研究・教育活動推進委員会活動報告 混合研究法ワークショップを終えて
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(2) 表 1 日本老年看護学会研究・教育活動推進委員会混合研究法ワークショッププログラム概要 日目 <午前>講義 講師:マイク D. フェターズ氏 ①混合研究法の概要(定義,質的・量的研究の特徴,混合研究法の特徴) ②混合研究法の進め方(研究トピックを明らかにする,臨床ストーリーについて) ③データ収集の方法(主要なデータソースについて) ④混合研究法の基本デザイン(説明的順次デザイン・探求的順次デザイン・収斂デザインについて) ⑤データ収集の計画方法(手続きダイアグラム・研究計画のためのジョイントディスプレイの作成方法) <午後>演習(グループワーク) ファシリテーター : 委員会委員 グループ編成 : 初学者,混合研究法経験者,研究/投稿経験者別に,各グループ 4 ∼ 6 人の小グループを編成した. 演習方法:各グループに,委員 1 人をファシリテーターとして配置し,進行した. 演習内容:午前中の講義内容を基に,ワークシート(3 種類)を用いて,自身の研究テーマについて以下の内容を整理し,疑 問点,発見した点などについて意見交換を行った.講師より疑問点に対する回答,助言等は随時行った. ①質的および量的データを収集する根拠と混合研究法を実施する根拠を述べる ②質的および量的データソースを明確にし,データソーステーブルを作成 ③手続きダイアグラムの作成 ④データ収集計画のためのジョイントディスプレイの作成 ⑤各グループからの報告と疑問点を発表と講師からのフィードバック. ●1. 日目 <午前>講義 講師 : マイク D. フェターズ氏 ①研究実施計画書(計画書に含む要素について) ②研究実施計画書の作成プロセス(質的研究,量的研究の主要なステップについて,混合型データ分析の主要ステップについ て) ③ジョイントディスプレイを用いた質的・量的データの統合方法とメタ推論 <午後>演習(グループワーク) ファシリテーター : 委員会委員 演習方法:1 日目同様に委員がファシリテーターを担い,1 グループ 4 ∼ 6 人のグループにてグループワークを実施. 演習内容:午前中の講義を基にワークシート(3 種類)を用いて,1 日目と同様に以下のグループワークを行う. ①研究実施計画書の作成(質的・量的データソース,構成概念の整理,インプリメンテーション・マトリックスの作成:質的・ 量的研究の目的,リサーチクエスチョン・手続き・分析・結果の整理) ②ジョイントディスプレイを用いた分析(結果の解釈および報告のためのジョイントディスプレイの作成) ③全体討議(各グループで進んだ点,難しかった点を発表),および講師からのフィードバック ●2. 者 27 人(40.3%) ,混合研究法研究・論文投稿経験者 6 人( 9.0%) ,不明 4 人(6.0%)であった. 参加動機は,初学者グループでは, 「博士論文の計画 書作成や論文執筆のため」 「混合研究法の手法をきちん と学びたい」 「今後老人保健事業に関わっていくため」 「質 的データと量的データをどのように統合してつなげるの か興味がある」などであった.混合研究法経験者グルー プでは, 「今後混合研究法を用いた研究を実施するため」 「演習で指導を受けられることに魅力を感じた」 「博士論. 写 1 グループワーク風景. 文執筆のため」などであった.混合研究法研究・論文投 稿経験者グループでは, 「ジョイントディスプレイやメ タ推論について深めたい」 「自分の研究への具体的なヒ. 6.プログラムの内容. ントがほしい」 「より精度の高い混合法を学びたい」と. 2 日間のプログラムは,講義と演習を交互に行うスタ. いうものであった.. イルをとり,各参加者自身の研究テーマに照らして,具. このように,参加者の混合研究法の経験と参加動機に. 体的な混合研究法のステップをたどりながら,講師が作. は違いがみられたことから,演習パートでは,学修レベ. 成したワークシートを使用し,具体的な理解が進むよう. ル別にグループ分けを行い,委員メンバーが各グループ. に進行した.表 1 にプログラムを示した(会場風景;写. に入り,ファシリテートする方法で進めた.. 1 ∼ 3) .. 126.
(3) 老年看護学 第 24 巻第 2 号 2020.1. 写 2 フェターズ氏によるグループラウンド時の質問への回 答風景. 25 人 (56.8%) 0. 10 大学等教育機関,. 20. 3人 1人 (6.8%) (2.3%). 30. 病院,. 写 3 フェターズ氏と参加者の集合写真. 40. 50. 60. 診療所・訪問看護ステーション,. 14 人 (31.8%). 70. 大学院生,. 80. 1人 (2.3%) 90. 100(%). 未回答. 図 1 ワークショップ参加者の所属(有効回答 n = 44) 問Ⅱ-1(1 日のみ参加者) 問Ⅱ-1(2 日間参加者). 13%. 66.7% 24%. 問Ⅱ-2(1 日のみ参加者) 7% 問Ⅱ-2(2 日間参加者) 14% 問Ⅱ-3(1 日のみ参加者) 問Ⅱ-3(2 日間参加者) 問Ⅱ-4 2 日間参加者. 13% 21%. 10. 4- そう思う,. 26.7% 17.2%. 73.3% 58.6%. 20.7%. 58.6% 20. 30. 40. 3.4%. 13.3% 20.7%. 55.2%. 21% 0. 5- 非常にそう思う,. 66.7% 65.5%. 24%. 問Ⅱ-5 2 日間参加者. 20.0% 13.8%. 62.1%. 20.7%. 50. 3- どちらともいえない, 2- そう思わない,. 60. 70. 80. 90. 100(%). 1- まったくそう思わない. 質問項目 問Ⅱ -1 研究デザインの選択と手続きダイアグラムの作成の理解 問Ⅱ -2 質的・量的アプローチの統合としてのジョイントディスプレイの作成方法の理解 問Ⅱ -3 1 日目全体を通して,混合研究法のプロセスの理解 問Ⅱ -4 2 日間の参加を通して,混合研究法の計画書作成プロセスの理解 問Ⅱ -5 2 日間の参加を通して,混合研究法のプロセスの理解. 図 2 ワークショップの内容の理解. 容についても,およそ 8 割以上の回答で内容を理解でき. 7.参加者による内容理解と満足度評価 参加者に自記式参加アンケートの提出を依頼し,分析. たとの回答が得られた(図 2) .. した.回収率は全体 65.7%(44/67) ,1 日目のみ参加者. 3 )参加満足度. 71.4%(15/21) , 2 日間参加者 64.4%(29/45)であった.. 0 ∼ 10 点のスケールで, 全体的な参加満足度を問うた.. 1 )所 属. 1 日目のみ参加者は平均 8.3(SD1.4)点,2 日間参加は. 前述のとおり,大学に勤務するものが最も多かった. 平均 8.5(SD1.2)点,参加者全体では平均 8.4(SD1.3). (図 1) .. 点と,参加満足度は高かった.. 2 )ワークショップの内容理解. 4 )ワークショップに参加による新たな気づき,感想等. 各プログラムについて,参加満足度を問うた.どの内. 「グループワークで言語化して他者の意見により考え. 127.
(4) るきっかけになった」 「研究計画書の作成を行うことで,. 8.ま と め. 混合研究法として研究を実施するにあたり,現在不足し. 講師の交渉から参加者募集,当日の運営と,準備する. ているデータ収集項目に気づけた」 「いままでのテーマ. 内容が多かったが,参加者の多くが混合研究法を理解で. から新しい発想があった」 「ジョイントディスプレイの. きたとし,また,プログラムの参加満足度も高かったこ. 作成が難しい」 「新しいデザインを知り,理解を深めら. とから,本ワークショップはニーズに合致したもので. れた」 「細かな点でわからなかったこともワークショッ. あったと考えられた.このようなワークショップ形式の. プや質問を通して少しイメージができた」 「完成された. セミナーを継続して行ってほしいとの希望も挙げられて. 論文を読んだり MMR に関する書籍を読んだだけでは. いるため,次期委員会に引き継いでいく予定である.. イメージができなかったことをていねいにレクチャーし ていただき,研究を進めていく元気をいただけました」. 【謝辞】. 「マイク先生のふところの広さに緊張がほぐれ学びを得. 2 日間講師を務めていただいたマイク D. フェターズ氏に深 謝いたします.. ることができた」などの感想が寄せられた.. 128.
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