原 著
隠れマルコフモデルを用いた牛のサルモネラ保菌陰転率と
第一胃発酵状態の関連の評価
榊原伸一*
北海道石狩家畜保健衛生所
Evaluation of Association between Negative Conversion Rate of
Salmonella in Cattle Feces and Ruminal Fermentation
Conditions using a Hidden Markov Model
Shinichi SAKAKIBARA*
Hokkaido Ishikari Livestock Hygiene Service Center 3, Hitsujigaoka, Toyohira, Sapporo, Hokkaido 062⊖0045, Japan
(Received 4 Sep, 2019/Accepted 7 May, 2020)
Summary
The long time needed for the elimination of Salmonella in dairy cattle can cause significant production losses. Ruminal fermenta-tion (RF) disorders in Salmonella-infected dairy cattle may complicate the process of Salmonella eradicafermenta-tion. Thus, this study aims to statistically evaluate any association between negative conversion rate (NCR) of Salmonella in dairy cattle feces and RF conditions using a Hidden Markov Model. Epidemiological data were obtained from 21 dairy cattle belonging to a Salmonella-infected dairy herd. Fecal samples were collected and cultured 23 times every two weeks for approximately one year. RF conditions were evaluated based on the milk fat to protein ratio (FPR) and categorized as optimum condition (OC; FPR: 1.1⊖1.5), negative energy balance (NEB; FPR >1.5) or rumen acidosis (RA; FPR <1.1). The odds ratios for the NCR in the cattle with NEB and RA were 0.0141 (95% credi-ble interval: 1.08×10-26, 2.75) and 0.0429 (95% credible interval: 2.00×10-14, 0.628), respectively, compared with that in the cattle
with OC. These results suggest that it is difficult to eliminate Salmonella in dairy cattle with RF disorders. Keywords : dairy cattle, Hidden Markov Model, milk fat to protein ratio, ruminal fermentation, Salmonella
要 約
サルモネラに感染した搾乳牛は,時としてサルモネラを 長期間保菌し,大きな経済損失が発生する。今回,サルモ ネラの長期間保菌要因の一つと考えられる第一胃発酵状態 について,牛のサルモネラ保菌陰転率(陰転率)との関連 を隠れマルコフモデルを用いて評価した。調査農場はサル モネラ症が発生した一酪農場で,搾乳牛 21 頭の糞便培養 検査が対策終了までの約 1 年間に約 2 週間間隔で 23 回実 施された。第一胃発酵状態は乳脂肪率/乳タンパク質率比 (FPR)により推測した。FPR≧1.1 かつ≦1.5 を正常(OC), 発酵不足である FPR>1.5 を栄養不足(NEB),発酵過剰で ある FPR<1.1 をルーメンアシドーシス(RA)とした。 OC の牛に対する NEB 及び RA の牛の陰転率のオッズ比は, それぞれ 0.0141(95% 信用区間:1.08×10-26,2.75)及び 0.0429(95% 信用区間:2.00×10-14,0.628)と推定された。 今回の調査から,第一胃発酵状態が異常である牛はサルモ ネラが排除されにくい可能性があると考えられた。 キーワード: 隠れマルコフモデル,搾乳牛,サルモネラ, 連絡先 : 榊原伸一* 北海道石狩家畜保健衛生所 〒062⊖0045 北海道札幌市豊平区羊ヶ丘 3 番地 Tel : 011⊖851⊖4779 ; Fax : 011⊖851⊖4780 E-mail : [email protected]第一胃発酵状態,乳脂肪率/乳タンパク質率比
緒 言
牛のサルモネラ症はサルモネラを原因菌とする腸管感染 症であり,近年は搾乳牛において頻発している16, 21, 27, 29)。 サルモネラ症は牛に発熱,下痢等を引き起こし,治療費, 死廃事故及び抗生剤投与に伴う生乳廃棄等により酪農場に 大きな経済損失を与える16, 27)。発生事例の中には治療を実 施したにもかかわらず牛からサルモネラが除菌されるのに 数ヶ月の長期間を要し,経済損失が増大したものが報告さ れている21, 29)。長期保菌要因の一つとして第一胃発酵の異 常が示唆されているが27, 29),長期保菌と第一胃発酵異常の 直接的な関連を示す報告はなされていない。また,第一胃 発酵を正常化するには飼料設計の改善が必要となるが,相 応の費用が必要となる。第一胃発酵異常とサルモネラ保菌 陰転率(陰転率)の関連を定量的に示すことができれば, 飼料設計の改善によるサルモネラ対策を実施しやすくなる と考えられる。 第一胃発酵状態を把握する方法として第一胃液の pH 測 定や血中ケトン体測定等が挙げられるが10, 25),検体の採材 に大きな労力がかかる。簡便に第一胃発酵状態を推測する 方法として,乳脂肪率/乳タンパク質率比(FPR)を用い た方法が報告されている10, 22)。ルーメン発酵量が不足し, 栄養要求量が満たされずに栄養不足(NEB)に陥ると FPR は増加する22)。一方,栄養要求量を満たすために濃厚飼料 を過剰給与すると,過剰なルーメン発酵により第一胃内 pH が低下するルーメンアシドーシス(RA)が引き起こさ れ,FPR は減少する25)。FPR の測定には乳汁を用いるため 非侵襲的で,特に普段から定期的に FPR を測定している 農場では,新たに採材及び測定を行わずに第一胃発酵状態 を把握することができる。 サルモネラ保菌牛は間欠的に糞便中にサルモネラを排菌 すると報告されている21, 24)。このため,サルモネラ保菌牛 であっても糞便培養検査結果が陰性となり,第一胃発酵状 態と陰転率の関係を正確に評価できない可能性がある。こ の観測誤差を考慮して分析する手法として,隠れマルコフモデル(Hidden Markov model:HMM)が挙げられる11, 13)。
HMM は,時系列モデルの一種で,潜在系列と観測系列か ら構成される。潜在状態は 1 時点前の状態に依存(一次マ ルコフ連鎖)して推移し,観測状態は同時点の潜在状態に 観測誤差を考慮して決定される(図 1)。このように潜在 状態を仮定することで,HMM は観測値の推移から観測誤 差に起因する成分を分離し,真の状態の変化に起因する成 分について評価できる。HMM は例えば野生動物の生存率 の調査に用いられている13)。野生動物を定期的に必ず発見 することは不可能であり,観測データにおいて不発見(生 存)と死亡を判別できないことから,HMM によりこの観 測誤差を考慮して分析しなければ生存率が誤って算出され るリスクがあるためである。今回の調査でも,間欠的に排 菌されるサルモネラの陰性結果の真偽を判定することは困 難であり,偽陰性による観測誤差を考慮して分析しなけれ ば陰転率が誤って算出されるリスクがあると考えられた。 これらのことより今回,FPR により推測した第一胃発酵 状態と陰転率について,HMM によって観測誤差を考慮し て分析した上で比較し,第一胃発酵異常が陰転率に与える 影響の大きさを評価した。
材料および方法
観測データ 調査農場は血清型 4:i:- によるサルモネラ症が発生した 北海道の一酪農場とした。平成 21 年 9 月にサルモネラ症 が搾乳牛で発生し,翌年 7 月まで搾乳牛 27 頭の糞便培養 検査及び飼槽等の環境培養検査が 23 回実施された。これ らの検査は約 2 週間隔で実施され,2 回連続で全検体陰性 が確認されて検査は終了した。本事例ではサルモネラ症対 策として,糞便培養検査陽性牛への抗生剤の投与,牛舎全 体の洗浄と石灰乳塗布による消毒(平成 21 年 9 月及び平 成22年7月に実施),飼槽の亀裂の補修(平成21年11月), 飼槽・水槽の塩素系消毒薬による消毒と通路への消石灰散 布の日常的な実施,糞便培養検査陽性牛の隔離,生菌剤の 給与及び第一胃発酵状態を改善するための飼料設計の変更 (RA を招く濃厚飼料を減らし,そのエネルギーの減少分 による NEB を防ぐため粕類を増給;平成 21 年 12 月に変 更;表 1)が実施された。 各回の各牛の糞便培養検査の結果を調査し,1 回以上陽 性が認められた牛(21 頭)のみを分析対象とした。併せて, 各検査時点の各牛の産次数を調査した。また,各回の飼槽 の環境培養検査の検査カ所数と陽性カ所数を調査し,各回 の検査カ所数に対する陽性カ所の割合(Con)を算出した。 糞便培養検査は牛の直腸便を検体とし,ラパポート培地 (栄研化学株式会社,栃木県)による増菌培養後,パールコ ア® DHL 寒天培地(栄研化学株式会社)及びパールコア® ES サルモネラ寒天培地Ⅱ(栄研化学株式会社)による分離培 養を実施し,分離コロニーのサルモネラ O4 群免疫血清(デ 図 1 隠れマルコフモデルの構造の概要ンカ生研株式会社,東京都)による平板凝集反応が陽性と なった検体を分離陽性とした。環境培養検査は蒸留水で湿 らせて滅菌した紙ウェスにより飼槽をぬぐったものを検体 とし,パールコア® EEM ブイヨン培地(栄研化学株式会社) による前増菌培養を加えて糞便培養検査と同様に実施し た。全ての培養は 37℃で実施した。 FPR は,公益社団法人北海道酪農検定検査協会が毎月 1 回牛個体毎に乳成分等を測定する牛群検定の成績より得 た。過去の報告に従い10, 22),FPR が≧1.1 かつ≦1.5 を正常 (OC),発酵不足である FPR>1.5 を NEB,発酵過剰であ る FPR<1.1 を RA とし,乾乳期や分娩直後で乳成分検査 未受験だった場合を不明(NT)とした。 サルモネラ保菌陰転率と第一胃発酵状態の関連の分析 HMM は次のとおり構築した(図 2)。各牛の潜在状態は 保菌:I と非保菌:S とし,単位期間に I から S に遷移す る確率すなわち陰転率は pC,I に留まる確率は 1-pC,S か ら I に遷移する確率すなわち陽転率は pI,S に留まる確率 は 1-pI とした。I が正しく I と観測される確率,すなわち 検査感度は pP,I が S と観測される確率は 1-pP とし,S は必ず S と観測されることとした。pC は第一胃発酵状態, 飼養環境のサルモネラ汚染状況すなわち Con,産次数及び 個体間差の影響を受けると仮定し,Pc を説明するモデル を logit(pC)=a+b1×NEB+b2×RA+b3×NT+b4×Con+b5 ×(Par-q)2+Ind・・・(1) とした。なお,a は切片,b1,b2,b3,b4 及び b5 は各変 数の係数,NEB,RA 及び NT はそれぞれの有無を示すダ ミー変数,Par は産次数,q は放物線の頂点座標を表す値 すなわち最も陰転率が高いまたは低い産次数を示し,Ind は牛の個体間差を示すランダム効果とした。 糞便培養検査で初めて陽性が確認されて以降を解析対象 とし,このときの潜在状態は I とした。調査期間中に淘汰 された牛は淘汰以降を解析対象外とした。糞便培養検査で 陽性及び陰性となった場合をそれぞれ観測状態 I 及び S と 表 1 飼料給与量と化学成分 項目 泌乳最盛期 泌乳中期 泌乳後期 変更前 変更後 変更前 変更後 変更前 変更後 飼料給与量(kg DM/day) チモシーサイレージ 8 . 16 5 . 70 8 . 16 5 . 70 8 . 16 5 . 70 チモシー乾草 0 . 00 1 . 70 0 . 00 1 . 70 0 . 00 1 . 70 アルファルファヘイキューブ 1 . 74 2 . 17 1 . 74 2 . 17 1 . 74 2 . 17 ビートパルプ 2 . 66 2 . 22 2 . 66 2 . 22 2 . 66 2 . 22 大豆皮 1 . 80 1 . 80 0 . 90 配合飼料 8 . 78 8 . 78 8 . 34 8 . 78 5 . 27 5 . 27 トウモロコシ穀実 2 . 16 0 . 87 1 . 73 0 . 87 0 . 87 0 . 87 炭酸カルシウム 0 . 10 0 . 10 0 . 15 0 . 10 0 . 15 重曹 0 . 15 0 . 15 化学成分 NE(Mcal/day) 1 . 44 1 . 42 1 . 45 1 . 43 1 . 46 1 . 48 CP(%DM) 15 . 2 15 . 1 15 . 2 15 . 1 14 . 6 14 . 5 NDF(%DM) 36 . 7 39 . 0 37 . 6 39 . 0 42 . 0 43 . 0 NFC(%DM) 40 . 2 37 . 9 39 . 2 37 . 9 35 . 3 36 . 1 変更前・後:平成 21 年 12 月に変更,NE:正味エネルギー,CP:粗タンパク質,NDF:中性デタージェ ント繊維,NFC:非繊維性炭水化物 図 2 サルモネラの保菌陰転率及び陽転率に関する隠 れマルコフモデルのダイアグラム pC:サルモネラ保菌陰転率 pI:サルモネラ保菌陽転率 pP:検査感度
した。第一胃発酵状態は各検査時点の直近の牛群検定の成 績より得た FPR に基づき設定した。 各牛各時点の糞便培養検査結果の系列データ(観測系列) を X={xi,t},モデルで得られた潜在系列を Z={zi,t},遷移確 率行列を A,観測確率行列を B,A 及び B から成るパラメー タセットをθとすると,全ての牛 i 及び時点 t の観測系列 に基づくθの尤度は Likelihood(θ)=p(X|θ)=∏21
i=1 ∏23t=2 p(zi,t|zi,t-1, A)p(xi,t|zi,t, B)
・・・(2) で得られる。なお,演算には Likelihood(θ)の対数値を用 いた。 パラメータ及び潜在保菌状態の推定はマルコフ連鎖モン テカルロ法(MCMC)により行った。パラメータ a,b1, b2,b3,b4,b5 及び q の事前分布は無情報事前分布とし, q は最小値:0,最大値:6 の一様分布,他は平均:0,分 散:1000 の正規分布とした。Ind の事前分布は階層事前分 布とし,平均:0,分散:σ2の正規分布とした。Ind の超 事前分布,すなわちσの事前分布は無情報事前分布とし, 最小値:0,最大値:20 の一様分布とした。pI 及び pP の 事前分布は無情報事前分布とし,最小値:0,最大値:1 の一様分布とした。連鎖の初期値は全て最小値:0,最大 値:1 の一様分布に基づく乱数とした。マルコフ連鎖は 3 本発生させ,それぞれについて反復回数は 2,400,000 回と し,パラメータの値の確率分布から初期値の影響を除くた めに最初の 400,000 回は切り捨て,以降の 2,000,000 回か ら 2,000 回ごとに結果を抽出する計算を行うことで得られ た計 3,000 サンプルの分布を事後分布,すなわちパラメー タの分布とした。全てのパラメータ及び逸脱度について Gelman-Rubin 統計量(R-hat)が 1.1 未満の場合に連鎖が 定常状態に収束したと判断した6)。MCMC は「OpenBUGS」 により実施し,得られた結果は汎用統計解析ソフト「R」 に取り込んで解析した18, 23)。結果の取り込みはパッケージ 「R2OpenBUGS」を用いた26)。 得られたパラメータ b1,b2,b3,b4 及び b5 を指数変換 することで,OC の牛に対する NEB,RA 及び NT の牛の 陰転率のオッズ比,Con 及び Par の二乗値それぞれが 1 ユ ニット上昇する時の陰転率のオッズ比,並びにこれらの オッズ比が 1 未満となる確率(OR<1)をそれぞれ算出し た。 加えて,RA を疑う FPR のカットオフ値は報告によって 1.0~1.2 と幅があるため22),カットオフ値を 1.0 及び 1.2 とした場合についても検討した。すなわち,上記の HMM を用い,パラメータの推定は全く同様に実施し,OC の牛 に対する RA の牛の陰転率のオッズ比及び OR<1 を算出 した。 HMM による観測誤差の調整の効果を明確にするため, 潜在状態を考慮しないモデルである単純マルコフモデル (SMM),すなわち上記で構築した HMM の pP を 1 とした モデルを構築した。SMM のパラメータ推定は HMM と全 く同様に実施し,両モデルのデータへの適合度を比較する ため,それぞれ widely applicable information criterion
(WAIC)28)を算出した。 サルモネラ保菌状態と日乳量の関連の分析 サルモネラ保菌が生産性に与える影響を明らかにするた め次の調査を実施した。評価項目は日乳量(DMY)とし, 調査に用いたデータは,上記の搾乳牛 27 頭が平成 21 年 9 月から平成 22 年 7 月までに受検した牛群検定,延べ 210 回の成績とした。牛群検定時のサルモネラ保菌の有無は, 直近のサルモネラ糞便培養検査における,HMM により推 定された潜在状態から設定した。なお,牛群検定時にサル モネラ症を発症している牛は認められなかった。まず, DMY の実測値をサルモネラ保菌の有無並びに OC,NEB 及び RA 別に算出し,続いて一般化線形混合効果モデルに よる解析を行った。 DMY を説明する一般化線形混合効果モデルは DMY ~ Normal(μ, τ)・・・(3) log(μ)=c+d1×Sal+d2×NEB+d3×RA+Mon+MIM+ Par+Ind・・・(4) とした。なお,c は切片,d1,d2,及び d3 は各変数の係数, Sal(サルモネラ保菌の有無),NEB 及び RA はそれぞれの 有無を示すダミー変数,Mon,MIM,Par 及び Ind はそれ ぞれ牛群検定実施時の月,分娩後月数,産次数及び個体間 の差を示すランダム効果とした。目的変数の分布は正規分 布と仮定した。 パラメータの推定は HMM と同様に「OpenBUGS」と「R」 を用いて MCMC により行った。パラメータ c,d1,d2, d3 及びτの事前分布は無情報事前分布(τのみ最小値:0, 最大値:20 の一様分布,他は平均:0,分散:1000 の正規 分布)とした。Mon,MIM,Par 及び Ind の事前分布は階 層事前分布(平均:0,分散:σ12,σ22,σ32及び σ42の正 規分布)とし,超事前分布は無情報事前分布(最小値:0, 最大値:20 の一様分布)とした。連鎖の初期値,設定及 び収束の判定は HMM のパラメータ推定と同じとした。得 られたパラメータ d1,d2 及び d3 を指数変換することで, サルモネラの非保菌牛に対する保菌牛の日乳量の比,OC に対する NEB 及び RA の日乳量の比,並びにこれらの比 が 1 未満となる確率(R<1)をそれぞれ推定した。 統計学的評価結果の解釈 本調査では,統計学的有意差の有無を示す閾値を設定し ないこととした。これは統計学的評価結果を二元論的に解 釈すべきでないとする Amrhein らのコメント1)に従うもの である。同コメントでは,観測された結果の差に統計学的
な有意性が検出できない場合でも,実際上その差に意義が あることがあるため,統計学的評価結果だけで二元論的に 判断を下さず,多角的に結果を考察することが科学的に重 要と述べられている。
成 績
糞便培養検査において牛 27 頭のうち 21 頭で一回以上陽 性が認められ,うち 14 頭が陰転と陽転を 1 回以上繰り返 した(表 2)。なお,他の 6 頭については全ての検査回で 糞便培養検査陰性であった。解析対象は糞便培養検査で初 めて陽性が確認されて以降,淘汰されるまでとしたため, 延べ 448 回の糞便培養検査結果を用いて解析を行った。ま た,各検査時点の各牛の第一胃発酵状態は OC 延べ 265 頭, NEB 延べ 35 頭,RA 延べ 44 頭及び NT 延べ 104 頭で,初 回検査時点の産次数は未経産 1 頭,初産 6 頭,2 産 6 頭, 3 産 3 頭,4 産 1 頭,5 産 3 頭,6 産 1 頭あった。各回の飼 槽の環境培養検査の検査カ所数,陽性カ所数及び Con は 表 3 に示した。 HMM について MCMC を実施した結果,全てのパラメー タ及び逸脱度について R-hat は 1.1 未満となり,各パラメー タの値の中央値と 95% 信用区間(95%CI)は表 4 のとお り推定された。推定されたパラメータより,OC の牛に対 する NEB,RA 及び NT の牛の陰転率のオッズ比と陰転率 が 1 未満となる確率(中央値(95%CI;OR<1))はそれぞ れ 0.0141(1.08×10-26, 2.75;0.913),0.0429(2.00×10-14, 0.628;0.993)及び 0.0000784(1.48×10-28, 3.63;0.910)と なり,第一胃発酵異常の牛は陰転率が低いと推定された。 OR<1はNEB及びNTの牛よりもRAの牛で高値であった。 また,Con 及び Par の二乗値それぞれが 1 ユニット上昇す る時の陰転率のオッズ比は,OR<1 が共に 1.00 と非常に 高値で,陰転率は飼養環境のサルモネラ汚染状況が強いほ ど低く,産次数が 3.36 より低または高産次となるほど低 いと推定された。(表 4)。また,推定された潜在保菌状態 について,全ての牛で陰転は 1 回のみで,陰転と陽転を繰 り返す牛はいなかった(表 2)。 RA を疑う FPR のカットオフ値を 1.0 及び 1.2 とした場 合の HMM のパラメータと逸脱度について MCMC で推定 した結果,全てのパラメータ及び逸脱度について R-hat は 1.1 未満となった。カットオフ値が 1.0 及び 1.2 における OC の牛に対する RA の牛の陰転率のオッズ比はそれぞれ 0.000262(1.75×10-27,6.96;0.829)及び 0.134(0.00160, 0.920;0.913)となり,OR<1 はカットオフ値が 1.1 でもっ とも高値と推定された(表 5)。 SMM について MCMC を実施した結果,全てのパラメー タ及び逸脱度について R-hat は 1.1 未満となった。WAIC は SMM(-4271)より HMM(-5016)の方が小さく,モ デルの適合度は HMM の方が高かった。 日乳量の実測値(平均値±標準偏差)は,サルモネラ非 保菌牛が 30.6±7.5,保菌牛が 25.6±8.2,OC の牛が 30.1 ±7.8,NEB の牛が 28.4±9.5 及び RA の牛が 26.4±7.2 で あった。一般化線形混合効果モデルについて MCMC を実 施した結果,全てのパラメータ及び逸脱度について R-hat は 1.1 未満となった。サルモネラ非保菌牛に対する保菌牛 の日乳量の比(中央値(95%CI;R<1))は 0.946(95%CI: 0.885, 1.01;0.940),OC に対する NEB 及び RA の日乳量の 比はそれぞれ 0.903(0.826, 0.981;0.990)及び 0.982(0.914, 1.06;0.667)と推定された(表 6)。考 察
OC の牛の陰転率に対して NEB,RA 及び NT の牛の陰 転率はそれぞれ 0.913,0.993 及び 0.910 の確率で低いと推 定された。NEB では血中非エステル型脂肪酸(NEFA)濃 度が上昇するが,NEFA の上昇は免疫細胞の機能低下を引 き起こすとされることから9, 17),NEB の牛は免疫機能が低 下していたため陰転率が低かったと考えられた。NT には 分娩直後の牛が含まれた。一般的に分娩直後の牛は泌乳の 開始によるエネルギー要求量の急増により泌乳期間全期を 通してもっとも血中 NEFA 濃度が高値となるため7),NEB の牛と同様に NT の牛も陰転率が低かったと考えられた。 RA の牛は,第一胃内 pH の低下による第一胃内微生物の 死滅によって消化効率が低下することや,代謝性アシドー シスによって異化亢進することにより,結果的に NEB に 陥るとされる2, 8, 15)。加えて,第一胃内微生物の死滅により エンドトキシン(ET)が放出されるが,RA の牛において 継続的な ET の感作によりサルモネラに対する生体防御に おいて重要な役割を果たす Toll-like receptor-4 の発現量が 低下した例が報告されている12, 14)。RA の牛は NEB 及び NT の牛よりも OR<1 が高値であったが,NEB の牛と同 様の免疫機能の低下に,ET による免疫撹乱が加わったた め特に陰転率が低い可能性が高かったと推察された。 サルモネラの保菌により 0.940 の確率で日乳量が低下す ると推定された。サルモネラ症の症状として泌乳量の減少 が挙げられるが16),保菌のみでも生産性を低下させること が示唆された。また,NEB は高い確率で日乳量を減少さ せるが,RA は期待値としては日乳量を減少させるものの, 減少の可能性は高くないと推定された。NEB の牛は RA の牛よりもボディコンディションスコアの減少量が大きい と見積もられている3)。栄養不良の度合いは NEB の牛の 方が RA の牛よりも強く,日乳量の減少が大きかったと考 えられた。 今回の調査により,第一胃発酵異常は高い確率で陰転率 を低下させる可能性が示唆され,その低下度合いが定量的表 2 牛のサルモネラ糞便培養検査結果及び潜在保菌状態 検査年月日 牛 No. 平成 21年 平成 22年 9/15 9/24 10/5 10/16 10/26 11/4 11/16 11/30 12/14 1/4 1/18 2/1 2/15 3/1 3/15 3/29 4/12 5/10 5/31 6/15 6/23 7/5 7/27 1 + + -+ + + + + + -+ C C C C C C C C C C C C 2 + + + + + + + + + + -3 + -+ + -4 + + + -+ + + -+ -5 + + -+ + + + -C C C C C C C C C C C C 6 + + + -+ -7 + + + -+ + + -8 + + + + + + + -9 + + + + + + + -10 + + + + -11 + + + + + -12 + -+ + -+ -13 + + -+ + -14 + + + + -+ + -15 + + + + + + + -16 + -+ + + + + + -17 + + + + + + + + + + -+ + + + + + -18 + -+ + + -19 + -+ + + + + + + + + -20 -+ -+ + + + + + -+ + + -21 -+ + + + -+:陽性, -:陰性, C :淘汰済み,網掛け:マルコフ連鎖モンテカルロ法で推定された潜在保菌状態が+の検査 表 3 飼槽のサルモネラ環境培養検査結果 検査年月日 項目 平成 21年 平成 22年 9/15 9/24 10/5 10/16 10/26 11/4 11/16 11/30 12/14 1/4 1/18 2/1 2/15 3/1 3/15 3/29 4/12 5/10 5/31 6/15 6/23 7/5 7/27 検査箇所数 7 6 6 6 6 11 9 6 6 11 6 8 8 9 9 9 9 12 10 10 10 11 11 陽性箇所数 3 1 2 3 1 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 Con 0 . 43 0 . 17 0 . 33 0 . 50 0 . 17 0 . 45 0 . 1 1 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 1 1 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 0 . 00 Con :飼槽の環境培養検査の検査カ所数に対する陽性カ所の割合
に示された。特に RA は陰転率を低下させる確率が高いた め,今回の事例の対策として行われたように,まず濃厚飼 料を減らして RA を防ぎ,そのエネルギー減少分による NEB を防止するよう工夫して飼料を設計することでサル モネラの長期保菌を防止できる可能性があると考えられ た。一方,良質な飼料の確保には相応の費用が必要だが, 今回の調査で第一胃発酵状態の改善による陰転率の上昇及 びサルモネラによる乳量の減少量が明らかとなったため, 飼料費の増加とサルモネラによる損失の減少を調整しなが ら飼料設計を改善できるようになったと考えられた。また, NEB と RA を減らすことで乳量の増加による増収が見込 まれた。普段から牛の第一胃発酵状態を正常に保つことは, サルモネラ症に対する備えだけでなく,生産性の向上に繋 がる可能性があると考えられた。 RA を疑う FPR のカットオフ値を 1.0,1.1 及び 1.2 に変 動させてパラメータを推定した結果,OR<1 はカットオ フ値が1.1でもっとも高値と推定され,今回の調査ではカッ トオフ値は 1.1 がもっとも適していたと考えられた。一方, FPR による NEB 摘発検査の感度及び特異度はカットオフ 値 1.5 で最も高いが,それぞれ 75% 及び 78% とされ10),確 実と言えるものではない。FPR による第一胃発酵状態推定 の誤差の要因の一つに FPR の季節変動が考えられる30)。 RA を疑う FPR のカットオフ値が報告により異なる事もこ のような要因が影響した可能性が考えられた。このように, FPR は第一胃発酵状態を必ずしも正確に示さない場合があ るが,第一胃発酵状態の把握において FPR は簡便及び非 侵襲的であることから臨床現場において有用な手段であ る。今後,季節変動のような誤差を調整することで FPR による第一胃発酵状態の推定の利用価値が向上すると考え られた。 飼養環境のサルモネラ汚染状況が強いほど陰転率は低下 すると推定された。サルモネラに汚染された環境で飼養さ 表 4 マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定された隠れマルコフモデルの各パラメータの値及 び牛のサルモネラ保菌陰転率に関するオッズ比 パラ メータ 推定値 (中央値(95% 信用区間)) R-hat オッズ比 中央値(95% 信用区間) OR<1 a 6.52 (1.80, 16.0) 1 . 005 b1 -4.26 (-59.8, 1.01) 1 . 003 0.0141 (1.08×10-26, 2.75) 0 . 913 b2 -3.15 (-31.5, -0.465) 1 . 022 0.0429 (2.00×10-14, 0.628) 0 . 993 b3 -9.45 (-64.1, 1.29) 1 . 002 0.0000784 (1.48×10-28, 3.63) 0 . 910 b4 -32.3 (-78.8, -11.7) 1 . 008 9.81×10-15 (5.93×10-35, 8.38×10-6) 1 . 00 b5 -1.22 (-2.83, -0.451) 1 . 005 0.297 (0.0591, 0.637) 1 . 00 q 3.36 (2.94, 3.68) 1 . 003 σ 1.68 (0.0870, 5.45) 1 . 005 pI 0.00689 (0.000303, 0.0277) 1 . 003 pP 0.767 (0.687, 0.839) 1 . 003 R-hat:Gelman-Rubin 統計量,オッズ比:上段より栄養不良,ルーメンアシドーシス及び検査未実施 牛の正常牛に対するサルモネラ保菌陰転率のオッズ比並びに飼養環境のサルモネラ汚染状況及び産 次数の二乗値が 1 ユニット上昇する時のサルモネラ保菌陰転率のオッズ比,OR<1:オッズ比が 1 未 満となる確率,a:Pc を説明するモデルの切片,b1,b2,b3,b4 及び b5:それぞれサルモネラ保菌 陰転率を説明するモデルの栄養不良,ルーメンアシドーシス,検査未実施,飼養環境のサルモネラ 汚染状況及び牛の産次数の係数,q:最も陰転率が高い産次数,σ:牛の個体間差に係るランダム効 果の超事前分布,pI:サルモネラ保菌陽転率,pP:サルモネラ糞便培養検査の検査感度 表 5 FPR のカットオフ値別のマルコフ連鎖モン テカルロ法によって推定された OC の牛に 対する RA の牛のサルモネラ保菌陰転率の オッズ比 カット オフ値 推定値 (中央値(95% 信用区間)) OR<1 <1.0 0.000262 (1.75×10-27, 6.96) 0 . 841 <1.1 0.0429 (2.00×10-14, 0.628) 0 . 993 <1.2 0.134 (0.00160, 0.920) 0 . 979 FPR:乳脂肪率/乳タンパク質率比,OC:第一胃 発酵正常,RA:牛に対するルーメンアシドーシ スの牛のサルモネラ保菌陰転率のオッズ比,カッ トオフ値:RA を疑う FPR のカットオフ値,OR <1:オッズ比が 1 未満となる確率
れた牛は,サルモネラを継続的に摂取することで陰転率が 低下することが既に報告されている21)。サルモネラ症は経 口感染症であるため,適切な作業動線による飼料や飼槽・ 水槽のサルモネラ汚染防止及び日常的な飼槽・水槽の消毒 等によって早期の清浄化が達成されると考えられた。 陰転率は産次数 3.36 で最も高く,それより低または高 産次となるほど低くなると推定された。乳房炎は初産牛や 高産次牛で発生率が高いとの報告があり20),初産牛や高産 次牛はサルモネラに対しても生体防御能が低いことが推察 された。搾乳牛群でサルモネラが発生している場合,非保 菌の初産牛を搾乳牛群に編入する際は保菌牛と可能な限り 距離を開ける等の対策が必要と考えられた。また,高産次 の保菌牛は,当該牛の生産状況によっては淘汰が有効な場 合もあると考えられた。 本事例では,観測データでは陰転と陽転を繰り返す牛が 複数見られたが,HMM によって観測誤差を考慮して推定 された潜在保菌状態について,全ての牛で陰転は 1 回のみ で,陰転と陽転を繰り返す牛はいなかった。また,pI(陽 転率)の推定値は 0.00689 と非常に低値であった。HMM は SMM より WAIC が低値で,データへの適合度が高いと 推定されたことから,真の状態推移としては観測データよ りも HMM で推定された潜在保菌状態が妥当と考えられ た。これらのことから,本事例における陰転と陽転の繰り 返しは偽の陰及び陽転,すなわちサルモネラの排除及び再 感染ではなく間欠排菌であったと考えられた。今回の調査 では,HMM を用いて偽陰性による観測誤差を考慮した分 析を採用した。一般的に野外調査において観測誤差は免れ ないため,誤差の制御方法としての HMM は今後積極的に 用いられるべきと考えられた。 一方,様々な培地を用いた増菌培養の感度は 0.79~1.00 と報告されているが4),今回推定された pP(検査感度)は 0.767 でこれらよりも低値であった。サルモネラは 42℃と いった高温で培養することで偽陰性が減少するとされてい るが19),今回は 37℃で培養したことから選択性が低く, 他の菌に紛れてサルモネラが分離されなかったことが要因 として考えられた。これより,本事例で見られた陰転と陽 転の繰り返しは,間欠排菌を起こすサルモネラの性質に加 え,検査手法の不備のために発生した可能性も考えられた。 今回は設備の都合上,37℃で培養を行ったが,保菌牛の取 り逃しを防ぐため高温での培養を可能な限り実施すること が必要と考えられた。また,サルモネラは血清型によって 増殖性の良好な培地が異なる事から5),今回用いた培地が 最適なものではなかった可能性が考えられた。血清型毎の 最適な培地について情報を蓄積することで,現場レベルに おいて検査感度を向上させられると考えられた。 今回の調査対象は一事例のみであり,またサルモネラに は多数の血清型が存在する5)。今後,複数の事例及び血清 型について調査,比較検討することで,より有益な情報が 得られる可能性があると考えられた。加えて,給与試料中 のエネルギーとタンパク質のバランスを示す乳中尿素窒素 (MUN)を指標とした第一胃機能の改善によるサルモネラ 清浄化対策を実施した事例が報告されている29)。今回の調 査では MUN のデータが得られなかったが,今後,FPR と 併せて陰転率との関連を調査する必要があると考えられ 表 6 マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定された一般化線形混合効果モデルの各パラ メータの値並びに牛のサルモネラ保菌及び第一胃発酵異常が日乳量に与える影響 パラ メータ 推定値 (中央値(95% 信用区間)) R-hat 比 中央値(95% 信用区間) R<1 c 3.30 (3.09, 3.52) 1 . 001 d1 -0.0556 (-0.123, 0.0133) 1 . 001 0.946 (0.885, 1.01) 0 . 940 d2 -0.102 (-0.191, -0.0193) 1 . 001 0.903 (0.826, 0.981) 0 . 990 d3 -0.181 (-0.0899, 0.0571) 1 . 001 0.982 (0.914, 1.06) 0 . 667 σ1 0.0509 (0.0194, 0.108) 1 . 001 σ2 0.218 (0.138, 0.368) 1 . 001 σ3 0.137 (0.0378, 0.438) 1 . 001 σ4 0.155 (0.109, 0.228) 1 . 001 τ 0.0684 (0.0538, 0.0854) 1 . 001 R-hat:Gelman-Rudin 統計量,比:上段よりサルモネラ非保菌牛に対する保菌牛の日乳量の比 並びに第一胃発酵正常牛に対する栄養不良の牛及びルーメンアシドーシスの牛の日乳量の比, R<1:比が 1 未満となる確率,c:モデルの切片,d1,d2 及び d3:それぞれモデルのサルモ ネラ保菌,栄養不良及びルーメンアシドーシスの係数,σ1,σ2,σ3 及び σ4:それぞれ牛群検 定実施時の月,分娩後月数,産次数及び個体間の差を示すランダム効果の超事前分布
た。 今回の調査では,HMM を用いることで第一胃発酵状態 の異常による陰転率の低下効果が量的に明らかとなった。 普段から FPR 等で第一胃発酵状態を確認し,異常があれ ば飼料設計を改善して NEB 及び RA の牛を減らすことで, 農場の早期サルモネラ清浄化によって経済損失が軽減され る可能性があると考えられた。
引用文献
1) Amrhein, V., Greenland, S. and McShane, B. : Scientists rise up against statistical significance. Nature, 567, 305⊖ 307, 2019.
2) Chaidate, I., et al. : A cow-level association of ruminal pH on body condition score, serum beta-hydroxybutyrate and postpartum disorders in Thai dairy cattle. Anim. Sci. J., 85, 861⊖867, 2014.
3) Ducháček, J., et al. : Changes in milk fatty acid composi-tion in relacomposi-tion to indicators of energy balance in Holstein cows, Acta Univ. Agric. Silvic. Mendelianae Brun., 60, 29⊖ 38, 2012.
4) Dusch, H. and Altwegg, M. : Evaluation of five new plating media for isolation of Salmonella species. J. Clin. Micro-biol., 33, 802⊖804, 1995.
5) 藤原正俊ら:サルモネラの選択分離と H 抗原決定法の 検討.北海道獣医師会雑誌,62,5⊖10,2018. 6) Gelman, A. and Rubin, D. B. : Inference from iterative
simulation using multiple sequences. Statist. Sci., 7, 457⊖ 511, 1992.
7) Grum, D. E., et al. : Nutrition during the dry period and hepatic lipid metabolism of periparturient dairy cows. J. Dairy Sci., 79, 1850⊖1864, 1996.
8) Guo, Y., et al. : Changes in feed intake, nutrient digestion, plasma metabolites, and oxidative stress parameters in dairy cows with subacute ruminal acidosis and its regulation with pelleted beet pulp. J. Anim. Sci. Biotechnol., 4, 31, 2013. 9) Hammon, D. S., et al. : Neutrophil function and energy
status in Holstein cows with uterine health disorders. Vet. Immunol. Immunopathol., 113, 21⊖29, 2006.
10) Jenkins, N. T., et al. : Utility of inline milk fat and protein ratio to diagnose subclinical ketosis and to assign propylene glycol treatment in lactating dairy cows. Can. Vet. J., 56, 850⊖854, 2015.
11) Kendall, W. L., et al. : Estimating parameters of hidden Markov models based on marked individuals: use of robust design data. Ecology, 93, 913⊖920, 2012.
12) Kent-Dennis, C., et al. : Potential for a localized immune
response by the ruminal epithelium in nonpregnant heifers following a short-term subacute ruminal acidosis challenge. J. Dairy Sci., 102, 7556⊖7569, 2019.
13) Kéry, M. and Schaub, M. : Baysian population analysis using WinBUGS. Elsevier INC, 2012 ; 飯島勇人ら訳: BUGS で学ぶ階層モデリング入門.共立出版,東京, 2016.
14) Kich, J. D., et al. : TLR4 single nucleotide polymorphisms (SNPs) associated with Salmonella shedding in pigs. J. Appl. Genet., 55, 267⊖271, 2014.
15) Kleen, J. L., Upgang, L. and Rehage, J. : Prevalence and consequences of subacute ruminal acidosis in German dairy herds. Acta. Vet. Scand., 55, 48, 2013.
16) 草刈直仁ら:飼養衛生から見た乳牛のサルモネラ症発 生要因に関する一考察.日本獣医師会雑誌,65,757⊖ 761,2012.
17) Lacetera, N., et al. : Short communication: effects of nonesterified fatty acids on lymphocyte function in dairy heifers. J. Dairy Sci., 87, 1012⊖1014, 2004.
18) Lunn, D., et al. : The BUGS project: Evolution, critique and future directions. Stat. Med., 28, 3049⊖3067, 2009. 19) Michael, G. B., et al. : Comparison of different selective
enrichment steps to isolate Salmonella sp. from feces of finishing swine. Braz. J. Microbiol., 34, 138⊖142, 2003. 20) Nyman, A. K., et al. : Risk factors associated with the
inci-dence of veterinary-treated clinical mastitis in Swedish dairy herds with a high milk yield and a low prevalence of subclinical mastitis. Prev. Vet. Med., 78, 142⊖160, 2007. 21) 小川 輝ら:飼養衛生管理の改善による Salmonella
Rissen 保菌牛群の清浄化.家畜診療,62,715⊖723, 2015.
22) Paura, L., Jonkus, D. and Ruska, D. : Evaluation of the milk fat to protein ratio and fertility traits in Latvian brown and Holstein dairy cows. Acta Agric. Svn., Suppl. 3, 155⊖ 159, 2012.
23) R Core Team : R: A language and environment for statisti-cal computing. R Foundation for Statististatisti-cal Computing, Vienna, Austria. Available at : http://www.R-project.org/ (Accessed August 26, 2019)
24) Scherer, K., et al. : Time course of infection with
Salmo-nella typhimurium and its influence on fecal shedding,
distribution in inner organs, and antibody response in fattening pigs. J. Food Prot., 71, 699⊖705, 2008.
25) Steele, M. A., et al. : Rumen epithelial adaptation to rumi-nal acidosis in lactating cattle involves the coordinated expression of insulin-like growth. J. Dairy Sci., 95, 318⊖27,
2012.
26) Thomas, N. : R2OpenBUGS: Running OpenBUGS from R. Available at : https://cran.r-project.org/web/packages/ R2OpenBUGS/index.html (Accessed August 26, 2019) 27) 上田茂樹ら:1 酪農場に発生した Salmonella Typhimurium
感染症と清浄化対策.家畜診療,55,445⊖451,2008. 28) Watanabe, S. : Asymptotic equivalence of Bayes cross
validation and widely applicable information criterion in singular learning theory. J. Mach. Learn. Res., 11, 3571⊖
3594, 2010.
29) 藪崎尚弘ら:搾乳牛群における MUN を指標とした給 与試料変更によるサルモネラ症清浄化対策.家畜診療,
65,669⊖678,2017.
30) Yang, L., et al. : Effects of seasonal change and parity on raw milk composition and related indices in Chinese Hol-stein cows in northern China. J. Dairy Sci., 96, 6863⊖6869, 2013.