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スイッチドキャパシタデータ変換器に関する研究

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Academic year: 2021

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スイッチドキャパシタデータ変換器に関する研究

著者 近藤 一之

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 13

ページ 147‑148

発行年 1992‑03‑30

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1755

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氏名。 (本 籍 )  近          之  (二 重県 )

学 位 の種 類 工 学 博 士 学 位 記 番 号    工博乙第   30  

学側鶏ゆ 日付   平 成 2年 11月 27日 学側壁ρ 要件    学位規則第 5条 2項 該当

学位論文題ロ    スイ ッチ ドキ ャパ シタデータ変換器 に関する研究

論 文審 査 委 員   (委 員長

)

教 授   柿 元   章

教 授 池 田 弘 明   教 授 水 品 静 夫 教 授 助 川 徳 三   教 授 渡 辺 健 蔵

論 文 内 容 の 要 旨

アナログ /デ ィジタル (A/D)変 換器及びセンサの信号処理をするデータ変換器は計測制御の分 野を始めとして我々の身近な領域においてもなくてはならない存在である。またスイッチ ドキャパ シ

タ回路はスイッチとキャパ シタを用いて等価抵抗を実現する回路であり ,そ の基本動作はキャパ シタ に蓄えられる電荷をスイッチの開閉でディジタル制御することである。つまり回路自体が元来アナロ グ・ ディジタル混成回路である。従 って ,モ ノリシック ICttA/D変 換器を構築するのに最適な

1回

路である。本研究はスイッチ ドキャパ シタ回路を用いて計測分野の A/D変 換器を開発することを目 的としている。第 1章 は序論であり ,こ うした研究の背景 ,従 来の研究 ,研 究の目的 ,論 文の概要が 記されている。

第 2章 では ,本 研究で試作 した回路の基本構成要素であるスイッチ ドキャパ シタアナログ演算回路 について概説 している。

第 3章 では ,浮 動小数点型 A/D変 換法が提案されている。その動作原理は二重積分型 A/D変 換 法を基礎 とするものである。まずアナログ電圧に比例 した電荷が積分用キャパ シタに蓄積され ,次 に 量子化単位電荷がキャパ シタの電荷をゼロにするまで引き出される。分解能を上げるために ,電 荷蓄 積回数がアナログ電圧の大きさに応 じて 2の べき乗回に変化する。従 って ,電 荷蓄積回数 と引き出し 回数がそれぞれ ,浮 動小数点形式のディジタル出力の指数部 と仮数部に相当する。仮数部 10ビ ット

,

指数部 2:ビ ットの試作器が個別部品で作 られ ,動 作原理が実証された。

第 4章 では ,電 荷平衡型変換法とシングル不ロープ積分型変換法を組み合せ ,変 換速度を向上させ た。変換原理は Nビ ットの分解能中り上位 Mビ ットを電荷平衡型変換 し ,残 り N一 Mビ ットをシン

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グルス●―プ積分型変換で求める方式である。変換速度 は従来の方式では 2Nク ロックサイクルを要 していたのに対 し , 2M+2N― Mク ロックサイクルとなる。また ,両 変換方式の回路構成 は共通な部 分が多 く ,必 要 となるチップ面積はほとんど増加 しない。誤差解析が行われ ,MOSIC化 した場合

,

12ビ ットの精度が期待される。試作器により変換原理 と精度が実証さヽ れた。

第 5章 では ,ス イッチ ドキャパ シタ循環型 A/D変 換器が提案されている。これは少ない部品点数 で実現でき ,低 コス トの変換器となる。個別部品を用いて分解能 10ビ ッ ト ,変 換速度 0。 2msの 変換 器を試作 し ,変 換原理を実証 した。更にキャパ シタンスの不整合 ,ク ロック信号のフィー ドスルーの 変換精度への影響が計算された。これにより MOSIC化 した場合 ,キ ャパ シタンスの不整合を 0.05

%に 抑えれば 10ビ ット以上の精度が得 られることが明 らかになった。

第 6章 では既製の A/D変 換器の精度向上法が提案されている。その方法は , l LSBに 相当す る 振幅を持つ三角波をアナログ入力電圧 に重畳させ ,三 角波の 1周 期 にわたり m回 サ ンプ リングし

,

その平均値を求める方式である。 32回 のサンプ リングで精度が 4ビ ット向上 した。

第 7章 では ,容 量型変化型センサの信号を処理するためのデータ変換器として ,循 環型 A/D変 換 器を用いる方法 ,浮 動小数点型 A/D変 換器を用いる方法の二つが述べられている。循環型データ変 換器の動作原理は ,ま ずセンサ容量に比例 した電圧をサンプルし ,次 にこれを循環型 A/D変 換する 方式である。個別部品で作 られた試作器は分解能 9ビ ット ,測 定時間 0,2msで 誤差 0。 7%以 内であっ た。またこの回路の応用 として湿度センサの信号処理を行 った。相対湿度 20〜 90%で 測定が行われ

,

容量値の誤差は 0.2%以 内となった。

また浮動小数点型 A/D変 換器を用い ,広 いダイナ ミックレンジを持つ ,セ ンサ信号処理のための データ変換器が考案された。回路は積分器 ,比 較器 ,デ ィジタル制御回路より構成されている。積分 器 はまずセンサの容量をそれに比例 した電荷の形でサンプルする。次に量子化された単位電荷が積分 器出力をゼロとするまで引き出される。サンプルする回数がセンサの容量値に応 じて 2の べき乗回に 変化 し ,デ ィジタル出力は浮動小数点形式で得 られ ,ダ イナ ミックレンジが広がる。個別部品で作 ら れた試作器は 80dBの 測定範囲にわたり誤差 1%以 内となった。湿度センサの信号処理が試作器を用 いて行われた。相対湿度 20〜 90%で 測定され ,容 量値の誤差は 0。 4%以 内となった。

第 8章 は結論であり ,本 研究を総括 している。

以上 ,第 3章 か ら第 7章 で提案 したデータ変換器に共通する特長 は

(1)い ずれも回路構成が簡単であり ,MOSIC化 した場合小さなチップ面積で実現で きる o特 にセ ン

サ信号処理回路への応用についてはセンサの製造工程 と共通な部分が多 く , 1チ ップのセンサー体 形のデータ変換器が期待できる。

(2)ま たオペアンプのオフセット電圧 と有限な開放利得 ,浮 遊容量に影響を受けず ,従 って高い精度 が期待できる。

などが上げられる。本研究で得 られた成果 は直接あるいは間接に計測制御の分野において利用され るであろう。

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