一23一
販 売 管 理 会 計 の 基 礎 構 造
藤 田 芳 夫
1.ア カ ウ ソ タ ビ リ テ ィ ・ア カ ウ ソ テ イ ン グ と し て の 販 売 会 計 か ら管 理 情 報 シ ス テ ム の 一一環 と し て の 販 売 管 理 会 計 へ
本 稿 は 販 売 管 理 会 計 の 基礎 構 造 を 明 らか に し よ う とす る もの で あ る。 販 売 管 理 会 計 は 当 然,予 算 統 制 と結 合 して 考 え られ な け れ ば な らな い 。 しか し, 同 時 に,日 常 的 な 会 計 ル ー チ ンの 中 に 存 在 しな け れ ば な らな い 。 そ こで,販 売 管 理 会 計 を 予 算 統 制 シ ス テ ム と して 展 開 す る た め に は,そ の 基 礎 構 造 と し て の 会 計 ル ー チ ソを 明 らか に して お か な け れ ぽ な らな い 。
あ らゆ る会 計 シ ス テ ム は 監 査 に 耐 え うる もの で な け れ ば な ら な い 。 販 売 会 計 も こ の例 外 で な い こ と は い うま で もな い 。 販 売 会 計 に お い て 監 査 に 耐 え う る と い うこ とは,販 売 会 計 の 内 部 に 存 在 す る各 勘 定 に よ っ て 販 売 部 門 の ア カ ウ ソ タ ビ リテ ィが 明 らか に され る こ とを 意 味 して い る。 した が っ て,販 売 会 計 は 第 一 に 販 売 部 門 の ア カ ウ ン タ ビ リテ ィを 明 らか に す る た め に 記 録 と記 録 との 照 合,記 録 と事 実 との 照 合 を 充 分 に 確 保 す る 体 系 で な け れ ば な ら な い 。 ま た 第 二 に,内 部 牽 制 の 立 場 か ら,営 業 と保 管 と会 計 の 三 者 を 分 離 した シ ス テ ム に よ り,記 録 そ れ 自体 の 正 確 性 の 他 に,経 営 活 動 自体 の 真 実 性 を 保 証 さ れ な け れ ば な ら な い 。
い ま,最 も単 純 な 手 記 複 式 簿 記 シ ス テ ム に つ い て こ の 点 を 考 え て み よ う。
商 品 の 販 売 が 行 わ れ る と,
(借)現 金 × ×(貸)売 上 × ×
と い う仕 訳 か
(借)現 金 × ×(貸)商 品 × × 販 売 益 × ×
と い う仕 訳 が 便 利 で あ る た め 使 用 さ れ る が,商 品 の 販 売 に 関 す る 仕 訳 は 本 来
(借)現 金 × ×(貸)売 上 × ×
売 上 原 価 × × 仕 入 × ×
(置)
とい う形 式 に な る もの で あ る。
そ れ は,第 一 図 に しめす よ うに,販 売 部 門 に よ って作 成 され た イ ンボ イ ス に よ る売 上 帳 の記 入 と,商 品有 高 帳 へ の記 入 で あ る。
イ ンボ イ ス に も とつ く仕訳,す な は ち売 上 帳 の記 入 は 具体 的 な販 売 活 動 そ れ 自体 の把 握 で あ る と同時 に,販 売 に よる実 現 収 益 の把 握 と,販 売 活 動 に よ
り増 加 した 貨 幣 的 資産 の把 握 を意 味 す る。 また,イ ンボ イ スに よる商 品 有 高 帳 の 記 入 は商 品 の ゾル ・ベ ス タ ソ トを 明 らか に し,ま た 歴 史 的原 価 と して の 売 上 原価 を 明 らか にす る。
イ ンボイ スか ら商 品有 高 帳 に 記 入 し,そ れ を実 物 と して の商 品 資本 の流 出
仕 入 売 上 現 金 ・売 掛金
× → ×
xxlXX×
↑ ↑
商 品 有 高 帳
① θ
座↓
\
⑧
x× ×1
↑
売 上 帳
売上欄 売掛欄 現金その他
× × × ×X ×
‑「 一 /i I \ 一 レ
ンボイス
(第 一 図)
(1)拙 稿 「複 式 簿 記 と デ ー タ ・コ ン ト ロ ー ル 」 小 樽 商 科 大 学 「商 学 討 究 」VoLl5, No・4,1965年2月 号P・66参 照 。
販売管理会計の基礎構造(藤 田)‑25一
と して把 え る と共 に,利 潤 計 算 上 の費 用 の発 生 と して と らえ,ま た,イ ンボ イ スか ら売 上帳 へ の記 入 に よ り,貨 幣 的 資産 の流 入 と収 益 の実 現 を認 識 す る こ とは,商 品 資本 の循 環 運 動 を実 体勘 定 と名 目勘 定 の両 面 か ら把 握 す る こ と で あ る。
これ は商 品 資本 か ら貨 幣 資 本へ の流 れ を商 品 か ら売 上 原価 へ の流 れ と売 上 収 益 か ら貨 幣 的資 産 へ の流 れ とい う二 つ の流 れ に 分断 し,第 二 図 の二 つ のA で示 す よ うに,そ こに は二 つ の記 録 と記 録 の 照 合関 係 を成 立 させ る。 そ れ と 同時 に,二 つ のBで 示 す よ うに,商 品 の帳 簿 在 高(当 在 高,ゾ ル ・ベ ス タ ン ト)は 商 品 の 実 際在 高(実 在 高,イ ス ト ・ベス タ ソ ト)と 照 合 され,貨 幣 的 資産 の帳 簿 在高 も貨 幣 的 資産 の実際 在 高 と照 合 され る。
こ こで注 意 しなけ れ ぽ な らな い点 は,第 二 図 の上 半 分 に示 され て い る範 囲
イ ン ボ イ ス
商品有 高帳 売 上 帳
ド コ ド コ
実職 商 品̲
、iク 鰹
禰 庭 一 一1一 一 一 一一ge「 一一 一 「『@{一 一 一 一 一 「 一 …
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̲璽 原1価「 一 一 『 鰹.益 危し 」
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在庫管理 販売管理 ・ 資産管理 ・信用管理
・じ ・じ ↓
生産管理 ・購買管理 マーケ ッティング 財務管理一般
(第二図)
内 で の 会 計 活 動 は す べ て ア カ ウ ソ タ ビ リテ ィ ・ア カ ウ ソ テ ィ ン グの 範 疇 に 属 す る と い うこ と で あ る。
企 業 が 小 規 模 で あ るか,経 営 活 動 が 極 め て 単 純 で あ れ ば,以 上 の 基 本 的 な 会 計 シス テ ム を よ り複 雑,精 巧 な も の に す る必 要 は な い 。 しか し,職 能 的 に 分 化 した 単 位 組 織 に よ っ て企 業 が 構 成 され,販 売 活 動 が 大 規 模 か つ 複 雑 に な れ ば,販 売 活 動 を よ り詳 細 に 分 析 し うる必 要 が 生 れ る。 の み な らず,よ り基 本 的 な 条 件 と して,販 売 部 門,商 品 保 管 部 門,発 送 部 門,売 掛 金 管 理 部 門, 会 計 部 門 等 の 諸 部 門 間 の情 報 の 流 通 径 路 に 内 部 牽 制 原 理 に も とつ い た 自働 検 証 機 能 を 介 在 させ,分 業 の 長 所 を 確 保 しな が ら ア カ ウ ソ タ ビ リテ ィ ・ア カ ウ
(2)
ンティ ン グの 原則 を貫 徹 させ なけれ ぽ な らな い。
の み な らず,企 業 が 大 規模 に なれ ば,諸 部 門 間 の 調整 と密 接 な連 携 が 必 須 条件 とな る。 本 稿 で と りあ げ て い る販 売 活 動 に つ い て もこれ は妥 当 す る。 販 売 部 門 の 任務 は商 品 の販売 で あ るが,販 売 活動 に よって 入手 され る情 報 は単 に 販売 され た商 品 の 金 額(実 現 収 益)と 数量 に 限定 され る もので は な い。
RaymondVillers教 授 に よれ ば,「 販 売 部 門 に期 待 され るのは商 品 の 販売 で あ る。 しか し,製 品 デ ザ イ ン,原 価 低減 計 画,在 庫 又 は 製 造 計 画 の ご と く, わ ず か な例 を あげ て み て も,販 売 努 力 とは 別個 で あ りなが ら,し か も販売 と 密 接 に関 係 してい る活 動 に とって必 要 な情報 を提 供 す る こ とが 販 売 部 門 に期
(3)
待 され て い る の で あ る 」。
また,J.F.Mageeは 在 庫 管 理 の 立 場 か ら次 の よ うに の べ て い る。 「総 括 的 な 在 庫 管 理 シ ス テ ム は 生 産 ・販 売 ・財 務 な ど の 政 策 や,操 業 方 針 の 決 定 な ど広 範 囲 の もの と接 触 す る の で,現 金 計 画,資 金 予 算 お よび 販 売 予 測 な ど,
くり
他 の 計 画 お よび管 理 活 動 と密接 に 協 調 してゆ か ね ば な らな い 」,と 。
(2)情 報 の 径 路 に 自 動 検 証 機 能 を 介 在 さ せ る 点 に つ い て は,不 充 分 な が ら 前 擢1拙 稿 「複 式 簿 記 と デ ー タ ・ コ ン ト ロ ー ル 」pp・76‑80を 参 照 さ れ た い 。
(3)RaymondVillers,DynamicManagemen七inIndustry,Prentice‑Hall, 1960,p.91.
(4)JohnEMagee,Produc七ionPlanningandInventrycontrol,McGraw‑
Hill,1958,松 田.千 住 訳 「生 産 計 画 と 在 庫 管 理 」,紀 伊 国 屋,1961,P.13.
販 売管理会計 の基礎構 造(藤 田) 一27一
か よ うに 考 え る と,販 売 活 動 に と も た っ て 入 手 し う る資 料 を 純 粋 に ア カ ウ ン タ ビ リテ ィ ・ア カ ウ ンテ ィ ン グ の 範 囲 に 限 定 す る こ とは 餌 意 味 に な っ て い る とい わ ざ る を 得 な い 。
た と え ば,受 註 商 品 の うち未 発 送 部 分 で あ る バ ッ ク ・オ ー ダ ー の 問 題 は, 販 売 部 門 や 在 庫 管 理 部 門 に と っ て 重 要 な 問 題 で あ るが,す くな く と も財 務 会 計 上 の 問 題 で は な い 。 なぜ な ら,手 持 商 品 の 不 足 に よ り販 売 収 益 の 実 現 が 阻 害 され て い る状 態 で は,そ もそ も財 務 会 計 的 な 意 味 で の 取 引 を 考 え る意 義 が な い か らで あ る 。 しか し,管 理 の た め の 情 報 シ ス テ ム と い う 観 点 か らす れ ば,パ ッ ク ・ナ ー ダ ー の 発 生 を 明 確 に 把 握 し,そ れ を 消 滅 させ る こ と,な い
くの
しそ の 発 生 率 を 減 少 させ る措 置 を と る事 が 極 め て 重 要 で あ る。 販 売 活 動 の 効 率 を 高 め る に は,バ ッ ク ・オ ー ダ ー の 発 生 を 迅 速 ・的 確 に 認 識 す る だ け で な く,そ の バ ッ ク ・オ ー ダ ー に 対 して 直 ち に 適 切 な処 置 を す る こ とが 必 要 で あ り,さ らに バ ッ ク ・オ ー ダ ー の 予 防 シ ス テ ム を作 っ て,バ ッ ク ・オ ー ダ ー発 生 の 事 実 を 予 防 シ ス テ ムに フ ィー ド ・バ ッ ク し,予 防 シ ス テ ム 自 体 を 改 善 し な け れ ば な らな い 。
か よ うに,取 引 が 内 包 して い る 資 料 の 有 効 性 を 単 に ア カ ウ ン タ ビ リテ ィ ・ ア カ ウ ソテ イ ソ グの 観 点 か ら限 定 す る の で は な く,同 時 に 他 の 多 くの 管 理 分 析 の 観 点 か ら資 料 の 必 要 性 を 判 定 し,さ らに そ う して 得 られ た 資 料 か ら諸 部 門 の 活 動 を 調 整 し,コ ソ トロ ール す るた め に 必 要 な情 報 を 創 り出 す と い う三 つ の 課 題 が 現 在 の 会 計 シ ス テ ムに 負 わ され て い る とい わ ね ば な ら な い 。
こ の よ うに 考 え る と,販 売 会 計 二 お い て,ア カ ウ ン タ ビ リ テ ィ ・ア カ ウ ソ テ ィ ン グの 原 則 は そ の 上 に 構 築 さ れ る財 務 会 計 の た め に も,ま た 管 理 会 計 の た め に も絶 対 に 必 要 で は あ るが,販 売 管 理 会 計 の 現 実 の 形 態 は ア カ ウ ソ タ ビ
リテ ィ ・ア カ ウ ンテ ィ ン グ の 段 階 に 止 ま る こ と は で き な い 。 第 二 図 の 下 半 部 に 示 す よ うに,ア カ ウ ン タ ビ リテ ィ ・ア カ ウ ンテ ィ ン グ の 各 部 分 が そ れ ぞ れ
(5)企 業会 計原則的 な意 味で の収益実現 主義を 日常 の ルーチ ン的販売管理 会計 の 中に持 ち込 んで はな らない点につ いては,後 述 の註文受付 手続 を参照 の こと。
独 得 の管 理 技 術 を もつ 独 自の管 理 領 域 として展 開 され,さ らに 個 々の管 理 領
(6)
域 が 全 体 と して 調 整 され,統 合 さ れ ね ぽ な らな い 。
換 言 す れ ぽ,会 計 シ ス テ ム は 管 理 の た め の 情 報 シ ス テ ム(Management InformationSystem)の うち 会 計 的 側 面 を 担 う も の と し て,ま た,ア カ ウ
ソ タ ピ リテ ィ ・ア カ ウ ソ テ イ ソ グ原 則 に よ っ て 管 理 情 報 シ ス テ ム に 現 実 性 を 賦 与 す る基 本 条 件 と して 機 能 し な け れ ば な らな い 。 こ の い み に お い て 会 計 シ ス テ ム は 管 理 情 報 シ ス テ ム と 融 合 密 着 した 形 態 に 編 成 さ れ な け れ ぽ な らな
いo
ア メ リカ 会 計 学 会 の1963年 度 会 計 組 織 論 教 育 委 員 会 の 報 告 は 次 の よ うに の べ て い る。 「今 日の 会 計 シ ス テ ム は 単 な る元 帳 とは 遙 か に ち が っ た も の に な って い る 。 統 計 的 で あ る と 同 時 に 会 計 的 で あ るの が そ の 特 質 で あ る」,と 。 ま た,「 会 計 組 織 論 の これ ま で の 発 展 で は 実 用 主 義 が 重 視 され,ま た 内 部 の 財 務 的 情 報 と統 計 的 情 報 を 重 視 して き た 」,今 日,企 業 は 電 子 計 算 機 と管 理 又 は 経 営 科 学 に よ る新 しい 管 理 情 報 シ ス テ ム に 関 係 せ ざ る を 得 な い 状 態 に 立 ち 至 っ て い る が,こ の 新 し い管 理 情 報 シ ス テ ム と会 計 シ ス テ ム の 「両 者 を 分 離 して 考 え る こ とは 現 実 的 で は な い 」(Neitherofthesetwosystemscan
(7)
beconsideredrealisticallyapartfromtheother・),と し て い る の で あ る 。
2.註 文 受 付 処 理 シ ス テ ム
上述 した よ うな観 点 か ら考 え る と,現 実 に機 能 し うる販 売 管 理 会 計 の条 件 を 明 らか に す るた め に は,註 文 書 の 受付 処理 シス テ ムの 内部 構 造 か ら明 らか に しなけ れ ば な らな い。
(6)こ の 点 を 予 算 統 制 の 立 場 か ら 強 調 し て い る も の に 次 の 二 書 が あ る 。OEEC 編 著,中 小 企 業 原 価 計 算 委 員 会 訳 「企 業 の 予 算 統 制 」 日 本 生 産 性 本 部,1961, p・81・ お よ び 青 木 茂 男 博 士 著,「 新 版 近 代 予 算 統 制 論 」 ダ イ ヤ モ ン ド,1966, P・23・
(7)ColnmitteeonAccountingSystemsInstruction,1963,0fA.A.A.,
̀tReportoftheCommitヒeeonAccountingSystemsInstruction
,"Accoun‑
tingReview,July1964,p.716.
販売管理会計の基礎構造(藤 田) 一29一 註 文 受 付 処 理 シ ス テ ム 分 析 の 焦 点 は,販 売 活 動 か ら発 生 す る会 計 資 料,営 業 資 料 の す べ て に つ い て どの よ うな 資 料 と,ど れ だ け 詳 細 な情 報 が 必 要 で あ
るか,ま た,ど の よ うな順 序 で 資 料 処 理 を 行 うか,そ し て 最 後 に デ ー タ の流 通 径 路 の ど こに 検 証 作 業 を 入 れ るか,と い う三 点 で あ ろ う。
そ こ で,註 文 受 付 処 理 シ ス テ ム分 析 の 第 一 歩 は シ ス テ ムを 構 成 す る手 続 (procedure)な い しサ ブ ・シ ス テ ム を 明 らか に す る こ とか ら始 め な け れ ぽ な
らな い 。 註 文 受 付 処 理 シ ス テ ムは 次 の 手 続 か ら構 成 され る。
(1)註 文 受 付 手 続(salesorderProcedure)
セ ー ル ス マ ソ等 が 顧 客 か ら註 文 を 取 り,こ れ を 註 文 受 付 係 に 集 中 す る。
以 下 の 販 売 事 務 処 理 活 動 の 出 発 点 と な る。
(2)発 送 手 続(shiPPingo「de「P「ocedu「e)
これ は 註 文 受 付 係 が 倉 庫 部 門 に 商 品 の 引 出 しを 指 示 し,発 送 部 門 に 荷 造,発 送 を 指 示 す る発 送 指 図 書(shippingorder)を 作 成 す る手 続 で あ る。
(3)代 金 請 求 書 作 成 手 続(billingProcedure)
イ ソボ イ ス とそ の コ ピ ー を 作 成 して 得 意 先 と企 業 内 の 関 係 部 門 に 送 付 す る。
註 文 受 付 処 理 シ ス テ ム は 以 上 三 つ の 手 続 また は サ ブ ・シ ス テ ムか ら な る と い う こ とが で き る。 た だ し,代 金 請 求 書 作 成 手 続 の 完 了 に よ っ て ア カ ウ ソ タ ビ リテ ィ ・ア カ ウ ソテ イ ソ グの 諸 条 件 が 充 足 さ れ,同 時 に,次 に か か げ る三 つ の シ ス テ ム に 対 して 起 動 力 とな る。
a・ 販 売 分 析 手 続
販 売 活 動 か ら得 られ る 実 績 デ ー タに も とつ い て 販 売 分 析 を 行 う。 この 実 績 デ ー タは 販 売 管 理 会 計 シ ス テ ム の 不 可 欠 の 要 素 で あ る が,す で に 指 摘 した よ
うに,こ の デ ー タは 財 務 会 計 的 な 実 現 収 益 と発 生 費 用 に 限 定 さ れ る もの で は な い こ とに 注 意 しな け れ ば な らな い 。
b・ 売 掛 金 管 理 シス テ ム
代 金 請 求 書 作 成 手 続 で 作 成 した イ ソボ イ ス の コ ピ ー の うち 一 枚 は 財 務 部 門
に 送 付 され,売 上 債 権 の管 理 に使 用 され る。
ノ
c.在 庫 管 理 シ ス テ ム
販 売 に よ る商 品 の 引 渡 し ま た は 発 送 が 商 品 の 購 入 また は 生 産 を 必 要 とす る こ とは 余 りに も 明 らか で あ り,在 庫 管 理 シ ス テ ム は 販 売 と購 入 ま た は 生 産 シ ス テ ム との 結 節 点 と な るQ
本 節 の は じめ に 掲 げ た 三 つ の 着 眼 点 に した が い な が ら販 売 に と も な う註 文 受 付 処 理 シ ス テ ム の 基 本 構 造 を 明 らか に す る た め,以 下,最 初 の 三 つ の 手 続 に つ い て,そ の 内 容 を さ らに 詳 細 に 分 析 して み よ う。
2‑1t註 文 受 付 手 続
註 文 受 付 係 の 職 能 を 分 析 す る場 合,ま つ,次 の 二 点 に 注 意 しな け れ ば な ら な い 。 第 一 に,財 務 会 計(financialaccounting)に お け る収 益 実 現 主 義 は 註 文 受 付 係 に お け る売 上 の 認 識 に は 適 用 され な い とい う こ とで あ る 。 収 益 に 対 す る実 現 主 義 は 財 務 会 計 上,期 末 決 算 整 理 に お い て 適 用 さ れ る の で あ っ て,
(8)
ル ーチ ソ的手 続 た る註文 受付 手 続 に そ の ま ま適 用 しては な らな い。
また第 二 に 注 意 す べ き点 は註 文 受 付 係が 受付 け る註 文 こそ 以後 のす べ ての 経 営 活 動 の起動 力 で あ るか ら,そ の 内 容 の正 確 性 ・信 頼性 が保 証 され なけ れ ば な らな い。 註文 が企 業 に通 知 され る方 法 に は,セ ール ス マ ソが顧 客 を 訪 問 して註 文 を 獲 得す る場 合,顧 客 か ら電 話で 註 文 を受 け る場 合,店 頭 で註文 を 受 け る場 合,註 文 受付 係 が 顧 客 の註 文 を郵 便 で 直接 受 け る場 合,顧 客 が 署 名 捺 印 した 正規 の註 文 書 で あ る場 含,と い うよ うに 様 々な 方法 が あ る。 い つれ にせ よ,誰 が 註 文 書 を書 き,そ の 内容 に責 午を 負 うか とい う点 を 明 らか に し
(8)cf.J.B.HeckertandH.D.Kerrigan,Accountingsystems,Designand
Installation,2nded.,RonaldPress,1953,PP.133‑134.ま た 青 木 博 士 は 前 掲 の 著 書 に お い て,予 算 統 制 の 立 場 か ら で は あ る が 次 の よ うに い わ れ て い る 。 「常 時 継 続 的 に 行 な う会 計 は,財 務 会 計 ・管 理 会 計 の 両 目 的 に 役 立 つ ご と く展 開 し う る よ う に 行 な うか,あ る い は 管 理 機 能 を 中 心 に 考 慮 さ れ る べ き で,財 務 会 計 目 的 の た め に は 期 末 に こ れ に つ い て 必 要 が あ れ ば 調 整 を 加 え れ ば よ いLと 。cf・ 青 木
環 男 博 士 前 町}・P・6s・
(9)
な け れ ば な らな い 。
販 売管理会計 の基礎構 造(藤 田) 一31一
こ の 正 確 性 と信 頼 性 を 保 証 す る た め,形 式 検 査(formatverification)と
(10)
内 容 検 査(reasonablenessverification)が 行 わ れ る 。
以 上 の 諸 点 に 留 意 しな が ら分 析 す る と,註 文 受 付 係 の 職 能 は 次 の よ うに 考 え られ るで あ ろ う。
(a)註 文 書 の 整 理 ・検 査(editingtheorder)又 は オ ー ダ ー ・レヂ ス タ ー の 作 成
外 部 か ら の 註 文 書 は 通 常 規 格 が 不 統 一 で あ るか ら,ま つ 個 々の 企 業 の 所 定 の 受 註 票,ま た は,プ レ ・ ビ リ ン グ制 を 採 用 して い る場 合 に は,次 の よ うな 正 複 の イ ンボ イ ス に 書 き改 め る 。
1 2 3 4 . く り 1 0
正複複複複複顧 客 に 対 す る代 金 請 求 用 イ ソボ イス 販 売 部 門 の経 営 活動 資料 と して
会 計 部 門 で 処理 す る会 計 デ ー タ と して
商 品 の 保管 ・発 送 部 門 に対 す る指 図書 と して
顧客 の信 用 審 査 の た め財 務 部 門に 送 られ る通信 デ ー タ と して 送 付 した荷 物 に 入れ る荷 造納 品票
註 文 引 受 と同 時 に 発 送 す る 請 書(advice)を も作 成 す る とす れ ば,必 要 な 枚 数 を 削 減 す る よ うに 努 力 して も,五 な い し六 枚 の 伝 票 を 作 成 し な け れ ば な
らな い 。(第 三 図 参 照 の こ と)
こ の 過 程 でformatverification,reasonablenessverificationが 行 わ れ る。 す な わ ち 受 註 商 品 の 特 殊 な 仕 様 や そ の 他 の 要 求 事 項 に つ い て 検 査 す る の は 勿 論,数 量,販 売 単 価,合 計 金 額,さ らに 販 売 数 量 が 一一定 量 以 上 に な っ た 場 合 の 割 引価 格,見 本 数 量,運 送 減 耗 そ の 他 の 販 売 条 件 の 正 確 性 と正 当 性 が
(9)J.B.Heckert&H.D.Kerrigan,ibid.,P.135.
(10)こ のformatverificationお よ びreasonablenessverifica士ion(ormeaning
verification)と い う 概 念 はR.H.Gregoryお よ びR・LVanHorn両 氏 に よ
っ た 。cf.R.H.Gregory&R.L.VanHorn,AutomaticData。Processing Sys七ems,PrinciplesandProcedures,2nded,,Wadsworth,1963,pp.6‑7,
チ ェ ッ クされ る。 そ して 以後 の検 索 照 合 の た め の歴 史 的記 録 が 整 理編 輯 され
る 。
(b)信 用 審 査(creditreview)と 商 品 手 持 量 の 確 認
註 文 書 の整 理 編 輯 が 終 了す る と同 時 に,ま た は 並行 して註 文 書 また は イ ソ ボ イ スを 信用 担 当 部 門 に送 付 し,顧 客 の支払 能 力 に つ い て承 認 を 得 なけれ ば
な ら な い 。
信 用 審 査 が合 格 した な らば,直 ち に註文 引 受状 又 は 請書 を顧 客 に送付 す べ きで あ る。 しか し,引 受状 を送 付 す るには,通 常商 品 の必 要 量 が 在 庫 して い なけ れ ぽ な らない 。 した が って在 庫 量 と受註 量 を 比較 し,も し不 足 す る場 合
(11)
に は バ ッ ク ・オ ー ダ ーが 許 され る か ど うか を 明 らか に しな け れ ば な らな い 。 以 上 の 処理 が 完 了 す る と,註 文 品 の 引渡 し,し た が って財 務 会 計 に い う収
(i2)
益 に つ い て の実 現 主義 適 用 の基 盤 が 成 立 した こ とに な る。
(c)発 送 計 画 の 立 案(shippingplannin9)
信用 審 査 に合 格 し,'商 品 の発 送 必 要 量 が在 庫 すれ ば,商 品 を発 送 しなけ れ ば な らな い。商 品発 送 計 画 は発 送 商 品 の種 類,数 量,大 企 業 の場 合 は 出荷 倉 庫 又 は工 場,発 送 日な どを顧 客 の指 示 す る条件 に従 い なが ら決定 しな けれ ば
(11)A・1.C.P.A.,̀̀InternalContro1,"AJ.C.P.A.,1949,Chart5で は 請 書 の 発 行 が 信 用 審 査 の 直 後 に 行 な わ れ る よ うに し て あ る と解 釈 され る が,在 庫 量 の 確 認 手 続 に つ い て は 不 明 で あ る。cf・AJ・C・P・A・,ibid・,Chart5・
(12)1951年7月 に 発 表 され た 「内 部 統 制 の 大 綱 」 と な らん で わ が 国 の 会 計 組 織 論 の 発 展 に 重 要 な 寄 与 を な し た と考 え られ る 「内 部 統 制 の 実 施 に 関 す る 手 続 要 領 」(通 商 産 業 省 産 業 合 理 化 審 議 会,1953年)は こ の 点 に つ い て 次 の よ うに の べ て い る 。 「(一)販 売 手 続 に お い て は,得 意 先 に 対 す る 信 用 限 度 の 設 定 ・受 註 承 認 に 対 す る 責 任 は,財 務 部 長 が 持 つ の で,販 売 部 販 売 課 か ら の 受 註 承 認 伺 に 対 す る 承 認 事 務 は,財 務 部 売 掛 課 が 行 な う。 ま た コ ン ト ロー ラ ー 部 会 計 課 は 販 売 課 が 発 行 す る 倉 出 請 求 書 を 受 取 っ た と き は,受 取 勘 定 の 状 況 を 勘 案 の 上 発 送 す べ き 受 註 品 の 出 荷 を 統 制 す る 」,と 。(雑 誌 「会 計 」Vol・63.No・3,1953年3月 号,p・129
ま た は 通 産 省 産 業 合 理 化 審 議 会 編 「経 営 に お け る 利 益 と 統 制 」,日 刊 工 業 新 聞, 1964年,P・26)
こ こ で は,財 務 部 売 掛 課 の 行 な う信 用 審 査 と コ ン トロ ー ラ部 会 計 課 が 「受 取 勘
定 を 勘 案 の 上 」 行 な う出 荷 統 制 と が 異 質 の も の か,同 質 の も の か,ま た 相 互 に い
か な る 関 係 が あ るか,明 らか で な い 。
販売管理会計の基礎構造(藤 田) 一33一 な らな い。 この発 送 計 画 は トラ ック,鉄 道,船 舶,飛 行 機 等運 送手 段 と運 送 径 路 に つ い てそ の費 用 とス ピー ドを比 較 し,ま た荷 造 費 用,同 一仕 向地 に ま
とめ て発 送 され る他 の荷 物 の 量,通 運 業 者 の選 択 な ど,か な り多 数 の しか も 日 々変 動 す る要 因 を 考 慮 しな が ら決定 しな け れ ぽ な らな い。
製 造業 の場 合,こ の職能 は 直接,関 接 に 生 産 計 画 に 関 連 し,殊 に,註 文 生 産 の場 合,生 産 計 画 担 当 部 門 との 調整 は必 須 条 件 とな る。商 業 の場 合 で も在 庫 管 理 部 門 と関連 す る。
か よ うに,発 送 計 画 は運 送 そ れ 自体 につ い て多 くの変 数 を考 慮 しなけ れ ば な らな いか ら,こ の 点 か らい えば,独 立 の発 送 部 門 が発 送 計 画 を立 て るの が 望 ま しい。 しか し,生 産 計画,在 庫 管 理 の よ うに企 業 内 の他 の 部 門 に密接 な 関 係 を持 って い るだ け で な く,顧 客 の要 求 す る発 送 条 件 そ の 他 イ ソボ イ ス作 成 に 関 す る資料 は註 文 受 付 係 に あ る。 した が って,発 送 計 画 の立 案 を発 送 作
(13)
業 の現 場 に移 す のが 良 い と簡単 に 結論 す るわ け に は ゆか な い。
か よ うな理 由か ら本 稿 では発 送 計 画 の立案 を 一 応註 文 受 付 係 の職 能 の一 つ
(14)
と して お く。
場 合 に よ り,需 要 量 を 一一一reに発 送 せ ず,幾 度 に も分 け て 発 送 す る(partial shipment)こ と も あ る。 この 場 合 の 処 理 も註 文 受 付 係 の 職 能 に 属 す る 。
(d)発 送 指 図 書 の 作 成
発 送 日,運 送 径 路,出 荷 工 場 又 は 倉 庫 が 決 定 した な らば,倉 庫 部 門,荷 造 発 送 部 門 が 最 も使 用 しや す い 文 書 の 形 で デ ー タ を 指 図 書 に 作 成 し な け れ ば な
(13)こ れ は 個 々 の 企 業 の 実 情 と 同 時 に,そ の 企 業 が 採 用 し て い る 資 料 処 理 シ ス テ ム の 特 質 に よ る 。J・P・McNerneyが 行 な っ た 一 企 業 の 実 態 調 査 に よれ ば,そ の 企 業 で は 最 初,註 文 受 付 係 が 発 送 計 画 を 担 当 し て い た が,電 子 計 算 機 の 導 入 に
よ る組 織 の 再 編 成 に よ り これ を 発 送 部 門 に 切 替 え て い る 。cf・J・P・McNerney,
InstallingandUsingAnAutomaticDa七aProcessingSystem,ACaseStudy forManagement,DivisionofResearch,HarvavdUniversity,Graduate SchoolofBusinessAdministration,Boston,1961,p.16.
(14)た と え ば,C・Gillespie教 授 も こ の よ う に 扱 っ て い る 。cf・C・Gillespie.
AccountingSys七ems,ProceduresandMe七hods,2nded.,Prentice‑Hall,1961, P・195・L
ら な い 。 こ の 際,倉 庫 部 門 と発 送 部 門 の 間 に 内 部 牽 制 を 行 な わ せ(第 三 図(B) 参 照 の こ と),か つ 能 率 的 な事 務 処 理 の た め 前 節(a)註 文 書 の 整 理,編 輯 段 階
で 複 製 され た イ ソ ボ イ ス の うち 二 枚 が 両 部 門 に 同 時 に 送 付 され る。
(e)フ オ ロ ー ・ア ッ プ
註 文 受 付 部 門 は す べ て の 註 文 に つ い て,そ れ が 発 送 済 と な っ た か,そ れ と も未 発 送 の ま まに な っ て い るか を 明 らか に しな け れ ば な らな い 。 す な わ ち, 商 品 発 送 手 続 の フオ ロ ー ・ア ップ を 行 わ な け れ ば な らな い 。C・Gillespie教
ロの
授 の 著 書 で は こ の フ オ ロ ー ・ ア ッ プ は 受 註 票 フ ア イ ル で 行 わ れ て い る が, A・1・C・P・A・ の 「イ ソ タ ー ナ ル ・ コ ソ ト ロ ー ル 」 第 五 図 で は こ の 点 が 不 明 確
くユの
で あ る。 そ こ で,本 稿 で は 第 三 図 ⑥ に この 点 を 明 示 した 。
こ の 商 品 発 送 手 続 の フ ナ ロ ー ア ップ で は バ ッ ク ・オ ー ダ ー の 管 理,部 分 発 送 註 文 の 管 理 の ほ か,キ ャ ソセ ル,戻 り品,発 送 もれ,運 送 中 の 損 傷,超 過 運 賃,品 違 い 等 に 対 す る ク レー ムの 処 理 な ど他 部 門 と連 絡 を と りな が ら適 切 な 処 理 を しな け れ ば な ら な い もの が 多 く含 まれ て い る こ とに 注 意 しな け れ ば な らな い 。
以 上 が 註 文 受 付 係 の 基 本 的 職 能 で あ り,こ れ を 図 示 す る と第 三 図 の 註 文 受 付 部 門 の 枠 内 の よ うに 示 す こ とが で き る。
2‑2.発 送 手 続
商 品 の 保 管 部 門 と 荷 造 発 送 部 門 は 内 部 牽 制 の 観 点 か ら す れ ぽ,そ れ ぞ れ 独 立 し て い る 方 が よ い 。 両 者 が 独 立 し て い る と き,発 送 手 続 は つ ぎ の よ う に な る 。
(a)出 庫 指 図 書 と 荷 造 納 品 票
前 述 し た よ う に 註 文 受 付 係 で は 出 庫 指 図 書 と 荷 造 納 品 票 を 作 成 し,前 者 は 倉 庫 部 門 に,後 者 は 荷 造 発 送 部 門 に 送 付 さ れ,荷 造 納 品 票 は 倉 庫 か ら 出 さ れ
(15)cf.C.Gillespie,ibid.,p。171.
(16)cf,A,IIC。P.A,,ibid,,Chart5,
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た商 品 を発 送 す る際,そ れ を 許 可 す る もの と して機 能 す る。 出庫 指 図書 と荷 造納 品 票の いつれ が 欠 け て も商 品 の発 送 が で きない とい う意 味 で 内部牽 制 の 機 能 を果 す こ とは前 述 した 通 りで あ るが,荷 造 発 送 部 門 に お け る未 発 送 の荷 造納 品票 は 通常 倉 庫 部門 の未 出庫 品 を意 味 し,そ れ は 第三 図 で い えば,イ ソ ボ イ ス ・コ ピー一#3が 註 文 受付 係 に還 流 しな い こ とに な り,註 文 受 付 係 の フ オ ロー ・ア ツプに役 立 つ 。
(b)実 際 出庫 量 の記 入
出庫指 図 書 に は註 文 受 付 部 門 に よ り出庫 量 が指 示 して あ る。 倉 庫 部 門 は こ の指 示 に も とつ い て 出庫 し,実 際 出庫 量 を指 図 書 に 記 入す る。 通 常 の場 合, 註文 受付 係 が指 示 す る数 量 と実 際 出庫 量 は一 致 す る筈 で あ り,殊 に註 文 受付 係 が 信用 審査 を うけ,註 文 数 量 と在 庫 数 量 を 比較 した後 に 出庫指 図 書 を作 成 した場 合 に は,も し指 示 され た数 量 と実 際 出庫数 量 が 相違 す れ ぽ,そ れ は在 庫 管 理 シス テ ムの 不 正確 さを示 す もの とな る。 この よ うな不 一 致 が発 生 した 場 合 に は,こ の 註文 に 関 す るか ぎ り註文 受付 処理 手 続 は振 り出 しに も ど らな けれ ば な らない 。
(c)運 賃 そ の他 の 記 入
運 賃,保 険料 そ の 他顧 客 が 負 担 す べ き費 目が あ る場 合,註 文 受付 係 で発 送 計 画 の立 案 と同 時 に こ う した 金 額 を確 定 す る こ とが で きれ ば,発 送 計 画 の立 案 と同時 に イ ソボ イ ス に記 入 すれ ば よい。 しか し,前 述 の よ うに 発送 計 画 が か な り複 雑 で変 動 し易 い条 件 に 支 配 され るか ら,運 賃,保 険 料 等 の費 目の確 定 と記 入 を荷 造 発 送 部 門 で 行 うの が 妥 当 な場 合 も多 い であ ろ う。
2‑3.代 金 請 求 書 作 成 手 続(Billingprocedure)
代 金 請 求 書 作 成 係 は 第 三 図 に 示 し た イ ソ ボ イ ス ・ コ ピ ー#2,3,4に
あ る 取 引 毎 の 変 動 デ ー タ(variabledata)と 顧 客 お よ び 商 品 に つ い て の 固 定 デ ー タ(fixeddata)を 組 合 せ てforma七verification,reasonableness
verificationを 行 っ た 後#2,3,4を 完 成 す る 。
一36一 商 学 討 究 第18巻 第1号
した が って イ ソボ イ ス価 額 と註 文 引受状 記 載価 額 が二 度 にわ た って 計算 さ れ るの で あ るか ら,両 者 の 関係 に何 等か の原 則 が な けれ ぽ な らな い。註 文 引 受状 が先 行 して い るので あ るか ら,原 則 と して 引受 状 記 載 価 額 が 優 先 しな け れ ば な らな い で あ ろ う。
運 賃,保 険 料,租 税 公 課 そ の他 の諸 掛 を ピ リ ング段 階 で加 算 す る方 法 を と って い る場 合 に は 当然 そ うした項 目を追 加 しなけ れ ば な らな い が,こ の よ う な追 加 デ ー タを処 理 す る他 に,ビ リソグ段 階 で註 文 受付 係 また は荷 造 発 送 部 門 で の 処理 に 間違 いが 発 見 され た場 合,そ の 誤 りを どの よ うに 処理 す るか に つ い て,あ らか じめ 決定 して おか ね ば な らな い。 この 点 が 内部 統制 上 もっ と
も重 要 な 点 の一 つ で あ る。
内部 牽 制 の観 点 か らす れ ぽ,代 金 請 求 書 作成 係 の 職能 は営 業 お よび保管 か ら区 別 され た計 算 職能 を遂 行す る会 計 部 門の 一 部 と して理 解 され な けれ ぽ な らな い 。会 計 部 門 した が っ て コ ソ トロー ラ部 門 に 属 す る代 金 請 求書 作 成 係 の 処 理 は 同時 に,第 四 図 に 示 す よ うに管 理 会計 と財 務 会 計 の 出発 点 を なす 。 換 言す れ ぽ代 金 請 求 書作 成 手 続 を媒 介 と して在 庫管 理 シス テ ム,売 掛 金 管 理 シ ス テ ムお よび販売 分析 手 続 が 開始 され るので あ る。
か よ うに代 金 請 求 書作 成 手続 を広 義 に と らえ る と,販 売分 析 を行 うため に
代金請求書作成作業
イ ン ボ イ ス ・ コ ピ ー#2一
イ ソ ボ イ ス ・
コ ピ ー#3一 =→
コ ン ト ロ ー ラ 部 門
ア カ ウ ソ タ ビ リ テ ィ ・ ア カ ウ ン テ ィ ン グ 領 域
イ ン ボ イ ス ・
・ピー 畑 十
一一L
→
るテ掛と致よリ売録一こピ己●りきロタタ金の合︻ン定11現高照デウ確,在の定力の品現際確アイ商金実
販売部門
受 付 註 文 の フオ ロ ー ア ップ
H
未発送註文 の確 認
管理会計領域 在庫管理
シ ス テ ム
貨 幣的資産 管 理 シス テム 販 売分析 ・販売 管 理 シス テム
財務会計領 域
会 計原則 へ の調整
↓
顧客へ (第四図)
必 要 な デ ー タが ビ リソグ手 続 の なか に 存在 しな けれ ば な らな くな る。 また 在 庫 管 理 に必 要 な デ ー タ,売 掛 金 管 理 に必 要 な デ ー タも ビ リソグ手 続 の なか に 存 在 し,利 用 され な けれ ば な らな い。
C・Gillespie教 授 は 「販売 分析 手 続 と代 金 請 求 書 作成 手 続 は 同 時 に考 察 さ
(17)
れ な け れ ば な ら な い 」,と 主 張 さ れ,ま た 手 記 簿 記 シ ス テ ム に つ い て で は あ る が,E・A・Johnson教 授 も販 売 分 析 は す べ て の企 業 に と っ て 必 要 で あ り, しか も売 上 帳 に 売 上 を 記 録 す る と同 時 に 販 売 分 析 の た め の 記 録 を 行 うべ き で
く
あ る と され て い る。
か よ うに 販 売 分 析 と販 売 会 計 は 密接 な関 係 を有 す る もの で あ るが,両 者 の 関 係 を考 え る場 合,二 つ の 方 法 が可 能 で あ る。 そ の一 つ は代 金 請 求 書 作 成 の 完 了 後,売 上 帳,商 品 有高 帳,売 掛 金 元 帳 の記 入 と並 ん で 販売 分 析 を行 う方 法 で あ る。 す なわ ち,財 務 会 計 的 な実現 収益 と して の売 上 に つ い て販 売 分 析 を行 う方 法 で あ る。 た とえば 第 一 図 お よび第 二 図 の 方 法 を単 純 に簿 記 の 仕 訳
とい う観 点 か らな が め る と この第 一 の 方 法 に な るで あ ろ う。
これ に対 し,販 売 分 析 のた め の 資料 を代 金 請 求 書 作 成 手 続 まで の コ ミュニ ィケ ィシ ョ ソ ・フ ロオ の 中に組 み 入れ,代 金 請 求 書 の作 成 と同時 に 財務 会計 的 な意 味 で の未 実 現 収 益 部 分 な い し非 実 現 収 益 部 分 を も含 め て 販売 分析 資料 を作成 す る方 法 が考 え られ る。
第 二 の方 法に よ る と して も,具 体 的 に は様 々の形 が 考 え られ る。 最 も基 本 的 な方 分 は代 金 請 求 書 作成 手続 で確 定 イ ンボ イ ス を作 成 す る とき,同 時 に在 庫 管 理,売 掛 金 管 理 お よび販売 分析 の た め の デ ー タをそ れ ぞ れ カ ー ドまた は ユ ニ ッ ト ・レコ ー ドの形 に つ くる こ とで あ る。 なぜ な ら手 記 簿 記 シス テ ムの 欠陥 は様 々な観 点 か らす る多 元 的 分析 が不 可 能 な点 に 存 在 す るか らで あ る。
そ れ で は どの よ うな デ ー タが必 要 に な るか を 次 に 明 らか に しなけ れ ば な ら な い。 しか し,ど の よ うな デ ー タが 必 要 か とい うこ とは,た とえば どの よ う
(17)C・Gillespie,ibid・,P・221・
(18)E.A.Johnson,AccountingsystemsinModernBusiness,McGraw一 且il1,
1959,p,10.
一38一 商 学 討 究 第18巻 第1号
な 販 売 分 析 を 行 お う とす るか に か か っ て い る。 した が って,ビ リ ソ グ手 続 を 基 点 に して 在 庫 管 理,売 掛 金 管 理,販 売 分 析 を 開 始 させ る た め に ビ リ ン グ手 続 の 中 に 存 在 させ るべ き デ ー タ は 当 然 の こ とな が ら販 売 分 析 等 の 目的 と性 格 に 依 存 す る こ とに な る 。
3.販 売 分析 の 基 本 的 構 造
C・Gillespie教 授 は 販 売 分 析 を 基 本 的 分 類 と特 殊 分 類 の 二 つ に 大 別 され た
ヨ
上,さ らに 次 表 の よ うに 細 分 して お られ る。 こ の 分 類 が 持 つ 欠 陥 は,第 一 に
基 本 的 分 類
1.製 品 別 分 類 2.セ ー ル ス マ ン別 分 類 3.顧 客 別 分 類 4.販 売 方 法 別 分 類
(セ ー ル ス マ ンに よ る 直 接 販 売.郵 便 販 売etc・)
特 殊 分 類
1.地 域 別 分 類 2.顧 客 業 種 別 分 類 3.配 給 チ ャ ン ネ ル 別 分 類
基 本 的 分類 と特 殊 分 類 を区 別 す る もの が何 で あ るか不 明 な点 で あ る。 た とえ ば,何 故 に 販 売 方 法 別分 類 は基 本 的 で あ り,配 給 チ ャ ンネ ル 別 分類 は特 殊 分類 で な けれ ば な らな いか は 少 しも明 らか で ない の で あ る。
販売 分 析 に は様 々な 観 点 と,し たが って多 様 な方 法 が あ り,企 業 の性 質,規 模,環 境 に よ り,ま た特 に 経営 者 の 要 求 に 従 って 販売 分 析 の方 法 は選 択 され る。 しかL,Heckert
お よ びKerrigan両 教 授 に よ れ ば,販 売 分 析 に は 基 本 的 な 観 点 が あ り,そ れ は 一,何 が 売 れ た か(whatwassold?),二,顧 客 は 誰 か(whoarethe
customers?),三,誰 が 販 売 し た か(whomadethesaleP),四,利 益 は 何
程 か(whatwastheprofit?),五,何 処 で 売 れ た か(wherewasitsold?),
六,そ の 他 の 分 析 点(otherquestions)と い う 六 つ に 区 別 さ れ る と い う 。 そ し て,そ れ ぞ れ の 観 点 に つ い て よ り 具 体 的 な 分 析 上 の 課 題 を 数 多 く指 摘 し て
(20)
お られ る。
企 業 に よ り採 用 され る販売 分 析 の具 体 的 方 法 は,上 述 した よ うに 確 か に多
(1g)C.Gillespie,ibid.,p.221.
(20)Hecker七&Kerrigan,ibid.,P・155・
種 多 様 で あ ろ う。 しか し,HeckertとKerrigan両 教 授 が 示 され る 五 つ の 基 本 的 な 観 点 は,た だ 並 列 的 に 配 置 され るべ き も の で あ ろ うか 。 これ ら五 つ の 観 点 の 間 に 何 か 基 本 的 な 関 係 は 存 在 し な い で あ ろ うか 。
た とえ ば,Heckert,Kerrigan両 教 授 が 四 番 目 に 示 され た 「利 益 は 何 程 か 」 と い う観 点 は,さ らに 次 の よ うに 具 体 化 され て い る 。 す な わ ち,
4‑a
4‑b
4‑C
斗一d
4‑e
商 品別売上総利益分析 販売地域別売上総利 益分析 支店別売上総利益分析
顧客種類別又は階 層別売 上総利益分析 セ ールスマ ン別売 上総利益分析
等で あ る。 そ して これ らの分 析 目的 は,そ れ ぞれ の分 析 に よ り収 益 力 の 大 小 を判 定 し,販 売 努 力 の増 強,減 少 ない し販売 努 力そ の もの を 中止 すべ き場 所
(21)
を 明 らか に す る こ と に あ る と され て い る の で あ る。
しか し,こ の 四 「利 益 は 何 程 か 」 とい う観 点 は,実 は 極 め て 一 般 的 な 分 析 目的 で あ る と とに 注 意 し な け れ ば な らな い 。 端 的 に い え ば,「 何 が 売 れ た か 」 とい う こ と も,「 顧 客 は 誰 か 」 とい う こ と も,さ らに 「誰 が 販 売 した か 」 と い う こ と も 利 益 と結 び つ か ず して は 殆 ん どそ の 意 義 を 持 ち え な い か らで あ る。 す な わ ち,(4‑a)は 両 教 授 の 示 され た 一 「何 が 売 れ た か 」 の 内 に, (4‑b)(4・‑c)お よび(4‑e)は 三 「誰 が 販 売 した か 」 の 内 に,ま た (4‑d)は 二 「販 売 地 域 別 売 上 総 利 益 分 析 」 の な か に 本 質 的 に 吸 収 さ るべ き
もの で あ る。
ま た,HeckertとKerrigan両 教 授 は 「そ の 他 の 分 析 点 」 と して 分 類 した もの の 内 に 季 節 別,四 半 期 別,月 別,週 別 等 分 析 資 料 の 時 期 を あ げ て お られ る。 た しか に 分 析 期 間 の 選 択 は 重 大 な 意 義 を も っ て い る。 しか し,分 析 さ る べ き 時 期 そ れ 自体 が 販 売 分 析 の 論 理 構 造 に 対 して 持 つ 意 味 は,他 の 分 析 視 角 が 持 つ 意 義 と同 質 で は な い 。 した が っ て,販 売 分 析 の 論 理 構 造 を 明 らか に し
(21)Heckert(kKerrigan,ibid・,P・155・
一40一 商 学 討 究 第18巻 策1号
よ う とすれ ば,か よ うな分 類 基 準 に従 うこ とは で き な い。
私 見 に よれ ば,販 売 分析 に は 三つ の基 本 的 な分析 方 向 と幾 つか の従 属 的 な 分 析 方 向が あ る。 三 つ の基 本 的 な分 析 方 向 とはHeckertとKerrigan両 教 授 が 「何 が 売 れ た か 」,「顧 客 は誰 か 」,「誰 が 販 売 した か 」 とい う形 で示 され て い る もの で あ る。換 言す れ ば,そ れ ぞれ 商 品又 は製 品別 売 上総 利 益 分 析, 販 売 担 当 者(責 任 者)別 販 売 効 率分 析 な い し販 売 組織 別販 売 効 率分 析 お よび 市 場 分析 で あ る。
3‑1.商 品別 販 売 分 析
企 業 は有 形 無 形 の商 品 を 販 売 す る こ とに よ って のみ 利 潤 を獲 得 す る こ とが で き る。 した が って企 業 の販 売 す る各 種 の商 品 が どれ だけ 販 売 され て い るか を第 一 に 明 らか に しなけ れ ば な らない 。
商 品種 類 別 販 売 分 析 に は 二 つ の方 向 が あ る。 第 一 は商 品 別 利 益 分 析 の 方 向 で あ り,第 二 は商 品 の価 格 と特性 に よ り市 場 適 性 を し らべ る方 向 で あ る。
商 品別 利 益 分 析 に お いて は,ま つ商 品種 類 別 の製 造 原価 計 算 又 は商 品 別取
(22)
得 原価 と結 合 して商 品 別売 上総 利 益 分 析 を行 うこ とが 必 要 で あ り,さ らに 販 売 原価 計 算(営 業 費 原 価 計 算)と 結 合 して商 品 別営 業 利 益 分析 が 行 わ れ る。
また そ れ は在 庫管 理 を媒 介 と して購 買管 理,生 産 管 理 等 の 出発 点 を 形 成 す る。
第二 の 方 向 は商 品種 類 別 の販 売 高 が把 握 され た 後,各 商 品 に つ い て販 売 価 格 や 色,ス タイル,サ イ ズ 等物 質 的 な商 品特 性 に よ り分析 を行 い,商 品 の市 場 適 性 を 明 らか にす る方 向 で あ る。 市場 の動 向 を無 視 した販 売 分 析 が 無意 味 で あ る以 上,こ の第 二 の分 析 方 向 は 重 要性 に お い て第 一 の方 向 に決 して 劣 る
もの で は な い。
した が って,こ の二 つ の意 味 に お け る商 品種 類 別 販 売 分 析 は販 売 分 析 の 第
(22)売 上 総 利 益 分 析 の 一 般 的 方 式 に つ い て は 拙 稿 「売 上 総 利 益 分 析 に つ い て 」, 小 樽 商 科 大 学,「 商 学 討 究 」,Vol・17,No・3,1967年1月,PP・62‑81を 参 照 さ れ
た い 。
一一歩 で あ る。
3‑2.販 売 主 体 別販 売 効 率 分 析
企 業 の 販売 活 動 は根 本 に お い て人 間 の活 動 で あ る。 た とえ 自動販 売 機 を使 用 す る と して も,自 動販 売 機 を何 処に 置 くか,自 動販 売 機 の 中 に何 を入 れ る か を 決定 す る もの は 人 間 で あ る。 か く して販 売 活動 をそ の担 い手 で あ る販売 担 当 者 の責 任 と権 限 の観 点 か ら分 析 す る こ とは商 品別 販 売 分 析 と並 ん で販 売 分 析 の 不可 欠 の課 題 であ る とい わ なけ れ ば な らな い。
とこ ろで,販 売 主体 別 販 売効 率 分 析,す なわ ち販 売組 織 別 な い し販 売 担 当 者 別 販 売 分 析 は,誰 が 何 を誰 に どの く らい能 率 よ く販 売 したか とい う事 を分 析 しよ うとす る もので あ る とい うこ とが で き る。そ こで,販 売 組 織 別販 売 分 析 は第 一 に 商 品 種類 別 販売 分析 と結 合 して 各 販売 組織 に おけ る商 品 別売 上総 利 益 を 明 らか しな けれ ば な らな い。 そ して 第二 に,各 販 売 組 織 毎 の 販売 費 を 算 出 し,販 売 組織 毎 の営 業 利 益 額 と営 業利 益 率 を 明 らか に し,そ の能 率 を分 析 しなけ れ ば な らな い。 売 上総 利 益 に対 して販 売 費 が どの 程 度 の比 率 を 占め るか とい うこ とは各 販 売 組 織 の能 率 を 知 る上 に極 め て重 要 で あ るが,獲 得 し た 註文 の総 数,註 文 一 口当 り金 額 の平 均値 お よび分 布,歩 合制 が と られ て い
る とき は歩 含給 支払 高 等 を分 析 す るこ とは販 売 主体 の能 率 を測 定 す る上,重 要 な点 で あ る。
しか し,こ こで も販 売 組 織 別 の 利 益 分析 が 真 に有 意 義 で あ るた め に は各 販 売 組織 がそ の担 当 す る市 場 に 対 して充 分適 合 して い るか ど うか が分 析 され な け れ ぽ な らな い。 この問 題 は 取扱 商 品 を媒 介 と して分 析 され る。各 販 売 組 織 に つ い て商 品別 の販 売 高 を 分析 す るの は,実 は各 販 売 組織 に つ い て売 上 総 利 益 の商 品 別構 成 を知 るだけ で な く,個 々の商 品叉 は商 品 系 列 の 市場 に対 す る 適 性 を 分 析 す るた め で なけ れ ぽ な らない。 各 販 売 組 織 が取 扱 商 品 の うち何 を い くら販売 したか とい う関 係 は所 詮 販 売活 動 を 内部 的 に分 析 す るにす ぎ な い か らで あ る。 した が って各 販 売 組 織 の担 当す る市 場 に対 す る商 品 の適 合 性 を 分 析 す るた め に は商 品 の価 格 お よび物 質 的特 性 が,他 企業 の 競 争商 品 の価 格
一42一 商 学 討 究 第18巻 第1号
お よび特 性 と比 較 して市 場 に いか に適 合 して い るか とい う分 析 を行 わ ね ぽ な らな い。
3‑3.市 場 分 析
各 販 売 組織 に つ い て行 わ れ る営 業利 益 分 析,し た が って販 売 費 用 分 析 も単 に 金 額 や 比 率 の大 小 を 問 題 に す る範 囲 に止 ま るこ とは で きな い。 担 当 す る市 場 の需 要 を正 し く開発 し,把 握 したか ど うか が 問 題 な の で あ る。
換 言す れ ば,従 来 か らの経 常 的 な 顧 客 を 依 然 と して把 握 して い るか ど う か,限 界 的 また は臨 時 的需 要 者 にす ぎ なか った 客 を 経常 的 な顧 客 に 転化 した か ど うか,取 扱 商 品 の一 部 分 に 対 す る需 要 しか なか った 顧 客 に対 し,販 売 商 品 の種 類 と金 額 を 増 加 したか 否 か,さ らに こ う した努 力 が 適 正 な利 潤 率 を持 つ商 品 に 向け られ て い るか否 か,代 金 の 回収 条 件 は不 当 で は な いか ど うか と い うよ うな分 析 と結 合 しなけ れ ば な らな い の で あ る。
か よ うに,商 品別 利 益 分析 も,販 売 組 織 別 利 益 分析 も,そ れ ぞれ が 真 に 意 味 あ る もの に な り うるのは,単 な る利 益 数 値 の算 出で は な く,そ れ らの数値 が商 品 の 生産 活 動 を も含 め て い か な る対 市 場 活 動 に よって実 現 され た もので あ るか を 明 らか に す る ときで あ る。 す なわ ち,商 品 別販 売 分析 も販 売 組織 別 販 売効 率分 析 も一 面 に お い て市 場 分 析 とい う性 格 を持 た ざ る をえ な いの で あ る。
この市 場概 念 を把 握 す る直接 の契 機 は顧 客 は誰 で,何 を 買 ったか,そ して 将 来 何 を欲 して い るの か とい う点 で あ る。 更 に,そ の顧 客 は 経 常 的 な顧 客 で あ るか,臨 時 的,限 界需 要 者 で あ るのか,取 扱 商 品 全 部 の需 要者 か,一 部商 品 のみ の需 要 者 か,競 争 企 業 は誰 で,市 場 に おけ るそ れ ぞ れ の シ ェア ーは何 パ ーセ ン トか ,代 金 決済 条 件 は ど うか 等が 主 た る把 握 点 を なす で あ ろ う。
企 業 に と って,市 場 はか よ うに 人 格 的か つ 直接 的 に把握 され る と同時 に, 顧 客 を産 業 別 に 分類 した産 業 別 市 場,地 域 別 に分 類 した 地 域 別 市場,所 得 階 層 別 に 分 類 した所 得 階 層 別市 場 の ご と く,非 人 格 的 市 場概 念 と して も把 え な け れ ば な らな い。