• 検索結果がありません。

学校選択性が学力に与える影響の実証分析 : 東京都学力パネルデータを用いて

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学校選択性が学力に与える影響の実証分析 : 東京都学力パネルデータを用いて"

Copied!
18
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)研究ノート. . 学校選択制が学力に与える影響の実証分析 ─東京都学力パネルデータを用いて─. 中  村  亮  介 目 次 要旨. 5.推定式. 1.はじめに. 6.識別戦略. 2.先行研究. 7.推定結果. 3.理論モデル. 8.結論. 4.データ. 参考文献. 要 旨  本研究は公立中学校選択制が地域内学力に与える影響を計量経済学的手法を用 いて明らかにした.学校選択制度とは教育委員会が就学する学校を一方的に決め てきた従来の制度を改め,就学校を自由に選択する権利を保護者に与えるという 制度である.また,学校選択制度は学校間競争を喚起し,教育活動の効率性を変 化させることで学力に影響を与えることが理論的に予測されている制度でもあ る.本研究では東京都の学力データから市町村単位の 4 年分のパネルデータを作 成し分析に用いた.学校選択制の学力への効果を推定する際には,学校選択制と 観察されない要因とが相関する内生性の問題を考慮し,DID 法,操作変数法を 用いて推定を行なった.推定の結果,学校選択制以外の学力に影響を与える要因 を一定に保った上で学校選択制導入は地域の平均正答率を 0.061 ポイント上昇さ せるが,その推定値は統計的に有意ではないという結果を得た.結論として本研 究は学校選択制が地域内平均学力に影響を与えていないということを明らかにし た.. 1.はじめに. てきた.さらに,平成 21 年度には授業時間を 増やした新学習指導要領の一部実施も開始し.  日本の学力は世界最高水準であるという言説. た.. はもはや昔のこととなった.PISA の 2006 年調.  学力低下が言われる中,文部科学省が進めて. 査の結果によれば日本の順位は調査参加 57 カ. いる義務教育改革の一つに公立中学校選択制度. 国中読解力で 15 位,数学的リテラシーで 10 位. (以下,学校選択制)がある.文部科学省(2006a). という結果であり,その順位を 2003 年より軒. によれば学校選択制とはあらかじめ保護者の意. 並み下げている.この状況を受けて,文部科学. 見を聞いた上で市町村教育委員会が就学校を指. 省は学校評価制度や教員免許更新制度導入など. 定する制度であり,市町村教育委員会が一方的. の教育の質を向上させる義務教育改革を実施し. に就学校を指定してきた今までの制度を変更す. 『エコノミア』第 60 巻第 2 号(2009 年 11 月),57 - 74 頁[Economia Vol. 60 No.2(November 2009),pp.57 - 74].

(2) . るものである.. 会議(2005)や経済学者に多く見られる 3)..  学校選択制導入の決定は各市町村教育委員会.  その一方で,学校選択制の学力に与える影響. に委ねられている.平成 16 年時点で学校選択. に対しては次のような懸念も表明されている.. 制を実施している自治体は全国で 11.1%,また. 藤田(2005)は学校選択制が教師を多忙にし,. 実施検討中の自治体は 9.6% 存在する.さらに,. 本来の教育業務にかける時間が低下するという. 経済財政諮問会議の答申を受けての閣議決定で. 問題を指摘している.さらに,学校選択の結. は「学校選択制について,地域の実情に応じた. 果,ある学校に低学力層の生徒が集中した場合. 導入を促進し,全国的な普及を図る」ことが確. には,学校選択制は教師の教育に対する取り組. 認されているので今後も制度を導入する自治体. みにネガティブな影響を及ぼし,教師のモラル. は増える可能性がある .. ハザードを引き起こすという問題にも言及して.  学校選択制は規制緩和による教育改革の一環. いる.. として進められてきた.文部省(当時)は 1996.  また,学校選択制導入によって生じる変化が. 年の「規制緩和の推進に関する意見(第 2 次) 」. 社会全体の教育達成を上昇させるかどうかを決. の提言を受けて通学区域制度の弾力的運用に関. 定するとの主張もある.赤林(2007)は学校選. する通知を各市町村教育委員会に出した.その. 択制が起こす理論的影響として次の三点を挙げ. 後も文部科学省は規制緩和に関する政府の提言. ている.第一に子どもの特性にあった学校を選. に従って学校選択制を推進してきた 2).. ぶことで生じる生徒と学校のマッチングの変化.  また,学校選択制が導入されるようになった. である.第二にできの良い生徒が他の生徒に良. 背景には次のような国民意識の変化を指摘する. い影響をあたえるというピアグループ効果とし. ものがある.山岸(2001)は国民の間に教育を. ての生徒間の外部効果の変化である.第三に学. サービス・商品とみなす意識が存在することを. 校間競争の高まりによる学校における教育生産. 指摘し,それが制度導入を容易にしていると述. の効率性の変化である.そして,これらの変化. べている.加えて,藤田(2005)は「荒れる学. の方向と大きさによって社会全体の教育成果が. 校」に対する不安や価値観・生活スタイルの多. 向上するかどうかが決まると述べている.. 様化を背景にした画一的な教育への不満の高ま.  しかし,日本において学校選択制が教育達. りを指摘し,それが学校選択の自由化を求める. 成に与える影響を実証分析したものは少なく,. 方向につながっていると述べている.. その効果は明らかではない.Yoshida, Kogure,.  学校選択制には単に生徒の学校選択の自由を. Ushijima(2007)は足立区の学校選択制につい. 拡大するだけでなく学力を向上させる効果が期. て分析し,制度導入下では区内の学校間でテス. 待されている.この期待は学校間での生徒獲得. トの得点差が縮小すること,さらに,足立区の. 競争が教育の質を高め,その結果として教育. 学力改善の度合いは東京都と比較して高いこと. 達成が改善されるという想定の上での期待であ. を示した.ただし,この研究には彼ら自らが指. る.このような主張は規制改革・民間開放推進. 摘するように学校選択制以外の要因を制御して. 1). いないという問題がある.一方,直接公立中学 校選択制度の効果を分析したものではないが, 1)答申は経済財政諮問会議(2005)である. 2)藤田(2005)は,学校選択制とは「1980 年代 の臨教審が『教育の自由化』を論じ」たことに始 まる改革であり,行政改革委員会の「規制緩和の 推進に関する意見(第 2 次) 」や閣議決定「規制改 革推進三ヵ年計画(改定)」を受けて導入された構 造改革の一環であると指摘している.. Akabayashi(2006)は全日制普通科高等学校の. 3)藤田(1997)は学校選択制を競争原理による 学校教育改善策であるとして支持するものが経済 学者に多いことを指摘している..

(3) . 通学区域の拡大が大学進学率に与える影響を分. 制実施自治体の割合は分析対象期間の平均で約. 析し,通学区拡大が公立高校で進学率を高めて. 47%である.この結果,制度導入の有無が学力. いること,私立高校では逆に進学率に負の影響. に与える影響を自然実験として捉えることがで. を与えていることを示している.. きる..  そこで,本研究は学校選択制以外の学力に.  学校選択制には子どもの教育に熱心な親ほど. 影響を与える要因を一定に保った上で学校選択. 制度導入に親和的である可能性が予測され,通. 制導入が地域内の学力にいかなる因果的効果を. 常の最小自乗法では制度の教育達成への効果を. 持つかを実証的に明らかにする.教育達成の. 過大に推定する可能性がある.そこで,この. 尺度には統一された学力テストの平均正答率を. 内生性の問題を解決するために Dif ference-in-. 用い,教育の生産関数を定義する.Yoshida et. Differences 推定法(以下,DID 法)と操作変数. al.(2007)は学校選択制下での学校間得点差の. 法とを用いて推定を行なった.しかし,操作変. 変化を調べたが,本研究では学校選択制が学力. 数法には内生性の問題を解決できるという利点. をどれだけ変化させたかを確かめることができ. があるが,欠点も存在するため本研究では DID. る.. 法による結果をより重視することになる..  さらに,本研究では学校選択制は教育生産活.  分析の結果,学校選択制が地域内の教育達成. 動の効率性を変化させる要因であると仮定して. へ与える影響は無いことが明らかになった.学. 分析を進める.これは赤林(2007)の学校選択. 校選択制を導入している地域は他の条件を一定. 制の理論的影響の第 3 番目に焦点をあてるもの. にして導入していない地域と比べて平均正答率. である.仮に学校選択制に地域内の平均学力を. が 0.061 ポイント高くなるが,この推定値は統. 向上させる効果があるならば,それは学校が生. 計的に有意ではない.そして,生徒一人当たり. 徒を惹きつけるために教育の質を改善した結果. 教師数は統計的に有意な正の影響を持つが,生. 生じた成果であると解釈できる.. 徒一人当たり資本設備費や消費的支出は学力へ.  分析には東京都の学力テストのデータより. の影響が統計的に有意ではないことが確かめら. 作成したパネルデータを用いた.文部科学省. れた.. (2005b)の資料によれば東京都以外にも 7 つの.  本稿は以下のように構成されている.2 節. 県が市町村単位で独自の学力テストの結果を公. で は Yoshida, Kogure, Ushijima(2007) と. 表している .しかし,これらの県では市町村. Akabayashi(2006)の研究を主に取り挙げ,本. 合併の影響で同一の市区町村を経年的に調べる. 研究との相違を明らかにする.3 節では学校行. ことが不可能であるという問題点がある.東京. 動の理論モデルから教育の生産関数を導きだ. 都は市町村合併による調査対象自治体の変化が. し,教育のインプットの教育達成への効果を予. なく,同一の科目を平成 15 年度より毎年調査. 想する.また 4 節では研究に用いたパネルデー. している点でパネルデータ作成に都合が良い.. タについて説明する.5 節では理論モデルより.  また東京都を分析対象とする利点はパネル. 導いた学校の生産関数から実証式を導出する.. データを作成可能であるというだけではない.. 6 節において学校選択制導入における内生性の. 東京都は学校選択制の導入の度合いが制度の効. 問題とその他の推定上の問題を解決する方法に. 果を比較できる程度にまで進んでいる.東京. ついて説明し,7 節では推定結果として学校選. 都内の分析対象自治体 49 市区のうち学校選択. 択制の効果が無いことを述べる.最後に 8 節で. 4). は学校選択制の効果が無い理由について推察 し,今後の研究課題について述べる. 4)東京都以外の自治体には宮城県,福島県,新 潟県,鳥取県,広島県,長崎県,大分県がある..

(4) . 2.先行研究. 数に加えた教育の生産関数を定義している.そ の結果,学校選択の拡大が公立高校の大学進学.  日本における公立中学校選択制の影響を実証. 率を上昇させること,通学区の拡大自体には教. 的に分析した研究は多くない. その理由として,. 育の質を改善させる効果が小さく,むしろ生徒. 学校選択制自体が日本では始まったばかりであ. の努力の高まりによって進学率が上昇している. ることや,小塩・佐野・上野・三野(2007)が述. ことを示している.. べているように教育成果に関する情報公開が進 んでいないことが考えられる..  その他の研究としては上野・三野・小塩・佐野 (2007)がある 5).上野他(2007)は小学校で.  数少ない研究の中でも公立中学校選択制が教. 学校選択制が実施されている一つの自治体を取. 育達成に与える影響を分析したものとしては. り上げ,その自治体内の小学校のテスト結果と. Yoshida, Kogure, Ushijima(2007)が挙げられる.. 各学校への希望倍率との関係を調べている.学. 彼らは東京都学力テストの結果と足立区独自の. 校希望倍率とはある学校の定員に対する希望者. 学力テストの結果を用いて分析を行なった.そ. の割合のことであるが,学校希望倍率が高い小. して,学校選択制実施下の足立区で学力テスト. 学校ほど学力テストの得点が高いという結果を. の点数の学校間の差が縮小していることを得点. 単回帰分析で示している.しかし,学校希望倍. の学校間分散と学校内分散の比を用いて明らか. 率以外の要因は制御されておらず,また倍率が. にした.さらに足立区と東京都全体の平均得点. 高い学校ほど優秀な生徒が集まり学力が高くな. の比を取り,制度導入下では区の学力改善の度. る可能性も考慮されていない.. 合いが東京都全体に比して高まることを示唆し.  これらの先行研究と比べた本研究の利点は. た.彼らはこの結果を受けて学校選択制が教師. 学校選択制以外の教育達成に影響を与える観. の生産性を高める可能性を指摘した.しかし,. 察される要因をコントロールしている点であ. 彼ら自らが指摘するように学校選択制以外の教. る.Akabayashi(2006) を 除 い た Yoshida et. 育政策も教師の生産性の変化に影響を与えてい. al.(2007)や上野他(2007)の研究は生徒一人. る可能性は排除されていない.. 当たり教師数,生徒一人当たり資本設備費など.  また,Yoshida et al.(2007)は学校選択制が. の学校選択制以外の変数が学力に与える効果を. 生徒の階層化につながる点も指摘している.専. 制御していない.しかし,本研究は教育の生産. 門職や管理職などの職業についている人の割合. 関数を用いることで学校選択制以外の要因を考. が高い学区では学校選択制導入後も私立中学校. 慮し,学校選択制の地域内平均正答率に与える. や学力テストの結果が良い公立中学校を選びや. 効果を正確に測定できる.. すいことを明らかにした.一方,その他の学区.  さらに,本研究は教育達成に影響を与える観. に住んでいる場合は公立学校を選択しやすく,. 察されない属性をも考慮した推定方法を採用し. 選択の場合の基準として学力テストの結果は考. ている.観察されない属性にはある地域に特殊. 慮されないことが示されている.. な要因,ある時点に特殊な要因などがあるが,.  公立中学校選択制の効果を分析した研究では ないが,学校選択肢の拡大が教育達成に与え る影響を調べた研究として Akabayashi(2006) が挙げられる.彼は全国の高校単位のパネル データを作成して,通学区域の拡大が大学進学 率にいかなる影響を与えているか分析を行なっ た.この研究では学校選択の度合いを示す尺度 と地域内の平均給与所得や平均貯蓄率を説明変. 5)学校選択制が教育達成に与える影響を調べた ものではないが,橋野(2004)は独自のアンケー ト調査を基にして,学校選択制下における親の学 校選択の基準が学校規模や他人の学校選択行動に 影響されること,また選択制度を利用してより大 規模な学校を選んだ親は入学後の学校行事への参 加意識が消極的であることを明らかにしている..

(5) . それらと学校選択制などの説明変数の間に相関 関係がある場合には推定値にバイアスが生じ る.しかし,パネルデータを用い,DID 法や操 作変数法を使った分析の結果はこれらの影響を 排除した偏りのない推定値である.  つまり,本研究は学力に影響を与える学校選 択制以外の観察される変数と観察されない変数 の両方を考慮して学校選択制導入の地域内平均 学力への効果をバイアス無く推定することを試 みた研究である. 3.理論モデル.  学校選択制が地域内の平均学力に与える効果 を実証するにあたり,学校選択制を明示的に含.  式(3.5)は教育の生産関数であり,学校の. んだ中学校の行動についての理論モデルを考え. 生産物である中学校の平均的な学生の正答率 y. る.ここである地域のある中学校に注目し,そ. は L, K, C, κ, εによって決まる.. の中学校は社会的評価を最大化すべく行動する.  式(3.5)よりある中学校の平均的な学生の. と仮定する.そのとき中学校は教育を行なうた. 正答率の推定式,つまり教育の生産関数の推定. めの限界費用と限界的な社会的評価が一致する. 式は. ように生産要素を需要し,教育活動を行なう. 学校選択制は学校の教育活動の生産性を変化さ せる観察される属性に属する.  ここで,中学校の社会的評価最大化行動を以 下のように数式で表現する.  であり,誤差項をまとめると.  式内の数式はそれぞれΠが社会的評価を, g( ● ) は社会的評価関数を,y はある中学校の平. となる.ただし,推定式内の添え字は i が学校を,. 均的な学生の正答率を,L は生徒一人当たり教. j が教科を,k が地域を,t が時間を表す.. 師数を,K は生徒一人当たり資本設備を,C は.  ここで,κの添え字が k, t であるのは,κを. 生徒一人当たり消費財を,w は実質賃金を,r. 学校選択制の導入として捉えるためである.学. は資本のレンタルコストを,p は消費財価格を,. 校選択制は地域間,時間に応じて変化し,同地. α は学校の評価を高める観察される属性を,θ. 域の学校間では一定である.また,L, K, C の. は学校の評価を高める観察されない属性を,κ. 添え字は学校と地域と時間を表しているが,こ. は学校の教育活動の生産性を変化させる観察さ. れは L, K, C が教科ごとに変化しないためであ. れる属性を,εは学校の教育活動の生産性を変. る.式(3.7)内の誤差項 u ijkt は式(3.6)の観. 化させる観察されない属性をあらわす.. 察されない属性であるεijkt と誤差項 vijkt とをま とめたものである..  ここで式(3.7)内の係数の符号を予測する..

(6) . 表 1 記述統計 変数 Y. tea. cap. con. Z. 説明 平均正答率 生徒一人当たり 教師数 生徒一人当たり 資本的支出(単 位:千円 / 人) 生徒一人当たり 消費的支出(単 位:千円 / 人) 操作変数 (単位面積当たり 学校数). 集計方法 overall between within overall between within overall between within overall between within overall between within. 平均. 標準偏差 5.422 2.834 4.639 0.037 0.036 0.011 728.504 482.350 550.065 269.721 263.865 66.902 0.220 0.220 0.026. 73.383. 0.225. 420.322. 629.503. 0.524. 変動係数 7.388.   観測値数 N= 980 n= 49. 16.463. N= n=. 980 49. 173.320. N= n=. 980 49. 42.847. N= n=. 980 49. 41.915. N= n=. 980 49. 注)データは平成 15 年度∼平成 18 年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」 ,平成 15 年度∼平成 18 年度「公 立学校統計調査(学校調査編) 」 ,平成 16 年度∼平成 19 年度「地方教育費調査報告書」から作成した 2003 年から 2006 年までの 49 市区のパネルデータである.操作変数の作成に用いた土地面積は平成 17 年度「東京都統計年鑑」を 使用した. 各変数の平均は 980 サンプル全体から計算されている.また標準偏差は overall では 980 サンプルの標準偏差を, between は地域内の平均値の標準偏差を,within では各個体の平均からの偏差に全体平均を加算したものの標準偏差 を,それぞれ出している.また,変動係数の計算にはサンプル全体の平均と標準偏差を用いた. 観測値数の N はサンプル全体の数であり,n は地域の数である.. まず学校選択制の導入を表すκの理論的影響は. 善に結びつけることで,『確かな学力』の一層. 定義より不明であり,実証分析をもって明らか. の定着に生かすことを目的」として行っている. にする.これは赤林(2007)が指摘するように. ものである 7).調査対象は都内公立中学校の 2. 学校選択制は学校の生産効率の変化,ピアグ. 年生全員である.学力調査では国語・数学・英. ループ効果や生徒学校間のマッチングの変化を. 語・社会・理科の 5 教科をペーパーテスト形式. 通じて学力に影響を与えるためである.また,. で調査している.. 生徒一人当たり教師数 L や生徒一人当たり資.  また,学力データは各地域の各教科の平均正. 本設備 K や生徒一人当たり消費財 C の学力に. 答率を表している.この値は地域内の生徒があ. 与える理論的影響は正である.. る教科の全問題のうち何問正解することができ. 4.データ. たかを示す正答率を地域内で平均したものであ る..  本節では研究に使用したパネルデータの特徴.  学校選択制の実施状況は 2007 年に発表され. を説明する.記述統計は表 1 である.この研究. た東京都教育委員会の資料から調べた.学校. では学力データを東京都の平成 15 年度から平 成 18 年度までの「児童・生徒の学力向上を図 るための調査」の公表データを用いて作成した .この調査は東京都教育委員会が平成 15 年度. 6). より「児童・生徒一人一人の,各教科の目標や 内容の実現状況を把握し,それを指導方法の改. 6)公表データには学校数が 3 校以上,生徒数が 100 人以上という基準を満たした地域の平均正答率 のみが掲載されている.また,地域内の得点の標 準偏差についての情報は掲載されていない. 7)東京都教育委員会(2004)より抜粋..

(7) . 表 2 東京都の学校選択制の状況 東京都全体 23 区部 市部. 導入 未導入 導入 未導入 導入 未導入. 2003 年度 17 32 14 9 3 23. 2004 年度 24 25 18 5 6 20. 2005 年度 26 23 19 4 7 19. 2006 年度 26 23 19 4 7 19. 注)資料は平成 19 年 3 月 29 日発表の「東京都公立学校数,学校選択制度の実施状況及びコミュ ニティ・スクールの設置状況について」である.. 選択制の制度導入の変遷は表 2 に示した.2003. できる推定式を新たに導出することにある.理. 年度時点で学校選択制が導入されている市区は. 論モデルより導かれた式(3.7)の推定には学. 17 箇所である.同じく 2004 年度時点では 24. 校ごとのデータが必要となるが,現実に入手す. 箇所,2005 年度時点では 26 箇所となっている.. ることができるデータは市町村ごとのデータで.  また教育の質を表すデータの作成には次の統. ある.そこで,この理論と現実のギャップを埋. 計を用いた.教師数の情報は平成 15 年度から. めるために,実際の推定式は式(3.7)より新. 平成 18 年度までの公立学校統計調査( 学校調. たに導出されなければならない.. 査編)を, 消費的支出と資本設備費に関するデー.  まず,学校の生産関数は. タは平成 16 年度から平成 19 年度までの地方教 育費調査報告書を使用した.  ただし,地方教育費調査は単年度に発生した 費用を掲載しているので,注意が必要である. この場合,ある年に資本的支出として校舎を建. であった.. 築した場合の費用は当該年度の費用として計上.  L, K, C はそれぞれ生徒一人当たり(中学 2 年. される.そして,次年度以降も新しい校舎から. 生一人当たり )の教師数,資本設備,消費財で. 利益を得るにも関わらず,次年度の資本的支出. ある.ここで第 2 学年の生徒数に注目するのは. はゼロとなる.この場合,投資額を適切な割引. 学力テストの対象が中学 2 年生であるためであ. 率で原価償却し,それ以降の年度に費用として. る.. 加えなければ,初年度の費用を過大評価するこ.  まず,各学校の中学 2 年生の数. とになる(Levin and McEwan(2001)).しかし,. る.この時,左辺は各学校の総得点であり,右. 今回の研究ではそのようなデータが入手できな. 辺の説明変数はそれぞれ各学校の教師数,資本. かったため地方教育費調査のデータをそのまま. 設備,消費財を表す.. をかけ. 用いている.  以上のデータを用いて市町村単位のパネル データを作成した.パネルデータのサンプル数 は 49 市区の 4 年分の 5 教科のデータであるの で 980 サンプルである. 5.推定式. (5.1).  本節の目的は学校の生産関数,式(3.7)を変.  次に地域内の学校に関して両辺の和をとるこ. 形し,市町村単位のパネルデータを用いて実証. とで左辺の被説明変数は地域内の総得点とな.

(8) . る.また,右辺の説明変数はそれぞれ地域内教 師数,地域内資本設備量,地域内消費財量とな る.ただし I kt はある時点における各地域の学 校数である.. と変形できる.  よって式(5.3)は. (5.2)  そして,左辺の被説明変数を地域内の平均正 答率とするために両辺を地域内の総生徒数で割 る.. (5.5)  となる.ここで. (5.3)  ここで学校選択制に関する項 は変数κが地域内 の学校,教科に関しては一定であるため.

(9) . とおくと,ある地域の教育の生産関数は. る教員は教員の数に含めていない.そして生徒 一人当たりの教師数はその値が増加するほど教 育の成果は上がると予想される.. (5.6).  次に cap はある地域の生徒一人当たり資本設. と表すことができる.. 備費である.この独立変数には図書購入経費や.  実証する式は式(5.6)より. 土地費・建築費などが含まれている.図書購 入費は生徒の学力形成に大きく関係があると予 想される.また,設備・備品への支出は生徒に 良い学習環境を提供するために必要な費用であ. となる.. る.そのため cap の学力への効果もまた正であ.  被説明変数である学力テストの平均正答率 Y. ることが予想される.. は式(5.6)の. に当たる.式(5.7)内の説.  最後に con は地域の生徒一人当たりの消費的. 明変数 schoolchoice は学校選択制の導入を表す. 支出である.この消費的支出の中には教育活動. ダミー変数であり,これは式(5.6)の地域の. 費,管理費などが含まれている.例えば,教育. 教育の生産性を変化させる変数に. 相当す. 活動費の増加は教師が生徒への教授を行なう際. る.また,式(5.7)内の他の説明変数 tea, cap,. の経費の増加であり,教育の質の改善とみなせ. con はそれぞれ式(5.6)の , に当 たる.最後に U は誤差項であり,式(5.6)の. る.よって con が学力テストの結果に与える効 果は正である可能性がある.. である.. 6.識別戦略.  従属変数 Y は東京都内 49 市区の学力テスト の教科毎の平均正答率である..  この節では実証式(5.7)の推定の際に生じ.  次に独立変数について説明する.最も注目す. る問題とその解決方法を明らかにする.最初に. る教育の質を表す変数は schoolchoice である.. 理論モデルより明らかになる学校選択制以外の. この変数は t 時点で学校選択制が導入されてい. 変数に関する推定上の問題について,次に学校. たか否かを示すダミー変数である.調査時点で. 選択制の係数の推定に関する問題についてその. 学校選択が導入されている場合は 1 を,それ以. 解決方法を説明する.. 外は 0 を表す..  まず,3 節の理論モデルから判明する式(5.7).  学校選択制の理論的影響は不明である.赤林. の推定上の問題は多重共線性の問題である.こ. (2007)が指摘するように生徒と学校のマッチ. れは式(3.4)が示したように L, K, C が w, r, p,. ングの変化,生徒間の外部効果の変化,学校に. α, θ, κ, εによって決まることに起因し,特. おける教育生産の効率性の変化の方向と大きさ によって,学校選択制の地域内学力への影響が. に式(5.6)の , とκkt との間の相 関が疑われる問題である.この問題により本来. 判明する.また,赤林(2007)は学校選択制に. ならば学力に有意な影響を与えるはずの変数が. 意義があるとすれば,それは, 「最低限」地域. 効果を持たないと判断される可能性がある.そ. 全体の教育力を向上させるものでなくてはなら. こで多重共線性の問題の存在を確認するため. ないとも述べている.. に実証式(5.7)内の説明変数 tea, cap, con と.  説明変数 tea はある地域の生徒一人当たり教. schoolchoice との相関を確認する.表 3 が示す. 師数である.ここでの教師数とは本務教員と兼. ように各説明変数と学校選択制を表すダミーと. 務教員の合計である.今回は中学生の学力に与. の間の相関係数は 0.5 以下であり,相関関係は. える影響を測定するため,直接生徒を教えるこ. 強くはないため推定値を一意的に定めることが. とは無いと考えられる校長など管理的立場にあ. できる..

(10) . 表 3 学校選択制ダミーと他の説明変数との相関 tea ( 生徒一人当たり教師数 ) cap ( 生徒一人当たり資本的支出 ) con ( 生徒一人当たり消費的支出 ). schoolchoice ( 学校選択制ダミー ) 0.3755 0.2296 0.4244. 注)数値は相関係数である.データは平成 15 年度∼平成 18 年度「公立学校統計調査(学 校調査編)」 ,平成 16 年度∼平成 19 年度「地方教育費調査報告書」から作成した 2003 年から 2006 年までの 49 市区のパネルデータである..  次に学校選択制の学力に対する効果の推定に. る.この分析における操作変数は市区の学校数. 関する問題とその解決法について説明する.学. を市区の面積(km2)で除した単位面積あたり. 校選択制導入の有無が地域内の学力に与える影. 学校数である.この操作変数は値が大きくなる. 響を通常の最小自乗法で推計した場合,正しく. ほど中学校同士が近接していることを意味し,. 推定されない可能性がある.これは学校選択制. 学校選択制が導入しやすい状況にあることを示. の導入と地域の観察されない要因などが相関を. す.. 持つという内生性のためである..  ここで操作変数が満たすべき条件は以下の二.  この問題は実証式(5.7)においては誤差項. つである.. U と schoolchoice が相関するケースである.例 えば小塩・佐野・上野・三野(2007)は高学歴, 高所得の親は学校選択を行なえるよう制度変更 を求める傾向があることを示しているが,その ような親は子どもの教育にも熱心である可能性. ただし,Z は操作変数であり,schoolchoice は. がある.そして,観察されない能力が高く,子. 学校選択制導入を表すダミー変数である.. の教育に関心を持つ親の存在が学校選択制導入.  操作変数 Z が式(6.1)の① , ②の条件を満. を促し,かつ,そのような親の下で育つ子ども. たすかどうかを確かめる.まず仮定①の学校選. の学力は高くなる可能性があるので,単なる最. 択制導入の有無と操作変数との相関を線形確率. 小自乗法では学校選択制導入の効果を過大に推. モデル,ロジットモデル,プロビットモデル. 定すると予想される .. で確認する.推定結果は表 4 である.3 つの推.  そこで,この内生性の問題を解決するために. 定方法で schoolchoice を Z のみで回帰した場合. 2 つの方法を採用する.一つ目は操作変数法で. と Z にその他の説明変数 tea, cap, con を含めて. ある.二つ目は Difference-in-Differences 推定. 回帰した場合の推定を行った.結果は全ての推. 法(DID 法)である.これらの方法により学校. 定方法で操作変数 Z と schoolchoice の間に 5%. 選択制を始めとした教育の質の学力に与える影. 有意水準で正の相関関係を見出した.よって操. 響を偏りなく推定する.. 作変数はそれが満たすべき条件①を満たしてい.  第一に操作変数法を用いて学校選択制導入の. る.. 有無が地域内の平均学力に与える影響を推定す.  次に仮定②の操作変数 Z と観察されない要. 8). 因を含む誤差項 U との無相関を確認する.こ の仮定は観察されない属性を調べるゆえに通常 8)耳塚(2004)は大卒の父親を持つ子どもと非 大卒の父親を持つ子どもとを比較した場合,勉強 時間が同じであっても大卒の親を持つ子のほうが 非大卒の親を持つ子よりも学力テストで高い得点 を得ていることを示している.. 確認することはできない.しかし,観察されな い要因の代理変数として市区別の納税義務者一 人当たり課税対象所得を採用し,これを各市区 の観察されない要因を代理的に示すものと考え.

(11) . 表 4 操作変数の仮定 1Cov(Z,schoolchoice)≠ 0 の検証 (1). (2). (3). (4). 線形確率モデル Z( 操作変数 ) tea( 生徒一人当た り教師数 ) cap( 生徒一人当 たり資本的支出 ) con( 生徒一人当 たり消費的支出 ) 定数項. (0.1518). (0.15084). 0.66124. (0.14872). (0.51851). (0.52439). (8). (9). ロジットモデル (0.94717). 0.71003. 1.82084. 1.91742. 2.10665. 2.57485. (1.16358). (1.14608). (3.78630). (3.71901). (6.11527). (6.01341). 0.00009**. 0.00008**. 0.00072**. 0.00071**. 0.00123**. 0.00117**. (0.00004). (0.00004). (0.0003). (0.00029). (0.00053). (0.00053). 0.00125**. 0.00124**. 0.0021**. 0.00208**. (0.00051). (0.0005). (0.00083). (0.00082). 0.00045*** 0.00043*** (0.00016). (0.00015). -0.29336. -0.40484**. 0.00432. (0.19232). (0.0839). 22.13877. 14.62872. 36.43614. 偽決定係数. 0.25073. 0.26626. 0.15559. 0.23504. 0.23894. 0.15124. 196. 196. 年ダミー 観測値数. (7). (0.93510). (0.18651). 定係数. (6). 0.56731*** 0.58184*** 0.89773*** 1.56525*** 1.65354*** 2.45573*** 2.74016*** 2.90338*** 4.13281***. F 統計量 自由度修正済み決. (5) プロビットモデル. (0.49256). -2.33714*** -2.73723*** -1.35347*** -3.76595*** -4.49487*** -2.26898*** (0.63215). (0.68042). (0.27208). (1.02297). (1.13424). (0.48940). 0.21006. 0.22516. 0.11834. 0.21079. 0.22556. 0.12009. 196. 196. 196. 196. 196. yes. yes 196. (0.89878). yes 196. ***1%有意水準,**5%有意水準,*10%有意水準, ( )内は頑健な標準誤差 注)操作変数は各市区の学校数を各市区の土地面積で除したもの,つまり単位面積あたりの学校数である.データは 平成 15 年度∼平成 18 年度「公立学校統計調査(学校調査編)」 ,平成 16 年度∼平成 19 年度「地方教育費調査報告書」 から作成した 2003 年から 2006 年までの 49 市区のパネルデータである.土地面積は平成 17 年度「東京都統計年鑑」 による.. る.そして,この代理変数を W とおく.Z と. ゆえに十分満たされない可能性がある.仮に観. W の相関係数は 0.017 であり,これは相関がな. 察されない要因と操作変数との間に相関関係が. いこと,つまり仮定②が満たされている可能性. あれば学校選択制導入の効果は,バイアスがか. を示唆している 9).ただし,代理変数 W は生. かり正確には推定できない.. 徒の親の所得を直接には反映していないことに.  そこで,DID 法によって推定を行い,この. 留意が必要である.. 推定結果を本研究では重視する.DID 法では.  しかし,操作変数法には欠点がある.操作変. ダミー変数を導入することで,観察されない地. 数法では式(6.1)の仮定が二つとも満たされ. 域において特殊な要因,観察時点において特殊. なければならないが,観察されない要因と操作. な要因,さらに教科に特殊な要因が説明変数に. 変数との相関を調べる仮定②は観察されないが. 与える影響を排除することができる.よって誤 差項は説明変数とは相関を持たない誤差項とな り,推定結果は内生性の問題が排除された偏り. 9)この計算で用いたデータは,学校数は平成 15 年度∼平成 18 年度「公立学校統計調査(学校調査 編)」,土地面積は平成 17 年度「東京都統計年鑑」, 納税義務者一人当たり所得(単位:100 万円)は「統 計で見る市区町村のすがた 2006~2008」 ,東洋経済 新報社「地域経済総覧 2007」である.. のない推定値となる.  この方法において実証式(5.7)は以下のよ うに書き直される..

(12) . も統計的に有意ではない.  また,標準誤差はどの推定方法を採用しても 年ダミーと教科ダミーの交差項を考慮したモデ ルのほうがそうでないモデルよりも小さい.同 じ DID 法による推定で比較すると,学校選択 制の係数の標準誤差は表 5 の(1)が 0.252 で あり,(2)は 0.623 である.これはテストの難 (6.2). 易度が各年度,各教科で異なっている可能性を.  式(6.2)は実証式(5.7)に市区と観察年と. 示している.よって,今後の推定結果の紹介で. 教科のダミー変数を導入したものである.area. はより効率的な年と教科のダミーの交差項が含. とは足立区を除く市区を表すダミー変数,year. まれているモデルを中心に報告する.. は 2003 年を基準としたダミー変数,subject は.  DID 法よりも劣るが他の推定方法も学校選. 英語を除く教科のダミー変数である.さらに,. 択制は得点への影響がないという結果を示して. 学力テストの内容や難易度が各年各教科で異な. いる.表 5 の(3),操作変数法による推定結果. ることを考慮し,年ダミーと教科ダミーの交差. も選択制導入が 7.779 ポイントだけ平均正答率. 項を入れたモデルの分析も行う.. を上昇させることを示しているが,10% 有意水. 7.推定結果. 準で統計的に有意ではない.その他の(4)∼ (8)の推定結果の符合は一貫せず,どれも 10%.  本節では推定結果について表 5 を基に報告. 有意水準で有意でない.(9) (10)では学校選. する.本研究では内生性の問題を解決してい. 択制の効果はマイナスとなっているが,これら. る DID 法の結果を重視する.この方法に加え. は内生性の問題を解決していない.また, (1). て,操作変数法,固定効果モデル,ランダム. と(9)の比較では学校選択制が地域の観察さ. 効果モデル,通常の回帰分析についても推定を. れない属性が低いほど導入されやすい可能性を. 行った.しかしながら,操作変数法,固定効果. 示唆している.. モデル,ランダム効果モデルは誤差項と説明変.  一方,生徒一人当たり教師数 tea は平均得. 数の間に推定上の仮定を設けて分析を行ってい. 点に対して有意な影響を持っている.表 5(1). る点,また通常の回帰分析は内生性の問題を解. では tea の係数は 12.42 であり,5% 有意水準で. 決できていない点で DID 法よりも劣る.さら. 有意な結果となっている.この正の係数はどの. に,表 5 の結果を補強するために,納税義務者. 推定方法を採っても一貫しており,年と教科の. 一人当たり課税対象所得を含めた分析結果も表. ダミーの交差項を入れたモデルでは有意な結果. 6 で報告する.学校選択制が学力に与える効果. となっている.. は schoolchoice の行にある.それぞれの係数の.  その他の教育の質を表す変数については地. 下の( )内の数字は頑健な標準誤差である.. 域内の教育達成に与える影響は無い.表 5(1).  推定結果より,学校選択制が地域内の平均. の DID 法に基づく推定結果は,生徒一人当た. 学力に与える影響は無いことが明らかになっ. り資本設備費 cap や生徒一人当たり消費的支出. た.表 5 の(1)の最も信頼できるモデルであ. con は支出が生徒一人当たりで 1000 円増えた. る DID 法による推定結果は学校選択制導入が. とき平均正答率をそれぞれ 0.00004 ポイントと. 地域内の平均正答率を 0.061 ポイント上昇させ. 0.00013 ポイント上昇させることを示している.. ることを示している.しかし,年ダミーと教科. しかし,これらの結果は 10% 有意水準で有意. ダミーの交差項を入れたモデル(1)では t 値. ではない.. は 0.24 であり,結果は 10% 有意水準において.  さらに,表 5 の分析に生徒の親の所得の代理.

(13) . 表 5 推定結果 1 (被説明変数は平均正答率) (1). (2). (3). schoolchoice(学校選択制ダミー) tea(生徒一人当たり教師数) cap(生徒一人当たり資本的支出) con(生徒一人当たり消費的支出). (4) 操作変数法. DID法 0.06109. 0.06109. 7.77911. 7.77911. (0.25232). (0.62338). (4.84486). (9.2461). 12.42433**. 12.42433. 24.38064**. 24.38064. (5.68578). (12.64367). (10.18618). (19.43966). 0.00004. 0.00004. -0.00008. -0.00008. (0.00007). (0.00021). (0.00014). (0.00028). 0.00013. 0.00013. 0.00367. -0.00367. (0.00098). (0.00207). (0.00265). (0.00506). 70.32606***. 70.43494***. 63.70172***. 63.8106***. (1.13841). (2.39779). (4.36458). (8.31882). F統計量. 234.25163. 37.92749. 決定係数. 0.93561. 0.59660. 0.87785. 0.54082. 自由度修正済み決定係数. 0.93058. 0.57073. 年ダミー. yes. yes. yes. yes. 地域ダミー. yes. yes. yes. yes. 教科ダミー. yes. yes. yes. yes. 年ダミーX教科ダミー. yes. 観測値数. 980. 定数項. yes. (5). 980. 980. (6). (7). 固定効果 schoolchoice(学校選択制ダミー) tea(生徒一人当たり教師数) cap(生徒一人当たり資本的支出) con(生徒一人当たり消費的支出). 980 (8). (9). ランダム効果. (10) OLS. 0.06109. 0.06109. 0.02571. -0.11978. -0.52188**. -0.69007*. (0.25232). (0.62338). (0.24656). (0.53432). (0.21158). (0.37814). 12.42433**. 12.42433. 12.56725**. 12.86334. 13.01695***. 13.3205*. (5.68578). (12.64367). (5.17092). (10.01637). (3.54643). (6.82868). 0.00004. 0.00004. 0.00005. 0.00006. 0.00019**. 0.00028*. (0.00007). (0.00021). (0.00007). (0.0002). (0.00009). (0.00017. 0.00013. 0.00013. 0.00027. 0.00063. 0.00115**. 0.00083. (0.00098). (0.00207). (0.0009). (0.00159). (0.00048). (0.00092). 73.97831***. 74.08719***. 73.87336***. 73.74571***. 73.38772***. 70.06865***. (1.16572). (2.447). (1.1103). (1.87153). (0.8978). (1.19331. F統計量. 482.40518. 121.85958. 127.53307. 4.90259. 決定係数. 0.91204. 0.44894. 0.68468. 0.01617. 自由度修正済み決定係数. 0.90993. 0.44268. 0.67710. 0.01214. yes. yes. yes. yes. yes. 教科ダミー. yes. yes. yes. yes. yes. 年ダミーX教科ダミー. yes. 観測値数. 980. 980. 980. 定数項. 年ダミー. 0.68165. 0.34419. 地域ダミー yes 980. 980. yes 980. ***1%有意水準,**5%有意水準,*10%有意水準,( )内は頑健な標準誤差 注)操作変数は単位面積あたりの学校数である.データは平成 15 年度∼平成 18 年度「児童・生徒の学力向上を図る ための調査」,平成 15 年度∼平成 18 年度「公立学校統計調査(学校調査編) 」,平成 16 年度∼平成 19 年度「地方教育 費調査報告書」から作成した 2003 年から 2006 年までの 49 市区のパネルデータである..

(14) . 表 6 推定結果 2(被説明変数は平均正答率) (1). (2) DID法. schoolchoice(学校選択制ダミー) tea(生徒一人当たり教師数) cap(生徒一人当たり資本的支出) con(生徒一人当たり消費的支出) 納税義務者一人当たり 課税対象所得 定数項 F 統計量 決定係数 自由度修正済み決定係数 年ダミー 地域ダミー 教科ダミー 年ダミー X 教科ダミー 観測値数. schoolchoice(学校選択制ダミー) tea(生徒一人当たり教師数) cap(生徒一人当たり資本的支出) con(生徒一人当たり消費的支出) 納税義務者一人当たり 課税対象所得 定数項 F 統計量 決定係数 自由度修正済み決定係数 年ダミー 地域ダミー 教科ダミー 年ダミー X 教科ダミー 観測値数. 0.02932 (0.25331) 9.81131* (5.71299) 0.00005 (0.00007) 0.00100 (0.00105) -0.62995* (0.32372) 72.48531*** (1.48492) 229.31006 0.93591 0.93082 yes yes yes yes 980. 0.02932 (0.62507) 9.81131 (13.03397) 0.00005 (0.00021) 0.00100 (0.00225) -0.62995 (0.76397) 72.59418*** (3.60561) 37.59090 0.59689 0.57057 yes yes yes. (5). (6). 980. 固定効果. 0.02932 (0.25331) 9.81131* (5.71299) 0.00005 (0.00007) 0.00100 (0.00105) -0.62995* (0.32372) 76.78196*** (1.7316) 458.96741 0.91245 0.91025 yes. 0.02932 (0.62507) 9.81131 (13.03397) 0.00005 (0.00021) 0.00100 (0.00225) -0.62995 (0.76397) 76.89084*** (4.24168) 111.63837 0.44934 0.44251 yes. yes yes 980. yes 980. (3). (4) 操作変数法 7.59782 7.59781 (5.39467) (10.38236) 23.68088* 23.68088 (12.1298) (23.34453) -0.00008 -0.00008 (0.00015) (0.00029) -0.00344 -0.00344 (0.00341) (0.00657) -0.10293 -0.10293 (0.56773) (1.09263) 64.20568*** 64.31456*** (6.21479) (11.95333) 0.88038. 0.54319. yes yes yes yes 980. yes yes yes 980. (7) (8) ランダム効果 0.01836 -0.12555 (0.24619) (0.51209) 12.86567** 9.75781 (5.10171) (9.63205) 0.00004 0.00003 (0.00007) (0.0002) 0.00011 -0.00119 (0.00096) (0.00159) 0.12361 1.03841** (0.28754) (0.41386) 73.37019*** 71.03606*** (1.52529) (2.12609) 0.69046. 0.39415. yes. yes. yes yes 980. yes 980. (9). (10) OLS. -0.20707 (0.18185) -4.49179 (3.40568) -0.00007 (0.00009) -0.00175*** (0.00046) 1.76500*** (0.18277) 71.33878*** (1.0134) 164.56140 0.74459 0.73818 yes yes yes 980. -0.34543 (0.36338) -5.44340 (6.89612) 0.00001 (0.00016) -0.00222** (0.00095) 1.87841*** (0.25546) 67.97334*** (1.30692) 12.15817 0.08431 0.07961. 980. ***1%有意水準,**5%有意水準,*10%有意水準,( )内は頑健な標準誤差 注)操作変数は単位面積あたりの学校数である.また,納税義務者一人当たり課税対象所得の単位は 100 万円である. データは平成 15 年度∼平成 18 年度「児童・生徒の学力向上を図るための調査」 ,平成 15 年度∼平成 18 年度「公立 学校統計調査(学校調査編) 」 ,平成 16 年度∼平成 19 年度「地方教育費調査報告書」 , 「統計で見る市区町村のすがた 2006~2008」 ,東洋経済新報社「地域経済総覧 2007」から作成した 2003 年から 2006 年までの 49 市区のパネルデータ である..

(15) . 図 1 平均正答率の分布. 注)データは平成 15 年度から平成 18 年度までの「児童・生徒の 学力の向上を図るための調査」である.score とは各教科の平均 正答率である.frequency はある自治体の平均正答率をその自治 体の中学 2 年生の生徒数でウェイトを付けた数値である.. 変数として納税義務者一人当たり課税対象所得.  ここで,学校選択制導入が学力に与える影響. を追加して,同様の分析を行った結果が表 6 で. は統計的に有意でないが,制度導入が平均正答. ある.表 6(1)においても学校選択制導入は. 率に与える影響を具体的に説明する.ある地域. 統計的に有意ではないが 0.029 ポイント地域内. の平均正答率が DID 法による推定結果の表 5. 平均正答率を押し上げる効果があり,表 5(1). (1)に基づいて変わるとし,説明のモデルとし. の結果と整合的な推定結果を得た.ただし,納. て東京都の平均正答率 73.38 ポイントと同じ正. 税義務者一人当たり課税対象所得は生徒の成績. 答率を持つ自治体を想定する.また本研究に用. に直接影響を与える親の所得と考えるには測定. いたデータ内の平均正答率の分布は図 1 に示し. 誤差を含んでいる変数であるので,本研究では. た.. 表 5 の結果をより重視する..  学校選択制の学力に与える効果は有意ではな.  また,表 6 における,DID 法以外の推定方法. いが平均正答率を 0.061 ポイント上昇させる.. による学校選択制の平均正答率に与える影響や. これは制度導入がある地域の正答率を 73.44 ポ. モデル(1)のその他の変数の効果を報告する.. イントに押し上げ,さらにその地域に住む生徒. まず,DID 法以外の推定方法を用いても学校選. の学力順位を都内で約 0.52%だけ上昇させたこ. 択制は平均正答率に統計的に有意な影響を与え. とに等しい.. ていないことが明らかになった.一方, (1)に.  また,生徒一人当たり教師数が平均正答率に. おける生徒一人当たり教師数の係数は 9.811 で. 与えた影響も同様に解釈する.ここで,東京都. あり,10% 有意水準で有意な結果であった.生. 内の教師数が 2006 年度時点に比べて 1 割増加. 徒の親の所得を直接反映するわけではないが, 一人当たり課税対象所得の係数は 10% 有意水準 で負であった.これは高所得者層の子どもほど 私立中学校に進学している可能性を示唆してい る 10).. 10)苅谷・清水・藤田・堀・松田・山田(2008) も杉並区を例にとり,経済的に裕福で,生徒の学 力水準も比較的高い層が公立中学校には進学して いないと述べている..

(16) . したとすると都内全体の生徒一人当たり教師数.  しかしながら,学校選択制がその制度を明示. は 0.02 ポイント増加する.ここで,ある自治. 的に導入する前から実質的に行なわれていたた. 体も 0.02 ポイントだけ生徒一人当たり教師数. め,学校選択制の影響が正確に推定されていな. が伸びたとすれば,それは正答率を 0.27 ポイ. い可能性がある.例えば足立区は通学区域変. ント上昇させ,ある地域の生徒の学力順位を都. 更の基準の緩和を 1995 年から行なっているが,. 内において約 1.24%上昇させたことと同じ意味. 足立区で学校選択制が明示的に導入されたの. を持つ.. は 2002 年からであった.また,文部科学省の.  以上の結果をまとめると次のようになる.ま. 調査によれば平成 16 年度時点で学校選択制を. ず,学校選択制は地域内の学力に対して正では. 制度として導入している自治体は全体の約 11%. あるが統計的に有意な影響は持たず,さらにそ. にもかかわらず学校選択を認めた事例を持つ自. の効果は平均正答率の変化や都内順位の上昇に. 治体は約 47% にも及ぶ 12).そのため,学校選. わずかしか貢献していないことが分かった.ま. 択制導入ダミーを制度を明示的に導入している. た,生徒一人当たり資本設備費や消費的支出は. かどうかに関して作成した場合では学校選択制. 学力に対して有意な効果を持っていないが,生. の実質的な影響は計測できない.. 徒一人当たり教師数は有意な効果を持っている.  さらに,学校選択制以外の制度変更を十分に. ことが明らかになった.. 考慮に入れていないために,選択制度導入の効. 8.結論. 果にバイアスが生じている可能性もある.例え ば,品川区では,学校評価を 2002 年度に導入.  本研究では学校選択制が地域内学力に与える. し,この制度を学校選択制と合わせて運用する. 効果を東京都のパネルデータを用いて計量経済. ことで学校教育の質的転換を目指そうとしてい. 学的に分析した.その結果,学校選択制が地域. る( 品川区教委委員会(2006))13).これは,学. 内の平均的学力に与える効果はないことが明ら. 校評価制度が教育の質を改善させるならば,こ. かになった.推定結果は学校選択制が学力テス. の制度を考慮しないことによって学校選択制の. トの平均正答率に統計的に有意でないが 0.061. 効果を過大に推定してしまう可能性があること. ポイントの正の影響を与えるということを示し. を示唆している.. ている..  また,学校選択制下では各学校は生徒を惹き.  この結果は教育活動における競争原理の導入. つけるための取り組みをしなければならない.. が学力向上に必ずしも効果を持つわけではない. この場合には,学校選択制導入と地域内の各学. ことを示している.本研究では学校選択制を教. 校の特色ある取り組みとが相関し,学校選択制. 育活動の生産性を変化させる観察される属性と. の効果の推定結果にバイアスが生じる可能性が. して定義し, 学校の行動について分析してきた.. ある.. しかし,結果が示すところは制度導入による教 育活動の生産性の変化は学力を向上させること は無いということである 11).そして,これは学 校選択制による競争拡大が教育活動の生産性の 改善を促し,学力を上昇させるという行政側の 意見が妥当しないということを示す.. 11)Yoshida,Kogure,Ushijima(2007)が指摘し たように,学校選択制導入が地域内の得点の差を 縮小させる可能性は残っている.. 12)学校選択制度を持っていないが学校選択を 実質的に認めている自治体の割合は文部科学省 (2005a)の集計表より独自に計算した. 13)学校評価は文部科学省(2006b)によれば 「学校運営について自律的・継続的に改善を行って いくために必要なもの」であり,「学校が保護者や 地域住民に対して説明責任を果たし,保護者,地 域住民などが情報や課題を教職員と共有しながら 学校運営に参画しその改善を進めていく上で重要」 なものと位置づけられている..

(17) .  残された課題として,本研究は学校における. 少人数指導,習熟度別指導の効果に関する実. 生産活動の効率性の変化を通じた学力への影響. 証分析」 『経済財政分析ディスカッション・ペー. を検証したものであるので,他の経路を通じた. パー』DP07-2. 学校選択制の効果を確認する必要がある.赤林. [3]小 塩 隆 士 ・ 佐 野 晋 平 ・ 上 野 有 子 ・ 三 野 孝 一 郎. (2007)は学校選択制の影響として他にも生徒. (2007)「消費者からみた教育制度改革―内閣. 間のピアグループ効果や生徒と学校のマッチン. 府「学校制度に関するアンケート調査」から−」. グの変化を通じた教育達成の変化についても指. 『経済財政分析ディスカッション・ペーパー』. 摘していた.例えば,学校選択を行なった児童. DP07-1. には自分の適性に合った学校を選ぶことで学力. [4]苅谷剛彦・清水睦美・藤田武志・堀健志・松. が向上するという効果があるかもしれない.学. 田洋介(2008)『検証 地方分権化時代の教育. 校選択制のこれらの効果を測定するには個人の. 改革 杉並区立「和田中」の学校改革』岩波ブッ. 学校選択行動を考慮したモデルが必要になる.. クレット 738, 岩波書店.  さらに,学校選択制以外の説明変数から得た. [5]規制改革・民間開放推進会議(2005)『規制改. 結果に関しては別の分析が必要であろう.生徒. 革・民間開放の推進に関する第 2 次答申「小. 一人当たり教師数が持つ教育成果への正の有意. さくて効率的な政府」の実現に向けて−官民. な効果は費用効果分析の観点からも分析を行い. を通じた競争と消費者・利用者による選択』,. 教師数の増加が最も効率的な政策かどうか分析. pp.132. しなければならない.また 4 節データの部分で. [6]経済財政諮問会議(2005) “経済財政運営と構. 述べたように,各自治体の資本設備費はその費. 造改革に関する基本方針 2005”. 首相官邸ホー. 用を割引,各年度の資本的支出に計上すべきで. ムページ .. あり,そのためのデータを収集して分析する必. http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizai/. 要がある.. kakugi/050621honebuto.pdf,.  最後に,本研究は公立中学校選択制度が地域. (参照 2009-07-01). 内学力の向上に貢献していないことを実証的に. [7]品川区教委委員会(2006) 「品川の教育改革「プ. 明らかにした.この事実は学校選択制が地域の. ラン 21」における学校評価」 『教委委員会月報』,. 平均的学力を向上させるという観点からは是認. 第 58 巻 , 第 2 号 , pp.52-61. されないことを明確にした.この研究は競争原. [8]東京都教育委員会(2004)『平成 15 年度児童・. 理が生産活動を効率化し,成果を挙げるという. 生徒の学力向上を図るための調査報告書』. 行政の抽象的な説明だけでは現実の動向を上手. [9]東京都教育委員会(2007)“東京都公立学校. く説明できないこと,そして実際のデータを用. 数, 学 校 選 択 制 度 の 実 施 状 況 及 び コ ミ ュ ニ. いた分析によって教育政策の効果を明らかにす. ティ・スクールの設置状況について”. 東京都. る必要があることを示している.. 教育委員会ホームページ . http://www.kyoiku. metro.tokyo.jp/press/pr070322c.htm,( 参 照. 参考文献 [1]赤 林 英 夫(2007)「 学 校 選 択 と 教 育 ヴ ァ ウ チャー 政策と研究」市村英彦・伊藤秀史・小川 一夫・二神孝一編『現代経済学の潮流 2007』, pp189-216, 東洋経済新報社 [2]上 野 有 子 ・ 三 野 孝 一 郎 ・ 小 塩 隆 士 ・ 佐 野 晋 平 (2007)「学力調査結果からみた学校選択制,. 2009-07-01) [10] 橋野晶寛(2004) 「公立学校選択制の計量分析」 『東京大学大学院教育学研究科紀要』Vol.43, pp. 355-364 [11] 藤田英典(1997)『教育改革―共生時代の学校 づくり―』岩波新書 [12] 藤田英典(2005)『義務教育を問いなおす』ち くま新書.

(18) . [13]耳塚寛明(2004)「高卒無業者問題から読み. [19]Akabayshi, Hideo.“Average Effects of School. 解く日本社会の変容」 『生活経済政策』No.90,. Choice on Educational Attainment: Evidence. pp.10-15. from Japanese High School Attendance. [14]文部科学省(2005a)「小・中学校における学 校選択制等の実施状況について(調査結果の. Zones.”, 2006, Mimeo [20]Levin, Henr y M., Patrick J. McEwan, Cost-. 概要) 」『文部科学広報』, 第 61 号 , pp.3. effectiveness analysis: methods and applications,. [15]文部科学省(2005b)“都道府県・指定都市に. 2nd ed., United States: Sage Publications, 2001.. よる独自の小学校・中学校学力調査について. [21]Yoshida , Atsushi, Katsuo Kogure and Koichi. (概要)―平成 16 年度調査の取りまとめ―”. 文. U s h i j i m a . “S c h o o l C h o i c e a n d S t u d e n t. 部 科 学 省 ホ ー ム ペ ー ジ . http://www.mext.. Sorting: Evidence from Adachi City in Japan.”. go.jp/b_menu/houdou/17/04/05042302/002.. Department of Social Systems and Management. htm,(参照 2009-07-01). Discussion Paper Series., 2007, No.1170.. [16]文部科学省(2006a)「学校選択制等について の事例集の作成」 『文部科学広報』, 第 74 号 ,. 謝辞. pp.2.  本論文の作成にあたって,横浜国立大学の大森. [17]文部科学省(2006b)「義務教育諸学校におけ. 義明教授,岡部純一教授,慶應義塾大学の赤林英. る学校評価ガイドライン」『教育委員会月報』,. 夫教授からご指導いただいた.また,2 名の匿名の. 第 58 巻 , 第 4 号 , pp.27-38. レフェリーからは多くの助言をいただいた.ここ. [18]山岸利次(2001)「学校選択制度の導入―住 民の教育意識の観点から」『現代のエスプリ』 No.406, pp.26-35. に,感謝の意を表する.なお,本論文中の誤りは 筆者の責任である. (慶應義塾大学大学院経済学研究科).

(19)

参照

関連したドキュメント

一貫教育ならではの ビッグブラ ザーシステム 。大学生が学生 コーチとして高等部や中学部の

・職員一・人一・人が収支を意識できるような、分かりやすいバランスシートを管

目的3 県民一人ひとりが、健全な食生活を実践する力を身につける

当日 ・準備したものを元に、当日4名で対応 気付いたこと

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

 学部生の頃、教育実習で当時東京で唯一手話を幼児期から用いていたろう学校に配

現在まで地域経済統合、域内の平和と秩序という目的と、武力放棄、紛争の平和的解

【消費税】 資産の譲渡等に該当しない (処理なし)。. 【法人税】