹂叩、﹁起信﹂1、Ⅱlb﹁智度﹂狐、﹁華厳﹂沼、ⅡlC﹁華厳﹂鰯、 “、銘、Ⅱlg﹁智度﹂1、“、妬、師、Ⅲla﹁智度﹂6、﹁摂論釈﹂4、Ⅲlb﹁智度﹂卯、ⅢIC﹁弁中辺﹂下、﹁荘厳経 諭﹂6、Ⅲld﹁菩薩学諭﹂Ⅳ、﹁荘厳経論﹂4,m、﹁柵伽﹂6、﹁心地観﹂8、Ⅲlf﹁智度﹂団、Ⅳ﹁華厳﹂江 g﹁智度﹂釘、“、Ⅲla﹁智度﹂調、灯、﹁華厳﹂型、﹁域伽﹂妬、Ⅲlc﹁華厳﹂岬 ⑨不生不賦111割﹁傍伽叶5,IIf﹁宝性﹂3、Ilh﹁成唯識﹂山IIi ③無方︲lⅡIC﹁華厳﹂“Ⅲlf﹁智度﹂団 、、’子芋弦仁ゞj|午十:FcL写j ⑩不蝋IlIh﹁智度﹂4ⅡIC﹁華厳﹂“別、川ld﹁宝性﹂3、Ⅳ﹁出曜﹂ ⑪常不変llla﹁大般若﹂剛Ⅲlb﹁宝性︲4、Ile﹁梧伽﹂2、IIf君 Ⅲlb﹁華厳﹂妬、Ⅲld﹁宝性﹂3、Ⅲle﹁深密﹂1、﹁球伽﹂布、Ⅲlf﹁智度 ⑫非三世l伽lf﹁混梁﹂師、詞︶、Ⅱlc﹁十地経諭﹂2、Ⅲla﹁智度︲6,m 、、同二法華﹂6:Ilj−:華厳﹂2、Ⅱlb−華厳﹂弱Ⅱld﹁:華厳﹂“Ⅱl、e一華厳﹂町.Ⅱlg﹁智度﹂閲.廻 帥、Ⅱlh﹁華厳﹂だ、Ⅲlf﹁智度﹂団、Ⅳ﹁倶舎﹂8、同、﹁智度﹂“、﹁華厳﹂蝿、﹁荘厳経論﹂7 ③遍在lIla﹁華厳﹂帥、同﹁荘厳経諭﹂3、﹁成唯識﹂叫﹁金光明﹂4、Ilf﹁浬繋﹂弱﹁宝性︲3,4、nIa畢 厳﹂5、同、7、Ⅱlc﹁華厳﹂“Ⅲlb﹁深密﹂2、同、﹁域伽﹂花、Ⅲld﹁宝性﹂3、Ⅲle﹁深密﹂1、﹁球伽﹂布 ④包含111罰﹁薙厳﹂nIII﹁渥築﹂喝Ⅱle﹁大般若岨卿﹁勝雲﹂、ⅡIg﹁大般若﹂皿ⅢII﹁智厘団、同 ⑤不増不滅lIla﹁華厳﹂判Ⅱlf﹁華厳﹂昭ⅡIg﹁智度﹂型ⅢIb﹁智度﹂“Ⅲlf﹁智度﹂瓢 ⑥究寛lIIh﹁華厳﹂弱﹁大日﹂l、ⅡIe﹁十地経諭﹂1、Ⅱlf﹁華厳﹂躯 ⑦裳深lⅢ11﹁智度﹂池 ③無方︲lⅡIC﹁華厳﹂“Ⅲlf﹁智度﹂団 ⑨不生不滅111割﹁鰐伽心5,IIf﹁宝性−3、Ilh﹁戎雌瓢一側、IIi﹁蕊溌−8、ⅡIC﹁鞭厳一叫司、ⅡI li﹁華厳﹂8、Ⅱlc﹁華厳﹂“、同、Ⅱl 厳﹂“、Ⅲlf﹁智度﹂刷 出唯﹂即 f﹁浬梁﹂詔、﹁宝性﹂5、Ilh﹁宝性﹂3、 ﹁智度﹂団 6、Ⅲlf﹁智度﹂団、Ⅳ﹁華厳﹂“、﹁大日﹂ 86
仏教における虚空の比'1侭