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久保:2011高次脳機能障害研修会:HP掲載用.pptx

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Academic year: 2021

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(1)

「高次脳機能障害」という用語に含まれる概念は、 背景となっている学問が複数存在するため、 その範囲は十分に統一されているとはいいにくい。

リハビリテーションの現場では、病院・施設で

現れる症状・障害だけでなく、

家庭での日常生活や社会生活の行動障害までを

含めたものとしてとらえる。

高次脳機能評価

1. 障害の質を、自分の目を経てよく理解する

2. 損なわれた機能だけでなく、損なわれていない機能も知る

3. 医学的診断、神経心理学的診断とも異なる視点に立つ評価

  を加える必要があるか、生活機能を知る。

セラピストは自身の力で、高次脳機能障害があるか

どうか、また質と程度はどのようであるか判断しな

ければならない。

高次脳機能評価

障害をとらえる際には、対象者の状態を評価

することが出発点。

ただし・・・

なぜ、何のために評価をするのか

① 結果を出して整理し、本人や周囲の人に説明をすることの

  必要性。

リハ導入への効率性。

対象者を理解するために評価を行う

評価の手順

① 家族などを含めた各種関連部門からの情報収集・整理

② 面接と観察による状態像の理解

③ 神経心理学的検査

(2)

・発症から現在にいたる情報

・教育水準

・病前性格

・服薬歴

・職業歴

・家庭環境

・既往歴

発症前に収集しておきたい情報

家族などを含めた各種関連部門からの

情報収集・整理

初回面接:第一印象を心に刻む

対象者の気分、現状認識・将来希望をとらえていく。

観 察

①観察する場面・環境

要素的な運動として行えても、生活のなかで実用的に行えるか 背景となる場面や環境における刺激の量的・質的な変化によって おこる対象者の変化を観察する。

②基本的要素

・眼の動き、表情、態度、会話

・姿勢、身体運動、バランス能力

・目的活動

  どのようなことが引き金となっているのかを充分に観察する

・記憶

  一日の生活でどんな指示や確認が必要か、どの程度保持が出来るか どのようにしているのか

日常生活における観察の流れ

ADL できる できない なぜできないのか していない している どのようにしているのか できる方法はないか なぜしないのか なんだか変だなあ、うまくないなあと感じるところに高次脳機能 障害が影響している場合がある。これらを主観的評価に加え、 安全性、時間、効率性、快適性、できばえ、将来への影響などを 質的な要素として分析する。 渕 雅子:観察の方法.リハビリテーション評価.マエストロシリーズ③

各ADL面での観察

①基本動作

・ベッドの方向や枕の位置と正しく身体   を合わせられない。 ・起き上がりの際に麻痺側身体の存在を    忘れて起き上がろうとする。 ・トランスファーの際に麻痺側身体への  認識が低く、バランスがとれない 自己身体の認識と外空間の認識の連合であり、空間失認の影響 を強く受ける

自己身体の認識の低下や外空間に自己身体を適切に

合わせることの障害

②食事動作

・箸やスプーン・フォークを使えない、   誤って使う ・箸操作が拙劣で、箸の口への方向付けが  正しく行えず、こぼす ・食器内の食べ残し、口腔内の食物残渣 ・周囲の外的刺激に反応し、摂食できない

③整容動作

・道具使用の困難・拙劣さ、方向性の誤り ・使用方法の誤り ・動作手順の誤り ・磨き忘れ、そり残し 道具操作と口腔内や顔・頭部に対する適切な道具の方向付けの困難さ、 操作の誤りや方向性の誤り(失行)、半側空間無視、注意障害、遂行 機能障害

(3)

④更衣動作

・衣服に対してまったく反応しない。 ・せわしなく衣服のあちこちを触り、探索する行動がみられる。 ・左右袖を誤って通す、前後反対にかぶる。 ・左袖を通せない。 ・ボタンのかけ違いや、裾がはみだしている。 ・下衣をかぶろうとする。

⑤排泄動作

・下衣操作で左右どちらのズボンおろしが不十分 ・トイレットペーパーや水洗のレバーの操作が出来ない ・便器や手すりにうまく身体を合わせられず、       安全なトランスファーが行えない。

⑥入浴動作

・動作手順、方法の理解が困難 ・シャワー・蛇口の使用、シャンプー等の使用困難 ・十分に麻痺側身体を洗体することが困難 道具操作の誤り(失行)や半側空間無視、身体失認、遂行機能障害 外空間に対する認識の低下である空間失認の影響と、失行の影響で その空間をうまく使えない.道具操作の誤り

⑦家事活動

(買い物) ・何を買いにきたのかを忘れる ・献立に合わせて適切な買い物ができない ・お金を適切に支払うことができない (調理) ・火の消し忘れがある、どの工程までいったのか忘れる ・調理の効率が悪い ・調理器具の使用の誤り、拙劣がみられる

⑧その他

(自販機やATM、電話の使用) ・番号が思い出せない ・番号とボタンが一致しない ・手順が理解できない

失行や記憶障害、注意障害、遂行機能障害

スクリーニング

この過程のどこに問題があるのかを大まかにとらえる

高次脳機能を比較的「広く浅く」確認し、対象者の

問題の核心を予測する

標準化された評価法を用いて、特定の機能を

詳細に評価する

静かな個室、明るさ、疲れたら休息できる雰囲気 何をするためのもので、どんなことを行い、どう役に立つのかを日常 生活の状況と検査との関連がわかるように対象者に伝える 用紙サイズ、道具は一定のものを使用し、用紙や見本は患者の正中 に提示する

実施時の留意点

純粋症例は少なく、症状を複数併せ持つ場合が多い

精神症状や全身症状また薬や環境変化に影響を受けやすい

検査目的を分かりやすく説明し、評価により分かったこと

を患者・家族に分かりやすく説明する

(4)

失認

半側無視

失語

記憶障害

失行

意識・注意・ワーキングメモリの障害

高次脳機能障害の

構造

意識

< 意識の情報処理モデル > < 高次脳機能障害の経時的なとらえ方 > 鈴木考治:マエストロシリーズ③ リハビリテーション評価. 意識と注意はその性質や機能において互いに重複している。

全般的機能

・意識障害の有無     ■JCS     Ⅰ.刺激しないでも覚醒している状態(1・2・3)  Ⅱ.刺激すると覚醒する状態―刺激をやめると眠り込む(10・20・30)  Ⅲ.刺激をしても覚醒しない状態(100・200・300) ・意欲/発動性障害の有無  ■自ら積極的に行おうとする行動や態度がみられる ・見当識障害の確認   ■時  ■場所  ■人(家族が判る) ■人(担当セラピストが判る) ・知的機能の確認  ■MMSE  ■kohs立方体組み合わせテストIQ  ■WAIS-R   

注意の分類

全般性注意

方向性注意

全般性注意障害

半側空間無視

( generalized attention ) ( directed attention ) (unilateral neglect) 外界や身体に対する 注意の方向性に関する障害 加藤元一朗:『注意の概念』,PTジャーナル(2003)

障害

障害

対象に向けられる

注意の要素

情報の見極め

複数のことに気配り

できる

行動

選択性

多方向性

(配分性)

覚醒の維持

注意の方向性

行動のモニター

・選択性抹消課題

【 順唱 】

【 逆唱 】

2−5−8

3−7−9−4

5−3−1−6−4

1−5−4−9−2−7−6

7−0−8

9−4−6−3

2−7−3−9−5

8−4−6−1−3−7

(5)

Part A Part B 年代群 人数 平均(標準偏差) 平均(標準偏差) 20歳代群 91 66.9(15.4) 83.9(23.7) 30歳代群 58 70.9(18.5) 90.1(25.3) 40歳代群 48 87.2(27.9) 121.2(48.6) 50歳代群 45 109.3(35.6) 150.2(51.3) 60歳代群 41 157.6(65.8) 216.2(84.7)

標準注意検査法

(CAT:Clinical Assessment for Attention)

標準注意検査法

(CAT:Clinical Assessment for Attention)

1)時間軸による記憶の分類

短期記憶 長期記憶 認知心理学的 神経心理学的 即時記憶 近時記憶 遠隔記憶 逆向健忘 前向健忘 展望記憶(予定記憶)

記憶

2)内容の質による記憶の分類

視覚性記憶 言語性記憶 意味記憶 エピソード記憶 手続き記憶

陳述記憶

非陳述記憶

プライミング

言語性記憶

三宅式記銘力検査

視覚性記憶

Benton視覚記銘検査

□図形の遅延再生:10秒提示し、15秒後に紙と鉛筆を渡し描写させる

(6)

いつどこで経験したかという時間的・空間的に定位された   出来事の記憶 □「昨日食べた昼食は何ですか」 □「病気をしてどれくらいたちますか」 単語・数字・概念などこれまで学んできた知識的なものの記憶 □「鉛筆1ダースは何本ですか」 □「火曜日の前の日は何曜日ですか」

日本版リバーミード行動記憶検査( RBMT )

日常記憶の障害を検出し、 さらに記憶障害に対する 治療による変化を調べる 目的で開発。 項目 下位検査項目 課題 1・2 姓名の記憶 顔写真を見せ、姓名を記憶させる。遅延後に再 生させる。 3 持ち物の記憶 被検者の持ち物を隠し、他の検査終了後に想起 させて返却を要求させる(展望記憶) 4 約束の記憶 20分後にアラームが鳴る様にセットし、鳴ったら決 められた質問をする(展望記憶) 5 絵カードの記憶 呈示した絵カードの遅延再認(視覚的課題) 6a・b 物語の記憶 物語の直後再生と遅延再生(言語的課題) 7 顔写真の記憶 提示された顔写真の遅延再認(視覚的課題) 8a・b 道順の記憶 部屋の中の道順を検者がたどり、直後遅延後に被検者にたどらせる(空間的課題)(展望記憶) 9a・b 用件の記憶 8の道順課題の途中で、ある用事を行わせる (直後・遅延)(展望記憶) 10 見当識 日付、場所、知事名の想起(近時、遠隔記憶)

日本版ウェクスラー記憶検査( WMS-R )

国際的に最も使用されている

総合的な記憶検査

適用年齢 16歳0ヶ月 74歳11ヶ月 所要時間 45分 60分 診療点数 450点 下位検査 記憶指標 課題内容(あるいは例) 1.情報と見当識 ー 本人の名前や年齢、日時、総理大臣の名前等 2.精神統制 注意/集中 20から1までの数字の逆唱など早く行う 3.図形の記憶 視覚性記憶 図形を短時間みた直後、多くの図形から選ぶ 4.論理的記憶Ⅰ 言語性記憶 150字ほどの物語を聞いた直後、内容の再生 5.視覚性対連合Ⅰ 視覚性記憶 6つの図形を色の対を示し、直後に図形を 示して対の色を答える 6.言語性対連合Ⅰ 言語性記憶 8つの単語の対を聞いた後、単語の対を答える 7.視覚性再生Ⅰ 視覚性記憶 図形を見た後、その図形を描く 8.数唱 注意/集中 数字の順唱、逆唱 9.視覚性記憶範囲 注意/集中 四角を触り、同順序・逆順序のタッピング 10.論理的記憶Ⅱ 遅延再生 論理的記憶Ⅰの物語の内容を遅延再生 11.視覚性対連合Ⅱ 遅延再生 視覚性対連合Ⅰの図形と色の対を遅延再生 12.言語性対連合Ⅱ 遅延再生 言語性対連合Ⅰの単語の対を遅延再生 13.視覚性再生Ⅱ 遅延再生 視覚性再生Ⅰの図形を遅延際 言語を使った問題と図形を使った問題で構成され、 13の下位検査がある。

【構成】

(7)

視覚の二つの情報処理経路

視覚経路図(背側経路と腹側経路)

   立体視の情報処理「CLINICAL NEUROSCIENCE 2004 vol.22 No12」より

◆ 視覚性失認

定義:視覚提示されたものを同定できない症状。言語・記憶・一般的知能が    十分に保たれていて、それによる障害とはいえないものをいう。    視覚以外の感覚モダリティ(聴覚/触覚など)を用いると認知できる。

色彩失認

定義:色の認知や呼称が特異的に出来なくなる病態。 ・大脳性色盲:中枢神経障害による色覚異常。 ・色名呼称障害:視覚と言語の離断症状。         言語化してしまうと不良。 ・特異的色彩失語:言語の障害があるが、          色名がとりわけ強く障害。 検査:■色の呼称 ■色のポインティング    ■色のマッチング ■色相分類    ■塗り絵  ■色名想起 色の呼称/ポインティング/マッチング 色彩認知検査(VPTAより) 色彩失認分類

相貌失認

定義: 熟知相貌の認知障害。よく知っているはずの身近な人や有名人の顔の識別/ 認知できないが、声を聞いた瞬間や服装/髪型、仕草や歩き方などで その人物を同定する事ができる。 また知っている人以外の顔でも、同じか否か、老若、男女、美醜、表情 などを正しく判断できるタイプとできないタイプがある。 検査: ①熟知相貌の検査 ②未知相貌の検査 表情の識別 有名人の識別 男女の識別 老若の識別

参照

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