株式会社大和総研 丸の内オフィス 〒100-6756 東京都千代田区丸の内一丁目 9 番 1 号 グラントウキョウノースタワー このレポートは投資勧誘を意図して提供するものではありません。このレポートの掲載情報は信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。また、記載された意見や予測等は作成時点のものであり今後予告なく変更されることがあります。㈱大和総研の親会社である㈱大和総研ホールディングスと大和証券 ㈱は、㈱大和証券グループ本社を親会社とする大和証券グループの会社です。内容に関する一切の権利は㈱大和総研にあります。無断での複製・転載・転送等はご遠慮ください。
2020 年 12 月 21 日 全 7 頁
新型コロナ拡大の影響を探る
消費データブック(12/21 号)
個社データ・業界統計・POS データで足元の消費動向を先取り
1経済調査部 エコノミスト 山口 茜
研究員 和田 恵
[要約]
12 月前半の消費は、財、サービスともに 11 月から減少したと見込まれる。財に関して、
百貨店、スーパー、ホームセンターの売上高は 11 月から減少した一方、家電量販店の
売上高は小幅に増加した。他方、サービスに関しては、新幹線輸送量が 11 月から小幅
に減少した。また、人出や高速道路交通量も 11 月前半をピークになだらかに減少して
いる。感染再拡大を受けた自粛の要請や「Go To トラベルキャンペーン」の一時停止の
影響が表れたとみられる。
【小売関連】12 月前半の大手百貨店の売上高伸び率は、11 月から小幅に低下した。ま
た、12 月前半のスーパーの売上高は 11 月平均比▲1%程度、ホームセンターは同▲3%
程度と、いずれも小幅に減少した。他方、家電量販店は同+1%程度と 11 月から小幅に
増加した。
【サービス関連】12 月前半の輸送量は、前年比 4~6 割減程度と 11 月からマイナス幅が
小幅に拡大した。外食・旅行・娯楽関連消費と連動している小売店・娯楽施設の人出は、
月平均で見ると 11 月から減少していることから、今後公表される 12 月の宿泊者数、外
食売上、旅客機輸送量でも前年比マイナス幅の拡大が見込まれる。
1 本稿は、速報性の高い個社データ・業界統計・POS データを基に、足元の消費動向を確認する定期レポート である(2020 年 4 月初めから公表開始)。日本
2 / 7 (注)METI POS小売販売額指標の週次データ。消費税を除くベース。大和総研による季節調整値。 (出所)経済産業省より大和総研作成 95 100 105 110 115 120 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 スーパーマーケット (2018年=100) 2020年 (月) 直近値 12/7~12/13週 4週移動 平均 80 90 100 110 120 130 140 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ホームセンター (2018年=100) 2020年 (月) 直近値 12/7~12/13週 4週移動 平均
<小売関連>
◆【百貨店】大手 3 社の 12 月前半の既存店売上高伸び率は前年比 1~2 割減程度。三越伊勢丹と
高島屋の前年比マイナス幅が 11 月から小幅に拡大。
◆【アパレル】11 月の既存店売上高伸び率は、しまむらが前年比 1 割増程度、ユニクロが横ばい
と、ともにプラス幅が縮小。ユナイテッドアローズは同 3 割減程度とマイナス幅
が拡大。月前半は好調だったものの、後半は平年より気温が高かったことによる
冬物商品の販売の不振や、新型コロナウイルスの感染再拡大が重石に。
図表 1:百貨店・アパレルの売上高◆【スーパー】12 月前半の売上高は 11 月平均比▲1%程度(大和総研による季節調整値)
。
主力の食品売上高は 11 月平均比▲1%程度。
◆【ホームセンター】12 月前半の売上高は 11 月平均比▲3%程度(大和総研による季節調整値
雑貨などの幅広い品目で売上が減少。
図表 2:スーパーマーケット・ホームセンターの売上高 -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2020 大丸松坂屋 三越伊勢丹 高島屋 (前年比、%) (月) (年) 前々年比 (注1)百貨店:既存店ベース。12月は14日まで。 色付きのマーカーは前々年比(一部は大和総研による試算値)。 (注2)アパレル:既存店ベース。ユニクロとユナイテッドアローズはネット通販を含む数値。 しまむらの各月の数値は前月21日から当月20日の集計値、10月以降はオンラインストア含む。 (出所)各社資料より大和総研作成百貨店売上高
アパレル売上高
-70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2020 ユニクロ しまむら ユナイテッドアローズ (前年比、%) (月) (年)3 / 7 -100 -80 -60 -40 -20 0 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2020 国内線(JAL) 国内線(ANA) 国際線(JAL) 国際線(ANA) (前年比、%) (月) (年) -100 -80 -60 -40 -20 0 20 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2020 東海道 山陽 北陸 九州 (前年比、%) (月) (年) 前年の台風の 影響を除いた値 (前々年比)
新幹線
旅客機
(注1)新幹線の12月は、東海道が16日まで、山陽・北陸が14日まで。 (注2)JAL・ANAのデータはグループ会社を含む数値。 (出所)JR東海、JR西日本、JR九州、JAL、ANA資料より大和総研作成◆【家電】12 月前半の大手家電量販店の売上高は 11 月平均比+1%程度(大和総研による
季節調整値)
。カラーテレビの販売が増加した。
◆【自動車】11 月の新車販売台数は 10 月から 1 万台減少(大和総研による季節調整値)
。
図表 3:家電・自動車の売上高<サービス関連>
◆【新幹線】12 月前半の輸送量は、前年比 4~6 割減程度と 11 月からマイナス幅が小幅に拡大。
◆【旅客機】11 月の輸送量は、国内線は前年比 5 割減程度、国際線は同 95%減程度と、ともに
10 月から変化なし。年末年始(12 月 25 日~1 月 3 日)の予約数(12 月 18 日時点)
は、国内線で同 4~5 割減程度、国際線で同 95%減程度。
図表 4:新幹線・旅客機の利用状況 (注1)家電大型専門店:METI POS小売販売額指標の週次データ。消費税を除くベース。 大和総研による季節調整値。 (注2)新車販売台数:月次データ。大和総研による季節調整値。 (出所)経済産業省、日本自動車販売協会連合会、全国軽自動車協会連合会統計より大和総研作成 60 80 100 120 140 160 180 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 家電大型専門店 (2018年=100) 2020年 (月) 4週移動 平均 直近値 12/7~12/13週 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 新車販売台数 (万台) 2020年 (月)4 / 7
◆【宿泊】10 月の宿泊者数(宿泊日数ベース)は前年比 3 割減程度とマイナス幅が縮小。
「Go To トラベルキャンペーン」が東京都へ適用拡大されたこと等が追い風に。
11 月後半以降は新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、同キャンペーンが一部
制限されたことが重石となったと推測する。
◆【外食】10 月売上伸び率は前年比 6%減程度と 9 月からマイナス幅が縮小。
業界コメントによると、自粛緩和ムードや飲食消費回復への支援策が追い風に。
ただし、
「Go To Eat キャンペーン」のオンライン予約に関連した登録料や手数料が
かかるため、企業のキャッシュフローは売上ほどには改善していない可能性。
11 月後半以降は感染状況が急速に悪化し、感染拡大地域において同キャンペーンの
利用者数が制限されたこと等が重石となったと見込む。
図表 5:国内宿泊者数/外食産業の売上高・客数 (注)V-RESASのデータは週次、それ以外は月次。 宿泊者数は、観光庁統計は宿泊日数ベース、V-RESASは宿泊開始日ベース。 (出所)観光庁、一般社団法人日本フードサービス協会統計、V-RESASより大和総研作成宿泊者数
外食産業の売上高・飲食店情報閲覧数
-100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 V-RESAS 観光庁 (前年比、%) 2020年 (月) -80 -70 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 飲食店情報閲覧数 外食産業売上高 (前年比、%) 2020年 (月)5 / 7 -80 -60 -40 -20 0 20 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 NEXCO3社+本州四国連絡橋 首都高速 阪神高速 (前年比、%) (注)週次データ。高速道路交通量のゴールデンウィークとお盆期間、 シルバーウィークの前後の週は集計日数が異なる。 (出所)国土交通省より大和総研作成 直近値 2020年12月6日 ~12月12日週 2020年
<参考:Google 社の位置情報データ>
図表 6-1:小売店・娯楽施設の人出と外食・旅行・娯楽関連消費 図表 6-2:小売店・娯楽施設の人出(12/9~12/15 週平均、都道府県別)<参考:高速道路交通量>
図表 7:高速道路交通量 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 -100 -80 -60 -40 -20 0 20 3/1 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1 10/1 11/1 12/1 外食・旅行・娯楽関連消費 小売店・娯楽施設の人出(右軸) (コロナショック前のベンチマークとの比較、%) (同左) (注)ベンチマークは2020年1月3日から2月6日の曜日別中央値。太線は7日移動平均。外食・旅行・娯楽関連消費 は「外食」「交通」「教養娯楽サービス」の合計値。月~金曜日の祝日とお盆のデータは除いている。 (出所)総務省統計、Google"COVID-19 Community Mobility Reports"より大和総研作成-25 -20 -15 -10 -5 0 5 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 茨城 栃木 群馬 埼玉 千葉 東京 神奈川 新潟 富山 石川 福井 山梨 長野 岐阜 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 山口 徳島 香川 愛媛 高知 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 全国平均 (コロナショック前のベンチマークとの比較、%) (注)ベンチマークは2020年1月3日から2月6日の曜日別中央値。
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<参考:第 3 次産業活動指数>
図表 8:第 3 次産業活動指数 +49 +48 +40 +30 +23 +17 +15 +12 +10 +10 -4 -27 -27 -30 -31 -32 -33 -33 -35 -35 -37 -40 -42 -51 -51 -53 -61 -78 -96 -97 -98 -100 -80 -60 -40 -20 0 20 40 60 80 マンション分譲業 ペット・クリニック オートレース場 競艇場 競輪場 土地売買業 土地売買仲介 マンション売買仲介 自動車整備業(家庭用車両) 無店舗小売業(通信販売小売業) 第3次産業総合 旅館 自動車レンタル業(個人向け) 水運旅客運送業 写真業 雑誌広告 リネンサプライ業 屋外広告 ビデオ制作・配給業 ホテル 国内航空貨物運送業 パブレストラン,居酒屋 交通広告 結婚式場業 遊園地・テーマパーク 国内航空旅客運送業 飛行場業 音楽・芸術等興行 国際航空旅客運送業 外人旅行 海外旅行 1月から10月の変化 1月から5月の変化 (1月からの変化、%)低下率
上位20業種
上昇率
上位10業種
(注)季節調整値。図中の数値は1月から10月の変化率。 (出所)経済産業省より大和総研作成7 / 7