日時:2012 年 10 月 10 日(水) 19:00-21:00 場所:クオリティホテル神戸 5階「カスティーリア」 進行:笹生病院 肝臓内科 西内明子 病理:倉敷中央病院 病理検査科 能登原憲司
<プログラム>
<症例検討>
症例1 腹腔鏡下肝生検が診断に有用であった肝腫瘍の一例
【出 題】自治医科大学 消化器・肝臓内科 渡邊 俊司 【司 会】箕面市立病院 消化器内科 田村 信司 【討論者】和泉市立病院 肝臓病センター 坂口 浩樹 恩賜財団岡山済生会総合病院 内科 藤岡 真一症例2 門脈圧亢進症の 1 例
【出 題】奈良県立医科大学附属病院 消化器・内分泌代謝内科 高谷 宏章 【司 会】自治医科大学 消化器・肝臓内科 礒田 憲夫 【討論者】三重県立総合医療センター 消化器内科 伊藤 信康 広島市立広島市民病院 総合診療科 岡本 良一症例3
発熱で来院し、血液検査で黄疸・肝機能異常を認め、肝生検を行った症例
【出 題】兵庫県立西宮病院 消化器内科 福島 寿一 【司 会】奈良県立医科大学附属病院 医療安全推進室・第三内科 植村 正人 【討論者】駿河台日本大学病院 消化器・肝臓内科 田中 直英 医療法人徳洲会宇治徳洲会病院 消化器科 小畑 達郎
症例4 エコー下肝生検のみでは診断できなかった肝障害の1例
【出 題/司 会】笹生病院 肝臓内科 西内 明子 【討論者】がん・感染症センター都立駒込病院 肝臓内科 林 星舟 ※参加費1,000円を徴収させて頂きます。 ※「肝疾患の集い」のホームページ URL:http://netconf.eisai.co.jp/liverconference/共催:肝疾患の集い/エーザイ株式会社 自治医科大学 消化器・肝臓内科 渡邊俊司、廣澤拓哉、宮田なつ実、津久井舞未子、大竹俊哉、東澤俊彦 礒田憲夫 菅野健太郎 【症例】36 歳男性 【主訴】発熱、四肢の疼痛、全身倦怠感 【現病歴】 ・生来健康 ・2011 年 10 月ごろより、腫脹を伴わない左膝痛が出現し、数日持続した後に自然消滅 し た。その後は安静・労作に関係なく、上腕や大腿部の痛みが移動性に数日間持続、その 後消失し、また別の部位が痛くなるエピソードを繰り返していた。また全身倦怠感を訴 え、夕方になると 37 度台の発熱が出ることが多く、汗をかきやすくなった。 ・12 月下旬から左下顎の一部にピリピリした異常感覚と知覚鈍麻が出現し、 2012 年 1 月 26 日当院歯科口腔外科受診、血液検査にて炎症反応上昇と軽度肝機能障害あり、下顎骨 髄炎の診断の下、サワシリン処方にて帰宅。内服後症状は改善したが、2 月 2 日頃から再 度、移動性の四肢の疼痛が出現し、繰り返すことから、2 月 20 日当院総合診療部受診、 外来での精査、腹部造影 CT にて脾門部腫瘤、多発肝腫瘤を認め、精査加療目的に、3 月 2 日当院当科入院となった。 【既往歴】 ・小児喘息(最終発作 2 年前、吸入のみで改善) ・高血圧(-) ・糖尿病(-) 【家族歴】 ・特記事項なし(悪性腫瘍、糖尿病、高血圧なし) 【生活歴】 ・喫煙:20 年(13 歳〜33 歳)、20 本/日 B.I.400 ・飲酒:機会飲酒 ・アレルギー:飲食物、薬剤ともになし 【身体所見】 ・身長 163.9cm、体重 68.2kg ・意識清明、発汗著明、独歩可能、左大腿部痛と訴え、かばうように歩く。 ・BT:36.9℃、HR:94/min、BP:139/110mmHg ・RR:18/min、SpO2:97%(room air) ・結膜:貧血なし、黄染なし ・口腔:粘膜発赤なし、アフタなし、咽頭発赤なし、扁桃腫大なし ・両側下顎部に知覚鈍麻、異常感覚(ピリピリした感じ) ・頸部:表在リンパ節触知せず ・胸部:右前胸部に刺青あり。心音整、心雑音なし、呼吸音清、ラ音なし ・腹部:平坦、軟、腸蠕動亢進/減弱なし、自発痛/圧痛なし、 ・右季肋部に肝を3横指触知。 ・四肢:下腿浮腫なし、ばち指なし、関節腫脹なし、 ・右上腕と左大腿部に鈍痛を訴える。 【検査所見】 別紙 【画像所見】 ・心電図:洞調律、HR90/min、ST-T 変化なし
症例1 腹腔鏡下肝生検が診断に有用であった肝腫瘍の一例
《供覧》 ・胸腹部レントゲン ・胸腹部 CT ・腹腔鏡 《血算》 WBC 6000 /μl 《生化学》 TP 6.3 g/dl neut 71.9% ALB 3.4 g/dl lynph 15.1% BUN 14 mg/dl mono 12.1% CRE 0.7 mg/dl eos 0.6% UA 8 mg/dl baso 0.3% T-Bil 1.12 mg/dl RBC 456 104/μl D-Bil 0.25 mg/dl Ht 39.7% AST 70 mU/ml Hb 13.4 g/dl ALT 85 mU/ml PLT 25.7 104/μl LDH 846 mU/ml ALP 641 mU/ml PT 14.9 sec γGTP 215 mU/ml PT-INR 1.28 AMY 39 mU/ml PT(%) 67.9% CK 60 mU/ml APTT 32.6 sec Na 139 mmol/l FDP 41.8 μg/dl K 4.3 mmol/l D-dimar 1.8 μg/ml Cl 100 mmol/l AT-III 88.0% Ca 9.5 mg/dl cCa 10.1 mg/dl 《免疫血清》 CRP 10.5 mg/dl Mg 2.6 mg/dl HBs-Ag (-) P 4 mg/dl HCV-Ab (-) ChE 226 mmol/l HIV-Ag/Ab (-) 《腫瘍マーカー》 可溶性 IL2R 1780 U/ml CA19-9 2 U/ml DUPAN-2 68 U/ml Span-1 2.6 U/ml
症例1 腹腔鏡下肝生検が診断に有用であった肝腫瘍の一例
奈良県立医科大学附属病院 消化器・内分泌代謝内科 高谷広章,植村正人,中西啓祐,福本江梨,武山真也,森岡千恵,沢井正佳, 豊原眞久,藤本正男,山尾純一,福井 博 【症例】63 歳,女性 【主訴】心窩部不快感 【現病歴】1996 年より糖尿病,関節リウマチで 通院中. スクリーニング目的で受けた上部消 化管内視鏡検査にて食道静脈瘤,腹部超音波検査で脾腫を指摘され,精査の為入院 した. 【既往歴】39 歳時に大腸癌(StageⅢa)にて手術(横行結腸切除術+D2 郭清). 49 歳時より糖尿病(DM),関節リウマチ(RA)を併発. 60 歳時に大腸癌が再発し,化学療法(FOLFOX、14 クール)を施行. 60 歳時に大動脈閉鎖不全症を発症,経過観察中. DM 治療薬 超速攻型インスン(10—10-10-10)、超持続型インスリン(0-0-0-10)、 ボグリボース 0.9mg/日 RA 治療薬 ブシラミン 100mg/日、メトトレキサート 6mg/週 【生活歴】飲酒歴:ビール 350ml/日×35 年、55 歳より禁酒 喫煙歴:20 本/日×45 年(18 歳より喫煙) 【家族歴】母 糖尿病 【入院時現症】 身長:152.3cm, 体重:60.2 kg, BMI:25.9. 血圧:154/83 ㎜ Hg,脈拍:84 回/分, 体温:36.1℃. 頚部・鎖骨下・鼠径リンパ節腫脹なし. 胸部:Ⅰ・Ⅱ音正常,Ⅲ・Ⅳ音を聴取せず,心尖部に心雑音あり(Levine Ⅱ/Ⅵ). 呼吸音:異常なし. 腹部:平坦・軟,圧痛なし,腸蠕動音正常,肝脾腎触知せず. 四肢:下肢浮腫なし,神経学的異常なし 【入院時血液検査所見】
(末梢血)
WBC 3600 μL
Neut 74.9 %
Lymp 13.0 %
Mono 6.3 %
Eosi 4.0 %
Baso 1.8 %
RBC 471×10
4μL
Hb 12.2 g/dL
Ht 32.8 %
Plt 12.7×10
4μL
ESR 1h 49 mm
2h 80 mm
(検尿)
尿糖 陰性
尿蛋白 陰性
尿潜血 陰性
(検便)
便潜血 陰性
虫卵 陰性
症例2 門脈圧亢進症の1例
(止血検査)
PT% 85 %
PT 秒 12.6 秒
APTT 33.7 秒
(肝炎ウイルス検査)
HBsAg 陰性
HBsAb 陰性
HBcAb 陰性
HCVAb
陰性
HCV-RNA 陰性
(生化学検査)
CRP 1.5 mg/dl
T.P 8.3 mg/dl
Alb 4.5 g/dl
T-Bil 0.7 mg/dl
ZTT 15.1 KU
γ-globulin 3.8 g/dl
AST 18 IU/L
ALT 14 IU/L
ALP 471 IU/L
LDH 228 IU/L
γ-GTP 24 IU/L
ChE 304 IU/L
TBA 21.0 μmol/L
T-Cho 180 mg/dL
AMY 84 IU/L
BUN 13 mg/dL
Cr 0.65 mg/dL
UA 4.0 mg/dl
Na 141 mEq/L
K 4.2 mEq/L
Cl 103 mEq/L
Fe 39 μg/dL
TIBC 382 μg/dL
フェリチン 23.3 ng/dL
Cu 196 μg/dL
NH3 47.9 μg/dL
BTR 6.65
Glucose 83 mg/dL
HbA1c 4.8 %
IRI 126 μU/mL
ヒアルロン酸 557 ng/mL
PⅢP 0.6 U/mL
Ⅳ型コラーゲン 7S 3.8 ng/ml
(血清学的検査)
IgG 1118 mg/dL
IgA 273 mg/dL
IgM 220 mg/dL
抗核抗体 40 倍
RF 127 IU/ml
C3 161.4 mg/dl
C4 47.3 mg/dl
抗ミトコンドリア M2 抗体 陰性
抗 LKM-1 抗体 37.3 INDEX
抗 SS-A 抗体 陰性
抗 SS-B 抗体 陰性
抗 ssDNA 抗体 陰性
抗 dsDNA 抗体 陰性
抗 CL 抗体 陰性
(腫瘍マーカー)
AFP 1.1 ng/ml
PIVKAII 16 mAU/ml
CEA 1.3 ng/ml
CA19-9 5 U/ml
DUPAN2 <=25 U/ml
sIL-2R 731 U/ml
【上部消化管内視鏡所見】 供覧
【腹部超音波検査所見】供覧
【腹部 CT 検査所見】供覧
【腹部 MRI 検査所見】供覧
【肝生検査所見】供覧
症例2 門脈圧亢進症の 1 例
1)兵庫県立西宮病院 消化器内科 2)兵庫県立西宮病院 血液内科 1)福島寿一、安田華世、青井健司、池添世里子、森田香織、 増田江利子、柳川和範、松本仁、安永祐一、乾由明、河田純男 2)上田周二 【症例】26 歳 女 【主訴】40℃の発熱 【現病歴】 2012 年 6 月 9 日に 39 度の発熱あり。市販の総合感冒薬内服で 37℃前後まで解熱したが、 数時間すると 39℃台に戻っていた。症状は発熱のみで悪寒戦慄はなかった。同様の症状が 5 月中旬にもあったがそのときはフロモックス内服で発熱は 3 日間で改善していた。その 際も発熱以外の症状は認めなかった。6 月 11 日初診受診。採血にて急性肝炎の所見を認め たため、入院となった。発熱時に頭痛、悪寒、咽頭痛、感冒様症状は認めなかった。年一 回の定期健診で異常指摘なし。いのししや豚の摂取なし。海外渡航歴なし。薬剤内服は便 秘時の市販薬頓用のみ。 【既往歴】なし 【家族歴】母親:B 型肝炎ウイルスキャリア(エンテカビル内服中) 【アレルギー歴】なし 【生活歴】飲酒:なし 喫煙:なし 【月経歴】 月経不順あり。1~3 ヶ月とぶこともあった。 最終月経は痛み(-) 量普通 【身体所見】 意識清明、PS 0 、BP 127/77mmHg、BT37.0℃、 眼瞼結膜:貧血なし、眼球結膜:黄染あり 眼瞼浮腫:なし 甲状腺:腫大・圧痛なし 咽頭発赤(-) 扁桃腫大(-) 頚部血管雑音:なし、頚部リンパ節:腫脹(-) 自発痛圧痛(-) 心音:整 雑音無し 呼吸音:清 腹部:平坦・軟 圧痛なし 腸蠕動音:良好 肝叩打痛:なし 背部叩打痛:なし 下腿浮腫なし 足背動脈触知あり 皮疹:なし 関節痛なし 関節腫脹なし
症例3
発熱で来院し、血液検査で黄疸・肝機能異常を認め、肝生検を行った症例
【画像検査】 ●CT単純腹部 2012/06/13 肝内に明らかな SOL は指摘できませんが、門脈周囲の浮腫が目立っており、肝障害が示唆 されます。 著明な脾腫あり。 傍大動脈に多数の小リンパ節あり。反応性変化かもしれませんが、他の所見とも合わせ、 評価下さい。 胆、膵、腎、膀胱に著変なし。 両側卵巣嚢胞あり。左側は、一部出血性のようです。 産科的には、いかがでしょうか。 少量の腹水あり。 他に特記すべき異常は指摘できません。 ●CT単純胸部 2012/06/13 肺野に明らかな腫瘤影、活動性炎症を示唆する浸潤影など指摘できません。縦隔に小リン パ節散見されます。何らかの反応性変化でしょうか。 胸水なし。両側腋窩にも小リンパ節あり。 他に特記すべき異常は指摘できません。 症例3 発熱で来院し、血液検査で黄疸・肝機能異常を認め、肝生検を行った症例
【検体検査】 2012-07-23 CBC 白血球数 L 1 100/uL 赤血球数 L 275 10000/uL 血色素量 L 8.1 g/dL ヘマトクリット L 24.5 % MCV 88.9 fl MCH 29.4 pg MCHC 33.0 % 血小板数 L 10.8 10000/uL PT PTsec 11.1 sec PT% 123.4 % PT-INR 0.89 APTT 27.2 sec フィブリノ-ゲン 256.8 mg/dL 血漿FDP H 12.2 ug/mL Dダイマー H 6.0 ug/mL Eosin 2.0 % Meta 8.0 % Stab H 10.0 % Seg 50.0 % Lymph 28.0 % Mono 2.0 % #Neut 1 100/ul #LYMP 0.4 100/ul AST 26 IU/L ALT H 73 IU/L ALP H 783 IU/L γ-GT H 245 IU/L LD H 220 IU/L UN H 24 mg/dl CRE H 1.05 mg/dl eGFR 値(推算 GFR) 54.0 UA 5.0 mg/dl Na 140 mEq/L K 3.8 mEq/L Cl 100 mEq/L CRP 0.25 mg/dl 症例3 発熱で来院し、血液検査で黄疸・肝機能異常を認め、肝生検を行った症例
笹生病院 肝臓内科 西内明子 【症例】60 歳代女性 【主訴】全身倦怠感 【既往歴】2005 年 11 月交通事故左肩打撲。輸血歴。飲酒歴(-)。 【家族歴】特記すべきことなし。主人 67 歳 C 型慢性肝炎インターフェロン治療中。 【現病歴】2006 年 1 月初め頭痛のため近医受診。交通事故の後遺症として治療中、全身倦怠 感もあり血液検査を受けたところ肝機能値異常指摘、4 月に紹介され、某病院受 診。エコー下肝生検を受け自己免疫性肝炎と診断された。プレドニン 20mg から開 始し、漸減、肝機能値は低下し、2007 年 4 から他の病院でプレドニン 5mg とウル ソ 300mg の投与を受けていたが、全身倦怠感、四肢冷感などの症状強く、2009 年 11 月 26 日当院に初診した。2010 年 12 月 9 日に腹腔鏡検査目的施行した。 【現症】身長 145 cm 体重 40 kg 脈拍 77/分 血圧 135-78mmHg、黄疸なし、腹水なし、腹部:肝心窩部で 10cm 触知、軟。 【腹部超音波所見】供覧 【腹部 CT 所見】供覧 【胃内視鏡所見】供覧 【腹腔鏡所見】供覧、読影依頼。