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還元ML図形を用いたML錯視に関する角度錯視説の検討実験 -ML錯視の異方性と関連させて -

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(1)

還元ML図形を用いたML錯視に関す:る角度錯視説の検討実験:1)

匹ML錯視の異方性と関連ざせて

\     \ 十 才六 =    浜口>恵治‥‥‥‥ ‥万 十  ‥‥‥ ‥‥‥‥     \      (人文学部人文学科心理学研究室)∧ .・.・.・         .・.

An Examination of the Angle Illusion Theory犬on……the Muller・Lyer

Illusion by th( Configurationa卜Variation上耐)ホe MiillerニLyer

… ………F.iね‘1i・re ・・with ・Only……One・.(フ)b11(面・∧Liねej: …………万ト△…………:

ln\[]onnection withしt恥〉Anisotr・opy∧of thユり……Miiller-Lyer……nil

 =  し ユ ノ十 Ke示Hamaguchi十・..・.・・.・..・・...・. ・・  . ・・・. ・.      ・・

………… (Laborator^i ofPsycholt)gy, Faculりo/Humanities∧and

Economics)……… 犬=

We can observe the anisotr叩y of the a!igleillusioり.∧If the Miiller-Lyerレillusion isトcaused by the angle illusion, it will be able to observe……the anisotropy of the Miiller・Lyer illusion. The stimulus :figures were t徊 configurational variations o卜the Miiller・Lyer figure ごwith o皿y one oblique line・ト The apparent length of theレshaft lines∧of theトMuUer二Lyer figures・ ((?blique-in, L-shape, and oblique-out figures)十郎d上the⊃control figure↓……We垣レestimatedトby

twenty-three universityニstudents, when∧the orientation of∧皿雨figure was variedトin eight steps:=O°, 45? .,ト90°ト,・13yレ1809 , 225°へ270°//.ぺ……315へ\・C・ounterc

horizontal. The anisotropy of the apparent length of the shaft line of each figure was observed. But the士郎isotropy of the Miillei卜Lyer illusion w臨如t observed. It v, concluded that the angle illusion theoryトon the Miiller-Lyer illusion was……doubtful.: jj

Key words:M可如r-Lyer illusion, ang!e illusion, anisotropy,トorientation二detector, lateral

inhibition \ 1 \・-ノ ‥・゜`.< ダ・>.‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥\・ <  ・.・・.・...・.. ・.ノ  ノ〉 >∧くレ

脚注 1        ………:‥ ‥‥‥‥万  ∧ ニ  本研究は日本基礎心理学会第16回大会で発表七だ.

(2)

48 A Figureし∇実線はML図形の原図形を示し,点線 うま線の見掛けめ長さの変化を模式的に示すごÅと 錯視の原因にならない.BとDは頂点jの変位が伴う 叉:びそれに伴 変錯視はML 紬れく,以・]7ド.=4・j二・..・お万4.・j4 I で;・M・・.・・Lと・a己述す乙る) ↓ノ主線1と/斜線ノと│が構成すレるレ角度を

(3)

還元ML図形を用いたML錯視に関する角度錯視説め検討実験(浜口) 49

       l deg ●   =    一一  一一 l  ●'     ・・■■ ■ ■■■

     →     =    ヘ   ニ ∧ト●,     =    \

\     Figure 2. Blakemore等の角度錯視実験の刺激図形(Blakemore犬et al.,1970)上丿

反するものなので,作用が相殺されで結果的には主線め角度は変化せず,ス斜線の角度の:みが変化す るであろう丿万従って,角度錯視により斜線がどめように変化するかを考えればよいレFigureト1のよ うに,I内向ML図形の頂点を扇の要,上下の斜線を扇四外側め骨に例えた場合,〉内向挟角の過大視 が, Figure 1-Aのように要の位置が動かない扇の開き方のようであれば,一瓦点は変位しないので角 度錯視はML錯視の原因にならない. Figure 1-Bのよ引こ要め位置が内側ぺ移動する扇の開き方の  ・.       :・      ..     ・ ● .    ● ..・    ●  .  r ● Iようであれば;頂点は内側へ変位し角度錯視は過小ML錯視を生じさせる/外向ML図形の場合は, .・ 鈍角に開く特別な扇を考え,外向挟角め過小視が√Figure上=1-Cのように/要の位置が動jかない扇め閉 じ方のようであれば/頂点は変位しないめで角度錯視=はML錯視の原因になレら¨ない. Figure 1-Dの ように要の位置が外側へ移動する扇の閉じ方のようであ:れば√頂点は外側ぺ変位七角度錯視ぱ過大 ML錯視を生七させる.このよう\にい角度錯視が頂点の変位をも伴うかど=うか=の直接的検討実験を 行わないと,角度錯視がML錯視の原因になるかどうかは分からな\い.十っj……… ……゛ / Figure 3……`ツエルナー錯視図形(今井,1984)‥‥‥ ‥Figure4……耳ビシグハウズ角度錯視図形(今井,1984) し一方また,ツェルナー(Zollner)錯視(Figure 3参照)やエビングハウズ(Ebbinghaus)角度錯視 (Figure 4参照)などの代表的な角度錯視にはすべて異方性が認められる.ヽンエルナー図形の場合/ 主線の方向を水平方向から垂直方向へ回転させると,\主線の方向が水平や垂直方向より/斜め方向に あるほうが,角度錯視は大きく(盛永,ニ1933;Oyama√1975)レ土ビダグハウズ角度図形め場合もレ長 線の方向が水平や垂直方向より斜め方向にあるほうが,角度錯視は大きい(橘・盛永, 1930;盛永, 1932;浜口, 1995b).したがって,ML図形の主線の方向が水平や垂直方向より斜め方向にあるほう が,斜線の偏向は大きくなり,挟角の角度錯視は大きくなる:こと/になノるこそ七で,ニもし八角度錯視

(4)

/5Q……… 十∧………高知大学学術研究報告……第姑巻∧(1997年)ミソfI゛1:万人,文科学 I=)し]j………,ト………:=スプj ]…………:………:j寸<し∧☆∧…………l j がMLユ錯視の原因であ/るなら凪\主線の方向が水平や垂直方向Tよ画斜め方向仁あくる時に√内向ML 図形においては過小視錯視量の増加√外向M七図形壮齢岡本ソぱ過大視錯視量口増加が生起す岑ノと\い

う異方性が見られるはずである.万一方レ=H型.M

90°で,………角度錯視が考え:られないめで=にそめよトう もし角度錯視がML錯視の原因であるならばレMレ1 められることが期待ざれるよ………1.1 万2 以上が,六万角万度錯視説の妥当性を検討するために 討実験ではML錯視の異方性jは見出さ,れず,………角  続いて,\浜口の結果を=ざらに確証するために 十浜口(1996b)犬は,ニか が認¥)レられる/ことから,ト・ML図形め挟角々角度錯視燐 けヤぐある土口かに=ML図形の角度錯視の異方性聚晦 角度図形を分解すyるしと:ト鋭角部分図形と鈍角部分図形 の方向が水平や垂直方向より斜め方向にある=ほうがj↓・j==万..1万..・ (浜口√1995:c).に鋭角ノ部分図形と鈍角部分図形ぱに内向 5参照∠以後レ1本の斜線のみを持つML図形聚還元加 形め記述\もすべで還元ML図形に関してで:あ.・る=)Tだ………も.1万・j4 は異方性が認めら万れるノといえる.したがしふて浜ロノ 原因Tぐあ\るならばご(斜線が1本なので主線のソ角度も 形でば.内部卜変位七√外向M工図形では外部へ変 め方向七ある,時に√内向ML図形/におjいては過小 錯視量の増加が生起するという異方性が見られノる 元ML図形)に=おいては,挟角が90°=▽で,角度錯視jが考j ないけずであるj.才六このように丿も七角度錯視がML錯視 視に見亥れるような異方性が認められる‥ことが期待ノ斗 (標準)ML図形(以後レ還元ML‥図形とFigure寸のよう/ Figure 1ダ)ような=MよL図形を(標準)ML図形と記述すレj と角度錯視とめ阻に有意な負の相関係数が確認され丿ご=X。  上述の議論柴浜口(1996b)め議論に追加ノして√本論揉

挟角が

■ ■   ・ ・ . ・ ● . ミ 「  ̄ ・ ・ - ・ ご の よ / う . に

うな異方性が認

展=開トし=だ=議論でヶあノるがご]浜口の検 芦提丿出=吝/れた=j=レ………:………\∧……犬 tj.・Jま.・.41"-・t●b ● ._・.・.・   ・.・・・一一 検討実験した浜[]の追実験を,y還元ML図形を用い……す=j行宍うニ万=も1=万めで万万あ:。る1=.11 説を立でた.     十 ダ  ………=▽jノノ/レレ…………∧………ノ……ノ エ.\万………=I―:.エ―=.―1 訂=jる角度錯視説々妥当性を ぺしヶたがプず‥・,<こ・浜・1[]と\同=じ仮 し図形におレい七は過小視錯 卜見レられくるニL・型M.L図形 刺よ激Iト束り激図形は,=標準刺激図形と

(5)

還元ML図形を用いたML錯視に関する の検討実験=(浜口) 51 ディスプレイ(横19ぷmx縦12.0cm)に白いドッレトで描かれて呈示jされたム刺激図形は約60cmの距 離で観察された.‥とのようなドット図形の場合,ドットとデッドの間隙は,ごく僅かなのでレ60cm /ぐらいの観察距離ではにドットが垂直や水平に配列されている場合,ニドット群直線どしてではなく, 直線として自然4こ知覚されるがレ斜めに配列される……と・,1.ヽくぶダんドノッ下群直線としレで知覚される (Figure 5参照)丿しかし,先行して行った幾つかめ実験にお卜て,\実線図形によ/る錯視実験と下ッ ト群直線による錯視実験とで,ほぼ同じような結果を得でいるめで,両者間に機能的な違いは殆ど 無いないものとしてドット図形を用いることにした∧したが,つて,以下の図形に関する記述は, 640 下ヅノトX400ドッ斗のディスプレイ上にお=けるものなので√長さはド≒ツjト単位で記述する/しか七, nドッ斗の長さは0.3mmのごn倍に等しいンまた,点め位置は左上を:XY座標の原点とするので,Y は下方を十として記述する,標準刺激図形は, Table 1の図形欄に示されているような,主線が151 ドプト(45.3mm),斜線が50ドット(15.0mm)で,挟角が22.5°(内向)ノ・90° (L型)・157.5° (外向) である3種の還元ML図形を図形の中心(150, 200)に関してト主線が水平(o°)の状態から反時計回 りに45°,90° , 135° , 180°ハ225°二270° ,3↓5°ま懲回転さ甘\ら/れた24種(3図形〉く8方向)の実 験条件刺激図形と,これらの主線のみ(単一線分)の8種(8方向)の統制実験刺激図形であ=る.比較刺 激図形は,点(370, 200)より右の長さの変化する冰平線(上昇系列:は76ドッ=ト(22.8mm)から長くし, 下降系列は226ドッ下(67.8mm)から短ぐする)である.刺激図形の一例をFigure 5に示した.一六 Figure 5. 刺激図形の一例(内向ML図形の主線方向が45°ヶの実験条件刺激図形と上昇系列の比較刺激図形) 手 続 被験者調整法(上昇系列2回宍・下降系列2回)が用いられ,この4回の測定値の平均(以下にお いてPSE (Point of Subjective Equality)と記述する)を各被験者の各条件の見掛けの長さ/とした. 被験者は,比較刺激図形の線分の長さを,左向きか右向きの矢印キイを押すごとくによって,主線の 見掛けの長さと等しく見えるように調整するようにと告げられた.右向きの矢印半イを.押すと,し線 分の右端が右に移動し/左向きφ矢印キイ:を押すと√線分の右端が左に移動七七線分め長さが増減 七だ.続いて被験者は,調整が完了七たらズペー友.=キイ\を2回押すようしにと告げられたレこれによ り1回の測定が終わり,比較刺激図形の長さが記録され,次の刺激図形が呈示ざれた.……一人の被験者 に対して, 128回(32条件(24実験条件+8統制条件)×4ブロヅグ)の測定を行う=だ√刺激図形はラニッ ダムな順序で呈示された.測定は被験者のぺこー・スで行われ,所要時間は12分19秒か:ら1:9分9秒で/一 人平均約14分28秒であったト 犬‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥万  ………万………万……宍‥‥‥‥‥  ‥‥   十 ニ犬  \   犬結し果   ダ・ ……… ………゜‥‥  ‥  内向・L型・外向・統制図形条件の,しぞれぞれ8方向のPSEをTableニ1に示しレそれらをFigure 6 にグラフとして表した.ただし,統制図形の場合,主線の方向が,09 と1印゜☆\45°‥と225°☆90° と270° , 135°と315°の図形は,づお互いに点対称の図形なので,点対称図形どう七の図形のPSEめ

(6)

52 LO C3 LO 0 16  16  15  15 PSE︿ドット﹀ O  rn o Lo ︱        一 錯視量︿ドット﹀

﹂﹂一 ︱

高 知 大 学 学 術 研 究 報 告 \ 第 4 6 巻 ◇ ( 1 9 9 7 年 } j … … j … … 人 文 科 学 ト : … … ☆ … … I … … ノ \ … … … : ∧ 、 … … … … 上 … … …   … … … … … … … ∧ づ = こ \ 回 … … … 1 … … レ ∧ … …… / 回 付 \ \ レ … … = = 戸 毎 面 6 … … … = ・ 6 t l j : 1 ・ 、 = 1 万 I 横 軸 は √ 還 元 M L 図 形   .   ・ .   ・         ・     .   . 、 ・ . ・ . ・ ・ ‥ ・ : ・ ・ ・ ` ゝ ・ . ・ : : . ∵ ・ ・ . ・ . ・ ・ . ・ ‥ ・ . ・ . ‥ ・ j : ・ ・ j : ・ ・ . ・ . ・ . ≒ ・ ・ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ : . ・ . : . ・ ・ . ・ ・ ・ ・ ・ . ・ . ・ ・   ・ ・ ・ . ・ ・ . ・ … … … 外 向 図 形 \ … … … … \ / \ ∧ \ = … … 卜 < 寸 : ] く ケ 1 … … … … j 1 万 万 万 : 1 ( 外 向 レ ノ . : 万 1 じ 型 万 : i 内 向 ) く と 統 制 図 形 を 反 …   … … … …   :   … … … … … … 二 : : ÷ … … … … ' レ タ ゙ = 、 レ ] : \ … … \ ∧ ノ … … j i = : j 時 言 フ ゙ │ 宍 回 々 : に 擢 ス … … … 万 = 7 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥ ‥   ニ … … … レ … … … … … … ÷ ・ ・ i … … … 十 … … 万 j … … … ` . ・ て 十 \ : = = 、 … … = 、 ・ . ケ ゙ ( O y … … … ) く か j ら 3 1 5 ° … … … 1 ま . ・ = で 回 転 ・ さ \ せ た 場 合 … … = 万 … … … … …   … … … … m m 図 芦 … … ヤ ス 千 千 … … … : l j 万 j = y j ら 函 肩 = 緬 泳 臨 油 扉 心 : 向 以 k / .       し   一 犬   . ぺ … … … l ・ 、 . . . ・ . し 、 ニ y … … … ハ ゚ … … … … l … … … … l … … … ⑤ ノ レ … … … : … … … : … … : … … … … … … … … … … … … I … … … … … … … ∧ j ・ ・ 一 万 l + 1 : ・ J j … … j J … … … … ノ 二 l ・ ・ . ゜ ∧ = j . j / … … … … レ = ソ 本 . し 、 さ く ら 〉 に = 右 端 / に 祁 り ゜ : : : = . 9 条 件 群 j と 十   二     ∧ … … … … … : … … … ソ ゙ … … … … : ・ ・ ・ ) = … … … 万 … … = j … … ∧ … … … 千 千 ト … … ゜ 、 = i J ' . し : ・ ・ I 七 〇 y ∧ の 条 件 群 を 対 応 さ せ た ) 縦 \   卵 9 甲 琴   六 十 二 . … … … \ ノ … … = < ∧ 万 … … \ j 、 \ \ \ … … … に ≪ 1 : : i = ど 万 j = j i J J = と 万 = 元 j i ; 元 元 l y 八 万 m m < D ± m s L び ㎜ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ■ ■ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ■ ■ ■ ㎜ ■ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ■ ㎜ ㎜ ■ ■ ■ ㎜ ㎜ ■ ■ ■ ■ ㎜ ㎜ ■ ■ ㎜ ㎜ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■   ■ ■ ■ ■ ■ ■   ■   ■     ■   ■ ■ 平均値をそれ:ヂれのP耶とjしたトFigureダ6による てPSEは最小値を示し√水平方向より次第に垂i白 線の見掛けφ長き。の異方性が見られるよニう二であj 性が見弓│れ.るごとは:=いえないくので..内向ト./Lj型く・I る方向毎に√各図形実験条件のPSEと統制条件 条件めく錯視量をTable 1に示七それら/をFigureナ 向ML:図形の)場合,……仮説が正しければ,/主線の方 ある時jに過小視錯視量の増加が生口折れ線グラ

が,結果はJゆるやかな水平線を示し,

ML錯視・7

外向Mt図形の場合,……仮説Jヵj正しけ:れば,

ある時に過大視錯視量の増加jが生じレ折れ線しグヤ弓プ

I((実 ;))・ y時よ二り斜め方向に

(7)

還元ML図形を用いたML錯視に関する角度錯視説の検討実験(浜口) 53 Table l.還元ML図形と統制図形を反時計回りに45° ステップで水平方向(0°)から315°まで回転させた場 合の還元ML図形の主線と統制図形のPSE(C000とC180めような点対称図形は両図形の平均値)及びその差 ((実験条件のPSE)−(統制条件のPSE))と乙検定(単位はドット(1ドット=0.3mm)・23人の平均)・(差は四捨 五入前の値で計算)      ノ        し       ト     ト

統制

条件

C000     -

C045 /

C090 1       亀C135  \     -C180

C225 /

C270 l

C315 \

PSE

152.6

159.2

157.2

157.7

152.6

159.2

157.2

157.7

実験

条件

1 000    -

   /

1 045

lo9∩

1 135

1 180 1     - 'W-‘

1 225 /

1 270 1

1315

PSE

150.4 155.9 157.9 156.2 149.1 154.4

154.3

156.0

-2.2 -3.3 0.7 -1.5 −3.5 −4、8 -2.9 -1.7

£検定 t=2M * i=4.19 ** i=0.87 几S £=2.07 * i=3.86 ** i=5.22 ** i=3.28 ** i=2.47 *

実験

条件

L000     l L045ソ L090 」

L135 ≒

    ¬L180 L225/ L270 「

L315 y

PSE

155.5 160.3 161.4

159.4

151.7

158.6

159.0

160.7

2.9 1.1 4.2 1.8 −0.9 −0.7 1.8 3.1

£検定 i=3.83 **

i=1.29 ns

i=5.45 ** i=2.52 * i=0.98 限 i=0.92 ns i=2.43 * i=4.88 **

実験

条件

0000     心 0045ノ o090  J 0135 へ 0180     ̄χ

0225

/

o270  F

0315 y

PSE 161.5 165.2 164.3 164.1

159.6

163.0

164.6

165.3

8.9

6.0 7.1 6.5 7.0 3.8 7.4 7.6

乙検定 £=10.03** i=6.58 ** i=6.79 ** i=6.88 ** t=7.87 ** t=4.49 ** 4=7.97 ** ≪=9.97 **

*p<.05  * *p<.01

あるが,結果はゆるやかな水平線を示し,ML錯視の異方性は見られないといえる.

 L型ML図形の場合,仮説が正しければ,錯視量の異方性は見られないはずであり,グラフは水

平線を示すはずである.仮説どおり,結果はゆるやかな水平線を示し,ML錯視の異方性は見られ

ないといえる.      ダ

       考 察       ニ

 もし,角度錯視がML錯視の原因であるなら,主線の方向が水平や垂直方向より斜め方向にある

時に錯視量の増加が生じ,

Figure 7においで,j内向ML錯視の異方性を示すWW型の折れ線グラフ

の結果と,外向ML錯視の異方性を示す逆W逆W型の折れ線グラフの結果が,仮説どおりに得られ

るはずである.しかし,内向ML錯視にも外向ML錯視にも仮説を支持する結果が得られず,グラ

フはゆるやかな水平線を示し,ML錯視の異方性は見られなかった.これらの結果から考察して,

内向ML錯視にも外向ML錯視にも挟角の角度錯視は関係七ていないといえ,浜口(1996b)と同様

に,角度錯視はML錯視の原因であるという角度錯視説は疑問であると結論できる.還元ML図形

においても,(標準)ML図形と同様(1995a)に,角度錯視とML錯視との間に相関関係がある(浜口,

1996a)が,本論の結果より,両錯視間に因果関係までもあるとはいえないことが明らかになった.

なお,L型ML図形の場合は角度錯視が関係しないので,ML錯視に関する角度錯視説の妥当性の

考察から除外できる.

(8)

54 高知大学学術研究報告 第46巻(1997年)人文科学

 浜[コ(1996b)は,ツェルナー錯視やノエビングパウス角度錯視などめ代表的な角度錯視には異方性

が認められることから,(標準)ML図形の角度錯視にも異方性が認められるものと仮定した.そし

て,この仮定に,ML錯視に異方性が認められなかった=こ\とを関連づけて,角度錯視説は疑問であ

ると結論した.本論は,還元・ML図形を用いてレこの還元M・=L図形の角度錯視の異方性を確認した

(浜口, 1995c)うえで,この角度錯視の異方性と,ML錯視に異方性が認められなかったことを関連

づけて,浜口(1996b)と同じ結論を下した.浜口の結果(1996b)と,より説得力のある本論の結果と

によって, BrentanoのML錯視に関する角度錯視説ぺめ疑問はますします強固レなものになっ・たと結

論できる.

 ML錯視は,複数の原因によって生起すると考えられる(Rob姐son, 1972;Coren 4 Girgus, 1978).本論で疑問が投げかけられた角度錯視説を除いてj…………遠近法説ソ(Gregory↓1963)や眼球運動説

(Festinger, White, & Allyn, 1968)等によりML錯視は説明されるかも知れない.ML錯視に

関するこれらの説の妥当性の研究は別に機会を設けたい

       引用文献

Blakemore.C, Carpenter,R.H.S., & Georgeson,M.A……+1970……:……Lateral inhibition between  orientation detectors in the human visual system, Nature, 228, 37-39・

Boring,E.G. 1942 Sensation andpercepti(mlれthe iiistoりof∧experitTterttcil ps;ycholog'y・New York: Appleton-Century-Crofts.      ニ

Carpenter,R.H.S., & Blakemore.C. 1973  Experime几tal Brain Research,18, 287-303

Interactionsプbetweenプorientation in human vision.

Coren.S・, & Girgus.J.S. 1978 Sa血g is deceivi昭.7=Th,e p勿皿oloりコof  uisual・illusions,

 Hillsdale, N.よ:Erlbaum.         ト ………=j・・:   ‥‥‥‥1=

Festinger.L., White,C.W., & Allyn,M.R. 1968 Eye movements and decrement in the

Miiller- Lyer illusion. Perception & Psンckoph'ysics,3,376-382.犬 ▽‥‥‥‥‥‥‥‥‥    ‥ ‥

Gregory, R.L. 1963 Distortion of visual space as inappropriate constancy scaling. Nature, 199,  678-680.       ダ    十    ∧ 浜口恵治 1995a ミュラー・リヤー錯視と角度錯視の関係 基礎心理学研究, 13, 89-92. 浜口恵治 1995bエビフングハウス角度錯視の異方性の実験的研究 基礎心理学研究,レ!4, 32(抄録). 浜口恵治 1995c エビングハウス角度錯視の分析的研究 一鋭角部分図形と鈍角部分図形に分解してー一一  日本心理学会第59回大会発表論文集, 577.   〉  \     ………… I   ∧ 浜口恵治 1996a ミ ュラー・リヤー錯視と角度錯視の関係 一一ポイント・マッチング法と1つの斜線のみよ  りなる変形ML図形を用いて一一 高知大学学術研究報告,45√人文科学レ63-69.し 浜口恵治 1996b ミュラー・リヤー錯視に関する角度錯視説め実験的研究上一一ミÅダー・リヤ,錯視の異方  性と関連させて一一一一 基礎心理学研究,15, 103-108.      \

(9)

還元ML図形を用いたML錯視に る角度錯視説の検討実験(浜口) 55

今井省吾 1984 錯視図形 一一見え方の心理学= サイエンス社.

Lewis,E.O. 1909 Confluxion and contrast effects in the Miiller-Lyer illusion.British Journal  ofPsでych.olog:y,3, 21-41.       ト \         犬    十

盛永四郎 1932 エビングハウス氏角の錯視に関する研究(3)心理学研究, 7, 253-266.    犬 ‥

盛永四郎 1933 ツェルネ歩氏錯視の研究 心理学研究\8に195-242..・・.・・.・. ・.    ・.・.     ・・

Oyama.T. 1975 Determinants of the Zollner illusion. Psycholoがc 「Research, 37, 261-280.

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