171 土佐茶の認知度,土佐茶の顧客の年齢層などの質問が 出された。 第 3 報告では,金子能呼会員(松本大学松商短期大 学部)が「「出席レポート」の効果に関する一考察」 を報告した。松商短期大学で実施されている出席レ ポートを活用した学習サポートシステムについての報 告である。出席レポートがある授業とない授業とでそ れぞれ実施した出席レポートに関する学生アンケート 調査の結果を比較検討することで,出席レポートを用 いる授業では学生のメモを取る力の向上や学習時間の 増大などの効果が見られたこと,だがその一方でレ ポートの返却に時間がかかることを報告した。課題と して,レポートをうまく作成できない学生がいること などを述べた。出席者からは,他人のレポートのコ ピー提出について,レポートをどのように成績に反映 するのか,教員のホームページでレポートを公開して はどうか,などの質問や意見が出された。 (文責:新里泰孝,村田和博) 第 3 分科会 第 3 分科会の「教員養成と経済教育」では,以下の 3 つの報告が行われた。 (1)「経済に強い社会科教員の育て方」 東京都立小石川中等教育学校 新井明 本報告では,報告者が筑波大学大学院教育研究科で 行った経済学演習の非常勤講師の講義の体験をもとに, 教員養成系の大学院学生に対してより適した経済教育 の内容・レベル・方法についての検討内容や実践結果 の紹介が行われた。 この講義の体験をもとに,教員養成における経済教 育について,以下の 3 つの提案を行っている。第一は, 将来高校の社会(公民)科の教員を目指しているにも かかわらず,経済学の講義を受講していない学生が存 在するので,経済学を必修化する必要があること,第 二には中学校や高校の教科書を使用すること,第三に は経済を専門としない学生にも理解が可能な内容とそ のためのテキストが必要であることである。 報告後の討論では,社会科の教員になるためには経 済学の受講が必要であるという同様の意見が出された。 また,抽象的な理論の理解もさることながら,新聞を 購読し,その内容を理解できることの重要性も指摘さ れた。 (2)「学校における経済教育の推進と先生に必要な経 済知識─『教員養成における経済教育の現状と課題』 の発行─」 大阪経済法科大学 岩田年浩 愛知教育大学 水野英雄 本報告では,出版予定である著作『教員養成におけ る経済教育の現状と課題』の意図と内容について報告 された。 まず,はじめに岩田会員が,社会科教員が経済学を 受講せずに教員になっているという実態が報告され, そのあと水野会員は,教員養成系学部における経済教 育の柱となるべきポイントについて報告された。それ に引き続いて,分科会に参加された他の執筆者達から それぞれの担当した章について,意図や内容について 報告が行われた。 報告後の討論では,抽象的な経済理論を教えること が小・中学校の教員をめざす学生にとっていかなる意 義があるのかについて議論が行われた。 (3)「なぜ学校では自由貿易が教えられないのか─経 済のグローバル化の中でのローカルな教員養成─」 愛知教育大学 水野英雄・鵜飼遥佳・前田宗誉・村 井望 本報告では,はじめに水野会員が,グローバル化し ている現代社会における経済教育のあり方を,自由貿 易というテーマを手掛かりとして報告され,その後で 愛知教育大学の所属学生によって,社会科の学生に対 するアンケート結果について報告が行われた。 アンケート結果からは,経済的知識が不十分であり, 公民科を教えることに対して不安を抱いている学生の 割合が非常に高いことが明らかになった。しかし,経 済そのものに対する関心は決して低くないことから, 適切な経済教育の内容と機会を整備することの必要性 が改めて確認された。 報告後の討論では,教員養成系学部において経済学 の位置づけが低いのはなぜか,また経済学が嫌いな学 生に対してはいかなる授業を行うべきか,などの論点 について意見がかわされた。 (文責:栗原久,柴田透) 第 4 分科会 第 4 分科会では,「中学校・高等学校における経済 教育(1)」をテーマに以下の 3 報告が行われた。 第 1 報告は,金子幹夫会員による「経済教育におけ るカリキュラム構築の研究─経済教育と体験型学習の 関係について─」であった。参加者は 16 名であった。 本報告では,新聞教材を用いたアニマシオンを実践 する中で,体験型学習をどのようにカリキュラムの中 The Japan Society for Economic Education
第3分科会(分科会報告,大会報告 会務報告)
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