• 検索結果がありません。

イギリスの公立小学校入学制度について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "イギリスの公立小学校入学制度について"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

イギリスの公立小学校入学制度について

著者

児玉 由佳

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

海外研究員レポート

ページ

1-2

発行年

2010-03

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00049958

(2)

http://www.ide.go.jp

http://www.ide.go.jp Copyright (C) JETRO. All rights reserved.

2010 年 3 月 海外研究員(バース) 児玉 由佳

『イギリスの小学校入学制度について』

イギリスの公立小学校に入学する場合、自動的に近所の小学校に入学するのではなく、入学 1 年前に希望の小学校のリストを地元の自治体に提出して審査された後、入学する小学校が決定さ れるi。私の赴任先であるイギリス南西部にあるバース市では、9 月入学のためには、前年 10 月に 願書を提出しなければならない。その結果は1 月に各家庭に通知される。 今年9 月入学に関する審査結果は 1 月下旬に明らかとなったのだが、その結果を受けて、2010 年2 月 11 日付のバースの地元紙The Bath Chronicleに、すぐそばの小学校に行けず、遠方の小 学校に行かなければならない生徒が複数いるという記事が掲載された。これには、小学校決定の ための優先順位が関係しているii。バース・北西サマーセット役所が配布している願書の要項には、 優先度の高い順に、1. 要保護児童(Children in Public Care/Looked After Children)、2. 希望 する小学校に兄弟姉妹がすでに通学している、3. 自宅から直線距離で最短距離にある、4. 他の小 学校が自宅から最短距離にある、となっているiii。上述の記事では、希望した小学校では、すでに 兄弟姉妹が通学している家庭の子どもが優先された結果、近隣に居住している家庭の子どもは第 一希望から外れるという結果となったのである。 この記事では、小学校入学にあたって距離的な問題が取り上げられているが、小学校の選択基 準はそれだけとは限らない。小学校を選択するにあたって、希望する学校の情報を収集するため には、学校見学のような方法もあるが、イギリスの場合は、英国教育水準局(Ofstead:the Office for Standards in Education, Children’s Services and Skills)が定期的に行っている学校の監査結 果も重要な情報源となるivOfstedは、定期的にイギリスの教育機関に対して監査を行い、その結 果をウェブで公開している。小学校の場合、4段階の評価が行われている(グレード1 ひじょう に優秀Outstanding、グレード2 優秀Good、グレード3 満足できるSatisfactory、グレード 4 不適当Inadequate)。グレード4の「不適当」という評価の場合、報告書には、「改善しつつ ある」といった前向きな文言が使用されているものの、「対費用効果が低い」、「生徒の学力試験の 結果は全国平均よりもはるかに低い」といった歯に衣を着せないコメントが並ぶ。バース市内の 学校についても、グレード2や3が中心であるものの、グレード1や4の学校もある。 このような選択制の結果、イギリスでは住所偽造や偽装離婚によって表面上住居を移すといっ た方法で、人気のある学校に入学しようとする家庭が毎年3500に上るという報道もあるv。2010 年3月5日付けのガーディアン紙のHPに掲載された記事には、Ofstedの評価が以前よりも厳しく なり、「不適当」と評価された学校がこれまでの二倍の13校中1校、逆に「ひじょうに優秀」な学 校は10校中1校に半減したと報告されている(小学校だけでなく全学校を対象)vi。学校選びに親 が翻弄される日々はまだまだ続きそうである。

(3)

http://www.ide.go.jp

http://www.ide.go.jp Copyright (C) JETRO. All rights reserved.

i

このような選択制自体は、1988 年の Education Reform Act 1988 によって導入された。(Powell,

J. & Edwards, M. [2005] ”Surveillance and Morality: Revisiting the Education Reform Act (1988) in the United Kingdom”. Surveillance & Society, 3, 96-106)。.

ii選択基準や詳細な教育制度については地域によって異なる場合もあり、この優先順位がイギ

リス全体に当てはまるのかについては不明である。

iii Bath and North East Somerset Council “A Primary School for Your Child in Bath and North

East Somerset, 2010/2011”,

(http://www.bathnes.gov.uk/NR/rdonlyres/E897207D-A506-4882-805D-5065A6220527/0/Prim

aryBooklet201011.pdf) iv

Ofsted は、教育技能省から独立した政府機関(non-ministerial government department)とし て 1992 年に設立された組織である(英国議会 HP http://www.parliament.the-stationery-office.com/pa/cm200607/cmselect/cmeduski/165/16504.htm, お よび日本文部科学省 HP http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/037/shiryo/06080306/007.htm)。 v BBC News HP: http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/8334503.stm (2009 年 11 月 2 日付) vi ガーディアン紙 HP: guardian.co.uk/education/2010/mar/05/ofsted-inspection-tougher-regime (2010 年 3 月 5 日付)

参照

関連したドキュメント

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp シリーズタイトル 研究双書 シリーズ番号 480 雑誌名 植民地香港の構造変化

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp シリーズタイトル 地域研究シリーズ シリーズ番号 11 雑誌名 アフリカ I

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 海外研究員レポート ページ 1-4 発行年 2008-03

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 アジ研ワールド・トレンド 巻 216 ページ 36-36 発行年

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 アジ研ワールド・トレンド 巻 170 ページ 2-3 発行年

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 アジ研ワールド・トレンド 巻 168 ページ 53-54 発行年

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 アジ研ワールド・トレンド 巻 166 発行年

Economies, Japan External Trade Organization (IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp 雑誌名 アジ研ワールド・トレンド 巻 164 発行年