代数学1 No.4 2006.10.23
1.4 空間図形とベクトル
担当:市原空間ベクトルの外積
¶ ³
2つの3次元ベクトルa=
a1 a2 a3
とb=
b1 b2 b3
に対し,
a×b=
a2b3−a3b2 a3b1−a1b3
a1b2−a2b1
で得られるベクトルを,aとbの外積 (または,外積ベクトル)といい,a×bで表す. 注意:
¶ ³
·外積は3次元ベクトル同士の場合にのみ定義される.
·外積は,内積とは異なり,数でなくベクトルである.
µ ´
µ ´
定理 4 (外積ベクトルの性質) 外積ベクトルa×bの向きは次をみたす: a⊥(a×b), b⊥(a×b), かつ, a,b,a×bの順で右手系
a×bの長さ|a×b|は,aとbを隣り合う2辺とする平行四辺形の面積に等しい. (aとbの張る平行四辺形という)
定理 5 (図形のベクトル方程式)
図形上の点Xに対し,ベクトルx=−→
OXが必ず満たす関係式を,その図形を表すベクトル 方程式という. 主な図形のベクトル方程式は以下の通り. (以下,−→
OPをpで表す)
直線: 点Pを通り,ベクトルaに平行な直線はx=p+ta, (tは実数) で表される. この aを,その直線の方向ベクトルという.
平面: 空間内の点Pを通り,ベクトルnに垂直な平面はn·(x−p) = 0で表される. この nを,その平面の法線ベクトルという.
円: 平面上で点Pを中心とし,半径rの円は|x−p|=r で表される.
球面: 空間内で点Pを中心とし,半径rの球面の式は|x−p|=r で表される.
4
代数学1 No.4 2006.10.23
1.4 空間図形とベクトル
担当:市原問題8 ベクトルa= 0 B@ 2
−1 4
1 CA, b=
0 B@ 0 3 5 1 CA, c=
0 B@ 1
−4 2
1
CAに対して,以下の外積を求めなさい.
(1)a×b
(2)b×c
(3)c×a
(4)b×a
問題9 a= 0 B@ 1 5 0 1 CA,b=
0 B@ 3
−1 1
1
CAが張る平行四辺形の面積を求めなさい.
問題10 a= −2 3
!
とし,点P(4,−5)とする.以下の図形を表すベクトル方程式をかきなさい.
(1)点Pを通り,aを方向ベクトルとする直線
(2)点Pを中心とする,半径2の円
問題11 a= 0 B@ 0 1 1 1
CAとし,点P(1,3,0)とする.以下の図形を表すベクトル方程式をかきなさい.
(1)点Pを通り,aを方向ベクトルとする直線
(2)点Pを通り,aを法線ベクトルとする平面
(3)点Pを中心とする,半径3の球面