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社会的意思決定の批判的研究としての授業 : 真理性と正当性を保障する意思決定型授業「原発政策」の開発

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社会系教科教育学会『社会系教科教育学研究』第23号 2011 (pp.61-70)

社会的意思決定の批判的研究としての授業

一真理性と正当性を保障する意思決定型授業「 ̄原発政策」の開発−

A Lesson as a Critical Study of Social Decision-Making:

Developing the Unit “Policies on Nuclear Power Generation”

for Learning Decision-Making that Values Truths and Justifiability

1。はじめに 市民的資質育成との関わりを大きくする社会科 を考えた場合,意思決定型授業は魅力的である。 そして,これまで多様な意思決定型授業論や具体 的な単元が提示されてきた。 しかし,それらは 匚社会認識を通して市民的資質を育成する」とい う社会科の目標を必ずしも達成してはいない。そ れは,社会事象についての真理性が保障された事 実認識,正当性が保障された価値認識,両者を可 能にするという匚意思決定」の原理がもつ学力形 成の可能性を引き出すことができていないためと 考える。意思決定型授業論は発展途上にあり,よ り有用な論の提示・確立が求められている。 本稿は以上の問題意識にもとづいており,2章 ではまず,意思決定型で為すべき学力形成につい て論じる。そして,これまでの多様な意思決定型 授業論の分析と批判的検討を行い,めざすべき授 業のあり方を示したい。 3章では,そうした授業 を具体化した社会的意思決定の批判的研究として の授業の構成を,実際の授業事例とともに提示す る。最後の4章では,成果等をまとめる。 2.意思決定型授業の現状と課題 2.1.意思決定型授業で為すべき学力形成 これまで日本の社会科教育で提唱されてきた社 会科教育論の中で,特に有力なものに「理解」 匚問題解決」匚認識」匚説明」があるO この中で 匚説明」は,匚開かれた科学的社会認識の形成」を 実現するものとしてその優位を主張してきた1)。 しかし,匚説明」は価値に関わる指導は回避し, 市民的資質育成一方,匚説明」を経との関わて主張されるようになったりを非常に狭く限定する。 土 肥 大次郎 (広島大学附属福山中・高等学校) 意思決定型は,匚説明」の原理を踏まえつつ,資 質育成も積極的に視野に入れようとする。 意思決定型が踏まえるべき匚説明」の原理とは, 事実認識における真理性の保障である。「説明」 は,より高い程度で綛験的な事実と一致し,より 正確な説明力をもつ科学的な知識を習得させ,説 明的判断ができるようにする。意思決定型は,こ うした点を踏まえることになる。なお,説明には 囚果的連関の説明と動機づけ連関(目的一手段) の説明とがあるが,意思決定型では後者が基本と なろう。そして動機づけ連関における理論は,囚 果的なものとは異なり,匚自然による立法と自由 による立法」を媒介し,事実と価値を媒介するも のとなるが,それでも真理性を保障するため,経 験や科学との調和を軽視してはならない。 すなわち意思決定型は,事実認識において経験 や科学と調和する真理性を保障していくべきで, そのうえで価値指導もすることになる。 しかし,価値の領域に踏み込むためには,価値 認識において保障すべきものを明確にする必要が ある。これまで意思決定型では匚反省的に吟味さ れた価値判断」が求められてきたが2),価値判断 の正当性の根拠は必ずしも明確でなかった。ただ し,アメリカにおける匚意思決定」の提唱者の一 人B.G.マシャラスは,正当性の根拠づけとなる ものを幾つか紹介しており,その中で匚私はXが 好きだから」というような個人的なものは望まし くないとしている‰このように,価値判断の正 当性を考えるとき,判断の際の学習者の基本的な 立ち位置を考えるというのは重要な指摘であろう。 それは社会科授業では,個人的な特定の価値や共

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同空間での特定の価値と,公共空間での諸価値と は,分けて捉えていくべきと考えるからである。 個人的な価値とは,特定の個人の利害や価値観・ 世界観にもとづき正当とされるものである。共同 空間での価値とは,精神的な紐帯を基盤とする空 間で正当とされる特定の価値である。一方,公共 空間での価値とは,自由意思で構成される空間で 間主観的に正当と評価され,支持や合意が得られ るものである。前二者の価値は,私的な各個人の 生き方の決定,公的な共同社会の秩序維持に関わ るO一方,後者の価値は,私と公との間の公共空 間に存在する市民が,政策・制度の選択や吟味を する際に関わる。社会科授業が市民的資質育成を めざすならば,価値判断の正当性の根拠は,公共 空間での支持に求めていくことになろう。 個人的な価値判断や共同空間での価値判断は日 常生活で為されている。社会科ではそれらに対抗 し,公共空間で支持が得られる多様な価値判断に ついて学習し,価値認識の成長をめざすべきであ る。しかし,これまでの社会科では,こうした学 習はされてこなかった。「理解」や匚認識」では, 現在の国家や匚理想」の国家・社会という大きな 共同社会で求められる特定の価値が注入され,認 識を閉ざしていた。開かれた認識形成とされる 匚問題解決」では,私・我々にとっての利害や価 値観・世界観にもとづき判断され,個人的な価値 判断や教室内という小さな共同空間での価値判断 となっていた。匚説明」は,公共空間での諸価値 を前提としつつ,価値認識指導は回避してきた。 社会科で価値はこのように指導されてきたが, 意思決定型では,価値認識において公共空間で支 持が得られる正当性を保障していくべきである。 以上より,意思決定型で為すべき学力形成とは, 経験や科学と調和する真理性,公共空間で支持が 得られる正当性4),両者が保障された社会認識形 成をすることである。そして,この認識形成で得 られた知識の活用により,知的(道具的)な合理 性と実践的な合理性5),両者を併せもつ意思決定 が可能となる。「 ̄社会認識を通して市民的資質を 育成する」ことは,真理性と正当性を保障する意 思決定型授業により実現されると考える。 2。2.意思決定型授業の類型化 日本での意思決定型授業は,小原友行が提唱し て以降,特に20世紀末から多様な論が展開され, この授業論の研究者による分析も進んでいる。本 稿ではこうした分析も参考にして,真理性と正当 性の保障という点から,意思決定型授業を類型化 して評価し,めざすべき授業のあり方を示す。な お本稿において,意思決定型授業とは,意思決定 を学習の対象の中心に据えたものとする。 真理性の保障という点から意思決定型授業を類 型化する際に注目したのが,片上宗二の研究であ る‰片上はこれまでの意思決定型は厂今ここの」 意思決定の実践を重視したもので,それだけでは 充分な論拠は揃えられないとするOそこで「 ̄過去 の」厂他国の」匚類似した事例についての」意思決 定の事例から論拠を充実させる匚多腦化された意 思決定学習」を主張する。これは,為された意思 決定を対象化して分析・批判し,認識形成の充実 をめざすもので,特に真理性が保障された事実認 識にとって重要となる。本稿では片上の主張を参 考に,学習方法から意思決定型を次の2つに区分 する。 1つは,子どもによる匚今ここの」意思決 定の実践・構成を重視する匚意思決定の実践的構 成的学習」である。もう1つは,為された意思決 定を対象化して,その分析・批判を重視する匚意 思決定の分析的批判的学習」である。そして,こ れらは後者の方が,経験や科学と調和する真理性 をより保障できる。 正当性の保障という点から意思決定型授業を類 型化する際に注目したのが,佐長健司の研究であ る7)。佐長は意思決定型を,匚私的社会」を形成 する個人的な判断・決定の学習,厂公的社会」を 形成する公的判断・決定の学習,2つに区分し, 学校教育では後者をすべきと主張する。こうした 区分は,先で述べた個人的な特定の価値と公共空 間での諸価値との区分に対応する。本稿では類型 化にあたり佐長の区分を受け入れつつ,共同空間 での特定の価値についても考慮したい。このよう に考え,学習者の基本的な立ち位置から意思決定 型を次の2つに区分する。 1つは,個人的なある いは共同空間での意思決定の学習」である「 ̄特定の価値判断を前提。もう1つは,公共空間とした ― 62

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で の 匚自 由 な 価 値 判 断 を 重 視 す る 意 思 決 定 の学 習 」 で あ る。 そ し て , こ れ ら は後 者 こ そ が , 公 共 空 間 で 支 持 が得 ら れ る 正 当 性 を 保 障 で き る 。 学 習 方 法 か ら の 区 分 , 学 習 者 の基 本 的 な 立 ち 位 置 か ら の 区 分 , こ れ ら を 掛 け 合 わ せ る こ と で , 意 思 決 定 型 授 業 は 表 1 に 示 す よ う に 4 類 型 を 導 く こ と が で き る 。 以 下 , こ れ まで の 多 様 な 意 思 決 定 型 授業 論 の 分 析 と 批 判 的 検 討 を 行 う8 )。 2.3. 特 定 の 価 値 判 断 を 前 提 と し た 意 思 決 定 の 実 践 的 構 成 的 学 習 日 本 で の 意 思 決 定 型 授 業 論 の原 点 は , 表 1 の左 上 象 限 に 示 さ れ る。 ① の 小 原 が 開 発 し た 授 業 は , a で は 開 国 か 攘 夷 か につ い て 厂阿 部 正 弘 に意 見 を 求 め ら れ た と し た ら, み ん な は ど の よ う な 回 答 を す る だ ろ う か」 を, b で は 匚割 り ば し ・ つ ま よ う じ ・ 紙 コ ッ プ は木 材 資 源 の 無 駄 使 い とな る ので 使 い 捨 て を や め る べ き か, 木 材 資 源 の 有 効 な 利 用 法 な の で や め る べ き で な い か ど う か」 を 意 思 決 定 す る。 両 授 業 と も 自 己 の 意 思 決 定 を 支 え る 価 値 につ い て 十 分 な 認 知 は さ れ ず , 具 体 的 事 実 と 個 人 的 な 特 定 の 価 値 か ら 漠 然 と 断 定 さ れ た 判 断 も 許 容 さ れ る。 価 値 判 断 を さ せ て は い る か , 価 値 指 導 につ い て は 消 極 的 で あ る。 ま た , 意 思 決 定 段 階 ま で の 授 業 展 開 を み る と, 論 争 問 題 を め ぐ る 複数 の 見 解 の う ち の 一 つ を 詳 し く 考 察 す る も の で あ っ た り, 授 業 で の 認 識 内 容 と 意 思 決 定 す る こ と と が 直 接 結 び つ か な い もの で あ っ た り し て , 事 実 認 識 形 成 で も課 題 を 残 す。 こ れ ら の 授 業 は, 意 思 決 定 を 社 会 科 に 導 入 し た 点 で 極 めて 画 期 的 だ が , 意 思 決 定 を 実 践 ・ 構 成 す るこ と 自 体 が最 大 の 価 値 と さ れて い る と 言 え よ う 。 社 会 的 論 争 問 題 に つ い て の 個人 的 な 判 断 を 集 団 の意 思 決 定 へ と集 約 さ せ る 方 法 を 示 し た の が, 今 谷 順 重 の 研 究 で あ る ‰ こ れ以 後 , 表 1 の ② ・ ③ に示 し た吉 村 や 水 山 の 合 意 形 成 社 会 科 が 主 張 さ れ る よ う に な る 。 吉 村 は, 合 意 形 成 能 力 の 育 成 を め ざ す 6つ の 段 階 か ら な る 授 業 構 成 を 示 し , c や d な ど の 授 業 を 開発 し て い る。 水 山 は, 議 論 で の 留 保 条 件 に注 目 し た 授 業 構 成 を 示 し , e や f な ど の 授 業 を 開発 し て い る 。 こ れ ら の 授 業 は 意 思 決 定 の 社 会 化 を め ざ し て い る が, 個 人 的 な 特 定 の 価 値 が ベ ー ス で , 佐 長 も 指 摘 す る と お り 匚個 人 の 価 値 や 決 定 を 容 認 す る 合 意 の 模 索 」 と な って い る10)。 そ し て , 子 ど も達 自身 や 子 ど も 達 が 暮 ら す 地 域 に 大 き く 関 わ る 論 争 問 題 を 扱 う 場 合 は , 匚問 題 解 決 」 と 同 様 , 教 室 内 と い う 小 さ な 共 同 空 間 で の 価 値 判 断 と な り や す い 。 ま た, 意 思 決 定 前 の 認 識 形 成 は そ れ ほ ど重 視 さ れ ず , 認 識 形 成 は合 意 形 成 過 程 に 表 1  意 思 決 定 型 授 業 の 類 型G1 ∼1の「  」に単元・ 小単元名)

卜 千

『 意 思 決 定 の実 践 的 構 成 的 学 習 』 『 意 思 決 定 の 分 析 的 批 判 的 学 習」 1 正 当 性 を 保 障 個 人 的 な あ る い は 共 同 空 間で の 『 特 定 の価 値 判 断 を 前 提 と し た 意 思 決 定 の 学 習 』 特 定 の 価 値 判 断 を 前 提 と し た 意 思 決 定 の 実 践 的 構 成 的 学 習 ①小 原 友 行:a 「 開 国 か 攘 夷 か」(1987), b 匚森 林 の南 北 問 題 」(1994) ②吉 村功 太 郎:c 匚エ イ ズ と 人 権 」(1996), d 匚脳 死 ・ 臓 器 移 植 法 と人 権 」(2001 ) ③水 山 光 春:e 「 マ レ ー シ ア に お け る熱 帯 林 の 減 少 」(1997), f 匚安 楽 死 を 考え る 」(2003 ) 特 定 の 価 値 判 断 を 前 提 と し た 意 思 決 定 の 分 析 的 批 判 的 学 習 ⑥ 溝 口和 宏:1  厂私 の ラ イ フ プ ラ ンー 社 会 を よ り よ く生 き る た め に− 」(2001), m 「 問 題 はそ れ だけ です か ?− どう す る,た ば こ− 」 (2002 ) 公共 空 間で の 『 自 由 な 価 値 判 断 を 重 視 する 意 思 決 定 の 学 習 』 自 由 な 価 値 判 断 を 重 視 す る 意 思 決 定 の 実 践 的 構 成 的 学 習 ④ 佐 長 健 司:g 「 日 本 は 首 都 機 能 を 移 転 す べ き で あ る 」(1999), h 匚外 国 人 地 方 参 政 権 付 与 」(2001), i 「道 州 制 導 入 の 是 非 」(2006 ) ⑤ 豊 嶌 啓 司:j 「 家 族 と社 会 生 活 」(1999), k 「 現 代 日 本 の歩 み と 私 た ち の 生 活 一 環 境 税 の導 入 に つ い て 判 断 し よ う− 」 (2001 ) 自 由 な 価 値 判 断 を 重 視 す る 意 思 決 定 の 分 析 的 批 判 的 学 習 ⑦ 草 原 和 博:n 匚福 祉 国家 と 自 己 決 定 」(2002 ) ⑧ 吉 村 功 太 郎:o 匚情 報 化 社 会 に お け る 人 と 社 会 」 (2003 ) p 匚社 会 のル ール と公 共 性 : 携 帯 電 話 の 使 用 制 限 」 (2005 ) ⑨ 桑 原 敏 典:q 匚住 民 投 票 は 民 主 主 義 を 破 壊 す る の か, そ れ と も救 う の か 」(2006 ) ⑩ 土 肥 大 次 郎:r 「 市 町 村 合 併 と地 方 自 治 」(2009 )

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委ねられることになる。そのため,具体的問題に かかわる限りでの表面的な知識の習得に終わり, 事実認識で課題を残す可能性が大きい。 これらの授業は,集団内での意見調整法の習得, 合意形成をめざそうとする態度の育成に重点を置 くもので,合意形成すること自体に価値を見出す ものとなっていると言えよう。 表1のa∼fの授業は,価値判断に際して学習 者の基本的な立ち位置は定められない。従って特 定の価値判断を前提とすることも許容され,価値 認識において公共空間で支持が得られる正当性は 保障されない。そして学習方法では,意思決定の 実践・構成自体が重視され,認識形成は不十分と なり,事実認識において経験や科学と調和する真 理性は保障されない。真理性と正当性,両者で問 題を抱えているo 2.4.自由な価値判断を重視する意思決定の実践 的構成的学習 先の論が特定の価値判断を前提とすることも許 容されるのに対し,表1の左下象限は,公共空間 での自由な価値判断を重視するものである。 この論の最も典型的なものが,表1の④に示し た佐長のディベート社会科である。佐長は社会的 論争問題を題材にディベートを行うg・h・iな どの授業を開発している。ディベートの空間では 特定の価値判断が絶対視されることはなく,諸価 値にもとづく多様な主張が戦わされる。こうした 空間では,個人などの特定の価値を前提とした主 張は受け入れられず,公共空間で支持が得られる 価値を裏づけとする必要がある。このようにディ ベートでは,公共空間での正当性を重視せざるを 得ず,そしてその内容をメタ認知して他者に提示 することが求められる。題材と教室との組み合わ せ次第では,教室が小さな共同空間と化し,特定 の価値判断が圧倒的優位となる可能性もあるが, 概ね公共空間での正当性は保障される。一方で, ディベート社会科の指導では,意思決定の構成を 提示していく過程などは詳細に指示されるが,ディ ベートに至るまでの認識形成については楽観的で, 具体的な認識形成過程や習得すべき具体的な知識 を体系的に明示また,ディベーしようとはト社会科しないと同じく表1の左下象 限に位置づけられる豊嶌は,意思決定する子ども の心理を重視して,意思決定を段階的に構成して いくjやkなどの授業を開発している。これらの 授業は,小原の授業の精緻化をめざしたものだが, ディベートを利用しながら公共空間で議論される べき「属性」と「選択肢」を見出していくことで, 正当性を保障する。一方で,jでの「夫婦別姓」 にしてもkでの「炭素税」にしても,全体が仮想 の下での説明となり,実際の経験にもとづく事実 分析・認識形成はできていない。 表1のg∼kの授業は,公共空間での自由な価 値判断を重視して,価値認識において公共空間で 支持が得られる正当性を保障する。一方で,意思 決定の実践’・構成や提示が重視され,その前段階 として必要なはずの認識形成では課題が残る。事 実認識において経験や科学と調和する真理性の保 障が弱く,この点では先の論と同様なのである。 正当性は保障するが,真理性で問題を抱えている。 2.5.特定の価値判断を前提とした意思決定の分 析的批判的学習 ここまでの論がいずれも意思決定の実践・構成 を重視し,事実認識の意図的計画的な指導が不十 分であったのに対し,表1の右上象限は,意思決 定の分析・批判を重視するものである。 この論を主張するのが,表1の⑥に示した溝口 の厂開かれた価値観形成をめざす社会科」である。 溝口が開発したIの授業は,過去に決定されて現 在を規定する社会保障制度について,自己が望む ライフスタイルの実現可能性という点から分析・ 批判し,それが学習の中心を占める。そして,制 度には多様な考え方があり可変的であることを確 認し,制度に対する自己の判断を確立させる。こ の授業は,過去の意思決定を対象とする分析的批 判的学習で,真理性を重視して意図的計画的に事 実認識形成をする点が,ここまでの論とは異なるo 一方で,特定の価値判断を前提とする点は左上象 限と同様である。ただしこの授業は,特定の価値 判断が結果として許容されているわけではない。 価値を含んでいる意思決定・制度を可視化するた め,個人的な価値判断を通して分析・批判するも のでmの授業は,,特定の価値判断が積極「自己決定に基づく問題の設定」的に利用される。 64

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匚論争問題に対する社会的判断基準の吟味」匚自己 の問題の再構成と判断基準の普遍化」という3段 階の構成をとる。 1つ目は導入で,授業の大半は 2・3つ目の段階で占められ,展開部以降では真 理性に加えて公共空間での正当性も重視される。 表1の1・mの授業は,公共空間で支持が得ら れる「 ̄自律的判断」をどこまで重視するかで違い はあるが,次の2つは共通する。 1つは,為され た意思決定の分析的批判的学習とし,真理性を保 障することである。もう1つは,価値については 厂自分自身のより良き生」や個人的な特定の価値 なども重視されることであるo公共空間で支持が 得られる正当性の保障を,常に第一とはしていな いのである。真理性は保障されるが,正当性の保 障は必ずしも十分ではない。 2.6.自由な価値判断を重視する意思決定の分析 的批判的学習 表1の右下象限は,右上1・mの授業と同じく 意思決定の分析・批判を重視し,事実認識におい て経験や科学と調和する真理性を保障する。さら に,左下g∼kの授業のように公共空間での自由 な価値判断を重視し,価値認識において公共空間 で支持が得られる正当性を保障する。真理性と正 当性の両者を保障する右下象限の論は,匚意思決 定」の原理がもつ学力形成の可能性を引き出し, 意思決定型がめざすべき授業のあり方を示す。 この類型でまず挙げられるのが,表1の⑦に示 した草原のnの授業で,これは個人的意思決定の 批判的研究となっている。個人的意思決定を対象 とし,特定の価値判断を絶対視しない学習とする なら,この授業のように個人の意思と社会システ ムとの規定関係を説明するものとなろう。そして, この授業は事実認識の真理性という点では優れて いるが,一方で公共空間での判断には関わらない ため,市民的資質育成は非常に限定的となる。 真理性と正当性の両者を保障し,資質育成に直 接結びつく認識形成をめざすなら,個人的ではな く社会的意思決定の批判的研究とする必要がある。 こうした授業は,公共空間で為された複数の社会 的意思決定を分析してそれらの構成を明らかにし, 自己が市民として合理的意思決定する際に,選択 的に活用可能となる知識を習得させることになる。 社会的意思決定の批判的研究となっている授業 としては,吉村のo・pの授業が挙げられる。も ともと合意形成を主張してきた吉村だが,最近の 授業では,社会的意思決定を対象とする認識形成 に重点が置かれている。ただし,oは社会的合意 形成能力から,pは多重的な公共空間のおり方か ら論じられ,社会的意思決定の批判的研究として の授業のあり方は論じられていない。そして,桑 原のqの授業もこの類型として挙げられる。桑原 は匚合理的な思想形成をめざした社会科」の授業 を開発しているが,その中でもqのように新制度 の選択・判断にむけて認識形成をしていく場合は, 意思決定型のこの類型に該当する。ただし,q以 外の授業は新制度の選択・判断以外も射程として おり11),これまで社会的意思決定の批判的研究に ついては論じられていない。 社会的意思決定の批判的研究としての授業を論 じ,rの授業を開発したのが土肥である。ただし この論は,より一般化そして精緻化を必要として いる。意思決定型がめざすべき授業は,未だ十分 に論じられていないと言えよう。 3.社会的意思決定の批判的研究としての授業 3.1.小単元「原発政策」の開発 本章は,中学校社会科地理的分野の授業として 開発した小単元匚原発政策」(表2)にもとづき, 社会的意思決定の批判的研究としての授業につい て,その授業構成を具体的に論じる。 意思決定型授業は従来,表1からも明らかだが 公民系での開発が多かった。そうした中,地理で 授業開発をしたのは,社会的意思決定の批判的研 究は,地理や歴史が多くを担うものと考えるから である。社会的意思決定の批判的研究は,間接社 会研究として,他所や過去で為された意思決定を 認識対象とすることが基本となる。他所・過去の 社会的意思決定の批判的研究を通して,此処・現 在(さらに未来)の社会をつくる合理的意思決定 能力を育成すること。こうした可能性を他所や過 去を扱う地理・歴史教育はもち,積極的に導入す べきである。そしてそれは地理・歴史教育にアイ デンティティ縮減と縄張りの拡大・開放を迫り, 従来は公民系でみられたテーマや知識を扱うこと も求めることになろう。しかしこのような改変に

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より,社会科の地理・歴史教育は,市民的資質育 成との関わりが大きくなり,有用性が高まる12)。 原発政策を主題としたのは,この問題が市民的 資質育成との関わりを重視する本型の授業で,内 容選択の基準となる次の2つを満たすからである。 1つ目は,他所や過去で経験されてきた持続的問 題であること。これは,他所や過去の多くの市民 から支持され,一定の真理性と正当性が保障され た知識の習得にむけて,また未来を生きる子ども の有用な認識形成のために求められよう。 2つ目 は,匚価値観の異なる個人・集団による選択・判 断の相違や衝突によって形成される」社会的論争 問題であること13)。これは広い視野から市民が判 断をすべき社会問題であり,多様な関心から導か れる諸判断一 地球規模,国家間,国家,地域, 私的でない集団や個人(人々)等による判断一一 を広い視野から学習し,真理性と正当性をもつ知 識を多元的に習得するために求められよう。 そして授業の目標は,さまざまな原発政策に関 して,真理性をもつ理論にもとづいて説明でき, 正当性をもつ価値を言い表せるようになることで ある。そのような社会認識形成を通して,日本の 原発政策について,知的(道具的)かつ実践的な 合理的意思決定ができるようになることをめざす。 こうした目標を実現し,批判的研究を徹底する ため,授業では3つの思考を子どもに求める。第 1は,他所や過去の社会的意思決定について真理 性と正当性を重視しながら可視化していく匚思考 の深化」である。第2は,第1でのものとは異な る価値に裏づけられた意思決定を可視化していく 匚思考の多元化」である。第3は,第1・第2で 対象とした意思決定の,意図せざる副次的に生じ る結果を捉えていく匚思考の異化」である。 そしてこれらの思考による分析・批判の後,可 能ならば,習得した知識を活用して此処や現在の 社会について判断し,意思決定をしていく過程を 設定したい。それにより授業は市民的資質育成と の関わりがいっそう大きくなり,また子どもは認 識形成の有用性を実感することができよう。 小単元匚原発政策」は,諸外国で為された原発 政策の決定について先の3つの思考をしていく 匚意思決定の分析・批判過程」(展開1∼4),さ らに日本の今後の原発政策について判断していく 匚意思決定の実践・構成過程」(展開5・6)から 成る。以下,より詳細に授業構成を示す。 3.2.小単元の構成 巾意思決定の分析・批判過程1−思考の深化− 【導入】授業は最初,既存の制度や状況が社会 的意思決定にもとづき存在するようになったこと に気付かせ,その決定が為されたのは匚なぜか」 を問うことからはじまる。小単元匚原発政策」の 導入でも,資料を示して各国で異なる原発政策を 決定したことに気付かせ,問題提起をする。 (展開1づ1)】展開ではまず匚なぜか」につい て,匚指導された討論」にもとづき意図的計画的 に事実分析をさせる。ここでは,特定の社会的意 思決定が為された地域・時代で厂何かあったのか」 (事実)を確認し,匚何をすべきとされたか」(解 釈)を考え,社会的意思決定の匚なぜか]につい ての転移する説明的知識(理論)を習得させる。 小単元匚原発政策」でははじめにフランスの原発 推進政策を扱うが,これははじめは現在の此処 (日本)と同様のもので典型例を扱うのが無難と 考えるためである。そして石油危機に関して学び, 匚事実・解釈一一一・理論-一一社会的意思決定」を捉え て,動機づけ連関の説明ができるようにする。 さらに匚どのような関心から導かれたのか」を 問い,価値分析をさせる。社会的意思決定の裏づ けとなった公共空間での価値を明白に言い表し, その意思決定を導いた定言的な価値を捉えられる ようにするのである。小単元匚原発政策」でも, フランスを原発推進政策へと導いた匚国内経済の 安定・発展」という価値を言い表すことを求める。 以上のように事実分析,さらに価値分析をして, 思考を深化させる。 【展開1−(2)】なお,1つの社会的意思決定に 対して複数の目的があり,複数の事実分析・価値 分析ができる場合もあろう。その場合,複数の分 析が必要となる。小単元匚原発政策」でも,比較 的新しい時期に大きく支持を得るようになった 匚地球環境の保護」という価値を扱い,そこから 導かれる原発推進政策について学習する。 (2【展開2】思考の深化は)意思決定の分析・批判過程,自立的自律的な判断2−思考の多元化− −66−

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ができるようになる第一歩となる。しかし,授業 がそこに止まった場合,意図せざる問題が生じる 可能性が大きい。特定の意思決定のみを対象とし て価値まで言い表すことで,価値注入に陥るので ある。従って授業では匚他ではどうか」を問い, 先とは異なる地域や時代での異なる判断が為され た社会的意思決定を対象とする学習をして,思考 の多元化をする必要かおる。小単元匚原発政策」 では,原発推進政策を見直したイタリアを扱い, 思考の多元化をする。そしてチェルノブイリ原発 事故に関して学び,匚事実・解釈一一理論一社会 的意思決定」を捉えて説明できるようにする。さ らに,推進政策見直しへと導いた匚人々の健康な 生活の保障」という価値を言い表すことを求める。 思考の多元化により,不可疑と思われるような 決定であっても,多元的な中の一つであらざるを 得ないと自覚させ,意思決定を相対化する。 【展開3】小単元「 ̄原発政策」では多元化の後, 多くの国々の政策から,原発推進政策やその見直 しについて確認し,一般化をしている。こうした 過程は必要なものだが,授業の中でどのような順 序で扱うかは,柔軟に考えていくことができよう。 (3)意思決定の分析・批判過程3−思考の異化− 【展開4】思考の異化では,これまで対象とし てきたタイプの意思決定が実行された場合,社会 的状況の中で生じる可能性がある,意図せざる結 果・問題を捉えさせる。これは対象としてきた決 定に関して匚本当か」を問い,多様な主張が戦わ される公共空間の中に改めて位置づけ見直すこと で為される。具体的には理論の真理性を否定する ような意見や結果,正当性をもつ他の価値との葛 藤などを捉えられるようにする。小単元匚原発政 策」では,原発推進政策やその見直しに関する理 論の匚本当か」について,生徒がもつ知識やさま ざまな資料から考えさせる。また,他の価値との 葛藤は√匚国内経済の安定・発展」などの言い表 してきた価値についてそれぞれ,匚本当にそのこ とのみを考えていればよいのか」という点を,そ れまでの学習をふこうした思考の異化によってり返りながら考えさせ,意思決定して主。 張する際ここまで述べ,留保に関てきた思考の深化して考えられ(Fるよなぜか)厂うにする。 のような関心から導かれたのか」),多元化(匚他 ではどうか)),異化(匚本当か⊃により,批判的 研究は徹底され,開かれた認識形成となる。 (4)意思決定の実践・構成過程1−自己の意思決定− 【展開5】経験や科学と調和する真理性をもつ 説明的知識の習得は,知的(道具的)な合理的意 思決定を可能にする。公共空間で支持が得られた 正当性をもつ価値的知識の習得は,実践的な合理 的意思決定を可能にする。従って先の分析・批判 過程を経れば,知的で実践的な合理的意思決定能 力が育成されることになる。加えて,実際に意思 決定をしていく過程を設定できれば,市民的資質 育成はより強化され,学習の成長が図られる。 小単元匚原発政策」では,日本が今後も原発推 進政策を継続することへの賛否を意思決定させる。 その際,批判的思考にもとづく知的で実践的な合 理的意思決定となるよう,多くの資料から判断し て決定させている。資料の中には,原発推進政策 継続に賛成の根拠となる資料,反対の根拠となる 資料,扱い方によってどちらにもなる資料の3種 類があるOこれらをまず示すことで,特定の価値 判断を前提とせず,①公共空間に存在する複数の 他者を設定し,②多元的に他者の意思決定の合理 性を問い,③それらの優劣を比較して決定する, という3重構造の思考を促す。そして,資料の内 容にもとづき知的な合理性について述べる設問と, 実践的な合理性について述べる設問を分けて作成 した。さらに,留保に関わる設問も作成し,意思 決定の構成を段階的に述べられるようにしている。 (5)意思決定の実践・構成過程2−他者の意思決定− 【展開6】社会的意思決定の批判的研究の大き な特徴として,多様な意思決定の合理性を捉えら れるということが挙げられる。こうした能力によ り先の3重構造の思考は成立するが,意思決定の 実践・構成過程では自己が支持した決定だけでな く,自己とは異なる他者が支持する合理的意思決 定についても述べさせたい。こうした過程は認識 形成の確認となり,そして子どもの将来が未定な ことを考えても重要である。また,他者の意思決 定の合理性を捉えられることは,社会を形成する 市民に求められ小単元厂原発政策」でもる資質でもあろう,他者の意思決定につ

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1。 対 象 2. 単 元 表 2  小 単 元 中学校1年生∼2年生 社会科地理的分野 「産業と資源・エネルギー」 「 原 発 政 策 」 の 全 体 構 造 5.小単 元の目標 (概略) a.世界 各国 のさ まざ まな原 発政 策 につい て, 経験 や 科学 と調 和す る真理 性を もっ 理論 にもとづ いて 説明 する こと がで きる。 そし て日 本の原 発政策 につ いて, そ の理論 を 3。単 元設定理由 本 単元 は,平 成20年版 指導 要領の 匚世 界と比 べた 日本の地 域的 特色」 の 匚資源 ・エネ ルギ ーと産業 」 にも とづ く。 本単元 は, 経済 活動で 大き な位 置を 占 める産業 や資 源・エ ネル ギー に関し て, 分布等 の教 養を 獲得 し, 状況等 の説 明が でき, 政策 の意思 決定 がで きるよう にするた めに設 定した。 4.単元 計画 ① 第1次 産業 と第 2・3次 産業 …1時間 ② 鉱産資 源の分布 1 時 間 ③ エネ ルギー・電力消 費……… …1時間 ④ 原 発 政 策 … … … …… 6. 小 単元 の 展 開 過 程 の 概 略 … 3時 間 一 本 時 適用 した知 的(道 具 的) な 合理 的意思 決定 がで き, また 他者の意思 決定の知 的な 合理性を 捉えるこ とができる。 b .世界各 国 のさ まざ まな原 発政 策 につい て, 公共 空 間で 支 持 が得 られた正 当 性を もつ価 値を言 い表 すこ とがで き る。 そして 日本 のエ ネルギ ー政策 につ いて, そ の価 値を 踏まえ た実 践的な 合理 的意思 決定 がで き, また 他者 の意 思 決定の実 践的な合理性 を捉え ることがで きる。 C。さま ざまな 原 発政策 につ いて, 意 図せ ざ る副次 的 に生 じる可 能性 があ る結果を 捉え る こと ができ る。 そして 日 本の原 発政策 につ いて, そ うし た結果 も考 慮し て意思 決 定 か でき, また 他者 の意思 決定 で考 慮すべ き点を 指摘 す ることが できる。 パ ー ト 教 師 の 発 問 ・ 指 示 学 習 内 容 導 λ 問 題 提 起 ・ な ぜ , 国 に よ っ て 原 子 力 発 電 の 占 め る 割 合 が 異 な る の か。 ○ な ぜ , 各 国 は 異 な る原 発 政 策 を 実 施 し て い る の か 。 ・ 各 国 は 異 な る 原 発 政 策 を 実 施 し て お り, そ のた め 国 に よ っ て 原 子 力 発 電 の 占 め る 割 合 が 異 な る ( 発 展 途 上 国 の 場 合 に は 技 術力 の問 題 もあ る )。 喬 (4) 社 会 的 意 思 決 定 A を 知 る ○ フ ラ ン ス は ( 特 に) 1970 年 代 以 降 に 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べ き とし て き た 。 そ れ は な ぜ か。   手 段 ( ・ 生 徒 か ら 出 さ れ た 仮 説 に 関 す る い く つ か の 知 識 ) 事 実 分 析 事 実 ・ 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べ き と し た 1970 年 代 に 何 か あ っ た の か 。 ・1970 年 代 に, 石 油 危 機 で 石 油 の 価 格 の 高 騰 や 急 激 な 変 動 が お き た 。 解 釈 ・ そ のこ と に よ っ て , フ ラ ン スで は 何 を す べ き と さ れた か。 ・ フ ラ ン ス で は , 省 エ ネ ル ギ ー を 推 進 す べ き と さ れ る と と も に, 安 定 し たエ ネ ル ギ ー 供 給 を 維 持 す べ き とさ れ た 。     目 的 理 論 ・ な ぜ , 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べ き と し た の か。 ○ 安 定 し た エ ネ ル ギ ー 供 給 を 維 持 す べ き で あ り , そ れ ゆ え に 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べ き で あ る 。 な ぜ な ら, 原 発 推 進 を し た な ら ば , 少 量 の ウ ラ ン を 原 料 に大 量 の 発 電 が で き, そ し て ウ ラ ン 産 出 国 は 政 治 的 に 安 定 し た 国 が多 く… … 理論│ 価 値 分 析 ・ 原 発 推 進 政 策 は , ど の よ う な 関 心 か ら 導 か れ た の か 。 ○ 国 内 経 済 を 安 定 さ せ 発 展 さ せ る べ き で あ る, と い う 価 値 を 実 現 さ せ るエ ネ ル ギ ー政 策 が 支 持 さ れ た 。 価 値│ (2) 事 実 分 析 事 実 ・ 原 発 推 進 政 策 を 継 続 す べ き と し た 1980 年 代 に 何 か あ っ た の か 。 ・1980 年 代 に, 酸 性 雨 や 地 球 温 暖 化 の 問 題 が 注 目 さ れ た ( 第 2 次 石 油 危 機 後 の状 況 に つ い て も確 認 す る)。 解 釈 ・ そ のこ と に よ っ て , フ ラ ン スで は 何 を す べ き と さ れた か。 ・ フ ラ ン ス で は , 酸 性 雨 や 地 球 温 暖 化 へ の対 策 を 積 極 的 に す べ き と さ れ た。      目 的 理 論 ・ な ぜ , 原 発推 進 政 策 を 継 続 す べ き と し た の か。 ○ 酸 性 雨 や 地 球 温 暖 化 へ の対 策 を 積 極 的 に す べ き で あ り, そ れ ゆ え に 原 発 推 進 政 策 を 継 続 す べ き で あ る 。 な ぜ な ら , 原 発推 進 を し た な ら ば, SOx ・NOX やC02 の 排 出 量 が 削 減 さ れ … … 理論 価 値 分 析 ・ 原 発 推 進 政 策 の 継 続 は, ど の よ う な 関 心 か ら 導 か れ た の か 。 ○ 地 球 環 境 を 保 護 す べ き で あ る , と い う 価 値 を 実 現 さ せ る エ ネ ル ギ ー政 策 が 支 持 さ れ た 。 価 値 展 開 2 社 会 的 意 思 決 定 Bを 知 る ○ 他 で は ど う か。 イ タ リ ア は1987 年 に 原 発 推 進 政 策 を 見 直 す べ き と し た が , そ れ は な ぜ か。    手 段 ( ・ 生 徒 か ら 出 さ れ た 仮 説 に 関 す る い くつ か の 知 識 ) 事 分 析 事 実 ・ 原 発 推 進 政 策 を 見 直 す べ き と し た 1987 年 頃 に 何 か あ っ た の か 。 ・1986 年 に , チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 が お き, ヨ ー ロ ッ パ 各 地 で 放 射 能 汚 染 の問 題 が お き だ 。 解 釈 ・ そ のこ と に よ っ て , イ タ リ ア で は 何 を す べ き と さ れ た か。 ・ イ タ リ ア で は , 放 射 能 汚 染 の 危 険 を 無 く し て い く べ き と さ れ た 。       目 的 理 論 ・ な ぜ , 原 発 推 進 政 策 を 見 直 す べ き と し た の か 。 ○ 放 射 能 汚 染 の 危 険 を 無 く し て い く べ き で あ り , そ れ ゆ え に 原 発 推 進 政 策 を 見 直 す べ き で あ る 。 な ぜ な ら, 原 発 推 進 を 見 直 し た な ら ば, 放 射 能 を 生 じ さ せ る こ と がな く な り … … 理論│ - 68 −

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価 値 分 析 ・ 原 発 推 進 政 策 の 見 直 し は, ど の よ う な 関 心 か ら 導 か れ た の か 。 ○ 人 々 の 健 康 な 生 活 が 保 障 さ れ る べ き で あ る , と い う 価 値 を 実 現 さ せ るエ ネ ル ギ ー政 策 が 支 持 さ れ た。        [匝 匝 ] 展 開 3 社 会 的 意 思 決 定 A ・ B の 一 般 化 ・ イ タ リ ア以 外 に 匚人 々 の 健 康 な 生 活 の 保 障 」 と い う 関 心 ・ 価 値 に も と づ き , 原 発 推 進 政 策 を 見 直 す べ き と し た 国 は あ る か。 ・ チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 後 , ベ ル ギ ー ・ オ ラ ン ダ ・ ギリ シ ヤ・ デ ン マ ー ク ・ ド イ ツ な ど が 見 直 す べ き と し た。 ま た1979 年 の ス リ ー マ イ ル 島原 発 事 故 後 , ス ウ ェ ー デ ンが 見 直 す べ き と し , ア メ リ カ は 規 制 強 化 で 新 規 の原 発 建 設 は 行 わ れ な くな っ た。 ・フ ラ ン ス以 外 に「 国 内経 済 の安 定 ・ 発 展 」 匚地 球 環 境 の 保 護 」 と い う 関 心 ・ 価 値 に も とづ き, 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べ き と し た 国 はあ る か 。 ・ 石 油 危 機後 , 日 本 ・ 韓 国 など が進 めるべ きとし, これら の国 は酸 性 雨 や 地 球 温 暖 化 へ の対 策 のため に も進 めるべ きとし た。 ま た, 最 近 の化 石 燃 料 の価 格 の高 騰 や急 激 な変 動 で, イ タリア やドイツ で は見 直 しの見 直 しも一 時 検 討 された 。 最 近 は 中 国 ・ イ ンド・ 口 シアな ど も積 極 的 に進 めるべき としてい る。 スウェ ーデン やアメリ カ も久 々 に新 規 の原 発 建 設 が 検 討 さ れてい る。 展 開 4 訟 簽 1 畏 B の ?71 理 論 に 関 す る ・ 安 定 し た エ ネ ル ギ ー 供 給 を 維 持 す べ き で あ り, そ れ ゆ え に 原 発 推 進 政 策 を 進 め る べき で あ る , とい う の は 本 当 か 。 ・ 原 発 は 送 電 トラブ ルな どで 頻 繁 に 停 止 する。 また 原 発 は 厂陰 のコ スト 」 と 呼 ぶべき ものがあり , 維 持 ・ 管 理 等 で多 額 のコ スト がか かる。 災 害 ・ 事 故 等 で 突 然 停 止 したり多 額 のコスト がか かること もあ る。 よって 本 当 ではない , とい う意 見 もある。 ・ 酸 性 雨 や 地 球 温 暖 化 へ の対 策 を 積 極 的 に す べ き で あ り, そ れ ゆえ に 原 発 推 進政 策 を 継 続 す べ き で あ る, とい う の は 本 当 か。 ・ 原 発 に 依 存 し た 環 境 対 策 , そ し て 原 発 関 連 で 多 く の予 算 を 使 う こ と に よ り , 環 境 対 策 で 本 来 行 う べ き 省 エ ネ 対 策 , そ し て 自 然 エ ネ ル ギ ー 活 用 な ど が 遅 れ る 。 よ っ て 本 当 で は な い , と い う意 見 もあ る。 問 題 ・ 放 射 能 汚 染 の 問 題 か ら , 原 発 推 進政 策 を 見 直 す べ き で あ る, と い う の は 本 当 か 。 ・ 放 射 能 汚 染 の 問 題 に つ い て , 冷 静 に 批 判 的 に 考 え る必 要 が あ る 。 マ ス コ ミ は 刺 激 的 な ニ ュ ー ス を 求 め, 危 険 性 ば か り を 誇 張 し た り , 科学 的 根 拠 も な く節 度な く報 道 し た り す る。 ま た , 原 発 に は 様 々 な タ イ プ の も の が あ り , 一 概 に 述 べ る こ と は で き な い 。 よ って 本 当 で は な い , と い う 意 見 もあ る 。 価 値 の 葛 藤 ・ 「 国 内 経 済 の安 定 ・ 発 展 」 匚地 球 環 境 の 保 護 」 匚人 々 の 健 康 な 生 活 の保 障 」 につ い て そ れ ぞ れ, 本 当 に そ の こ と の みを 考 え て い れ ば よ い の か。 ・ 「 国 内 経 済 の 安 定 ・ 発 展」 や 「 地 球 環 境 の 保 護 」 か ら 導 か れ る原 発 推 進 政策 が, 一 方 で 原 発 事 故 等 や そ の不 安 に よ り 「 人 々 の健 康 な生 活 の 保 障 」 を 脅 か す , と も言 え よ う。 そ し て 匚人 々 の 健 康 な 生 活 の 保 障 」 か ら 導 か れ る 原 発 推 進 政 策 の見 直 し が, 一 方 で 化 石 燃 料 の 供 給 等 の 問 題 か ら 匚国 内 経 済 の安 定 ・ 発 展 」 を 妨 げ, C02 等 の排 出量 削 減を 困 難 に し て 匚地 球 環 境 の 保護 」 を 妨 げ る , と も言 え よ う 。 展 開 自 己 の 意 思 決 定 ○ 次 の 設 問 1∼ 6に 答 え よ。  ※ 設 問 は 簡 略 化 し て い る 。 1. 資 料 ① ∼ ⑩ を 全 て み た う え で , 日 本 が 今 後 も原 発 推 進 政 策 を 継 続 し て い く こ と につ い て , あ な た は 「 賛 成 」 か 匚反 対 」 か を 決 定 し な さ い 。 そ し て , な ぜ そ の よ う に 決 定 し た か を 資 料 の 内 容 に も と づ い て 述 べ な さ い 。 【 知 的 (道 具 的 ) な 合 理 性 】       ゛``゛’7゛͡ ̄ ゛゛ 2匸 瘢万浤 冨 決 定 は , ど の よ う な 関 心 ・ 価 値 か ら導 か れ た の か を 述 べ な さ い 。 【実 践 的 な 合 理 性】 3. あ な た の 決 定 を 実 行 す る 際 に , 考 慮 す べ き 点 を 記 し な さ い。 【 意 図せ ざ る結 果 へ の 考慮 一留 保 】 展 開 6 他 者 の 意 思 決 定 を 捉 え る 4. 設 問 1 で , あ な た と は 異 な る 決 定 を し た 他 者 は, な ぜ そ の よ う な 決 定 を し た の か。 資 料 の 内 容 に もと づ い て 記 し な さ い。 【知 的 ( 道 具 的 ) な 合 理 性 】        ̄ 5匸 樒 箸 芻莨 兔 は , ど の よ う な 関 心 ・ 価 値 か ら導 か れた の か を 記 し な さ い。 【実 践 的 な 合 理 性 】 6. 他 者 の決 定 を 実 行 す る 際 に , 考 慮 す べ き 点 を 記 し な さ い 。 【 意 図 せ ざ る 結 果 へ の 考 慮 一留 保】 終 結 ・ さ ま ざ ま な 意 思 決 定 の 内容 に つ い て 確 認 し よ う 。 〔意 思 決 定 の 際 の 資 料 〕 ① 「 原 油 高 騰 は な ぜ 起 こ っ た の か ?」(『2010 資 料 現 代 社 会 』 清 水 書 院, 2010 年, p.25.), ② 「 天 然 資 源 の可 採 年 数 」( 資 源 エ ネ ル ギ ー 庁 資 料 ほ か よ り.), ③ 匚日 本 経 済 の あ ゆ み」(『 本 質 が み え て く る 最 新 現 代 社 会 資 料 集 』 第 一 学 習 社, 2011 年, p.102.), ④ 「 臨 界 事 故 」( 高 木 仁 三 郎 『 原 発 事 故 は な ぜ く り か え す の か 』 岩 波 書 店 ,2000 年 ,p工 ), ⑤ 匚東 海 村 臨 界 事 故 」(『2002 資 料 政 治 ・ 経 済 』 清 水 書 院, 2002 年, p.294.), ⑥ 匚原 発 が地 震 で 運 転 停 止 」( 朝 日新 聞2007 年 8月15 日.), ⑦ 冂 号 機 も炉 心 溶 融 」( 朝 日新 聞20n 年 3月15 日.), ⑧ 匚原 子 力 発 電 所 の 事 象 ( 事 故 ) 国 際 評 価 尺 度 」(『2002 資 料 政 治 ・ 経 済 』 清 水 書 院, 2002 年, p.295.), ⑨ 厂温 暖 化 防 止 に 向 け 一 歩 ∼ 京 都 議 定 書(1997 年 )」 厂温 暖 化 防 止 ∼ 走 る イ ギ リ ス・ 遅 れ る 日 本 」(『 新 編 地 理 資 料 』 東 京 法 令 出 版, 2009 年, p.255.), ⑩ 「T25% 削 減 」 国 連 で 表 明 」( 朝 日 新 聞2009 年 9月23 日.). い て , そ の 知 的 な 合 理 性 を 述 べ る設 問 , 実 践 的 な 合 理 性 を 述 べ る設 問, 留 保 に 関 わ る設 問 を 作成 し , 4。 お わ り に 本 研 究 の 成 果 は次 の 2 点 で あ る。 第 1 は,真理

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決定型のめざすべき学力形成,授業のあり方を示 したことである。第2は,それを具体化した社会 的意思決定の批判的研究としての授業について, 開発した小単これらは,事実と価値の両者の認識形成に重点元にもとづき示したことである。 をおき,開かれた認識形成をしていく社会科教育・ 授業のあり方を提示し,匚理解」匚問題解決」匚認 識」「 ̄説明」のいずれとも異なる厂意思決定」の 確立に向かって歩もうとしたものである。 今後さらに,こうした意思決定型授業について の研究・授業開発に取り組みたい。 【註】 1)森分孝治書, 1978年。『社会科授業構成の理論と方法』明治図 2)小原友行匚育学会編『社会科教社会科における意思決定」社会認識教育学ハンドブック』明治図書 1994年,pユ70. 3)小原友行シャラスの場合」「社会科学習原理と『社会科研究』第24しての探求号, 1975― B.G.年,マ p.75. 4)妥当性概念の真理性と正当性に関男の次などの諸論考を参考にした。池野範男匚しては,池野範市民 社会科の構想」社会認識教育学会緇『社会科教育の ニュー・パースペクティブ一変革と提案−』明治図 書,2003年。 5)合理性に関したが,その内容は次に簡潔に記されている。中しては,ハーバーマスの諸論考を参考 岡成文『現代思想の冒険者たち 第27巻 ハーバー マスーコミュニケーション行為』講談社, 1996年, ppユ37-184. 6)真理性の保障という点からの類型化では,次を参 考にした。片上京二「調停としての社会科授業構成 の理論と方法一意思決定学習の革新一」『社会科研究』 第65号, 2006年。 7)正当性の保障考にした。佐長健司匚という点か議論による社会らの類型化では的問題解決の,次を参 学習」『社会系教科教育学研究』第13号, 2001年。 8)表1の出典は次のとおり。 a小原友行匚意思決定力を育成する歴史授業構成一 匚第177人物学習」改善の視点を中心にー」号, 1987 『史学研究』 b小原友行,前掲論文, 1994年. c吉村功太郎匚合意形成能力の育成をめざす社会科 授業」『社会科研究』第45号, 1996年. d吉村功太郎匚小単元匚脳死社会的合意形成・臓器移植法と人権」を事例にー」をめざす社会科授業一 『社会系教科教育学研究』第13号, 2001年. e水山光春匚合意形成をめざす中学校社会科授業− トゥールミンモデルの匚留保条件」を活用してー」 『社会科研究』第47号, 1997年. f水山光春匚「合意形成」の視点を取り入れた社会科 意思決定学習」『社会科研究』第58号, 2003年。 g佐長健司厂社会科討論授業における反論の指導」 『社会科研究』第50号, 1999年. h佐長健司,前掲論文, 2001年. i佐長健司匚社会形成科としての社会科授業」社会 認識教育学会繩『社会認識教育の構造改革一ニュー・ パースペクティブにもとづく授業開発−』明治図 書, 2006年, pp.39-49. j豊嶌啓司阡構成主義」的アプヨーチによる社会科 厂属性効用理論」及び厂意思決定」型学習指導過程自己フォーカス」を援用一心理学における「多 た中学校公民的分野匚家族と社会生活」を事例にー」 『社会科研究』第51号, 1999年. k豊嶌啓化をはかる社会科授司匚意思決定の過程を内省し業」『社会系教科教,認識の社会育学研究』 第13号, 2001年. 1溝口和宏厂開かれた価値観形成をはかる社会科: 社会の自己組織化に向けて一単元匚私のライフプ ランー社会をよりよく生きるためにー」の場合一」 『社会系教科教育学研究』第13号, 2001年. m溝口和宏匚開かれた価値観形成をめざす社会科教 育−「意思決定」主義社会科の継承と革新一」『社 会科研究』第56号, 2002年. n草原和博「社会科学教育としての社会科の成立理 由一社会科学力観の再検討−」『社会科研究』第56 号, 2002年. 0吉村功太郎匚社会的合意形成能力の育成をめざす 社会科授業」『社会科研究』第59号,2003年. p吉村功太郎「市民性の育成をめざす社会科授業の 開発一公共性を視点にしてー」『社会系教科教育学 研究』第17号, 2005年. q桑原敏典厂合理的な思想形成をめざした社会科授 業構成一シティズンシップ・エデュケーションの 目的と社会科の役割の検討研究』第64号, 2006年.を踏まえてー」『社会科 r土肥大次郎匚社会的意思決定の批判的研究として の社会科授業一公民科現代社会小単元「市町村合 併と地方自治」の場合一」『社会科研究』第71号, 2009年. 9)今谷順重うせい, 1990『新年.しい問題解決学習の授業展開』ぎょ 10)佐長,前掲論文, 2001年,p.3. n)桑原の匚合理的な思想形成をめざした社会科」の 授業は,次などに示されている. ・桑原敏典「合理的思想形成を目指した公民学習に おける評価方法の教授書開発を通一小単してー」元「議会の働『社会系教科教育学研究』きと政策決定」 第16号, 2004年. ・桑原敏典匚社会科学科社会としての社会科授業」 社会認識教育学会緇『社会認識教育の構造改革− ニュー明治図書,・パースペク 2006年, pp.94-104.ティブにもとづく授業開発−』 12)間接社会研究としての社会科地理・歴史教育に関 しては草原和博厂,草原和博の次などの諸論考を参考に地理教育の公民教育化一地域を単位にした. た総合社会研究−」『社会科研究』第66号,2007年. 13)溝口和宏厂社会問題科の内容編成原理」社会認識 教育学会編『社会科教育のニュー・パースペクティ ブー変革と提案−』明治図書, 2003年, p.56. −70−

参照

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