経頭蓋直流電流刺激を利用した中枢神経興奮性の修飾とその臨床応用
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(2) tDCS 百話. 167. 性関節炎に対するポピュラーな対症療法として広まっ. 分間の陽極 tDCS により M1 の興奮性上昇が約 40 分間. た。11 世紀にも,イスラム帝国の外科医が,てんかん. 持続する. 患者の前額部に生きた電気なまずをあてていたとの記. により消失することから,tDCS の刺激効果の持続には. 録もある. 14). 。ヒトの運動が生体電気信号(当時は動物. 1)2)22)24). 。この効果は NMDA 受容体ブロック. シナプス長期増強または抑制が関与すると考えられてい 25‒27). 。また,中枢神経に存在するグリア細胞のひと. 電気“Animal electricity”と呼ばれていた)に制御さ. る. れていることを明らかにしたのは,“近代電気生理学の. + つであり,細胞外の K 能動調節に関与するアストロサ. 父”Luigi Galvani の所業(1791)であることを鑑みると,. イトが tDCS により活性化することが. 遙かそれ以前から経験則で電気刺激が治療的に使用され. 後双方の効果に影響を及ぼしているのではないかと考え. ていたという史実は実に興味深い。その後,ラットの脳. られている。. 皮質に 25 μ A の陽極直流電流の通電開始後,10 ∼ 20 分. tDCS では,電流密度(電流強度/電極サイズ) ,刺激. 間後にかけて膜電位が 2 倍に上昇した. 15). ,3.0 μ A の陽. 極直流電流を 30 分間通電すると皮質のみならず,海馬 2+. や視床で Ca. 濃度の上昇が生じ,皮質の脱分極状態は. 72 時間維持された. 16). ,などの研究を参考にヒトの脳に. 対する直流電流刺激適用の準備が整っていく。1998 年 17). 28). ,急性,刺激. 時間,極性および刺激部位が結果に大きく影響する 30). Nitsche ら(2007). 29). 。. は,電極サイズを小さくし,刺激. 強度を下げた場合でも,電流密度が同じであれば tDCS の効果に違いはないことを示した。また tDCS がヒト 2 に 応 用 さ れ た 当 初 か ら 彼 ら は 5 cm × 7 cm(35 cm ). の研究が,ヒトの一次運動野の興奮性を. の導電ゴム電極を使用し,1 mA の電流強度,つまり. tDCS で変化させた最初の報告例であることはあまり知. 2 0.02857 mA/cm の電流密度で陽極刺激は 13 分間,陰極. られていない。0.3 mA の tDCS を 7 秒間行ったところ,. 刺激は 9 分間行うプロトコルが M1 の興奮性調節にもっ. 陽極,陰極刺激ともに,経頭蓋磁気刺激(Transcranial. とも効果的だとしている. magnetic stimulation:以下,TMS)に惹起される運動. 負荷総量は,生体組織細胞に損傷を与えるとされる基準. 誘発電位(Motor evoked potentials:以下,MEPs)の. 値に対して,電流密度は 1 / 900,全電荷量は 1 / 100,000. 振幅が低下したという,いささか切れ味に欠ける内容の. に設定されている。我が国の臨床神経生理学会の委員. ためであろうか,当時も現在も注目を集めることが少. 会. ない研究となってしまった。そして,2000 年に Nitsche. 強度で,30 分間までの刺激は安全であろうと提言して. の Priori ら. 1). 32). 1)24)31). 。この電流密度と電流. では 5 × 7 cm(35 cm2)の電極の場合,3 mA の. が,1 mA の tDCS を 5 分間,M1 に行った. いる。より高い電流密度でより大きな変化を求めたくな. 結果,MEPs 振幅が陽極刺激では 4 分間上昇し,陰極刺. るかも知れないが,1 mA の陰極刺激により認められる. 激では反対に 3 分間低下したと報告して以来,tDCS は. M1 興奮性の抑制効果を,2 mA で検討したところ,陰. 健常者の脳機能や,様々な中枢神経障害の治療を促進. 極刺激にもかかわらず MEPs 振幅が増大したという報. する非侵襲的脳刺激ツールとして急速に広まり現在に. 告. 至る。. すれば単純に効果が増すわけではないことを知っておく. と Paulus. 33). が示すとおり,tDCS では,ただ電流密度を増大. 必要がある。また,非侵襲的脳刺激ツールと考えられて. tDCS の作用機序と安全性. いる tDCS でも,被験者の 50%以上が痛痒感,かゆみだ. Wagner らのコンピュータシミュレーション 18) に. けでなく頭痛や,灼熱感などの不快感を訴え. よると,頭皮上に与えられた電流密度は,頭蓋骨で約. の感覚は,電流密度や刺激部位よりも電極のサイズと刺. 20% に低下し,脳脊髄液中で約 30% に回復した後,頭. 激強度にもっとも影響を受けることから. 皮から 15 mm 離れた灰白質には 10% 程度が到達する。. 密度を維持するために電極サイズを大きくした場合は,. この電流は直接錐体細胞に作用し,陽極刺激では膜電位. 多くの頭皮の感覚受容器を刺激すると考えられる。以上. の閾下の脱分極,陰極刺激では過分極を誘導する. 19‒21). 。. 34). ,これら. 35). ,高い電流. のことから,先行研究をよく吟味し,目的に応じた電極. つまり,tDCS により皮質錐体細胞の脱分極は生じない. サイズと刺激強度を選択することが肝要である。国内で. が,陽極刺激により脱分極が生じやすくなり,反対に陰. も普及しているドイツ製 tDCS 装置(Eldith, NeuroConn. 極刺激ではこれが生じにくくなることが急性効果の作. GmbH, Germany) ( 図 2) は, バ ッ テ リ ー 駆 動( 定 電. +. 用機序として考えられている。電位依存性の Na また 2+. 圧)であるため,オームの法則(電圧(V)=抵抗(R). チャネル拮抗薬により陽極 tDCS の効果が消失. ×電流(I) )にしたがい,皮膚抵抗値が高くやけど発生. するが,グルタミン作動性 NMDA 受容体のブロックや. の恐れがある場合は,設定した電流量が発生しない設計. GABA 受容体促通は tDCS の急性効果に作用しないと. となっている。ある程度の安全性は刺激装置の設計によ. は Ca. 22)23). は,tDCS はおもに刺激の極性に. り担保されているとはいえ,不十分な前処理のもとに電. 依存して膜電位を変化させることに作用するが,シナプ. 極を設置したものの,高い皮膚抵抗のために通電スイッ. スには作用しないことを示唆している。一方,10 ∼ 13. チが作動せず,再度電極を張り直すという状況は,被験. いう薬理学研究.
(3) 168. 理学療法学 第 44 巻第 2 号. コーナーでは,我々がこれまでに行ってきた,tDCS に よる M1 ∼ S1 間の連結性の変化に関する研究結果の一 部を紹介する。 M1 の前方に位置し,M1 の機能発現に重要な運動連 合野(背側運動前野と補足運動野)に tDCS を行った 場合,興奮性の陽極刺激により単発 MEP の振幅低下と 体性感覚誘発電位(Somatosensory evoked potential: SEPs) の 振 幅 増 加 が 生 じ た。 一 方, 陰 極 刺 激 で は MEP,SEP とも陽極刺激と逆の変化が起こった 図 2 tDCS に使用するデバイス (左)刺激装置,ケーブル, (右)導電性ゴム電極ならびに カバースポンジ. 41). (図. 4)。さらに運動連合野のうち背側運動前野に限局して刺 激したところこのような変化は生じず,刺激された背側 運動前野と補足運動野が全体として M1,S1 の変化を誘 導したことが考えられた。一方,運動前野背側および腹 側にかかるように電極を配置して tDCS を行ったところ 単発 TMS による MEP は変化せず,二連発 TMS によ る皮質内抑制にのみ影響したとの報告もある. 42). 。以上. より,運動連合野の刺激される領域の違いで惹起される M1,S1 の興奮性の修飾作用が異なることがわかる。ま た高次運動野に対する tDCS が,神経連絡を介して M1 および S1 の興奮性を変化させることができることが明 らかにされた。 Sugawara ら. 43). (2015) は 脳 磁 図 を 用 い た 研 究 で,. M1 上に陽極刺激を行ったところ体性感覚誘発脳磁界 (Somatosensory evoked magnetic fields:以下,SEFs) の成分 P35m と P60m の振幅が変化したことを報告した (図 5)。この結果は,中枢神経における体性感覚の処理 過程は,M1 を介して調節できることを示し,さらには SEFs の成分 P35m の電流発生源は中心前回に位置する 可能性があることを示唆している。 末 梢 に 生 じ た 固 有 受 容 感 覚 は S1 を 介 し て 一 過 性 図 3 左 M1 に対する陽極 tDCS を実施しているときの様子 (上)TMS を使用し,右第一背側骨間筋の Hot spot を同定し, 陽極電極の中心を設置する.陰極電極は対側前額部に置く. (下)導電性ゴム電極は,生理食塩水を浸したスポンジにく るまれている.エラスティックテープを使用し,電極を頭 皮に密着させている.. に M1 の 興 奮 性 を 抑 制 す る(Short-interval afferent 44) 45) は inhibition: 以 下,SAI) 。Kojima ら(2015). S1 に 対 す る 陰 極 tDCS( 電 流 密 度:Current density; 2 0.11 mA/cm ) は, こ の SAI を 減 弱 さ せ る と 報 告 し 46). て い る。 一 方,Sasaki ら(2016). は,Kojima ら の. 実験より弱い刺激である陰極 tDCS(Current density, 者のためにも避けねばならない。筆者らは皮膚抵抗値を. 2 0.029 mA/cm )で S1 を刺激した場合は SAI が減弱し. 下げるために,頭皮をアセトンで脱脂する,頭髪を生理. ないが,M1 を刺激した際には,SAI が減弱することを. 食塩水で濡らす,場合によっては心電図などに使用する. 明らかにした。これらの結果は SAI には S1 と M1 の両. 導電ジェルをスポンジに塗布する,エラスティックテー. 領野が関与している可能性を示唆している。. プで電極を頭皮に密着させるなどの工夫を施している. Miyaguchi らは. tDCS による一次感覚─運動野間の連結性の 調節 M1. ,陽極 tDCS 中に軽負荷随意運動ま. たは他動運動を行うことにより,M1 の興奮性がどのよ. (図 3) 。. 1)22)30)36‒38). 47). 39)40). や一次体性感覚野(以下,S1). うに変動するのかを調査し,陽極 tDCS により M1 の興 奮性が増大するが,軽負荷随意運動や他動運動と tDCS を併用した場合は M1 興奮性が減弱することを明らかに している(図 6) 。このことは,tDCS の効果は tDCS 介. に tDCS を行ったときに,空間的に限局した部位の直接. 入中の安静状態によって変動するため,皮質運動野の. 的な機能変化が生じることはよく知られている。この. 興奮性を向上させることを目的とする場合は安静状態で.
(4) tDCS 百話. 169. 図 4 運動連合野に対する tDCS が MEPs と SEPs の振幅に及ぼす影響 (a)頭皮上の tDCS 電極位置を MRI 画像上脳表に投射した 3 次元イメージ図.灰色 の点は小型電極の,黒い点は大型電極の辺縁部を,白の点は第一背側骨間筋の Hot spot を表す.大型および小型電極ともに背側運動前野と運動前野前部をおもに覆っ ていた.一方,大型電極は補足運動野を含んでいたが腹側運動前野と対側半球には 達しなかった.大型電極を使用して運動連合野に対して陽極または陰極 tDCS を行 う前,刺激終了直後,終了 15 分後の MEPs(b)および SEPs(c)波形の代表記録例. 運動連合野に対する陽極 tDCS 後に MEPs 振幅は減少し,反対に陰極 tDCS 後には 増大した.一方,SEPs 振幅は陰極 tDCS 後に減少し,陽極 tDCS 後に増大した(文 献 41 より転載). tDCS を実施した方が望ましいことを示唆している。 最後に,刺激部位が異なるのだが,小脳に対する陰極 tDCS(2 mA,20 分間)により開眼立位時の重心動揺 48). 軌跡長が減少したという Inukai ら(2016). の報告を. 添えさせていただく。この研究結果は,陰極刺激により 小脳の入出力機能を修飾できることを示しており,今後 は高齢者や小脳変性症患者の立位バランス改善への応用 が期待される。. tDCS による運動機能の変化 図 5 M1 上に陽極 tDCS を行う前後における体性感覚誘 発 脳 磁 界(Somatosensory evoked magnetic fields: SEFs)のグランドアベレージ波形 M1 に対する tDCS 後に SEFs の成分 P35m および P60m の 振幅が増大している.この結果は,中枢神経における体性 感覚の処理過程は,M1 を介して調節できることを示唆する (文献 43 より転載).. ここでは,M1 またはこれに近接する運動関連領野を ターゲットとした tDCS により,ヒトの運動機能の変化 が生じたというユニークな報告例を紹介する。 1.一次運動野 49). Cogimanian ら(2007). は,M1 上に 1.5 mA の陽極.
(5) 170. 理学療法学 第 44 巻第 2 号. の前後で運動パフォーマンスを比較する,いわゆる off line デザインの研究が多い中,tDCS 中に足趾のピンチ 力が増大したという on line 効果を示す報告がある. 55). 。. さらには,陰極刺激により下肢の関節可動域(Range of motion:以下,ROM)が増大したというユニークな研 究もある. 56). 。この報告では陽極電極を国際 10 ∼ 20 の. Cz,つまり大脳縦裂下の下肢をターゲットとし,上肢の 対部位局在をカバーしない位置に設置している。その結 果 ROM の変化は足関節で認められたが,手関節では認 められなかったとしている。一次体性感覚運動野の興奮 性が,関節の柔軟性に影響するという着眼点には斬新性 図 6 陽極 tDCS 単独,軽負荷随意運動(active)または他 動運動(passive),陽極 tDCS 中に軽負荷随意または 他動運動を行う前後における MEPs 振幅の比較 陽極 tDCS により M1 の興奮性が増大するが,軽負荷随意 運動や他動運動と tDCS を併用した場合は M1 興奮性が減 弱している.陽極 tDCS により M1 の興奮性を向上させる 場合は安静状態で tDCS を実施した方が望ましいことを示 唆している(文献 47 より転載). pre: 各 介 入 前,post-2 min: 各 介 入 終 了 2 分 後,post-3 min:各介入終了 10 分後. があり,詳細な研究が重ねられ,生理学的機序が明らか にされることを期待したい。 話を tDCS による運動持続時間の延長効果に戻す。 M1 で は な く, 左 側 頭 部( 以 下,T3) に 陽 極 刺 激 を 行ったところ,自転車競技選手がペダリング運動を行 う際の心拍数と自覚的運動強度(Rating of perceived exertion:RPE)の上昇が抑制されたとの興味深い報告 がある. 57). 。この研究ではコンピュータシミュレーショ. ンにより,T3 に対する陽極 tDCS は島に作用すること を確認しており,筆者らは島が制御に関与する副交感 刺激を 10 分間行うことにより,肘関節屈曲の最大随意. 神経支配の迷走神経の興奮性が変化し,持久力向上を. 収縮(Maximal voluntary contraction:以下,MVC)時. もたらしたと述べている。このような状況を受け,ア. の筋力は変化しないが,35%MVC の筋力を保持する課. スリートが tDCS を利用すること,つまり“脳ドーピ. 題では,その持続時間が延長することを報告した。彼ら. ング”を懸念するレポートが nature に発表された. は一次運動野の興奮性上昇により,疲労に伴う痛みが軽. このレポートでは,全米スキー・スノーボード協会と. 減する,意欲が上昇する,協働筋群のカップリング活動. Halo Neuroscience 社(https://www.haloneuro.com/. が改善するなどの効果が起きたのではないかと推察して. science)の共同研究で,ヘッドフォン型の「脳刺激装置」. いる。その一方で,これとほぼ同条件の追試実験を行っ. を併用したトレーニングにより,ジャンプ競技選手のパ. たものの,陽極刺激による効果は MVC 時の最大筋力に. フォーマンスが大幅に改善されたことと,上述の側頭部. も,低強度の持続筋収縮課題の持続時間にも認められ. に対する tDCS によるペダリング運動における持久力の. 50). 。この研究では,トレーニ. 改善効果の再現性が別のグループによって確認されたこ. ング習慣がある被験者では天井効果により,tDCS によ. とに触れ,オリンピックで選手が“脳ドーピング”を利. る上積みが得られないのかも知れないと考察している。. 用することを憂慮する神経科学者のコメントで結んでい. なかったとの報告もある. 51). 58). 。. は,2 mA,10 分間の陽極刺激後. る。非公式な場での研究者間の議論では,tDCS を含む. に肘関節屈曲の MVC が上昇したと報告している。この. 非侵襲的脳刺激をアスリートが使用することの是非とそ. ときの筋活動は上腕二頭筋で増大したが,上腕三頭筋で. の効果について話題に上ることが多い。 「脳刺激装置」. は変化が起きなかったことから,tDCS により主動作筋. が製品として市場に流通しはじめた今後は,アスリート. の recruitment 効率が改善されたと考察している。下肢. の“脳ドーピング”が公的な場において議論される重要. Krishnan ら(2014). (膝関節伸展)を対象とした研究では,M1 陽極刺激時. なテーマになると思われる。. に陰極を対側前額部に置く電極配置ではなく,陰極を肩 に置くことで筋力維持課題の持続時間が延長し,主観的 疲労度が低下したとの報告がある. 52). 。M1 陽極刺激時に. 2.両側一次運動野 一般的に tDCS により M1 の興奮性を修飾する場合,. は,直接線維連結のない対側前額部に陰極を置くのが一. 陽極(陰極)刺激では,陰極(陽)電極が対側前額部に. 般的なモンタージュであるが,この研究では頭部に置い. 設置される。これは,この部位からの同側または対側一. た陰極電極は,運動パフォーマンスにネガティヴに作用. 次運動野に対する直接投射がないことから,陽極(陰極). すると述べている。tDCS による皮質興奮性の促進は随. 電極直下の興奮性にほぼ影響を及ぼさない基準電極とし. 意筋収縮で減弱することが示されており. 47)53)54). ,tDCS. ての位置に適しているからである。一方,脳卒中患者に.
(6) tDCS 百話. 171. らの電極配置に,より tDCS の介入効果があるのかにつ いては,見解が一致していないのが現状である。我々は, 右利き健常成人に対し,従来の Uni-tDCS(右 M1 陽極 刺激+左前額部陰極刺激)と Dual tDCS(右 M1 陽極刺 激+左 M1 陰極刺激),Sham 刺激の 3 条件の tDCS 前 後で,非利き手による視標追跡描円課題の精度を比較し た. 68). 。その結果,急速な軌道修正の指標である X,Y,. Z 方向の加速度パワースペクトル和は,Uni-tDCS での み有意に減少した。移動する指標を上肢で追跡する課題 の成績,およびその学習能力は,特に左半球頭頂葉の損 傷患者において著しく低下するとの報告がある 図 7 両側半球同時 tDCS における刺激電極の配置 非病側半球への抑制性陰極刺激は,脳梁を介した病側半球 への過剰な抑制作用を軽減する可能性がある.. 69). 。本. 研究で行った Dual-tDCS では,左 M1 に陰極刺激を行っ たが,このことにより指標追跡運動に重要な左頭頂葉 と左 M1 との機能連結を低下させてしまった可能性があ る。運動肢と同側 M1 から対側 M1 に対する半球間抑制. 対する臨床応用では,病巣のある大脳半球の興奮性を促. の減少は,シークエンス課題のような視覚情報を多く必. 通性の陽極 tDCS で上昇させるか,または脳梁を介して. 要としない片手の運動には有効であるのかも知れない. 非病側半球から病側半球に対して強く作用する大脳半球. が,本研究で用いた視標追跡課題においては,右 M1 の. 59). を,非病側半球への陰極 tDCS で抑制するの. 興奮性上昇と,左半球における視覚情報を運動指令に変. か,どちらの方法の治療効果が高いかについて多くの議. 換する機能の低下がトレードオフの関係になってしまっ. 間抑制. 60). 。その後,脳卒中維持期の患者に. たと推察した。視覚刺激処理過程を含む上肢巧緻動作の. 対して病側半球に陽極電極を,非病側半球に陰極電極を. 精度向上には,必ずしも Dual-tDCS が優れているとは. 設置して両側半球を同時に刺激する tDCS(Dual-tDCS). 限らない可能性がある。. 論が行われてきた. (図 7)による運動機能回復効果は,一側半球に対す る tDCS(Uni-tDCS)より高いと報告されて以来. 61). ,. 3.補足運動野. Dual-tDCS は,脳卒中リハビリテーションにおけるスタ. 補足運動野(Supplementary motor area:以下,SMA). ンダードな電極設置モンタージュとして注目を集めて. は予測的な姿勢制御に重要な役割を果たすことが知ら. いる。これに先んじて,Dual-tDCS の優位性は 2008 年,. れている。古くは 1967 年の Belen’kii. 62). 70). の研究で,立. によって最初に報告された。この研究では,. 位時に上肢を急速に挙上した場合に,下肢および体幹の. 非利き手で行うシークエンス課題(Ⅱ - Ⅳ指を使用し,. 姿勢調節筋群が,上肢挙上運動の主動筋に先行して活動. 指定された順序でキーボード入力を行う)の成功率は,. を開始することが報告されている。これは,上肢の急速. Sham 刺激および Uni-tDCS と比較して,Dual-tDCS 後. な運動に伴う重心の前方移動が,立位姿勢保持にとって. において有意に高かったと報告している。また,この背. 外乱となることを予測し,予め緩衝する合目的な姿勢調. 景として,非利き手の同側半球に陰極刺激を行った結. 節機構と考えられ,先行随伴性姿勢調節(Anticipatory. 果,課題遂行に不要な非利き手の同側半球から対側半球. postural adjustments:以下,APAs)と呼ばれている。. に対する半球間抑制が減少したのではないかと考察し. 我々は SMA に対する陰極 tDCS により,この APAs 機. ている。その後 Dual-tDCS による M1 興奮性の増大や. 能の指標とされる,姿勢調節筋群と主導筋との筋活動開. 半球間抑制機能の変化は Uni-tDCS より大きいことを示. 始のタイムラグ(⊿ EMG on set)が短縮することを明. Vines ら. 唆するデータが報告されている を対象としたシークエンス課題 課題. 66). 63)64). 65). 。一方で,健常者. や Purdue pegboard. において,Uni-tDCS に対する Dual-tDCS の優. らかにした. 71)72). (図 8)。この結果は,大脳基底核−視. 床下核− SMA ループが APAs の生成に重要な役割を果 たすという先行研究の結果. 73‒75). を支持するとともに,. 位性が認められなかったという報告や,健常者の運動. 陰極 tDCS は SMA の姿勢調節機能を抑制し得ることを. 誘発電位の振幅上昇や,脳卒中片麻痺患者の運動反応. 示唆している。. 時間の短縮効果は Dual-tDCS より Uni-tDCS で優れてい たとの報告もある. 67). 。脳卒中片麻痺患者の麻痺側上肢. tDCS 効果の Variability. 機能効果についても,ランダム比較試験(Randomized. これまで,tDCS による介入効果の成功例のみを紹介. controlled trial:以下,RCT)により Uni-tDCS に対す. してきたが,最近では刺激効果には個人差が大きいこと. る Dual-tDCS の優位性を示す研究はまだ少なく,どち. に焦点をあてた報告も多く見られるようになってきてい.
(7) 172. 理学療法学 第 44 巻第 2 号. 図 8 SMA に対する陰極 tDCS 前後に三角筋前部(DEL_A)および大 二頭筋(BF)から導出 した筋電図の記録例 被験者は任意のペースで右上肢をできるだけ早く挙上する課題を SMA に対する陰極 tDCS の前, 後,15 分後に行った.主動作筋である DEL_A の筋活動に先行して,姿勢調節筋である BF が活 動することにより,被験者の立位バランスが保持される(APAs).この主動作筋と姿勢調節筋の 筋活動開始時間の差が,SMA に対する陰極 tDCS 後に短縮している(文献 72 より転載) .. ることにも注目する必要がある。. 5%,残る 21% では MEPs 振幅が陽極刺激で減少,陰極. 8). Lopez-Alonzo ら(2014) の報告では,56 名の被験. 刺激で増大するというパターンリバーサル効果が認め. 者を対象とし,M1 に 1 mA の陽極刺激を 13 分間行っ. られた. た と こ ろ,MEPs 振 幅 が 増 大 し た Responder は 25 名. に分け,1 mA または 2 mA の陽極刺激を 10 分間受け. (45%)であった。この研究では他の非侵襲的脳刺激ツー. るグループと,1 mA または 2 mA の陽極刺激を 20 分. 9). 。さらには,40 名の被験者を 2 つのグループ. ルの介入効果も検討されており,MEPs 振幅の増大が. 間受けるグループで比較したところ,どの刺激強度と時. 認められたのは,連合性ペア刺激(Paired associative. 間の組合せにおいてもグループの平均値における有意. stimulation:PAS)で 22 名(39%) ,間歇的 θ バースト. な MEPs 振幅の増大は認められなかったという報告も. 刺激(intermitted theta burst stimulation:iTBS)では. ある. 77). 。この研究でも一定数の Responder は存在し,. 24 名(43%)であった。3 種類の脳刺激ツールのすべて. MEPs 振幅のグループ平均値の増大は 1 mA/10 分間で. で過半数の被験者が Non responder だったことになる。. 5%,1 mA または 2 mA/20 分間で 20 ∼ 30% であった。. さらに彼らは,45 名の被験者に対し,M1 に対する陽極. なお,この研究では,どの条件でも MEPs 振幅のばら. 刺激を 6 ∼ 12 ヵ月の間隔を空けて行ったところ,初回. つきが tDCS 後には減少すること,そもそも個人内,個. に Responder に分類された 27 名(60%)の内,2 回目. 人間ともにばらつきが大きい MEPs 振幅を tDCS によ. も MEPs 振幅の増大が認められたのは 21 名(78%)だっ. る M1 興奮性修飾効果のパラメータにすること自体に問. たと報告している。一方,初回の Non responder 18 名. 題があることを指摘している。. (40%)の内,10 名(56%)は 2 回目のセッションでも 76). tDCS を含む複数の非侵襲的脳刺激に誘導される皮. 。これらの結. 質可塑性の限定要因として,性差,運動時間,刺激を. 果は,tDCS による M1 修飾の効果は個人間でばらつき. 行う時間,年齢,被験者の注意,神経疾患既往歴,服. が大きいことを示すとともに,tDCS は効く被験者には. 薬状況,脳由来神経栄養因子などがある. 効くということも示唆している。M1 に対して 2 mA の. 経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor:以下,. 刺激強度で 10 分間の陽極,陰極刺激を 53 名に行った. BDNF)は中枢神経系内に多く存在する成長因子で,大. 別の研究では,陽極刺激で MEPs 振幅が増大,陰極刺. 脳皮質,大脳基底核,海馬の神経可塑性に重要な役割を. 激で減少するという従来の極性依存の修飾効果を認め. 果たす. た被験者は 36% にとどまり,以下,陽陰極刺激ともに. に変化した多型では,66 番目のアミノ酸がバリン(Val). MEPs 振幅が増大したのが 38%,両者で減少したのは. か ら メ チ オ ニ ン(Met) に 変 化 し,Val66Met ま た は. MEPs 振幅の増大が認められなかった. 78). 。脳由来神. 79). 。BDNF 遺伝子の 196 番目の塩基が G から A.
(8) tDCS 百話. 173. 表 1 脳卒中片麻痺患者に対する tDCS の RCT 結果 文献. 被験者,実験デザイン. 刺激部位. 刺激パラメータ,回数. 結果. 50 名(25 名 Sham) 発症 2 日後. 陽極 M1 陰極前額部. 2 mA,13 分間 5 日間,FU: 3 ヵ月. 介入後,3 ヵ月後ともに FMA, NIHSS,mRS,BI 不変. 20 名(10 名 sham) 発症 1 ∼ 14 日後,橈骨神経 TENS(5 Hz)併用. 陽極 M1 陰極前額部. 1.2 mA,13 分間, 5 日間,FU: 1 ヵ月. 2,4 週後に上肢 JHFT,改善 FMA 不変. Hesse ら 95) (2011). 56 名(28 名 sham) 発症 3 ∼ 8 週後,RT 併用. 陽極 M1 陰極前額部. 96). 27 名(13 名 sham) 発症 1 ∼ 4 週後,PT 併用. 陽極 M1 陰極前額部. Chang ら 97) (2015). 24 名(12 名 sham) 発症 1 ∼ 4 週後,RT 併用. 陽極 M1 陰極前額部. Geroin ら 98) (2011). 20 名(10 名 sham) 発症 14 ∼ 34 ヵ月,RT 併用. 陽極 M1(下肢) 1.5 mA,7 分間,10 回 陰極前額部 (2 週間),FU: 2 週間. 歩行機能不変. Viana ら 99) (2014). 20 名(10 名 sham) 発症 14 ∼ 52 ヵ月,VRT 併用. 陽極 M1 陰極前額部. SSQOL 改善 FMA,WFMT,mAS 不変. 24 名(13 名 sham) 発症 6 ∼ 141 ヵ月,PT 併用. 陽極 M1 陰極前額部. 1 mA,20 分間,9 回 (2 週間),FU: 3 ヵ月. 3 ヵ月後 ARAT,WFMT 改善, FMA 不変. 2 mA,20 分間,30 回 (6 週間),FU: 3 M. 介入後,3 ヵ月後 MA,BBT, MRC,mAS,BI 不変. Rossi ら (2013). 93). Sattler ら (2015). Khedr ら (2013). 94). Allman ら (2016). 100). Hesse ら (2011). 95). 57 名(28 名 sham) 発症 3 ∼ 8 週後,RT 併用. 陽極 M1 陰極対側 M1. Khedr ら (2013). 96). 26 名(13 名 sham) 発症 1 ∼ 4 週後,PT 併用. 陽極 M1 陰極対側 M1. 2 mA,20 分間,30 回 (6 週間),FU: 3 ヵ月 2 mA,20 分間 6 日間,FU: 3 ヵ月 2 mA,10 分間,10 回 (2 週間),FU: 1 日. 2 mA,13 分間 15 回(5 週間). 2 mA,25 分間 6 日間,FU: 3 M. 介入後,3 ヵ月後 MA,BBT, MRC,mAS,BI 不変 介入後,3 ヵ月後 OMCASS, BI 改善,反応時間短縮と相関 下肢運動機能 FMA 改善, MEP 促通,歩行機能不変. 3 ヵ月後 OMCASS,BI 改善, 反応時間短縮と相関. ARAT: action research arm test; BBT: box and block test; BI: Barthel index; FMA: Fugl-Meyer assessment; FU: followup; JHFT: Jebsen hand function test; mAS: modified Ashworth scale; MEP: motor evoked potential; MRC: Medical Research Council score; mRS: modified Rankin scale; NIHSS: National Institute of Health stroke score; OMCASS: Orgogozo’s MCA scale; SSQOL: stroke specific quality of life scale; TMS: transcranial magnetic stimulation; WFMT: Wolf Motor Function Test. Met66Met と 呼 ば れ る 一 塩 基 多 型(Single nucleotide. る介入が奏功した例が見られるものの,Sham 刺激群と. Polymorphism)を示す。一塩基多型保有者は BDNF 生. 比較して有意な改善が認められなかった報告もあり,脳. 産量が少なく,海馬機能の低下,精神疾患の脆弱性,脳. 卒中患者の一次運動野に対する tDCS は推奨できないと. 損傷後の神経可塑性との関連が注目されている。M1 の. している。しかしながら,上肢の Robot therapy(RT) ,. 興奮性増大を目的とした非侵襲的脳刺激の介入効果と. Virtual reality therapy(VRT) ,そして理学療法などと. BDNF 遺伝子との関連を検討した研究では,TMS を使. tDCS との併用では一定の成績を収めており,病期や. 用した TBS や PAS では野生型の Val66Val 保有者に効. 損傷部位に応じて,それぞれに至適な刺激パラメータ. 80‒82). ,反対に tDCS の場合は一塩基多型の. (セッション数,強度,部位など)が確立されること. Val66Met 保有者によく効くという興味深い結果が示さ. が期待される。ちなみにこの報告で介入が有効と判定. きやすいが れている. 83)84). 。さらなる詳細な検討が重ねられ,その. された tDCS は,Lebel B(有効な可能性が高い)が,. 詳細な神経生理学的機序が明らかにされていくことが期. 1)線維筋痛症患者に対する M1 への陽極刺激,2)薬. 待される。. 剤難治性うつに対する左背外側前頭前野(Dorsolateral prefrontal cortex: 以 下,DLPFC) へ の 陽 極 刺 激,3). tDCS の臨床応用. アルコール・薬物・ニコチン依存に対する右 DLPFC へ. 2016 年には,非侵襲的な脳刺激に関する研究の欧州. の陽極刺激,Level C(有効な可能性がある)は脊髄損. のトップランナーたちにより,tDCS の臨床応用に対す. 傷を原因とする慢性神経性疼痛に対する M1 への陽極刺. 85). が発表された。この報. 激である。理学療法の臨床場面ではかかわることがあま. 告で脳卒中患者に対する tDCS の介入効果を検討するに. り多くない疾患ばかりかと思われるが,このガイドライ. あたり,充分な被験者数(25 名)を対象として行われ. ンには脳卒中以外にもパーキンソン病,多発性硬化症,. た,あるいは介入効果を認めたが被験者数が充分ではな. 認知症などポピュラーな疾患に対する tDCS の適用を検. い RCT として紹介された文献を表 1 にまとめた。. 討した論文が多く紹介されているので,ぜひ本編にもお. 急性期,亜急性期,維持期すべてにおいて tDCS によ. 目通し願いたい。. る Evidence-based guidelines.
(9) 174. 理学療法学 第 44 巻第 2 号. り,脳機能の解明や治療への応用に関する知見が今後蓄 積されるものと思われる。. おわりに ご承知の通り,リハビリテーションに限らず,勉強に してもスポーツにしても,対象者の能力向上を支援する ことを生業とする者の前には,ヒトの多様性という厚い 壁が立ちはだかる。しかし万人に奏功する指導法などな いことを気遣うあまり,「相手を型にはめてはいけない」 と,場当たり的な対応をしていると,それは「形無し」 と呼ばれてしまう。いずれビッグデータのクラスタ解析 により,様々な疾患,病態を呈する対象者が適度にセグ メンテーションされ,tDCS をはじめとする電流を用い た脳刺激,反復磁気刺激,さらには次号で紹介される静 磁場刺激を含む非侵襲的脳刺激法は,それぞれのセグメ ント(型)に至適な,洗練されたプロトコルで活用され 図 9 各種非侵襲的脳刺激で使用する電流の記録波形(刺 激強度 1 mA,刺激時間 30 秒間) tDCS:5 秒間で漸増した後,定電流を通電し,再び 5 秒間 で漸減する. tACS:10 Hz の交流電流を通電する. tRNS:0.1 ∼ 640 Hz の低高周波成分を含んだノイズ状の電 流を通電する. tPCS:刺激間隔は 1 ∼ 5 Hz で矩形波を反復通電する.矩 形波は持続時間 10 ms,間隔 2.5 Hz が中央値となる正規分 布するようにプログラムし,ランダム提示する.. 非侵襲的脳刺激の新たな潮流 近 年 は, 交 流 電 流 に よ る 経 頭 蓋 交 流 電 流 刺 激 86) (Transcranial alternating current stimulation:tACS) ,. ランダムなノイズ信号を通電する経頭蓋ランダムノイズ 87) 刺激(Transcranial random noise stimulation:tRNS) ,. 短時間のパルス波の時間,刺激間隔と強度をランダム に提示する経頭蓋パルス電流刺激(Transcranial pulsed 88) current stimulation:tPCS) ,と tDCS の発展型が注目. を集めている(図 9) 。それぞれ,直流電流と異なり,電 流の時間変化は平均すると 0 となるので,tDCS の作用機 序である膜電位の閾下変動は生じないと考えられる。現 在のところ,脳の周期的な律動を同期する,あるいは変 調することで皮質の興奮性が修飾されることが作用機序 として考えられている. 20). 。さらには強力な NdFeB 磁石. を頭皮上に 10 分間程度留置することにより,M1. 89)90). および S1 91)92)の興奮性を抑制性に修飾できることが報 告されている。これは経頭蓋静磁場刺激(Transcranial static magnetic field stimulation:tSMS) と 呼 ば れ,100 ∼ 200 mT 程度の静磁場に神経細胞が暴露されると,嫌 磁場異方性効果により神経細胞膜のリン脂質の再編成が 生じ,イオンチャネルの開口速度が低下するという性質 を応用したものである。これらの新たな非侵襲的脳刺激 方法は tDCS とは異なる刺激特性と介入効果をもってお. るのかも知れない。また,今後急速に進むはずの再生医 療では,再生された中枢神経の合目的なネットワーク再 編を誘導する,リハビリテーションメニューと非侵襲的 脳刺激法によるそのコンディショニングは必須になるで あろう。来たる日に備える読者の方々にとり,本稿で取 り上げた 100 の文献が一助となるなら幸甚である。 文 献 1)Nitsche MA, Paulus W: Excitability changes induced in the human motor cortex by weak transcranial direct current stimulation. J Physiol. 2000; 527 Pt 3: 633‒639. 2)Nitsche MA, Paulus W: Transcranial direct current stimulation ̶ update 2011. Restor Neurol Neurosci. 2011; 29: 463‒492. 3)Schlaug G, Renga V: Transcranial direct current stimulation: a noninvasive tool to facilitate stroke recovery. Expert Rev Med Devices. 2008; 5: 759‒768. 4)Elsner B, Kugler J, et al.: Transcranial direct current stimulation for improving spasticity after stroke: A systematic review with meta-analysis. J Rehabil Med. 2016; 48: 565‒570. 5)Shin YI, Foerster A, et al.: Transcranial direct current stimulation (tDCS) ̶ application in neuropsychology. Neuropsychologia. 2015; 69: 154‒175. 6)Schulz R, Gerloff C, et al.: Non-invasive brain stimulation in neurological diseases. Neuropharmacology. 2013; 64: 579‒587. 7)Adeyemo BO, Simis M, et al.: Systematic review of parameters of stimulation, clinical trial design characteristics, and motor outcomes in non-invasive brain stimulation in stroke. Front Psychiatry. 2012; 3: 88, doi: 10.3389/ fpsyt.2012.00088. 8)Lopez-Alonso V, Cheeran B, et al.: Inter-individual variability in response to non-invasive brain stimulation paradigms. Brain Stimul. 2014; 7: 372‒380. 9)Wiethoff S, Hamada M, et al.: Variability in response to transcranial direct current stimulation of the motor cortex. Brain Stimul. 2014; 7: 468‒475. 10)小 川 彰, 出 江 紳 一, 他: 脳 卒 中 ガ イ ド ラ イ ン 2015 Kindle 版. 日 本 脳 卒 中 学 会 脳 卒 中 ガ イ ド ラ イ ン 委 員 会.
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