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畠山記念館蔵古筆切について

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Academic year: 2021

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(1)

畠山記念館には︑軸物仕立ての表装による古筆切が二十六点蔵される︒

いずれも伝来の素姓がよく︑古筆切の中では一級品と言ってよいであろ

う︒これらの切はすでに研究者によって調査済みのものもあるし︑また

大半は展示替えされた折に館から発刊される﹁展観会記実年二回発行︑

既刊三十一冊︶に順次掲載されてもいる︒ただここでは︑それらをまと

める意味で一括内容を紹介しておくことにする︒配列は氏・姓を除いた

伝筆者名の五十音順とし︑作品の明らかなものについてばその旨を記し

ておいた︒また寸法は︑館にそなえつけられた台帳カードの記載に従っ

た︒他の切との関連︑作品作容の考察等は別に稿を改めることとし︑こ

こでは紹介するのを旨とした︒なおこの調査にあたっては︑畠山記念館

の芥唯雄氏に何かとお世話になった︒御配慮いただいたことを深謝申し

あげる︒︵第一室伊井春樹︶

1伝藤原顕輔筆鶉切

古今和歌集巻第十九

雑体寄

短寄 畠山記念館蔵古筆切について

2伝藤原公任筆藍紙本万葉集

反歌二首

許序能秋安比見之末余末今日見波於毛

︵ママ︸夜目都郡良之美夜吉可多比等

こそのあきあひみしまにまけふみれは

おもやめつらしみやこかたひと

可久之天母安比見流毛乃乎須久奈久母

年月経礼波古非之家礼夜母

かくしてもあひみるものをすぐなく

もとしつきふれはこひしけれやも 題しらすよみひとしらす

あふことのまれなるいるにおもひそめわか身はつねに

あまくものはるE時なくふしのねのもえつ壁とはに

おもへともあふことかたしなにしかも人をうらみむ

わたつみのおきをふかめておもひてしおもひはいまは

※古今集巻十九︑雑体︑一○○一︑8行︑お×嘔叩

Q

22

(2)

4伝藤原公任筆太田切

山水

泰山不譲土譲故能成其高河海不厭細 3伝藤原公任箪堺色紙

はるくれはや

とにまつさく

むめの花

君からとせの

かさし

とそ

なる

※古今集巻七︑賀︑三五二︑×蠅叩

巴猿一叫停舟於明月峡之辺胡馬惣噺

失路於黄沙磧之裏豊

礎日暮山青接々浸天秋水白詰々直蔑継︶

朝候日高冠額抜夜行沙厚履聲忙聯句

みかきもるゑしのたくひにあられとも

我もこちろのうちにこそ多遣 流故能成其深漢書 ※万葉集巻十八︑四二七・四二八︑9行︑恥×加蝿重美指定

5伝藤原公任筆大色紙

よるつよのまつ

にそ君をいのり

つる

千とせの影にすまむと

おもへは こ強にたにひかりさやけきあきの月くものうへこそおもひやらるれ

古京

緑草如今蕊鹿苑紅花定昔管絃家蒋三品

いそのかみふるきみやこをきてみれは

むかしかさし私花さきにけり

故宮付破宅

陰森古柳疎槐春無春色獲落危歸

壊宇秋有秋謹巡卸胃賦

豊頭滑石猶残瑚簾断真珠不満鉤臼

強呉滅合有荊燕姑蘇壁之露濯々

暴秦衰今無虎狼威宮之煙片々河胤賦

老鶴従来仙洞駕寒雲在昔妓棲衣菅

孤花裏露啼残粉暮鳥栖風守溌離

※和漢朗詠集︑巻下︑詔行︑燕×弥呵重美

23

(3)

7伝西行筆歌切

︵消息略︶

左大将

ほと軽きすみらにやあふと

こよひさは春のをくりにせきやこへ

まし 6伝小大君筆香紙切

みやきの壁はきのふるねに春まつと

をりしうぐひす今日やなくらん

ものおほしけるに

※麗花集3行︑型×哩即

夜をこめてこまにくらをけ

ほと齢きすはつれきつちとおやに申さ

まちかねてあくかれいてはほと掻きすちかひてやとにもしやきなかむ ※古今集巻七︑賀︑三五六︑恥×蝿師

加伝藤原定信筆戊辰切

山家 9藤原定家筆

関屋

つくはねの山をふきこす

風もうきたつ心ちして

可尋 8藤原定家筆詠草切

こひそつもりてふらとなりける

此歌不叶此心

峯のもみちはおちつもり

又不叶※奥入8行×誕唖 あきよた掻なかめすてLもいてなましこのさとみのゆふへとおもは魁

︵別峯︶なかめすて魁の詞肝心云々

※捨遺愚草︵九三七九︶に﹁秋夕﹂として見える︒別筆は俊成かとす

る︒4行︑瓠×蠅師

定家

24

(4)

。I 鼻.1

鹿

︑伝藤原定信筆戊辰切

山さとは冬そさひしさまさりける

ひとめもくさもかれぬとおもへは宗干

※和漢朗詠集巻下︑山家︑2行︑羽行︑×那珂︑と同筆 セウノ.・・蘭省花時錦帳下慮山雨夜草庵中白漁父晩船分浦釣牧童寒笛椅牛吹杜恩

ノを王尚書之蓮職職鮴麗恨唯有紅顔之賓稻

仲散之竹林幽則幽嫌殆非素論之士管三

南望則有関路之長行人征馬路騨於翠 dGf齢藤識掛敬柵聯香協峨鼠撫箙腎臼 1111

簾之下東顧亦有林塘之妙紫鴛白鴎道遙

於朱濫之前頃

山路日落満耳者樵寄牧笛之聲遡戸鳥帰

遼眼者竹煙松霧之色鳶口

花間覚友鴬交語洞裏移家鶴卜隣紀

晴後青山鴎臓近雨初白水入門流都

鰯石春雲生枕上街畿暁月出窓中直幹

やまさとはものさひしかることこそあれ

よのうきよりはすみよかりけり

※和漢朗詠集巻下?山家︑蝿行︑配×獅皿 廻伝寂蓮筆︑右衛門切

いせ

見る人もなき山さとのさくら花

ほかのちりなむのちそさかまし

※古今集巻一︑春上︑六八︑3行︑卯×皿呵墨の枠罫

廻伝寂蓮筆右衛門切

いし山のてらにまうてけ

るときをとは山のもみちを

見てよめる

つらゆき

秋風のふきにしひよりをとは山

みれのこすゑもいろつきにけり

※古今集巻五︑秋下︑二五六︑6行︑坤×皿四塁枠罫

皿伝寂蓮筆右衛門切

みのほとをおもひしりぬること

のみやつれなき人のなさけなる覧

右衛門督家成かつのくにの

山庄にて旅宿恋といふ

ことをよめる

わひつ狸もおなしみやこはなくさ

25

口︒

− − 心 ÷ 中 中 一 ■ 一 ‐ 一 一 一

(5)

6■色■0■■5BVU▲口早◇r

遁伝藤原佐理筆賀歌切

夜萬新難乃也萬能

以盤祢耳萬都乎有

慧傳東豈頗可幾盤

︵ママ︶児移里越蘇数類

※拾遺集巻五︑賀︑二七三︑4行︑恥×鵡師

略伝紀貫之筆寸松庵色紙

きの□□□り

たかためのに□

きなれは□

ロきりのさ□

の山へを□ちか

くす覧

※古今集巻五︑秋下︑二六五︑岬×唖叫重文

Ⅳ伝紀貫之筆名家家集切

めき

※詞花集巻七︑恋上︑二○八・二○九︵上旬︶

6行︑配×蛎四墨枠罫

〃ら■令0.口bb△0︒bUIp8i5BD■9410 さかとの軽おほみきのついてに

ともたちにあひくるとしをかそふれはわれ

はおきなになりそしにける

ゆきのあしたおいをなけきてつらゆきかもと

よりおこせてはへるうたのかへし

あさゆふにみちはそへともあらたまのとし

つもりゆくわれそわひしき

いのちあらはノー〜とおもふまにみの

ゆくすゑをたれかしるらん・

懐旧

︵ママ︶︑こ式部卿宮のすみたまし四条宮にていまの

みやむつきにあるし魁たまひけるに﹂

きみかなんみやもむかしのしかなからかは

れるものはとしにそありける

ふちはらのされきかくらひとにてあすか

うふりたまはらむとしけるよさけ

たうへけるついてに

むはたまのこよひばかりそあけころもあ

けなはきみをよそにこそみめ

をむなのくちなし・いるのきねをきかへたる

かへしはへりとて

26

(6)

昭伝紀貫之筆名家家集切

四伝源俊頼筆巻子本古今集切

寛平御時のきさいの宮の奇合に

きのとものり

さみたれ二鬼思居は

ほと槌きすよふかく

なきていつち行藍 くるかみのいるふりかふるしらゆきのまちつるともはうとくそありける

つらゆきかもとよりあるうたのかへし

としことにしらかのかすをますかふみLつLそ

ゆきのともはしりける

※兼輔集7行︑妬・5×叫叩︒ かたらへといふくちなしのいろもなくたてるころもはかひなかりけり※兼輔集一面喝行・×妬函

夜やくらき 加伝源俊頼筆古今集切郡伝伏見天皇筆筑後切 くものいとすち

遍照

名にめて巽をれる許そ女郎花

我落にきと人に語るな

遍照か許に奈良に罷とて男山

にて女郎花見て

ぷ葡古今道

※古今集巻四︑秋上︑一三六︑一三七︵詞書︶7行︑秘×皿四唐

大中臣能宣

すみそめのいろは我のみと

おもひしをうき世をそむく

人もあるとか

かへし 道やまとへるほとLきす我やとを霜※古今集巻三︑夏︑一五三︑一五四︑8行︑癖×四四唐紙胡粉亀

甲文

27

(7)

読人不知

すみそめのころもとみれは

よそなからもろともにきる

いるにそありける

成信重家等出家し侍けるころ

左大弁行成かもとにいひつか

はしける難藷誕蒻難風家従四惟下麗近少将

右衛門督公任

おもひしるひともありける

世のなかをいつをいつとて

すくすなるらん

少納言藤原続理にとしころ契

こと侍けるを志賀にて出家し

侍とき狸ていひっかはしける

さLなみやしかのうらかせ

いかはかりこ魁ろのうちの

すLしかるらん

女院の御八講の捧物にかねして

かめのかたをつくりてよみ

侍ける

斎院遺子

こふつくすみたらしかはの

一室一﹃一一

1

I

かめなれはのりのうき狸に

あはぬなりけり

天暦御時故きさいの宮の

御賀せさせ絵はむとて侍けろを

宮うせ給にけれはやかてその

まうけして御調調をこな

はせたまひける時

御製

いつしかときみにと思し

わかなをはのりのみらにそ

けふはつみつ︑る・

為雅朝臣普門寺にて経供養し侍て

又のひこれかれもろともに帰

侍けるついてに小野にまかりて

侍けるに花のおもしろかりけれは

春宮大夫道綱酵

たき木こることはきのふに

つきにしをいさをのゞえは

こちにくたさむ

左大将済時白河にて説経せさせ侍

けるに

実方朝臣

28

(8)

犯伝飛鳥井雅経筆今城切

まくらよりあとよりこひのせめくれは

せむかたなみそとこなかにをる

こひしきかシたもかたこそありときけ

たてれおれともなきこちちかな

ありいやとこゞろみかてらあみねは

たはふれにくきまてそこひしき あるものをいまいくよとてたゆむなるらむ※拾遺集巻二十︑哀傷︑一二一三二一西一︑詔×妬四打曇鳥の子

紙︑重美

とろかしてよみ侍ける

あさことにはらふちりたに 今日よりはつゆのいのらもおしからすはらすのうゑのたまとちきれは

をこなひし侍ける人のく

るしくおほえ侍けれはえをき

あかり侍らさりける夜の夢に

をかしけなるほうしのつきを

型伝藤原行成筆歌切

かひのこゑをき淫はへりて

山風に吹る詮かひのこゑなくはねさめのとき

をたれかつけまし

くまのまうてのみちにやとりてゆきにふりうつ 銅伝小野道風筆継色紙

きみをおき

てあたしこ

ころをわ

かもたは

すゑの

松山

なみも

こえな

※古今集巻二十︑大歌所御歌︑一○九三︑岬×岬函重美 み︑なしのやまのくらなしえてしかな

おもひのいるのしたそめにせん

※古今集巻十九︑雑体︑一○二三一○二六︑8行︑霊×略師

29

(9)

溺伝藤原行成筆升色紙配伝藤原行成筆関戸本古今集

たてはうつるふいろにひとな おもはさりしを もれはへりて

かひかねにつもれるゆきはみしかともおのかうへとは

むらたちなからみむ

あき私りのた﹄すもあらなむ

あしひきのやまの

らひけり ゆきのうちに冬つきぬといふこぁろを

ゆきのうちにおほくの冬をすぐしつゞわかみもい□

※ は

10.□

行 し

、 の 11.5し

× ら ,4.5山

たいしらす

はるのいるのいたるいたらぬさとは

あらしさけるさかさるはなのみ

ゆらむ ・にしきを

※淫査父集4行︑

21.5

×

14.5

画、

76・凪×u叩重美

※古今集巻二︑春下︑九二︵下句劃九三︑6行︑狐×皿哩重美

30

参照

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