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IRUCAA@TDC : 歯の問題を伴う不正咬合の矯正治療5.自家歯牙移植を併用した矯正治療

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Academic year: 2021

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(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

歯の問題を伴う不正咬合の矯正治療5.自家歯牙移植を

併用した矯正治療

Author(s)

坂本, 輝雄; 末石, 研二

Journal

歯科学報, 113(5): 503-505

URL

http://hdl.handle.net/10130/3210

Right

(2)

―――― カラーアトラス ――――

歯の問題を伴う不正咬合の矯正治療

5.自家歯牙移植を併用した矯正治療

さか もと てる お

坂 本 輝 雄,

すえ いし けん じ

末 石 研 二

東京歯科大学歯科矯正学講座

(3)

カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説

はじめに 成人矯正患者の増加に伴って,先天欠如やカリエ ス・歯周病による歯牙の欠損を有する患者にしばし ば遭遇する。上下左右各1本ずつ4本の欠損であれ ば空隙閉鎖が可能であるが,それ以上の欠損がある 場合には何らかの補綴処置が必要となる。本稿では 自家歯牙移植を併用した矯正治療症例について述べ る。 症例1(図1−3) 30歳9カ月の女性。口唇の突出感を主訴に来院し た。診断は AngleⅡ級1類の骨格性上顎前突症であ る。#35は既に抜歯されており,#34は慢性化膿性 根端性歯周組織炎のため保存不可能と診断されてい る。治療方針は叢生および口唇の突出感を改善する ため#14,#24,#34,#45を抜歯し,#34部に# 14を移植することとした。 症例2(図4−6) 16歳3ヶ月の女性。左側唇顎口蓋裂患者で9歳時 に顎裂部骨移植を施行されている。#22は先天欠如 している。18歳時に LeFortⅠ型骨切り術による顎 外科手術を受けている。術後矯正治療において,先 天欠如した#22部(骨移植をした部位)に#12を移植 することとした。 症例3(図7−9) 53歳5カ月の女性。審美障害および咀嚼機能障害 を 主 訴 に 来 院 し た。#17,#16,#15,#22,# 23,#26,#27が欠損しており,下顎歯列に著しい 叢生,全顎的な歯周炎が認められる。また,#21に は歯内骨内インプラントが入っている。#18(埋伏), #28(埋伏),#38は存在している。歯周病に対する 初期治療を行った後,#34,#37を抜歯し矯正治療 を行った。歯内骨内インプラントが入っている#21 については矯正治療の固定歯として利用し,矯正治 療後に抜歯した。欠損部に関しては可徹性局部義歯 もしくはインプラントによる補綴を提示したが患者 が難色を示したため,#18と#28を移植し,同歯と 残存歯を支台歯として,#18∼#14,#13∼#24, #24∼#28の臼歯部と前歯に分けてブリッジにて補 綴した。 考察およびまとめ 自家歯牙移植は基礎的にも解明が進み,臨床的に 予知性をもった治療法として認知されるようになっ てきた1) 。移植した歯牙の予後に関して Jonson ら は2) ,移植した小臼歯40歯を調べた所(2年5ヶ月か ら22年3ヶ月,平均10年4ヶ月後),生存率は92.5% で根未完成歯の歯髄生存率は66%であったと述べて いる。大臼歯に関しては5年経過時の生存率は根未 完成は90%で歯髄の治癒は82%,根完成歯の生存率 は82%と報告されている1) 。欠損部の補綴方法には 固定性(可徹性)局部義歯,インプラント,歯牙移植 があり,それぞれ利点・欠点がある。歯牙移植はド ナーとなる歯が必要であるが,インプラントによる 補綴と比較すると,歯根膜の感覚機能を活用できる こと,移植後に移植歯を適切な位置への歯牙移動が 可能なこと,若年者にも適用可能であることが利点 と考えられる3) 。移植後の処置に関して,根完成歯 は2週間後に水酸化カルシウム製剤,2ヶ月後にポ イントにより根官充填後,歯牙移動を開始した。歯 牙移植の目標は,根未完成歯は歯髄と歯根膜の保存 と治癒,根完成歯においては歯根膜の保存と治癒で ある。臨床的な成功の判断基準として月星4) は,X 線写真的に正常な歯根膜空隙がみられる,継続的な 歯根吸収がみられない,アンキロージスがなく生理 的な動揺がみられる,歯肉に炎症がなくプロービン グ値が正常,臨床的な不快症状がないことをあげて いるが,3症例とも予後は良好と思われる。 文 献

1)Andreasen JO : Atlas of replantation and transplanta-tion of teeth, Mediglobe, Fribourg, Switzerland, 1992. 2)T. Jonson and T. J. Sigurdsson : Autotransplantation of

premolars to premolar sites. A long term follow-up study of 40 consective patients, AJO­DO 125:668−675,2004. 3)下地 勲:歯牙移植をインプラントより優先させたい場 合とは,日本歯科評論,64⑹:51−60,2004. 4)月星光博:自家歯牙移植の科学と臨床,the Quintes-sence,11⑴:47−75,1992. 謝 辞 症例1は松崎英雄先生(都立墨東病院歯科口腔外科),症例 2は辻野啓一郎先生(小児歯科学講座),症例3(補綴処置も 含めて)は片山明彦先生(歯周病学講座)にそれぞれ歯牙移植 をしていただきました。

(4)

歯の問題を伴う不正咬合の矯正治療

5.自家歯牙移植を併用した矯正治療

坂 本 輝 雄,末 石 研 二

東京歯科大学歯科矯正学講座 自家歯牙移植6ヵ月後 自家歯牙移植3年6ヵ月後 図3 デンタルエックス線写真 図2 治療後口腔内写真 症例1 図1 治療前口腔内写真 症例2 図4 治療前口腔内写真 図5 歯牙移植前 図6 治療後口腔内写真 (デンタルは2年後) 図8 治療後口腔内写真 図9 補綴終了後口腔内写真およびパノラマエックス線写真 症例3 図7 治療前口腔内写真およびパノラマエックス線写真

参照

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