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新憲法により保障されたる経済的基本権の法律的特色

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(1)Title. 新憲法により保障されたる経済的基本権の法律的特色. Author(s). 中塩谷, 九一郎. Citation. 學藝 : 北海道學藝大學機關誌, 2(2): 112-117. Issue Date. 1950-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/3490. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . ・ VO I o .2 .2 , N. Dec .1950. GAKUGE工. 1フ . 89 ,(2 . 明治女化全集第十八巻 p 22) 土居光華、 萱 生泰三 英国文明史. p ( , 2~3 3) 岩波文庫 日本開化 小史 黒板勝美序文 (2. 97 (8) 呉秀三 箕作院f l i p . 1 (9) 土掲書 p . 13~18 lo) 高野長英全集第一巻 p ( ‐ 40 (11) 佐藤信謬 罰家学全集巻下 p . 797 (12) 東京教育大学附属図書館蔵写本 13) 梅里先生遺稿 ( 14) 慶順義塾図書館蔵木版本 ( (15) 上野 図書館裁写本 (16) 岩波文庫 言志鎌 p . 169 9 (17 ) 大橋調庵先生全集第一巻 p . 17 18) 上野図書・ ( 縮減自筆本 19 ( ) 慶腹義塾大学五十年史 p . 76 (20) 東京帝国大学五十年史上巻 1 } . 298. 22. (24)J R軒田口卯吉全集 (25) 上野図書館自筆本. 悌二巻解 ,題 p . 28. ず i▽i i i 鴫2 l , tory of c (26) F, P, G, G zat on oら Hi s in 鳶uropc l t enry. r ans a ed by C.S . H[ ,t p . 18 i d, 1 b (27)i ) . 305 l t t ・t l (28) G‘P. Go ory and hi orans i l oぬノ Hi s s e 6 3 0 h i 〔 t t ・ 1 ne r een cenu y, I 〕 .. (29) 早稲田文学第一号時文批評 p . 13. 、. 新憲法により保障されたる経済的. 基本権の法律的特色 中 ・塩. 屋. 九. 一. 郎. 晩分校嵐 北海道学馨大学札- :会学研究室 ie 1 Io I I l i Kui ; The l egaI CharacteriS七ics of Eco・ c l ro NAR^SHIOYA, 」 c i J i 七 t t f S d h 1 Fundmne b t a a I R h l ・ ig t 】 s u o lo t l . ー . re p . s ee a y e 。・. 次. 目. えの具体的顕現 す び. 1 . は し が き 2 経済的基本糖の観念. 5 . む. 参考女献. 3 . 基本的人椎の類型 4 農の新憲法 チ , 経済的基本モ. うo この経済的基本権に関する憲法の規定は、 其の数に於 .それぞれの規定の内含する目的 し,てこそ少いけれ ども、. 基本的人権の保障は、 近代のいわゆる立憲主義的憲法 に共通の特色であり、 それに不可欠のものとされた。 新. が横汎旦づ多岐に亘り、 鴬に全体としてその法律的性格 を・ 一義的に把握することは、 極めて困難であって・ 随. 憲法も基本的人権尊重主義を、 その基本原理の一とし、 その第三章 (一〇鰹 乃至四〇燐) を、 「図民 の 権 利 義 務と」 題し、 基本的人権の保障を 規定 している。 然 し、 これらの規定中、 最も二〇世紀的憲法の特色をもつてい るといわれている、 いわゆる 「経済的基本権」 について は、 規定するところ寧ろ極めて 少いとの非難 が一般にな ‐ されている。 而 して、 この非難は立法 論としては・ まこ とに当っていると言わねばならない。 然し、 新憲法は既. って、 その解釈区々たるを得ない実状にある。 而 して、 .この事実は、 図民を して、 新憲法の経済的基 本檀に関する規定が・ 直ちに現実に国民の経済生活・ 耐 , 会生活を確保 しているのだとの錯覚に陥らしむる虜ある 反面・ この事は叉同時に、 圃民を してこれ等の規定が、 く、 園民の日常 生活にとっては、 厄病 単なる室女に等し ,. に制定実施されつふある。 そこで、 われわれ に と っ て は、.立法論の時代は ,一先づ過ぎ去って、 解釈論の時代に. 除けの護符以上に役立た ない存在で あると思わLめる弊 害ともなる。 何 れに して も、 図民を して新憲法えの関心. 這入ったとも見られうる。 この意味に於いて、 私は、 解 釈を通じて、.基本的人権に関する規定中の特に経済的基. と希望とを失わしむることとなり・ 延いては・ この事 は、 園民自 らの手によって、 国民自らのために、 楼角典 .自殺せ しむることとなる え られたこの柴ある 新憲法を、. 本権について、 その法律的特性を明 らかにし よ う と 恩. . 1 12.

(3) . 、第 2 巻 第2 号. 馨. 学. . . かも計り知れない。. 在の維持を内容と し、 園家の権力の積極的な関奥によっ て、 はじめて約束・実現せらるふものであり、 これらの 点に於いて、 概して人類の自由をその権利の 内 容 と し. 勿論本稿の目的は、 経済的基本権の法律上の特色を、 一義的に解釈するこ とであるが、 それは叉同時に、 斯る 弊害に陥ることのないよう、 国民を警戒することでも 、あ る。. ・ 2 ,. 昭 和25年12月. て、 圃家の権力を制限することによって、 維持保障せん とする、 政治的基本権すなわち自由権の観念とは異・るも. ‐ ・ .. のである。. 経済的基本権なる語 は、 必らずしも一般的には用いら. ′. 3. ・わが図では、 憲法改正の審議に際し れていない. ・ 、 衆議 院の修正案提出にかんする附帯決議の中に、 用いられて. 基本的人権についての形式的分類としては、 .メソガー の 「政治的基本権] と 「経済的基本権」(「全労働牧窟権・. いるほか・ 二三の学者がこの語を使って お られる( 1 ) 。経 的基本権なる語を 済 、 はじめて法律的に用いたのは・ メ. 史論」) 、官沢俊義 「自由権」 と 「徹会権」(「憲法大意」)、 マリタソ 「人格の権利」 ・ 「市民としての人 権」 すなわ. ソガーであると言われている。 彼は蔵会主義の見地から 「一七・÷八世紀 の大政治運動の迫求した目標を 一定 ・. ち「 ●政治的権利」 と 「労働人格の権利」‘すなわち 「就会 的権利」、カーの 「政治的権利」 と 「経済的権利」 ,すなわ ち 「就会的権利」 (世界人権宣言草案え の コメント) 、 ,と 「吐 会 的 権 クラインシー・ライトの 「個人的権利」. の法哲学的要素に総括して・ これを政治的基本権といっ ・ていたのに対して、 経済的基本権 (d i l s e 6konomi c l e Gr und e cht ) の提唱により、 直会主義の二つの目標即 e r. 利」 (世界人権宣言草案に対するコメント) 等があげら. ち、 すべての労働者に、 彼の労働の全敗益を輿えるか、 叉は、 すべての欲望が現存資料に隙じて、 その充足を受〆. れる( g ) o 然 し、 基本的人権は叉実質的立場より大別 して、 次の. けることを、-簡単にいムあら ・わすことができる。」 とい い、 第「の目標から全労働収纂権、 第二の目標から生存 , 権及びその具体的鍵形としての労働権が、 生じて来たも のであるという。 そ して、 これら三つの基本権をもって 経済的基本権の典型的なものであるとなし・ 蔵会主義の 目標を改めて、 法秩序としてい● 、あらわ しているのであ. 二つの大きな類型に分ち得ると思う。 即ちーは、 人類の 自然に有する自由のうちの基本的なものを宣言し、 園家. とによって、 維持保障せんとするものである。 二は、 人 類が社会生活の実際に於いて、 ともすれば失わんとする. る〔 2 ). 基本的人権を宣言 し、 国家権力をもってこれを現実に保. このように経済的基本権の観念は、 もともと、 流会主. 義就会秩序の諸目標の表現、 叉は資本主義杜会組織の被. .. ・. 権力の侵害に対してこれを保障せんとするものであり、 概 して人類の自由を内容とし、 園家の権力を制限するこ. 障せんとするもので、 終局に於いては園民の生存の 維持 を内容と し、 国家の権力の積極的な関奥によって 約束・. 階を補充する手段として、 寧ろ徹会理論から発展したも のであって、 法理論自体から生れ出たものではなかった のである。 フランス革 命の人権宣言の中には、 政治的基. 実現せられるものである。 -般に前者は 「自由権的基. 本権」、 後者は 「生存権的基本権」 と呼びな さ れ て い. 本権の思想は現われてはいるが、 メン ガ【のいわゆる法 的秩序として提起したこのような経済的基本 権 の 思想. 抜では、 政治的基本権 (自由権) に対隠せしめて、 経 済的基本権の語を用 ゆることとし、 その範噂は上の実質. は、 未だ現われてはいない。 只近代的憲法の成立地盤の. 的立場からなされた自由権的基本権と生存権的基本権と. る( 4 ) 。. 略同じくするものとなろう , 。 わが国に於いては・ 生存権 、 的基本権、 蔵会権叉は積極的自由権の名を以って 呼んで ある。 その後自然法の理念と紙会主義の思想の二つに支 い,る。 経済的基本権と呼んでいるのは、 む しろ稀である えられて、 一般的に経済的基本権の語が用いられるよう. うち に、 僅かにその萌芽の現われているのを見るのみで. になったのである。 然 し、 この語が実定法上の意義を獲 得して、 憲法上の規定として 現われたのは、 実 に二〇世 紀の憲法においてであり・ 縫って・ 今日} こおいては・ 、経 済的基本権は、 ひとり法秩序に対する一つの要請を意味 するのみならず、 その要請が、 憲法上の現実制度の上に 具体化されたも●のとして、 実定法上の意義を獲得するに 至ったのである。 かくて、 これが実定法上の観念を要約. こと、 前連の如くである。 私の用ゆる経済的 基本権の語 に対 しは、 ,或はあまりに唯物的であり、 而もその意義を 狭・きに失せしめるものではないかと .の非難があるかも知 れない。,しかし人類の生存の維持は、 終局的には経済の. 裏づけなしには・ 到底実現不可能なりという蔵会生誕 の 実際を卒直に認めて、.この種の権利の実体を幾分なりと も、 名称の上にも現出せ しめんがためである。. すれば、 それは、 国民が健全幸編な生活を選る篤の基本 的要件たる権利の一種 であって、 終局的には、 国民の生 113. .4. .経済的基本権に 新憲法の基本的人権に関する規定中、.

(4) . Vo l .2 .2 , No. GAKUGEI. 属するものとして、 差当り考えられるものは二五隣乃至 , 二八僻である( 5 } 、 これら隣女の保障せ 。 私も之を認め( る生存権、 教育権、 労働権 (勤労権) 及 び圃結権につい て、 それ ぞれの法律的性質を先づ明 らかに し よ う と 恩 ・ ・’ ・ ぅ。 一般に生存権 質は生活権というのは、,生存叉は生活の ためキ こ必要な諸係件の確保を要求する権利である が、 そ の具体的な内容とその保障の 態様は、 種々の立場から、 こ着眼 し いろ いろの 意味に解釈されている。 今その係件を. Dec ,1950. 一種とし、 こ れに対 し図がすべての園民に扶養り義務を 負うものである と解 し得るかは疑問である, 何と な れ rそ ぼ、 第ーにこれを具体的 な権利と認むるについては・ の実質的前提としての経済の裏づけを欠いているからで ある。 そもそも生存権の実現は図民各自 が財産をもつこ とにより、 或は労働の機会 を得ることによって具体化さ れるのである。 然るに財産をもつこと・ 労働の機会をぅ ること自体 が、 極めて 困難なわが園資本主義経済組織の 下に於いて は、 生存 権またかだか一?の可能性に止まる と見なければな らないか らであるo 第ニ法律上から見て. これを大別すれば‘ 第一は消極的に生存に対する危 て、, も その法律上の保障規定や手段を欠いているからでぁ 書叉は障害を除去するに役立っ ものであり、 第 ニは進ん る÷ 特 に図 が生存権確保の責 務を等閑に附 し・ 必要な立 こ役 立っも ,のであるd 一 で積極的に生存の維持及 び発展キ 法や- 適当な施設をなさないときには・ 園民は直接にこ こ於ては・ 第 七・一八世紀の自然法の個人主義的諺会観÷ れを要求する方法はないのである。 よしんば園のか る 二の積極的方面の生存権の擁顔 は、 個人自らが自己の責 生 だとしても‘ 最高裁判 所の法令 審 査権 任と してこれに当るべきであり、 第一の消極的方面の ‐怠慢が綴、法違反 ● がゞ 之を是正し得るまでには至っていない。 叉この場合 存権の擁護に於いてのみ、 図 の公共的配 慮が行わるべ き 園民が相当の生活費を、,園に請求し得るが篇には、 少く ものと考え られていた。 然るに其の後、 資本主義経済の が 化 争 ともその詳細が憲法の上に明 定されていなければならな 激 発展に伴い、 有産階級 と無謎階級間の階級闘 い。 新憲法が、 かふる規定を欠いているのは、 生存権を ,生存権 し、 無産大衆の生活難 が増大するに至るや、 披に 具体的権利と認めていないか らである。 然 し自由権の一′ の問題が重大なる冠会問題 となって登場するに至ったの . ことも正当でないo 何となれば・ 自由 権ま鰍こ である, そこで共産主義或は諺会主義的傾向を有する思′ 種とする. であるが、 之に反 し 立法を抑制するという消極的な もの. ,っ 想家達は、 もともと自然法学の個人主義的蔵会観によ 生存 掴ま立法を促進するという積極性をその機能 とする て樹立された生存権の 観念を利用 し、 それに積極的な意 もので あって、 このことは、 二五憐二項の文言からもう 味を奥えて、 個人の生存の維持及び発展に役立つ係件に ● 図の公共的配 慮がなさるべきであると主張 し かがゎれる。 而も立法が生存権を保障するに当っては・ ついて も 、 その自由裁量に委ねられているのではなく・ 「す べて・ る “こ 経 て・ 、 済的 基本権の名の 下にその一つとして説か 園民が健康で文 化的 な最低限度の 生活を営み得る」 よう 至ったので ある。 他面叉二〇世紀の自然法学者等の側 に に促進すべきことの指 針が示されているのである。 して 於いて も、 所謂 「プロ レタリャ自然法」 の観 念 の も と ・ 阻害 してはな らず・ これを阻害 に、 生存権に積極的な意味丙客室奥えて、 労働権と共 見ればゞ この生存権は・ するよう な内容の私人間の契約や国体内の規約はもとよ に・ これを経済的基本権の一つと して認めていたのであ り無数で あり、 図が生存権の実現に努力すべき責務に違 る。 かくして生存権 の観念は、 蔵会主義.共 産主義傾向 ’ した と き 反し 、 現にこれが障害となるような行篇を篇 の思想と自然法の思想の両方に支えられて、 近代的意味 違憲立法として となり 、 最高裁判 は、 その立法も無数 、 に於い ては、 寧ろ一般に積極的意味をもった ものと して ・ 所の審査に服し・そ・の適用は拒 否さるるに至る であろうo , 選解せられるようになっ た .のである。 逆に叉生存権の行使としてなさ る▲すべての行篇は、 速 新憲法二五係は、 か る生存権の内容の進展に対礁し ● 法性を帯びないものと して認めらるべきことも疑いない ぅたわ れnて あ る て認められたものであり、 他方同係に, のように生存権 が・ 図叉は個 人によって・ であろうo こ● 「すべて、 国民は健康で文化的な最低限度の生 活を営む 侵害された場合には、 之 が是正の法律的保障手段 が奥え 権利を有する。」 とあるのから見て、 そこに上の意味の られ、 叉これに基〈 行動は適法観され・ .これが主張をな 生存椛の 観念がとり入れられていることは明 ら か で あ ろ がら興えられてい し得べき法律的保障手段も、 軽微な る。 然し舷の・「最低限度の生活を営む権利」 が法律的に ・ のであるo 只園が生存権の確保を促進すべき責務に対態 は如 伊なる性質をもつものであるかは・ しかく明瞭にさ ・ rの権利の消極的侵害 する施策を しなかった場合、 即ちそ れておらない 今の所女字通りの権利の性質を有するも 障手段に欠けている 的保 が促進の法律 の場合のみ、 これ のとして、 請求権の一種であると解 しているの が、 わが のみで・ この, 点に於いても・・法律的保障手段の傭って い 図憲法学説上の通説の如くである◎。 る自由権と異る。 然 しこ の場合にも、 図の責務の怠慢を 然 し、 こ にいう生存権を直ちに文字通りに請求権の ”4.

(5) . 第2巻 第2号. 昭 和25年12月. 学. 是正すべき政治的保障手段は、 憲法の上で確保されてお り何等数果の伴わない、 いわゆる室女でもな い の で あ るっ. 裏付が極めて、 うすいこと、 第二には法律的保障手段に t殆ん どその手段 於て 極めて微弱で、 場合によっては、 を欠いておるからである。 かくて、 二六係の認むる図 民. .. 更に生存権の保障は、,政治権力の抑制にのみ向け られ ているもの●ではなく、 個人の生存を脅かす蔵会的係件乃 至徹会的勢力に対して向けられているのであり、 したが. の教育権は、 二五係の生存権と同様請求権ではないが・. ってこれ迄専ら園の政治権力の鱒外にあって、 個人の自 由に委ねられてあった国民の杜会 生活に対 して、 園が積. 権の一種でもなく、 只政治的手段によって、 憲法上その 実現が、 なにがしか期待 し得らる 、 極めて薮 果の乏 し. 極的に関興して、 個人の生存を完ぅせ しめようとするも のであり、 かくて生存権の規定は、 ただに公法の性質の. い一種の権利であると称 し得るのである。. みならず私法の性質をも併せ有するに至り、 その生存権. の具体化 したものとして、 生存権り観念から導かれたも. としての機能を貫徹することとなる。 したがって叉図の. 一言 Lた。 そもそも労働権なる観 のであることは、 前に・ 念 は、 自然法の思想と冠会主義思想との二つに支えられ. 園により其の実現に積極的な配慮が行われる点、 更には. 法律的保障手段を欠く場合さえもある点等に於て、 自由. 次に二七傑の労働権 (勤労権) であるが、 之が生存権. 行篇のみならず、 個人の 行篇をも直接に拘束するに至る. て、 発展 したものであり、 資本主義が失業の現象を生む に至ったところにその成立の地盤がある。 労働権は本来 的には、 「労働能力を有するものが、 私企業のもとで就. の で ある( 7 ) o. 次に二六燐の教育を受ける権利、 即ち所謂教育権であ るが、 二〇世紀の女化図家の圃民にとっては、 その生存 を確保する篤には、 最 早文 化方面の生活を抜きにしては 考えられない。 かくて教 育権は、 近代女化園家の園民の 生存権の重要なる部分を形成することになる。 凡そ如 何 なる園民にとって も、 .教育の必要なることば今更賛言を 育 特に重 要しない。 特に民主主義図家にとっては、 ,教 は 要であり、.民主機構の運営は 一こ自覚あり識見を具えた 個人の存在を前提とし、 その理想としての個人の文化的 ・ 今木像の立法趣旨 を 見 る に 能力の伸張を期 している。. 「二五係の規定せる文化的な最低限度の生活を営む権利 が‘図民の基本権の一つ とされ、その権利の文化的側面に 関して、 教育を受ける機会の平等とその最少の要請を充 す手段としての義務教育の制度を、 憲法上認めたもの で. 業し得ない場合に、 園叉は公共国体に対 して、 労働の機. 会の提供を要求し、 それが不可能な場合には、 相当の生 . 活費を要求 しうる権利」 と解されている。 而もこの立場 は、 生産手段の私有による私企業の存立を認めるもの で ー .資本主義経済組織を前提とするものである。 ,あって、. 憲法二七傑は簡単に『すべて、 園民は勤労の権利を有 し」 と規定 しているから、 本来の意味の労働権を、 認め たものであるか否かは明かでない。 この点に関するわが憲法学説上の解釈を見ると、 自由 権と解するものと、 請求権と解するものとがある。 前者 は政府の解釈であり( 9 ) 、 後者は公法学者の間に於ける通. 読である( 1 0 ) o ‘ 私 私と しては上述の何れ ある」( としているが { 浅近代文化園家に於ける園民 にも賛成し得ない. 何となれば 8 ) 、 の教育の平等は、 経済によって裏付けされた, いわば経 之を自由権の・ -種と解するに 於て は、 憲法二二憐に於い あるべきであり、これなく して は、最早いかな ・ (職業選駅!の自由が認められている場合、 事新 しく労働 済的平等で. (勤労) の自由を、 本僻で規定することは無 意 味 で あ る意味でも、 国民の教育権は終局的に確保されないと信 り、 且つ立法の体裁をも得ないと思うからである) 叉之 んずる。 したがって近代国家の向う べき任務の一つは、 実に教育の経済的確保えの配慮であり、 本儀の園民の教 も亦園が責務としてかふる配慮をなすべきことを、 育権, 図民の側から権利として 把握 したものに過ぎない。 同僚 二項からも軽微な がらこの趣旨をうか がい知ることが出 来るので ある。 かくて教育権は生存権の「態様と して、 近代文化園家の舞台え登場 して束たも .のと言わなければ. を請求権の一種と解するに しても、 第一には、 権利の実 . 質的前提たる経済の裏 付を著 し ・く欠いており、 .第二には 斯る権利を保障する法律上の手段を も欠いているからで ある, 然し政治的手段によって、 その実現が期待され縛 る点等から見て、 上述の生存権・教育権 とその性質を同 じくする. ものと言える。 最後に、 園民が生存権を完うし得るためには、 先づ労. ならない。 然しその法律的性格については、 しかく明瞭 にされて おらない。 同係には 「教育を受ける権利」 とあ るから、女字通りには、具体的権利の一種としての請求権 であるかの如き錯覚を輿える。 然 し果して、 私法上にい. 権等が問題となって来る。 今労働者の国結権成立の経過. うが如き請求権の一種であろうか疑いなきを得ない。 何 , となれば、 第一権利の実質的前提である図による経済の. する国家の態度は、 当事者が外部からの如何なる関翼も. 働権が確保され・ 更にその前提として 労働者の国結権 等が保障されなければならない。 かく して二八係の園緒 を見るに、 自由主義的法秩序のもとでは、 労働契約に対. 115.

(6) . I VO .2 .2 , No. .賦I G KUGB. De c ,1950. 受けず、 契約を締結 し得るように配 慮するという契約自 由の保護に格止した) した がって、 ,そこでは国体の力を. 麦を 行を怠った場合、 これを是正促進すべき、 法律的手烏 欠いていることの二点に於て、 これを具体的請求権 の 一. もつてする契約は、 自由を害するものとして禁止されね ばならなかった。 然 しか}る自由は資本主義経済の発達 に伴い、 事実上の不平等を驚らし、 無産大衆の生存権を. 種とはしがたい. 唯政治的手段によって、 園のか る責 務遂行の裏づけを、 期待し得る点に於て、 ある敷果を も 利と同標 識で つ一種の権利だと言い得ること、 .前遮の諸権. 脅かすに至るやに れに対する国家の態度も、単に国家の. あ る。. 1 .. ・. ・. 5. 抑制や、 外部からの圧迫を除去するのみに止らず、 選 ん. これまで、 生存権、 教育権、 労働権 (勤労権) 、 園結 する態度をとるに至った。 ・かく して近代的意味の園糟権. 権を中心として、 専らその憲法上の諸性質を見て来 た の が認めらる に至ったのである。 わが憲法も亦、 労働組 であるが、 その結果簿統的な基本権と、 著しく異る 幾 つ 利と 憲 られていた園緒権を 法上の権 か 合法において認め の特色を見出し得て、’それぞれの個所で詳細に述 べて 、 来た。 今こ れ等の諸特色を要約すれば次の通りである。 して探り入れたのである, 二八僻は圃結権、 国体交渉権. で労働者の園結の禁止を解き、 積極的に保護助長せんと. 及び国体行動権を規定しているが、 国体交渉権は事実上 団結圏と一体をなして来たのであり、 国体行動権なき園 結権も、 ,相手方に対し無言の圧力となること等から考え て、 団結権がその中心をなすことがわかる, そ こで絃で は専 ら圃結権について遊べる。 圏結権とは労 働組合その 他国体を結成する権利であるが、 緒冠権ではない。 わが 園公法学上の通説と しては、 結徹権の--態様と している ようである( n) 。然 し園結権は結就権とはその性質を異に ・ するもの である。 この点に関し佐 々木惣 一博士も同じ見 解をとって おられ る( 1 2 ) 。もともと結直権は、 自由権とし .確保すると て、 国家権力の抑制のもとに自然の自由を、 ころに成立する権利であって、 その保護の方面もーに政 治権力に向けられているものである が、 圃結権は単に国 家のみならず、 ときにはむ しろ図家以上の大きな力をも ・して、 労働者を保 社会勢力、 したがって私人の力に対 つ貢 護するため、これまで園家権力の鰐外にあって、その形成. 第ーは国民が人として、 健全、 幸頑な生活を選る篤 の 種と 基本的要件に関する権 利の一種である。 この点自由権 同じ。 第二{ ・ ま終局に於て、 国民の生存の維持を内容として い る権利である。 此の点 人類の自由を内容とする自由権 と 異 るJ. ,. 、. 第三は国権の積極的な関興によって、 約束o実現せ ら る 権利である。 此の点に於いて、 、国権を制限するに と により、 維持、 保障せらる}自由権と著しく異る。 第四は園権による積極的権利侵害の場合に於いて も、. 法律的保障手段が極めて薄く、 その消極的侵害の場合に は、 全くその手段を欠 くd 此の点に於て眠存の権利や 自 由権と異る。. 第五は図が国民の生存の維持を、 促進すべき配慮の責 務を怠った場合、 換言すればその権利の消極的侵害の場. 合にも、 法的手段こそ欠けているが、 政治的保障手段は 、 を自由にまかせられて あった蔵会生活に、 積極的に図家 厳然として有する権利である, 此の点叉既存 の 権 利 及 権力の関興を、 要請する所にはじめて存在する権利であ び、 自由権と異り、 期待権に類似する。 る。 随って、 こ れらの基本権が、 立法によって、 憲法上 第 六は公法・私法に亘る性質を有する。 これ終局に於. に具体化される場合にも、 緒武権は可成的立法を抑制す ることに依つて、 結直の自由を保障せんとす るのに対し て、 圏結権は労働関係を秩序づける立法を促 進すること に依って、 ,とするものである。 更 ,圏鰭権を保護助成せん に権利者に興えられた、 法律の保護の方面に於ても、 結 就権は政治権力に対して、 保護せらる ものであるが、 圏結権は国家権力と・ いうよりか、 諺会的な勢力や私人の ・るもので ある( 力に対して向けられてU ‘ 3 ) 。かく結泣権と の関聯に於て見るとき、 団結権は自由権のー種でないこ 「とを知った さらにこの権利は その実質的前提たろ圃 。 、 の責務一一因は、 労働者の園緒 を妨げるような、 すべて の障害を除去する に止らず、 進んでか}る圏糟を可能な らしむべき万全の ,措置を講じなければな らいという-- の裏付が、 あまりにも薄いことと、 図がか る責務の途. とするからである, 此 て, 、 国民の生存の維持をその内容. の点、 公権の一種たる自由権とも異る。 かくて、 経済的基本権の一義的定義づけを試みれば、 それは、 基本的人権の一種であり、 自由権・請求権の一 種ではなく、 而も公・私両法の性 質を具備し、 終局に於 て、 図の政治的保障手段によって、 其の数果が期待 し得 らるる、 期待機類似の 一種の特別 な権利であると言い 得 る。 而して、 かく解釈することにより、 国民の新憲法完 ・ 成えの努力目標たる解釈となり 得ると思う。 参・ 老. 女 献. ヱ) 憲法改正案の審議に際 し、 衆議院の修正案提出に ( ,る附帯決議で 「改正憲法が生活擢、 労働榊等 かん す の経済的基本糖を確定 したことは」 といっている。 恒藤恭・新憲法と経済的基本椎 (新憲法と民主主義.

(7) . 第 2 巻, 第. 2 号. 学. 昭 和25年12月. 婆. 新政) 、 石井 順久・新憲法と労働 15頁、 俵静夫・経 済的基本の法的特色 (国民経済雑誌80巻1 2 , . 号). 9頁, 我妻 栄‘前掲85一88 7-1 (7) 俵 静夫・前掲! 頁, 法学協会編・謎日本国憲法上巻240一250頁。 (8) 法学協会編・前掲 251頁。 , (9) 衆議院憲法委員会に於ける政府の答弁・吉武厚生. 14頁。. 2) Menger l ( l l I Arbe- e , A. , Das Rechtaufden ▽o ,i t t l i l se r rag in ge ]ul cht schi t che r Da rs e ・ g . , 1910. 省労政局長及び金森国務相答弁〔国家学会編・新憲. 1d表静夫前掲14頁。 8 .5H (3) 鈴 木 安 蔵・世界人椛宣言の一考察、 皿基本的人 糖の諸範曜 (法律時報 21巻1 0号)34頁。′ (4) 我妻 栄・基本的人椎‘ (図家学会編 新憲法の研 究)64頁。 5) 我妻 栄・前掲8 3一85頁、 俵 静夫・前掲15一16 ( . 頁, (6) 美濃部達吉・日本国憲法原論i84頁, 同・新憲法 概論ヱ01貫, 佐々木惣一・日本国憲法論 4 28頁, 渡 辺宗太郎, .日本国憲法 111頁, 滞芽 満・憲法精義 132頁, 大石義雄・憲法(政治大 学講座第一巻) 100頁. ・・前掲ー7頁。 供 静夫. 法の研究所敗, 石川吉右衛門・勤労雛証(七)参照〕 146頁。. (ー0) 美濃部達吉・新憲法逐像解説67頁, 同・原論 186 頁, 文意明らかでない。 同・概論 103頁, 佐々木惣 26頁, 渡辺宗太郎・前掲 IC9頁, 浅 25 4 一・前掲4 井満・前掲 ー34頁, 俵 静夫・ .前掲22頁。 1) 美濃部蓮吉・原論 200頁, 同・概論・10 8頁, 渡辺、 (1 3頁,、僕 静 宗太郎・前掲 104頁, 満井 渦・ 前掲7 61 夫・前掲2 1。 7一428頁 (12) 佐々木惣一‘前掲42 (13) 俵 静夫・前掲27頁。. ファ シ ズム の 基 礎 原 理と デ モ ク ラ シー と の 差 異 に 就 いて 、. 北. 達. 村. 北海道学塾大学釧路分校就会学研究室 Toru KITAn tween the IURA: ○1 1 the Di賃cre ・ 1ce Be FundamentaI Pr i I Democracy. ip l ( nc eof Fascism mI. 1 諸三. 2 指導 者原 理. 口. ファシズムの生命は短期間であったが、一時的にせよ、 ドイツ、 イ,タリア、 日本等数個園を支配 した思想で、 そ の内容にも確固たる理論 的基礎を持っている。 特に ドイ ツ、 イタリァに於ては主として経済的逼迫に乗じて、 デ モクラシーの欠陥を衝いて表われたもので、 彼等図民の. 国家の政治意志決定には国民全体の参興を 要 しな い で、 単独或は少数の専断に因るのがファシズム指導者原 理の特色である。 此の原理の根抵には、 量的でなく、 質. 的に政治意志が決定される事を要求する。 園家は下は市 ・少数 町村の長から、 上は首相 に至るまで人 物本位により の賢良に依る政治を目標とするのである。 デモクラシー. 部には現在筒、 ファシズムに代って デモクラシー が員 に正 しい理念であると言う結論 が生れない限り再び撞頭. は各人平等に政治に参輿せしめようとするが園民の間に. の恐れがないと言えないのである。 本稿は政治的、 蔵会 的に見て、 フ ァシズムの最も基礎原理たる指導者原理、. は貴騰、 貧富、 才能の有無、 人格の高下があり、 之等平 . ・ 等に政治意志決定 に参劃せLめる事は、 政治は往々、 政 治的教育のない多数者に支配されて衆愚政治に階スリ 、 ,. 図家の全体性、 一図一党主義が ドイツ、 イタリアに於て 如何に具体化されていたか、 デモクラシーは之と如何な る点に著しい相違 があり、 而 して後者は如何に前 者の優. 叉緊急の際に、 圃民の意志を代表する ・議会を召集して 討 議を重ねては機を失する場合が多い。 それよりも寧ろ、. 位に立つべきかを論究 している。 フ ・アシズム発 生の詳細. 能力ある指導者に一任tた方が結果的に良い成果を挙げ. な史的理由、 経済上、 文化上の基礎理論に就いては触れ. 得ると考えられるのである。 イタリ ヤの代表的理論家、 ロ ッコは此の事を 「デモクラシーは国家の統治を生きて. ていない。. いる人々の集圏に譲渡する。 そこで彼等は自分自身の利 117.

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