国語科における聞くことの指導のあり方に関する研究:―第1学年単元「わたしは、なんでしょう」における対話指導の実践から―
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(2) ③指導者の評価と児童の評価(自己評価・相互評. せることで、全員が必ず話し手と聞き手の役割を. 価). 両方経験することできた。また、精神的な緊張の. ④グループ形態の変化(ペア→グループ→クラ. 少ないペアから、徐々に緊張が高まるグループ、. ス). クラス全体へと変化させることで、子どもたちも. ⑤「おたずね」を中心に授業構成. 徐々に対話や質問に慣れることができた。さらに、. 以上が、先行実践において指導に際しての手立. 場面に応じて対話するという意識に繋がった。. てである。以上に挙げた5つの手立てをもとに、. ④の授業者の評価と児童の評価については、十. 実践を行った。. 分な成果をあげることはできなかった。原因とし. 実践の分析方法として、『学習の関心・意欲・. て、児童の具体的な発言を捉えた評価言の不足で. 態度の側面からみた特徴」と「『聞くカ』の質的. ある。今後はこうした評価言を、明確な観点をも. 側面からみた特徴」について、アンケート、感想. って行うように改善が必要である。さらに、児童. 文、児童の作成した問題文、授業の逐語記録をも. の評価についても、自己評価の意見を全体で交流. とに成果と課題について分析・考察を行った。. する場を設けることができなかったため、児童の. r学習の関心・意欲・態度の側面からみた特徴」. 自分自身のつまずきの発見に繋げることが難し. としては、児童のアンケート結果からr話すこ. かった。自己評価をどのように授業に位置づける. と・聞くこと」に対する意識の変化は顕著にはみ. かについて検討していく必要がある。. られなかったものの、感想文の記述から単元に対. ⑥の必ず一人一つは質問するというルールに. する関心・意欲・態度は高かったことがわかった。. ついては、「おたずね」しようとすることで、必. この結果の考察として、まず有効であった手立て. 然的に聞かなければならないという意識が生ま. については「必ず質問をするというルール」や「対. れ、逐語記録の分析からも、児童はよりよく聞く. 話形態を変化させる」が挙げられる。次に、問題. ことができていることが明らかとなった。. 点としてはr問題文作成段階の指導の不足」rル. 4今後の課題. ールの確認」rグループ活動の際の、見本モデル. ・状況に応じた具体的な評価言の確立. の提示」が挙げられる。この三つを改善していく. ・「聞くこと」の自己評価、相互評価について. ことが、児童の学習への関心・意欲・態度の向上. 引用・参考文献. に繋がると考える。. 1国立教育研究所『国際化の進展に対応したコミ. 「『聞くカ』の質的側面から見た特徴」として. ュニケーション能力の育成を目指すカリキュ. は、①の話題の工夫については、単元の導入にお. ラムの開発研究 小学校調査報告書(平成6年. いて、授業者が児童にとって身近なクイズをした. 度調査)』国立教育研究所、1994年。. ことによって、単元に対する興味が湧き、クイズ をしたいという思いに繋がった。. ・大村はま『大村はま国語教室②話すこと・聞くご との指導の実際』筑摩書房、1983年。. ②の見本モデルの提示は、指導者が実際に質問 して見せることで、質間の仕方や内容を理解する. ・高橋俊三・声とことばの会『小学校国語科聞く. カの評価と指導』明治図書、2007年。. ことができた。低学年においては、実の場で生き. ・村松賢一『対話能力を育む話すこと・聞くことの. た手本を見せるということがより重要である。今. 学習』明治図書、2001年。. 後の課題として、①班活動の際、授業者は時間を. ・若木常住r小・中学生における聞き取り能力の 実際と課題」『全国大学国語教育学会発表要旨 集』全国大学国語教育学会、No.113.2007年。 ・倉沢栄吉『聞くことの学習指導』明治図書、1974. 決めて指導に回る、②児童の見本をもっと多く取 り上げるという二点が挙げられる。. ③のグループ形態の変化については、rペア→ グループ→クラス全体」とグループ形態を変化さ. 年。. 修学指導教員 吉川 芳則. 一159一.
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