~特別講座~
コーヒーのダイエット効果
コーヒーオリゴ糖情報センター 編 コーヒーオリゴ糖情報センターでは、コーヒーと健康に関する情報を提供しています。そ こで今回は、社団法人全日本コーヒー協会から発表されました研究をご紹介します。 【コーヒーの抗肥満効果】 1.肥満による弊害 現在、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる、または予備群と考え られる人は、男性で2人に1人、女性では5人に1人とされています。(平成19年国民健康・ 栄養調査概要)。 私たちの脂肪細胞からはアディポサイトカインと呼ばれる生理活性物質が分泌されてい ます。アディポサイトカインには善玉と悪玉があり、正常な脂肪細胞からは善玉が多く分泌 されるのに対し、内臓脂肪の蓄積により肥大した脂肪細胞から多く分泌されるのは悪玉で す。この悪玉アディポサイトカインは、動脈硬化や糖尿病といった生活習慣病を引き起こす 原因とされています。 2.体重調節のカギを握る自律神経 私たちの体重や体脂肪の量は自律神経の1つ、交感神経によって調節されています。食 事をした際、満腹と感じる満腹中枢は脂肪細胞から分泌される肥満抑制因子のレプチンに よって刺激を受け、脂肪の分解や燃焼を促進しますが、これらをつかさどるのが交感神経 なのです。つまり、交感神経の活動が高いほど、太りにくい体ということになります。コーヒーオリゴ糖情報センター
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Vol.6
~特別講座~コーヒーのダイエット効果 ① 満腹中枢 摂食中枢 食べるのをやめる 褐色脂肪細胞 白色脂肪細胞 ゲ プ ッ 満 腹 脂肪細胞 レプチン 食べる 交感神経の働き3.コーヒーは自律神経の活動を増強させる 京都大学大学院人間・環境学研究科にて行われた実験により、コーヒーがヒトの自律神経 活動を増強させることがわかりました。 男子大学生8名に3種類の温飲料(約100mgのカフェインを含むコーヒー、カフェインレス コーヒー、さゆ、いずれも150ml)を3日間にわけ摂取させ、心電図の測定を、摂取直前、摂取 直後、30分後、60分後、90分後の5回行いました。 自律神経活動の測定を、心拍変動パワースペクトル解析により行ったところ、3群間に心拍 数の差異は認められなかったものの、両コーヒー(カフェイン入り、カフェインレス)摂取後に、 総自律神経活動を反映するパワースペクトルの全周波域(TOTAL)が有意に高まっていまし た(図1)。これにより、コーヒー摂取後に、総自律神経活動が増強されたと推察できました。 4.カフェインの有無が活動を左右する 一方、交感神経の活動を反映する低周波数域、および副交感神経の活動を反映する高周 波数域のパワースペクトルは、カフェイン入りコーヒーのみに差異が認められました。このこと は、カフェインが交感神経と副交感神経の活動を増強させることを示しています(図2、3)。 しかしながら、総自律神経の活動はカフェインレスコーヒーでも増強されたことから、コーヒ ー特有の物質(香り、苦味など)が関与している可能性が示唆されました。
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2 ~特別講座~ コーヒーのダイエット効果 ② コーヒー カフェインレスコーヒー さゆ 400 図1 総自律神経活動 200 300 (%) 摂取前 摂取直後 30分後 60分後 90分後 0 100 500 P<0.055.コーヒーは脂質代謝を増加させる 同実験では、心電図に加え呼気ガスの計測も行い、呼吸商を求めています。温飲料の 摂取前、3群間には差が認められませんでしたが、摂取後の呼吸商は、コーヒー群で低値 を示し、摂取後90分には、さゆとの間に有意な差が見られました。 呼吸商は、消費エネルギーを間接的に測定する方法の1つですが、値が低い程、脂質を 多く燃焼したと考えられています。このため、コーヒーを摂取した後、呼吸商が低下をした ことから、脂質代謝の割合が増加したと推察できました。
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~特別講座~コーヒーのダイエット効果 ③ 0.60 0.70 0.80 0.90 1.00 p<0.05 図4 呼吸商 コーヒー カフェインレスコーヒー さゆ 摂取前 摂取直後 30分後 60分後 90分後 400 200 300 0 100 500 (%) 図3 副交感神経活動 90分後 30分後 60分後 400 200 300 (%) 摂取前 摂取直後 0 100 500 図2 交感神経活動 コーヒー カフェインレスコーヒー さゆ p<0.05 90分後 30分後 60分後 400 200 300 (%) 摂取前 摂取直後 0 100 500 図2 交感神経活動コーヒーオリゴ糖情報センター
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4 手軽で簡単コーヒーレシピ ひんやり美味しいコーヒーデザート ① ヨーグルトコーヒーアイス エネルギー :141kcal 「パルスイート」カロリーゼロ利用で122kcal(-19kcal) イチゴはビタミンC、食物繊維が豊富なフルーツです。ヨーグルトと組み合わせることで、 コーヒーオリゴ糖の整腸作用をさらに助けます。コーヒーアイスの苦みとイチゴの酸味が組 み合わさった、ひんやりデザートです。 ●ブレンディコーヒーオリゴ糖入り インスタントコーヒー 小さじ2・1/2(2.5g) ●ラクトアイス 25g ●バニラ(エッセンスでも可) 少々 ●プレーンヨーグルト 80g ●イチゴ 小3粒(25g) ●砂糖 大さじ1/2強(5g) ⇒ 「パルスイート」カロリーゼロ スティック1本 /小さじ1/2強(1.8g) ① ラクトアイスにコーヒー、バニラエッセンスを加えて混ぜ、丸く形作り、再び冷凍庫で 冷やす。 ② イチゴは小さく切ってつぶしながら、砂糖(または「パルスイート」カロリーゼロ)を加え ソースを作る。 ③ 器にヨーグルトを盛り、①をのせて、イチゴソースをかける。 材料2人分 作 り 方 コーヒーは飲むだけでなく、ちょっとした工夫で素敵なデザートになります。「コーヒーオリゴ糖入 り」コーヒーを利用したレシピは美味しさだけでなく、腸内環境を良好にし、免疫機能も増進できる 優れものです。エネルギーが気になる方は、甘さの調節に低カロリー甘味料の「パルスイート」カロ リーゼロを使ってみてはいかがでしょうか。ぜひお試しください。ひんやり美味しいコーヒーデザート
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手軽で簡単コーヒーレシピひんやり美味しいコーヒーデザート ② エネルギー :62kcal 「パルスイート」カロリーゼロ利用で 50kcal(-12kcal) コーヒーと紅茶を組み合わせたユニークなデザート。コーヒーゼリーと濃い目に作った紅茶の 絶妙な組み合わせです。整腸作用のあるコーヒーオリゴ糖が入ったゼリーは、たっぷり作って 冷蔵庫に保管して、いろいろなドリンクと合わせてみるのもおすすめです。 ●ブレンディコーヒーオリゴ糖入り インスタントコーヒー 大さじ1・2/3(5g) ●水 1カップ(200ml) ●ゼラチン 1袋(5g) ●紅茶 50ml(濃い目に入れる) 美味しさのワンポイント ⇒ ミルクティーに合うアールグレイなどがおすすめ ●牛乳 1/2カップ(100ml) ●砂糖 小さじ2(6g) ⇒ 「パルスイート」カロリーゼロ スティック/小さじ1/2強(1.8g) ① ゼラチンを大さじ1の水でふやかす。 ② 鍋に①、半量の水、コーヒーを加え火にかける。 ③ ゼラチンが溶けたら火を止め、残りの水を加え、平らな容器に入れ冷やし固める。 ④ 紅茶を濃い目に入れ、砂糖(または「パルスイート」カロリーゼロ)、牛乳を加えミルクティー を作る。 ⑤ グラスにコーヒーゼリーを崩し入れ、④を注ぐ。 コーヒーゼリーinミルクティー 材料1人分 作 り 方一般生活者が知りたい栄養や健康に関する疑問を、管理栄養士さんに聞きます!