組織変革の概念と組織モデルに関する一考察 : 経路依存的な循環プロセスから構成される組織変革モデルの構築
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(2) 2. (508). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). されているため,いずれかひとつの要素が変化. 目的(何の事業に携わっているのか) ,構造(ど. した場合,他の要素にも変化が及ぼされるとさ. のように分業しているのか) ,報酬(全てのタ. れる.さらに言うならば,仮に組織変革の試み. スクにインセンティブがあるか) ,役に立つメ. において特定の構成要素を変革したとしても,. カニズム(十分な調整技術は存在するか) ,関. 他の構成要素への影響が考慮に入れられないな. 係(いかにコンフリクトを管理するのか) ,そ. らば,その組織変革の成果は限られたものとな. してリーダーシップ(上記の諸要素のバランス. ることをこのモデルは示唆している.このよう. を維持する人間はいるのか)である.組織にお. に組織変革の対象として,組織の基本的な構成. ける成果の大小はこれらの諸要素によって規定. 要素を明確化し,また諸要素間の相互関係をモ. されるわけだが,特に構成要素におけるギャッ. デル化した点は評価に値する.しかしながら,. プに注目した点がこのモデルの第一の特徴であ. このモデルでは組織の構成要素と外部環境との. る.すなわち,組織のなかの個人が非公式に. 相互関係が明らかではない.すなわち,組織の. 想定している諸要素の基準と組織が公式に要求. 構成要素に対して外部環境はいかに影響を与え. している基準とのギャップが大きければ,組織. るのか,逆に組織の構成要素が生み出す組織的. の成果は制約されたレベルにとどまるであろ. 成果が外部環境に対していかなる影響をあたえ. う.これは組織と個人の内部統合上のギャップ. るのかといった,外部環境と組織の構成要素と. である.さらに外部環境が諸要素に要請する基. の間の相互作用について言及されていない点が,. 準と実際の組織における基準との間のギャップ. このモデルの限界点として指摘できる.. が大きい場合もまた問題となる.これは組織の. Friedlander & Brown(1974)は,外部環境. 外部環境に対する適応上のギャップと見なすこ. と組織との相互作用を視野に入れつつ,組織開. とができる.仮に特定の要素において何らかの. 発における介入の対象として 2 つのターゲット. ギャップが顕著に見られるならば,その構成要. を提示した.すなわち, 「人間─プロセス」と. 素は変革・介入の対象となる.さらにこのモデ. 「技術─構造」である.ここで「人間─プロセ. ルで第二に特徴的なのは,組織の構成要素を調. ス」とは,コミュニケーションや意思決定,問. 整する役割として,リーダーシップを中心的に. 題解決などの組織プロセスを指し,また「技術. 位置づけている点である.すなわち,組織の各. ─構造」と は,タ ス ク や 作業方法,職務 デ ザ. 構成要素に関して,上記の内部統合および環境. イン,組織デザインなどの組織構造を意味して. 適応上のギャップを調整し,また諸要素間に存. いる.組織開発において,これらのターゲット. 在する相互関係のバランスを調整する役割が組. に介入することの成果とは, 「人間─プロセス」. 織のリーダーには期待されている.組織変革の. においては人間の充足であり,また「技術─構. 担い手としてリーダーシップの機能をモデル化. 造」においてはタスクの達成であるとされる.. した点は,その後の変革型リーダーシップ論に. Leavitt(1965)のモデルとの比較で優れてい. 影響を与えた点で意義深い.しかしながら,組. る点とは,モデル化において組織の構成要素と. 織にとっての外部環境要因とは具体的に何か,. 外部環境との相互関係を想定している点であ. さらに組織は外部環境に対してどのような影響. り,逆に劣っている点は組織開発の介入対象を. を与えるのかという点について,この組織モデ. 組織プロセスおよび組織構造の 2 つに絞ること. ルでは必ずしも具体化されていない.また組織. で,組織の構成要素を過度に単純化している点. の構成要素間の相互関係が不明確な点もこのモ. である.. デルの限界といえる.. Weisbord(1976)は,6 つの構成要素から成 る組織モデルを提示した.その構成要素とは,.
(3) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (509). 3. ����������������� ��� ��. ����� �� ��. ������. �� �� �� ����. ���. ������ �� ��. ��. ��. ������� 出典:D. A. Nadler and M. L. Tushman, A Diagnostic Model for Organization Behavior , 1977, in Perspective on Behavior in Organizations, edited by J. R. Hackman, E. E. Lawler, and L. W. Poter, pp. 85 100, New York: McGraw-Hill.. 図 1 Nadler Tushman の調和モデル. 2.Nadler & Tushman(1977)の組織モデル. 素が,スループットとしての組織の構成要素の. ⑴ オープンシステムとしての組織. あり方を規定すると考えられている.より具体. Nadler & Tushman(1977)による組織モデ. 的にインプットの内訳について見ていくと,ま. ルの特徴は,組織をオープンシステムと明示. ず環境の構成要素としては,その組織が所属す. 的に位置づけてモデル化した点である(図 1 参. るより大きなシステム(親会社や企業グループ. 照) .このモデルにおける組織とは,外部環境. など)からの命令,政府による規制,競争者,. からのインプットを外部環境へのアウトプット. 市場などが挙げられる.たとえば,政府の規制. として変型するスループットとして概念化され. によって同業者との競争が厳しく制限されてい. ている.すなわち,組織はオープンシステムと. る組織と,ある程度の自由競争が保証されてい. して仮定される.より具体的には,組織とはイ. る組織とでは,組織内部での分業のあり方や仕. ンプットから影響を受け,同時にアウトプット. 事の進め方,従業員の心理状態なども異なるこ. によって環境を形成する変型プロセスとして想. とが考えられる.また組織が利用可能な資源と. 定される.以下では,このモデルの構成要素で. しては,資本や原材料,労働力,技術およびブ. あるインプット,アウトプット,スループット. ランドなどがある.スループットとしての組織. の内訳について具体的に見ていこう.. は,各種の経営資源をいかに調達し利用できる. 組織に対するインプットとしては,環境,組. かによって,変型プロセスとしての機能が規定. 織が利用可能な資源,組織の歴史,戦略が指摘. される.さらに,組織の歴史もまた組織のあり. されている.そしてこれらのインプットの諸要. 方を規定するインプット要素のひとつである..
(4) 4. (510). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). たとえば,過去における倒産の危機において学. として生みだす.そしてこれらのアウトプット. 習された教訓が,その組織の構造やプロセスを. がインプットの諸要素にフィードバックされる. 後世にわたり規定するようなケースである.最. ことで,スループットとしての組織プロセスは. 後に戦略であるが,このモデルにおいて戦略は. 循環プロセスを描くと想定されている.. 他のインプット要素を統合する役割として位置. 最後に,変型プロセスとしてのスループット. づけられている.すなわち,組織が外部環境に. の構成要素としては,公式の組織編成,タスク,. いかに対処し,そこからいかに経営資源を調達. 個人,非公式組織が指摘されている.インプッ. するのか,また組織の過去の歴史からいかに. トとしての戦略とアウトプットとしての組織的. 学ぶことで資源をいかに活用するのかといった. 成果をつなぐ役割が,これらのスループットの. 課題に対処するのが経営戦略の役割である.そ. 構成要素には想定されている.さらに,以下で. の意味では,環境および資源,組織の歴史から. 説明するスループットの構成要素は相互に影響. 組織の戦略は形成され,そのように形成された. を与えあうことで,全体としてスループットの. 戦略によってスループットとしての組織のあり. プロセスを構成している.. 方は規定されると考えられる.したがって,こ. より具体的にスループットの構成要素につい. のモデルではインプットの構成要素である[環. て見ていくと,公式の組織編成とは,分業体制. 境,資源,組織の歴史]とスループットの構成. のあり方や意思決定のフロー,報酬体系などで. 要素の両者を結ぶ役割として戦略は位置づけら. ある.すなわち,インプットとしての経営戦略. れている.. からの影響を受けるかたちで,スループットの. 一方,組織のアウトプットとしては,システ. 公式の組織構造や組織プロセス,報酬体系が規. ムの機能,集団の行動,集団間の関係,個人の. 定され,それらの諸要素が組織的な成果を規定. 行動と成果が指摘されている.そしてこれらの. するプロセスが描かれている.またタスク要因. アウトプットの諸要素が,組織へのインプット. とは,タスクを遂行するために必要とされる情. の要素である環境や資源,組織の歴史,戦略に. 報の種類やレベル,タスクの遂行者間で必要. フィードバックの作用を及ぼすと考えられてい. とされる相互依存性の程度などを指す.たとえ. る.より具体的にアウトプットの内訳について. ば,タスク遂行のために要請される技能の水準. 見ていくと,システムの機能とは,その組織の. によって,その組織が生み出すアウトプットの. 有効性がどの程度達成されたのかを表す.たと. 質や量は規定される.また各自のタスクを遂. えば,製品やサービスの品質や売上,事業に対. 行するにあたって,他の従業員や他部門との相. する投資効率,達成された利益の水準などが考. 互依存性が高い場合,組織の分業体制や情報フ. えられる.次に集団の行動および集団間の関係. ローなど,他のスループット要因にも影響を及. とは,組織における集団および集団間の運営状. ぼすことになる.さらにスループット要因のひ. 況を指す.たとえば,部門ごとの業務の効率性. とつである個人的要因もまた組織的成果を規定. や,部門間での相互コミュニケーションやコン. する構成要素のひとつである.具体的には,従. フリクトの程度などが考えられる.最後に個人. 業員個人がどの程度のスキルや専門知識を備え. の行動および成果とは,個人の職務成果,離職. ているのか,いかなる性格を有し,いかなる態. や長期欠勤などを具体的には意味している.こ. 度で職務に臨んでいるのかといった属人的変数. のように組織は,環境,資源,歴史,戦略をイ. がこれにあたる.最後に,スループット要因と. ンプットととし,スループットの変型プロセス. して非公式組織が指摘できる.すなわち,組織. を経て,システムの機能,集団の行動,集団間. 内での非公式な情報フローや非公式なオーソリ. の関係,個人の行動および成果をアウトプット. ティ関係,政治的な行動などがこれにあたる..
(5) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (511). 5. 組織の成果は公式の組織編成だけではなく,こ. 治的思惑が交錯しており,そのため公式の組織. れらの非公式な要素によっても規定される.さ. 編成では各部門が自らの利益を守るために部門. らに組織における非公式な要素が,公式の情報. 間の情報フローが硬直的となっており,その影. フローやタスクの相互依存性,従業員の心理状. 響から個々に遂行されるタスクは部門内で完結. 態など,スループットのその他の構成要素にも. する傾向をもち,従業員は非協調的な心理状態. 影響を与える側面がこのモデルでは描かれてい. におかれている組織があるとしよう.このよう. る.. なスループットの構成要素(非公式組織,公式. ⑵ Nadler & Tushman(1977)の組織モデル. の組織編成,タスク,個人)をもつ組織では高. の限界. い組織的成果(アウトプット)は望むべくもな. 以上, インプット, アウトプットおよびスルー. いだろう.しかしながら,政治的な観点から眺. プットの構成要素とそれらの間の相互関係につ. めると,上記の組織(スループット)の諸構成. いて説明してきたわけだが,以下では Nadler. 要素は非常によく調和していることがわかるだ. & Tushman(1977)による組織モデルの全体. ろう.この例示が示唆することとは,いかなる. 的な捉え方について概説する.. 観点から測定および評価されるかによって適合. この組織モデルにおいて想定される究極の目. 度の大小は異なること,さらに特定の観点から. 的とは,組織のアウトプットを最大化すること. 評価された適合度合いが仮に高水準であったと. である.そしてその目的を達成する手段とし. しても,必ずしも組織のアウトプットには寄与. て,戦略やスループットの諸構成要素間の調和. しないということである.また別の観点から指. が重視される.すなわち,戦略が環境や資源,. 摘するならば,適合度を評価する基準を明確に. 歴史に調和したものであり,さらに公式の組織. しない限り,この組織モデルを実務上で運用す. 編成やタスク,個人属性や非公式組織が互いに. るトップ・マネジメントやマネジャー,経営コ. 戦略に調和したものである場合,その組織のう. ンサルタントの依拠する価値観や規範,利害な. みだすアウトプットは最大化されることが,こ. どによって,適合度合いの評価は恣意的な解釈. の組織モデルでは示唆されている.言い換え. の余地を含まざるを得ないということである.. れば,インプットの諸要素間の適合度合い,ス. また仮に,外部環境に対して最適に適合した. ループットの諸要素間の適合度合い,さらにイ. 戦略や,戦略に最適に適合した組織編成は,組. ンプットとスループットの諸要素間の適合度合. 織にとってのアウトプットである組織的成果に. いが大きいほど,結果として,アウトプットは. 寄与すると考えるとしても,しかしながら,こ. 大きくなると考えられる.. のような適合と組織的成果に関する因果関係が. ここで実務的な観点から,この組織モデルの. 成り立つのは,組織にとっての外部環境の変化. 妥当性について検討すると,上記の適合の度合. が緩やかである場合や,組織の成果を短期的な. いをいかにして測定するのかという問題に直面. スパンで評価する場合に限られることには注意. する.すなわち,このモデルの妥当性を検証す. が必要である.すなわち,外部環境に緊密に適. るためには,スループットの構成要素間の適合. 合する組織ほど,外部環境と戦略との整合性,. 度合いの測定,およびその適合度合いと組織的. およびスループットの構成要素間の整合性が緊. 成果(アウトプット)との関連性の分析を行う. 密であるため,仮に外部環境で局所的な変化が. 必要がある.しかしながら,それらの測定や分. 生じた場合ですら,組織システム全体の見直し. 析を行うための具体的な基準は不明確といわざ. が必要になると考えられる.このことから,緊. るを得ない.たとえば,ある組織(スループッ. 密な適合性を志向する組織は,外部環境への長. ト)では非公式なレベルにおいて部門間での政. 期的な適応能力をむしろ弱めていると考えるこ.
(6) 6. (512). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). とができるだろう.このモデルの限界について. なタスクは公式の組織構造や組織プロセスを規. は,Nadler & Tushman(1989)においても認. 定する働きをもつ.たとえば,新たに導入され. められており,環境変化への長期的な適応能力. たタスクが従来よりも高度な技術水準やスピー. の観点を含めた組織モデル化が必要である.. ド,あるいは他のタスクとのより大きな相互依 存性を必要とするならば,そのタスクの遂行を. 3.Tichy(1983)の組織モデル. 可能にするための手段として,組織における既. ⑴ 技術的,政治的,文化的パースペクティブ. 存の分業体制や情報フローに対しても変革の必. に基づく組織診断. 要性が生じることになる.そして公式の組織構. Tichy(1983)によって提示された組織モデ. 造や組織プロセスを変革することは,その組織. ルは,組織をオープンシステムと捉え,組織の. の非公式的な側面にも変化の影響を及ぼす.す. アウトプットを規定する要因として,モデルの. なわち,日常業務の内容や分担,意思決定のフ. 各構成要素の性質や構成要素間の相互関係を想. ローなどを変革することは,従業員間の非公式. 定する点で,Nadler & Tushman(1977)によ. な関係性(非公式な職場規範など)に何らかの. る組織モデルと基本的に同様のモデル構造を成. 影響を及ぼす可能性がある.また新たなタスク. している.しかしながら,Tichy(1983)のモ. の導入や組織の非公式的側面は,変革に対する. デルにおいては,変革の対象となる組織の構成. 従業員の心理的側面によっても規定される.た. 要素が提示されるだけではなく,それらの構成. とえば,変革に対する抵抗感が従業員の間で支. 要素をクロスする 3 つの中核システム(技術シ. 配的であるならば,変革に必要とされるタスク. ステム,政治システム,文化システム)が明確. は実質的に実行されない恐れがあり,また組織. 化されている点で,従来のモデルとは一線を画. の非公式集団においては変革の試みに協力しづ. している.すなわち,組織の構成要素をクロス. らい集団圧力が生じる可能性がある.最後にこ. する 3 つの中核システムが明確化されることに. れらの組織の構成要素(ミッション,戦略,タ. よって,Nadler & Tushman(1977)の組織モ. スク,公式の組織構造,組織プロセス,非公式. デルがもつ限界点であった,組織の構成要素を. 組織,人々)の全般を調整し管理する役割とし. 評価する基準の明確化と多様化がこのモデルで. て,ミッション・戦略プロセスのマネジメント. は試みられているといえるだろう.. は位置づけられる.このマネジメント機能は組. Tichy(1983)は,組織 の 構成要素(組織変. 織の構成要素のひとつとされ,スループットの. 革の対象)として,ミッション,戦略,タスク,. 枠組み全体に行き渡るものとして位置づけられ. 既定 の ネット ワーク(公式の組織構造) ,組織. ている.たとえば,組織変革に関係する多様な. プロセス, 創発的なネットワーク (非公式組織) ,. 利害集団を,新たな戦略に基づき導入されたタ. 人々,ミッション・戦略プロセスのマネジメン. スクに従事させるケースでは,上記のすべての. トを仮定した(図 2 参照) .これらの構成要素. 構成要素に働きかけ,構成要素間の相互関係を. 間の相互関係について説明するならば,まず組. 調整することで,組織変革の成果であるアウト. 織に対するインプットとしての環境や資源,組. プットの改善を図る必要がある.この機能を担. 織の歴史から組織のミッションや戦略が新たに. うのがミッション・戦略プロセスのマネジメン. 形成される.そしてミッションや戦略を実現す. トである.しかしながら,Nadler & Tushman. る手段として新たなタスクが設計される.この. (1977)による組織モデルの限界点として既に. プロセスは,環境変化に伴う組織変革の試みに. 指摘したように,組織の構成要素間の適合性を. おいて,従来とは異なる新たなタスクが必要と. 高めるべく調整するにあたっては,どのような. されることを示している.さらにこれらの新た. 基準や観点に依拠して構成要素の適合度を測定.
(7) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (513). 7. ����� ��������. ����� ��. ���. ��������. ��. ������. ��� ������ �������. ����������������� ������. �������. �������������������������������������������������������������������������������������������������������������� 出典:N. M. Thicy, Managing Strategic Change: Technical, Political, and Cultural Dynamics, 1983, New York: Wiley.. 図 2 Tichy の技術的,政治的,文化的フレームワーク. および調整するのかが明確にされない限り,そ. テムとは,科学的手法やハードデータに依拠す. の組織変革のマネジメントは志向性の偏った試. る観点から組織を捉える極めて合理的なパース. みになる恐れがあるだろう.. ペクティブである.このパースペクティブにお. ここで Tichy(1983)のモデルが独自なのは,. いては,合理的・技術的な観点から組織の構成. 上記の全ての構成要素をクロスする 3 つの中核. 要素の評価が行われる.また政治的システムと. システムが提示される点である(図 3 参照) .. は,組織をコンフリクトおよびパワーダイナミ. 技術システム,政治システム,文化システムが. クスの観点から捉える政治的なパースペクティ. それに相当する.これらの中核システムは,組. ブである.このパースペクティブにおいては,. 織を理解するにあたって支配的なパースペク. 組織における個人間および部門間のパワー関係. ティブであり,それぞれ独自の観点から組織の. やその変動の事実に着目することを通じて,組. 構成要素を評価する基準となる.まず技術シス. 織の構成要素を評価する立場をとる.そして.
(8) 8. (514). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). ������� ��������. � � � � � �. ���. ��������. ��. ����. ���������. ������� ���. ������� ������� ������� ������� ����. ���������� �������. 出典:N. M. Thicy, Managing Strategic Change: Technical, Political, and Cultural Dynamics, 1983, New York: Wiley.. 図 3 Tichy の TPC マトリックス. 文化的システムとは,組織において共有される. て検討するならば,3 つの中核システムの観点. 価値観や規範,認識枠組みの観点から組織を捉. から,以下のような検討課題を提起することが. えるパースペクティブである.このパースペク. できる.たとえば,既存のタスクの効率性は技. ティブにおいては,組織において共有される認. 術的な観点からいかに評価できるだろうか.ま. 識枠組みによって人々は互いに関連づけられ,. た政治的な観点から,そのタスクは他のタスク. それぞれの組織に独自の行動パターンや価値観. とどの程度の相互依存性や代替可能性をもち,. などが生成されると考える.変革には新たな規. その結果として組織内でのコンフリクトの要因. 範や価値の導入が必要であり,またそれらの導. になっていないだろうか.さらに文化的な観点. 入によって生成された新たな組織文化の定着を. に立つならば,そのタスクを遂行する際に重視. もって変革プロセスの最終段階と仮定するなら. される規範や価値観は,その他のタスクのそれ. ば,組織の構成要素を文化的パースペクティブ. とは対立していないだろうか.Tichy(1983). に基づいて評価することは重要な意味を持つと. によると,このように組織は技術システム,政. いえる.. 治システム,文化システムという 3 本の縄が編. ここで,組織の構成要素を横軸にとり,3 つ. み込まれた 1 本のロープのごとく編成されてい. の中核システムを縦軸にとることによって,マ. る.ここで 1 本の縄とは組織のすべての構成要. トリックス図を描くことができる.このマト. 素から成り立つ個別の中核システムを指す.こ. リックス図によると,横軸に並ぶ組織の全ての. れらの技術的,政治的,文化的な 3 本の縄が互. 構成要素は,縦軸の特定のパースペクティブの. いに編み込まれることで太い 1 本のロープ(組. 立場から評価されることによって,その組織全. 織)が構成されると比喩的に考えられているの. 体の整合性が評価される.このように 3 つの. である.したがって,これらの多面的なパース. パースペクティブのそれぞれに基づいて,組織. ペクティブに依拠しつつ,組織の構成要素の再. の構成要素および組織全体は評価されるわけだ. 編成に同時に対処することが組織変革の成功に. が,Tichy(1983)の主張によると,組織変革. とっては不可欠とされる.. において大きな成果をあげるためには,これら. ⑵ Tichy(1983)の組織モデルの限界. 3 つすべての中核システムの観点から組織の再. 組織モデルを構築するにあたって,組織の構. 編成を図ることが重要である.たとえば,組織. 成要素を提示するだけではなく,それらを束ね. の構成要素のひとつであるタスクの変革につい. る中核システムを提示した点で,Tichy(1983).
(9) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (515). 9. の組織モデルは意義深いと言えるだろう.とい. メンバーの認知変化と行動変化に焦点を合わせ. うのも,これらの中核システムが提示されたこ. た,組織変化のプロセスモデルを提示した.こ. とによって,組織の構成要素の適合度を評価す. のように組織の人々の心理的側面と組織プロセ. る基準が明確化され,また多様化されたからで. スおよび組織構造との相互関係について明らか. ある.. にすることは,組織を診断するにあたって不可. し か し な が ら,Nadler & Tushman(1977). 欠な要素であるといえる.. の組織モデルと同様に,このモデルでも構成要 素間の調和が非常に重視されている点は注意が. Ⅱ 適合性を強調する組織モデルの問題点. 必要である.たとえば,技術的な観点から組織. 以上では,適合性を強調する既存の組織モデ. のすべての構成要素が互いに調和することが,. ルの概説およびそれらの限界点について個別に. 組織のアウトプットを改善すると仮定されてい. 指摘してきた.. る.またこのモデルでは組織の構成要素間の調. 組織変革を議論もしくは実行するには,その. 和だけではなく,中核システム間での調和も重. 前提として組織モデルについての理解が不可欠. 視されている.たとえば,組織変革において新. である.しかしながら,上記で説明した諸々の. たな情報フローを設計するにあたっては,技術. 組織モデルは,適合性が組織の長期的な環境適. 的観点,政治的観点および文化的観点から整合. 応能力を阻害するリスクについて見落としてき. 的に設計する必要性が指摘されている.その意. たと言わざるを得ないだろう.ではなぜそのよ. 味では,Nadler & Tushman(1977)の組織モ. うな見落としが生じたのであろうか?その見落. デル以上に,調和や適合概念を重視する組織モ. としは,これらの組織モデルが共通して依拠す. デルといえるだろう.既に述べたとおり,調和. る前提に由来していると本論では考える.以下. や適合を過度に重視することは,長期的な組織. では,これらのモデルに共通して見られる前提. の環境適応能力を阻害する恐れがあり,その批. を明らかにする.そしてその前提がもつ問題点. 判はこのモデルにも当てはまる. その意味では,. について指摘するとともに新たな組織変革モデ. さらに長期的な時系列を含んだ組織変革モデル. ルの可能性について検討する.. 3). の構築が必要と考えられるだろう . また Tichy(1983)のモデルには,組織の構 成要素のひとつとして「人々」が含まれている. 1.前提「組織の構成要素が調和すればするほ ど組織の成果は大きくなる」. が,組織プロセスおよび組織構造と人間(変革. 組織は多かれ少なかれ外部環境に適応し,ま. における心理的側面)との相互関係は明示され. た組織の構成要素間の調和を維持することに. ていない.しかしながら,組織プロセスや組織. よって存続することができる.逆に外部環境に. 構造を変革する場合,人々の心理的側面(たと. 適応できず,また組織の構成要素間での調和を. えば職務に対するモチベーションや組織に対す. 確保できない組織はその存続が危ぶまれること. る帰属意識など)は変革から強く影響を受ける. に な る.そ の 意味 で は,組織 の 存続 に とって. ことが予想される.さらにこれらの心理的側面. 調和や適合を重視する考え方は非常に有効であ. が,人々の行動に影響を与え,最終的には組織. る.. 変革の成果に影響を及ぼしうる.この議論に関. しかしながら,この前提は 3 つの意味で問題. 連 し て Porras & Silvers(1991)は,組織開発. を含んでいる.まず第一の問題点は,組織にとっ. による労働環境の変化や組織変革によるビジョ. ての実行可能性の問題である.現代の組織が直. ンの変化によって,組織の人間の思考プロセス. 面している外部環境は従来よりも変化のスピー. や心構えには影響が及ぼされると仮定し,組織. ドが速く,また先行きの見通しの悪さが増しつ.
(10) 10. (516). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). つあると一般に言われている.そのような環境. すべき環境」と定義された外部条件にできる限. の下で,組織がアウトプットを極大化するため. り整合するように組織の構成要素を入念に作り. に環境との適合度を極大化したり,それに応じ. 込むことである.というのも,人間の環境認識. て組織内部の構成要素間の調和を最適化したり. 能力の限界や,組織の構成要素が変化できるス. することはそもそも実行不可能である.なぜな. ピードの限界を考慮に入れたうえで「できる限. らば,人間の環境認識能力には限界があり,ま. り」組織の適合性を高めようとすれば,上記の. た組織の構成要素が変化できるスピードにも限. 行動のように,環境認識をある時点で固定化し. 界があるからである.にもかかわらず,これら. て,それに合わせて組織を入念に作り込むこと. の組織モデルは,組織における調和をできるだ. が要求されるからである.. け高めることで組織のアウトプットを高めるこ. しかしながら,ここで定義された「適応すべ. とができると主張している.. き環境」は現在進行している外部環境ではなく,. この場合,仮に組織にとっての究極目標が組. 過去において認識された外部環境である.にも. 織のアウトプットを最大限に高めることである. かかわらず,その「適応すべき環境」との整合. ならば,その究極目標を達成する手段とは,組. 性ができる限り大きくなるように組織を作り. 織の構成要素間の調和を極大化することであ. 込むことが追求されるならば,逆に将来の環境. る.しかしながらこれは組織にとって実行不可. 変化への柔軟な適応能力は阻害される恐れがあ. 能である.このように,これらの組織モデルは. る.なぜならば,組織の構成要素間の整合性が. 実行不可能な到達点を目標として設定している. 入念に作り込まれた組織ほど,将来におけるそ. 点で問題である.. れらの変革には大きな困難を伴うからである.. 第二の問題点は,組織における調和や適合度. 第三の問題点は,合理的概念の正当性に関す. 合いを「できる限り」高めようとする考え方に. る問題点である.外部環境と組織との適合性,. 由来する問題である.ここで第一の問題提起に. および組織内部の構成要素間の適合性をできる. 対しては, 次のような反論があるかもしれない.. 限り追求するといった発想は,組織における「緩. つまり, 「確かに組織における諸要素の適合度. さ」や「あそび 4)」といった非合理的な概念を. を極大化したり最適化したりするのは実行不可. 排除 し,「適合性」や「調和」と いった 整合性. 能である.しかしながらそれを踏まえたうえ. の概念を重視している点で,合理性を志向する. で,できる限り組織内の諸要素の調和を高める. パースペクティブであるといえるだろう.こ. ことで組織の成果を高めることができるのであ. のことは第一の問題提起でも指摘したとおりで. れば,それで問題ないではないか.つまり,で. ある.このような合理性を重視するパースペク. きる限り組織の調和を高めようと意識して行動. ティブは,組織が直面する環境変化が激しさを. すること自体に意義があるのだ」という主張で. 増すにつれて,その限界が多く指摘されるよう. ある.. になった.. しかしながら, 実はこのような考え方にこそ,. それでは激しい環境変化に直面している現代. 組織の長期的な適応能力を阻害する原因がある. の組織は,合理的な発想や分析手法を拒絶する. と本論では考えている.環境と組織の適合性,. 傾向にあるだろうか?本論ではむしろ逆の傾. および組織内部の適合性を「できる限り追求す. 向が強まっていると考えている.すなわち,環. る」ということは,実際的な観点からは以下. 境が複雑化し組織の構成要素が多様化すること. の 2 つの行動を伴う.すなわち,第一に組織の. で,それらの分析や調整が困難になればなるほ. 人間によってある時点で認識された環境を「適. ど,分析や調整の責任者である組織の人間は合. 応すべき環境」と定義すること,第二に「適応. 理的な発想や手法に依存するようになる.とい.
(11) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (517). 11. うのは,その合理的な発想や手法によって実際. 問題提起からも明らかなように,組織の適合状. に組織の成果が高められたかどうかは別とし. 態を追求することが必ずしも組織の成果を高め. て,少なくとも合理的な発想や手法に基づいて. るとは言えない.それゆえ,第二の前提は組織. 自らのタスクを処理したこと自体に,手続き上. 変革の位置づけに関する問題を含んでいると言. の正当性が与えられる傾向があるからである.. える.すなわち,仮に組織変革の目的が組織成. すなわち,複雑な環境の下でタスクを遂行し. 果を改善することであるならば,適合性の追求. なければならない人間ほど,少なくとも手続き. と組織成果とのネガティブな関係を踏まえたう. 上の正当性を得るために,合理的な発想や手法. えで,組織変革の役割を見直す必要があるだろ. に「すがる」傾向があるのではないだろうか.. う.. もしそうであるならば,第二の問題提起の内容. ここで,組織変革の役割を見直すにあたって. はさらに深刻さを増すことになる.すなわち,. 注目しなければならないのは,組織の適合レベ. 合理的な考え方(ここでは組織における整合性. ルに対する評価の問題である.本論で触れた既. や適合性の追求)に依拠すること自体が正当な. 存の組織モデルでは,暗黙のうちに,不適合状. 意味をもつため,その考え方や手法の実質的な. 態(変革されるべき状態)と適合状態(目指す. 有効性や問題点は考慮に入れられないままに,. べき状態)という 2 極が設定され,その軸線上. 組織的な決定や行動が広範になされる恐れがあ. においてできる限り適合状態の極に近い組織ほ. る.もしもそのような組織行動が支配的となれ. ど,優れた製品やサービスを生み出すことがで. ば,組織の長期的な環境適応能力はますます阻. きるとして高い評価が与えられていた.しかし. 害される恐れがあるだろう.. ながら,組織の適合レベルをこのような枠組み. 以上では,適合概念を強調する組織モデルに. で評価する限り,適合概念を「過度に」重視し「盲. 対する問題提起を行ったが,これは適合概念そ. 目的に」追求する組織ほど最も高く評価される. のものを否定するものでは決してない.繰り返. ことになり,その一方で,環境との間に「緩や. しになるが,上記の問題提起の冒頭にも記した. かな」適合状態を維持し,組織内部でも構成要. ように,組織は多かれ少なかれ外部環境に適応. 素間で「緩やかな」適合状態を維持している組. し,また組織の構成要素間の調和を維持するこ. 織には中間的な評価しか与えられないことにな. とによって存続することができる.逆に外部環. る.. 境に適応できず,また組織の構成要素間での調. 確かに外部環境が安定的であるならば,ある. 和を確保できない組織はその存続が危ぶまれる. いは短期的なスパンでのみ組織の成果を評価す. ことになる.. るならば,そのような枠組みでの評価は妥当. すなわち本論において問題視しているのは,. だろう.しかしながら,変化の激しい外部環境. 適合概念を「過度に」重視し「盲目的に」追求. の下で長期的に組織の成果をあげていくために. する考えであり,そのような考え方が組織の長. は,むしろ環境と組織の関係のあり方や,組織. 期的な存続にとってはむしろ阻害要因として働. 内部の構成要素間の関係のあり方として,「緩. くのではないかということである.. やかな」適合関係を維持することを追求する組 織のほうが,長期的な適応能力の観点からは高. 2.前提「組織変革の役割は不適合状態から適. く評価されるべきである.このように考えるな. 合状態へ組織を移行させることである」. らば,適合レベルは[不適合─適合]の軸で捉. 第二の前提とは,組織変革の役割として組織. えるのではなく,[過剰な不適合─緩やかな適. を不適合状態から適合状態へと移行させること. 合─過剰な適合]と捉えた方が,適合レベルと. を想定するものである.しかしながら,上記の. 長期的な組織成果との関係を議論するうえでは.
(12) 12. (518). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). 有効である. すなわち,変化の激しい環境に直面する組織. Ⅲ 新たな組織変革モデルの構築. にとっては,極である過剰な不適合状態もしく. 適合概念を重視する代表的な組織モデルへの. は過剰な適合状態に近づくほど,長期的な組織. 批判的検討を踏まえたうえで,以下では本論が. 成果を達成するのが困難になると考えられるた. 想定する組織変革モデルを提示する.この組織. め,この評価枠組みでは低く評価され,一方で. 変革モデルは循環プロセスによって表現され,. 「緩やかな」適合状態を追求する組織に対して. その循環プロセスは官僚制化プロセス,適合. は高い評価が与えられることになる.. 化プロセス,最適化プロセス,ルース化プロセ. それでは再度,組織変革の果たすべき役割を. スという 4 種類の移行フェーズから構成される. 見直すための議論に戻ろう.仮に組織変革の目. (図 4 参照).. 的が組織成果を改善することであると仮定す るならば,上記の前提は次のように書き換える. 1.官僚制化プロセス:変革された要素の制度化. ことができる. 「組織変革の役割は,緩やかな. 組織の第一の移行フェーズは,緩やかな適合. 適合状態へ組織を移行させることである」 .し. 状態から過剰な不適合状態へと移行する官僚制. かしながら,これでは「どこから」移行させる. 化のプロセスである.. のかについての記述が欠落しており不十分であ. 組織はその事業規模が大きくなるにつれて,. る. 補足するならば, 「どこから」 のひとつは 「過. 必要とされるタスクの量は飛躍的に増大し,そ. 剰な不適合状態の極に近いほうから」であり,. の質も多様かつ複雑になる.その結果として,. もうひとつは「過剰な適合状態の極に近いほう. 組織では各々のタスクの専門化および細分化が. から」である.. 進む傾向がある.この傾向は,関連するタスク. ここで,この補足は組織変革の位置づけに. を束ねるかたちで編成された部門にも当てはま. とって非常に重要な意味合いを持っている.な. る.このように組織規模の拡大に伴って組織に. ぜな ら ば,こ の 補足によって組織変革の方向. おける専門化が促進されるのは,タスクを専門. 性が,適合性のレベルの増減の観点からは逆方. 化することによって効率的かつ安定的にタスク. 向を指向する 2 パターンに拡張されたからであ. を遂行できるようになるからである.逆に言え. る.すなわち, [過剰な不適合→緩やかな適合]. ば,組織規模の拡大に伴って,必要とされるタ. という方向性をもつ組織変革と, [過剰な適合. スクが多様かつ複雑になることは,組織にとっ. →緩やかな適合]という方向性をもつ組織変革. ては業務運営が非効率になるリスクを意味して. である.前者は環境との関係や組織内部の構成. おり,そのリスクへの対応としてタスクや部門. 要素間での適合性を増大させる方向性をもつ組. の専門化および細分化が志向されるといえる.. 織変革であり,後者は逆に組織におけるタイト. しかしながら,細分化されたタスクや部門は相. な整合性を意図的に緩めて, 「あそび」をもた. 互 の 調整 や コ ミュニ ケーション が 安定的 で ス. せた状態への移行を意図する組織変革である.. ムーズに進まない限り,組織運営は非効率とな. 後で詳しく議論するように,方向性の異なる. る.すなわち,互いのタスクの守備範囲に重複. これらの組織変革を有効に導くために必要とさ. が生じたり,部門内部での命令服従関係が曖昧. れるマネジメントやリーダー行動は当然大きく. であるために意思決定プロセスに混乱が生じた. 異なると考えられる.したがって,組織変革に. り,また多様な部門間での利害対立から生じる. ついて議論するにあたっては,これらの 2 つの. コンフリクトの処理に多大な時間を要したりと. 方向性をもった組織変革を区別して扱うべきで. いった混乱が組織全般で生じる恐れがある.こ. あると本論では考える.. のような非効率を防ぐために,多くの大規模な.
(13) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). �����������. � � � � � � � �. ��������. (519). 13. �������������. � � � � � � � �. ��������. �����������. �������������. �������. ���������. � � � � � � �. 図4 循環プロセスから構成される組織変革モデル. 組織では各々のタスクに付随する責任や権限の. 部門間で臨機応変にサポートしあうことが困難. 範囲を文書で明確に規定したり,組織における. になったり組織全般でセクショナリズムがはび. 命令服従関係を階層として構造化したり,また. こったりするケースや,階層として構造化され. 部門相互のコミュニケーションのあり方をルー. た命令服従関係を重視するあまり,外部環境(例. ル化するなど,組織における秩序を整えて結果. えば顧客や取引先)と接している下位メンバー. の予測可能性を高めることで,効率的かつ安定. のもつ重要な環境情報が部門の意思決定におい. 的な組織運営を維持している(Weber, 1956) .. て無視され,上位メンバーの時代遅れの判断が. このように大規模組織にとっては,効率的で. 優先されたりといったケースである.これらは,. 安定的な組織運営を確保することが重要な経営. 本来ならば組織の効率性に寄与するための手段. 課題となっており,その課題に対処するための. であるルールや分業体制,命令服従関係の追求. 手段として,上記のようなタスクの専門化や規. が,かえって組織の硬直化を促し組織の効率性. 則の制定,個人の恣意性の排除,文書によるコ. を阻害するという官僚制の逆機能を示すもので. ミュニケーションなどが志向される.しかしな. ある.. がら,組織における効率性や秩序の追求,それ. この官僚制の逆機能は,人間の権力欲求と安. らを達成するための手段である職務規程や命令. 全欲求を介して,自らの機能を強化するメカニ. 服従関係の重視,タスク範囲の遵守などが過度. ズムをもつと本論では考える.たとえば,今ま. に追求された結果,逆に本来の目的である組. で組織変革をリードし新たな意思決定プロセス. 織の効率性に対して悪影響が及ぼされ,組織の. や事業評価の基準を開発することで一定の成果. 硬直化が促される場合がある(Merton, 1957) .. を上げ,経営幹部に昇格した変革リーダーを想. たとえば,決められたタスクの権限や責任の範. 定しよう.この経営幹部の立場からすると,一. 囲を厳密に遵守するあまり,互いのタスクや. 連の変革の成果を「一過性のものに終わらせな.
(14) 14. (520). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). い」ように,新たな仕事の進め方をルールや制. このように官僚制化のプロセスとは,過去に. 度として組織全般に定着させることが変革の最. 変革された要素が制度化されることを通じて組. 終段階として必要と考えるかもしれない.さら. 織の硬直化が進行するプロセスであり,官僚. に言うならば,場合にもよるが,自らの変革の. 制の逆機能によって過剰な不適合状態が組織に. 取り組みの成果を,組織におけるルールや制度. もたらされるプロセスである.またそのプロセ. として結晶化させることによって,この経営幹. スは人間の持つ権力欲求と安全欲求を介して強. 部は自らの取り組みの正当性を保証でき,組織. 化されるプロセスとして定義づけることができ. における自らの影響力を「一過性のものに終わ. る.. らせずに」安定的に確保することができるよう になる.すなわち,自らの取り組みや既得権益. 2.適合化プロセス:制度化された要素の変革. の正当性を制度面で保証し,組織における影響. 組織の第二の移行フェーズは,官僚制の逆機. 力を安定的なものにすることを志向する人間の. 能による過剰な不適合状態から緩やかな適合状. 権力欲求が,新たな制度やルールの制定を促進. 態へと移行する組織変革プロセスである.. する側面がある.. たとえば,官僚制の逆機能によって組織が極. しかしながら,組織変革の成果やそれを達成. 度に硬直化し,内的にも外的にも過剰な不適合. した手段の有効性は,多かれ少なかれ「一過性. 状態に陥ったとしよう.そのような組織では,. のもの」である.にもかかわらず,成果の達成. 責任回避に根ざした形式主義,人事権に根ざし. 手段であった仕事の進め方自体を制度やルール. た権威主義,縄張り意識に根ざした部門主義な. として正当化し 「一過性のものに終わらせない」. どが浸透し,組織内における人間の関心や努力. ことで,組織には将来における不適合状態の素. は主として組織内部に向けられがちとなる.そ. 地がもたらされることになる.ここで重要なの. の結果として,外部環境に存在する多様な利害. は,その制度を受容する人間心理である.たと. 関係者との間に,彼らが求める取引関係を構築. えば,組織の人間が制度化された仕事の進め方. することへの努力を怠ることによって,そのよ. から逸脱することは,その手続き上の不備およ. うな組織は存続の危機に直面することになる.. び責任を個人的に問われる危険性がある.さら. このような危機的局面において,この組織に. に言うならば,手続きを逸脱した以上,そこか. 必要な取り組みとは,第一に組織の関心を外部. ら生じた結果についても個人的に責任を問われ. 環境に向けることであり,第二に外部環境に. ることになるだろう.逆に言えば,制度上で定. 適合するように既存の制度や構造,プロセスを. められている仕事の手続きに従うかぎり,手続. 変革することである.これらの取り組みは順番. き上の責任は問われず,その結果生じた事態に. になされるというよりも,同時並行して進行す. 関する責任も基本的には組織レベルに担保され. るわけだが,このような局面で重要な役割を果. るといえるだろう.この場合,人間のもつ安全. たすのが,組織内部におけるパワーやオーソリ. 欲求を考慮するならば,たとえ組織において制. ティの再配分である.. 度が外部環境と不適合状態を引き起こしている. すなわち,危機的な状況に陥った組織では,. としても,その制度を受容し行動するという安. 多かれ少なかれ,コンフリクトを通じて勢力地. 全な選択がなされる場合が多いのではないだろ. 図が塗り替えられ,従来の主流派とは異なる部. うか.もしそうならば,制度によってもたらさ. 門や集団が新たな影響力を組織内部で獲得し,. れる組織の不適合状態は,自己保身という人間. 既存の制度や利害構造の変革に取り組む場合が. 心理によってますます強化されることになるだ. 多い.また仮に勢力地図の革新的な塗り替えが. ろう.. なされなかったとしても,上記のコンフリクト.
(15) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (521). 15. の機会を利用して,外部環境に適合するように. パワー行使の機会をルールとして制度化する側. 組織における既存の制度や構造を変革すること. 面がある.ケースに即して言えば,各部門に対. が, この適合化のプロセスでは想定されている.. する資源配分の意思決定プロセスにおいて,人. たとえば,過去に組織内部の深刻な労働問題. 事部門が他部門よりも相対的に大きな影響力を. に対処し組織を存亡の危機から救ったという経. もつことは,引き続き制度面で保証されている. 緯から,組織内部の規律や秩序を統制する役割. 可能性が高い.. を果たす人事部門が,組織における資源配分に. ここで生じるのが,組織における主導権の獲. 強い影響力をもつ企業を想定しよう.この企業. 得を巡るコンフリクトである.一方は過去にお. は安定的な売上を従来確保してきたが,近年で. いて獲得したパワーを制度面で保証された部門. は内部的に官僚制の逆機能が進行し,外部的に. であり,もう一方は外部環境における新たな変. は消費者ニーズの多様化にうまく対応できず,. 化に伴って組織内に持ち込まれた不確実性への. 結果として売上不振による倒産の危機に直面し. 対処能力に裏打ちされたパワーをもつ部門であ. たとしよう.. る.. この場合,この企業にとっては「現代の消費. 組織に機能不全をもたらすものとしてコンフ. 者に支持される製品を開発できる能力」の重要. リクトを捉える議論7)もあるが,本論ではその. 性が相対的に高まり,そのような能力をもつ部. ようには考えない.むしろこのような制度的な. 門や人材の組織内での発言力が相対的に高まる. パワーに依拠する集団と状況的なパワーに依拠. ようになる.なぜならば,この組織にとっての. する集団との間で展開されるコンフリクトの機. 不確実性の源泉は多様な消費者ニーズであり,. 会こそが,組織の関心を外部環境に向ける契機. 優れた製品開発能力こそがその不確実性に対処. や,多様な意見を表面化させる契機となり,多. 5). できる能力だからである .このように組織内. かれ少なかれ外部環境に適合するように既存の. 部で特定の集団が影響力をもつためには,この. 制度や構造,プロセスを変革する原動力になる. 集団が組織にとっての不確実要因の源泉に対処. と本論では考えている8).. できる能力を有しており,またその能力が他の. このように適合化のプロセスとは,過去に制. 集団をもってしても代替不能な能力であること. 度化された要素が変革されることを通じて,過. が必要とされる6)(Hickson et al., 1971) .. 剰な不適合状態に陥った組織の適合化が徐々に. それでは,外部環境の不確実性に対処できる. 進行するプロセスである.このプロセスは,制. 能力をもった製品開発部門が組織内で新たな影. 度的パワーと状況的パワーのコンフリクトを契. 響力を獲得し,人事部門に代わって資源配分に. 機とした,パワーやオーソリティの再配分を通. 対する強い影響力を直ちに獲得できるかという. じて実行される組織変革プロセスとして定義づ. とその可能性は低いだろう.なぜならば,この. けることができる.. 企業にとっての過去の不確実性であった労働問 題が仮に現在では完全に解消されているとして も,この企業では現在でも人事部門が依然とし. 3.「最適化」プロセス:変革された要素の「最 適化」. て強い影響力を制度上で保持している可能性が. 組織の第三の移行フェーズは,組織変革によ. 高いからである.その根拠は官僚制化プロセ. る緩やかな適合状態から,最適化の試みによる. スで既に説明したとおりである.すなわち,こ. 過剰な適合状態へと移行するプロセスである.. のケースの人事部門のように過去に何らかのパ. たとえば,適合化プロセスで展開される組織. ワーを獲得した部門や人材は,そのパワーを正. 変革の取り組みによって,組織構造や組織プロ. 当化しその安定化を図るため,組織での自らの. セス,人事制度などが外的にも内的にも適合度.
(16) 16. (522). 横浜国際社会科学研究 第 11 巻第 4・5 号(2007年 1 月). を増すように再編成された組織を想定しよう.. かしながら,適合化のプロセスを経てその組織. 上記の企業のケースに即して説明すると,人. 変革の劇的な成果を経験することで,その組織. 事部門と製品開発部門とのコンフリクトを通じ. が学習内容の神話化の罠にはまるならば,さら. て,従来よりも顧客ニーズを重視するための分. なる大きな代償をその組織は払うことになるだ. 業体制や情報フローが組織内で整備されたとす. ろう.. る.そして,このような変革の取り組みが功を. たとえば,上記の企業のケースにおいて「顧. 奏して,売上増大というかたちで具体的な成果. 客ニーズを重視する理念が倒産の危機から組織. が少しずつ顕在化し始めたとしよう.組織変革. を救った」「高付加価値型ではなくシンプルな. プロセスを効果的にリードするためには,変革. 製品コンセプトが顧客から支持された」という. の取り組みの初期の段階で何らかの成果を出す. 学習内容が組織レベルで神話化されるとしよ. ことが重視される. そのような短期的な成果は,. う.この場合,組織はより大きな成果を上げる. 変革の取り組みに対する組織内の不安を取り除. ために,この神話化された学習内容との整合性. き信頼感を醸成することで,変革の試みを組織. を追求し,組織構造やプロセス,組織文化など. 9). 内に広く普及させる働きがあるためである .. の変革をさらに追求することになる.しかしな. そのような流れのなかで,組織内部ではさらに. がら,そのような組織変革の成果は当初ほど劇. 顧客ニーズを追求するための試行錯誤と学習を. 的なものとはならないと本論では考えている.. 繰り返し,高付加価値を訴求する従来の製品コ. なぜならば,変革の当初において劇的な成果を. ンセプトから機能を絞ったシンプルさを訴求す. 達成できたのは,倒産の危機に瀕するほどに当. るコンセプトへと製品開発コンセプトの大胆な. 初の組織の適合性が悪すぎたせいもあるからで. 転換に踏み切ったとしよう.そしてその結果と. ある.にもかかわらず,学習内容の神話化の罠. して,売上の大幅な回復を実現し倒産の危機を. にはまった組織では,現在の組織変革の成果が. 回避したとする.この時点において,組織変革. 鈍化している現状をそのように捉えることがで. の取り組みは組織内部で重要な地位を占めるよ. きない.なぜならば,売上の増減は「顧客ニー. うになるだろう.すなわち,倒産の危機から組. ズを重視する姿勢」および「製品コンセプトの. 織を救ったのは,顧客ニーズを重視した組織変. シンプルさ」によって左右されるとの学習内容. 革の取り組みであるということが組織レベルで. が神話化されているためである.それゆえ,「こ. 学習され, また「製品コンセプトはシンプルに」. のところ売上の伸びが鈍化しつつあるのは,顧. という教訓が組織の至上命題として位置づけら. 客ニーズを重視する姿勢や製品コンセプトのシ. れるようになる.. ンプルさが変革当初より後退したからではない. しかしながら,ここで注意しなければならな. か?」と考えて,さらに顧客ニーズや製品コン. いのが学習内容の神話化である.これは過去の. セプトのシンプルさを追求した組織変革を強化. 経験などによって学習された内容が,絶対的な. するメカニズムが働きやすい.. 正しさの認知をもって,条件によらず固定的に. このような組織変革のさらなる強化の背景に. 人間の行動や思考を拘束する状態を指す.たと. は,「変革前の状態に組織を絶対に戻してはい. えば,組織を存亡の危機から救った救世主にま. けない.そのためには組織変革を止めてはいけ. つわる物語など,劇的で人々のポジティブな感. ない.」というある種の強迫観念が作用してい. 情に訴える出来事ほど学習内容の神話化が起こ. るように本論では考えている.特に変革に関す. りやすいと考えられる.確かに,官僚制の逆機. る学習内容の神話化は,変革前の状態を絶対的. 能による過剰な不適合状態で存亡の危機に瀕し. な悪とし,変革後の状態を絶対的な善と事後的. た組織を復活させるのは至難の業であろう.し. に意味づける傾向を伴うため,この種の強迫観.
(17) 組織変革の概念と組織モデルに関する一考察(山岡). (523). 17. 念に支配された組織の人間は,神話化された学. 相対化する必要があるだろう.そしてそのよう. 習内容に組織をできる限り適合させるための変. な組織変革には組織のより深層レベルで共有さ. 革を盲目的に追求することになる.. れているパラダイムの転換を伴う場合もある.. しかしながら,この組織が適合性を追求して. 上記からも明らかなように,この組織変革プ. いる対象は,神話化された学習上の外部環境で. ロセスにおける変革の対象は組織における認識. あって,実際の外部環境ではない.すなわち,. であり,究極的には組織における個人の認識を. この組織は仮想環境に対して最適に適合するた. 変革することが決定的な意味合いをもつ.パラ. めの組織変革を,強迫観念に支配されて追求し. ダイム転換と個人の認識変化との関係に焦点を. 続けているわけで,その意味で,この最適化プ. 定めて,Porras & Silvers(1991)は個人の認. ロセスは変革に関する病理的な組織現象を描い. 識変化を以下の 4 種類に分類している.. ていると言えるかもしれない. このような組織の状態が,本論の指摘する「過. ・アルファ変化:あるパラダイム内に存在する. 剰な適合状態」を追求する組織像である.より正. 諸変数の知覚レベルの変化.ただし諸変数の配. 確には,神話化された学習内容への適合状態を過. 置が変わることはない.たとえば,知覚される. 剰に追求する組織が,このプロセスでは描かれて. 技能改善度の変化.. いる.過去の組織変革の取り組みにおいて劇的な. ・ベータ変化:現存するパラダイム内に存在す. 成果を上げた組織ほど,このプロセスに陥りやす. る任意の変数がもつ価値の意味合いに関する. 10). いのではないかと本論では考えている .. 人々の捉え方の変化.ただしその変数の配置が 換わることはない.たとえば,基準における変化.. 4.ルース 化 プ ロ セ ス: 「最適化」さ れ た 要素 の変革. ・ガンマ(A)変化:現存するパラダイムの配 置における変化.ただし新たな変数が追加され. 組織の第四の移行フェーズは,学習内容の神. ることはない.たとえば,「製造主導」のパラ. 話化による過剰な適合状態から,ルース化の試. ダイムの中心的価値が,「費用抑制」から「総. みによる緩やかな適合状態へと組織を移行させ. 合的品質への焦点」に変化すること.この変化. る組織変革プロセスである.. は現存するパラダイム内に存在する全ての変数. この移行フェーズにおいて組織に要求される. の再配置につながる.. のは,外部環境と組織とのインターフェイスに. ・ガンマ(B)変化:既存のパラダイムから,. 焦点を定めた,不連続な組織変革の取り組みで. いくつかあるいはすべてが新たな変数を含む別. ある.すなわち,外部環境に対する従来の基本. のパラダイムへの転換.たとえば,「製造主導」. 認識を棄却するとともに, 「最適化」プロセス. のパラダイムが「顧客即応」のパラダイムに転. によって過度の整合性が追求された組織の構成. 換されること.. 要素を緩やかに再編成する組織変革がこのプロ セスでは展開される.. 上記の分類に従うならば,ルース化プロセス. たとえば,上記の企業のケースに即して説明. での組織変革において必要とされる認識変化と. すると,この企業が流動的な環境下で組織を存. は,最も表層のアルファ変化から最も深層のガ. 続させるためには,組織における意思決定や行. ンマ(B)まで全てのレベルの認識変化が含ま. 動の前提となっている規範や認識枠組みの位置. れる.たとえば,上記の企業ケースの場合,パ. づけを明らかにし,それらを相対化させる組織. ラダイム内の中心的価値が「顧客ニーズを重視. 変革の取り組みが必要となる.具体的には,組. する姿勢」および「製品コンセプトのシンプル. 織レベルで神話化されている既存の固定観念を. さ」という変数から,「商品価値を顧客に対し.
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