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ODA による成功例 1 灌漑施設建設の成功例 1 インドネシア小規模灌漑管理事業 (3) 1998 年から 2004 年に実施された円借款 小規模灌漑管理事業 (3) は インドネシアの東部 6 州において堰 ( 頭首工 ) やダムの建設による表流水灌漑施設の整備とともにポンプの設置による地下水灌

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ODA による成功例 1 灌漑施設建設の成功例 ① インドネシア小規模灌漑管理事業(3) 1998 年から 2004 年に実施された円借款「小規模灌漑管理事業(3)」は、 インドネシアの東部 6 州において堰(頭首工)やダムの建設による表流水灌 漑施設の整備とともにポンプの設置による地下水灌漑施設の整備を行い、米そ の他の農産物増産を通じて、農民の所得向上および貧困削減に貢献した。 2006 年に実施された事後評価によると、灌漑施設整備を行った東部 5 州に おいては、作物単収が雨期で51%、乾期で 93%上昇している。また、耕作面 積は雨期で 33%、乾期で 202%、それぞれ増加している。この結果、農民へ のインタビューでは、本事業後の米収穫量は5 州平均で 128%増加したと答え ている。また、生活水準については41%が「大いに向上した」、48%が「ある 程度向上した」と回答している。 本件を含めて、インドネシアでは 1970 年以降、51 件の円借款事業を実施 して約 37 万 ha の灌漑施設を整備しており、これはインドネシアの全灌漑面 積約780 万 ha の約 4.7%にあたる。また、1980 年には無償資金協力により「灌 漑排水施工技術センター」を整備するとともに、同センターを活用したプロ技 「灌漑排水技術改善計画(1994-99)」 を実施し、円借款による灌漑施設整備 に併せて灌漑技術者の育成を行うこと により、施設の適切な運用に関する技 術面の支援を行った。 これらの支援を通じ、日本はインド ネシアのコメの自給達成と生産の増加 (1970 年:約 1930 万t→2008 年:約 6025 万t)に大きく貢献している。 ② マラウイ小規模灌漑技術協力計画 マラウイ国では小規模農家のほとんどが天水農業に依存しており、干ばつや 洪水等の自然災害に対し脆弱である。同国政府は灌漑農業の拡充による農業生 産性の向上と作付面積の拡大を政策目標に掲げているが、セメントやポンプ等 の利用による恒久的灌漑施設の開発が主流であるため、施設の持続的利用や維 持管理において費用・技術面の課題が山積し、灌漑面積の著しい増加は見られ ていない状況にあった。 こうした背景から、2002 年度より JICA は開発調査「小規模灌漑技術力向上 円借款事業によって整備された灌漑水路

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計画調査」を実施し、小規模灌漑農業技術の普及のための小規模灌漑開発パッ ケージ(ガイドライン・技術マニュアル・普及教材)を作成。研修の実施を通 して調査対象地域の普及所の普及能力を強化した。2005 年度から 2006 年度に かけては「小規模灌漑普及」専門家派遣を通じて研修対象地域が拡大され、各 地で小規模灌漑の普及が促進された。 これらの成果を受け、「普及員研修の全国的展開」「各地における技術実践の 経験や教訓の検証を通じた小規模灌漑開発パッケージの改訂」などの活動を通 じ、小規模灌漑農業の全国的な普及体制を整備するため、JICA は 2006 年から 2009 年まで技術協力プロジェクト「マラウイ小規模灌漑技術協力計画」を実 施した。 プロジェクトでは、地域で入手可能な資源である石・木材・竹などを利用し た小規模灌漑施設建設技術の体系化 を行い、農民でも確実に活用できる技 術として普及を支援した。その結果、 全国の小規模灌漑適地の84 普及所に 所属する普及員に対する研修が実施 された、小規模灌漑農業技術(灌漑開 発技術及び農業技術)を習得した491 名の普及員が育成された。また、1,449 か 所 の 小 規 模 灌 漑 サ イ ト に お い て 2,760ha の灌漑面積が増加した。 2 有機農業支援の成功例 ドミニカ共和国北部中央地域小規模農家向け環境保全型農業開発計画 ドミニカ共和国では農業は伝統的基幹産業であるが、農民の約 90%が中小 農家であり技術や市場へのアクセスが不足していること、化学肥料や農薬等の 集中使用による土壌の劣化が著しく生産性の低下を招いていること等の問題 を抱えている。 このため、同国農務省は、持続可能な農業への転換を目指すとともに、市場 競争力を持たない小規模農家が家族労働力や未利用資源を活用して付加価値 の高い環境保全型農産物を生産・販売することにより収入の向上を図ることを 目的として、2002 年 8 月に技術協力プロジェクトを日本に要請するとともに、 北中部に位置するラ・ベガ農業区において農業普及員や複数の農家を対象に環 境保全型農業技術にかかる研修を開始した。これに対し日本は当初シニア海外 ボランティア及び青年海外協力隊を派遣し支援を行い、2004 年 10 月から 木、石、草による取水堰

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2009 年 10 月までの5カ年計画で本件技術協力プロジェクトを実施した。 本プロジェクトでは、環境保全型農業技術の導入・普及を図るとともに、農 民の市場情報へのアクセス改善を支援した。また、2KR の見返り資金により 建設されたボカシ製造施設において、地域内の未利用資源を活用し、低価格活 品質の安定した有機質肥料の製造・普及を支援した。これらの活動の結果、 35 農家のうち 49%が高品質の野菜生産を、63 農家のうち 57%が高品質の キャッサバを、29 農家のうち 55%が高品質のサツマイモを、58 農家のうち 64%が高品質の調理用バナナを生産できるようになった。また対象農家が市 場情報を得られるようになったことで、仲介業者を介さない直接販売を実施し たケースや安定的かつより高値での販売が可能となりうる農業共同組合への 参画に向けた動きが約30 農家において見られるようになっている。 3 ODA による農業支援の成功例(有機、慣行にかかわらず) ① タンザニアにおける稲作支援 タンザニアへの稲作支援は1974 年に開始され、キリマンジャロ山のふもと にあるローア・モシ地区において、日本人専門家による灌漑稲作技術の定着を 目指した活動が行われた。また、1984 年から 1987 年にかけて円借款「ローア・ モシ農業開発事業」による灌漑施設の整備事業も実施され、両者の相乗効果に より、当時のタンザニアにおける平均収量が1.3 トン前後であったところ、ロー ア・モシ地区においては1 ヘクタール 当たり約 6 トンの平均収量を達成し た。この成果を全国に展開することを 目標に、1994 年には「キリマンジャ ロ農業技術者訓練センター(KATC)」 が発足し、日本人専門家による同セン ターの訓練教官の育成、能力強化に向 けた支援を行った。その結果、同セン ターで研修を受けた農業普及員や中 核農家を通じ、基本的な灌漑稲作技術 が全国に普及された。 これら稲作に対する我が国の一貫した協力の結果、タンザニア全国のコメ生 産は、日本が協力を開始した1974 年の約 22 万トンから 2008 年の 134 万トン へと6 倍以上に増加した。また、コメの単収についても、1974 年の1ヘクター ルあたり約1.3 トンから 2008 年の約 1.9 トンへと 1.4 倍に増加している。 現在、灌漑農業技術の一層の普及と技術の定着を目的として、技術協力プロ ジェクト「灌漑農業技術普及支援体制強化計画」を実施している。KATC の研 ローア・モシ地区の水田

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修ノウハウを国内3 箇所の農業訓練センターに移転し、KATC を含めた全国 4 箇所の研修拠点を通じてタンザニア全土での稲作研修を行いつつ、日本人専門 家によるタンザニア人教官の技術的なバックアップや新たな研修教材の作成 支援などを行っている。 タンザニアでは、援助機関や国際機関による援助協調が進んでおり農業分野 も例外ではないが、上記灌漑稲作研修の予算が日本を含む各ドナー出資の共通 予算(コモン・バスケット)から支出されるなど、財政支援型援助とプロジェ クト型援助のシナジーを効果的に示す事例となっている。タンザニアでは、 JICA が稲作分野の中心的な支援機関であるという認識が、タンザニア政府及 び関係ドナーの間で定着している。 ② フィリピンARMM 地域稲作中心営農技術改善プロジェクト 肥沃な土地や鉱物資源に恵まれ、成長の可能性を秘めているにもかかわらず、 フィリピン南部のミンダナオ島では政府とモロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation Front: MILF)間の紛争が長期化し(注 1)、同国内で最も貧 困率の高い地域となっている。JICA は 20 年以上にわたり支援してきたフィリ ピン稲作研究所と連携し、ミンダナオ西部のムスリム・ミンダナオ自治区 (Autonomous Region in Muslim Mindanao:ARMM)(注2)において「ARMM 地域稲作中心営農技術改善プロジェクト」を2005 年 2 月から 2010 年 2 月ま で実施した。同地域の約4,000 戸の農家を対象に営農技術を指導し、農作物収 量の大幅な増加や農業収入の向上を実現した。 プロジェクトでは、多くの農家に技術を広めるため、農業改良普及員の活用 と展示圃場を活用した実践型の研修方式を採用した。まず、ARMM 地域の普 及員に対して1~2 週間の研修を行って稲作や野菜栽培技術を伝え、同時に普 及用教材を配布し、この普及員が同地域の160 ヵ所に展示圃場をつくり、近く の農家に栽培方法を実践的に指導した。プロジェクトを実施した 5 年間で、 3,769 戸の農家が稲作技術を、4,190 戸が野 菜栽培技術を学ぶ研修に参加した。 2009 年 9 月に実施した終了時調査では、 プロジェクトを実施地域のほぼ全域で、研修 に参加した農家のコメの収量が平均で 1 ヘ クタールあたり 1.63 トンから 2.7 トンに増 加しており、また粗収入(経費も含む収入) が稲作で 196 パーセント、野菜栽培で 203 パーセントと、以前の約 2 倍に増加したこ とが確認された。この結果、1 農家あたり 1 年間に平均で 2 万 3,308 ペソ(約 野菜の栽培により農家の収入が向上

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4 万 6,000 円)の収入増加が見られ、ARMM 地域での 1 日の最低賃金が 210 ペソ(約420 円)であることを考えると、農家の人々にとって十分な額の収入 増と言える。増えた収入は、食料(38 パーセント)、農業(21 パーセント)、 教育(18 パーセント)などに使われ、農家の生活水準の向上につながった。 さらに、一部の地域では、イスラム教徒の住民とキリスト教徒の住民がお互 いに習得した知識や技術を教え合ったり、共同の種苗畑をつくって一緒に管理 したりと、コミュニティ内の結束が強まった例が見られている。さらに、MILF の元兵士が帰農するきっかけになった例も多数報告されている。元兵士が生計 手段を確保し、農業活動を通じて地域住民社会に受け入れられることは、ミン ダナオ島の和平促進にもつながると期待されている。 (注1)キリスト教徒が人口の多数を占めるフィリピンで、イスラム教徒により 1970 年 に結成された反政府軍「モロ民族解放戦線(Moro National Liberation Front: MNLF)」が、ミンダナオ島の独立を目指し、政府軍と武力闘争を繰り広げた。 1996 年に政府と MNLF が和平合意文書に調印した後も MNLF から分離した MILF が闘争を続け、和平交渉は膠着化し、紛争は約 40 年に及ぶ。 (注2)ムスリム・ミンダナオ自治区は、バシラン州、ラナオ・デル・スル州、マギンダ ナオ州、スールー州、タウィタウィ州の5 州と、マラウイ市。 以 上

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