• 検索結果がありません。

JAIST Repository: ファインセラミックス産業の成立に関する日本の技術政策の歴史的役割

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "JAIST Repository: ファインセラミックス産業の成立に関する日本の技術政策の歴史的役割"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

ファインセラミックス産業の成立に関する日本の技術

政策の歴史的役割

Author(s)

木場, 篤彦

Citation

年次学術大会講演要旨集, 23: 235-238

Issue Date

2008-10-12

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/7543

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

1E06

講演題目

「ファインセラミックス産業の成立に関する日本の技術政策の歴史的役割」

○木場 篤彦((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))

[要旨] 近代セラミックス産業は、明治期に外国から技術移転し た窯業から始まった。20 世紀前半の真空管用セラミック スとしての利用と共に、「ニューセラミックス」産業が立 ち上がった。しかしながら、部材としての高い利用価値を 持った「ファインセラミックス」が開発されたのは、80 年代以降と比較的新しい。日本が牽引するファインセラミ ックス産業立ち上げには、セラミックス業界の努力ととも に、政府側の技術政策との共進的発展があった。本発表で は、セラミックス分野の発展を技術史的観点から俯瞰した 上で、ファインセラミックス産業創出に与えた政府の技術 政策の役割を論じる。 [1]セラミックス技術史俯瞰 セラミックスは、無機材料の内、金属材料以外のものす べてを一般に指す。広義には、陶磁器・ガラス・耐火物等 が含まれ、金属酸化物で、高温での熱処理によって焼き固 めた焼結体を示してきた。技術史体系として整理すると、 セラミックスは大きく3時代に区分ができる。第1期は、 19 世紀前半までの伝統的な陶器・磁器・ガラス産業であ る。第2期は、19 世紀半ば以降の近代窯業の時代である。 日本においては、明治期のお雇い外国人であったゴットフ リード・ワグネル(Gottfried Wagener)が、東京職工学 校(現東京工業大学)で科学的手法による陶磁器・ガラス を伝授し、焼成温度や組成を科学的にコントロールするよ うになった。ワグネルの教え子により、日本国内で、陶磁 器・ガラス・セメント・耐火物等の近代セラミックス産業 が根付いた1) 第3期前半は、第二次世界大戦後に米国での研究から始 まった、「ニューセラミックス」の時代である。電子・磁 気・光学材料、非酸化物系材料、高純度材料など、原料と 製造工程の厳密な制御を要する「ニューセラミックス」が 登場し、近代産業としてのセラミックスの歴史が始まった。 まず登場したのが、ラジオやテレビ用の真空管用セラミッ クスである。絶縁体として優れるだけでなく、高い周波数 で使用しても、セラミックスであれば、高い出力が得られ るからである。真空管用セラミックスの開発から、金属と の異種材料接合技術も開発が始まった。 「ニューセラミックス」が最も広く活用されたのが、ト ランジスタやIC のパッケージ材料である。トランジスタ やIC は、光や湿度などの環境に影響されやすく、ガラス や樹脂の封止では電気絶縁性や安定性が確保できなかっ た。非常に難しいとされた焼成に伴う収縮寸法ばらつきを コントロールする技術ができたことで、無機焼結材である セラミックパッケージが実現した。これにより、トランジ スタやIC の耐候性が増し、さらに物理的強度や放熱性が

キーワード:技術史、技術政策、共進化、スピルオーバー、 セラミックス 1) 加藤誠軌「日本の近代窯業育ての親ワグネル」『化学と 工業』Vol.35, No.8(1982), p570. 確保され、エレクトロニクス時代を切り開く原動力となっ た2)。また、エレクトロニクス時代のもう一つの重要な製 品はセラミック・コンデンサであった。原料・製造工程を 厳密にコントロールし、誘電性や磁性などの特性をきめ細 かく管理できるようになり、インダクタンスが少なく高周 波特性が良いセラミックスをセラミック・コンデンサとす ることで、電源一次側のノイズカットが可能になった3) このように、1940~1960 年代にセラミックス産業は、か つての窯業に代表される「オールドセラミックス」から、 電子・磁気・光学材料・非酸化物系材料・高純度材料に広 く部材として用いられる現代型産業へと転換したと言え る。 第3期後半は「ニューセラミックス」から「ファインセ ラミックス」へのシフト4)と、日米欧各国での国家プロジ ェクトの始動の時代である。端緒を切ったのは、1971 年 にスタートした米国国家プロジェクトの自動車向けセラ ミ ッ ク ス ガ ス タ ー ビ ン エ ン ジ ン 開 発 (BMD:Brittle Material Design)であった(米国では「ファインセラミッ クス」ではなく、”Advanced Ceramics”と称する)。従来 のセラミックスよりも耐熱性・耐腐食性に優れたファイン セラミックスを、産学官一体となって開発するという発想 は、日本にも多大な影響を与えたと言われている。米国で のスタートに遅れること約 10 年、「ファインセラミック ス」プロジェクト(1981~1992 年)がスタートした。欧 州では1975 年から西独で BMFT (Ceramic Components

Vehicle Gas Turbines Development)がスタートした。こ れ以後、現在に至るまで、日米欧で国家プロジェクトを起 爆剤とした「ファインセラミックス」開発の時代に入った。 [2]「ファインセラミックス」技術政策 日本国内での「ファインセラミックス」技術政策は、同 分野での国家プロジェクトとして具体的に実施された。国 内での国家プロジェクトは1981 年から始まり、現在まで に凡そ10 のプロジェクトが実施されている(図1参照)。 90 年代前半までは通商産業省工業技術院(現:経済産業 省)が、以降はNEDO が主体となって実施した。初期の 「ファインセラミックス(プロジェクト)」「セラミックス ガスタービン」「シナジーセラミックス」参画企業につい ては、日本の主要セラミックス企業のほとんどが入ってい

2) Kazuo Inamori, Technology Development of Ceramics in Kyocera, (1ST International Congress On Ceramics), p6. 3) 村田製作所編『セラミックコンデンサの基礎と応用―エ レクトロニクス産業を支える』オーム社,2003 年。 4) 両者は同義として扱われることが多いが、ニューセラミ ックスは戦後から70 年代にかけて主に用いられ、ファイ ンセラミックスは京セラ稲盛和夫による提唱(1973 年) を端緒として、80 年代以後に主に用いられたことから、 本発表では、両者を第3期の前半と後半を区別するものと して扱う。

(3)

1981 図1 セラミックス国家プロジェクト一覧と参画企業 1985 1990 1995 2000 2005 2008 ファイン セラミッ クス (プ ロジェクト) セラミッ クガスタービン 技術 開発 シナジーセラミックス(第一期) シナジーセラミックス(第 二期) ナノレベル電子セラミックス セラミッ クリ アクター ナノ コーティング マルチセラミックス膜新 断熱 材料の開発 東 芝 石 川島播 磨重工 業 旭 硝子 トヨ タ 住 友電気 工業 新 日本製 鐵 日 本ガイシ 京 セラ 電 気化学 工業 神 戸製鋼 昭 和電工 井 上ジ ャパッ クス 研究所 黒 崎窯業 品 川白煉 瓦 豊 田工機 日 本特殊 陶業 石川 島播磨 重工業 日本 ガイ シ 日本 特殊陶 業 日本 鋼管 京セラ 住友 精密工 業 川崎 重工業 ヤン マーディ ーゼル 石川 島播 磨重工 業 東芝 旭硝 子 トヨタ 日産 自動 車 住友 電気 工業 いすゞ セラ ミック ス研 究所 新日 本製 鐵 日立 製作 所 日本 ガイシ 京セラ 電気 化学 工業 日立 金属 松下 電機 工業 石川 島播 磨重工業 東芝 旭硝 子 トヨタ 日産 自動 車 住友 電気 工業 いすゞ セラ ミック ス研 究所 新日 本製 鐵 日立 製作 所 日本 ガイシ ※大学・国研・公益法人 は除いている 石 川島播 磨重工 業 東 芝 三 菱マテリアル 日 本特殊 陶業 川 崎重工 業 三 菱重工 業 ※金属系材料も含まれる 東 陶機器 ブ ラザー工 業 富 士通 ソ ニー 日 本電気 N EC トーキン ホソカワ粉 体技術研 究所 東邦 ガス デンソ ー 旭硝 子 積水 化成品 工業 INA X 鈴木 油脂 高効率高温水素分離膜の開発 ノ リタケカンパニーリミテ ド NOK 日 本碍子 自動車用セラミックガスタービン ノ リタケ 小野 田セメン ト 日本 セメン ト トヨ タ 日産 自動 車 三菱 自動 車 京セラ 日本 自動 車研究所 日本 石油 出光 興産 東燃 三菱 油化 昭和 シェル石 油 コスモ 石油 共石 技術 研究所 二酸 化炭素高温分離 旭硝 子 石川 島播磨 重工業 INA X 京セラ クボタ 住友 電気工 業 日本 碍子 ノリタケ 東ソー 日揮 化学 日本 電気 ることに示されるように、日本の「ファインセラミックス」 産業全般に、極めて大きなインパクトを持っていたと言え る(開発概要と成果は図2・3・4を参照)。さらに、研 究開発の受け皿として、「ファインセラミックス技術研究 組合(FCRA)」が 1981 年に、1982 年には通商産業省内に ファインセラミックス室が設置されるなど、官民挙げての ファインセラミックス開発環境の整備が始まった5) 「ファインセラミックス(プロジェクト)」は、原料粉 体の高純度化、量産化技術、成形・焼結技術、加工・接合 技術といった基盤開発に基礎を置いており、プロジェクト の終了とともに、非酸化物系セラミックス原料(窒化ケイ 素等)は、日本が独占的に供給する状況が続いている6) このプロジェクトでは、高温高強度・高耐食・高耐磨耗等 の各特性を有する構造材料たるファインセラミックスを 開発した。特に、窒化ケイ素・炭化ケイ素について、原料 粉体・成形・焼結加工・複合化の各プロセスを開発し、セ ラミック部材に関して1,500℃で最低保証強度 400MPa、 ワイブル係数20 以上、破壊靭性 8MPa・√m の値を達成 した7)。「シナジーセラミックス」では、高温エネルギー 材料技術、超精密材料技術、高機能能動材料技術といった 用途開発に重点を移している。セラミック材料の相反する 特性の調和や、種々の機能の同時付与を可能とする高次構 造制御技術を用いて、現在のレベルを大きく越える革新的 な特性を持った材料(シナジーセラミックス) の創製技術

5) 国家プロジェクトを実施する以外にも、技術ロードマッ プの制定や、「ファインセラミックス産業技術戦略」制定 (2000 年)等による開発環境整備も実施している。 6) NEDO「セラミック材料の技術開発に係わるアウトカム 深堀調査報告書」,2008 年,43 ページ。本調査は、筆者 の所属するNEDO ナノテクノロジー・材料技術開発部で 平成19 年度に実施したものである。 7) 通商産業省産業技術審議会「セラミックガスタービン技 術開発最終評価報告書」,1999 年,1~2 ページ。 を 確 立 す る こ と を 目 標とし、第1期では、 高 次 構 造 制 御 技 術 の 基 礎 的 研 究 開 発 及 び 支 援 技 術 と し て の 解 析・評価技術を開発し た。成果として、窒化 ケ イ 素 セ ラ ミ ッ ク ス の 配 向 性 を 微 細 な 種 結 晶 の 添 加 に よ っ て 制 御 し 積 層 状 に 焼 成 することによって、高 強度(従来材料の約 2 倍にあたる 1.2 GPa) と同時に高靭性(従来 材 料 の 約 2 倍 に あ た る 13 MPa・√m ) を 達成し、高温下での高 強 度 と 高 靭 性 を 要 求 さ れ る 機 械 部 品 へ の セ ラ ミ ッ ク ス 利 用 の 促進が図られた。また 第2期では、第1期で 開 発 さ れ た 高 次 構 造 制御技術等を駆使し、 高耐性材料または多重機能材料たるシナジーセラミック スの創製技術を開発した8) また、国家プロジェクトの始動に伴い、プロジェクトの 中心メンバーであり、セラミックス規格関連団体である JFCA9)・JFCC10)より、多数のJIS 規格が出されている。 特に、JIS R 1601(曲げ試験方法)に代表される試験規 格は、「ファインセラミックス(プロジェクト)」の波及効 果として規格化されたものであり、ISO として、海外にお いても広く用いられている。国内市場規模と規格化数、主 な新ファインセラミックス部材の上市年度を図5に示す。 海外では、欧米で関連技術政策が実施されている。主要 なプロジェクトの概要を表1に示す。米国では、エネルギ ー省(DOE)・国立科学財団(NSF)・国防総省(DOD) が関係する国家プロジェクトを実施してきた。ガスタービ ンを想定した耐熱・高強度セラミックス開発を目標にして いたが、設計の問題(回転蓄熱式熱交換器の採用、金属を ベースとした設計ゆえセラミック部品にマッチしない設 計等)、セラミック材料の性能及び部品製造技術がエンジ ン要求性能を満足出来なかったために、事業化時期は大幅 に遅れたと評価されることが多い11)

8) NEDO 研究評価委員会「シナジーセラミックスの技術 開発事後評価報告書」,2004 年,4~8 ページ。及び、鈴 木義和『MOT で読むファインセラミックス技術戦略』日 刊工業新聞社,2004 年,73~84 ページ。 9) 社団法人日本ファインセラミックス協会の略称。同協会 は、ファインセラミックスに関心を持つ企業・銀行・商社 等を会員として、1982 年に発足した。当初は任意団体で あり、1986 年に社団法人化した。 10) 財団法人ファインセラミックスセンターの略称。同セ ンターは、中部地方の財界・セラミックメーカが中心とな って、1985 年に設立された。 11) 同前「セラミックガスタービン技術開発最終評価報告 書」,19~20・38 ページ。

(4)

図2 ファインセラミックス・プロジェクトの開発概要と成果 原料紛体 合成技術 成形・焼結 技術 加工・接合 技術 評価応用 技術 ・窒化ケイ素 ・炭化ケイ素 ・高強度材料 ・高耐食材料 ・高精密耐 磨耗材料 ・材料設計 ・複合加工 ・システム化 ・窒化ケイ素 接合技術 ・炭化ケイ素 接合技術 ・信頼性 評価技術 ・モデル設計 評価 ○期間 1981~ 199 2年度 ○目的 高温 高強 度、高耐 食 、高 耐磨 耗等 の各 特 性を有 する構 造 材 料たるファインセ ラミッ クスの 開発 参加 企業 で のR &D継続 産業界、学会 を通 じた技術 の スピルオーバ ー 高度 成形焼 結技 術 例) ・CVD ・ガス ターヒ ゙ン 部 材開発 例) ・セラミックスに対 する認 識の向 上 原料紛体の メカニズム解明 加工接合のメカ ニズム解明 過去のプロジェク トからのつながり 他のプロジェクト へのつながり 高効率ガスタービン セラミックガス タービン シナジーセラ ミックス 高効率高温水 素分離膜 セラミックリア クター 窒化ケイ素、炭化 ケイ素紛体 高剛性精密機械 研作加工機 鉄鋼等のセラミック 表面処理 東 芝、東芝セラミック ス、電化、昭和電工 神戸 製鋼 、旭 硝 子、日本 特殊 陶 業、京セラ等 豊 田工機 、住友 電 工、京セラ等 IH I、JFCC、東芝 、 日 本ガイシ等 プ ロジェクト 寄与 率 プ ロジェクト 寄 与率 プ ロジェクト 寄 与率 技術 の 転 用 例) ・ 脆性材 料の 計算 機シミュレー ション ナノコーティン グ技術 先 進表 面被 覆技 術 ターボチャー ジャ・ローター ディーゼルエンジ ン用副燃焼室 鉄鋼用 圧延ローラ セラミックス 評価装置 DPF用ハニカム 材料データ ベース 電子 セラミックスへ の 間接的 寄与 出 典:N EDO「セラミック材 料の 技術開 発に係 わる アウトカム深堀 調査 報告書」,2008年,102ページ フ ァ イ ン セ ラ ミ ッ ク ス プ ロ ジ ェ ク ト 図3 セラミックガスタービン技術開発の開発概要と成果 出 典:N EDO「セラミック材 料の 技術開 発に係 わる アウトカム深堀 調査 報告 書」,2008年,106ページ 耐熱 セラミッ ク部 材 要素 技術 の 研究 開発 設 計試 作運 転研 究 社 会適 合性 研究 ・耐熱 セラミッ ク部 材 ・燃 焼器 ・ター ビン ・熱 交換器 ・圧 縮機 ・制 御機 ・コージ ェネ 等 エン ジン シス テムの 性 能試 験 ・環境 保全 性 評 価 ・経済 性評 価 ・最適 システム ○ 期間 1988~ 1998年 度 ○ 目的 コージェネレー ショ ン 、可搬 式発電 等に 使 用される 中小型エ ン ジン の高 効率化 、 低 公害及び 燃料多 様 化を促 進 参加企 業で のR& D継続 産 業界、学 会 圧縮機 、タービン等 例 ) ・ マイ クロガス タービン へ の適 用 例) ・タービン の信 頼性 評価 ・設計 手法の 確立 に貢献 セラミック部品 先 進製 造技 術 長 時間 運転技 術 過 去の プロジェク トか らのつながり 他の プロ ジェ クト へ のつながり 高 効率 ガス タ ービン シナジーセラ ミックス ガスタ ービン 用セ ラミック部材 ガスタ ービン 用圧 縮 機、燃焼 機等 日本ガイシ、日本特 殊陶業、京セラ等 IHI、 川重 、ヤン マー、 機技研 等 IHI、川 重 ヤン マー JF CA プロ ジェクト 寄与 率 プ ロジ ェクト 寄 与率 プ ロジェク ト 寄 与率 技術の 転用 ナノコーティン グ技術 シ ェル&チューブ型 熱交換器 ハイブ リッド・ ロー ター セラミックス部 材評 価技 術 ファ インセラ ミックス 独立 弾性支 持 技 術 非破 壊検 査による 品質保 証技 術 セ ラ ミ ッ ク ガ ス タ ー ビ ン を通 じた技術 の ス ピルオーバ ー 図4 シナジーセラミックスの開発概要と成果 高温 エネル ギ ー材料 技 術 超精密 材料 技 術 高 機能能 動 材 料技 術 先端 評価 ・設 計技 術 ・耐 熱性 損傷 許容 材料 ・遮 熱材 料 ・流 体透 過 機能 材料 ・自 己潤 滑 機能 材料 ・可 とう性 摺動 材料 ・超 平滑 低 摩擦 材料 ・耐 食性 電気 化学 セル材料 ・物 質・ 光選 択 機能 材料 ・高 性能 電力 機器 抵抗 材 ・応 力評 価 技術 ・破 壊解 析 技術 ○期 間 1994~2003年度 ○目 的 高次構造制御技 術を用いて、革新 的な材 料特性を 持った材料の創製 技術を確立 参 加企 業で のR&D 継続 産 業界、学 会 を通じ た技術 の スピ ルオーバ ー エンジン用ロ ーラー 例 ) ・ゾルゲル膜 ・水素製造 用触媒 例) ・シナジー材料 概念の普及 ハ ゚ーティキュ レー トフィルタ DP F用 ハニカム 過去の プロ ジェ ク トか らのつながり 他 のプ ロジェクト への つながり ファ インセ ラミックス セラミッ クガ ス ター ビン ナノコーテ ィン グ技術 ナノレ ベル電 子セラミッ クス 高 効率 高温 水 素 分離 膜 セラミックリア クター ガス ター ビン部 品 、コーテ ィン グ (70 0億円 ) SOFC等 燃料 電池 セル・改 質器 (1,460 億円 ) 自 動車 用摺 動部 品 ( 239億 円) 電力 用抵 抗体 (7 0億円 ) IHI、旭硝子 、東芝 等 住電、いすゞ、日 産、トヨタ等 日本ガイシ、新日 鐵、日立等 JFCC、FCRA、大 学等 プ ロジェクト 寄与率 プロジェクト 寄与率 技術 の 転用 例) ・無機・有 機ハイ ブリ ッド皮膜 連続 鋳造 用 ブレークリング (1 3億円 ) 排ガス 処理 用リ アクタ プロジェクト 寄与 率 NOxセンサ 無機・ 有機 複合 材 無機・ 金属 複合 材 出 典:N EDO「セラミック材 料の 技術開 発に係 わる アウトカム深堀 調査 報告 書」,2008年,109ページ シ ナ ジ ー セ ラ ミ ッ ク ス [3]国家プロジェクトと民間企業との共進的発展 国内でのファインセラミックス市場の立ち上がりと、国 家プロジェクトのスタートは、正に期を同一としていると 考えられる。国家プロジェクトが関係した分野では、2006 年時点での世界シェアが、電子部品セラミックスで39.9%、 化学・環境プロセスセラミックスで 38.9%、セラミック スコーティングで36%、構造用セラミックスで 33.9%で ある12)。このような市場創出をもたらしたのが、国家プロ

12) 前掲「セラミック材料の技術開発に係わるアウトカム ジェクトと民間企業との共進的発展である。代表的なセラ ミックスの出口分野として、自動車用部材、携帯電話用部 材、燃料電池用部材が挙げられ、これらの分野を担う企業 に対してヒアリングをし、次の結果を得た。 自動車用部材については、エンジン機構(タペット・ピ ストンリングライナ・ボールベアリング)、エンジン機能 (スパークブラグ・グロープラグ・ターボチャージャ)、 ディーゼルエンジン噴射系(高圧ポンプシール・ピエゾイ

深堀調査報告書」,2008 年,67 ページ。 表1 各国のセラミックスガスタービン国家プロジェクト概要 日本

BMD計画 CATE計画 AGT計画 ATTAP計画 CSGT計画 ATS計画 BMFT計画 AGATA計画 CGT

1971-1979 1976-1983 1979-1987 1987-1993 1992-1998 1993-2000 1974-1984 1987-1997 1991-1997 出力規模 150kW ー 74.6kW ①74.6kW ②149.2kW 5,000kW ①数十MW ②250-500MW ①100kW ②150kW ③300kW 60kW 100kW TIT 1,371℃ 1,240℃ 1,371℃ 1,371℃ 1,121℃ 1,427℃ 1,350℃ 1,350℃ 1,350℃ 効率 ー ー ー ー 31.30% 60% ー ー 40% 運転時間 ー ー ー 3,500時間 4,000時間 8,000時間 ー ー 100時間 その他 自動車用 大型トラック・バ ス用 燃費向上20% 既存のGTをセラ ミックス化 自動車用 燃費向上30%以 上 多種燃料性 コスト・耐久性は 従来以上 AGT計画の後継 高温強度・破壊 靱性向上 部品化技術確 立 信頼性評価手 法確立 コージェネレー ション用 既存のGTセラ ミックス化 産業用発電GT の高効率化 燃料多様化 発電コスト10%削 減 2000年に実用化 西独BMFTが中 心 自動車用CGS開 発計画 ハイブリッド車用 触媒燃焼器・ラ ジアルタービン に適応 自動車用 多種燃料使用 NOx提言 世界初のCGTプ ロジェクト TIT1,371℃運転 成功 CGTの概念構築 課題抽出 TIT1.132℃運転 78個の部品をセ ラミックス化 セラミックス材料 への転換が不 可欠と結論 TIT1,204度で 85h運転 熱効率17.5% 高温強度・破壊 靱性・金属接合 技術が必要と結 論 ローター熱交換 器には不適合 長期耐久試験を 実施 TIT1,371℃で 267h運転 セラミック部品寿 命予測技術向 上 初段の静翼、動 翼と燃焼器をセ ラミック化 TIT1,048℃ 熱効率29.7% TIT1010℃での 試験に失敗 商品化にかなり の遅れ ブレード表面セ ラミックコーティ ング技術開発 ローターは 1,170℃で周速 420m/sを達成 ローター要素試 験で1,327℃、累 積140h運転 タービン効率 86%、周速 600m/sを達成 触媒燃焼試験を 試作 AGATA-Ⅱに移 行 TIT1,350℃、2h 運転達成 熱効率35.6% Nox排出規制ク リア 米国 欧州 出典:通商産業省産業技術審議会「セラミックガスタービン技術開発」,1999年,42ページ。 開 発 目 標 開発目標 成果 実施国 プロジェクト名 図5 セラミックス関連プロジェクトと市場環境及びJIS規格制定数の推移 出 典:日 本ファ イン セラミックス協会 「セラミックス材料 の早 期事 業化 のための 調査 研究報 告書 」,2003年。

(5)

ンジェクタ)、排ガス処理システム(触媒用ハニカム・DPF 用ハニカム・γ-アルミナ材・O2センサ)、ECU セラミ ックス基板、二次電池セパレータが用いられている。参画 したA 社ヒアリングでは、DPF 用ハニカム(クリーンデ ィーゼル用の微粒子除去フィルター)は国家プロジェクの 成果が活用されている、「シナジーセラミック」及び「セ ラミックリアクター」で開発されたNOx 除去用の電気化 学セルとOSC 材(酸素貯蔵キャパシタ)は、今後実用化 される可能性が高い、国家プロジェクトの材料データベー スは、各社独自のデータベースに発展している。B 社ヒア リングでは、炭化ケイ素の製造技術や評価技術は、間接的 に同社のDPF 用ハニカム等開発技術に寄与している、固 体酸化物形燃料電池(SOFC)は国家プロジェクトの中で 開発を進めている、といった結果が得られた13) また、携帯電話用部材では、ディスプレイ用透明電極、 アンテナ、スピーカ/マイク、バイブレータ用圧電アクチ ュエータ、セラミックス多層基板、セラミックパッケージ、 誘電体フィルター、積層セラミック・コンデンサ、積層コ イル、セラミック発振子が用いられている。複数社のヒア リングでは、評価・解析・試験技術及びマクロな意味での 波及効果はあったものの、半年スパンでの技術革新が求め られる分野であり、構造材を中心とした国家プロジェクト の寄与度は他の分野より相対的に低いという結果が得ら れた14) 燃料電池用部材では、SOFC(開発中)の高効率化のた めに、スタックの接続部材、終端部材、シール・マニホー ルド材、セルの電解質、燃料側電極、空気側電極、インタ ーコネクタなど多くの部品にセラミックスの適応が必要 とされている。A 社ヒアリングでは、SOFC 開発のために 「シナジーセラミック」及び「セラミックリアクター」に 参画し、ほとんどの成果はプロジェクトで得た。B 社ヒア リングでは、「セラミックリアクター」でチューブ型SOFC を、自社内で板状セルSOFC を競合的に開発し、実用化 を目指している。C 社ヒアリングでは、「シナジーセラミ ック」で気相析出含浸法による材料複合化技術を開発、ミ リ単位のガス流路を持つハニカム型SOFC を試作し、さ らに「セラミックリアクター」でハニカム構造SOFC で の発電実証試験を実施するなど、国家プロジェクトで主に 開発を進めている、という結果が得られた15) 以上のように、材料系による寄与度の大小はあるものの、 ファインセラミックス分野の国家プロジェクトは、民間企 業の開発にスピルオーバーし、共進的発展があったことが 分かった。ファインセラミックス関連企業が80~90 年代 の国家プロジェクトに参画し、材料系の検討、焼結方法、 機械試験方法等の基礎的な研究を、国研・大学・企業連合 の連携体制の中で加速度的に進め、自社開発にスピルオー バーさせていたと考えられる。 [4]結論 日本の「ファインセラミックス」産業立ち上げに直接的 な契機を与えたのは、米国のBMD プロジェクトであった。 同プロジェクトは、既に述べた理由により、事業化には失 敗している。しかし、高強度・超耐熱セラミックス材料を 国家プロジェクトで開発するという思想は、日本にも導入

13) 前掲「セラミック材料の技術開発に係わるアウトカム 深堀調査報告書」,2008 年,4~11 ページ。 14) 同前,12~16 ページ。 15) 同前,17~23 ページ。 され、1981 年の「ファインセラミックス(プロジェクト)」 以降の国家プロジェクトの実施につながった。日本の代表 的なセラミックス企業のほとんどと、自動車メーカーを始 めとしたユーザー側企業は、初期の代表的国家プロジェク トに参画し、原料粉体の高純度化、量産化技術、成形・焼 結技術、加工・接合技術といった基盤技術を獲得した。90 年代後半以後は、特定の出口を目指した自社開発や、より 分野が絞られた後継国家プロジェクトに参画していった。 すなわち、自動車向けセラミックスガスタービンエンジン 開発が米国国家プロジェクトで生まれ、それにキャッチア ップするため、国内の産学官を挙げたプロジェクトで基礎 技術を集中的に開発し、基礎技術獲得後は、自社開発にス ピルオーバーさせ、市場創出に邁進していった。 以上の事実から得られるファインセラミックス産業の 成立に対する日本の技術政策の歴史的役割について、以下 の結論が得られる。即ち、新たなコンセプトを持った技術 分野が誕生した場合は、一国の産学官を挙げた国家プロジ ェクト実施による効果は非常に大きいと考えられる。一方 で、初期の国家プロジェクトで基盤技術が参画した民間企 業にスピルオーバーされた後は、民間主導の研究開発の役 割が大きくなり、市場創出が一気に進むことになる。それ に反比例するように、共通基盤的な大型国家プロジェクト の役割は小さくなり、実施される場合においても、まだ市 場が立ち上がっていない特定分野に絞られたプロジェク トへとスケールダウンする傾向にある。さらに言及するな らば、「ファインセラミックス」を超える次世代のコンセ プトをもったセラミックス技術分野が誕生するならば、 「ファインセラミックス」分野が当初そうであったように、 共通基盤的な大型国家プロジェクトが再び求められるこ とが予見される。 なお、本発表では、海外の国家プロジェクトと民間企業 との関わりについて、或いは、セラミックス産業以外での 事例に言及しなかったが、これらについては、今後の課題 としたい。

参照

関連したドキュメント

学生部と保健管理センターは,1月13日に,医療技術短 期大学部 (鶴間) で本年も,エイズとその感染予防に関す

今回の SSLRT において、1 日目の授業を受けた受講者が日常生活でゲートキーパーの役割を実

本報告書は、日本財団の 2016

本報告書は、日本財団の 2015

固体廃棄物の処理・処分方策とその安全性に関する技術的な見通し.. ©Nuclear Damage Compensation and Decommissioning Facilitation

浦田( 2011

「そうした相互関 係の一つ の例 が CMSP と CZMA 、 特にその連邦政府の政策との統一性( Federal Consistency )である。本来 、 複 数の省庁がどの

社内弁護士の会社内部の立場と役割, 社内弁護 士の外的役割』