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キネステティクに対する意識の変化

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Academic year: 2021

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(1)

キネステティクに対する意識の変化

ーボデ、イメカニクスとキネステティクの比較実験より一

はじめに

キネステティク(以後キネステと略す)は、動き の感覚をコミュニケーション手段に応用する概念で あり、最初重度障害児教育に応用され、 1980年頃 から痴呆や意識障害のある患者へのコミュニケー ション手段として看護に応用されている。徳永1) 

らは、「キネステを用いた体位変換は、患者の自然 な動き在再現する事により、拘縮予防や筋力回復に 役立ち、寝たきり防止や肺炎・樗癌の予防にもつな がる。また介助者も力で動かすのではないため、体 位変換や移乗介助により引き起こされる腰痛など、

身体に余計な負担がかからない介助方法であるとこ ろが優れている」と述べている。また「キネステ ティクの応用に向けては見ょう見まねで実施しない で基本的なポジショニングからポジショニングへの 自然な動きを自ら体験することが必要だ」とも述べ ている。さらに、只浦2)は「患者体験を行うことで、

看護師が自らの看護そのものを見つめなおすことに なる」と述べている。そのため今回、脳神経外科病 棟(以下当科とする)でキネステ在導入したいと考 えた。導入に向けてキネステの有効性老評価するた めに、ボデ、ィメカニクスとキネステの比較実験を行 い、アンケートを実施した。

1.目的

キネステの導入のために、ボデ、ィメカニクスと、

キネステを比較実験したあと、キネステに対する意 識の変化を調査するO

11.研究方法

1.期間:2007 年 8 月 23 日~ 20079 10

2.対象は、当科の看護師(研究者・師長老除く)

B 5

O名 城 三 幸 岡 本 麻 由 佳 善 家 ト シ コ

20 (29.9::I:: 5.9歳)で、事前に主旨在説明し 研究への参加について同意を得た者で、あった。

3.研究者2人が、院外ラックヘルスケア主催のキ ネステティクの講義に2回参加し、不参加の一人 に伝達し、キネステへの知識を統ーした。研究者 3人で『さあさんのかかってキネステティクJl13) 

者基に共有する資料を作成した。

講義の際は、研究者 3人のうち 2人が必須参加 とした。ベッドはLINETのコンフォケアマット レス型在使用し、看護師役が主観的安楽な高さと した。また患者役は、自力で動かないように設定 し、体位変換のペアは同一ペアとした。

4.比較実験

1)水平移動、仰臥位から右側臥位

大 中 ま り 子 西 浦 聡 子

2)ボデ、ィメカニクス在、患者・看護師役がそれぞ れペアで体験し、自作質問紙によるアンケート老 実施した。次に、対象者ヘキネステの講義在、資 料と DV D (さあさんのかかってキネステティ

ク)を用いて行った。その後、キネステ荘、患者・

看護師役がそれぞれペアで体験し、自作質問紙に よるアンケート在実施した。

5.評価方法

1)自作質問紙は、自由記載と5段階評価在用いた。

5段階評価(1点全くあてはまらない、 2点わず かにあてはまる、 3点少しあてはまる、 4点かな りあてはまる、 5点非常によくあてはまる)在、

それぞれ記入してもらい、平均した。

2)表面筋電図はNeuropack M E B ‑2200  Ver. 04. 22  日本光電で測定した。測定部位は、

左右大腿直筋、左右上腕二頭筋、左右脊柱起立筋、

左右ヒラメ筋を用いた。ボデ、ィメカニクスとキネ ステで、研究者3人が看護師役となり表面筋電図 を測定した。

Fυ

FD

 

(2)

水平移動の際、腰の負担ではボデ、ィメカニクスで、

2.95点キネステで1.95点とキネステが有意に高値 を示した (p

0.0042)。上肢の負担ではボディメ カニクスで、 3.05点キネステで2.35点とキネステ が有意に高値を示した(p

0.0480)。側臥位の際、

腰への負担で、はボデ、ィメカニクスで、 2.75点キネ ステで1.8点とキネステが有意に高値を示した (p

0.0052)。上肢の負担ではボディメカニクスで、

3.15点キネステで2.15点とキネステが有意に高値 を示した (p

0.0037)  (3)

3)検定は、 Wilcoxonの符号付順位和検定を使用 した。

単位:点 P<O.OO52  P<O.0037  P<O.ω480 

P<0042

1 11.結果

患者役の心地良さで、はボディメカニクスで、 2.15 土1.14点キネステで3.95土1.28点キネステが、

有意に高値を示した (p

0.0003)。体の緊張では ボデ、ィメカニクスで、3.55土1.36点キネステで2.5 土1.28点とキネステの方が有意に低値を示した (p

0.0110)。恐怖心ではボディメカニクスで、 3.15 土1.35点キネステで1.95土1.32点とキネステが 有意に低値を示した (p

0.0030) (図1)。

3.5 

2.5

15 

0.5

水平(11.上肢) IJ臥位(腰・上肢) 回ボディメカニクス 圃キネステティク

3 体への負担の変化

単位:点 P<O030 P<0.0110 

P<0.0003 

z u a

T w a m o r a

4

E O

E

E u n u

ay n d

4

4 l n u

表面筋電図による測定の結果は、ボデ、ィメカニク スでは、キネステより左右上腕二頭筋・左右ヒラメ 筋の順に筋の収縮の幅を広く認め、力が入っている ことを示した(図456,7)。左右大腿直筋・左 右脊柱起立筋では、筋の収縮の幅はボディメカニク スとキネステで差が見られなかった。

表面筋電図の結果

c.

国ボディメカ二クス Eキネステティク

感想の変化

声かけをしたかではボデ、ィメカニクスで、 4.2

::t 0.77点キネステで、 3.9::t  1.02点となり有意 に差は見られなかった。関節・動きを意識したか ではボディメカニクスで、 3.1::t 0.91点キネステ 4.20.70点とキネステが高値を示した (p

0.00137)。患者の不快に感じる部分在意識したか で、はボデ、ィメカニクスで、 2.250.97点キネステ 3.65::t  1.14点とキネステが有意に高値を示し (p

0.000935) (2)。

体の緊張 心地良さ

1

単位:点 P<0.000935  P<O.00137 

水平移動:ポデ、ィメカニクス 4

4.5 

3.5 

2.5 

1.

0.5 

p o  

p hυ  

声かけ 関節・動きを意識 不快を意織

2 意識の変化

(3)

5 水平移動:キネスデ

I

, 

6 伸臥位から側臥位:ボデ、ィメ力ニクス

二三土日同位十で

トナー十六

J F

時十円:

:己二型 λ

叫ムよ

7 伸臥位から側臥位:キネステ

1 アンケー卜結果(ボデ、ィメ力ニクス) 良 い 点 悪 い ・ 反 省 点

‑特になし ‑患者体験をして、患者を物を扱っている かの様にしていた。

‑今まで自己満足かつ自分勝手な体位変換 をしてきた事に反省する。

‑体格の大きな患L者さんだと力まかせに行 い、手や足をカいっぱい掴んでしまい苦痛 を与えていた。

園勢いが強いとベッドから落ちそうになる から怖かった。

2 アンケー卜結果(キネステ) 良 い 点 悪 い ・ 反 省 点

‑不快や安楽な体位がわかった。 ‑水平移動の時に、

‑タッチイングや非言語的コミユニ 下半身・上半身を分 ケーションの大切さを感じる良い機 けて移動されて腰が

会となった。 痛かった。

‑移動を行うのに力が望書らない。 ‑今後もやりたいと

‑体力の消耗が少ない。 思うが、時間的な余

‑他の移動方法を知りたい。 裕を考えると無理か

‑他者に体を動かされているのでは もしれない。

なく、自分で自然にやっている感じ ‑実際見るのとやる のでは全然違う。か

‑驚き、発見、好奇心を感じた。 なり難しい。

‑体転枕のポジショニングや介助す る時の手の触り方の大切さを痛感し

7::'

IV.考察

患者体験の中で体が緊張したかの聞いで従来の体 位変換では緊張が強く、キネステとの違いがある。

津口3)らは、「筋肉の緊張が高まると、筋肉は硬く なる。筋肉自体の収縮力による力と、筋肉が硬くな ることで外力への順応性が低下し応力は高まる」と 述べている。このことから、キネステのほうが患者 の緊張度が少ないため、応力が低く樗癌への予防に も役立つと考える。さらに、患者体験を通して心地 良いと感じた意見にも有意に差が認められたことか ら、患者にとってより負担が少ない体位変換になっ たといえる。

患者への関節・動き・不快在意識したかで有意に 差があったことから、キネステでは患者の身体の動 き・接し方在意識して体位変換を行えている事が分 か る 。 こ れ は 、 キ ネ ス テ の 概 念 で あ る 自 然 な 動 き を考慮した体位変換が行えていたと考える。徳永1) 

らは「自然な動きを再現する援助は、自力では動け ないはずの患者自身があたかも自分自身で動いてい るように感じさせる利点がある」と述べている。キ ネステでは、患者が主体的になり自分で動くという 認識を促進されたのではないかと考える。声かけに おいて、キネステの方が低い結果になった。これは、

初めてのケア在行う際、ケア内容に日が向いてしま

i

FU

(4)

い患者への声かけを怠ってしまったことが要因では ないかと考える。

体位変換の方法で、身体への負担が有意に低かっ たため、キネステは、介助者の負担が少ない体位変 換といえる。表面筋電図在測定した結果からも、キ ネステは、筋の収縮も最小限に抑えられ患者の動き をサポートしたことがいえる。

自由記述のアンケートの結果からキネステ在学習 し体験することで、体位変換で患者はどう感じるの か、タッチングで感じ方がどう遣うのか、介助者側 で伝わり方がどう違うのかを考えることができたこ とが分かる。また、他の体位変換の仕方在知りたい、

今後キネステを勉強したいといった意見も 20名中 18 (90%)の回答が得られ体験学習を行うこと で、看護を見つめ直しよりよい看護ケアの提供を考 えていくことにつながったと考える。キネステ在臨 床に導入するためには、 j宰口4)らは、「キネステと 従来の介助法のボデ、ィメカニクスを体験し比較し確 認するそして自然な動きに対する理解が必要J と述 べている。今回の結果で両者を体験し確認すること はできた。体位変換に対する意識の向上がみられた が、キネステの理解度の確認には至らなかった。キ ネステの基本行為である、心地良さ・関節の自然な 動きを意識したなどの項目に有意差老認めたことよ り今後もトレーニングを行えば、病棟での導入は可 能であるといえる。今後の課題として、キネステを 習得するには、今後も体験・実践を繰り返す必要が ある。

v .

結論

・体位変換を体験することで、キネステに対する意 識が向上した。

・キネステを今後導入するのは可能である。

・キネステでは、看護師側の評価としての身体的負 担が少なかった。

VI.謝辞

今回の研究に協力して頂いた皆様に、深く感謝申 し上げます。

引用文献

)徳永恵子他:キネステティク概念老応用した体 位変換技術, Progress in Medicine, 23 (10):.71 

‑76, 2003 

2)只浦寛子:看護におけるキネステティク概念の 応用(その 1 ) EB  NURSING, 5 (3)  : 378 ‑ 382, 2005 

3)津口裕二:キネステティクと樗痛と体位変換,

臨床看護, 31 (10) : 1538 ‑ 1544, 2005  4)津口裕二:キネステティク概念による介助法

の実際と解説,看護技術, 47(14): 80‑89,  2001 

参考文献

1)津口裕二:ドイツにおける体位変換,難病と住 宅ケア, 7 (9) 

2)阿曽洋子:樗麿の発生と治癒のメカニズム,月 刊ナーシング, 16  (9) : .64 ‑69, 1996  3)佐藤和良:ボデ、ィメカニクスの基本,月刊ナー

シング, 16  (8) : 58 ‑6 1 1996 

4)村本淳子:ボデ、ィメカニクスの視点からみた 体位変換の技術,月刊ナーシング, 16  (8) : 66 

‑70, 1996 

5)徳永恵子:キネステティクを応用したポジショ ニング,看護技術, Vo.147, No.14, 2001  6)藤井恵子:キネステティク研修後の体位変換

についての認識・方法の変化の検討,砂医誌,

Vo.120, 2003 

7)高柳智子:脳卒中片麻揮患者における車椅子移 乗動作の検討,成人看護 IINo.35, 2004  8)石原和子:キネステティク老利用した早期離床

者試みて,香川労災病院雑誌, Vol.ll  2005 

9)只浦寛子:看護におけるキネステティク概念の 応用(その2)EB  NURSING, 5 (4)  2005  10)柴崎真澄:体位変換の実際,臨床看護,31(10), 

2005 

11)平田雅子:narsing4増刊号 写真と動画で見 るトランスファー・スキル,月刊トシンゲ, 25 (5)  2005 

12)沖美和:キネステティク概念の導入者めざし た研修後の看護師の意識調査について,因島総合 病院医学雑誌, NO.12, 2006 

口 口 Fn u 

(5)

13)津口祐二:さあさんのかかってキネステティ ク改訂版,日総研出版, 2006 

14)只浦寛子樗癌をつくらないための動作介助,

看護実践の科学, 31  (3), 2006 

‑ 159

図 5 水平移動:キネスデ I 勾 。 ,  図 6 伸臥位から側臥位:ボデ、ィメ力ニクス 二三土日同位十で トナー十六 J F 時十円: :己二型 λ 叫ムよ 図 7 伸臥位から側臥位:キネステ 表 1 アンケー卜結果(ボデ、ィメ力ニクス) 良 い 点 悪 い ・ 反 省 点 ‑特になし ‑患者体験をして、患者を物を扱っている かの様にしていた。 ‑今まで自己満足かつ自分勝手な体位変換 をしてきた事に反省する。 ‑体格の大きな患 L 者さんだと力まかせに行 い、手や足をカいっぱい掴んでしまい苦痛 を与えて

参照

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