小学部 算数科学習指導案(細案) 指導者 教諭 大上 留実 1 日時 平成29年7月7日(金曜日)第5校時 13:50~14:35 2 学級 小学部 第5・6学年1組(6年)(女子2名) 3 場所 小学部 個別指導室5教室(333教室) 4 単元名 分数のわり算を考えよう(新編 新しい算数6,東京書籍) 5 単元設定の理由 ○単元観 学習指導要領に示された本単元にかかわる目標,内容は以下のとおりである。 本単元は,小学校学習指導要領第5学年及び第6学年の内容 本単元では,前単元「分数のかけ算」に続き,序数が分数である場合の除法の意味,計算の仕 方を考え,それらの計算ができるようにすることをねらいとしている。 これまでに児童は,整数,小数,分数の乗法の学習の中で,乗法の意味を「1つ分の量×いく つ分=全体の量」ととらえてきている。本単元では,第5学年で学習した小数の除法の意味を基 に考え,除法の意味を,乗法の逆としてとらえ,「いくつ分」を求める場合と,「1つ分の量」 を求める場合としてまとめる。最終的に,分数倍における乗法や除法の適用を扱い,乗法と除法 を統一的にとらえられるようにすることを目指している。 聴覚障害児の課題として,言語的な概念の発達が十分でなく,それによって形成されていく論 理的な思考も未熟であり,抽象的で具体化しにくいものは捉えにくいということが挙げられてい る。本単元は,計算の仕方の過程を,言葉の式や数直線,除法の性質を用いて,さらに状況に応 じて,面積図も利用して考えさせることで,根拠を明らかにして論理的に考える力を養っていく ことのできる単元であると考えられる。 ○児童観 本学級は,聴覚障害を有する単一障害学級で,第6学年については,女子2名が在籍している。 2名とも補聴器を装用しており,主なコミュニケーション手段は,音声と口形を伴った日本語対 応手話である。 第6学年の目標: (1)分数の乗法及び除法の意味についての理解を深め,それらの計算の仕方を考え, 用いることができるようにする。 第6学年の内容: A 数と計算 (1)分数の乗法及び除法の意味についての理解を深め,それらを用いることができる ようにする。 ア 乗数や除数が整数や小数である場合の計算の考え方を基にして,乗数や除数が 分数である場合の乗法及び除法の意味について理解すること。 イ 分数の乗法及び除法の計算の仕方を考え,それらの計算ができること。 ウ 分数の乗法及び除法についても,整数の場合と同じ関係や法則が成り立つこと を理解すること。
り,その結果,徐々に自己の課題をつかむ力が付きつつある。 算数科においては,全体的に数のみに着目して立式してしまう様子が見られるが,徐々に図や 数直線等を活用する態度が身に付きつつある。比例の関係で,2つの異なる種類の数量が出てく る際は,片方の数量が2倍,3倍,…になると,もう片方の数量も2倍,3倍,…となることや, □×△=〇で,□が知りたいときは,〇÷△になることも理解しつつある。そのため,数直線等 を用いれば,数量関係の矢印等を自らかき込みながら正しく立式できてきている。しかし,数の 大きさなどがとらえにくく,位取り等を間違える様子がまだ見られる。 ※ 個の実態に関しては,省略する。 ○指導観 単元全体を通して,1単位時間の学習の流れ3つの「つ」(つかむ・見通す,追究する,使っ てみる)を意識しながら行っていく。本単元は,除法の計算技能を身に付ける単元でもあるため, 家庭と連携しながら反復練習を行えるようにし,スムーズに正しく計算ができることを目指す。 また,説明や発表の際に,文章や助詞等に誤りがある場合は,適宜口声模倣等で修正させ,正 しい日本語で押さえる。数量等の言葉の概念が理解しづらい場合は,適宜他教科や学校生活と関 連させながら,できるだけイメージを持てるようにさせる。 本時の指導に当たっては,事前に7/4mのホースを切り取る活動を行い,量感をつかませるこ とで,問題場面を理解しやすくしておく。 「つかむ」の場面では,児童自身が本時の課題に気付き,課題意識を持てるように,問題の比 較を通して,「違い」に気付けるようにしたい。「見通す」の際には,求め方等を確認し,解決 方法の方針を持てるようにする。 「追究する」の場面では,まずは,「つかむ・見通す」で確認した方針を基にして,自力で解 かせる。数のみに着目して立式しようとしている際は,その式になる理由を尋ね,説明させるこ とで,立ち止まって意味を考えるよう促す。その際,説明が難しい場合は,これまでの学習でも 用いた数直線や数量関係図等をかくように促し,問題文を1文ずつ確認させながら,数を書き込 ませていく。集団解決では,図を指差したり数の意味を説明したりするように促し,相手に分か るように説明をさせるようにする。ゆみさんとしんじさんのそれぞれの問いに対しての児童の解 答を並べて掲示し,比較しやすくすることで,児童が気付きを持てるようにする。児童の気付き や感想を基に,本時の学習で分かったこと,大事なことをまとめさせる。学習後に,振り返りを 行うことで,児童自身に自己の学習状況やポイント等をつかませるようにする。 「使ってみる」の場面では,本時の学習で分かったポイント(例:問いによって式が変わるた め,数直線をかいた方が間違えにくい等)を確認し,意識させてから解かせ,学習内容の定着を 図る。
6 単元の目標 ◆除数が分数の場合の,除法の意味や計算の仕方を理解し,それらを用いる能力を伸ばす。 ・除数が分数の場合の除法の意味や計算の仕方に関心を持ち,それらを既習の計算や除法の性 質に関連付けて考えようとする。 ・除数が分数の場合の除法計算の仕方について,除法の性質や比例の考えを基に考え,数直線 や式などを用いて表現することができる。 ・分数の除法の計算ができ,それを用いることができる。 ・分数の除法の意味について理解する。 7 単元の指導計画(総時数 11時間) 次 (配時) 学習内容 評価規準 評価の観点 関 考 技 知 一次 (2) ・分数でわることの意味 ・真分数÷真分数の計算 ・分数÷分数の計算の意味や計算の仕方 に関心を持ち,既習の計算や除法の性 質に関連付けて考えようとしている。 ・分数÷分数の計算の仕方について,除 法の性質や比例の考えを基に考え,数 直線や式などを用いて説明している。 ◎ ○ ○ ◎ 二次 (7) ・計算途中の約分 ・整数÷分数の計算 ・帯分数の除法計算 ・計算の途中で約分すると簡単に処理で きることのよさに気付いている。 ・整数÷分数,帯分数の除法の計算がで きる。 ○ ◎ ・被除数と商の大小関係 ・3口の分数の乗除混合計 算 ・1を基準とした除数の大小に着目して, 被除数と商の大小関係について,数直 線を用いて考え,説明している。 ・3口の分数の乗除混合計算ができる。 ◎ ○ ・分数,小数,整数の混じ った乗除計算 ・分数,小数,整数の混じった乗除計算 ができる。 ◎ ・数直線を用いた除法の演 算決定の仕方 ・問題場面に合った除法の立式の根拠に ついて,数直線を用いて考え,説明し ている。 ◎ ・比較量,基準量が分数の 場合の倍の求め方 ・比較量や基準量が分数の場合も,倍を 表す数を除数で求めることができる。 ◎ ・倍を表す数が分数の場合 の比較量の求め方 ・基準量×分数倍=比較量の式について, 倍の意味や数直線を基に考え,説明し ている。 ・倍を表す数が分数の場合も,基準量と 倍から比較量を求めることができる。 ◎ ○ ・倍を表す数が分数の場合 の基準量の求め方 ・倍を表す数が分数の場合も,xを用い て数量の関係を乗法の式に表し,基準 量を求めることができる。 ◎ 三次 (2) ・「力をつけるもんだい」 ・学習内容を適用して,問題を解決する ことができる。 ◎ ・「しあげ」 ・基本的な学習内容を身に付けている。 ◎ 使 っ 振 追 究 す る つ か む ・ 見 通 す
8 本時の目標 ・問題場面に合った除法の立式の根拠について,数直線を用いて考え,説明することができる。 9 本時の評価基準 十分満足できる状況 問題場面に合った除法の立式の根拠について,数直線を用いて考 え,正しい式を導き出し,算数用語を用いて分かりやすく説明して いる。 おおむね満足できる状況 問題場面に合った除法の立式の根拠について,数直線等を用いて 考え,数直線と式を関連付けながら説明している。 努力を要する児童への手立て ・数直線や数量関係図等をかいて考えるように促す。 ・実物を提示したり言葉掛けをしたりして,量感をとらえさせる。
10 学習過程 学習活動 (時間配分) 指導上の留意点 評価規準と評価方法 A B 1 あいさつをする。 (1分) 2 問題文を読み,本時の課題を つかむ。 (7分) 3 どのようにして考えたら, 式が分かるかを考える。(3分) ・前時までの学習で何をかいて考えたの かを想起させる。 4 ゆみさんとしんじさんの問題につい て考え,それぞれ立式し,答えを求 める。(自力解決) (11分) ・数の大小が間違っている場合は, 言葉掛けをして,気付かせる。 ・数の大小が間違っている場合は,ホー スの実物を提示したり,言葉掛けをし たりして,気付かせる。 ・声に出しながら分母から書いたり, 「何等分」を意識して数直線に数を書 き込んだりするよう促すことで,「何 つ か む ・ 見 通 す 問いに合う式を考え,どんな式になるかを説明しよう。 7/4mの重さが2/5kgのホース があります。 この場面を使って,ゆみさんとしんじ さんがわり算の問題をつくりました。 2人の問題は,それぞれどのような式 になりますか。 ゆみ:このホース1mの重さは,何kg になりますか。 しんじ:このホース1kgの長さは,何 mになりますか。 ・手話と声でリズムや口形に気を付けてあいさつをさせる。 ・ゆみさんとしんじさんの問題文をそれぞれ読ませ,分かっていること, 分からないことを整理・比較させることで,同じところ,ちがうところ をつかませる。 ・分かっていることは同じだが,分からないこと(問い)は違う2つの問 題について,式や答えが同じになるかどうかを予想させることで,課題 意識を持たせる。 ・本時の目標を提示し,手話・声,指文字,声で3回読ませ,本時の目標 を明確にさせる。 ・問題文を読んだだけでは,どんな式になるかはっきり分からないこと から,方法を考える必要性を感じさせ,方法を出させる。 追 究 す る ・問題文を読ませた後に,今日何をするのか問うことで,本時の学習内容 を大まかにつかませる。
※ゴシック体で書いてあるところは,「思考力を育てる指導」に関する事項である。 5 考えを説明し,式と答えを確認する。 (集団解決) (7分) 6 ゆみさんとしんじさんの問題の式と 答えを比較し,同じところ,ちがう ところを見つける。 (集団解決)(4分) 7 気付きを基に本時のまとめをする。 (3分) ・問題場面に合った除 法の立式の根拠につ いて,数直線を用い て考え,説明してい る。 (ノート・行動観察) 8 適用問題を解く。 (5分) 9 振り返りを行う。 (3分) 10 あいさつをする。 (1分) どちらもわり算の式になるが,わられる数とわる数が逆になっている。 数直線を使うと,式がつくりやすい。 使 っ て み る ・ 振 り 返 る ・適宜ホワイトボードにかいた数直線等や式,数を指差しつつ,説明する ように促す。 ・問題文,数,数直線等を照らし合わせながら確認することで,式や答え が合っているかどうかを確かめる。 ・ゆみさんとしんじさんの問題の式を比較させることで,どちらもわり算 だが,わられる数とわる数が逆になっていることに気付かせる。 ・比較や言葉掛けで,質問文によって式と答えが異なることに気付かせ, 立式を間違えないためには数直線等を使うことが有効であることを印 象付ける。 ・「どうしたら,できたのか」「どんなことがわかったのか」等の視点で, 本時の学習を通して分かったことや気付いたことをふり返らせる。 3/4Lの重さが2/3kgの油があ ります。 この油1kgの体積は何Lですか。 ・問題文がスムーズに作成できるように,ワークシートにかき込ませる。 ・手話と声でリズムや口形に気を付けてあいさつをさせる。
11 準備物 拡大した問題文,学習の流れのカード,ホワイトボード4枚,ホワイトボード用マーカー, 適用問題用ワークシート,ホース2本(1m,7/4m) 12 座席配置 13 板書計画 黒板 A B 7/7 分数のわり算 目標 問いに合う式を考え, どんな式になるかを説明しよう。 まとめ どちらもわ り算の式になるが,わ られる数とわる数が 逆になっている。 数直線を使うと,式 がつくりやすい。 問題文 ゆみ このホース1mの 重さは何kgですか。 しんじ このホース1kgの 長さは何mですか。 児童の解答 児童の解答 同じところ…わり算 ちがうところ…わられる数とわる数が逆 気付き つ か む ・ 見 通 す 適用問題 自分で考えよう 見通しをもとう 問題をつかもう 追 究 す る 考えを話し合おう つ か っ て み る ふり返り ゆみ しんじ 分かっていること 分からないこと(問い) ・数直線をかく