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小型燃焼器の保炎器による燃焼特性

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Academic year: 2021

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小型燃焼器の保炎器による燃焼特性

熱エネルギー工学研究室 田原嶺宏

1.

緒言

近年、マイクロガスタービンは非常時の電源として持ち運 びができ燃料調達が容易な発電機として期待されている。し かしマイクロガスタービンの燃焼室は小型のため熱損失が大 きく火炎を安定して維持できない問題がある。火炎を安定し て維持する方法として燃焼器内に保炎器を設置ことが挙げら れる。本研究では小型燃焼器に保炎器を設置した場合の燃焼 特性を把握することを目的とし、保炎器位置や予混合ガス流 入速度を変化させて燃焼実験を行い、火炎形状、燃焼器出口 での排ガス温度と組成を測定した。

2.

実験装置および方法

1

に燃焼器と保炎器の概略を示す。燃焼器は直径

20mm

と直径

10mm

の石英管から構成される環状型であり、燃焼器 下部の直径

15mm、幅 1mm

のスリットからプロパンと空気の 予混合ガスが供給される。スリットの上方に幅

2mm、厚さ 1mm

のリング状保炎器を高さ

1‐3mm

で設置した。

本実験ではプロパンと空気の予混合ガスの当量比を

0.8

と し、スリットからの流入速度を

1.2‐2.4m/s

の範囲とした。燃 焼器出口において排ガス温度と排ガス組成を測定した。排ガ ス温度に関しては

R

熱電対で円周方向に

8

ヶ所測定した。排 ガス組成は石英管プローブを用いて円周方向に

4

ヶ所の位置 で排ガスを吸入しガス分析計(PG240)により

NO,CO,CO₂およ

O₂濃度を測定した。

3.

実験結果および考察

2

に各保炎器高さにおける排ガス温度を示す。保炎器が 無い場合、流速が低い範囲で保炎器を設置した場合よりも

100℃ほど高いが、

流速が上がるにつれて保炎器を設置した場

合との差が小さくなり、流速

2.0m/s

以降は保炎器の有無によ る温度の違いはみられなかった。これは流入速度

1.2‐1.6m/s

では火炎が保炎器の下側に形成され、保炎器への熱損失が大 きくなり、排ガス温度が低下したと考えられる。また流入速

1.8m/s

以上においては火炎が保炎器の上側に形成され、火

炎からの熱損失が低減したと考えられる。

3

に各保炎器高さにおける排ガス中の

NO

濃度を示す。

保炎器が無い場合は流入速度

1.2‐1.4m/s

において

NO

濃度は 高いが、流入速度

1.6m/s

以上では

NO

濃度は低い値で一定で ある。保炎器を設置した場合、流入速度

1.6‐1.8m/s

以上では

NO

の濃度は上昇し高い値を示した。保炎器が無い場合、低 流速では火炎が安定するため

NO

濃度が高いが、流入速度

1.6m/s

以上において火炎が伸長するため

NO

濃度が低下した

と考えられる。一方、保炎器を設置した場合、流入速度が上 昇しても火炎が安定に保たれるので

NO

濃度が高くなったと 考えられる。保炎器の高さで比較した場合、流入速度

1.6m/s

以下では高さ

1mm

の場合、

NO

濃度は高さ

2mm

3mm

の場 合に比べて低い結果となった。高さ

1mm

の場合は流入速度

1.6m/s

以下では保炎器位置が低いので火炎と保炎器の距離が

近く、保炎器への熱損失が大きくなり

NO

濃度が低くなった と考えられる。高さ

2mm

3mm

では保炎器位置が高いため

流入速度

1.6‐1.8m/s

において火炎と保炎器の距離が近くな

り、この範囲で

NO

濃度が低下したと考えられる。流入速度

1.8m/s

以上では上記の温度の場合と同様、いずれの高さにお

いても熱損失が低減し、火炎も安定するため

NO

濃度は上昇 したと考えられる。

1.2 1.6 2 2.4

20 30 40

流入速度 [m/s]

NO

濃度 

[ppm ]

2mm 3mm

1mm

3 燃焼器出口排ガス中 NO

濃度

1.2 1.6 2 2.4

600 800 1000 1200 1400

2mm

1mm 3mm

流入速度 

[m/s]

温度 

[

]

2 燃焼器出口での排ガス温度分布

1 燃焼器と保炎器概略

保炎器 燃焼器

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