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Facebook を活用した子ども・若者からの試行的意見聴取の結果概要

内閣府では、若者の意見表明機会を確保する取組の一環として、Facebook を活用して、 若者から意見聴取を行った。実施は、Facebook のグループ機能を利用し、グループ内で特 定のテーマに関し意見を出し合い、必要に応じてファシリテーターやアドバイザーが議論 に参加するという方法で進められた。 (1)試行内容 ①実施時期 平成 24 年9月 18 日(火)∼平成 24 年 10 月2日(火) ②テーマ 「子ども・若者の社会参加の促進∼社会への参画・就労をサポートするために何を なすべきか∼」 ③参加者 ・24 年度ユース特命報告員における Facebook 利用者のうち希望する者 47 名 (高校生:9名、大学生等(※):12 名、社会人:23 名、家事従事:2名、家 業の手伝い:1名) ※「大学生等」の内訳は、大学生9名、大学院生2名、専門学校生 1 名 ・47 名のうち、発言をした者は 21 名 (高校生:4名、大学生:3名、大学院生:1名、社会人:10 名、家事従事: 2名、家業の手伝い:1名) ④関係者 ・ファシリテーター:参加者間の議論の喚起、促進 長尾 彰 氏 (NPO 法人エデュケーショナルフューチャーセンター 代表理事) 中川 綾 氏 (NPO 法人エデュケーショナルフューチャーセンター 副代表理事) ・アドバイザー:議論を深めるためのコメント提供 工藤 啓 氏 (NPO 法人「育て上げ」ネット 理事長) ・内閣府:資料やデータの提示 ⑤実施方法と流れ ・試行的意見聴取実施のため、内閣府事務局用に個人用アカウントを作成(「Facebook ページ」ではない)。 ・作成した個人用アカウントにて試行的意見聴取の「グループ」を設け、友達申請 をしてもらった参加者を招待。 ・当該グループのプライバシーを「秘密」(グループの存在・参加メンバー・投稿は メンバーだけに表示される)に設定。 ・ファシリテーターからのコメントに従い、

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119 ⅰ.問題や課題となる事項の論点出し(1∼4日目) ⅱ.当該問題や課題が発生する理由(7∼10 日目) ⅲ.当該問題や課題を解決する方策(11∼15 日目) という流れで、意見交換。 (2)参加者から寄せられた意見(概要) ※カテゴリーは、意見聴取過程で参加者とファシリテーターにより整理されたものを利用した。 ○機会がないことが問題 <問題提起> ・もっと直接的な政治への参加ができるようになることが重要。デモでしか民意を表せ ないような国ではダメなので、民意を表せるような方法が他にないか考えなくてはい けない。(家事従事 女性) ・行政・政治的な社会デザイン(予算決定/法律・条例策定など)に加わるチャンスが 少ない。超高齢化社会に突入している中、公的負担の「主人公」である私たち(将来 世代も含めて)が、もっと自分たちの頭/意思で、社会デザインの決定プロセスに参 画すべき。(社会人 男性) ・高校生にとって社会参画の機会はほとんどない。文書などで意見を提出することはで きるが、選挙には参加できない。「未熟」という理由で意見を軽視されているような気 がする。行政などにはもう少し子どもに対する認識を変えてもらえないものか。(高校 生 男性) <問題が起きた理由> ・国民の間の過度な不信もあるのではないか。選挙やパブリックコメントなどの制度が あるが、例えば投票率を見る限りその権利を放棄している人が多い気がする。できる ことはあるのに「どうせ何も変わらないでしょ。」という認識に支配されて、せっかく の機会・権利を無駄にしている一面もある。(大学生 男性) ・若者の議会議員が少ないことが原因ではないか。例えば地方議会議員や国会議員にも っと 20∼30 代の人間がいれば、その人の政策や発言内容に興味を持てる気がする。年 配の方々の意見ばかりが反映されると、若者としては「どうせ何も変わらないでしょ。」 という認識に繋がるのではないか。(社会人 男性) ・日本人の文化として年配の方を敬うということが行き過ぎて、どんなに若者が正当な ことを言っても受け入れがたい部分があるのではないか。(家業の手伝い 女性) ・行政と関わるきっかけは実は行政側も探っている。行政と企画や講演会などを一緒に やると、特に地方では重宝してくれるところも多い。しかし前例がないため、はじめ の一歩が難しいことも事実。(社会人 女性)

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120 <解決のためにできることは何か> ・高校生や大学生の声を拾う場はもっとあっても良い。その際、ネットか実際の場かに 限らず、個人対政府・自治体という構図ではなく、学生たち対政府・自治体という構 図を設けた方が良い。 みんなでやってる感 を出すことで、知識面や精神面の不安を 解消する。(大学生 男性) ・学校単位で意見を固めてそれを一つの票にしたり、各高校から代表者を選挙で決めて 輩出し各県毎に話し合いの場を設ける。(家事従事 女性) ・若者と何か一緒にやりたいと考えている元気な首長さんは多いので、逆に若者主導で いった方がうまくいく。(社会人 女性) ・国会議員の男女比、年齢比を人口と同じ割合か、あるいは若い世代の国会議員を増や せば、世代や男女差で起こるそれぞれの意見をより政治に反映することができる。(高 校生 女性) ・地方議員については、地域にもよるが兼職している議員の多さが気になる。特に地方 ではとても専業ではやっていけないとも聞く。経済的な支援を増やせばチャレンジす る若者には心強い。(社会人 男性) ○地域や人とのかかわりが少ないことが問題 <問題提起> ・地域との関わりが少ない。小さい事かもしれないが、挨拶からでも地域に社会に関わ って行く事、関わっているという意識を持つ事は大切。また、小さい時から周りの大 人(近所の人も含めて)から色々と教わる事や子ども同士が交流できる場所というのも 若者が社会参画をしていく上で大切な通過点ではないか。(家事従事 女性) ・余裕はなくとも、きっかけさえあれば面白いことには参加してみたい人は多い。しか し、ひとまず参加してみたいとは思ってもそこから真面目なフェーズにうつるとなる と二の足を踏む若者も多い。大都市は人がたくさんいるので、なんとなく若者が社会 問題と向き合うきっかけは NPO、イベント等たくさんある気がするが、なかなか地方 では難しい。(社会人 女性) <問題が起きた理由> ・個人主義や個性が良い価値観とされ、他人との協調、助け合いが軽視されていったこ とがひとつの原因ではないか。(大学生 男性) ・総合職などの地域に関係ない働き方をしている人も多く、次から次へと居住地が変わ る場合は、参加したくとも参加した途端、会社の辞令で異動など、社会参加しにくい 働き方をしている。看護士など夜勤などの新しい勤務体系で外に働くことに力をいれ、 シェアハウスやマンションなど新しいライフスタイルを取り入れた結果、その建物内 や居住契約の範囲内で話が終わってしまうことも多い。(家業の手伝い 女性)

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121 <解決のためにできることは何か> (※コメントなし) ○意識がないことが問題 <問題提起> ・若者が待ちの体制でいる。何でも与えられるのを待つのではなく、自分から動いて、 得ていくようにならないと、なかなか社会に参画していくのは難しい。行政や学校か ら与えられる『場』に慣れすぎたりせずに、自分たちからアクションを出して行けば、 どんどん無視できない存在になっていく。(社会人 女性) ・課題だと感じていることは「学生の能動的な学習」。学校・先生方のサポート体制があ れば少しずつ、自ら前へ出てくる人が現れる。(高校生 男性) ・そもそも社会参加に興味が持てない、興味を持つきっかけが少ないのではないか。社 会や社会問題に目を向ける意識を、子どもや若者が持てるきっかけづくりを構築する 必要がある。ただ、大学に行くと社会といった大きな視野に立って物事を考える人が 最近少ないと感じる。自分のことしか考えない人が多い気がしていて、社会参画以前 の問題なのかもしれない。(大学生 男性) ・社会の枠組みを作る側と若者の両サイドにおいて「当事者意識」の欠如を度々感じる。 財界・政界など社会の核として枠組みを作っている人達のほとんどは若者ではない。 若者側は、枠組みを作った人が勝手にやった、私達の問題ではない、彼らが何とかす るだろう、と考えている。(社会人 男性) ・若者が議論の無意味さを感じている。このフェイスブックを使った議論さえ、こんな にも一生懸命時間を使って議論している人がいるのに、この議論の結果を公表しただ けで実際の社会に反映されなければ、議論をした意味がない。(家事従事 女性) ・行政に関わる機会の少なさ、行政に対する興味の少なさが問題。主導的に変えなけれ ばならないという意識が不足している。(高校生 女性) ・社会参画に興味がない若者が多いことが問題。(大学生 男性) <問題が起きた理由> ・そもそも参画の機会を知らなかったという「情報の不足」や、能動的に参画していこ うとする「意識・意欲が欠けている事」が問題。地方・国政ともに若者の議員が少な く、発言力も小さい事が、若者の政治への当事者意識の低下と参画意欲の低下を招く というロジック。(社会人 男性) ・若者の意見があまり反映されないからなのではないか。(大学生 男性) ・学校のシステム自体に限界があるからでしょうか。学生も教員も目先の評価を気にし すぎてのびのび考えられていない。(社会人 女性)

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122 ・核家族が増えて自分と同世代かもしくは親と数名の大人としか交流が持てないがため に、思考が狭くなっていることが問題の背景にあるのではないか。(大学院生 女性) <解決のためにできることは何か> ・学生を社会参画へといざなう事業のような「経験の場」が増えていくと、関心のある 若者が増え、社会へ積極的に参画する若者が増えていく。(高校生 男性) ・勉強だけでない学外のいろいろな活動をプラスに見る評価、まめに努力する回数を加 点する評価、やる気を目に見える形で表す評価など、子どものもっている発想をつぶ さず自由にしていられる学校のシステムができたら良い。(社会人 女性) ・子どものうちから異世代交流の機会を多く持ち、自分の将来について現実的に具体的 に考えるようにすることが必要。(大学院生 女性) ○議論の経験がないことが問題 <問題提起> ・活発な意見交流がない。個人がお互いにお茶を片手にのんびりと話せる程度には、そ うしたことが気軽な形で習慣化すれば良い。(社会人 女性) <問題が起きた理由> ・ディベートなど、意見をしっかり言えるようになる教育が学校では全くされていない。 (家事従事 女性) ・ディベートの機会は明らかに少ない。小学校でやったディベートは、ただ先生に言わ されているだけ、中学でやったディベートは、台本を作って発表するもの。これは、 ディベートではなく、単なるまねごとではないか。教師が本当のディベートを理解し ていない点は問題ではないか。(高校生 女性) ・教員の聞き下手の改善をしなければならない(家事従事 女性)(社会人 女性) ・議論やディベートの授業では、やる気の差が激しいのが問題。参加するのを怖がって いる人をどう巻き込めるかが大切。(社会人 女性) ・間違ったことを言いたくないという人や、馬鹿な発言を許さないという真面目な雰囲 気も「意見交換する習慣」から遠ざかる原因。(社会人 女性) ・議論の場数は今も昔も変わらないのかもしれない。今と昔の違いは、何かの政治的事 象に対して自分の意見を持っているかどうかということか。真偽・出典は不明だが、 若者を対象にしたアンケートにおいて「わからない」という回答が増えていると聞い たことがある。(大学生 男性) ・周囲の人間の 聞き下手 も要因。保護者や教師が子どもの意見や主張をうまく扱え ず、子ども側が「言ってもムダだな。」と考えてしまうことが非常に多い。これがやが て議論や意見交流の無意味さへと連想させてしまう。大勢の前での意見表明が難しい ようであれば、せめて少人数間で議論する経験を持たせることぐらいは必要。(社会人

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123 男性) ・ 異なる境遇及び世代との交流の少なさ を挙げたい。いつも自分の身近な人間とばか り話していると、概ね分かり合っている同士なので議論慣れは促進されない。社会に 出ると、基本的には境遇や世代が違う人とコミュニケーションを取っていかなければ ならない。(社会人 男性) <解決のためにできることは何か> ・しっかり自分の意見を大勢の前で言えるようになる教育を受けさせること、クラスや 学年全体での会議をして物事を決めるという生活を子どもたちに基礎づけること、道 徳の授業を再開し社会についてしっかり学ぶこと、教育カリキュラムの改善で、議論 や意見交換の経験が上がる。(家事従事 女性) ・ダンスの必修化に伴って体育教師が自腹でダンス教室に通う位なのだから、他の教諭 も自分のスキルを高めるための努力をしたら良い。そうしたところに補助をすること で、多くの人が利用するのではないか。スキルアップの強制は必要。(家事従事 女性) ・学生自らも「こういうディベートや議論の授業のやり方にしたらどうか」というよう に新しい方法を提案できる仕組みがあればより面白い。学生と教員が一緒になって作 っていける授業ができたら、教員と学生にとって本当に意味のある授業ができてもっ と楽しめる。(社会人 女性) ・専門家の指導の下、教員にディベートを体験してもらい、どのように教育現場に持ち 込んだら良いのか専門家と話し合う。現場の先生方もきっと混乱している。不安や授 業への取り入れ方をアドバイスし、定期的な実践レポートを提出することにより現場 の抱える問題を把握し、サポートをする。先生方をサポートする環境を整えることや 優秀な方にはなんらかのメリットを与えることも意識改革には良い。(家業の手伝い 女性) ・皆が馬鹿だなと思うような発言の中にも、それが、今までになかった新しい発見や意 見である事で、後から、これは素晴らしい意見だ、となることもある。新しい考え方 や、見方は、怖がらずにどんどん発言できるような社会作りが必要。(家事従事 女性) ・身近な大人が教育カウンセリングを会得することを推進すべき。正しい傾聴の技法を 身につけている人はそう多くない。聞く側の準備ができていると話者も安心して発言 ができるようになる。(社会人 男性) ・教師の聞き下手の改善が必要。(家事従事 女性)(社会人 女性) ○余裕がないことが問題 <問題提起> ・いわゆる勝ち組の若者は、自分のキャリア形成が楽しく、それに突き進んでいる人が 多く、社会貢献したいという人も多い。一方で、地方の若者にはなかなかそういった 余裕がある人が少ない。首都圏の若者(学生)ほど裕福でない人が多く、社会に参画

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124 しろと言ってもそんなに時間的・精神的余裕がないというのが本音だろう。(社会人 女 性) ・就職先のなさ、先行きが不透明であるが故の若年層の向上心の低下。先行きの不透明 さの中には、雇用の安定の難しさ、年金の支給額の減額、結婚しても子どもが育てら れる環境にないなどがあげられるのではないか。(大学院生 女性) ・高齢化が進む中、選挙を通じた発言力は全年齢層で 20 代は最も弱く、働いても給料は 低く、貯蓄もままならない、非正規雇用が一般化した今では仕事や家さえも失いかね ない現実がまかり通っている。生きるのに必要な時間や、金銭的な余裕が確保された ら、自分の生活以外に社会に関わろうとする若い人も増えていくのではないか。(社会 人 男性) <問題が起きた理由> ・景気の悪さと政策の悪さが大きく影響。景気が悪いから一生懸命働くけれども、消費 税や住民税、社会保険料など、税金はどんどん上がる。非正規雇用は不安定で、いつ 切られるのかという精神的不安。社会に参加して1日潰れるなら、日給一万のバイト したほうが生活費を稼げる。このような悪循環があるのではないか。(家事従事 女性) ・景気の悪さや政策、世の中が全体的にどんよりとした雰囲気になっているのが理由の 一部。会社勤めならサービス残業などの過酷な労働環境、学生だったら日々の勉強に いじめなど、相談したところでどうにもならないような問題が多い。心のよりどころ となるもの、癒しとなるものが少ないのが原因。(高校生 男性) ・正式な場面で意見をするのに時間的に余裕がなく面倒。政治の世界が手軽に民意を聞 くことができるものに変えていく必要性がでてきている。この試行的意見聴取に参加 する前から、自分の意見を政治の世界に少しでも届けたいと思っていた。でも、それ は面倒だから放っておこうと思っていた。未成年なので、投票権もない。(高校生 女 性) ・実際に自分で社会に参加しようとすると、そんな時間はないと感じてしまう。自分の 生活費を稼いだり、子どもの世話だけで精一杯で、自分の時間を作ることも難しい。 (家事従事 女性) <解決のためにできることは何か> ・非正規雇用(に関する制度)を作るときや税金の引き上げをするときなどに、直接な 民意が全く反映されない。このような大きな事を決めるときは、しっかりと民意を反 映させるために、選挙の投票のように、一人一人の投票よって、社会の政策を決めら れるようにしないといけない。(家事従事 女性) ・このインターネットを使用した、面倒さがない企画(Facebook を活用した試行的意見 聴取)のおかげで、自分の意見を発表できた。(高校生 女性) ・もっと気軽で手軽に、家にいても社会に参加できる制度を作らないといけないと思う。 (家事従事 女性)

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125 ・手軽さは市民参画の実現にとても重要。この試行的意見聴取でさえ、フェイスブック の使い方もよく分からないしパソコン自体非常に苦手なので、絶対大変だろうなと不 安だったが、やってみたら時間を問わず、メール感覚で楽にできた。(社会人 女性) ○教育等の問題 <問題提起> ・「机にしか向かわせない学校教育」は問題。大学生ともなれば学外に出て社会と接する 機会に溢れているが、大学という枠の中にいる限り、それに気づくことがない。机に 向かって用意された正解を探すのではなく、社会に向かって正解のない問いに立ち向 かっていく訓練を学校でもするべき。(大学生 男性) ・市民が参加することで、市民だからこそ出せる斬新なアイディアを政策にプラスして いく場に、若者がどうやって社会参画すれば良いか分からない。参画しても、それを 効果的にするためにはどうすれば良いかわからない人もたくさんいる。ある政策を社 会全体のなかに位置づけ、全体図を描く方法、それらを現状のなかで読み解く能力、 その政策に対して自分の主張が与える長期的な影響を評価するための客観性などに対 するトレーニングをどこでどうやっていくべきなのかが課題。(社会人 女性) ・学校教育の中で 社会参画 という意識が育てられていないことが問題。学校は単に 集団行動や勉強をする場ではなく、将来社会に参画するという意思の土台を形成する 期間と感じる。(社会人 男性) <問題が起きた理由> ・学校での教育が「リアルタイムで世の中はどう動いているのか。」という観点で成立し ておらず、またそれを深く掘り下げて追究できていないことが主因。例えば、最近報 道された記事について事実内容を整理して原因や背景を調べたり、その内容が及ぼす 影響を予想し合うなど、社会の動向に触れさせることが大切。それによって社会の動 きが自分の将来と関わっていることを意識させなければ、能動的に学ぼうとする気持 ちが湧かない。(社会人 男性) ・今の中学受験の増加に問題がある。小さい頃(小学校4年生あたり)から、子どもの 意思に関係なく親が塾にいれている現状がある。塾に行けば、塾から与えられた課題 をこなすのみとなってしまい、その分、子どもの能動的学習の機会は失われてしまう。 しかも、志望校は親が決めている例も少なくなく、そのまま中学、高校とエスカレー ターで進んでしまう。待ちの体制で、ただ与えられた課題をこなすだけの子どもが多 い。(高校生 女性) ・学校教育が受験教育に主眼をおいているのは、やはり最近の学歴社会の復活にあるの ではないか。インターネットが普及し就職活動もネットエントリーが当たり前の時代。 エントリー数が肥大化すれば全員を面接するわけにもいかず、大学名のみで判断せざ るを得ない。(高校生 男性)

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126 ・「若者が待ちの体制でいる。」のは、中学→高校→大学と進学し、就職するというある 種決まりきった道を選択する人がほとんどだから。この道を選択しなければならない という社会的圧力のようなものを感じた。(社会人 男性) <解決のためにできることは何か> ・ゆとり教育では義務教育の段階から少しずつ、ディベートや自分で社会問題などの物 事を考える訓練も、「総合」という科目で行った。小学校の時には週に2時間もあった が「科目」としての役割は充分に果たされていなかった。この「総合」において、小 学校・中学校そして高等学校へもガイドラインを策定して、それに則って、社会問題 へ考える機会や実際に社会参画の体験などの機会を学校が「総合」の授業において実 行していくことが、「自分で真剣に社会について考え、動いていく人材」の育成につな がっていく。(高校生 男性) ・塾の制度をもう少し縮小すれば、少しは能動的に動くことができる若者が増える。(高 校生 女性) ・「能動的に動くことができる若者を育てる塾」があっても良い。そのような団体を育成・ 支援するような施策があれば民間組織でも可能ではないか。(社会人 男性) (3)事業実施に関するアンケート結果 【対 象 者】 Facebookを活用した子ども・若者からの試行的意見聴取に参加の申し込みをしたユー ス特命報告員47名 【実 施 方 法】 参加者に対し、事後アンケートの回答をメール及びFacebook上にて呼びかけ。参加者 はインターネット上のアンケートフォームから回答。 【実 施 期 間】 10月2日∼10月14日 【回 答 者 数】 26名(回答率 55.3%) 回答者内訳: (1)自己紹介の投稿を含め2回以上コメントを投稿した 11名 (2)自己紹介の投稿はしたが、それ以降コメントを投稿していない 4名 (3)参加登録のみで、1度もコメントを投稿していない 11名 ※以降、(1)を「投稿した」、(2)及び(3)を「投稿せず」として区分

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127 ①実施期間について もっと長い方が良い ちょうど良い もっと短い方が良い 投稿した 100.0% 0.0% 0.0% 投稿せず 61.5% 23.1% 15.4% 全体 79.2% 12.5% 8.3% ②議論を終えての感想 (ⅰ)新鮮味があって面白かった (ⅱ)ファシリテーターがうまく議論をリードしてくれた (ⅲ)内閣府からもっとデータやコメントを出してほしかった (ⅳ)他の参加者やファシリテーターのコメントのおかげで、考えを整理して伝 えられた

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128 (ⅴ)他の参加者の意見を見て、自分の考えに迷いが生じたり自信がなくなった (ⅵ)友人・知人にも参加を勧めたくなった ③自己紹介はしたものの、コメントしなかった理由(主な意見) ○他の方の意見を聞けたのはよかったが、自己紹介の後にFacebookを開いた時 には、すでに議論が始まっていて入りにくかった。 ○自分の意見をうまく伝えるのが得意ではないということもあり、議論に少し 圧倒されてしまった。 ○コメントをする時間がなかったせいもあるが、Facebookに投稿された多数の コメントに目を通すのが非常に見づらい印象を持つ。 ○忙しかったため、FacebookをPCで開く機会がほとんどなく、移動中に携帯で 確認はできたが、コメント入力に相当な時間がかかるため挫折してしまった。 ④これまでのメールを利用した意見募集やいわゆるパブリックコメントと比較 して良かったと思う点(主な意見) (即時性、双方向性がある) ○リアルタイムで他者の意見を見ることができ、他者の意見を見て自分の意見 を固めることもできる。 ○双方向性が強く、短期間に活発な意見交換が可能になった。 ○パブリックコメントは必要事項を記入して送信すればそれで終了するが、 Facebookでは意見に対するフィードバックがとても早く感じられた。 (気軽に参加できる) ○パブリックコメントは「堅苦しい」というイメージがあるが、Facebook上で の議論であれば高校生でも気軽に参加することができる。 ○必要に応じて質問などのやり取りをしながら、意見内容をまとめずに気軽に 発言できる。

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129 ○空いた時間に主張したいテーマに特化して記述できて手軽。 ○構えることなく参加できる雰囲気である。身近に感じることができた。 (その他) ○普段なら埋もれてしまうような意見もみることができる。 ⑤これまでのメールを利用した意見募集やいわゆるパブリック・コメントと比 較して悪かったと思う点(主な意見) (リアルタイムであるために、かえって意見を出しづらい) ○リアルタイムで議論が進んでいってしまうため、一日参加できないと参加し づらくなってしまう。 ○自分の意見を言う前に議論が先に進んでしまう。 ○流れに乗ることを強要させられているような感じがした。 (匿名性がない中で他の参加者の存在が気になる) ○自分の意見が他の参加者からみてどうかが気になり、発言しにくい。 ○他の参加者を気にした角のない意見しか言いづらい雰囲気がある。 ○他の参加者を意識して、参加者本人が本当の意見を述べているかどうかがや や疑問。 ○参加者の意見がいろいろ出ていて、圧倒されてしまった。 ○匿名性がない分、自分の意見に対して責任を持たねばならないと感じた。そ う考えると、容易には発言できず、発言を躊躇してしまう場面が多かった。 (少数派の意見が出にくくなる) ○積極的に意見を言う人の意見がどうしても強くなってしまい、少数派の意見 が出にくくなってしまう。 ○意見を誘導しようとする勢力の影響を受けかねない。参加者を選ぶ過程があ るのならその心配が一層増す。 (ファシリテーターにより議論が誘導される) ○ファシリテーターが議論をリードし過ぎた気がした。 ○ファシリテーターによる進行に問題があったのか、意見が集約されず、かと いって議論も発展せず、多少誘導されたような印象もあった。 (その他) ○2週間で自己紹介、問題提起、議論、解決方法の立案を行うのは時間的に厳 しい。 ○Facebookのコメントの画面が見づらく、使いづらい。 ○私生活を知られてしまうのが怖い。 ○パブリック・コメントと比較すると意見の対立から人間関係が悪化する恐れ

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130 があるため、議論できるテーマは限られる。 ⑥今後もFacebookを活用した意見聴取に参加したいか ⑦結果をどのように活用してほしいか(主な意見) (試行を続け、Facebookを意見聴取のツールの1つにしてほしい) ○今後も何回か続けていき、効果測定をした後に有効であれば意見聴取の効果 的なツールの一つとして使ってほしい。 ○定期的に企画し、有識者会議に結果を報告してほしい。また、有識者と話し 合えるような場もあると面白い。 ○実施前と実施後の参加者の意識変化を分析してほしい。また、その結果を研 究機関で活用してほしい。 (今回の取組を周知して意見聴取に興味を持つ若者を増やしてほしい) ○試行結果が、有識者会議での審議や子ども・若者育成支援推進本部への報告 に利用されるとのことだが、その過程や今回の取組を広く社会に公開し、意 見聴取に興味を持つ若者を増やしてほしい。 (フィードバックをしてほしい) ○実際にどのように使われたのかを参加者にフィードバックしてほしい。 ○出た意見に対して具体的にどう考え行動したのか若者たちにわかるように してほしい。 (国政運営の参考にしてほしい) ○ここで発言されたものがすべてではないが、若者の大切な声の一部であり、 参考意見の一つとして、国政運営上の参考してほしい。 ○良い意見は政策に取り入れてほしい。 ○参考の一つにするぐらいで良い。自由に使えば良いし、使わなくても良い。 ⑧改善点などの意見、提案(主な意見) (十分な期間を取るべき) ○2週間では自己紹介から解決への方法の立案まではかなり時間的に厳しい。 1か月半くらいかけてじっくり行っていくのが良い。

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131 ○もう少し時間を長く取り、意見提出していない人のコメントを待つような配 慮があればよかった。 (テーマ設定に工夫が必要) ○論題に枠組みがないことは自由な発想ができて議論に幅が出て良いが、抽象 的になってしまう。 ○話し合う問題をもっと絞ってほしい。また、どこまで話し合ったら良いか具 体的に示してほしい。 ○ファシリテーターが議題を分けてくれたものの参加しにくい人もいたので はないか。 (提出されない意見を拾い上げる工夫が必要) ○リアルな意見交換の場と混ぜて使えば、発言に対する警戒感なども減るので はないか。 ○消極的で意見を出さない参加者のため、雑談を交えるなど緊張をほぐす工夫 が必要だと思う。 ○各自が論点やトピックを随時追加できるようにするなどして、出遅れても参 加しやすいようにしてほしい。 ○Facebook上での議論と並行して、個別に意見を聞いてほしい。 (Facebookでのコメントの見づらさに対する工夫が必要) ○見づらく、一覧性が悪い。また、長文を投稿する人が多かったので、読むの が非常に難儀であった。もっと工夫が必要。 ○Facebookの機能をもっと活かしてほしい。チャット機能があるので毎日時間 を決めて、議論をしてはどうか。 ○Facebookだけでなく他のSNSも試した上で、多くの参加者が使いやすいと 判断した媒体を使うことを考えるべき。 (その他) ○ファシリテーターなしで実施する。

参照

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