説明的文章の学習指導過程に関する研究
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(2) 目. 序 章. 次. 1. 第一節 学習指導過程の実態分析の目的. 7. 6. : 6. 第二節 説明的文章における﹁文章と学習者との距離﹂について. 12. 第一章 説明的文章の学習指導過程の実態分析 1﹁文章と学習者との距離﹂の視点から一. 第三節 学習指導過程の実態分析の方法. 1つり. 21. 第四節 学習指導過程の実態分析の結果と考察. 3 目標と内容一方法の整合性. 25. 19﹂. 第二章 説明的文章の学習指導過程を改善するための要件についての先行研究の検討. 26. 1 類 型 別 の割合. 第一節 説明的文章の学習指導過程をめぐる先行研究の概要 −一九六〇年代以降一. 34. −FO. 第二節 学習指導過程における学習内容の保障. 43. 2 ﹁文章と学習者との距離﹂縮小志向型に見られる学習指導過程の特微. 第三節 学習指導過程における学習活動の組織・展開.
(3) 第五節. 第四節. 学習指導過程と教材の特性との関連・対応. 学習指導過程における目的性・必然性. 53. 50. rO9. ﹁D門r. 子どもの側からの学習指導過程の構築. ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小する学習指導過程構築に向けての仮説. 第六節. 第三章. ﹁説明的文章教材の特性﹂について. 72. 64. 59. 1 ﹁学習内容﹂について. 75. 学習活動の設定および展開の道筋. 2. ﹁ことばの機能的特性﹂ ︵11学習者が夢中で取り組む活動類型︶について. 第一節. 3 ﹁具体的言語活動﹂について. 80. 62. 4. 学習指導過程設定の足場となる基本的な学習過程のモデル︻仮説2︼. 91. 第二節 ﹁説明的文章教材の特性に応じた多様な学習活動﹂を設定するための要素構造︻仮説1︼. 第三節. 導出した仮説にもとつく学習指導過程の構想 一五年﹁竹とともに生きる﹂ ︵大阪書籍︶の場合1. 98. 月r8. 第四節. 終 章. 参考文献. 記 付 巻末資料.
(4) 序 章. 一般的に、説明的文章の単元の学習指導過程においては、要点・要旨まとめ、接続語や 指示語の検討、段落相互の関係の検討、文章構成図作成等の、いわゆる文章論的読解活動 が展開されることが多い.これらの学習活動を導入することで、読みの基礎的技能や論理. 13. 醗. 肺 書 図. 性. 蹴 瞭. 醐. 礪 悪 食. 三 囲. 磁 樺 磁. 訓. 治. 的思考力に培おうとしているわけだが、現実的には学習者の説明的文章嫌いを招く結果と 文章構. 明. 要点把握、. なっている。森田信義氏は、こうした現状について次のように述べている。 読みの︵いわゆる読解の︶基礎技能こそ重要だという立場力ら、. 成図の作成などが盛んに行われていることもた、た旧聞聞している。 しかも、 多くの 場合、子どもの認識が揺さぶられ、変容することはない。形.工的な当習指導となり、. 指導者も子どもも恨屈なf業にうんざりしてしまう。説明的文章が面白くないという 子どもの、そして 師の反応は、このような事情を正石に反 している。︵注,︶. ︵傍線引用者、特に断りのない場合は、以下同じ︶ 文章︵11書き手︶の側から発想された学習活動が中心となった学習指導過程では、学習 者にとって︵そして指導者にとっても︶授業は退屈以外の何物でもなくなり、当該説明的 文章で学ぶべき認識内容や認識方法に触れることは少ない。すなわち、説明的文章と読み 手︵11学習者︶との間には、情報・内容や認識方法などの点において少なからぬ距離が生 じることになり、その﹁文章と学習者との距離﹂が縮小されないまま形式的に学習が進む ことになるのである。. 単元の学習指導過程というものは、本来は教材が違い、発達段階が違うと変わるはずで. ’. 一. 1.
(5) あるが、現在多く見られる文章側から発想された学習指導過程では、どうしても決まりき った学習活動や流れになることが多い。そこで、教材の特性に応じた多様な学習活動の展 開が望まれることになるのであり、子どもの論理にもとつく、子どもの側から発想された 学習指導過程を構築することが重要となるのである。. こうした学習指導過程の問題点については、宮下明廣氏が、形式重視の画一的な説明的 文章の学習過程の問題点を﹁読解技能が前面に出て、知識、情報に対する子どもたちの興 味・関心や感動が後退してしまう﹂こと、 ﹁学習活動や思考の流れがパターン化し固定化 してしまい、発展的な学習が期待しにくい﹂ことなど八点列挙した上で︵在、︶次のように指 摘している。. このような問題点が生じるのは、愚年の発達段陸 ・木の特質を十分考慮せずに、 どの学年、どの説明文でも、①全文を通読する。②あらましをとらえる。③形式段落 の要点をまとめる。④段落相互の関係をとらえる。⑤要旨をとらえる。⑥全文を要約 する。⑦漢字や語句の練習をする。といった学習過程で圃]的に授業を展開してしま うところにある。この学習過程は、あくまでも 師の論理に基づく言語 能主義の艦 習過程であり、子どもが生き生きと説明文の学習に取り組む学習過程とはなりにくい 面がある。混、v. ここでいう﹁教師の論理に基づく言語技能主義の学習過程﹂は、先に述べた文章の側か らの学習活動と同義である。また①∼⑦の流れは、まさしく文章論的読解活動の流れであ る。しかし、紛れもなくこうした活動や流れが繰り返し行われているのであり、それが問 題だとしているのである。宮下氏は、こうした画一化した、文章の側からの学習過程の改. 働. ∼. 鞭 醐. 脚 ∵朧 ∴ 欝. 聴叫カ、. 駐 駐. 一. 2.
(6) 善策として﹁これまでの画.一的な説明文の学習過程を見直し、子どもの論理を踏まえた弾 力性のある楽しい説明文の学習過程を構築する必要がある﹂としている。︵注、︶. 文章側からではなく学習者の側から発想され、子どもの論理を踏まえた単元の学習指導 過程、すなわち﹁文章と学習者との距離﹂を縮小する学習指導過程をどのよヶに構築する か。これは説明的文章の授業を活性化し、実あるものとするための重要な実践課題である。. 一方、説明的文章の学習指導過程をめぐっては、これまでにもいくつかの提案がなされ てきた。以下、主なものとして、渋谷孝氏と森田信義氏の提案の概略を示すことにする。. 渋谷氏は、﹂般的に取られている指導過程を﹁第︸次.段階一全文通読、第二次段階1い くつかの大段落にわける、第三次段階1各段落ごとの精読、第四次.段階一まとめ読み﹂の 四段階とした上で、各段階における問題点と学習活動のありようを示した。中でも第二次 段階と第三次段階の作業は順序が逆であることについて詳細に検討を加えた。︵注.、︶. 渋谷氏の提案は、当然のごとくに取られている指導過程が、大人︵教師︶側の論理︵そ れは、そのまま文章の論理︶から発想され規定されたものであることの問題点を指摘した ものであり、学習者である子どもの側からの指導過程のありようを考えようとしたもので あった。しかし、指導過程において渋谷氏が考察対象としている学習活動の系列は、文章 論的読解活動の枠組み内にとどまるものであり、その意味では期待される﹁文章と学習者 との距離﹂の縮小度合いは大きなものにはなりにくいと考えられる。また﹁渋谷.の理論に. おけるこの部分︵大段落分けの前に各段落ごとの精読を行うこと1引用者注︶は、一般化、 体系化が不十分のように見られる﹂とする寺井正憲氏の指摘もある。︵注,︶. 森田信義氏は、学習者を質の高い認識の主体に育てあげることをねらって、筆者の工夫. 1. 瓢. 与. 蒲. 硬顯. 国 関餓. ”篤. 創 .版に. 1問集. 98題. 教 語 国. 学. ﹃教. 科 育. ∴. 19ビ研 レ導 U 白 書献指 図文語 月 儲獅掴 雪 避 £研会 習 論導究 学 程指研 文 雨渓導 明 回読指 潤 指の語 た の章国 し 章文学 化 文的大 三明波 明年官. 一. 生 記創司. 廣. 宮. 塞昭下打郁. “渋寺中 ーーを. 姓. ヨ. D 注注. 一. 3.
(7) を評価する説明的文章の読みを提案した。︵注、vそこでは﹁何が、どのように書かれている かを文章に即して理解し、確認する読み﹂ ︵11﹁確認読み﹂︶と、 ﹁筆者の工夫は、説明. 対象である事象の本質の解明に成功しているのかどうかを問う読み﹂ ﹁さらに、工夫を問. 臨. う読みの過程で生じた疑悶、問題を解決する読み﹂ ︵11﹁評価読み﹂Vという、二種類の 読みを区別した。その上で、学習指導過程としては﹁評価の構えづくり←確認の読み一評. 善書. 姓 蝕. D 勿. 細細牲. 議臓D. 順順備 指章章 の文文 章的的 文明明 的説説 明るる 説すす る価価 て評評 育をを を夫夫 体工工 主のの 識者者 朧降陛. 言剃剃. 図明. 書治 レ. 図81. 価の読み﹂という関係を提示した。︵注、︶. 森田氏の提案は﹁筆者の工夫を評価する﹂という概念を導入し、従来の要点まとめや文 章構成図作成などの文章論的読解活動の枠にとらわれない読みの活動を示した点において、 学習者側から発想された学習指導過程の範疇に入るものであると考えられる。しかし、具 体的な学習活動として示されている﹁認識の見取り図﹂ ﹁反応︵予想、同意、疑問、発見、 意見、感想、批評など︶の書き込み﹂ ﹁批評文の作成﹂などは、固定的なきらいがあり、. 実践への見通しがやや不十分であるように思われる。また森田氏自身﹁指導のねらい、教 材の特質、レベル等も指導過程に影響を及ぼすことは、改めて言うまでもないであろう﹂ と述べながら、この点についての学習指導過程論の実践的な言及はないことから考えると、 読み手である子どもの認識内容や方法を重視し、読みの指導を文章に近い側から学習者に 近い側へと転換しようと試みてはいるが、学習指導過程としてはその基本的な骨格部分が 提示されたレベルであり、実践への適用面では課題が残されていると考えられる。. この他、学習者側から発想された説明的文章の読みの理論における代表的なものとして は、小田迫夫氏の﹁説明文体をロジソク︵論理︶の展開として見るだけでなく、そのロジ ソクを相手に伝えるレトリソクの面からとらえ、そのレトリソクの射程内に読み手を導き. 一. 4.
(8) 入れる指導の方法を工夫する﹂ことを主張する﹁レトリソク認識の読み﹂︵注、vや、寺井正. 憲氏の﹁読み手の先行知識を母体として、文章の情報を先行知識に組み込み、先行知識を 組み換え、構造化させることで、意味のまとまりを作り上げる側面﹂を重視する﹁トソプ ダウンな思考活動を保障する読み﹂︵注..∀などがあげられるが、いずれも学習指導過程の設. 定について具体的に論究するまでには至っていない。. 本論文ではこうした現状認識にもとづき、学習者である子どもたちが主体的な説明的文 章の読みを展開するためには、単元レベルの学習指導過程をどのように構築すればよいか について考察を行うことにする。とりわけ説明的文章と読み手︵口学習者︶との問には、 情報・内容や認識方法などの点において少なからぬ距離があるとする立場に立って、その ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小し、学習者の認識を深化・拡充することに資する学習指 導過程︵睡子どもの側から発想された学習指導過程︶を構築するための仮説を得ようとす るものである。なお、現象的には文章論的読解活動の範疇に入る学習活動で構成されてい るようでも、読み手︵11学習者︶側に近い極︵注.、︶から発想された︵つまり﹁文章と学習者. との距離﹂を縮小する︶プロセスを踏んでいる学習指導過程もあり、そうした学習指導過 程に対する検討もカリキュラム構築の点では必要であるが、考察のスタンスを明確にする ために、本論文では、文章論的読解活動にとらわれないプロセスを求める場合に限定する。 また学習対象となる教材も、単数、複数、両方の場合が考えられるが、本論文では、複数 教材への適用を視野に入れつつも、どちらかというと単数教材の場合を中心に考察する。 研究手順としては、まず第一章で﹁文章と学習者との距離﹂の視点を設定した上で、そ の視点から実践記録における単元計画の記述に着目し、説明的文章の学習指導過程の実態. る 灘 す 関 勧 に 導 粧 指 鞠 の. 舶. ら . 梱−. 9蟷. ひ 刎 口 . 8−. 8 。 Bヨ第1明. 書 号図. J. 蟻 蕊 倣 鶉. 土. 塁. 饗. ロ . 文導 書噸 獄 国 判 指 駆矯 文 る 語の 認本け 国章 朔一 日 お 学文 レ し に 大的 鞠輪 導 教明 語 指 三三 本 緻鱗 解 ﹃る 四 読 室て 礒傭 の 究育 会 章 研を 学 文 語体 文 的 国主 国 激驕 語 明 学識 国 胤 大傘 測量 教﹃ 学 憲 文義 大 夫憲 正 ﹂信 波 迫正 筑 一 田 井 田井 小寺 寺 題森 司 問一 ヨ 姓. 姓姓. D幻. ﹁D. 一.
(9) 分析を行う。それによって、説明的文章の学習指導過程についての問題点と、 ﹁文章と学. 習者との距離﹂を縮小する︵11子どもの側から発想されたV学習指導過程を構築するため の要件を見いだすことにする。続く第二章では、第一章で得られた要件をもとに先行研究 に整理・検討を加え、説明的文章の学習指導過程を改善するための知見を得ることにする。 そして、第一章における学習指導過程の実態分析の結果と、第二章における先行研究の整 理とによって得られた知見とを総合し、第三章で﹁文章と学習者との距離﹂を縮小する学 習指導過程構築に向けての仮説を導出し、あわせて仮説にもとつく実践の構想︵デザイン︶ を提示したいと考える。. なお本論文で用いる学習指導過程の用語は、特に断りのない限り単元レベルでの学習指 導過程をさすものとする。その意味では単元計画という語と同義でもあるが、単元におけ る学習過程く学習者側のプロセス︶と指導過程︵指導者側のプロセス︶の概念を合わせ持 ったものとして考察しようとしたため、学習指導過程という語に統一することにした。. 第一章 説明的文章の学習指導過程の実態分析一﹁文章と学習者との距離﹂の視点から一. 第一節 学習指導過程の実態分析の目的 学習者に人気がなく、認識内容・方法の習得面においても本質的な学習内容を保障し得 なかった、要点・要旨まとめに代表される文章論的読解活動中心の学習指導過程︵11文章 側から発想された学習指導過程︶から脱却し、子どもの側から発想された学習指導過程を 構築するための仮説導出に向けて、まず説明的文章の学習指導過程の実態分析を試みるこ. 一. 6.
(10) とにする。分析の対象となる実践の中には、様々な展開を取りながらも、結果的に文章論 的読解活動中心のもの、すなわち文章側から発想されているものと、文章論的読解活動に とらわれない多様な学習活動を保障しているもの、すなわち子どもの側からの発想を重視 しようとしているものとが認められよう。しかし、それらの実践例を分類し分析すること で、前者の実践例からは、説明的文章の学習指導過程をめぐる問題点を取り出すことがで き、後者の実践例からは、仮説導出に向けての要素・要件を見いだすことができる。 実態分析にあたっては、説明的文章と読み手・学習者との問には、情報・内容や認識方 法の点で少なからぬ距離が存在するという立場に立って、その﹁文章と学習者との距離﹂ がどのように縮小されているか︵または、されていないか︶という視点から分析すること. 訓. 閉. 53. 捌 1 書 図 治 明. 謝. にした。・なお﹁文章と学習者との距離﹂という概念については、これ以降も使用して考察 を展開することになるので、次の第二節で整理をしておくことにする。. 二 二. 孝. 挙 白 撤. 靭. 第二節 説明的文章における﹁文章と学習者との距離﹂について 説明的文章に限らず、文章︵11書き手︶と読み手である学習者との間には、情報・内容 や対象認識の方法などに距離がある。だからこそ新鮮に読めるし、感動も得られる。読む とは、文章と読み手との距離を自力で縮めて、自己の世界に文章世界を取り込み、自己の. D. 谷 渋. 離﹂については、どのように捉えればよいのだろうか。いま少し検討を加えておきたい。. 姓. 世界を深化・拡充していくことでもある。では説明的文章における﹁文章と学習者との距. 渋谷孝氏は、説明的文章と文学的文章の文体的特性を対比しながら、各々次のように整 理している。︵庄、︶. ﹁. 7.
(11) ︿説明文﹀. ○事実の世界である。. ○知的・論理的な読みによる感動が起る。. ○説明的文章に没頭して夢中になるということはない。陶酔するということはな い。読み手は、つねに第三者の立甥に立たせられる。. ︿文芸作品V O虚構の世界である。 ○知的・情意的イメージ化の読みによる感動が起こる。 ○主人公とともに、作品世界の中で生きることができる。. ﹁作品世界の中で生きることができる﹂ということと﹁説明的文章に没頭して夢中にな るということはない﹂ということとを比べたとき、自然に読む状態では、説明的文章に対 する子どもたちの位置は、文芸作品に対するときより遠いということになろう。また渋谷 氏は、 次 の よ う に も 述 べ て い る 。. それに加えて文芸作品には必ず作中人物がいるので、児童生徒は一中人物の気持ち. 説明文の読解においては児童生徒はつねに作品に対して第三者の立場に立たせら. に想像の上で乗り移って、作中人物の心情 行動を気持ちの上で経験することもでき る。. れ る。 そして、第三者として、物事 現象についての情報を得たり、真実を指摘され て感動することがあるのである。これに対して文芸作品による・材の場合は、児童生 徒が作品の中に入ることができるので、説明文の場合とは異なった特有のおもしろさ を覚えることになるのである。︵注、︶. 文芸作品の場合、いくら﹁作中人物の気持ちに想像の上で乗り移﹂ることができる、. ﹁作品の中に入ることができる﹂といっても、前提として人物の行動や様子、心情などを. 77. 阻. 除. 19. 84. 治. 書 図 明. 謝 質 本 材 教 の 章 文 判 明. ﹃説 孝 谷 渋. P 駐. 一. 8.
(12) イメージ化できる想像力が備わっていなければならないが、それにしても﹁つねに作品に 対して第三者の立場に立たせられる﹂説明的文章に比べれば、文章に対する子どもたちの 親密度は初読段階から大きく異なってくる。また説明的文章では﹁第三者として、物事や 現象についての情報を得たり、真実を指摘されて感動することがある﹂としているが、こ れについては渋谷氏は、当該文章の認識方法によって的確な対象認識.がなされた上でのこ. と、と捉えていると考えられる。すなわち、文章内容の本質に迫ることが要求されるので あり、そのためには﹁文章と学習者との距離﹂への意識を払わざるを得ないことになる。 次に森田信義氏の﹁文章と学習者との距離﹂についての考え方は、次のような指摘に看 取することができる。. 読むことの’育を、 材に近い位置力ら構想する場合と、昌習者に近い位置力ら構 想づる場合とでは、読むことの 育の目標、内容、方法に相違が隼じる。 読むことの教育を構想する立場として、教材に偏らず、また子どもに偏らずという こ と が 望 ま し い と 言 え る が 、 ころカら構想されることが多力つたと言えるように思う。︵注、v. 森田氏は、説明的文章の読みを教材の極に近いところがらではなく、読み手学習者の極. .凹. 目. 離 囎. 鶴. 働 心 筋. 犠D. 試 製. の認識と教材に内包された書き手の認識とを比較、検討しつつ、自己の内に取り入れるべ. 細駐. に近いところがら構想しようとするのである。また﹁読むということは、子どもが、自分. きものを取り入れていく過程である﹂とも述べている。︵注、︶これは、学習者が読みの行為. D勿 駐姓. をとおして、文章との距離を縮小していく過程の一つのありようを示しているともいえる。 すなわちこちら側にある自分の認識のありようと、向こう側にある書き手の認識のありよ. 一. 9.
(13) うとを対比して、その間にあるズレや相違を認知し取捨選択して、自己の世界を拡充する プロセスが、読むという行為であるとしているのである。. こうした教材︵目文章11書き手︶と学習者︵11読み手︶、二つの極から読みの指導を考 察しようとしている研究としては、他に小田迫夫氏と寺井正憲氏のものがある。 ﹁文章と学習者との距離﹂に当たる考え方を小田氏は、次の指摘にもあるように、書き 手の視点と読み手の素地という関係で捉えている。. *読むことの指導は、結局、書き手の認識の視点と読み手頚習者の認識の素地を両極 として、そのこ極をつなぐ︷業である。情報を読むことも論 を読むこともレトリッ クを読むことも、それらのために構成をとらえ要点・要旨をとらえることも、 べて. この二極をつなぐ作業の過程に組み込まれるべきものである。その意味で、 認識の素. 臥. 田. 阻 瞼 教. 創. 皇 群. 齢. 殉 謳. 地としての学習者の経験、知識、思考レベルが問題となる。︵注、︶. 虻. 魏. 視点﹂ ﹁読み手学習者の認識の素地﹂ということばで表現し、捉えている。さらに読むこ. 襯. 森田氏が﹁教材に近い極﹂ ﹁学習者に近い極﹂としたのを、小田氏は﹁書き手の認識の. とは結局﹁その二極をつなぐ作業であ﹂り、説明的文章の読みのための学習活動も﹁すべ. 夫 迫. 姓. D. J. 咽. 主. 爵. てこの二極をつなぐ作業の過程に組み込まれるべきものである﹂とする。読み手学習者か ら説明的文章の学習を発想し、読み手学習者の認識の拡充を意図したとき、まさしく両極 の間にある距離を縮小し、両極を﹁つなぐ﹂ことが不可欠な学習になるのである。. 寺井氏は、説明的文章の実践の位置づけを、文章に近い極と読者に近い極の二極の問に 位置づけることで、指導や学習活動の性格・ありようを明確にできるとしている。 読者を中心とした学習活動の極が具体的な学習活動 論として即位されることに. 0. 一. 1.
(14) よって、すでに定位されていた文章を中心とした学習活動の極をもう一方の極として ︵文章と読者を両極とするのは先に紹介した寺井の枠組みによる︶、その両極の範囲 の中にいろいろな実践的理論的提案を位置づけていくことが可能となってくる。例え 指導や学習活. ば、説明的文章の読書指導に関わる情報読みのようなものも、文章側の情報を補う形 で行うのカ、それとも読者の世.界を構築させる形で行うのカによって、. 動の在り方が異なってくるだろう。また、 ︵注ユ︶. 読みを﹁文章側の情報を補う形で行うのか、それとも読者の世界を構築させる形で行う のか﹂という指摘は、 ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小することとの関連で捉えると、文. 章へ読者を近づけ、文章に従属させられる形の縮小を図るのか、それとも読者が自己の課 題意識に即して文章を取り込む形で縮小を図るのか、という問題に通じる事柄となる。前 者の立場では文章論的読解活動中心の学習指導過程に陥りやすいことを考えると、後者の 立場に立っての﹁距離﹂を縮小する学習指導過程構築をめざすべきだということになる℃ この点については、寺井氏も﹁この両極の問に実践的理論的な提案を眺めたとき、積み重. ㎜ 醜. ゆ 田. 八 削 回 語 国 学 科 育. 撒 伽 淀. 柳 み. 強 撤㎜. いだろう﹂と指摘している。︵注、v. 礁p. 題じ 囎胴. 鞭P. 以上、渋谷、森田、小田、寺井各氏の見解を引いて﹁文章と学習者との距離﹂の捉え方. 耕佐. ねが手薄である読者の極に近い実践や理論が、今後開拓され議論されてこなければならな. を見いだそうとした。その結果、各氏ともに﹁文章と学習者との距離﹂を認識・した上で授. D勿 儀駐. 業を構築することの必要性を唱えており、また文章︵手書き手︶側よりも、読み上側に近 い発想による説明的文章指導を志向しようとしていることもうかがえた。. [. 11.
(15) 第三節 学習指導過程の実態分析の方法 学習指導過程の実態分析を﹁文章と学習者との距離﹂の視点から行うことの意義につい ては前節で一応の確認ができたが、学習指導過程における何が、どのように変容すれば ﹁距離﹂が縮小されたことになるのかを明確に定義、評価し分類することは困難である。. なぜなら、読者が自己の課題意識に即して文章を取り込む形で﹁距離﹂の縮小が図られて いるかどうかを正確に見極めようとすると、学習者の認知・認識の筋道が明示されている 詳細な実践記録を得る必要があるからである。しかし、そういう実践記録は質的・量的両 側面において現時点では入手不可能であると思われる。また第︸節で述べたように、実態 分析の目標を﹁文章論的読解活動中心の学習指導過程︵一文三親から発想された学習指導 過程﹀から脱却し、子どもの側から発想された学習指導過程を構築するための仮説導出に 向けての要素・要件を見いだすこと﹂に置いたとき、 ﹁距離﹂を数値化する等の厳密な分. 析・分類は特に重要ではなく、たとえ主観的要素が強い分析・分類作業であったとしても、 そうした作業によって得られた特徴的な事柄こそに意味があると考える。. そこで、説明的文章における単元の学習指導過程の実態分析を行うにあたっては、実践 記録における単元計画の記述に着目し、そのありようから類型化を試みることにした。記 述されている単元計画は、部分的・形式的記述にとどまっているともいえるが、一方そこ には学習指導の道筋が端的に示されていると見なすこともできると考えた。分類にあたっ ては、作業仮説的に次の三つのタイプを想定し、分析・類型化を行うことにした。 ⑦︻﹁文章と学習者との距離﹂不変傾向型︼. 一. 12.
(16) 要点、要約、構成等の文章論的読解活動が単元計画の中核となっている事例。学習 活動の設定には特別な工夫が見られないもの。 ②︶︻﹁文章と学習者との距離﹂部分縮小志向型︼. 不変傾向型の事例には見られない特別な活動が配されているが、どちらかというと 部分的・突発的な位置づけになっているもの。 ③︻﹁文章と学習者との距離﹂縮小志向型︼. 要点・要約等の文章論的読解活動にとらわれない学習活動が工夫されており、それ らの活動に何らかの一貫性を認めることができるもの。. 具体的には、実践記録の単元計画を検討して、記されている学習活動をはじめ、なか、 おわりの三段階に振り分けて位置づけ、その上で不変傾向型、部分縮小志向型、縮小志向 型のうちのどれに該当するかを決定し、整理した。なお今回対象とした実践記録は、すべ て﹃実践国語研究﹄ ︵明治図書︶所収のものとした。これは﹃実践国語研究﹄が比較的特 定の主.義主張にとらわれない実践事例を掲載している全国誌と判断したこと・による。文献. は一九八○年∼一九九六年までのもの︵全一一二実践例︶とした。. 第四節 学習指導過程の実態分析の結果と考察. 1 類型別の割合 全調査実践一=一事例を先の三類型︵不変傾向型、部分縮小志向型、縮小志向型︶に分. 類し整理したものの一覧は、巻末資料1に示した。表1−4⋮1は、調査実践数︵一一二. 3. 一. 1.
(17) 事例︶に占める学習指導過程各類型の割合を、学年層別に示 したものである。全学年を通しては不変型が六九%を占め、. 子どもたちには人気のない、要約・構成などの技能を中心と した、文章の側からの学習活動を中核とする学習指導過程が 圧倒的 に 多 い 結 果 と な っ た 。. 学年層ごとに見た場合には、 一・二年、三・四年に不変傾. 向型の割合が、それぞれ七二%、七六%とより高い結果とな. った。巻末資料1の分類を通覧し、推察したところによると. 過. 型. の. 審恰. 二 三 程. 習. 十 指. る. ︸・二年生においては、基本文型に培おうとの意識からオ⋮ ソドソクスな学習指導過程となることが多いためだと思われ. 占. 学. る。三・四年生においては、要点や段落指導が前面に出され. 数 践 実 査. 表. つ. ﹄一. 4. 一. 1. 調. に.. め. 直接的に指導される学習指導過程が多いことによるものだと 思われる。この点において、三・四年生は、他の学年層以上 に学習指導過程が画一化・硬直化しているともいえる。これ は、縮小型が一事例のみという結果になったことにも表れて いる。 一方、五・六年になると、不変型は六〇%と若干減少. しその分縮小型が一=%に増加した。これは学習者の表現力 の高まりによって、総合的な学習指導過程が設定しやすくな ったことが要因の一つではないかと考えられる。 続く第二項では、 ﹁文章と学習者との距離﹂縮小志向型に. の簿全幽. S︵. S︵. S︵. 層年学型類. 凹雨晒2. 同巧12/177. Hつ餌7. 脇一華. 鴇d12/119. H肘粥. “八二2. %72路鮒. 歯向傾変不駒糖. %14匪/116. H”魍. 脇陣1/. 禍肝玉. 型向志小滴繭唖﹁. 1. 4. 皿.
(18) 見られる学習指導過程の特徴を整理・抽出し、 の要 件 を 得 る こ と を 試 み る 。. 説明的文章の学習指導過程を改善するため. 2 ﹁文章と学習者との距離﹂縮小志向型に見られる学習指導過程の特徴 1各段階における学習活動に多様性があること 一つ目の特徴は、学習指導過程の各段階における学習活動に多様性が認められることで. ある。巻末資料2の表11412∼表1−4−4に、先に示した各類型の実践における学 習活動を各段階ごとに整理して示した。. 表1−412の不変傾向型では、 一・二年に﹁実物をもとに説明対象を意識化する活動﹂ ︵﹁はじめ﹂の段階︶、 ﹁生活との関連を求める活動﹂ ︵﹁なか﹂の段階︶、 ﹁説明内容. に対する自己の体験や考えをまとめて表出する活動﹂や﹁説明内容を再構成する活動﹂ ︵﹁おわり﹂の段階︶など、若干学習活動に多様性が見られるが、三・四、五・六年にな ると全般的に要点や要約、文章構成などを検討するタイプの学習に集約化される傾向にあ る。また学習活動も、従来から行われているものと特に違いは見られず、とりわけ﹁なか﹂ の段階では要点まとめや要約文を書くなど形式面に直結した学習に比重がかかっている。. 一方、部分縮小志向型や縮小志向型では、不変傾向型にはなかった様々な活動を各学年 層の各段階に見ることができ、形式面に偏向した画一的な学習活動ではなく、工夫を凝ら. した授業展開を試みようとする意図が感じられる。表1⋮4i4の縮小志向型の場合では、 ﹁はじめ﹂の段階では﹁実物をもとに説明対象を意識化する活動﹂ ﹁説明対象物への自己 の認識レベルを自覚する活動﹂ ﹁挿絵・図等をもとにした読みの活動﹂ ﹁読みの構えづく. ﹁0. 一. 1.
(19) りの活動﹂ ﹁問題づくりに関する活動﹂などに着目する。また﹁なか﹂の段階では﹁複数 教材の重ね読みの活動﹂ ﹁特定の立場に同化した読みの活動﹂ ﹁説明内容を再構成する活. 動﹂などが、新しい説明的文章指導の開拓につながりそうである。最終﹁おわり﹂の段階 では﹁説明内容を再構成する活動﹂ ﹁説明内容に対する自己の体験や考えを表出する活動﹂. ﹁同様テーマ等についての表現活動﹂などが、単元全体のまとめとして達成感のある学習 活動を 設 定 す る た め の 参 考 と な る 。. しかし、学習活動が多様であればよいかというとそうではない。縮小志向型には、絵本 にする、クイズ化する、パンフレソトにするなどがあるが、これら学習者が意欲的に取り 組むであろう活動に説明的文章の学習内容をどう含ませるかが課題となる。活動を多様化 し学習を総合化することは、 ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小することには有効であると. 思われるが、あくまで学習内容を踏まえて縮小されるのでなければ意味がないものとなる。. 2学習活動に目的性・必然性が見られること、一表現活動との関連− 縮小志向型には、学習者にとって意味のある表現活動を伴うことで、目的性や必然性を. 保障しようとしている流れ︵プロセス︶をとっているものが見られた。例えば、図114 11の﹁縮小志向型および不変傾向型の学習指導過程例﹂に示した二年﹁たんぽぽのちえ﹂ ︻実践例a︼では、 ﹁はじめ﹂の段階でたんぽぽの観察をし、そこで見つけた不思議の答 えを見つけて紙芝居に生かすために、 ﹁なか﹂の段階の教材本文の読み取りが行われる流 れになっている。六年﹁長屋王木簡の発見﹂ ︻実践例b︼では、 ﹁はじめ﹂の段階で﹁筆. 者の感動体験を対談記事にまとめていくこと﹂を知って、その目的に向けて﹁なか﹂の段 階の﹁筆者の感動を表す効果的な表現に着目しながら各段落を読み取り、内容を対談記事. 6. 一. 1.
(20) ﹀. 数 間 時 業 授 は. 字 数. 中 る ま. 注. 型. ﹀. く. 向 志 小 く. a. 縮. ︼ 例 践 実 ︻. 階段のかな. 階段の勃は. 標.日M. 名材.教. 弊 献文. 鶴. 筋枷報胱胡た.え. 2 i414㎜冊. 5. 向. ﹀. 型 .志. 向. ﹀. 型. ﹀. 文①約要ら. −がな. か. し 生 ﹁﹁. をく. .d;燭:::.−,−,−,,︻P,,:−−. 割役. ②っ④ を. , ■. ①. ︸ 冒 ・ 膨 1 ● ● ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 層 ・ 冒 . 蟹 1 ■ 8 層 . 1 . , 欄. 蛋 ぐ さ を. 容内 ⊃らる. む の む重る見 かてめ意 つ.つ深の をわを者む法. 向. 型 向. ︼. ■ , 1 聖 0 ■ ‘ . , 1 ■ .. 話たら⑪をつかと思てこ 、いたで書つんに思読トーに一︻ 冨. ︾一 ノ ・つ 9こうを合落合とし段しこ話. , r I . ‘ ﹁ . . l l o .. ①①①. 乱. け6つ.うを. ○ ﹁ ○. 24. 4514珊瞼. 2. ↓事ビエ. 大 ︶の 書一 束’、 ︵. な述記. ﹀ し. 型. 傾. 践 実 ︻. 例. e. く. 不. 変. 6. 20. 50 999 01 N. 傾 変 く. 不. る︶え村教光が︵塚ぞ貝な. く. 3. 77 6酬隙. 6. 志 小 縮. ︼ C 践 実 ︻. 例. く. 6 8413梱阻. 6. ︼ d 例 践 ︻実. 小 縮. ︼ b 例 践 実 ︻. 5. 不. 傾. の. 例 程 謹 製 指 習 学. 型 向. 変. よ. び. お. 型.. 小.. 向 志. 縮. 1. [. 4. 1. 図. 1. 7.
(21) に書く﹂という学習活動が展開されている。また﹁貝塚が教えるなぞ﹂ ︻実践例C︼では、 ﹁はじめ﹂の殻階で学習者に問いを作らせ、 ﹁なか﹂の段階ではその問いに対する答えを. 見つけることで教材文の読みを展開させようとしており、大きな表現活動は伴ってはいな いが、問いと答えの作成という形で目的的な読みを保障しようとしている。. これに対して不変傾向型の多くには、縮小志向型に見られるような目的性や必然性、そ れらにつながる表現活動は見いだしにくい。例えば六年目ノグチゲラの住む森﹂ ︻実践例. d︼は﹁題名読み←内容理解←要約文﹂という典型的な従来型の流れである。また二年 ﹁ビーバーの大工事﹂ ︻実践例e︼では、 ﹁段落ごとに題をつける←段落ごとの読み﹂と. いう流れをとっており、これは低学年であるにもかかわらず渋谷翼壁が指摘した﹁﹃大段 落﹄分けは、 ﹃小段落﹄ごとの読みに先行するか﹂という問題提起︵注、︶に類する事柄を踏. まえておらず、学習者の意識とは離れていると考えられる。またその流れの続きとして、 ﹁おわり﹂の段階ではビーバーに関した図鑑や絵本を読んだり、ビーバーに手紙を書いた りと表現活動は行っているが、このことが教材文の表現を確かめたり、吟味したりするこ との強い契機になるとは考えにくい。. 3教材の特性が生かされていること 実践例の実態で特徴的なことのいま一つは、教材によって不変傾向型か縮小志向型かの 違いが比較的はっきりと出ているものがあることである。例えば五・六年を見てみると、 ﹁ノグチゲラの住む森﹂は不変傾向型には三事例あるが、縮小志向型、部分縮小志向型に は事例数はゼロである。逆に﹁長屋王木簡の発見﹂は縮小志向型のみに三事例、 ﹁オゾン がこわれる﹂ ︵﹁太陽のめぐみ﹂もセント教材として含めて考える︶は縮小志向型に三六. F. 四. 磁. 二 目 一. 指 囎. 酬. 舗 蜘. 蹴. 辮. 副. 8. ﹁. 1.
(22) 例、部分縮小志向型に一事例で、不変傾向型には見られない。もちろん今回の実態調査は 事例数が多くないため、この結果をもっていいきれるのものでないが、教材の特性を生か して学習指導過程を設定することの必要性への示唆として受けとめられる。. ﹁長屋王木簡の発見﹂の場合、筆者である﹁わたし﹂が、木簡を発掘していく過程や木 簡から発見・解明されることがらを語っていく、すなわち筆者が感動体験を語っていくと いう書きぶりになっている。 ﹁筆者の感動体験を対談記事にする﹂ ︻実践例b︼ ︵図1−. 411︶や﹁筆者対読者側で討論する←感動体験を説明文に書く﹂ ︻実践例f︼ ︵図11 4−2︶などは、そうした説明的文章の教材の特性を直接的に生かした実践例であると考 えられる。説明的文章の学習指導過程を論じるときには、教材の特性との関係に意識を向 けていきたい。. 4説明的文章の構造や読み方に触れさせていること 数は少ないが、縮小志向型五・六年の﹁人間と道具﹂ ︻実践例9︼ ︵図11412︶の ように、説明的文章の構造や読み方に触れさせる単元計画をとっているものが見られた。 この実践は単元の﹁はじめ﹂の段階で目的を示すとか、表現活動に生かすために﹁なか﹂ の段階の読みが行われているといったことは顕著には認めにくいが、題名読みとの比較で 読みの構えを作らせ、読み取りにあたっては内容についての認識を深めることを目標に、 問題・解明・結論・筆者の考えなどの説明的文章の基本構造に概略的に気づかせた後、筆 者が提示している悶題についての解明の仕方を読ませ、筆者の考え方に対する自己の考え を深化させようとしている。さらに﹁おわり﹂の段階では、自己の認識.内容をもとに意見. 文を書かせるという、手堅い学習活動が展開されている。活動そのものに特に目新しいも. 1. 9. 一.
(23) のがあるわけではないが、. 学 習 者 の 認 識 と 筆 者の認 識 を 対 峙 さ せ る こ とでは 貫 し て い る と 推 察され る。先に従来の説明的文. 章 の 授 業 と は 違 っ た活動 が導入されても説明.的文. 章 と し て の 学 習 内 容が希 薄 で は 不 十 分 で あ る旨を 述 べ た が 、 そ の 点 からす ると、本実践.が示してい. る方向は学習指導過程を 設定する際には意識.され. る必 要 が あ る と 思 わ れ る 。 以上、 ︻文章と学習者. と の 距 離 ﹂ 縮 小 志 向型の 学習指導過程の特徴﹂とし. て四点をあげることがで きた。これは、そのまま. 学 習 指 導 過 程 を 改 善して. ﹀ 数.. 数. は. 業 授. 間 時. 字. る ま. 中. く. 翻. 献文. 韓. 名材教. 標目. 階段の働は. 階段のかな. 婚. ﹀ 型‘. 向 志 小. 縮. d 例 践 実 ︻. しな述記. 駒棚木 光王 ︵屋見長発. 6 251599qlN. 7. 向. ﹀. 型. く. 志 小 縮. . . 践. 例 実 ︻. 6 08働α−王N. 4. 例 程 過 習. 導 指. 小. 学 の 型 向 志. 乞. 縮. 4 つ. 図. 2. 0.
(24) いくための要件ともなる。 ︵なお四つの特徴︵要件︶を、先に取り上げた縮小志向型・二. 係 関. の.. と. ︵外層円︶. ω要素的な知識等 1知識の内容. ②概括的な知識等. 漏嚢業 欝環繋. 鎗欝讐境聾 程 過. の. 容. と. 内. 知. 等 識. 性書齢剛鰐犯けけ. @ @蝋 勿麗劫囎桝勝褐縮狛. e響篇鑓. 学事し﹂と内識円と ﹃5示標に一・知層標 は5を目二等﹁外目 氏97造る習方﹂﹁次 蔵−構すのえ標﹂高. 程5・知礎ら一結卜し 過皿﹁基ま円・の内義 習 、をど層塾等.と定. @ 最64内標い形・のとい のレ幽門なの菓円て. @群鶴墨斑野. 治、 にざ■もで 明て旧識らめ・とん. 、 ■に 、. 拗鯛. 一景㈱鷺掌灘. 年生﹁たんぽぽのちえ﹂ ︻実践例a︼に対応させると、巻末資料3の表11415のよう になる。︶. 3 目標と内容−方法の整合性 ここまでで学習指導過程の類型化によって得られた四つの特微を示したが、他に類型の 如何にかかわらない土ハ通の問題として、単元の目標と単元計画との問の整合・不整合とい. ことがある。単元計画の学習活動の内容とその順序性をもって﹁内容一方法﹂を示すとす. ると、学習指導過程における目標と内容1方法の整合・不整合の問題といい換えることも できる。これは、学習指導過程における活動の順序性・流れに関係する重要な問題である。 説明的文章教材の場合、指導目標︵ねらい︶としては次の二つに大別できる。一つは基 礎的・技能的能力︵基礎目標︵注、︶︶としての要約力・文章構成把握上等をつけること、も う一つは、基礎目標に対する高次目標︵庄、︶である学びとり方の能力としての論理的認識力. をつけることである。したがって、本来なら﹁要約力をつける﹂という基礎目標を達成す るには、それにふさわしい﹁内容−方法﹂がセットされ学習指導過程が構想されるはずで ある。また﹁論理的認識力をつける﹂という高次目標についても同様のはずである。しか し実態としては、このセントのありように不整合が生じている学習指導過程が散見された。 以下、整合の事例と不整合の事例とを示して考察を加えることにする。. ︻事例1一整舎︼ 六年﹁人間と道具﹂、NO一〇八、︸九九一年 ※この実践は、先に︻実践例9︼として示したものと同じものである。. 駐. D 図右層内学そう、う . 1. 一. 2.
(25) 押さえながら読む。. ﹁論理的認識力﹂中心 ︿目標V ← ○人間と道具とのカカわりの本来の意義について認識を深め、自分の考えをもつ。 ・事象を客観的に述べているところと、書き手の意見を述へているところとの関係を. ・書き手のものの見方、考え方について、自分の考えをはっきりさせながら理解する。 ・目的に応じて、適切な読み物を選んで読む。 ︿計画﹀︵全八時間︶ 一 ﹁論理的認識力﹂の深化中心 第一次 ・題名読み。全文通読し、予想と比べてみて興味を引かれたところについて 話し合い、読みの構えをもつ.、 ①時間 ・読み進め方を考える上で気づいたことをノートに書き出し発表する。学習. 計画を立てる。① 第二次 ・全文の構成を調べ、提示されている問題・解明・結論・書き手の考えの各. ・第一の問題の解明部分を読み取り、 書き手の論の進め方を理解する。① 道具と人間の関わりについて認識を深 ・第二の問題の解明部分を読み取り、 ① める。 自分の考えをも ・全体の結論と書き手の主張を述べ て い る 部 分 を 読 み 取 り、 ① つ。 考えたことをもとに取木し意見文を点く。 ①. ・﹁人間と道具﹂で学んだこと. 部分がどの段落にあたるのかを読み分ける。②. 第三次.. 高次目標としての論理的認識力をn日標に位置づけているのに対して、学習指導過程も書 き手︵筆者︶の認識のありようを探らせ、それに対応させる形で学習者自身の認識力を深 化させようとしており、論理的認識,カを育成することについて﹁目標−内容−方法﹂の整. 2. ソ静.
(26) 合性が図られている事例であると考えられる。 、. ︻事例21整合︼六年﹁ノグチゲラの住む森﹂ NO一〇六、 ↓九九一年、不変傾向型. ・段落の構成に気を付けながら、要旨をまとめる。 ・まとめた要旨をもとに要約文を書く。 ・文型や語句の練習をする。. ① ①. ①. ︿目標﹀ 具体的な記述はないが、実践記録の題目が﹁要旨をふまえた要約力の育成 1中心語句を文章構成からまとめ要約する一﹂となっていること等から、基 礎目標に即して要約力の育成をねらった実践であると推察される。 ︿計画V︵全六時間︶←要約作業中心 第一次 ・全文を読み、初めの感想から、読みの課題を持つ。 ① ・文章のまとまりごとに要点・小見出しをつけるとともに自分なりに要旨を とらえ、要約する。 ① ・﹁ノグチゲラと森がどのように助け合っているのか﹂ を読み取る。 ①. 第三次.. 第二 次 第四次.. 第五 次. 基礎目標としての要約力の育成を目標としているのに対して、学習指導過程は第 次か ら第四次まで一貫して要約作業に帰結する方向に徹しており、 ﹁目標1内容1方法﹂の整 合性が図られている事例であると考えられる。ただし説明的文章の授業においては、教材 の如何を問わずこうした要約作業を中心としたタイプの授業が圧倒的に多く、画一化・硬 直化を招く元凶の一つとなっている。. ︻事例31不整合︼四年﹁カブトガニ﹂、NO︸︻五、一九九二年、部分縮小志向型 ︿目標﹀ 一どちらかというと基礎目標重視. 3 2.
(27) ・筆者の説明していることを、正確に読み取ることができるようにする。 ︿計画V︵全七時聞︶ 第︸時 全文を通読し初発の感想を書く。 第二時 感想文を発表し、もっとくわしく知りたいことを話し合う。 書き 表ずる。 第三時 くえしく矢りたレことを質問の形に てカブトガ一 糸 第 四 ・ 五 時 カ ブトガ[にな た もり 質陪 陪に答える。 廊貝﹂ノ艮. 富7一、寺. 第七 時 要 旨 を ま と め る 。. この実践では﹁筆者の説明していることを正確に﹂読ませようとしていることから、認 識面よりもどちらかというと読みの技能面を中心にねらっていると考えられる。その点で は、第六時、第七時の学習は目標と合致しているといえる。しかし、第三時∼第五時では カブトガニへ質問の手紙を書かせたり、カブトガニにならせて返答させたりするなど、理 解と表現の関連を図って子どもが取り組みやすいような配慮はしているものの、 ﹁くわし. く知りたいことを質問の形にして﹂という活動に見られるように、本文から離れた調べ学 習的な方向に進む可能性も高く、目標の﹁正確に読み取る﹂こととは合わない面が出てく るように思われる。つまり目標に合致した学習活動と合致しない学習活動とが不用意に混 在した様相を呈しており、学習指導過程としてはまとまりに欠けていると考えられる。 以上﹁目標一内容!方法﹂の整合性の観点から、学習指導過程の実態について述べた。 ﹁内容一方法﹂を形式的な側面から捉えての検討であるため、実践のありようを十分に把 握できていない要素はある。しかし形式的なものであっても、そこに﹁目標一内容一方法﹂ の不整合を思わせる箇所があれば、実際の学習でも不自然さは生じているはずである。問. 4. [. 2.
(28) 題は、その不自然さを子どもたちは感じていても、指導者は気づいていないところにある。 説明的文章の学習への情意を高め、当該教材で培うべき認知・技能の力を保障するため には、 ﹁目標一内容一方法﹂の整合性が図られた学習指導過程が設定され、実践されねば. ならない。これは、本論文で考察しようとしている、子どもの側から発想された学習指導 過程︵11読み手学習者の極から﹁文章と学習者との距離﹂を縮小する学習指導過程︶を構 築するためには、目標に即して、どういう学習活動を、どういう順序性・流れで配するこ とが適当であるのか、ということへの示唆に他ならない。この学習活動の順序性・流れの 間題は、先に抽出された縮小志向型の学習指導過程の四つの特徴のうちの一つ目﹁学習活 動の多様性﹂と合わせ、 ﹁学習指導過程における学習活動の組織・展開﹂の内部事項とし て、続く第二章において先行研究における検討の対象とする。. 第二章 説明的文章の学習指導過程を改善するための要件についての先行研究の検討. 第一章における学習指導過程の実態分析によって、 ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小す るための要件として、 ﹁学習活動の多様性﹂ ﹁学習活動の目的性・必然性﹂ ﹁教材の特性. との関連・対応﹂ ﹁文章の構造や説明的文章の読み方への対応﹂の四点を作業仮説的に帰. 納することができた。このうち最初の﹁学習活動の多様性﹂は、学習指導過程における ﹁目標一内容一方法﹂の整合性の検討から得られた﹁学習活動の順序性・流れ﹂の閤題と 合わせて、 ﹁学習活動の組織・展開﹂の事項としてひとくくりにする。また最後の﹁文章 の構造や説明的文章の読み方への対応﹂は、 ﹁学習内容の保障﹂というふうに捉え直すこ. ﹁0. ﹂. 2.
(29) とにする。すなわち本章では、学習指導過程における﹁学習内容の保障﹂ ﹁学習活動の組 織・展開﹂ ﹁学習活動の目的性・必然性﹂ ﹁教材の特性との関連・対応﹂という四つの要. 件に即して先行研究を整理し、 ﹁文章と学習者との距離﹂を縮小する学習指導過程を構築 するための仮説の内部事項・要素を得たいと考える。 ︵四つの要件の順序は第=早とは変 えている。︶そのために第︸節では、 一九六〇年代以降を対象に、説明的文章の学習指導. 過程をめぐる先行研究を概観し、考察対象とすべき文献の性格を確認しておくことにする。 そして第二節以降は、四つの要件の一つずつに一つの節を設けて考察を加え、さらにそれ らを最終第六節で総括する... 第一節 説明的文章の学習指導過程をめぐる先行研究の概要 1一九六〇年代以降1 ︻学習指導過程研究の萌芽期︼ ︵[九六〇年代∼︻九七〇年代はじめ︶. 説明的文章教材の指導が文学教材と領域を画して本格的な展開を見せ始めたのは、一九 六〇年代に入ってからのことである乏されている。︵注、﹀それに合わせて学習指導過程に関. しての実践的・理論的提案も様々になされるようになった。例えば、一九五九︵昭和三四︶ 年に創刊され現在まで継続発行されている雑誌﹃教育科学国語教育﹄ ︵明治図書︶におけ. る一九六〇年∼⋮九七〇年代はじめの特集テーマを通覧すると、説明的文章の学習指導過 程に関しては次のようなものがある。 A﹁説明的文章の指導過程﹂ ︵六八号、一九六四年︶ B﹁説明的文章の導入で全文通読が必要か﹂ ︵八七号、 一九六六年︶. C﹁説明的文章の読み方指導﹂ ︵一一六号、︸九六八年︶. 辛ム冊ら. 治章の 明文そ 真草に. ユニロ. 終編. 育指なべ 教方に述 語みうと. 二㌔.のす. 国読よ﹂﹁. 雛畿. 教 、の論. 研明成れ 育説形ま. 一門渤楯 ﹂代認と 予料九駐. 鷲獅. 教てよを. 説に読表. 倣灘囎. ㍊初關. 款撫 響轍. ユ. 一図の説 姓. 6. . 2.
(30) D﹁説明的文章の指導過程の考え方﹂ ︵﹁四一号、 一九七〇年︶. ここに所収の論考の中から特徴的なものをいくつか取り上げ、 ︸九六〇年代∼七〇年代. 初めの説明的文章の学習指導過程をめぐる実践・研究動向を把握することにする。 当時の学習指導過程論は、説明的文章の独自性へ意識を向けようとしてはいたものの、. 51. 醗. 皿胤. 糠. 湿. 紡. 樽. 酬 徽. 掴. 講. 隣 削. 囎 68. 三. 篶. 文章論的な読解指導に閉じる傾向にあった。Aの文献では、小学校から土田茂範氏、有定 稔雄氏の二人が指導過程についての提案をしている︵巻末資料4参照︶。︵圧、vしかし土田. 教 門 国. 翻. 性. D. 性 姓駐. 12 勿 のの. 土. 田. 茂. 範. 墨壷勿 碇贈縫. 輪. 理. 認鮮. 獺 奴口 創 添重 幽醐 頼. 蜷 効髭. え ら と. 轍. 学 科 育. 氏の提案した指導過程は、説明的文章独自のものとはいい難いものであった。また有定氏 は﹁内容的読解法式﹂と﹁練習的読解方式﹂㊨二種類の学習指導過程を提示したが、どち らも文章論的読解活動中心の内容受容型であり、批評的な読みの要素は認めにくかった。 Cの文献では、大西忠治氏らが説明的文章の読み方指導の実践報告をし、︵注、︶その中で. 説明的文章を記録するタイプ、説明するタイプ、論述するタイプの三つのタイプに分けて、 それぞれに対応した指導過程を示した︵巻末資料5参照︶。大西氏らの読み方の特徴は、 説明的文章をひと括りにして捉えるのではなく類型化し、タイプ別の指導過程を提示した こと、さらに柱という概念を用いて﹁柱にしぼらせたり、柱と柱以外の文︵段落︶との関 係をあきらにさせたりすることで、子どもたちに説明するタイプの文章の性格を理解させ、 それを読み解く力をつけていく﹂︵注,﹀としたことである。しかし、この読み方は大西氏ら. も﹁けっきょく、形式論理を子どもたちに教えこむことこそ、説明するタイプの文章の読 みの指導ではないか、ということに私たちは気づく。形式論理を教えることを、私たちは 国語でめざしていいのではないかと思うのである。﹂︵注、︶と述べているように、文章論的. 読解指導の系譜に入るものであった。. 7. ﹁. 2.
(31) Dの文献では、飛田多喜雄氏が、説明的文章の特性として伝達と説得をあげ、伝達系列 の文章では二読法︵意図などを考えさせるために三次的方式をとってもよしとする︶を、 説得系列の文章では三読法を基本とする読解指導過程を示した︵巻末資料6参照︶。︵注、︶. 説明的文章の特性とした伝達系列と説得系列それぞれに対応させて指導過程を分けている こと、すなわち説明的文章のタイプ別に指導過程を分けようとしていることは、洗の大西 忠治氏らの指導過程論と同じである。飛田氏自身が﹁要は、説明的文章にかかわる個々の 指導過程は、固定化せず、当事者の創意をもって考案すべきこと、それらの基本となる過 程は、教材の特性をふまえた簡明なものでありたい﹂︵注、︶と述べているように、説明的文. 章の読解指導過程の基本性を重視したモデルであった。. 内容的には、第三次に作者︵筆者︶との対話、意見の個人化・自己化、批判的見解の交 流など読み手の極に近い学習活動も見られるものの、第三次は説得系列の文章用に設定さ れていることからすると、伝達系列の文章では第二次の構成、段落内・段落問の精査など の学習活動が中心となり、文章側の極に近い学習指導過程のモデルとなっている。問題は、. こうした基本モデルが飛田氏のいう﹁個々の指導過程は、固定化せず、当事者の創意をも って考案すべき﹂ものとして実質的に機能し得るものだったかということである。. この他、先の四つの文献の中には、具体的な学習指導過程モデルの提示ではないが、理 論面 で の 傾 聴 す べ き 論 考 が あ っ た 。. 一つ目は、Cの文献における高橋和夫氏の﹁どの指導過程を採用するかは教材に関する 限り、その文章形態に依るのではなく、教材の興味関心度と教材の難易度︵これはあいま いな規定だが︶に依るのである。﹂︵注。。︶という見解である。この高橋氏の見解は、説明的. 臨 卿 1. 87 皿. ㎜ 三. 創 寸 教. 当 蠕. 轍 . 番 樽 酬. 卜 如. . の. 程 二 二. え. 考. 指. . 綴. 媚. の 省 文 雪 明. 駁 雄 喜 多. 田. 響飛辮 58 D p勿3一. 姓駐 性. 8. 一. 2.
(32) 文章の学習指導過程を固定化せずに、教材と学習者とを変数とする可変的なものとしてモ デル化したり、具体的に設定したりしなければならないという考えに通じて示唆的である。 とりわけ差し替えが頻繁に行われる説明的文章教材の現状を考えたときに、学習者の先行 経験や既有知識との関係で教材の特性をどう把握し、それを学習指導過程の構想作業にど う生 か す か は 重 要 な 課 題 で あ る 。. 二つ目は、Dの文献における長谷川孝士氏の﹁いかなる説明的文章の指導においても、 筆者の認識のありようを意識化させ把握させて、それと向き合うことによって、発見・疑 問・土ハ鳴・反発、あるいは今までの自己の認識の肯定・否定等々の精神活動をとおして、. 読み手主体の認識が深化・変革されていくことをめざすのである。それも、読むという言 語行動を軸としておこなわれるのである。﹂︵注、﹀とした提言である。長谷川氏は文章論的. ひ. 29. ⋮川. ㎜. 剛. 創. 傲. 早 言 翻 向. の関係、筆者の認識と読み手の認識との関係などの事項﹂を三思識的に、適切にとりあげ﹂. 醜. 艸. 読解活動のみで構成される授業を否定し、 ﹁ことばと事実との関係、事実と意見・判断と. る指導、ことに﹁事実への還元という方向だけでなく、書かれた﹃事実﹄から抽象へとい. 心. う、知的活動が重視されるべき﹂こと、すなわち﹁抽象的思考能力の伸張を思考する態度﹂ の重視を主張した。︵注、︶このように、長谷川氏は早くから、文章論的読解活動の対極に認. 識や思考に培う学習活動や学習指導過程を置き、説明的文章指導の活性化を促した。. 三二. 灘. 欝 醗 偉. 以上、 ﹃教育科学国語教育﹄所収の論考によって、一九六〇年代を中心とする説明的文. 章の学習指導過程論の主なものを概観した。総じて説明的文章独自の特質を吟味し、その 特質に即した学習指導過程のモデルを提示しようとしたが、要約・要旨、構成理解など文 章論的読解活動中心、形式重視の学習活動が展開される発想のものがほとんどであった。. 9. 一. 2.
(33) 理論的には、教材の特質と学習者のレデ,4ネスとの関連を重視しようとした提案や認識深 化・変革の側面から学習指導過程を構築すべきだとする注目すべき提案もなされたが、実 践的には機能するには至らなかったと見受けられた。 ︻学習指導過程研究の過渡期︼ ︵一九七〇年代︶. この後 九七三年には、渋谷孝﹃説明的文章の指導過程論﹄ ︵明治図書︶が出版された。. この中で渋谷氏は、説明的文章とは何かという問題や、説明的文章における﹁事実﹂の理 解の問題などを取り上げたが、旦ハ体的な指導過程論の考察としては、一般的な指導過程を. ﹁第一次段階−全文通読、第二次段階1いくつかの段落に分ける、第三次段階一各段落ご. との精読、第四次段階iまとめ読み﹂と捉えた上で、第一次段階から第四次段階のそれぞ れの問題点を詳細に検討した。とりわけ、第二次と第三次段階における読みのあり方につ いては、 ﹁現在広く行われている方法は、ただちに文章をいくつかの大段落に分けさせる. 作業を行なって、そして、その後、第三次段階で各段落ごとの精読に入っている。しかし これは順序が逆なのである。﹂︵注、﹀と指摘して、教科書指導書の指導計画を例に引きなが. ら、当然のごとく実践されている読みの指導順序が大人︵指導者︶の論理であり、 ﹁大筋 の見通しをつけたあとで、大段落がわかるというのは指導者の錯覚である﹂︵注..vと述べた。. こうした渋谷氏の提言は、文章論的読解活動を中核とした指導過程においてのことでは あるが、学習活動の順序性を大人の視点︵すなわち文章側からの視点︶からではなく、子 どもの視点で見直し、改善することの必要性を指摘した点で重要であった。子どもの側か ら発想された学習指導過程を構築するために、現在でも意識されねばならない考察の観点 であると思われる。. レ. 醜. 噸. 鯉 猟 ㎜. 購 囎 程. 謝. 軸 目口. 煉μ 三唱 臓に 酪駐. 孝D. D勿 牲駐. 3. 0. 一.
(34) ︻学習指導過程研究の展開期︼﹁︵一九八○年代∼﹁九九〇年代︶. ︸九八○年代は説明的文章に関する理論的研究が進展し、︵注、︶同時に学習指導過程の研. 究も新たな展開を見せた。文章の側から発想された学習指導や学習指導過程から、子ども の側から発想されたそれらへと考察の視点が移行する動きが顕著となってきたのである。 例えば森田氏は、 ﹁﹃読む﹄という行為は、 ﹁作品・文章﹂ ︵教材︶と﹃読者﹄ ︵学習. 者︶との相関関係として成立している﹂として、読みにおける二つの極︵教材と読み手︶ を位置づけ、指導のスタンスの問題として﹁従来の読むことの教育は、ややもすると、教 材に近いところがら構想ざれることが多かった﹂ことを指摘した。︵注、v先に六十年代から. 七十年代の学習指導過程研究を概観したときに、文章論的読解活動中心の展開の枠組みか ら抜け出すことができなかった経緯から考えると、右の問題に対して﹁読むという行為を、 ﹃教材﹄の極から﹃子ども﹄の極に引き戻してとらえ直すことが求められてくる。﹂︵穿.︶. とし、具体的な説明的文章の読みのありようを提案したことは意義があった。. 読書行為を﹁読み手﹂に近い地点から捉えるとき、森田氏は﹁内容、ことがらを理解す ることを主とする第一層の読み﹂ ﹁表現や論理構造の把握を主とする第二層の読み﹂ ﹁筆 者の立場を追究することを主とする第三層の読み﹂という三層の読みを示し、︵注、︶後年、. 第一層と第二層の読みを﹁確認読み﹂ ︵何が、どのように書かれているかを文章に即して 理解し、確認する読み︶、第三層の読みを﹁評価読み﹂ ︵筆者の工夫は、説明の対象であ る事象の本質の解明に成功しているのかどうかを問う読み︶として整理して、︵注,︶指導過. 程としては﹁評価の構えづくり←確認の読み←評価の読み﹂という流れを提示した。森田 氏の指導過程の特徴は、表現された教材を書き手の認識の表現過程と見て、その筆者の認. の即. ㌧︶. 紙礁. 髄耕. ﹂み. 漣抵 .凹. 講臓。鯉. のする. 視価れ社 重評ら水 動をげ漢 活夫あ﹄ 推工が導 類のど指 像者なの 想筆﹂章 ﹁﹁み文 のの読的 氏氏る明 孝義す説 谷信障る 渋田保て. 、森を育. 轡下腿畑. 42. 卿. 1. 書 図 治 明. 靭. 備. 蝉. 畷. 轍. 耐. 鐸 雲. の㊦. 勿議 姓細. しみ客主 と読思識じ じ三 ののな認同 も識ン﹃に 塁陛. 難症. 鰐∴3’. 駐 駐駐 牲駐. 1. ㎜. 3.
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