● 平素より東京都報道事業厚生年金基金の事業運営にご理解とご協力を賜りまして厚く御礼申し上 げます。 ● 東京都報道事業厚生年金基金は、加入事業所に勤める方々の、老後の安定した生活や、福祉の向 上、並びに各事業所の発展を目指して昭和46年に設立され、順調に運営を行ってまいりました。 ● 当基金は平成27年2月開催の代議員会で、代行返上により全ての加入事業所、加入員、受給権者 が確定給付企業年金(通称DB)へ移行し、新制度は原則として掛金・給付とも現行制度の「横滑り」 とする方針を決定し、新制度移行へ向けて準備してまいりました。 ● しかしながら、平成28年2月の日銀のマイナス金利政策導入により、新制度移行後に大幅な掛金の 引上げが必要となることが判明したため、当初の方針を修正し、「平成30年9月30日付で一旦厚生 年金基金を解散し、翌10月1日付で長期に持続可能な確定給付企業年金(DB)を新設する」方針 といたしました。
初めに代行返上・DBから解散・DBへ方針変更に至った経緯についてご説明します。 ● 当初の方針の代行返上・DBは原則として現行の掛金・給付とも横滑りでしたが、日銀のマイナス金 利政策導入後に、今後の掛金に与える影響をシミュレーションしたところ、現状維持を予定していた 掛金を大幅に引き上げる必要があることが判明しました。そのため、今後の環境変化の動向を見極め たうえで、平成29年2月の代議員会で4つの選択肢から今後の方針を決定することにしました。 ● この4つの選択肢の内容についてご説明いたします。 ①は、「当初の方針である代行返上して、給付を維持したうえでDBを設立する。」この場合、掛金の 大幅な引上げが必要となります。 ②は、「代行返上して、給付減額をしたうえでDBを設立する。」この場合、再度の給付減額により、 加入員・受給者の同意取得が限りなく困難となります。 ③は、「一旦、厚生年金基金を解散したうえで、持続可能性の高いDBを設立する。」この場合、掛金 の引上げリスクが低く、多様なライフプランに対応可能な制度になります。 ④は、「厚生年金基金を解散して制度を終了する。」この場合、期待されていた年金制度が無くなり ます。 ● 平成29年2月の代議員会で、この選択肢の中から、③の厚生年金基金を解散したうえで、持続可 能性の高いDBを設立することを決定いたしました。また、新たなDBの給付体系をキャッシュバランス プラン(5頁参照)とすることを決定しました。
ここでは、国の年金制度と企業年金の仕組みについてご説明します。 ● 国の年金制度には、全国民が加入する国民年金(基礎年金)とサラリーマン等のための厚生年金保 険があります。企業で働くサラリーマンは、厚生年金保険に加入することで、国民年金にも自動的に 加入し、基礎年金と報酬比例部分の2階建ての年金給付を受けることになります。 ● 厚生年金基金は、厚生年金保険の老齢厚生年金のうち報酬比例部分の一部を国に代わって運営を 行い(代行制度)、さらに3階部分には基金独自の年金を上乗せしてより手厚い給付を行う制度です。 ● 企業年金である確定給付企業年金(DB)と確定拠出年金(DC)は、3階部分に位置づけられます。 ● 3階部分の年金の掛金は、全額事業主の負担となります。 ● 今回、厚生年金基金の代行部分を返還した残りの部分、すなわち図の赤枠で囲われた部分について、 事業所の選択により今回新たに設立する確定給付企業年金(DB)へ移行することとなります。
ここでは、厚生年金基金解散後の後継年金制度の必要性についてご説明します。 ● 公的年金のスリム化により、老後の生活資金の確保は、加入員の皆様や事業主の皆様にとって重要 な課題となっています。 ● 図のとおり、公的年金のみでは生活費が不足する恐れがあり、自助努力による老後の生活費を補う しくみが必要となります。 ● 必要な生活費との差額をカバーするため、当基金が新たに設立する新制度を活用する意義は大きい と言えます。 ● 厚生年金基金解散後の新制度は、各事業所毎に自社の確定給付企業年金(DB)・確定拠出年金 (DC)等を導入することも可能ですが、当基金が新たに設立する新制度では、多くの事業所が集ま ることにより、必要となる事務費用を安く抑えることができます。
ここでは、当基金の解散と後継年金制度への移行についてご説明します。 ● 東京都報道事業厚生年金基金の解散に伴い、まず、厚生年金保険を代行していた部分を国に返還 します。残りの加算部分と基本上乗せ部分については、事業所毎の選択となります。 ● お勤めの事業所が新DB制度に加入する場合、解散分配金の確定を待つことなく解散分配金見込 額の一定割合を「仮交付」し、仮想個人勘定残高としてスタートします。解散認可の約2年後に解散 分配金が確定した時点で仮交付額との差額を精算し、一時金をお支払い済の方、および年金の支 払いが開始された方には差額を追加でお支払いします。 ● お勤めの事業所が自社DB・自社DC・中退共(中小企業退職金共済制度)へ移行する場合、解散 認可の約2年後に解散分配金が確定してから移換となります。 ● お勤めの事業所が制度を終了する場合も、解散認可の約2年後に解散分配金が確定してから、一時 金としてお受け取りまたは企業年金連合会への移換となります。 なお、一時金としてお受け取りになる場合は税法上一時所得になります。 ● 新制度は、長期的に持続可能な制度になります。 次頁以降、新制度の内容についてご説明いたします。
ここでは、新制度の内容についてご説明します。 まず基本的な枠組みであるキャッシュバランスプランについてご説明します。 ● キャッシュバランスプランとは、事業主が掛けた掛金の元利合計額を原資として給付する制度です。 ● 元本は、毎月、給与の一定割合で積立てられ、利息は下限0%から上限3%の範囲内で30年国債 の利回りにより付与されます。加入者の皆様は、退職時に個人毎の元利合計額である「仮想個人勘 定残高」を一時金で受け取るか、年金で受け取るかを選択します。 ● 制度移行時は、原則として個人毎の解散分配金が仮想個人勘定残高となります。 ● 新制度では利息が30年国債利回りに連動するため、30年国債の金利が上下すると、給付額も上下 します。利息付与の下限が0%のため、元本割れすることはありません。
ここでは、新制度に加入できる方の範囲や新制度からの給付についてご説明します。 ● 新制度の加入対象者は、これまでと同じ様に、厚生年金保険の被保険者であれば70歳まで加入で きます。 ● 年金は、現行制度と通算で加入期間10年以上の方が、①在職中に65歳に達したとき ②60歳以 上で退職したとき ③60歳未満で退職し60歳に達したとき に受け取ることができます。 なお、年金の代わりに一時金で受け取ることもできます。 ● 脱退一時金は、年金を受取る資格が無い方、すなわち、60歳未満の方や加入期間10年未満の方等 が退職したときに支給されます。 脱退一時金は、現行制度では加入期間3年以上10年未満の方しか受け取ることができませんでし たが、新制度では加入期間1ケ月以上で各人の仮想個人勘定残高を受け取ることができます。 脱退一時金額も、現行制度では最大で34,800円でしたが、新制度のモデルでは、3年で27万円、 8年で86万円となり、従来と比べ金額が大幅に増えることになります。
ここでは、年金の受け取り期間についてご説明します。 ● 年金の受け取り期間は、皆様のライフプランに合わせて5年・10年・15年・20年の4通りから選択しま す。年金に代えて一時金として受け取ることもできます。 ● 万一、年金受け取り中にお亡くなりになった場合、受け取っていない年金はご遺族へ一時金として支 払われます。新制度は、仮想個人勘定残高をしっかりとお受け取り出来る制度となっています。ちなみ に、世界保健機構が2016年5月19日に発表した平均寿命は、日本人全体で83.7歳 男性80.5歳、 女性86.8歳 となっています。
ここでは、新制度のモデル給付額についてご説明します。 ● 22歳で新制度に新規に加入した男性をモデルに設定しました。 平均給与は、当基金の男子の平均である44万円としています。 ● 30年国債利回りに連動する加入中の利息は、1.5%で推移するものと仮定しました。 ● 毎月元本として、積み立てられる標準掛金は、全額事業主負担となっており、事業所毎に掛金率を 選択します。ここでは、新制度の下限となる1.7%と、現行掛金率と同率の2.9%の他、2.1%と2.5%を 記載しています。 ● 掛金率2.9%で、60歳まで加入し、20年確定年金で受け取る場合、表の赤枠に記載のとおり月額3 万7千円となり、現行の厚生年金基金の給付モデルと同じになります。 また、3頁でご説明した「公的年金と必要な生活費との差・約3万円」を補う効果があることがわかり ます。
最後に、加入員の皆様に同意書ご提出のお願いです。 ● ご提出いただく同意書は、現在お勤めの会社が新制度へ加入するかどうかで異なります。 ● 現在お勤めの会社が新制度へ加入する場合、①厚生年金基金解散に係る同意書②厚生年金基金 の解散分配金の交付に係る同意書の2種類の同意書のご提出をお願いします。 ● 現在お勤めの会社が新制度へ加入しない場合、①厚生年金基金解散に係る同意書のみご提出をお 願いします。 ● 厚生年金基金の解散には、当基金の全加入員の3分の2以上の同意が必要になります。また、 新制 度への解散分配金の交付には事業所毎に加入員の過半数の同意が必要となりますので、ご協力を お願いいたします。
● 万一、所定の同意が集まらない場合、厚生年金基金の解散および新制度への移行が出来なくなりま す。その場合、掛金の大幅な引上げとなり、影響は当基金の全加入事業所に及びます。
● 当基金といたしましては、加入員および受給権者の皆様の老後の生活保障として、安定的かつ持続 可能な新制度の設立を目指し、最善の努力を続けてまいりますので、加入員の皆様におかれましては、 諸事情ご賢察のうえ、早期の同意書提出にご協力賜りますようお願いいたします。