NDC se1.9
消磁回路を持つ 電磁整針装置の開発
下品 二郎* 原田 千歳** 竹内 温光***
Development of an Equipment for Arranging the Fine lren Wmes Using a Demagnetization Circuit
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Lはじめに
電磁整針装置とは,電磁石の磁力線を用いて縫い針、あ るいはミシン針のような長さ10数㎜の鉄製細針を平行に整 頓する装置である。この装置は古くから利用されており,
磁路の一部に空隙のある直列磁気回路で構成することがで きる。一般に,鉄製である細針を磁力線によって揃えるた め,細針には残留磁気が生じることになり,磁極からの離 脱の迅速性,さらには紹針自体に残る磁気が電子部品材料
などとして使われる場合に大きな問題となる。
一方,脱磁装置としては脱磁対象物に交番磁界を与え,
その交番磁界の振幅をしだいに小さくしていき,零にする 方法が最も良く知られている。1)・2) このようにするこ
とによって,磁化された物体はしだいにそのヒステリシス ループを小さく縮めていき,ついに磁界め強さH=0にお いて磁束密度B=:0となり,B−H曲線の原点に収束する。
*
**
***
電気工学科
本校卒業生(現セッツ㈱勤務)
釣谷電子津山製作所
平成7年8月31日受理
このような消磁装置は一般に大がかりなものとなるばかり でなく,一度被対象細針を抽出装置から離脱,移動させる 行程が必要になる。
ここでの目的は,電子部品の材料となる長さ10〜15皿mの 鉄製の細針を揃える装置の試作器を作ることである。試作 器は以下の3点が要求された。
① 連続的に送られてくる細針を数10cm幅に1から5 届に平行に揃えること。
② 整列された三針が容易に取り出せ、他の箱等に移せ
ること。
③ 細針は電気部品のリード線等にも使うのでできるだ け磁気を帯びないこと。
上記3点の要求を満たす整針装置を試作するために、こ こでは電磁回路を採用することにし,三針された三針の脱 磁のために簡単な電気回路を考案した。
以下では、磁気回路を適切に設計することにより上紀① を満たす整針器を作ることができることを述べる。次に、
装置の磁気回路が持つ磁気エネルギーをうまく利用するこ とにより、減衰振動回路を装置の中に組み込むことができ、
鉄製細針の磁気を容易に減磁でき、条件②と③を満たす装
置の製作が可能であることを述べる。
2。磁気回路の設計
電磁整針装置の基本部分である磁気回路は,空隙のある 電磁気回路で構成することができる。ここでは,試作器の 整針機構が可能な限りシンプルになるように磁気回路の設 計をした。、S⊃以下,その概要を記す。
2.1 鉄心。ヨーク形状
磁極面積は,整列させるために投入される細針の量によ って決定される。投入量が少なければ磁極面積を小さくで き、その結果、装置そのものを小型化することができる。
ここでは,細針は連続的に送られてくると仮定し,投入 量は調整できるものとする。また,三針は上下10数c皿幅に 1から5雇に,かつ,幅20cm前後に揃えることができるよ うにする。上記の条件を満たすために磁極にはある程度の 面積が必要となる。加えて,整針のために平行磁界を利用 しなくてはならないから,磁極面積は利用できる面積より 20から30%大きめに設計する必要がある。
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一
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は図に示すようように細弓長をL。に対して空隙長・さし .sが
罫讐;謬晶 1
次に磁極付近の磁界の様子 m
灘灘叢 1
は,磁極の端を除いて,おお むね磁極間に平行に分布して
いると考えてよい。この時, 図2 空隙中の細針 投入された編針の整針状況の
様子は,磁極の上方より三針を投入しても投入部で細針が 滞ってしまい,上下10数。慶幅に細針を数層に揃えることが 困難であった。
いま,磁極の配置に傾斜を付ければ空隙の磁束分布は図 4に示すようになり,このように磁束が分布している空隙 内に細針を投入すれば,磁束密度の粗い方から密の方へ磁 力が働き、細針を磁極幅全体に拡散する事ができる。
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図3仮想磁力線
(平行磁極)
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高潔
図4仮想磁力繰
(斜磁極)
図1試作器の鉄心形状
図1に試作された鉄心の形状を示す。図において,磁極 面積はAXBであり.幅Aのギャップ部分に1か日5層の 三針が幅Bにわたって一列に並ぶことになる。(図2参照)
図2は磁極間に細針を投入した様子を上部から見た図で ある。図に示すように細針を一本づっ一層に並べるために は磁極のギャップの長さが細針の長さの2倍を越えないよ うにすればよい。ここでは,対象とする三針の長さが10〜
15nmと窺いため多少余裕を見て,対象とする細針の長さ のし5倍を最大とするように設計した。すなわち,ここで
ここでは、ギャップ長さの調整と併せて磁極の傾斜が調節 できるように設計した。図5にここで設計した磁極の概略を示
す。
図6においてL、は磁極間距離を表しており、図に示すyよう に非磁性体の樹脂板のスペーサーを可動とすることで、斜磁極 においても平行,かつ,最適なギャップ長し。 を得ることがで きる様に考案してある。
消磁回路を持つ電磁整針装置の開発 下西・原田・竹内
01u冠脳
図5設計された磁極(平面図)
L ...糾
スペーサー
Uo−Hり
r唱ヰ曜
平行磁極
(正面)
サー o
戟@l t l l;・α ll旨︑●ヨ1・1ρll・1・
酢 ,
奄撃撃撃戟轣怐G1∫ll●31∫f㍑●︐ll
ポル レLg,判 wA
斜磁極
(平面)
第6図 スペーサを付けた磁極閥寸法
2.2 励磁コイルの設計
ここでは直流電磁石の設計法4)に基づいて直流コイルの 設計を行う。
まず,直流電磁石の設計に必要な基本式を与える。
Bg2S 吸引力 F=
[N] (2)
2pte BgLE 起磁力 U=
十£H,1, [A] (3)
Uo
温度上昇・ 峵焜S[・・](4・
電圧 E==4plmM/(πd)2 [V] (5)
ここで,
B。:ギャップの磁束密度[T] q:使用率
S:ギャップの断面積[ma] λ:熱放散係数[W/M2・℃]
L.:ギャップの長さ[m] ρ:導線の抵抗率[Q・皿]
μe:真空の透磁率[H/m] ξ:導線の占積有率 H,:鉄心部の磁界の強さ[A/m]h:コイルの高さ[m]
1,:鉄心部の磁路長[皿] T:コイルの幅[血]
1:励磁電流[A] 1m:コイルの1巻回平均 R:コイルの抵抗[Ω] 長[m]
N:コイルの巻回数 d:導線の線径[由]
設計手順の概略は以下の通りである。4〕
手順①:所要の吸引力Fより動作ギャップの磁束密度と断 面積(磁極断面積)Sを求める。
ここでは断面積は他の要求から決められている ので,(2)式より必要とするB。を求める。
手順②:ギャップの長さL.と①のB.より必要な全起磁力U を求める。
(3)式を用いるが,ΣH,1,がわからないので,
鉄心の継目部の損失を数%を含め動作ギャップの 起磁力H。1。(・B。L。/μ。)の30%と考えて次式で 計算する。
U=NI=BgL!/ oXl.3 (6)
手順③:コイルの形を求める。
コイルの絶縁種別によって,許容温度上昇が決ま るので,(4)式によりコイルの寸法hとTを決める。
手順④:導線の線径dを決め,巻回数Nを求める。
(5)式より,dを求め,市販されているホルマル 導線の中から最も近い寸法の銅線を選ぶ。ただし,
コイルの1巻回平均長は1.・π(r、+r2)として計算 する。 (図7)
手順⑤:鉄心各部の寸法を求める。
コイルの絶縁寸法を予想して鉄心の大きさを決め,
磁束の漏れを考えて,鉄心とヨークの断面積を決 定する。
設計されたコイルの概形を図7に示す。
卜一一一一h一一一一{
董
図7コイルの形状
3.脱磁回路の設計
3.1 脱磁方法
よく知られている脱磁の方法をまとめると以下のような
ものがある。
①交流ソレノイドの中を強磁すべき試料を通過させる ようにしたものが用いられる。n ソレノイドの中心 においては,所要の磁界が電源周波数で交番変化して
いる。
②試料内部の残留磁気の方向に対して,これに直交す る方向に磁界を加えると,その直交磁界の強さに伴っ
て従来の残留磁気が減少するという現象を利用するも ので,実際には垂直より少し斜め方向に直交磁界を与 えると,脱磁の効果が大きくなる。主として軟質磁性 材料から構成されている試料に対レ適当な直交磁界を 作用させることによって,その残留磁気を急速に減少 させることができる。直交磁界は,コンデンサ放電に よる大電流で作ることができるので電源が簡単であり,
かつ短時間(数10咀s)で脱磁が可能である。この方法 は直交磁界脱磁法幻と言われる。
③ ループ減衰脱磁法2)と呼ばれる方法で,ある残留磁 気状態にある磁性体に対して,正負交番に減衰してい く磁界を作用させると,磁挫体の残留磁気はヒステリ シスループに沿って原点に減衰しながら近づいていく という現象に基づいている。印加する交番磁界が低周 波(0.1〜10Hz)のときは直流脱磁,商用周波(50,
60Hz)のときは交流脱磁といわれる。
直流脱磁は,電磁石や電磁チャックに対して有効な 方法であり,脱磁波形の繰り返し周期と振幅を適当に 選ぶことによって,大きな脱磁効果が得られる。
これら脱出法を利用するには細針の着磁とは別の装置,
あるいは回路が必要であり,加えて,着磁装置から平針を 脱着移動しなくてはならない等の不便きを伴う。
本報告書で採用する整針装置は.脱磁法で言えば上記③ に分類されるが,この脱磁装置が着駅装置に組み込まれる とこ うに特徴がある。すなわち,着磁装置の持つ励磁回路 に適当なコンデンサを付加することによって,装置の磁気 回路の持つエネルギーと付加したコンデンサに蓄柔られる エネルギーをうまく利用でき,ループ減衰帯磁法が達成で きることを述べる。
3.2 脱磁回路
本報告書における電磁一下装置は 励磁回路だけを見れば ゴイルの持つインダクタンスしと抵抗Rの直列回路である。
図8の励 磁回路に おいて、
スイッチ Sを閉じ ればコイ ル部に励 磁電電流 が流れ、
E c
コイル部
﹁:−膨:::−−:量﹂︐ R L ︐一 一一 一
〇 一一 一〇
層
印 一
付加コンデンサ
図8励磁回路
空隙に磁束が生じる。この磁極間に生じた磁束を利用して 細針を整頓するのだが、このままSを開くと、磁極と細針 は磁化された状態で終わってしまい、いわゆる残留磁気が 存在することになり,下層の磁極からの迅速な離脱に支障 を来たすばかりでなく,細針自体が磁気を帯びることが許 されぬ場合には,別に脱磁の行程を経なくてはならない。
さらに,磁気回路中に蓄えられていた磁気エネルギーは、
電流エネルギーとして回路に現れよ.うとするが,きわめて 短時間に0にならなければなちない。そのため,Sを開く 際の接点間のアークエネルギーとなって一瞬に消費される ので、接点のアークによる消耗が激しくなる。同時に、電 流変化の割合が非常に大きくなるので、自己誘導による大 きな誘導起電力が生じくコイルの絶縁を破壊することすら ある。一方,図のように励磁コイルに並列に適当なコンデ
ンサCを挿入すれば、よく知られたRLC直列共振回路を 構成でき,励磁回路に流れる電流を減衰振動できることを 示している。これは,上で述べた脱開法のループ減衰脱磁 法に相当し,電磁石に流れる電流を自動的に交番減衰させ ることができる。すなわち,効率よく迅速に電磁石及び細 針の脱磁を行うことができることを意味する。本報告では,
Sを開いたときに同時に脱平するような振動回路を作るこ とが目的であるが,同時に上述のエネルギー一は振動減衰す ることになり,アークは発生せず,電流変化の割合をも減 ずることができる利点も合わせ持つことになる。
3.3 RLC直:列振動回路の解析
ここでは、図8でモデル化された励磁回路をラプラス変 換を用いてその過度特牲を解析し,励磁回路のコイルの持 つしとRに対して.どのような容量のコンデンサCを取り 付ければ、最適な振動回路が得られるか理論的に解析する。
いまt一図8に おいてスイッチ Sを閉じて,励 磁回路が励磁さ れ定常状態に達 しているものと すれば,定常状 態ではキャパシ
R
期9t斗0における励磁回路の等価回路 タCの電流とインダクタしの電圧は0であるから、キャパシタ
の初期電圧Vc(一〇)・v。(+0)・E,インダクタの初期電流iL(一〇)
・iL(+0)=E/Rを得る。Sを開いた後の回路素子の電圧と電 流の関係をs一関数で表し、等価回路で記述すれば図9となり,
この等価回路に網目電流を1とし,網目方程式を適用すれば次 式を得る。5,
1 . . v.(+e)
1一 十Li,(十〇) (7)
(R十sL十一)1(s)
sC s
これを1(s)について解くと次式を得る。
R s十一 E L
I(s)= 一 一一 (8)
R R I st十一s十 L LC
RC 1
,ωn・ と置くと,ここで,ζ=
2V一 (LC)
ぜ一(LC)
(8)式を逆ラプラス変換することによって,時間関数
消磁回路を持つ電磁整針装置の開発 下西・原田・竹内
i(t)=: 一li−exp{ 一rw.t}t一/一。2ssin{ct).,f (1−Ci)t+e}
(9)
f(1−rt)
ただし, θ=Ta皿一ユ
r が得られる。
ここで,電流が振動するために必要な条件はζ<1であ り,ζの定義式
RC
C= 一く1 (10)
2V一 (LC)
よりコンデンサの容量Cの上限は次式で制限されることが
わかる。
4L
C〈T (11)
R2
いま,図9において,R ・= 350〔Ω】, L=70田]としたと き(11)式を満たすCをパラメータとしてコイルに流れる電 流の様子を(9)式によってシミュレートした結果を図19に
示す。
o.
0.2
[il
絹。.且
o
一一Z。且
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一一gーr騙ト齢一一トー帰,ト 一薗トー一一トー暢騨」薗一_ト__一ト騨彌憎I l 蟹 1 膠 l l 闇 1 1 1 ロ コ ロ コ ロ じ ロ コ
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ニ ロ ノ レ
μ\険∠153婦
O.3 O.6 O.9 1.Z 1.5
時ee[SEC]
図鱒 減衰特性のシミュレーション鰭果
このとき,各Cに対するζおよびωを表1に示した。
ちなみに,振動波形が顕著 になるのはζ〈0.5であること がよく知られている。e)
めされるが,取り出された細針がこの箱に収め易くするた めに,幅Bを250mmに,さらに磁極高さAは細針を2か ら5眉揃えるために100mmに選んだ。すなわち,磁極の 面積が決まり,ここでは、S=2.5×10−2[バ]となる。
(第1図参照)
また,ここで扱う細針の長さをLn=10〜15〔皿皿]と仮定 するので,スペーーサーのギャップ長しg の許容範囲は,
(1)式より
lO y 15〈L. S 15 v 22. 5
となる。ここでは磁極間で細針を扱うので左右に余裕をも
たせ、L 。 は23 rath程度とした。
さらに,磁極間距離L.は、空隙の礁束分布を考慮して 決めなくてはならないが、継目部の固定方法をボルト締め とすることにより傾きを調節可能にしているので,ここで はスペーサーの厚さを考慮して,L。、=80[mm], L。s=38
[mm]となるような斜磁極にした。(図6参照)
C[μF] ζ
ωn 95.8 0.35 i2.21 153.0 0.44 9.66 201.0 0.51 8.43 286.0 0.61 7.07 472.0 0.78 5.50
表1Cとζ.ωの関係
4.整針装置の作成と実験結果
前章までの設計に基づき,三針装置の試作器を作成し,
磁気回路および二二回路の特性を検証した。
4.1 鉄心・ヨークの寸法
鉄心とヨークの材料には、磁気特挫はあまり良くないが 加工し易く安価な軟鉄を使用することにした。また,外形 寸法は整えられた細針をつぎの行程に移行するために箱詰
4.2 コイルの寸法と形状
2.2節で述べた設計手順に従ってコイルを設計すれば 以下のようになる。
電源としては工場内に一般に配電されているIOOVを,
また,ギャップ中の吸引力は25泌要と想定しt。
手順①:(2)式より.ここでは.S=2.5[m2]であるか ら,B。 ・・ 5×IO−2[T]を得る。 (図1参照)
手順②:(6)式に臨鴇5×10−2[T],L。=5×10−2[m]
を代入してU・2.586x1⑪s[A]を得る。
手順③:ここでは,A種絶縁コイル用エナメル線を使用す ることにし,コイルの高さhはヨークの形状から0.
1[m]とし,作動周囲温度20[。c],上昇温度e,・SO [ec]と仮定した。さらに,導線の電気抵抗率p・2.
27XIO s[9・m]p放熱係数λ;10.8[Wノ㎡.c],占積 率ξ罵0.57,使用率q == 1、とすれば(4)式より,
コイルtST==0.Oi5[m]を得る。なお,放熱係数λ,
占積率ξ,使用率qの詳綱については文献4)の 第9章を参照されたい。
手順④:ここでは,コイル内半径r、ニ24.5[mm】、コイル外 半径r2 = 39. 5[mm]、電源電圧E=IOO[V]とすると (5)式より,d・0.388[mm]が得られる。これより,
0。37[mm]の第1種エナメル線を採用することにす れば,最大仕上げ外径はd。=・ O.424となる。
手順⑤:ここでは,一層の巻数ncを
n.=(hfd,)一1=(10e/e. 424)一1 =234
とすれば,屓数日は
m == T/do== 15/0. 424= 35
で得られるから,コイルの巻回数Nは
N == n.m tt 234× 35 == 8190
となる。
ここで,設計された励磁回路の励磁電流を計算すれば以
下のようになる。
コイルの平均長liは
1.= n (2rr+T)= n (2ri+mde)=200. 56[mm]
になるからコイルの全長1,は
1 t = Nl.x 10−6 = 1. 6426[km]
であり,20[ec]でのコイル抵抗Rcは
Rc =lt×(使用導線の平均抵抗)= 264.78[Ω]
となる。ここで,温度係数α=4。63×IO 3として、80[Oc]
での.コイル抵抗R,は
Rh=Rc{1 + a (80−20)} =RcX 1. 278=338. 4[ 9 ]
となる。よって、励磁電流1hは
Ih == EIR, =e. 2955[A]
となる。この時,起磁力Uは
U==NI,=2420[A]
であり,コイルの上昇温度θtは
e f= 1,2R,/(2al.h) == 68. 2[ec]
が予想される。
作成された磁気回路における空隙の磁界は磁束密度計に よる測定から磁極の端部を除いてほぼ平行磁界と見なして 差し支えないことが確かめられた。また,図11は斜磁極に おける磁束密度の分布の様子を測定した結果である。ここ で,測定位置は磁極の中心部分であり,横軸は磁極下端
(図6A点)からの距離である。
50
日目40旨
越30 zo 趨10
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時間[sec]
1.2 1.5
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図11窒隙における磁束密度分布
図童2 コイルのインディシャル応答結果
パラメータとしてコイルに流れる電流の様子をディジタル オシロスコープによって観測した結果を図韮3に,空隙の磁
O.3F
慈。・2 暫0.1 o
一〇.1
リロqほコド Aコロコアリロロコ コ つロココヨリロココド ヨドココ ロコロ ロ コ ロ じ ヒ コ ロ ロ
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「 1 ■ 電 ■ 1 「 1 1 巳 ロよほコ エロコドユロコロユほ一隅ごコ らココロロコし いりしコ サしコロマじ
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旧戟1 一÷昌醸『1磁r†一一††す『曹i
ユ ロ コ コ コ コ コ コ
「ミ㌻≡ζ蘇・て 一一
図から明らかなように,磁極端2.5c皿付近を除いてほぼ 等傾斜で磁束が分布していることがわかる。この結果はま た,磁極端から1割程度は空間への漏れ磁束が多く,空隙 は平行磁界でないことを示している。
.4.3 RLC直列振動回路の作製
次に,室温27℃におけるコイルの直流抵抗は実測の結果 R・265[Ω]であった。また,コイルのインダクタンスの値 はコイルをRL直列回路と見なして,そのインディシャル 応答から時定数τ・R/Lを求め,これよりし=70[H]を得た。
図12はコイルのインディシャル応答結果を示す。
さて,実測から得られたこれらの値を用いて,第3章で のシュミレーション結果に基づき,コンデンサCの容量を
。 o.3 o.6 a.g 1.z
時間【sec]
第13図コイルに流れる振動減衰電流
1.5
束密度の様子をまとめた結果を表2に示した。
だだし,測定位置 は空隙の中心位置で ある。また,使用し たディジタル・オシ ロスコープはソニー ・テクトロニクス製 TDS420型であ
コンデンサ ハC[μF]
励磁磁束 ァ度[mT]
残留磁束 ァ度[mT]
なし 32.5 3.14
95.8 32.7 0.77
124.5 32.7 0.70 153.2 32.6 0.68 200.6 33.3 0.98 285.7 32.5 2.08 472 32.4 1.69 946 29.6 2.83
ただし,励磁電流=0。3[A]
表2試作器の回忌の様子
考慮し,直流抵抗を300Ωとして,
限を計算すればC=3,111[μF]と計算され,
るCの上限値は,C<777[μF]となった。
観測波形図より、Cが小さいほど、より振動的になるが,
交番周期がそれに伴って小さくなっている。脱磁のために は適当な繰り返し周期と振幅が必要であることはよく知ら れているが,ここでの減衰振動波形では,95.8μF〈C<
200μFの範囲で残留磁束密度は0.68から0.98mTであり,
り,取り込まれた結 果は表計算ソフトに よって図表化された。
ちなみに,装置使 用時におけるコイル コイルの温度上昇を
(11)式を満たすCの上 ζ〈0.5とな
消磁回路を持つ電磁整針装置の開発 下西・原田・竹内
脱磁回路のない場合に比べて脱磁の効果は顕著であること
がわかる。
5.あとがき
本稿では,電子部品の材料となる長さ10〜15mrnの鉄製 の細針を揃える装置について考察した。整針装置には以下 の3点が要求される。
①連続的に送られてくる細針を数10cm幅に1から5
屑に平行に揃えること。
②整列された細針が容易に取り出せ、他の箱等に移せ
ること。
③細針は電気部品のリード線等にも使うのでできるだ け磁気を帯びていないこと。
上記3点の要求を満たす整針装置を試作するために、こ こでは電磁気圓路を採用することにし,磁気回路申の空隙 における平行磁界が整針に利用された。さらに,整針され た細針の面面のためにループ滅衰脱磁法が用いられ,この 面心は簡単な電気回路を装置に組み込むことによって達成 できることが述べられた。
試作器は直流電源100Vで駆動し,1ON/㎡電磁吸引力 が想定された。磁気回路では整針が行われる窒隙の閥隔が 調整でき,しかも空隙の磁束密度に一定の傾斜を付けるこ とができるように考案されている。これは,前者は数種類 の長さの細面に対して適用可能な装置にするためであり,
後者は装置に送り込まれる細針を一列に数層整列させるた めのアイデアである。
また,脱出のために組み込まれた電気回路はRLC直列 回路であり,これは直流電磁回路のコイルの持つインダク タンスしと直流抵抗Rに,着磁回路を開くと同時に,適当 なコンデンサが直列に付加されるように設計することによ って構成された。さらに,脱磁が効率よく達成できるため
の減衰波形が考察され,最適なコンデンサの容量が探索さ
れた。
本試作器では磁気回路の空隙の乎行磁界が利用されてい るが,空隙申の磁界解析は残された課題である。この解析 は磁気回路,特に,磁極の効率的な設計に必要不可欠と考
えられる。
謝 辞
本研究に対して奨学寄付金を頂き,ご支援頂いた㈱釣谷 電子津山製作所,および,同製作所社長の釣谷昌宏氏に深
く謝意を表します。
また,磁気回路における励磁コイルの製作にあたってモ リテツ電機㈱開発室長豊岡信次民に,ディジタルオシロス コープのデータ取り込みに関して,本校講師長井聡先生に ご協力を頂きました。両氏に深く感謝の意を表します。
〈参考文献〉
1)茂木 晃: 磁気回路 ,日刊工業,昭和38年,P69−P 71
2)山田・宮沢・自由: 基礎磁気工学 ,山畠社,1975 年,P53−P55
3)原田 千歳: 消磁回路を持つ電磁整針装置の開発 , 卒業研究報告書,平成7年,P2−P4
4)中田・伊藤・河瀬: 有限要素法にま:i蓄交直電磁石の 設計と応用 ,森北出版,1991年,P18−P27,P68−P70 5)電気学会: 電気工学ハンドブック ,昭和42年,P3 49
6)小沢孝夫: 電気回路Er過渡現象・電送画路」 , 昭晃堂,平成元年,P19−P25