発芽期水稲の未端酸化酵素について
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(2) . 第 11 巻. 第 1号 B. 北海道学芸大学紀 要 (第二部). 5年8月 昭和3. 発芽期水稲の末端酸化酵素について 桑. 山. 弥. 寿. 男. 北海道学芸大学岩見沢分校家政学教室 宇. 佐. 美. 正. 一. 郎. 北海道大学理学部植物学教室. Yasu。 KUWAYAD iA and shoi chirO UBAn iエ: on the Terminal. oxi dases of Rice P1antin Germinat ing Stage. ln rice plantin i ts germinat ing stage cytochrome oxidase act ivi ty increases as the , i i d ti lvigouri ・ ・d i germ naton procee s a t i l si ni sful i d oxidaseaIS0 nthecoleopt e ca c , Ascorbi. . increasesi ivi ty as the germinat t ion proceeds andi ni s act i l strength tfunct onsi n its ful in the root ivi i t f cytochrome oxidase and ascorbic acid oxidase exist both in es o . The act i every t ivi ssue examined. VVeak act lypheno ty of po l oxidase was observed in embr o y, ・ i i i l 1 m ーbryo and col germ natng e eopt e germinat ed i n water.. 高等植物の呼吸に関する研究は, 近年数多くなされてお り その末端酸化酵素に関 して 少く , ,. ) 水稲 の芽 生えにお いては ct と も 四 つ の 型 の 酵 素 が知 られ て い る1 2 dase ’ ,3 . , yochrome oxi , a‐ ) お よ び po i d oxidase2 scorbi 2 lyphenol ox )が 報告されてい る ca c i dase .. 水稲種子は酸素量の少い水中でも発芽するが, 鞘葉のみが伸長し 本葉は伸長せず出根も見ら , れない. 鞘葉が伸長して水面に達し空 気に接触すると 本葉伸長及び発根が始まる 通気 した場 , , 合には水中でも本 葉伸長と発根が行われる. これらの事実は 水稲種子の正常な発芽のために酸 , 素 が必 要 で あ る こ と を 示 して い る ,. この報告は発芽期水稲における, 酸素と直接関係するところの 末端酸化酵素について行った実 験の結果を述べたものである,. 供試材料ならびに実験方法 (1). 供. 試. 材. 料. 水稲種子を0 .1% ウスプルソ溶液中で1時間滅菌 した後, 湿らせた湖紙上で, または深さ5 c mの 水 底 に 沈 め, 300C 暗所で発芽させた 微生物の混入を 最少眼におさえるために ひんぱんに水 , , をとりかえ, 発芽のそろったものを使用 するために種子を多量に発芽させ 選んで使用 した G , , I は湿った淵紙上で19時間吸水した種子から肱乳と分離した. 発芽 膝 は同様にして42時間吸水 し , 発芽 しつ〉あった種子から分離した, 鞘葉及び根は湿った! 慮紙上で90時間発芽させた種子からそ れぞれ分離 した. それらの黄織化芽生えは長さ約2 c m, その中に本葉を内蔵 した鞘葉をもち, また 一 13 一.
(3) . 桑山弥 寿男・宇佐美正一郎 .5 長さ約5c mに生長 した根をもつ. 水中発芽鞘葉 は水中で192時間発芽させた種子から, 長さ約3 mに生長 したものを分離し使用 した. c (2) 実 験 方 法 0oC において 測定した.検圧計容 酸素消費と好気的炭 酸発生は,ふつうのワールブル グ検圧法で3 器中のガス交換のためには真空 ポ ンプを使用 した. 組続ホモ ジネートは材料を少量の 0.5M 薦糖 ochromecは パ ン酵 母 か ら, 液 と と も に す り つ ぶ し, 脱 脂 綿 で 適 して 細 胞 破 片 を 除 き 調 製 した, cyt. ) )を少し変えた方法に よって調製した, 蛋白質窒素は, Levy 等の方法6 の方法4 ,5 0 1 /mg を用いて定量 した. なお緩衡液には 燐酸を用い, 濃度は 0 2は 〃 2 ,05M を用いた. Qo. l in・Hart Kei ree. in‐N/hr を表わす. dry we i /hr を 表 し, QorN は β1 Q/mg prote ght. 実. 験. 結. 果. (1) 各組織の Qo2 と RQ 第1表 に示 したように, 水浸19時間の膝から42時間の発芽艦 へと発芽が進むにつれ, 酸素吸収 第1 表 Qo 2 と RQ PH=7.0 生組織 i t ssue. soaked hr. Qo2. RQ. l9. 1.3 4.5. 1.2 0.8 0.9. en lbryo ing e t ー nbryo l nina ger. 42 90. i l col eopt e root i inat leopt l er ・ ed in wat co e gern. 90. 8.4 7,6. l92. 3.9. 0.8 0.9. 量の増大と RQ 値の 1 以下への低下が見られる. 水稲の芽生えが強いアルコ←ル発酵の活性を 8 ) により報 告されている, 発芽することにより実質的な好気条 i i l l 示すこ と が, Taylor7) と Ph ps .思われる. 件を得た発芽歴は, それまでのアルコール発酵から酸素呼吸に変るものと 水中発芽鞘葉の RQ を普通の方法で測定すると 0.9 を示 し, 酸素呼吸の能力をもっているこ とが明らかである が, 櫨紙で空気との直接接触を しや断して 測定すると RQ=3 .8 を 示 し, お そ らく水中では発酵 が優勢に行われているであろうことが示唆される. (2) 各種呼吸阻害剤の影響 鉄酵素や銅酵素の阻害剤として青酸カリ, アザイ ドを, 銅酵素の阻害剤 と してサリシルァル ド ビ d i i i t th e) キ シ ム, デ ィ エ カ (d ethyl ocarbama , 8- ハイ ドロ キ シ キ ノ リ ソを, そ して フ ラ ソ酵 素. の阻害剤としてアクリフ ラ ビ ソを使用 し, 結果を第2表に示した. 生組織を阻害剤に1 時間接触 第2表 呼吸阻害剤添加の影響 (阻害率) pH=7 .0 生組織 B. Eg. C. R. CW. くCN O.002公AI 4 Naトを 0.o02h i l l doxi l 4 sa 0.004n 1 le cy a 1 ldi 4 di thi 0.002ハ e ethy ocarbamat. 61%. 56%. 72%. 84%. 74 31. 66 41. 56. 44. 94% 71. 42. 32. 14. 35 45. 43 42 49. 73 45. ine 4 8-hydroxyquinol 0.004n iaav in* 0.002nd acr in* i l 1 acr f 1 M KCN→○.○02~ aV 0.002. 30 38 48 44 92. 69 100. 94 .00. i inhib tor. 47 97. 100. 67. ing embryo *For l l lbryo lp i l l pu l , ssues by the vacuun roduce to t ced to int . E:e , Eg: germinat d in wat inat i l l e r R C t e i l m l t e e r o e o C:co :r o o w:c g e p . eopt , ,. - 14 -.
(4) . 発芽期水 稲の末端酸化酵素について さ せ た の ち測 定 を 開 始 し た. 青 酸 カ リ, ア ザイ ド デ ィ エ カ 等 は 普 通0 00IM で 使用 さ れ る が , . ,. 発芽期水稲の各生組織では 小さな阻害しか 現れない. おそらく透過性 の関係であろうと考 えられ る. 0,002M ア ク リ フ ラ ビ ン 十0.002M 青酸カリでは どの組織についてもほとんど完全に阻害 , が認 め られ る,. 発芽期水稲の各組織の呼吸が 一酸化炭素 により, どの程度に阻害されるかを第3表 に示した . 第3表 95%CO による呼吸阻害率 (対照は95%N2十影ぢ02 ) pH=7 .0 生組織 in dark 40min. i t ssue. in l ight 40n in l ●. in dar ー 【 again 40min. bryo e 1 1 l ing en ・ ninat ・bryo ger l i l co eopt e. 54% 42 49. 0. 45. root l i l inat co eopt ・ e gern ed in wat er. 43. 0. 34. 59. 19. 48. 17% 14. 29% 39. 各組綻とも最初の暗所では50% 前後の阻害が現れ, 光回復はすべての組紀ではっきり認められ , 特に鞘葉及び根では完全 回復が認められた, 次にもう一度 暗くすると再び阻害が現れるが 最初 , の 暗 所 に お け る よ り も 阻 害 が 少 い, こ の 現 象 に 関 して Th imann 等9 ) は光照射の時間が長くな , ればなるほ ど, 次の暗所での阻害が小さくなることを報告し 光照射中に一酸化炭素に不感性の , 呼吸系が発達するものと推察 している. (3) 呼吸基質添加の影響 第 4 表 に ア ス コ ル ビ ン酸, ピ ロ ガロ ー ル 及 び プ ロ ト カ テ キ ソ酸 添 加 の 影 響 を 示 した . 真空ボン 第4表 呼吸基質添加の影響 (増加 Q02 ) 生組織 t subs rat e O i id cac .01 卦江 asCorb O l o1 .OI M pyrogal 0.00瓢α prot i i t d oca echu c ac. pH. B. Bg. 5.3 7.0 7.0. 0.2 0 .7 0 .1. 1 .0 〇.8 0,2. C 2 .6 くO 〈0. R. CW. 6.1 O. 2.3 O・3 0.I. 0. E : embryo inat ing e l l i l l nbryo eopt e , Bg: gern , C: co , R : root , Cw : col i l eopt e germinat ed in wat er .. プを使って減圧し, 基質を生組織内に注入 した後 酸素吸収量の増加を測定した アスコル ビン , , 酸は根の場合に最大の酸素吸収量の増加をもたらし, ピロガロール及び プロトカテキ ン酸では酸 素吸収量の増加が一般 に少く, 鞘葉においては阻害がみられ 根においては 添加の影響が何ら認 , められなかった, 第5表 組織ホモジネートに及ぼす呼吸基質添加の影響 (増加 Qo ‐N) 2 t subs rat e I M ascorb i i QOI d cac l 0.01 1 躯 pyroga l o1 1 肌 hydroqu 0 inone* .01 0.01M P…Pheny l enedi amine*. pH. B. Bg. 5.3 7.0. 7. 7.0 7.0. 0 61 109. * 1 25×10-5 1肌 cytochron le cadded . . E:embryo E i ing em bryo l n nat i l ・ L eopt e , g:ger , C:co , Cw:col i le germinat ecopt ed in wat er .. 「 15 「. C. R. ・21 83. ・20 35. 155 0. 132 234. 250 360. 39. 20 11. 91. 55. R:root ,. CW 39.
(5) . 桑山 弥寿男・宇佐美正一郎 組織の透過性の問題を排除するために, 各組織のホモジネートを用いて 同様の実験を行い, 第 5表 に示した結果を得た, ハイ ドロキノ ソ及 びバラ フェ ニレンジアミソ添加の効果は, 発芽が進 むにつれはっきり現れ, 鞘葉で最大の酸素吸収量の増加が認められた. アスコル ビン酸 添加の場 合には生 組織で見られたと同様に, 根で最も明 らかな酸素吸収量の増加が認め られた. 鞘葉のホ モジネートでは ピロガロールを基質と して添加した場合に阻害効果は もたず, 少いな がら酸素吸 収量の増加が認められた. 水中発芽鞘葉ではどの基質を添加 した場合でも, 他の組織に 比べて酸 素 吸 収 量 の 増 加 は 著 しく な い. 特 に ハイ ドロ キ ノ ソ 及 び バ ラ フ ェ ニ レ ン ジ ア ミ ン を 基 質 と し た. とき, それが明 らかに示された.. dase に よ る の か を, 組 織 化 学 的 ピ ロ ガロ ー ル の 酸 化 が polyphenol oxidase に よ る の か peroxi. に明 らかにするために, ピロガロ←ルに過 酸化水素を加えたときと加えないと きについ て, それ i da e 活性は調 べられたすべての組織に 強く現れるが, ピロ ガロー ox s r ぞれの呈色を比較 した. pe ルのみでも鞘葉以外では星色が認められた. 根では先端のみに呈色が認められた. 察. 考. t ochr ome y 第 3 表に示された 一酸化炭素阻害の光回復の 結果から, 発芽期水稲の各組織には c ・ た ま か も ジ 酸 化 ら ミ の ア パ ン ,こ oxidase の 存 在 が 明 ら か で あ る.ノ・イ ドロ キ ノ ソと ラ フ ェ ニ レ ン t ochr ome oxidase の 高 い 活 性 が 示 さ が支持され る 湿った 櫨紙上で発芽 した鞘葉では cy. のこと . t ome och r れ, 水中発芽鞘葉では その活性が低いことは興味深く思われる. 高等植物の 生長に cy l o 本葉が ) 水中発芽の場合 d れている H t t により報告さ a 〈e 等 , oxidase が 関 与 して い る こ と が, . dase の 低 活 性 しか 認 め ら れ な い こ と と ochrome oxi ほ と ん ど伸 長 し な い こ と と, そ の 鞘 葉 に cyt. の間に, 何か関連があること が暗示される. 銅 酵素 の 阻 害 剤 と して 用 い た サ リ シ ル ァ ル ドキ シ ム, デ ィ エ カ 及 び 8- ハイ ドロ キ シ キ ノ リ ン ,3 で ア ス コ ル ビ ン 酸 添加により 各組紀に於て相当程度の 阻害が示された (第2表) が, PH=5. ,. dase が 存 在 す d oxi i i c ac の 酸 化 が 各 組 続 に 認 め ら れ る こ と (第 4 及 び 5 表) は 各 組 庇 に ascorb. ることを示すと考えられる.. 一酸化炭素阻害の光による完全回 復を示さないと ころの雁, 発芽雁 及 び 水 中 発 芽 鞘 葉 に は. dase の 存 在 の 可 能 性 が 示 唆 さ れ る, ピ ロ ガ ロ ー ル 及 び プ ロ トカ テ キ ソ 酸 を 基 質 と i polyphenolox. して添加 した場合の実験結果 (第4表) から, このことは支持されると考えられる. リ ラ ビ ソに よ フ ラ ビ ン 酵 素 が 末端 酸 化 酵 素 と して は た ら い て い る か どう か に つ い て は, ア ク フ. る阻害実験のみ では決定出来 ないと考え られるので, 今後の問題と したい. 要. 摘. ochrome oxidase は発芽の進行とと もにその活性が増大し, 鞭葉に お 発 芽 期 の 水 稲 に 於 て, cyt dase も ま た 発 芽 と と も に そ の 活 性 が 増 大 し, 根にお i id oxi c ac い て 最 大 活 性 が 示 さ れ た. ascorb いて最大活性が示された cytochrome oxidase と ascorbic acid oxidase の 活 性 は 調 べ ら れ た す. .. l oxidase は肱, 発芽雁及 び水中発芽鞘葉において, その活 l べ て の 組 綻 に 認 め ら れ た. po ypheno. 性 がわずかに認められた. 献. 女. l 5 (1953) i idge Ph 1 , . Soc ) lames , 28, 21 . Cambr , Rev , W. ○.: Biol. i i i ca i a sin ent 2) Tang , v,509 (1956) , c. K.: Sc , Y. L.and Lee , Ta , P.S.. 一 16 -.
(6) . 発芽期水稲の末端酸化酵素について ‐ 3 ) 大滝研也 : 資源科学研究所桑報, No 8( 1957 ) .45 ,5. i l 4) Ke in t ree , D.and Har . Roy , E.F.: Proc .Soc . London ,122, 298 (1937) l in 5) Kei tree B F B i h J 3 9 8 1 9 : 2 5 45) o c n ・ e ( , D.and Har , . .. , , , 6) Levy lmer l o l l . , M,and Pa , Bi , A, 日,: J , Che , ,136 , 57 (i940) 7 ) Tay1or .er ) .〆 , D. C.: An . Bot ・ ,29, 72・ (1942 l l i 8) Phi 6 2 1 9 7 4 ps ( ) . い.: Amer ,J .J . Bot ,34 , 9 ) Thimann, K. V. t ochem. Biophys , Yocunも C.s.and Hacket , D. P.: Arch . Bi . ,53, 239 (1954) D 10 t P d s h i d ) Hacket H A n a c n e e r m n a : . ochem. Biophys , , , . . Arch. Bi , ,47 , 190 (1953). - 17 -.
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