• 検索結果がありません。

擬似体液中における試作Ti-Ag合金表面へのリン酸カルシウム自然形成(受賞報告,歯学情報)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "擬似体液中における試作Ti-Ag合金表面へのリン酸カルシウム自然形成(受賞報告,歯学情報)"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

擬似体液中における試作Ti-Ag合金表面へのリン酸

カルシウム自然形成(受賞報告,歯学情報)

著者

高橋 正敏

雑誌名

東北大学歯学雑誌

29

1

ページ

27-27

発行年

2010-06

URL

http://hdl.handle.net/10097/48736

(2)

東北大歯誌 29: 27, 2010 什ohoku Univ. Dent. J.)

歯学情報

(受賞報告)

擬似体液中における試作丁卜Ag合金表面へのリン酸カルシウム自然形成

高 橋 正 敏 東北大学大学院歯学研究科 歯科生体材料学分野 この度,第54回日本歯科理工学会学 術講演会において日本歯科理工学会研 究奨励賞を拝受致しました(2009年 10月)。本稿では,受賞対象を含めて,筆 モー.,t  者がこれまでに行ってきた研究内容を 紹介させていただきます。 筆者らは,チタンの機械的性質と機 械加工性を改善し,歯科CAD/CAMに よる機械加工に適した歯科用Ti-Ag合金を開発しましたo最 近の研究で, Ti-Ag合金の表面は,純チタンや従来の歯科用合 金と比べて,バイオフィルム形成を抑制する性質を持つことが

分かりました。この研究内容はThe 3rd lnternational

Sympo-sium for Interface Oral Health Scienceで発表し, ExceHent

Young lnvestlgatOr Awardを拝受致しました(2009年2月)0

TトAg合金をインプラントの上部構造やアバットメントに応 用すれば,バイオフィルムに起因する口腔疾患を予防し,治療 後の経過をより良好にできると期待しています。 純チタン表面には生体内でリン酸カルシウムが自然に形成 され,これが生体適合性の向上や,オッセオインテグレーショ ンに役立つことが知られています.Ti-Ag合金をインプラント フィクスチャーへ応用する際には,このリン酸カルシウム形成 能を有することが望ましいと考えられます。しかしながら,他 のチタン合金では,リン酸カルシウム形成能がチタンより低い 例が報告されています。そこで,今回受賞した研究では, Ti-Ag 合金を擬似体液に浸潰し,表面へのリン酸カルシウム形成能を 調べました。 実験は,スポンジチタンと銀粒を秤量し,アルゴンアーク溶

解炉を用いて2種類のTi-Ag合金(Tト20 mass% Ag, Ti-25

mass%Ag)インゴットを溶製しました。インゴットは板状に 鋳造し,表面を研磨して実験に供しました。純チタンと純銀に ついても同形状の試験片を作製しました。試験片をアセトンと 純水で洗浄後,擬似体液に浸漬し,試験片表面にリン酸カルシ ウムが自然形成する様子をSEMで観察しました。形成したリ ン酸カルシウムはEPMAを用いて定性分析と定量分析を行い ました。 その結果,純銀にはリン酸カルシウムが形成されませんでし たが, 2種類のTl-Ag合金と純チタンにはリン酸カルシウムが 自然に形成されました。また,形成されたリン酸カルシウムの 量およびCa/P比に有意差は認められませんでした。これらの 結果から, Tl-Ag合金の表面には,純チタンと同様に,擬似体 液中でリン酸カルシウムが自然形成することが分かりました。 今後は,インプラントフィクスチャーを含めたインプラント システム全体へのTi-Ag合金の応用を目指し,動物への埋入 実験などを進めて行きたいと考えています。

主な論文

1) Takahashl- M, Kikuchi. M., Takada, Y・ and Okuno, ○ ▲

MechanlCal properties and mcrostructures of dental cast

T卜Ag and Ti-Cu alloys Dent Mater. J. 211 270-280, 2002.

2) Takahashi, M., Klkuchi. M. Takada, Y・. Okabe, T・ and

Okuno. 0 1 ElectrochemlCal behavior of cast Tl-Ag alloys.

Dent. Mater J 25: 516-523- 2006

3) Kikuchl, M, Takahashi, M・ and Okuno, 01 : Machlnablllty of experLmental Ti-Ag alloys. Dent Mater. J. 27,

216-220, 2008.

4) Takahashi- M, Kikuchl, M・, Hatori, Kl. OrlI. Y・, Sasaki, K・

and Takada, Y ・ Calcium phosphate formation on T卜Ag

alloys in simulated body fluid. J. BIOmeCh Sci Eng・ 4・

3181325. 2009

5) Takahashl, M" Kikuchi. M・ and Okuno. 0 : Grindablllty Of

dental cast Tl-Zr aHoys. Mater. Trans. 50: 859-863,

2009.

6) Takahashi, M・, Klkuchl, M. Takada. Y. and Okuno,

0-Corrosion resistance of dental Ti-Ag a"oys ln NaCI solu-tion. Mater Trans 51 : 2010. (ln Press)

略   歴 2004年3月 東北大学大学院歯学研究科(歯科生体材料学 分野)修了[博士(歯学)] 2004年4月 東北大学大学院歯学研究科(歯科生体材料学 分野)非常勤講師 2005年4,月 岡助手 2007年4月 同助教 (現在に至る) 27

参照

関連したドキュメント

回転に対応したアプリを表示中に本機の向きを変えると、 が表 示されます。 をタップすると、縦画面/横画面に切り替わりま

えて リア 会を設 したのです そして、 リア で 会を開 して、そこに 者を 込 ような仕 けをしました そして 会を必 開 して、オブザーバーにも必 の けをし ます

本アルゴリズムを、図 5.2.1 に示すメカニカルシールの各種故障モードを再現するために設 定した異常状態模擬試験に対して適用した結果、本書

(注)本報告書に掲載している数値は端数を四捨五入しているため、表中の数値の合計が表に示されている合計

ウェブサイトは、常に新しくて魅力的な情報を発信する必要があります。今回制作した「maru 

しかしながら、世の中には相当情報がはんらんしておりまして、中には怪しいような情 報もあります。先ほど芳住先生からお話があったのは

IUCN-WCC Global Youth Summitにて 模擬環境大臣級会合を実施しました! →..

小・中学校における環境教育を通して、子供 たちに省エネなど環境に配慮した行動の実践 をさせることにより、CO 2