Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn感 性
情
報 を
用
い
た
Tangible
lnteraction
目的
;人 間
の感 性
の働 き よ
り表 れ
る無 意 識 的 な情 報 行 動
を製
品のイ ン タ フェー
ス操 作
に応
用す
ること を 目指
し、
直 感
的 な 反 応 と して の触 覚
(Tangible
) インタ ラ クシ ョンを提
案
す
る。
授 業名
:デ ザ イ
ン演 習 (
情 報 デザ イ
ン部 門) デザ イ
ン専 攻分 野
の複 数 教
官
によるオ
ムニバス形式 (
3
学 期 制 ) 指 導 教 員
:李 昇姫
受 講者
;3
年 生 選択 授業 期
間 :1
学期
(10
週 間 )授 業概 要
人 間
とデ
ジタル情報
、
物
理的
な環 境 問
のインタフェー
スに焦点
を当
て る。
人々 の日常 行 動
を観 察
し、
外 部 刺 激
に 反応 す
る感 性 (
五感 覚
)の働
き に よっ て自
然 に表
現 さ れ る 無意
識
的
な行 動
を記 録 (
ビデ
オ、
写 真
な ど)
し、
そ
の動 き をイ
ンタ
フェー
ス操 作
と して設 計す
る。一
方 的 な情 報
の提
示ではな
く、
人間
の反応
を機 械
に与
え、
次
の操 作
につ な がる、
自然
な や り取
り を 用いた イ ン タ ラ ク ション を実 働
モデ
ル や シミュ レー
シ ョンで提
案
す る。
解 説 (
情 報
デザ
イン の視 点
で指 導
したポ
イン ト)
こ の
授業
は、
情 報 デザ
イ ン の分
野 で行
う 課題
で あ る が、
製
品
の操
作
な どイ
ンタフェー
ス情 報
と してデ
ザイ
ンを考
え る。
最 近
の製 品
は、
老 人 や
子 供
は 上手
く操 作
でき ない複 雑
な インタ
フェー
ス を持
っ た機 器
が多
い。
多 機 能
でコンパクト
に開発 され
る ため
、
同 じ
ような
形のボ
タ ンー
色
であ
る。
そ も そ も 無 限 に開発
可能
な 人間
の身 体 能 力
も指
.
一
本
で解 決
で き る操
作 方 法
に よっ て、
退化 す
る.
一
一
方
であ
る。 こ のよ う な現 象 は
、
デザ イ
ン で人 間
の生活
や心
を豊
か にす
る目的
に反
し、
頭 だ け大
き くな
る の では……
と
いう疑 問
が残
る。
そこで、
人 間
の感 性
に よって、
自然
に生
ま れ て く る 手 の動
き、
身
体
の表
現 に着 口
した。
お
腹
が 空 く と 手で擦
る、
何
か取
りたい と き は手
を伸
ば す、
嬉
しい と き は手
を高
く上げ
て叩いたりす
る、
こ の よ う なす
べ て の行為
は私
たち の感
情
やあ
る刺 激
に 反応 す
る自然 な
や り取 りであ
る。
も ち ろ んマ ニ ュ ア ル が あっ て、
そ れ に従
っ て学 習
す る 必要
も ない。
では
、
な ぜ、
こ のよ う な触 覚
を用
いたイ
ンタラ ク ショ ン が必 要
である と考
えて い る のか
。
筑 波大 学
で行 わ れ
て いる感 性 研 究
の最 近 動 向 と し
て脳 科 学
との融 合
に よ る アプ
ロー
チ が あ る。
2002
年
に始
め た脳 波
を用
いた感 性 評価
の研 究
で、
人間
の創造 活 動 噺
しい モ ノをデ
ザ イ
ンを する)
と 日常 行 動 (
本
を読
む、
テレビを見
る、
人形 を触
る、
パズル を遊 ぶ
、
3
次 元
の玩具
で遊
ぶな ど)
で現 れ
る脳 波
を分
析
し、
創 造
活動
に 最 も類似
した 日常行
動 を探
っ た。
そ の結 果
、
手 を動
か して3
次 元の玩 具 で 遊 ぶ もので あ る。
感 性の働 き に 関 わ る前 頭
葉の活動
が最
も活 発
にな り、
集 中 力
をL
手
くコ ント
ロー
ルす
る脳波
が発 見
さ れ た。
人間
の創 造 能 力 と身 体 能 力
の開 発
は、
比 例す
る よ うな結果
で もあ
っ た。
こ のよ う な 研
究結
果
を基
に、
感
性
の働
き を よ り活発
に支 援
す る方法
と し て、
人 間の自 然 な 行 動 を そのま ま インタフェー
スに置
き換
える こと を授 業
の目標
と し て い る。
欧 米
で は、
Tangible
イ
ンタ
ラク
ショ ンという
と、
触 覚
を用
いる イ ンタ
ラ ク ション と して 研究
さ れ ている が、
本 学
で は、
感
性
とい う キー
ワー
ド を取
り入
れ て、
よ り人間
の総 合 的
な感 覚 器 官
を用
い た直 感
的 な情報
のや り取
り を実現
するた め に、
挑 戦
を行
って い る。
68 SPECIAL ISSUE OF JSSD Ve].
13 No.
32006 デ ザイン学 研 究 特 集 号筑波
大
学
子 供 用 カメラ 「Kacha・Ball」 ロ を 開 け て、
そ の ま ま 閉 じ る と「
かっ ちゃ 1]
N工 工一
Eleotronlo LlbraryJapanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design私たちの周りに はい ろんな音が
・
・
音を感 知 する シス テ ム に展 開 オー
ケス トラ で聴 きたい楽 器にプ
ロセスこの授
業
は、
最 初の段階
で発想
を広 げ
る た めに、
学 生
が自
由に動
き 回 っ て、
人々 の行 動
を観 察 す
る。
新
しいデ
ザ
イン の発
想 は、
人間
が 生 み 出す
もの。
子 供
は、
気
に な る もの に向
かっ て、
走っ て 手 を伸
ば
す。
その仕
草
が好
き なの に、
いまのカ メ ラ は大 人 向 け
のもの でわ ざ わ ざ 小 さ なモ ニ ター
か ら 覗 き見
る しか ない。
焦点 な
ん てど う
で もい い。
意外 な
ショ ットだ
って、
楽
しい。そ
の よ う な子 供
の行 動
を観 察
し て、
カ メ ラ を提 案
し た も の であ
る。
道 を 探 す と き
、
地 図 が あ れば
安 心。
な ん て 理 屈の好 き な 大 人の発想
。
飼
っ て い る猫
がいな くなる と、
猫
の泣
き声
に耳
を傾 け
る のが自然
。
そ の行 動
か ら、
気
に な る音
が聞
こえ る方 向
に身体
を振
り向 く と
、
気
にな
る音
が
よ り大 き
く聞
こえ て く るヘ ッ ドフ ォー
ン。
これ が あ れば
、
オー
ケス ト ラの演 奏 中
、
聴
き たい楽器
に顔
を振
り向 け
ば、
そ の楽 器
の音
がよ り大
き く聴
こえ て くる。
耳 に 手 を当
て て、
頬
に近
づ け る と よ り大
きく聴
こえ
る。
授業
の流
れL
情報
の捕
ら え方
にっ いて (1 − 2
週 )・
ノン バー
バ ルコ ミュニケー
シ ョ ン につい て・
五感
とデ ザ
イ ン・
感 性情 報
とイ
ンタ
フェー
スデ
ザイ
ンt
Tangible lnteractionの研究動 向
につ い て(
海外
の事 例
な ど)
2
.
情 報 行 動
の観 察
と記 録 (
3
−
4
週)
・
ど
の よ う な情報
行 動 で あ る か、
身体
のど
のよ う な能 力
を使
っ ているか
、
な ど 人々 の行 動
を ビデ
オで記 録
し、
行
動の分
析・
デ ザ
イ ンコン セプ
トお よび
ター
ゲ
ッ トユー
ザ 設 定
・
イ
ン タ ラ ク ション の設
計 図・
表 現
に必 要
とす
る技術
、
材 料
の調 査
・
ア イデ
アの発
表
お よび第
1
次 中
間 評価
3.
イ ンタ
ラ ク ション設 計 (
5
−
7
週)
・
アイ
デ
ア ス ケッチ・
Max
,Director
な ど基 本 的
ソ フ トの理解
・
実
働 モデ
ルの製
作・
機 能
の表現 (
Max
との連 動)
4
,
シ ミュ レー
ション ムー
ビー
の製
作
(8
−
9
週)
・
実 働
モデ
ル を用
い て、
使
い方
を演 出
する・
イ ン タ ラ ク ションの仕 組
み に関 す
る解 説
・
ター
ゲッ トユー
ザ
の モデ
ル選 定
し、
撮 影
・
ビデ
オの編 集
、
ムー
ビー
製作
・
第2
次 中 間 評 価5,
最 終 発表 (
10
週)
・
実 働
モデ
ル、
パネ ルの展 示・
シ ミュ レー
シ ョ ン ムー
ビー
の上映
・
デザ
イ ン専 攻
の全 分
野(
情 報
、
生 産
、
建 築
、
環 境 ) か
ら優 秀 作 品 を
各
2 − 3
点選 定
・
デ
ザ イン専攻 教 官
に よ る総合 講 評
デ ザ イ ン 学 研 究 特 集 号 SPEC[AL ISSUE OF JSSD Vol