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StudyofMeasurementMethodofThermalConductivityforThinPlateMaterialsandProposeofNewMethod anStudies)薄い固体材料の熱伝導率測定法の検討と新たな方法の提案

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(1)

(:k 7 i 芸 O I B s 2 n f v f e r : S : i . e t . y :, ; ; u a l t t u y r o a 吉s E c d i : : : e t ; O nand"um a nS t u d i e s )

薄 い固体材料の熱伝導率測定法の検討 と新たな方法の提案 St udyo fMe a s ur e me ntMe t ho do fThe r ma lCo nduc t i vi t yf o rThi nPl a t e

Ma t e r i a l sa ndPr o p o s eo fNe wMe t ho d

高 橋 カネ子

Ka ne ko TAKAHASHI

Abs t r ac t

Theobj e c t soft hi ss t udyar ei mpr ove me nta nde s t i mat i onoft hi npl at equal i t y( t hi ckne s s D s i s about0. 1 ≦D s ≦1 . 0[ mm] )t hatha se l e c t r i ci ns ul at i ngpr ope r t ya ndmor egr e at e rt he r malc onduc t i vi t y t hanpr ope rpl a s t i c s .I nt hi sr e por twehavebe e nt r i e dnu耶e r i c a lc a l c ul at i ona boutt e mpe r at ur ef i e l d havi ngt hi nandna r r owf i l m he at e r .

Thet wodi me ns i ona lt e mpe r at ur ef i e l di sus e df orc ons i de r at i ona sf i r s ta ppr oxi mat i on.Thes ol u‑

t i onofs i mul t ane oushe atc onduc t i one quat i onsunde ri ni t i alandbounda r yc ondi t i onsi sobt ai ne dby nume r i c als i mul at i onba s e donf i ni t edi f f e r e nc eme t hod. r Thea ut horhavebe e nobt ai ne dc al i br at i on c ur ve sbe t we e nt e mpe r at ur er l S l ngr at i oandt he r malc onduc t i vi t yofvar i ousmat e r i al s .

l Ke yWor d]t he r malc onduc t i vi t y,t hi npl at e ,uns t e adyme t hod,t e mpe r at ur ei nc r e a s i ngr at i o,e l e c t r i c i ns ul at i on

1.

緒 言

我 々の生活 は主 に

2 0

世紀 の後半 にお ける技術 の進歩 に よ って これ まで になか った便利かっ快適 な ものにな って 来 た。 しか しなが ら, それ に伴 うエネルギー使用 の増大 と共 に環境 の汚染 ・エネルギー資源 の枯渇が大 きな問題 とな ってい る

さ らに,世界 の人 口増加,政治 ・経済 ・ 宗教 な どの多 くの要素 が絡 み合 った いわゆ る トリレン マ[1]現象 と して地球規模 の大問題 にな っている

ここで はエネルギー ・環境汚染問題 に限定 して考 え る が, これを解決す ることは非常 に困難であると予想 され, 地道 な努力が必要であろう。問題解決の手段 として, ソー

ラー ・風力 ・バ イオな どの これ までエネルギー源 として 多 くを担 っていなか った リサイクルエネルギーや新 しい エネルギー変換手段 であ る燃料電池 な どのエネルギー源 の開発 も重要 な ことである。 しか し, この手段だけで は な く, これ までの使用機器の高効率化 や高性能断熱材 の 開発 な どの省 エネルギーに属す る努力 も忘れて はな らな

い。

エネルギー機器や住宅建材 などの民生材料 の熱 エネル

ギーに関連す る材料 の使用 にあた って は,強度 に代表 さ れ る機械 的な性質は もちろん と して,熱物性値 を正確 に 把握す ることが前述 の高効率や省 エネルギーを 目的 とす

るためには必要不可欠 の条件である。

この研究 は発電機 の性能 を改善す るために, その中 の 回転子 に使用 されているプラスチ ックを主原料 とす る電 気絶縁 シー トの絶縁性 を保 ったまま伝熱性能 を改善 し, 放熱 を促進 して効率 を高 めたい とい う要求 か ら始 め られ

た もので ある

あ とで議論す るよ うに, このよ うな シー ト状 でかつ熱 伝導率が比較的小 さい物質 の熱伝導率 を的確 に測定す る 方法

[ 2

]は現状で は見当た らず, 一 つ の推定 法

[ 3

]が提 案 された ことはあ ったが, この方法 も必ず しも妥 当な値 を もた らす もので はない

[ 4 ] 。

以上 の観点 か ら,本研究 は薄 い シー ト状 の物質 の熱伝 導率を測定す る方法 を探 り, それに基づ く実験装置 を開 発 して適確 な性能評価 や改善 に役立 て る ことを最終 の 目 的 とす る

ただ し, この論 文 で は最 初 に既 存 の提 案

[ 3]

や著者 らの初期的な検討

[ 4. 5

]を基 に した測定理 論 お よ び

‑ 2 1‑

(2)

方法 の提案 を内容 とす る 。

2. 測定法の検討 と新 たな方法の提案

2. 1 熱伝導率 の測定方法 物質 の熱伝導率の測 定法 には,対象 を固体 に限定 して も多 くの方法 [ 2 ]が あ り,更 に,熱伝導率 の値 が比較的小 さい断熱材 について は特 にい くつかの方法が詳細 に述 べ られて [ 6] い る。 こ れ らの方法の中か ら,試料 の形状 および推定 され る熱伝 導率 の値 を もとに考慮す ると,温度場を定常状態 に保持 す る平板比較法 もしくは平板絶対法が最 も適 した もので あるよ うに思われ る 。 しか しなが ら, これ らの方法 はい ずれ も試料両表面 の温度 を測定 しその温度差 を求める必 要 が あ る 。 この条件 は, 本 研 究 が 目指 して い る厚 さ 0. 1 ‑1 . 0[ mm] 程度 の シー ト状試料 に対 しては測定誤差 が大 きく生ず る可能性があると懸念 され る 。

また一方,近年電子機器 の発達 と共 に多用 され るよ う にな って来 たパルス加熱法 (レーザー フラッシュ法) ち 試料 の性質 。形態 によ って は非常 に優 れ た方法 [ 2 ]で は あ るが,本研究 の試料 に対 しては厚 さおよび複合材料 を も将来 の測定 目的 とす る条件か ら適用 は困難 と考え られ

以上 の検索 と考察か らこれまでに提案 された測定方法 や現在一般 に使用 されている方法の中には目的に適 う方 法 は見当た らないと結論 した. また,測定器 メーカーか ら提案 された推定法[ 3 ]も山 田 らによ って必 ず しも適 確 な値を与 えない ことが示 されて [ 4] い る 。 そ こで, 著者 はこれまでの知見を基礎 として,薄 い試料を他 の材質 の 基盤上 に置 き, その上 に幅の狭 い箔状 の加熱源を備えた ヒ‑ 夕‑を置 いて非定常加熱を行 い, その加熱源温度 を 観測す る方法を考 え可能性 を検討す ることとした。 この 方法 によれば熱源温度のみを測定すれば良 く,試料両表 面問の温度差 の測定 は必要 ないので,前述の定常法 によ

る欠点 を除去 出来 ると考 え られ る 。

この方法 は非定常 プ ロー ブ法 [ 2] と呼 ばれ る方法 に似 ている部分 もあ るが, 非 定常 プロー ブ法 は測定時間 中 ( 約 2 0‑4 0[ s e c] 程度) に試料 の裏面 に まで温度波 が到 達 しない とい う条件を満足 させ るため,厚 さの大 きい試 料 を要す る点が,薄 い試料 のままで測定せねばな らぬ本 研究の条件 と大 きく異 な る事項である 。

2. 2 想定 され る測定装置のモデル化 と熱伝導方程 式 前節で検討 した ごとく,非定常 プロ‑プ法 に類似 した測定方法を想定 し,測定 の可能性を探 ることにする。

測定試 料 は一 般 に厚 さは薄 いが広 さは大 き く, 2 0 0×

2 00[ mm] の ものが容易 に入手 出来 る 。 従 って, 測定装 置の作成 にあた って これの 1 /4 程度の大 きさを用 いると

して も, ヒー ターの長 さは 1 0 0[ mm]とな り,中心位 置

の温度変化を測定すれば,端面方向への 3 次元熱流誤差 はそれほど大 きくないと考え られ る 。

従 って, この論文では Fi g. 1に示す 2 次元温度場 で測 定の可能性 を検討す ることとした。即 ち,最下部 に基盤 ( 添字 b で示す。以下同様)を置 き, その上 に試料 ( S) , 狭 い箔 ヒーターを中心部 に取 り付 けた ヒー ターベ ース

(g ) , さ らにその上 に試料 と ヒー ターベ ー スの接触 を 確実 に しかっ取扱いの容易さを考えたプラスチックブロッ ク (アク リルを想定 した) (a)を置 いた ものである 。

もし,測定が可能 とな った場合,将来的 には実際の 3 次元現象 を 2 次元 に近似 した ことによる測定誤差 は次報 以降 さらに検討す ることが可能である 。

先 に述べた試料およびその他の構成物質 の形状か ら, 直交座標 を用 いて図 に示すよ うに座標 を とると,熱伝導 方程式 は b , S

, g

.a の各物質 に対 し

禦 a i ( % % ) (i , のようになる 。

ここで,Tは温度, aは温度伝導率,Tは時間であ り, 添字の i はb , S ,g,a のそれぞれの物質 を表す。従 っ て, 4 本 の連立方程式を以下 の初期条件 および境界条件 の下で解 くことになる。

初期条件 は,測定開始時 に装置全体 が温度 Toの熱平 衡状態 にあった とす ると

T

≦0 において 7 ;‑ To ( 2)

次 に境界条件 は以下のよ うになる 。 即 ち, それぞれの物

I l

ヽヽ」Ⅹ

I

; a wei g ht f =⊃

q

/

W h I t g heate rbas e

亡:1

bJ )

班■ s s pe ci me n

I ‑m

b‑

仁⊃

, Z 3

bas e

y

Fi g. 1 Anal yt i c almode lofme as ur eme ntmet hod

(3)

質の接触面で接触熱抵抗が存在 しないと仮定すると,温 度連続 および伝熱量連続の関係が成立するので

7 ; I ‑7 ; ・

A,・%

ただ し,上式で n は等温線への法線方向,i,jは b,

S

,g

,a の接触す る 2 者の適切 な組 み合わせを とる。

更 に,各物質が周囲 ( 大気) と接 している部分で表面 の 熱伝達率 hが一定であると仮定す ると,

揺 ‑h( T. ‑To )

また, ヒーター部で一定の加熱 q h を与えると y ′ ‑Da +D g かつ 0 ≦ x≦ Wh /2

q = q h となる 。

( 5)

( 6)

2. 3 熱伝導方程式の解法 前節で提示 した連立 熱伝導方程式を式 ( 2) 「 ( 6) の初期条件 および境界 条件の下で解析的に解 くことは非常 に困難 と考えられる。

従 って, ここでは数値解析によって解を求め検討を行 う ことに した。

偏微分方程式の数値解法については,近年の電子計算 機 の発展に伴 い,有限要素法 ・境界要素法 [ 7 ]など も多 く用い られているが,本研究ではプログラムも比較的容 易に自作で き,かっ,考え方 も理解 しやすい差分法を用 いた。現象が非定常であるので ここでは時間軸を進める 前進差分法を採用 している 。 差分法において も計算点 の 採用数 によりい くっかの種類 が存在 す る [ 8 ]が, 今回 は 最 も点数 の少ない 5 点差分を用いた。 しか しなが ら,格 子の大 きさを適切 に選べば計算精度を十分 にとれること は良 く知 られている 。

1 例 として, Fi g. 2 の ごと く計算点 T.とその周囲 の 4 点を考える.Toへの熱の出入 りq oはCを各温度点間 の熱 コンダクタンスとす ると

q o ‑C o l (Ti n‑T o n ) +C o 2 ( T2 n ‑To n ) +

C 。 3( Ta n ‑To n ) + C o ヰ( T. n ‑To n ) ( 7)

∂ Ⅹ

I

l T 2 !

>. I I J

A/

l

N>

一 「一 一

bO

I

l

I I

⊥ト ー

‑ c

B

一一 ト

l

l l

Fi g. 2 f i ni t edi f f e r e nc eme s h

( T. n +I ‑T. n )・ H . ‑ q. ・

AT

( 8) こ こで T. nお よ び T . n ' lは そ れ ぞ れ 時 間 n

A

Tと

( n+ 1 ) A Tにおける T.の温度を表す。 また,Hoは点 T o

の熱容量であり,比熱容量を C ,密度をpで表す と

H o ‑ C ・ p・ 6 x・ S y

のようになる 。 式 ( 8)か ら

T

.

n '1 ‑ q

.

・ A T /H . + To n

( 9)

(1

0)

となり,

A

T時間後の点 T oの温度が求め られ る.ただ し, Fi g. 1の物質相互の寸法 において

,

Ⅹ方 向の各寸法 (幅 W )ほぼ同 じ大 きさと見な して良いが

, y

方 向 は Ds の みが極端 に薄 い ことを考慮す る必 要 が あ る. 即 ちL , Fi g. 1の y 方向の計算格子を試料 に合わせてすべて同一 にすると格子数が多 くな り過 ぎ,計算終了 まで多 くの時 間を要す る。 また

,

Ⅹ方向は箔状 ヒー タ幅 Whに合 わせ て,中心部分の格子を 1 / 2 ・Whとし, その外側 は大 きい 値 を採用 して実験装置 の寸法 に近 似 させ た 。 即 ち, Fi g. 3 のように試料および中心軸付近 の格子寸法を表 し, 各格子点を図のように名付 けると,代表的な温度点間の 熱 コンダクタンスCおよび格子点熱容量 H は次式 の よ

うになる。

となる 。 ただ し,熱 コンダクタンスは温度点間の見掛 け の熱伝導率 と伝熱面積 との積をその間の距離で除 した も のである 。 これが AT時間後 の To点 の温度上昇 を もた

らすので

‑ 2 3‑

(4)

C 1 0 ‑ A s ・ 6 xc /ays

C o 3 ‑ 0 . 5( 6 ys ・ A s + 6y・ Ab ) /6 xc C 3 4 ‑ 0 . 5( 6 ys ・ A s + 6y・ Ab ) /a x H i ‑ C s ・ ps ・ 6 y s ・ ∂ よc

H 0‑ 0 . 5( 6

y

s ・ S

x

c ・ c s ・ ps +6y・ 6 xc ・ c b ・ Pb ) H 3 ‑ 0. 2 5( 6 xc + 6 3)( 6 y s ・ c s ・ ps +6y・

c

b ・ Pb )

‑‑‑‑‑‑・ (l l )

上述 の計算で は, 熱 移動 と温度変化 の両 過程 が時 間 ATの問,完全 に独立 にな っている. このため, 熱移動 で流入す る熱量 は,

d

Tを大 にす るとそれ に比例 して い くらで も増加 し, その結果の温度変化が周囲温度 に対す る定常平衡温度 さえ超 えて進行す る事態が生ず る 。 この ことは,熱力学 第二 法 則 に連反 す ることにな るので, ATの許容範囲をあ らか じめ求 めて [ 9 ]お き,計算 中 の解 の発散 な どを防 ぐことが大切である。

2. 4 数値解析 のための数値 とパ ラメータ 本論 文での計算 は,物性値 が既知 な断熱材 か ら低熱伝導率 の 金属 にわたる広範囲かつ多種類 の物質 を想定 して計算 し た。 さ らに Fi g. 1に示 した構成部分 の寸法や物性値 お よ び加熱量 もい くつか変化 させ,パ ラメータとして検討 し

た 。

数値解析で使用 した物質 の物性値およびパ ラメー タを まとめ Tabl e lおよび 2 に示 した。

Tabl e1 Pr ope r t i e sofvar i ousmat er i al s

m a t e r i a l 入 Ⅳ/ ( m K ) 】 C 【 J / ( k g K ) ]β【 k g /

皿3]

p o l y s t y r e n e ( 1 ) 0 . 0 3 3 1 8 0 0 . 0 3 6 . 0 ー p O l y s t y r e n e ( 2 ) 0 . 0 4 2 2 8 0 0 . 0 1 5 . 9

Ⅰ 扇l i t e 0 . 0 5 0 7 5 0 . 0 1 5 0 . 0 セ 軸 c h r o l i d e 0 . 1 5 7 2 0 1 0 1 4 2 0 . 0 S 揖c o n er u b b e r 0 . 2 0 1 6 0 0 . 0 9 7 0 . 0 p o l y e t h y l e n e 0 . 4 2 2 1 0 0 . 0 9 5 0 . 0 c o n c r e t e 1 . 0 0 1 6 3 0 . 0 2 2 8 0 . 0 f u r n a c eb r i c k 2 . 1 0 1 3 0 0 . 0 2 2 2 0 . 0 s n i c . o n eb r i c k 3 . 0 0 1 0 0 0 . 0 3 6 6 0 . 0 a

lu 血 血ab r i c k 5 . 0 0 8 4 0 . 0 3 4 7 0 . 0 c a r b o nb r i c k 1 0 . 0 1 9 0 0 . 0 1 5 8 0 . 0 t i t a n i u m 1 6 . 0 5 2 8 . 0 4 5 2 0 . 0

Tabl e2 Var i ouspar amet e r sf orc al cul at i on

p h y s i c a l q u a n t i t i e sm u n e r i c a l V a l u e s

Ab

[ W / ( m K ) 】 5 . 0 , 2 3 7 . 0

A g 押/ ( m K ) 】 0 . 0 4 2 , 0 . 1 3 ,1 0 . 0

D

s

【 m】 0 . 0 1 ‑1 . 0

Fi g. 3 Fi ni t edi f f er enc eme s hnearheats our c e

3. 結果 と考察

計算 にあた っては,前述 の ごとく実在 の固体物質を試 料 に選 び,箔型 の と一 クーか ら加熱量 の数値 を与えて, 温度変化 の様子 を観察 した 。 基 本 的 に は ヒー タ温 度 Th[ ℃] と経過時間 T[ S ] の関係を図 に表 し, これ を もと に,後続 の処理を行 って検討 。考察を加 えた。

3. 1 代表的表示 による Isに関す る検討 計算 結果の代表例 として,試料厚 さを 0 . 2[ mm]と した場合 の ヒー ター温度 Th[ ℃]と経過 時間 で[ S ]との関係 を試 料 の熱 伝 導 率 A s l W / ( mK) ] を パ ラ メ ー タ ‑ と して Fi g . 4に示す。

Asの小 さいほど熱 は試料側 に流れに くいので ヒーター 温度 Thは時間の経過 につれてよ り大 き くな る ことが明 らかである. また,A s が大 きい場合 Thは短 時 間で飽和 状態 に達 していることが認 め られ る 。 これは熱抵抗 の小 さい試料 は温度波の進む速度が速 いため, その下 にある ベース (この図ではアル ミブロック) に到達 し,準定常 状態 になるか らである 。 後で比較 を行 うが これまでの知 見か らこのベースの熱伝導率が大 きく, また,熱容量が 大 きいほど測定試料 の適用範囲が広 くなると考え られる。

Fi g . 4は温度変化の様子が定性的によ く理解出来 るが, 温度上昇率一定の部分が読み取 りに くい ことか ら,横軸 の経過時間 Tを対数で処理す ることに した。 ヒーター温 度 Thとl og( I) との関係 で示す と Fi g. 5 のよ うになる

.

この図か ら直線部分 が生 ず ることが明 らか に見 られ, lsの小 さいほど上昇率 A が大 きい こと, また, 一 定 に なる時間位置が Tの大 きい方 に移動 していることが認 め

られ る 。

本研究では温度上昇率 A

[℃/S]

を次式で定義 した。

(5)

A‑ (

T2‑

T. ) / l og( T 2 /T l ) (1 2)

ただ し, Tlと T2とは直線部分 の始 め と終 りの温 度 で あ り

,I

.と T2とはそれ らに対応 す る時間 で あ る。

Fi g. 6

は前 の図 か ら求 め られ た上 昇 率

A

A

s̀との関 係 を断熱 材 に相 当す る物質 か ら熱伝導率 のそれ ほど大 き くない金属 の領域 にわ た って計 算 した結 果 を ま とめた も ので,試 料 厚 さ

D s ‑0 . 2 , 0

.

4[ mm]

の場 合を示 している.

試料 の熱伝導率 Asが

0 . 2

≦ As

≦ 1 0 . 0

の範 囲 で は両者 は ほ ゞ直線 関係 にあ る ことが認 め られ る。 また, それ以外 の両 端 で はゆ るやかな曲線 にはな るが,計算 された全範 囲 にわ た って

A

A

sとの間 に

1 :1

の対 応 が認 め られ る

従 って, この結果 を較 正 曲線 とす れ ば,

Fi g. 1

を模 擬 した装置 で, 目的 とす る薄 い試料 の熱伝導率 が測定 出来 ると推定 され る

3. 2

各種 のパ ラメー タの影響 前節 において こ の研究 目的 にお け る代表 的 な寸 法 お よび熱物性値 を想定 し計算結 果 を示 したが,実 際 に は色 々 な条件下 での測定 を行 う必 要 が あ る と予想 され る

これ を考慮 し

Ta bl e2

に示 した よ うな各種 のパ ラメー タを選んで計算を行 った。

ヒー ターの温度

Th [ O c]

と時間

で[ S ]

との関係 は

Fi g

.4七 定 性 的 に は同 様 で あ る の で,

Fi g. 6

に な らって

A

と Is の関係 で

Fi g. 7

お よび

8

に各種 のパ ラメ‑E夕を変 えて 示 し考察 を行 う。

(1

) ベ ースの熱伝導率Ib 測 定 装 置 の ベ ー ス は あ る程度 の厚 さ (熱 容量) と強度 を持 つ ものが望 ま しい。

試 料 厚 さ

D s

を 同一 に して Ib

‑5[ W/( mK) ]

(岩 石 を 想 定 した) と

237

(アル ミニ ウム) とを比較 した場合 を

Fi g. 7

に示 す。試料 中 の熱抵抗 は同一 で あ るので 1Sが 小 さい

As ≦0 . 1

程度 まで は

A

の値 に両 者 の相 違 は ほ とん ど現 われず, それ を越 えて次第 に増大 して くることが明 らか に見 られ る

これ は Isが大 き くな る とベ ー スの熱 抵抗 が試 料 のそれ よ り も大 き くな るか同 じオ‑ ダーに近 付 き, 熱 を逃 が しに く くな るよ うに働 くか らと考 え られ る

従 って

,A b ‑ 5

の場合 で も As

‑2 0

程度 まで は較 正 曲線 と して の役 目を果 たす ことは可能 で あ るが, 曲線 の 勾配 が小 さいので感度 が劣 り,誤差 が大 き くな ると予想

され る

一方, アル ミニ ウム は計算範 囲 の全域 に渡 って良好 な 状態 を示 して い る と言 え る。 しか し, 試 料 の熱 伝 導 率 Asが

1 0

を越 え ると勾配 が小 さ くな る傾 向が 見 られ る こ とか ら, この測定法 の限界 を示 して い ると言 える。また, アル ミニ ウムは軽量 でかっ熱伝導率 が非常 に大 き く, さ らに, 入手 し易 い ことか ら,実験装 置 を作 る場合, ベ ー スの材料 と して は熱伝導 率 が これ よ り大 で あ る鋼 ・銀 な

60. 0 T i i i i i i ‑ o 巳 , =

50. 0

201 80 2. 0 4. 0 6. 0 8 . 0

1

0

.

0 T [ S ] Fi g

.

4 Cal c ul at i onr e s ul t sbe t we enT handI

60. 0

1 1 0 ヒ J=

50. 0

2

0・8

1

00 .0

‑ l ■

i ∽ Z

o U ̲

<

1 0. 0

‑ 2 5‑

0

0.

1

0 . 1

0. 5 1 . 0 5. 01 0. 0

で[ S ] Fi g. 5 T h VS .l og( I )di a gr a m

0 1

0. 1 0 1 . 00. 1 0. 00 1 00. 00 hs l W/ ( mK) ] Fi g. 6 Ca l i br at i ondi a gr a m bet we e n

A

andA s

(6)

どよ りも優れていると考 えている。

(2) ヒー ターベースの熱伝導率 スg 箔状 の抵抗体 を取 り付 ける ヒー ターベースには保持すべ き条件がい く つか考 え られ る

即ち,強度 。金属箔の接着性 。耐熱性 。 熱伝導率, などである。

Fi g. 8 には発泡 ポ リスチ レンなどのを想定 した断熱材 (A g ‑0 ・ 0 4 2) ,比較的耐熱性 を持 ち平 板試料 へ の密着 度 も優れているゴム (Ag ‑0 ・ 1 3) , 特 に耐熱性 に着 冒 したセ ラ ミック材料 (Ag ‑ 1 0 . 0) の 3 種の結 果 を示 し た。 ただ し1 ベース材料 はいずれ もアル ミを想定 して計 算 している O ヒー ターベースは箔状発熱体 の補強のみな らず,発生 した熱 を出来 るだけ多 く試料側 に流入 させな ければな らないので,熱伝導率 の小 さい物質 ほど温度上 昇率 Aの勾配 が大 きい ことが予想 され, 図 で も明 らか な如 く ,A g ‑0 . 0 4 2 の場合が 3 着 の中で最 も感度がよい ことが認 め られ る。一方, セ ラ ミックスの場合 は熱伝導 率が小 さい試料 の場合 には熱が試料 に流入せず ヒーター ベ‑ス側 に流 れ るため試料 の熱伝導率 As ≦0 . 5 まで の 領域で は A と A sとの間で 1: 1の対応 は成立 せず, 較 正 曲線 としての役 目を果 た し得 ないといえる。 また,そ れを越 え る領域 で も勾配が小 さいため誤差が大 きいと予 想 され る 。

以上 の ・ 2 着 に比べ るとゴムの場合 は曲線 の勾配 は断熱 材 よ りもやや小 さいが約 1 5 0 ℃ まで使 用 に耐 え るので, 熱伝導率が未知 の材料 を測定す る場合 には数 1 0 ℃で変形 す る発泡 ポ リスチ レンを使用す るよ りも安全 だ と考え ら れ るO また,試料への密着性にも優れており,従 って ヒー

ターベースの材料 として ゴムを想定す ることに した。

(3) ヒ ー タ発 熱 量

qh

これ ま で の 結 果 は 幅 2 . 5[ mm] , 抵抗 1 1 0

[E2]

の と‑ クーに直流 電 流 2[ A]

を流 した場合を想定 した計算 を行 った。 これによって温 度上昇量 が適度 に もた らされ ると考えたか らである 。 し

か しなが ら,熱伝導率 の小 さい試料の場合 には Fi g . 4に 見 られ るごと く,温度上昇量が大 きくなるので,試料材 料 によ っては融解 。変形 などの不都合が生ず る可能性が ある。 そ こで,発熱量 を 1 / 2 に した計算 も行 った。 その 結果, A が発熱量 に比 例 して 1 /2 にな ることが求 め ら れた。従 って, ある発熱量で較正曲線 を求 めておけば, 比例計算 のみで A の値 か ら試料 の熱伝導率 Asが求 め ら れ ると推定 され る

(4)試料厚 さD s あるがままの製 品 を試料 と して 熱伝導率 を測定 したい とすれば,平板状の固体 に限定 し て もD s は各種 の ものになる。従 って,D s はパ ラメー タ の中で最 も重要 な もの と考 え られ る 。 Fi g. 6 に は代表例

として As ‑0 . 2 および 0 . 4[ mm] の場合 を示 し, Fi g. 7, 8 は 0 . 2[ mm] に限定 して検討 した。

Fi g. 9 にプラスチ ック材料 の熱伝導率 のおお よその値

を示す As ‑0 . 2 とそれ にガ ラス繊維 。酸化金属粉 な ど を混合 しで性能改善を図 り熱伝導率の向上が期待出来 る 数値 is ‑ 1 . 0 を代表パ ラメータとして A と D s との関係 を示 した。予想 され、 るように,Asが同 じ場 合, D s が小 さいほど熱抵抗が小 さいので温度波 は短時間でベースの アル ミに到達 し,ベースは大熱容量 の低熱源 として働 く ので と一夕‑温度 は準定常状態 にな りA は小 さくな る .

また, か ざが大 きい場合 にはこれ と逆 の現象 が生 じ, 良 時間 。高温度 に至 った後 に準定常 に到達す るので温度上 昇率 A は大 きくなる . ただ し,厚 さの増大 と共 に A の 増加 の様子 は次第 に減少 し, ここでは計算時間の制約上, 計算 を行 っていないが,ついには飽和すると予想できる。

即 ち, この状態が通常 の非定常 プローブ法の条件である と言え る。

本報告 では Asの広 い範囲での D s に関す る計算 は行 っ

01

0 .1 1 1 0 1 00

AslW/(mK)]

Fi g. 7 Ef f e c tof A

b

OnA vs . As di a gr am

0

0

01

1

︻ s J 3 . ] V

0. 01

0.1

1 1 0 1 00

As【W/(mK)】

Fi g・ 8 Ef f e c tof lg onA vs ・ls di a gr am

(7)

ていないが, Fi g. 6の較 正 曲線 が 0 . 01 ≦D s ≦ 1 . 0 の間 で適当な間隔での D s をパ ラメータとす る曲線群 を構成 出来れば実用的な もの となるであろう。

4. まとめ

本研究 はこれまでの方法で は測定 が困難 な厚 さが 0 . 1

‑ 1 . 0[ mm] 程度 の固体材料 の熱伝導率 の測定法 の開発 を目的 とす るものである . 本論文 はその第一歩 として, 実際に予想 され る測定装置を二次元温度場で近似 し,数 値解析を用 いて測定 の可能性 について検討を加えた。

得 られた主 な結果をまとめると以下のようである。

(1 )大 きな熱伝導率を持つ厚 いベース上に試料を置き, 試料 をその上部 に置 いた狭 い帯状 ヒー ターで非定常加熱 を行 う現象を考 えた。 その ときに, 式 ( 12) で定義 さ れ る ヒー ターの温度上 昇率 A[ ℃/ S]を測 定 す る と, A[ ℃/S]と試料 の熱伝導率 is l W/( mK) ]との問 に 1:

1 の対応が成立す ることを明 らかに した。

(2)従 って,^[ ℃/S]とIs [ W/( mK) ]との間 の曲線 関係を較正曲線 として用 いれば試料 の熱伝導率 を測定す

ることが可能 になる。

(3)較正曲線 に対す る各種のパ ラメータの影響を検討 し,実験装置の最適 な使用材料 の予測が出来た。

今後 の 目標 と して, 試 料 厚 さをパ ラメ ー タとす る A [ ℃/S]とIs [ W/( mK)]との間の曲線群を作成 し, 実 験装置を作成後,実験結果 との比較 ・検討 を行 うつ もり である。

終 りに, この研究 に対 し適確 なご助言を頂 いた,山田 悦郎名誉教授 に感謝 の意 を表 します。

1

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二 二

As ‑0. 2

As ‑ 1 . 0

0 1

0・ 050・ 1 0

5

1

D s [ mm

]

5 1 0

Fi g. 9 A vs . D sdi agr am

REFERENCES

[ 1 ]ェネルギー教育研究会 :現代エネルギー ・環境論 ( 株 ・電

力新報社,

7 , 1 9 9 7 )

[ 2

]日本機械学会編 :熱物性値測定法 (養賢堂

, 1 6 6 ‑ 1 8 3 , 1 9 9

1)

[ 3 ] 京都電子,QTM‑ 5 0 0

技術資料

[ 4 ]山田 ら :第 3 6

回 日本伝熱 シンポジウム講演論文集

( 3 6, 6 8 5 ‑ 6 8 6 , 1 9 9 9 )

[ 5 ]高 橋 ら :第 2 2

回 日本 熟 物 性 シ ンポ ジ ウ ム講 演 論 文 集

( 2 2 , 3 0 8 ‑ 3 1 0, 2 0 0 1 )

[ 6

]日本熟物性研究全編 :熟物性資料集‑断熱材編‑ (養賢堂 ,

1 9 8 3 )

[ 7

]斎藤武雄 :数値伝熱学 (養賢堂

, 1 1 5 ‑ 1 5 5, 1 9 8 6 ) [ 8 ]赤坂

隆 :数値計算 (コロナ社

, 3 7 7 ‑ 4 3 9, 1 9 6 7 ) [ 9

]甲藤好郎 :伝熱概論 (養賢堂

, 3 9 4 ‑ 4 1 4, 1 9 6 7 )

‑2 7‑

Tabl e2 Var i ouspar amet e r sf orc al cul at i on

参照

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