中高齢者の膝関節痛 ―ロコモと変形性膝関節症― いつまでも元気に歩くために 名古屋市立大学整形外科 病院教授 小林正明 高齢化社会の到来,平均寿命の延長により介護が必要になる方が増えている.要介護になる 原因の中で整形外科疾患(運動器の障害)の割合が増加している.内科的にメタボリック症 候群が広く知られるようになり,メタボ健診も行われ,ある程度の効果が得られていること も鑑みて,日本整形外科学会でもロコモティブシンドローム(運動器症候群,通称ロコモ) を提唱し,介護が必要にならないよう,健康寿命が延びるように啓発活動を行っている.こ のロコモについてチェック法,トレーニングについて紹介する.また,ロコモの中の原因疾 患の一つである変形性膝関節症について,どのような疾患か,なぜ起こるかについてお話し する.また,予防,治療として保存的治療(手術以外の治療)と手術法に分けて説明する. 保存的治療では,日常生活の注意,理学療法,装具療法,薬物療法について,理学療法では 特に運動療法を,薬物療法では皆様も興味があると思われるサプリメントについても述べ る.運動療法では,膝を伸ばす大腿四頭筋の訓練が特に重要である.サプリメントについて は,まだその効果は明らかではないが,私自身の意見をお話しする.様々な治療を試みても, 膝関節痛などの症状が改善せずに,日常生活に支障が出るようであれば,手術を考える.最 も侵襲が少ない手術は関節鏡手術であるが,すり減った軟骨を治すことは出来ないため,変 形が少なく症状の原因が半月板の引っ掛かりである場合に効果がある.高齢者ではあまり 効果がないことが多い.次に,O 脚があるために,内側の軟骨だけが痛んでいる場合に骨を 切ってO 脚を治すことで内側の負担を減らす骨切り術がある.外側の軟骨に負担がかかる ようになるため,外側の軟骨も痛んでいる場合にはこの手術は出来ない.したがって中等度 までの変形で比較的若い方(60 歳位まで)のための手術である.変形,O 脚が進行した方 には,痛んだ軟骨の部分を切除して替わりに金属製の人工関節に入れ替える人工膝関節置 換術が必要になる.手術により膝関節痛,膝の変形は改善するため,歩行などの日常生活が 楽になる.術後感染等の合併症がなければ非常によい治療法である.
中高齢者の膝関節痛―ロコモと変形性膝関節症―いつまでも元気に歩くために
1
0
0
全文
関連したドキュメント
ABSTRACT: [Purpose] In this study, we examined if a relationship exists between clinical assessments of symptoms pain and function and external knee and hip adduction moment
ABSTRACT: To reveal the changes of joint formation due to contracture we studied the histopathological changes using an exterior fixation model of the rat knee joint. Twenty
N2b 同側の多発性リンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし N2c 両側または対側のリンパ節転移で最大径が 6cm 以下かつ節外浸潤なし
最も偏相関が高い要因は年齢である。生活の 中で健康を大切とする意識は、 3 0 歳代までは強 くないが、 40 歳代になると強まり始め、
目標を、子どもと教師のオリエンテーションでいくつかの文節に分け」、学習課題としている。例
【その他の意見】 ・安心して使用できる。
の改善に加え,歩行効率にも大きな改善が見られた。脳
そこで生物季節観測のうち,植物季節について,冬から春への移行に関係するウメ開花,ソメ