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Microsoft Word - コンセプトシート高齢者.doc

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(1)

高齢者未治療進行期diffuse large B-cell lymphoma

に対するR-THP-COP療法とR-CHOP療法の

臨床第Ⅱ・Ⅲ相無作為比較研究計画書(標準用量設定)

Version 1.0

研究代表者: 岐阜大学第一内科

森脇 久隆

鶴見 寿

Version1.0作成

2006年5月30日

(2)

研 究 実 施 計 画 書 の 要 約 1 研究課題名

60 歳 以 上 の 未 治 療 進 行 期 ( 臨 床 病 期( Ann Arbor 分 類 )Ⅱ , Ⅲ , Ⅳ ) diffuse large B-cell lymphomaに対するR-THP-COP ( Rituximab, THP, CPA, VCR, PSL )療法とR-CHOPの臨床第Ⅱ・Ⅲ相無 作為比較研究。

< フローチャート>

IC (informed consent)

Registration Randomize

Rituximab 375mg/m2,IV on day1 Cyclophosphamide 750mg/m2,IV on day3

Pirarubicin 50mg/m2,IV on day3 Vincristine 1.4mg/m2,IV on day3 Predonisolone 100mg/body,PO on days3-7 Lenograstim 2μg/kg,SC on days9-14

CR

Ⅰ群: R-THP-COP療法: 3週間を1サイクルとして4-8サイクル施行 (

PR, NC

PD

R-THP-COPorR-CHOP 3,4サイクル目施行 R-THP-COPorR-CHOP CR導入まで継続

Study Off

2サイクル終了後、効果判定, PR,NC例は4サイクル終了後に再度効果判定 6サイクル目終了時点も同様とする

高齢者未治療進行期diffuse large B-cell lymphoma(60歳以上) 臨床病期(Ann Arbor分類)Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ

Rituximab 375mg/m2,IV on day1 Cyclophosphamide 750mg/m2,IV on day3 Doxorubicin 50mg/m2,IV on day3 Vincristine 1.4mg/m2,IV on day3 Predonisolone 100mg/body,PO on days3-7 Lenograstim 2μg/kg,SC on days9-14 Ⅱ群: R-CHOP療法: 3週間を1サイクルとして4-8サイクル施行 (

(3)

2 研究の目的

60歳以上の未治療進行期diffuse large B-cell lymphoma患者をR-THP-COP ( Rituximab, THP, CPA, VCR, PSL )療法とR-CHOP療法の2群にランダマイズし、R-THP-COP療法による効果・安全性を比較検 討することを目的とする。プライマリーエンドポイントを完全寛解率とし、セカンダリーエンドポ

イントは奏効率、生存期間、安全性とする。なお、症例の割付は以下の年齢層別(①60~69歳群

②70~79歳群 ③80歳以上)で3層群に分け、それぞれに均一に2群比較できるよう割り付ける。

3 研究対象集団

重篤な合併症を伴わない60歳以上のCD20陽性の未治療進行期diffuse large B-cell lymphoma症例。

(臨床病期(Ann Arbor分類)Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ) 4 研究デザイン 4.1 R-THP-COP療法とR-CHOP療法の無作為化比較研究 Ⅰ群:下記のregimenを3週間を1サイクルとし6-8サイクル施行する。 Ⅱ群:下記のregimenを3週間を1サイクルとし6-8サイクル施行する。 参考)G-CSF製剤使用法 レノグラスチム(ノイトロジン) 通常、レノグラスチム2μg/kgを1日1回皮下投与する。出血傾向などにより皮下投与が困難な 場合はレノグラスチム5μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。 Day 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Rituximab 375mg/m2,IV ↓

Cyclophosphamide (CPA) 750mg/m2,IV ↓ Pirarubicin (THP) 50mg/m2,IV ↓ Vincristine (VCR) 1.4mg/m2,IV ↓ Predonisolone (PSL) 100mg/body,PO ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ Lenograstim(G-CSF) 2μg/ kg,SC →→ Day 1 2 3 4 5 6 7 8 9 Rituximab 375mg/m2,IV ↓

Cyclophosphamide (CPA) 750mg/m2,IV ↓ Doxorubicin (ADM) 50mg/m2,IV ↓ Vincristine (VCR) 1.4mg/m2,IV ↓ Predonisolone (PSL) 100mg/body,PO ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ Lenograstim(G-CSF) 2μg/ kg,SC →→

(4)

(添付文書より抜粋) 5 評価項目 5.1 主要評価項目 完全寛解率(CR + CRu) 5.2 副次的評価項目 1)奏効率(CR+CRu+PR) 2)安全性(Grade別副作用発現例数、発現頻度及びGrade3以上の副作用発現頻度) 3)生存期間(全生存期間、生存期間中央値、2年生存率、5年生存率など)登録日を起算日として、 あらゆる原因による「死亡」をイベントとする生存期間 4)無増悪生存期間(TTP) 無増悪生存期間:PRからの再燃、CRからの再発、理由を問わない死亡までの期間 6 目標被験者数 一群を35例とし、合計70例を目標とする。 【設定根拠】 閾値完全寛解率60%、期待完全寛解率80%と仮定し、片側α=0.05、β=0.20の条件下でSimon法の optimal designにより必要症例数を算出すると中間段階11例、最終段階31例となる。最終段階の 例に脱落例を10%見込み最終的な目標症例数は35例とした。 もし、中間段階11例登録した時点で完全寛解例が6例未満であれば完全寛解率は60%以下である可能 性が高いので登録を中止する。完全寛解率が6例以上であれば予定通り臨床研究を継続する。 尚 、 閾 値 完 全 寛 解 率 60% 及 び 期 待 完 全 寛 解 率 80% に 関 し て は 、 高 齢 者 の Diffuse Large B-Cell

Lymphomaを対象に実施されたCHOP療法とR-CHOP療法の無作為比較研究14)における完全寛解率がそれ ぞれ63%と75%であったことから設定した。 7 研究実施期間 2006年 7月 ~ 2008年 6月 8 評価基準 8.1 抗腫瘍効果 抗腫瘍効果は、「NHLの国際ワ-クショップ判定基準」を元にしたJCOGリンパ腫瘍グル-プによ る「非ホジキンリンパ腫に対する腫瘍縮小効果判定基準」に従い、完全寛解、部分寛解、再発を確 認する。 8.2 安全性

安全性は、 NCI Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 3.0 ~日本語訳(2003

(5)

目次 1.研究実施体制 ... 6 1.1 研究代表医師 ... 6 1.2 施設代表医師 ... 6 1.3 事務局・登録センター ... 6 2.経緯(背景情報) ... 7 3.研究の目的 ... 9 3.1 研究の目的 ... 9 3.2 研究の種類 ... 10 4.対象 ... 10 4.1 研究対象集団 ... 10 4.2 選択基準 ... 10 4.3 除外基準 ... 11 5.被験者の同意に関する事項 ... 12 5.1 同意文書(同意説明文書及び同意文書) ... 12 5.2 同意取得の時期と方法 ... 12 5.3 同意文書の改訂 ... 12 5.4 説明内容 ... 13 5.5 同意に関する留意事項 ... 13 6.被験者の登録 ... 13 6.1 登録方式 ... 13 6.2 被験者の登録までの手順 ... 13 7.研究薬 ... 15 7.1 研究薬リツキサン ... 15 7.2 研究薬テラルビシン ... 15 7.2 研究薬アドリアシン ... 15 7.4 研究薬エンドキサン ... 16 7.5 研究薬オンコビン ... 16 7.6 研究薬プレドニン ... 17 8.研究の計画 ... 17 8.1 研究デザイン ... 17 8.2 評価項目 ... 17 8.3 治療計画 ... 18 8.4 投与周期及び投与量の変更 ... 20 8.5 投与の中止 ... 20 8.6 後治療 ... 20 8.7 併用療法 ... 21

(6)

8.8 相互作用 ... 22 8.9 研究期間 ... 26 8.10 目標症例数 ... 26 9.観察・検査・調査項目及び時期 ... 27 9.1 観察・検査・調査項目及び時期 ... 27 9.2 評価 ... 30 10.被験者の安全性の確保について ... 33 10.1 有害事象 ... 33 10.2 重篤な有害事象 ... 33 10.3 予想される副作用 ... 33 10.4 個々の被験者の中止基準と手順 ... 34 11.統計解析 ... 34 11.1 目標症例数 ... 34 11.2 被験者の取扱い ... 35 11.3 解析対象集団 ... 36 11.4 解析方法 ... 36 12.研究実施計画書の改訂、逸脱・変更 ... 37 12.1 研究実施計画書の改訂 ... 37 12.2 研究実施計画書の逸脱・変更 ... 37 13.研究の終了又は中止・中断 ... 37 13.1 施設代表医師又は研究分担医師による中止・中断 ... 37 13.2 研究審査委員会による中止・中断 ... 37 13.3 研究の終了 ... 37 14.症例報告書の作成及び原データ ... 37 14.1 症例報告書の作成 ... 38 14.2 原データの特定 ... 38 15.研究の倫理的配慮 ... 38 15.1 研究審査委員会(IRB)又は倫理委員会 ... 38 15.2 被験者の人権保護 ... 38 16.記録等の保存 ... 39 16.1 施設代表医師 ... 39 17.引用文献 ... 40

(7)

1 研 究 実 施 体 制 1.1 研究代表医師 研究代表者 : 森脇 久隆、鶴見 寿(岐阜大学 第一内科) 1.2 施設代表医師 1)岐阜大学 第一内科 鶴見 寿 2)木曽川市民病院 内科 原 武志 3)岐阜市民病院 内科 高橋 健 4)岐阜赤十字病院 内科 澤田 道夫 1.3 事務局・登録センター 職務: ①登録適合性確認票をもとに選択基準の適合、除外基準の抵触の確認を実施し、被験者の 登録を行う。 ②施設代表医師又は研究分担医師へ登録した被験者の登録番号の通知を行う。 〒 501-1194 岐阜市柳戸1-1 岐阜大学 第一内科 鶴見 寿 TEL:058-230-6308 FAX:058-230-6310

(8)

2 経緯(背景情報)

2-1 diffuse large B-cell lymphomaの治療

diffuse large B-cell lymphomaをはじめとするAnn ArborⅡ~Ⅳ期の進行期aggressive lymphomaの

治療は、1976年より始まった第一世代多剤併用療法であるCHOP1)療法から、中等量ないし大量の

methotrexate;MTX、etoposide;VP-16、procarbazine;PCZ、vindesine;VDS、Ara-Cなどを加えた第二 世代多剤併用療法、投与間隔を短くしてrelative dose intensity(RDI)を高めた第三世代多剤併用

療法へと移ってきた2)。報告時の長期生存率はCHOPで約30%であったが、第二世代では約50%、第三

世代では約65%と治療成績の向上が示唆された。

そ の 後 、 米 国 の SWOG,ECOG 、 Australia/New Zealand Lymphoma Group 、 Nordic Lymphoma Study Group 、 British National Lymphoma Investigation(BNLI) な ど に よ り 、 第 一 世 代 の CHOP (CPA,ADM,VCR,PDN)療法と第二/第三世代の多剤併用化学療法の治療効果を比較する大規模な無作 為比較研究(phaseⅢ study)が施行されたが、3年生存率は50%程度で、CHOP療法を凌駕するものは無

く3-7)、毒性やcost等を考慮するとCHOP療法が最も優れた標準的治療である。

さらに近年になり、G-CSFが広く日常臨床で使用されるようになり、CHOP療法のrelative dose intensityの増強が可能となった。JCOG(Japan Clinical Oncology Group)ではstandard CHOP療法 と比較すべきdose intensified CHOP療法を選択するために、未治療中高悪性度のnon-Hodgkin’s Lymphoma で IPI の intermediate-high/high risk 症 例 を 対 象 に 、 standard CHOP を 2 週 ご と に 行 う biweekly CHOP療法とCPAとADMを増量したdose escalated CHOP療法のランダム化第Ⅱ相研究を行っ

た8)。その結果biweekly CHOP療法の方が奏効率・3年無病生存率ともにdose escalated CHOP療法を

上回り、毒性も少ないことが示された。Biweekly CHOP療法はその後、JCOGでstandard CHOP療法と

の第Ⅲ相比較研究を実施されたが、その優位性は認められなかった9)。しかしながら、ドイツのグ

ループからは、biweekly CHOP療法の治療成績がstandard CHOP療法のそれを上回るという報告もさ れており、CHOP療法1サイクルの至適期間については結論が出ているとは言えない。

2-2 高 齢 者diffuse large B-cell lymphomaの治療

高齢者aggressive Lymphomaの治療については、EORTC(European Organization for Research and Treatment of Cancer ) Lymphoma Group が 高 齢 者 regimen と し て 考 案 し た VMP ( VP-16,MIT,prednimustine)とstandard CHOP療法の無作為比較研究を実施して、standard CHOP療

法が優れていることを確認している10)。70歳以上のⅡ~Ⅳ期のaggressive lymphoma130例を対象 にそれぞれ3週間隔で6サイクルの研究を実施し、奏効率でVMP群50%、CHOP群77%(p=0.01)、 完全寛解率はVMP群27%、CHOP群45%(p=0.06)、2年無病生存率はVMP群25%、CHOP群47% (p=0.02)、2年生存率はVMP群30%、CHOP群65%(p=0.04)であった。副作用の面では胃腸障 害、脱毛、神経障害はCHOP群で多かったが、血液毒性による感染症死はVMP群で3例あったのに 対し、CHOP群では1例であった。また心毒性については有意差は無いもののCHOP群で多く観察さ

れた。また、MainwaringらはBNLI(British National Lymphoma Investigation)で、60歳以上 のHighly Aggressive Lymphoma516例に対してPmitCEBO(PDN,MIT,CPA,VP-16,BLM,VCR)

とPAdriaCEBO(PDN,ADM,CPA,VP-16,BLM,VCR)の無作為比較研究を行い、奏効率、完全寛

(9)

aAggressivelLymphomaに対してはCHOP療法を基本としてdoxisorubicinと同等の効果を有し、よ

り毒性の弱いanthracyclin系薬剤を用いることにより、有用性を向上させうることが期待される。

2-3 抗 CD20 モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 療 法Rituximabを用いたdiffuse large B-cell lymphoma の 治 療 近年CD20抗原陽性のB細胞性リンパ腫に対してはマウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクロナール抗体 Rituximabが認可されてから治療法が再検討されている。RituximabはヒトBリンパ球表面に存在す る分化抗原CD20を認識するmonoclonal antibodyであり、CD20認識部位(可変部領域)がマウス由来、 それ以外の部分(定常部領域)がヒト由来のchimeric anti-bodyである。CD20はPro-B細胞、形質細胞 を除く殆ど全てのBリンパ球の表面に存在するため、CD20陽性のmalignant lymphomaやleukemia に効果が期待されている。

化学療法とRituximabの併用については、未治療のCD20陽性diffuse large B-cell lymphomaを対象

にCHOP+Rituximab(以下R-CHOP)併用療法のPhaseⅡ studyが実施されている12)。diffuse

large B-cell lymphomaを 中 心 と す る 未 治 療 の aggressive Lymphoma33例 を 対 象 に 3週 間 隔 で CHOP-R療法を施行したところ、奏効率94%(CR:61%,PR:33%)であり、26ヶ月の中間観察期間では

奏効期間中央値及び無増悪期間中央値に達していなかった。また、その後平均観察期間62ヶ月の時

点でも生存率88%、無増悪生存率80%という良好な治療成績が報告されている13)。

2-4 Rituximabを 用 い た 高 齢 者 diffuse large B-cell lymphomaの 治 療

Rituximabを用いた治療法としては高齢者diffuse large B-cell lymphomaに対して、CHOP療法単 独 とR-CHOP 療 法 の 無 作 為 比 較 研 究 が 報 告 さ れ て い る14)。60-80 歳 の Diffuse Large B-Cell Lymphoma399例に対して、CHOP療法またはR-CHOP療法を8サイクル実施したところ、奏効率は CHOP療法群72%(CR+CRu:63%,PR:6%)、R-CHOP群82%(CR+CRu:75%,PR:7%)であり特にCR+CRuにおいてR-CHOP群が有意に勝っていた。また、2年無病生存率及び生存率についてもCHOP群の38%、57%に対して R-CHOP群が57%、70%であり、それぞれR-CHOP群が有意差を持って勝っていた。有害事象については 心毒性発症の頻度がCHOP群の35%に対してR-CHOP群が47%で有意に高かった。この発症頻度の違いは、 Rituximab投与による軽微なInfusion Reactionによるものと考えられ、Grade3,4の心毒性発症率は 両群とも8%で差は無かった。 2-5 非 ホ ジ キ ン リ ン パ 腫 に 対 す る Pirarubicinと THP-COP療 法 Pirarubicin(以下THP)はわが国で開発されたDXRの4‘-O-置換体であり、その抗腫瘍効果はDXRと 同等で、心毒性が軽度であるとされており15)、一般臨床においてもは総投与量は950mg/m2以下まで 許容できるとされている16) 我々はTHPを用いたTHP-COP療法がCHOP療法と同等であることを確認するべく、70歳未満の未治療中 高悪性度リンパ腫を対象にbiweekly CHOP療法とbiweekly THP-COP療法の無作為比較研究を実施した

17)。 1995 年 ~ 2000 年 ま で に 、 適 格 例 80 例 を 40 例 ず つ に 割 り 付 け て 、 biweekly CHOP 療 法 ( CPA

750mg/m2 IV on day1,ADM 50mg/m2 IV on day1,VCR 1.4mg/m2 IV on day1,PDN 100mg/body,PO on days1to5,G-CSF 2 μ g/kg SC day6-12 ) と biweekly THP-COP 療 法 ( CPA 750mg/m2 IV on day1,THP 50mg/m2 IV on day1,VCR 1.4mg/m2 IV on day1,PDN 100mg/body,PO on days1to5,G-CSF 2μg/kg SC

(10)

day6-12)をそれぞれ8cycles施行した。奏効率はCHOP群87.5%(CR+CRu:72.5%,PR:15%)に対してTHP- COP群85%(CR+CRu:72.5%,PR:12.5%)でほぼ同等であった。5年生存率について、CHOP群35.3%に対して THP-COP群42.7%で有意差は無いもののTHP群が高い傾向にあった。副作用についても両群に差は認め られなかったものの、CHOP群では不整脈1例、心不全1例発症しているのに対してTHP-COP群に心毒性 が認められていない。このことから、THPはAggressive Lymphomaの治療においてdoxorubicinに替わ りうる薬剤であると思われた。

また、我々は70歳以上の未治療Aggressive Lymphomaに対してはtriweekly THP-COP療法の有効性 と 安 全 性 を 検 討 し て き た18)。 1994年 ~ 2000年 ま で に 、 70歳 代 の 症 例 39例 ( A群 ) に 対 し て dose

reduced THP-COP 療 法 ( CPA 650mg/m2 IV on day1,THP 40mg/m2 IV on day1,VCR 1.4mg/m2 IV on day1,PDN 40mg/m2,PO on days1to5)を、80歳代の14例(B群)に対して更に各薬剤を減量したTHP-COP 療 法 ( CPA 500mg/m2 IV on day1,THP 30mg/m2 IV on day1,VCR 1.4mg/m2 IV on day1,PDN 40mg/m2,PO on days1to5)をtriweeklyで6cycles施行した。完全寛解率(CR + CRu)は77.4%(A 群:84.6%,B群:57.1%)、3年生存率は46.3%(A群:47.6%,B群:42.9%)、5年生存率は42.1%(A 群:42.3%,B群:42.9%)、3年無病生存率は60.8%(A群:61.2%,B群:58.3%)、5年無病生存率は 47.1%(A群:44.7%,B群:58.3%)であり、前述のEORTC studyのCHOP群の成績と比較しても同等以上 の効果が得られていた。心毒性については70-79歳のA群で3例(Grade3:1例)、B群で1例(Grade3:1例) でありTHP-COP療法は有効性だけでなく、高齢者に対しても安全性も高い治療法であるであると考え られた。

2-6 高 齢 者 diffuse large B-cell lymhoma に 対 す る Rituximab を 併 用 し た 至 適 regimen の 検 討

これまで高齢者diffuse large B-cell lymphomaに対しても標準療法とされてきたCHOP療法に対し て、2-4で記した通りR-CHOP療法がより優れた効果をもたらすことが報告されている。しかしながら Rituximab投与のInfusion Reactionによる心毒性が軽度ながら認められるため、より心毒性の低い combination regimenが望まれる。我々は2-5に示した通り、心毒性がより軽度なanthracycline系薬 剤と考えられているTHPをdoxorubicinに替えたTHP-COP療法について、CHOP療法と同等の効果を有す ることを確認した上で、高齢者での安全性も検討している。

そ こ で 今 回 、 高 齢 者 ( 60 歳 以 上 ) の diffuse large B-cell lymphoma を 対 象 に THP-COP 療 法 に Rituximabを加えたR-THP-COP療法とR-CHOP療法を2群にランダマイズし有効性と安全性を確認する 臨床第Ⅱ・Ⅲ相無作為比較研究を計画した。 3 研 究 の 目 的 3.1 研究の目的 3.1.1 主要目的

60歳以上の未治療diffuse large B-cell lymphomaに対するR-THP-COP ( Rituximab, THP, CPA, VCR,

PSL )療法とR-CHOP療法の完全寛解率(CR+CRu)を検討する。

3.1.2 副次的目的

(11)

2) 安全性(Grade別副作用発現例数、発現頻度及びGrade3以上の副作用発現頻度) 3) 生存期間(全生存期間、生存期間中央値、2年生存率、5年生存率など) 登録日を起算日として、あらゆる原因による「死亡」をイベントとする生存期間 4) 無増悪生存期間(TTP) 無増悪生存期間:PRからの再燃、CRからの再発、理由を問わない死亡までの期間 3.2 研究の種類 臨床第Ⅱ・Ⅲ相無作為比較研究 4 対 象 4.1 研究対象集団 未治療進行期B細胞リンパ腫症例で、「4.2 選択基準」を満たし、「4.3 除外基準」に抵触し ない症例。 4.2 選択基準 1) 非ホジキンリンパ腫であることを告知されている被験者。 2) WHO分類で以下の組織型のB細胞性リンパ腫であることが病理学的に証明されている被験者

diffuse large B-cell lymphoma

3) CD20抗原陽性の非ホジキンリンパ腫であることが免疫組織染色法又はフローサイトメトリー 法により証明されている被験者。 4) 臨床病期(Ann Arbor分類)Ⅱ,Ⅲ,Ⅳの被験者。 5) 評価可能病変を有する被験者。 6) 未治療の被験者。 7) 60歳以上の被験者 7)PS(ECOG)0-3の被験者 8)登録日より4ヶ月以上生存すると予想される被験者 9)主要臓器機能(骨髄、心、肝、腎など)の機能が保持されている被験者。 ①骨髄機能 好中球数 ≧1,000/mm3 血小板数 ≧50,000/mm3 ヘモグロビン ≧8.0g/dl ②肝機能 GOT,GPT ≦各施設の基準値上限の2.5倍 ALP ≦各施設の基準値上限の2.5倍 総ビリルビン ≦各施設の基準値上限の1.5倍 ③腎機能 血清クレアチニン ≦2.0mg/dL

(12)

④心機能 心電図 心機能正常(重篤な心疾患、重篤な不整脈のない被験者) 10)本研究参加について文書による同意( Informed Consent)が本人より得られた被験者。 【設定根拠】 1)被験者本人による研究参加への適切な同意取得にあたり非ホジキンリンパ腫である旨を告知さ れている必要があるため設定した。 2)「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、B細胞性非 ホジキンリンパ腫であることを客観的に証明するため設定した。 3) 「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、研究薬(リ ツキシマブ)による治療効果が確認できる被験者の条件として設定した。 4) 「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、研究薬によ る治療効果が確認できる被験者の条件として設定した。 5)「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、背景因子を そろえるために設定した。 6)今回の研究の目的に合わせて設定した。 7)「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、安全性の確 保及び主要臓器機能の保持を確認するため設定した。 8)「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、必要とされ る観察期間中、生存可能であることを確認するため、及び安全性を確保するため設定した 9)「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ-3.対象患者)」に準じ、本療法の副 作用を的確に評価しうる臓器機能が維持されていることを確認するため設定した。なお、主要 臓器機能のうち、骨髄機能の保持として好中球数、血小板数、ヘモグロビン値、肝機能の保持 としてGOT、GPT、ALP、総ビリルビン、腎機能保持として血清クレアチニン及び心機能保 持として心電図の検査項目を設定した。 10)GCP(文書による説明と同意の取得)に準じて設定した。 4.3 除外基準 1)HIV抗体、HTLV-1抗体陽性の被験者(本人同意の上、測定可能であった場合に限る)。 2)重篤な合併症を有する被験者(悪性高血圧、うっ血性心不全、冠不全、3ヶ月以内の心筋梗塞、 肝硬変、コントロール不能な糖尿病、腎不全、肺線維症、間質性肺炎、出血傾向等)。 3)活動性重複癌を有する被験者。 4)妊娠、授乳婦及び妊娠の可能性(意思)のある被験者。 5)統合失調症などの重症の神経障害を有する被験者。 6)リンパ腫に対する治療が実施されている被験者 7)その他、施設代表医師又は研究分担医師が不適当と判断した被験者。 【設定根拠】

(13)

1) 感染のある被験者の登録を避けるため設定した。 2) 安全性の評価に影響を与える因子として設定した。 3) 安全性及び有効性の評価に影響を与える可能性がある因子として設定した。 4) 非臨床研究において生殖、発生に影響を及ぼすことが報告されているため設定した。 5) 被験者の同意能力を考慮して設定した。 6) 背景因子をそろえるために設定した。 7) 被験者毎の状態を考慮して安全性を確保するため設定した。 5 被 験 者 の 同 意 に 関 す る 事 項 5.1 同意文書(同意説明文書及び同意書) 1)施設代表医師は、被験者から研究への参加の同意を得るために用いる同意説明文書および同意 書を作成し、必要な場合にはこれを改訂する。 5.2 同意取得の時期と方法 1)施設代表医師又は研究分担医師は被験者に対し、被験者が研究に参加する前に、同意説明文書 を使用して十分説明した後、自由意思による研究参加の同意を本人から文書で得る。 2)説明にあたっては、施設代表医師又は研究分担医師は被験者から同意を得る前に、被験者が質 問する機会と、研究に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。さ らに、その際当該施設代表医師、研究分担医師又は補足説明者としての研究協力者は、すべて の質問に対して被験者が満足するように答えなければならない。 3)同意書には、説明を行った施設代表医師又は研究分担医師、及び被験者が記名捺印又は署名し、 各自日付を記入する。なお、研究協力者が補足的に説明を行った場合には、当該研究協力者も 記名捺印又は署名し、日付を記入する。 4)さらに、施設代表医師又は研究分担医師は、同意を得たその年月日を診療記録等に記入すると ともに、この記名捺印又は署名と日付が記入された同意書の写し及び同意説明文書を被験者が 研究に参加する前に被験者に渡す。 5)施設代表医師又は研究分担医師は、被験者に他に主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意 のもとに、主治医に被験者の研究への参加について研究薬の投与開始前に知らせなければなら ない。 6)各被験者において研究参加の継続の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、 施設代表医師又は研究分担医師は当該情報を速やかに被験者に伝え、研究に継続して参加する か否かについて被験者の意思を確認し、その旨を日付とともに診療記録等に記録する。 5.3 同意文書の改訂 1)被験者の同意に影響し得る新たな重要な情報(通常、同意説明文書の改訂を必要とする情報) が得られた場合には、施設代表医師は、速やかに当該情報に基づき同意文書を改訂する。 2)施設代表医師又は研究分担医師は、すでに研究に参加している被験者に対しても改訂の都度、

(14)

改訂内容について当該情報を速やかに伝え、研究に継続して参加するか否かについて、被験者 の意思を確認するとともに、改訂された同意説明文書を用いて改めて説明し、研究への参加の 継続について被験者から自由意思による同意を文書により得る。 施設代表医師又は研究分担医師は、同意を得た年月日を診療記録等に記入するとともに、新た に記名捺印又は署名と日付を記入した同意書の写し及び同意の説明文書を被験者に渡す。 5.4 説明内容 1)研究が研究を伴うこと。 2)研究の目的。 3)研究の方法。 4)被験者の研究への参加予定期間。 5)研究に参加する予定の被験者数。 6)予期される臨床上の利益及び危険性又は不便。 7)被験者に対する他の治療法の有無及びその治療方法と成績。 8)研究への参加は被験者の自由意思によるものであり、被験者は、被験者の研究への参加を随時 拒否又は撤回することができること。また、拒否・撤回によって被験者が不利な扱いを受けた り、研究に参加しない場合に受けるべき利益を失うことはないこと。 9) 研究への参加の継続について被験者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合に は速やかに被験者に伝えられること。 10)研究への参加を中止させる場合の条件又は理由。 11)研究で実施した検査などの結果を研究の結果を判定する資料として用いること、また研究の 結果が公表される場合であっても、被験者の秘密は保全されること。 12)医療費の負担について。 13)施設代表医師又は研究分担医師の氏名、職名及び連絡先。 5.5 同意に関する留意事項 同意は、理由の如何にかかわらず口頭による取得及び代諾者による取得を行わない。 6 被 験 者 の 登 録 6.1 登録方式 中央登録方式 【設定根拠】 被験者数の把握及び選択基準あるいは除外基準に不適合な被験者を登録しないために設定した。 6.2 被験者の登録までの手順 6.2.1 被験者の選定 施設代表医師又は研究分担医師は被験者の人権保護の観点から、研究の目的に応じ、健康状態、症 状、年齢、性別、同意能力、施設代表医師等との依存関係、他の研究への参加の有無等を考慮し、

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被験者を研究の対象とすることの適否について慎重に検討する。 6.2.2 被験者の同意取得 施設代表医師又は研究分担医師は、「5 被験者の同意に関する事項」に従い、同意を取得する。 6.2.3 適合性の確認 施設代表医師又は研究分担医師は、選択基準及び除外基準を逸脱していないことを確認する。 6.2.4 登録センターへの登録 1)施設代表医師又は研究分担医師は、被験者から文書による同意を取得した後、登録適格性確認 票に必要事項を記入する。 2)施設代表医師又は研究分担医師は、登録センターへ登録適格性確認票をファクシミリで連絡す る。 3)登録センターは、選択基準及び除外基準を逸脱していないことを確認し、被験者登録を行う。 4)登録センターは、施設代表医師又は研究分担医師に登録番号をファクシミリで連絡する。 登録センター:岐阜大学 第一内科 鶴見 寿 電話(FAX)受付時間: 月~金曜日 午前9:00~午後5:00 (土、日、祝・祭日、4/29~5/5、12月29日~1月4日を除く) 電話番号: 058-230-6308 ファクシミリ: 058-230-6310 6.2.5 注意事項 1)登録の適合性確認 以下の基準を満たす場合に限り、同意取得前に行った検査結果を、適合性の確認に用いることが出 来るものとする。 ①該当検査が研究実施医療機関で行われていること。(CTは他施設でのdataも可とする。) ②臨床検査については初回投与予定日の1週間以内に実施されていること。(CTは4週間以内で も可とする。) ③心電図については初回投与予定日の2週間以内に実施されていること。 2)登録から投与開始までの期間について ①被験者の登録をもって、研究開始とする。 ②登録後は、出来るだけ速やかに投与を行う。 なお、被験者の安全性を考慮し、登録後2週間以内に投与を開始出来なかった被験者への投与は中 止する。

(16)

7 研 究 薬

本研究では市販薬剤用いる。 7.1 研究薬 リツキサン○R

7.1.1 一般的名称等

一般名:リツキシマブ(遺伝子組換え)(rituximab (genetical recombination))

分子量:144,510Da 7.1.2 剤型、包装及び表示等 表1 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬 剤 名 リツキサン注10mg/mL 成分・含量 1瓶中にリツキシマブ100mgまたは500mgを含有する 剤 型 静注用注射剤 性 状 無色~淡黄色の澄明又はわずかに白濁した液 貯 法 凍結を避け冷所(2~8℃)に保存 7.2 研究薬 注射用テラルビシン○R10mg,20mg 7.2.1 一般的名称等 一般名:ピラルビシン(Pirarubicin) 化 学 名 : (2S,4S)-4-[[3-Amino-2,3,6-trideoxy-4-O-(2R)-tetrahydropyran-2-yl]-α-L-lyxo- hexopyranosyloxy]-1,2,3,4-tetrahydro-2,5,12-trihydroxy-2-hydroxyacetyl-7-methoxynaphthacene-6,11-dione 分子式:C32H37NO12 分子量:627.64 7.2.2 剤型、包装及び表示等 表2 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬 剤 名 注射用テラルビシン10,20mg 成分・含量 1バイアル中にピラルビシン10mg, 20mg 剤 型 静注用注射液 性 状 赤だいだい色の固形物又は粉末 貯 法 冷所保存 7.3 研究薬 アドリアシン注○R 7.3.1 一般的名称等 一般名:塩酸ドキソルビシン(Doxorubicin Hydrochloride)

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-2-hydroxyacetyl- 1,2,3,4-tetrahydro-2,5,12-trihydroxy-7-methoxynaphthacene-6,11-dionemonohydrochloride 分子式:C27H29NO11・HCl

分子量:579.98 7.3.2 剤型、包装及び表示等 表2 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬 剤 名 アドリアシン注10mg 成分・含量 1バイアル中に日局塩酸ドキソルビシン10mg 剤 型 静注用注射液 性 状 だいだい赤色の固形物又は粉末 貯 法 室温保存 7.4 研究薬 注射用エンドキサン○R100mg, 500mg 7.4.1 一般的名称等 一般名:シクロホスファミド(Cyclophosphamide) 化 学 名 : N,N-Bis(2-chloroethyl)tetrahydro-2H-1,3,2-oxazaphosphorin-2-amine 2-oxide monohydrate 分子式:C7H15Cl2N2O2P ・H2O 分子量:279.10 7.4.2 剤型、包装及び表示等 表3 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬剤名 注射用エンドキサン100mg, 500mg 成分・含量 1瓶中にシクロフォスファミド100mg, 500mg含有 剤 型 静脈用注射剤 性 状 白色の粉末である。水にやや溶けやすい。 貯 法 冷所保存 7.5 研究薬 オンコビン○R注射用 7.5.1 一般的名称等 一般名:硫酸ビンクリスチン (Vincristine sulfate) 化学名: Methyl(3aR,4R,5S,5aR,10bR,13aR)-4-acetoxy-3a-ethyl-9-[(5S,7S,9S)-5-ethyl-5-hydroxy- 9-methoxycarbonyl-1,4,5,6,7,8,9,10-octahydro-3,7-methano-3-azacycloundecino[5,4-b]indol-9-yl]- 6-formyl-5-hydroxy-8-methoxy-3a,4,5,5a,6,11,12,13a-octahydro-1H-indolizino[8,1-cd]carbazole-5-carboxylate monosulfate 分子式:C46H56N4O10・H2SO4 分子量:923.04 7.5.2 剤型、包装及び表示等

(18)

表4 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬剤名 オンコビン注射用1mg 成分・含量 1 バイアル中に硫酸ビンクリスチン 1mg 含有 剤 型 静脈用注射剤 性 状 白色~微黄白色の結晶性の粉末(凍結乾燥製剤) 貯 法 冷所保存 7.6 研究薬 プレドニン錠○R5mg 7.6.1 一般的名称等 一般名:プレドニゾロン(Prednisolone) 化学名:11β,17,21-Trihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione 分子式:C21H28O5 分子量:360.44 7.6.2 剤型、包装及び表示等 表5 研究薬の剤型、包装及び表示等 薬剤名 プレドニン錠5mg 成分・含量 1錠中プレドニゾロン5mg含有 剤 型 錠剤 性 状 うすいだいだい色の素錠で,においはない。 貯 法 気密容器・室温保存 8 研 究 の 計 画 8.1 研究デザイン 8.1.1 目標症例数 一群を35例とし、合計70例を目標とする。 【設定根拠】 閾値完全寛解率60%、期待完全寛解率80%と仮定し、片側α=0.05、β=0.20の条件下でSimon法の optimal designにより必要症例数を算出すると中間段階11例、最終段階31例となる。最終段階の 例に脱落例を10%見込み最終的な目標症例数は35例とした。 もし、中間段階11例登録した時点で完全寛解例が6例未満であれば完全寛解率は60%以下である可能 性が高いので登録を中止する。完全寛解率が6例以上であれば予定通り臨床研究を継続する。 尚 、 閾 値 完 全 寛 解 率 60% 及 び 期 待 完 全 寛 解 率 80% に 関 し て は 、 高 齢 者 の Diffuse Large B-Cell

Lymphomaを対象に実施されたCHOP療法とR-CHOP療法の無作為比較研究14)における完全寛解率がそれ

ぞれ63%と75%であったことから設定した。

(19)

8.2.1 主要評価項目

完全寛解率(CR+CRu)

【設定根拠】

我々は、高齢者の未治療diffuse large B-cell lymphomaを対象にTHP-COP療法の有効性と安全性を

確認してきた。一方、同様の患者群に対してR-CHOP療法がCHOP療法よりも有意に生存期間を延 長させることが証明されている。よって、THP-COP療法単独ではなく、リツキシマブとの併用療 法の効果を確認する必要があると考えて、主要評価項目をR-THP-COP療法とCHOP療法の完全寛 解率に設定した。 8.2.2 副次的評価項目 1) 奏効率(CR+CRu+PR) 2) 安全性(Grade別副作用発現例数、発現頻度及びGrade3以上の副作用発現頻度) 3) 生存期間(全生存期間、生存期間中央値、2年生存率、5年生存率など)登録日を起算日として、 あらゆる原因による「死亡」をイベントとする生存期間 4) 無増悪生存期間(TTP) 無増悪生存期間:PRからの再燃、CRからの再発、理由を問わない死亡までの期間 【設定根拠】 1) 本療法のPRを含む奏効率についても評価する必要があると考えて設定した。 2) 本療法における、Grade 別副作用分布状況、副作用発現頻度及び高度な副作用の発現状況よ り安全性プロフィールを明らかにするため設定した。 3) 本療法のsurvival benefitを検討するために設定した。。 4) 本療法の効果の持続期間を明らかにするために設定した。 8.3 治療計画 8.3.1 Ⅰ群:R-THP‐COP療法4-8サイクル 3週間を1サイクルとして、下記の治療を4-8サイクル実施する。 1) day1のリツキシマブ(RIT)投与30分前に前処置として抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤を経口投与 する。 2) リツキシマブ375mg/m2/dayをday1に、生食又はブドウ糖注射液を用いて1mg/mLに調整し、最 初の1時間は25mg/hで点滴静注する。過敏反応が観られなければ100mg/hに注入速度を上げて1 時間点滴静注し、最高注入速度を200mg/hとする。2回目以降の注入開始速度はは初回投与時に 発現した副作用が軽微であった場合100mg/hとし、同様に200mg/hまで加速する。 3)day3の化学療法施行30分前に5-HT3受容体拮抗型制吐剤としてグラニセトロン40μg/kg/dayを 生食100mLに溶解し、60分かけて点滴静注する。 4)シクロフォスファミド750mg/m2をday3に5%ブドウ糖液250mLに溶解し1.5時間で、あるいは 500mLに溶解して2.5時間かけて点滴静注する。

(20)

5)ピラルビシン50mg/m2をday3にブドウ糖液100mLに溶解して30分かけて点滴静注する。 6)ビンクリスチン1.4mg/m2をday3に生理食塩液20mLに溶解して静注する。 7)プレドニゾロン100mg/bodyをday3-7に経口投与する。 8)G-CSF製剤としてレノグラスチムを2μg/kgを、day9-14に1日1回皮下投与する。 出血傾向などにより皮下投与が困難な場合はレノグラスチム5μg/kgを1日1回静脈内投与 (点滴静注を含む)する。 8.3.2 Ⅱ群:R-CHOP療法4-8サイクル 3週間を1サイクルとして、下記の治療を4-8サイクル実施する。 1) day1のリツキシマブ(RIT)投与30分前に前処置として抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤を経口投与 する。 2) リツキシマブ375mg/m2/dayをday1に、生食又はブドウ糖注射液を用いて1mg/mLに調整し、最 初の1時間は25mg/hで点滴静注する。過敏反応が観られなければ100mg/hに注入速度を上げて1 時間点滴静注し、最高注入速度を200mg/hとする。2回目以降の注入開始速度はは初回投与時に 発現した副作用が軽微であった場合100mg/hとし、同様に200mg/hまで加速する。 3)day3の化学療法施行30分前に5-HT3受容体拮抗型制吐剤としてグラニセトロン40μg/kg/dayを 生食100mLに溶解し、60分かけて点滴静注する。 4)シクロフォスファミド750mg/m2をday3に5%ブドウ糖液250mLに溶解し1.5時間で、あるいは 500mLに溶解して2.5時間かけて点滴静注する。 5)ドキソルビシン50mg/m2をday3に生理食塩液100mLに溶解して30分かけて点滴静注する。 6)ビンクリスチン1.4mg/m2をday3に生理食塩液20mLに溶解して静注する。 7)プレドニゾロン100mg/bodyをday3-7に経口投与する。 8)G-CSF製剤としてレノグラスチムを2μg/kgを、day9-14に1日1回皮下投与する。 出血傾向などにより皮下投与が困難な場合はレノグラスチム5μg/kgを1日1回静脈内投与 (点滴静注を含む)する。 8.3.3 G-CSF製剤の使用方法 レノグラスチム(ノイトロジン) 通常、レノグラスチム2μg/kgを1日1回皮下投与する。出血傾向などにより皮下投与 が困難な場合はレノグラスチム5μg/kgを1日1回静脈内投与(点滴静注を含む)する。 (添付文書より抜粋) 8.3.4 完全寛解到達後の治療計画 最短4サイクルまではⅠ群:R-THP-COP療法、あるいはⅡ群:R-CHOP療法を継続する。その後の 治療については、とくに規定しない。

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8.4 投与周期及び投与量の変更 8.4.1 投与周期の変更 投与開始日から3週間後に次サイクルの薬剤投与を開始することとするが、以下の基準を満たした場 合は最長2週間まで延期できる。 1)血液毒性として好中球減少症、血小板減少症、ヘモグロビン減少症が発現した場合、それぞれ がGrade3以上の値(ANC≧1,000/mm3,PLT≧50,000/mm3,Hb≧8.0g/dL)に回復してから次 サイクルの投与を開始する。 2)Grade2以上の非血液毒性(脱毛、悪心・嘔吐を除く)が発現した場合、Grade1に回復してか ら次サイクルの投与を開始する。 8.4.2 投与量の変更 以下の場合、次サイクル以降は、シクロフォスファミドとピラルビシン(あるいはドキソルビシ ン)を50%を限度としてdose reductionしてもよいこととする。 1)前サイクルにて、G-CSF製剤投与に関わらず、Grade4の好中球減少症(ANC<500/μL)や発

熱性好中球減少症(ANC<1,000/μL & fever≧38℃)が遷延し、次サイクル開始まで1週間以上の

延期を要した症例。 2)前サイクルにてGrade3の血小板減少症(PLT<20,000/μL)が確認された症例。 【設定根拠】 被験者の安全性を考慮して設定した。 8.5 投与の中止(治療の変更) 以下の基準を満たした場合には、投与中止し治療法を変更する。 1)原病の増悪(PD)が認められた場合。 2)全身状態の悪化により投与継続が困難と判断された場合。 3)Grade3の心毒性が認められた場合。薬剤投与による副作用が遷延し、次サイクルの投与開始日 が2週間以上延期された場合。 4)被験者が投与中止を申し出た場合。 5)被験者が同意を撤回した場合。 6)その他、施設代表医師又は研究分担医師が投与継続を不適当と判断した場合。 【設定根拠】 被験者の安全性を考慮して設定した。 8.6 後治療 研究終了後だけでなく、「8.5投与の中止」または「10.4.1 個々の被験者の中止基準」に抵触 した場合についても後治療は特に規定しない。 【設定根拠】 再発または研究中止となった被験者に対する倫理的配慮に基づき設定した。

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8.7 併用療法 8.7.1 禁止される併用療法 1)本療法の評価に影響を与えると考えられる他の化学療法およびホルモン療法、BRM療法等の本 研究期間中の実施は禁止する。 2)開発品を含む他の研究薬の本研究期間中投与は禁止とする。 8.7.2 許容される併用療法 対症療法及び予防投与を行った場合は、投与量、投与期間等を症例報告書に記入する。 8.7.2.1 好中球減少症時の対症療法 ANC<2,000/μLが観察された時点より、G-CSF製剤として皮下投与を開始し、好中球数が最低値を 経過後ANC≧5,000/μLが観察された時点で投与を中止する。投与に関わらず好中球減少症が遷延

した場合(ANC<500/μL)や発熱性好中球減少症(ANC<1,000/μL & fever≧38℃)が観察され

た場合には、主治医の判断によりをG-CSF製剤増量して投与することが出来る(8.3.3G-CSF製剤使 用法参照) 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.7.2.2 血小板減少症時の対症療法 Grade3の血小板減少症(PLT<50,000/mm3)が観察された時点より、施設代表医師又は研究分担医師 の判断で放射線照射済濃厚血小板製剤の輸血を実施できる。 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.7.2.3 ヘモグロビン減少症時の対処療法 Grade3のヘモグロビン減少症(Hb<8.0g/dL)が確認された時点より、施設代表医師又は研究分担 医師の判断で放射線照射済濃厚赤血球製剤の輸血を実施できる。 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.7.2.4 感染症発現時の対症療法 感染症に対しては起因菌の検策を速やかに実施すると共に、十分量の抗生物質の投与を頻回に行い、 抗生物質が無効な場合は抗真菌剤の投与を早期より開始する。また全身栄養状態を良好に保つため、 適正な量のビタミン剤と共に高カロリー輸液を必要に応じ実施する。 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.7.2.5 悪心、嘔吐発現時の対症療法 化学療法前の制吐剤は5H3受容体拮抗型制吐剤グラニセトロン40μg/kgの予防投与を規定した。リ

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ツキシマブ投与により悪心・嘔吐が発現した場合、化学療法後に悪心・嘔吐が継続する場合につい ても必要に応じグラニセトロンを投与してもよい。 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.7.2.6 その他の対症療法 上記(8.7.2.1~5)以外の有害事象が発現した場合は、必要に応じ対症療法を実施してもよい。 なお、対症療法を行った場合は、使用薬剤名、投与期間等を症例報告書に記入する。 【設定根拠】 安全性の確保及び倫理的配慮により設定した。 8.8 相互作用 1)リツキサン 併用注意 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 生ワクチン又は弱毒生ワク チン 接種した生ワクチンの原病 に基づく症状が発現した場 合には適切な処置を行う。 本剤のリンパ球傷害作用によ り発病するおそれがある。 2)エンドキサン 併用禁忌 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 ペントスタチン コホリン 骨髄移植の患者で,本剤投与中にペン トスタチンを単回投与したところ,錯 乱,呼吸困難,低血圧,肺水腫等が認 められ,心毒性により死亡したとの報 告がある。また,動物研究(マウス) においてペントスタチン(臨床用量の 10倍 相 当 量 ) と シ ク ロ ホ ス フ ァ ミ ド (LD50前後)又はその類縁薬であるイ ホスファミド(LD50前後)を同時期に 単回投与したとき,それぞれを単独投 与したときに比べて死亡率の増加が認 められた。 明らかな機序は不明である。 本剤は用量依存性の心毒性が あり,ペントスタチンは心筋 細胞に影響を及ぼすATPの代 謝を阻害する。両剤の併用に より心毒性が増強すると考え られている。 併用注意

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薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 他の抗悪性腫瘍剤 アロプリノール 放射線照射 骨髄抑制等の副作用が増強 することがあるので,異常 が認められた場合には,減 量,休薬等の適切な処置を 行うこと。 共に骨髄抑制作用を有する。 フェノバルビタール 本剤の作用が増強すること がある。 フェノバルビタールの酵素誘 導により本剤の活性型への変 換が促進され,作用が増強さ れる。 インスリン スルホニール尿素剤 これらの薬剤の血糖降下作 用が増強されることがある 本剤がインスリン抗体の生成 を阻害するため,遊離のイン スリン量が多くなり,血糖降 下作用が増強される。 副腎皮質ホルモン クロラムフェニコール 本剤の作用が減弱すること がある。 副腎皮質ホルモン,クロラム フェニコールは肝における本 剤の代謝を競合的に阻害し, 活性化を抑制する。 オキシトシン オキシトシンの作用が増強 されることがある。 機序は不明 バソプレシン バソプレシンの作用が減弱 されることがある。 本剤がバソプレシンの排泄を 増加させる。 3)テラルビシン 併用注意 薬剤名等 臨床症状・措置方法 投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照 射、アントラサイクリン系薬剤等潜在的に 心毒性を有する他の抗悪性腫瘍剤 心筋障害が増強されるおそれがある。 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射 骨髄機能抑制等の副作用が増強することが ある。 4)アドリアシン 併用注意 薬剤名等 臨床症状・措置方法 投与前の心臓部あるいは縦隔への放射線照 心筋障害が増強されるおそれがある。

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射、アントラサイクリン系薬剤等潜在的に 心毒性を有する他の抗悪性腫瘍剤 他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射 骨髄機能抑制等の副作用が増強することが ある。 5)オンコビン 併用注意 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 フェニトイン フェニトインと本剤を含む 抗悪性腫瘍剤を同時に投与 することで、フェニトイン の血中濃度が低下し、痙攣 が増悪することがあるとの 報告があるので、フェニト インの投与量を調節するこ とが望ましい。 本剤は併用によ りフェニトイン の吸収を減少さ せる、あるいは 代謝を亢進させ るとの報告があ る。 神経毒性を有する薬剤(白 金含有の抗悪性腫瘍剤等) 神経系副作用が増強するこ とがある。白金含有の抗悪 性腫瘍剤の場合、聴覚障害 (難聴)が増強する可能性 がある。 ともに神経毒性を有する。 L-アスパラギナーゼ 神経系及び造血器系の障害 が増強する可能性がある。 毒性を最小にとどめるため にL-アスパラギナーゼ投与 の12~24 時間前に本剤を 投与することが望ましい。 本剤投与の前にL-アスパラギ ナーゼを投与すると本剤の肝 クリアランスを低下させる可 能性がある。 マイトマイシンC ビンカアルカロイド製剤 で、マイトマイシンC との 併用時に呼吸困難及び気管 支痙攣が発現しやすいこと が報告されている。 機序不明。 他の抗悪性腫瘍剤 骨髄抑制等の副作用が増強 することがあるので、併用 療法を行う場合には、患者 の状態を観察しながら減量 するなど用量に注意する。 ともに骨髄抑制作用を有す る。 他の抗悪性腫瘍剤 他の抗悪性腫瘍剤との併用 により、心筋梗塞、狭心 症、脳梗塞等が発現したと の報告がある。 機序不明。 放射線照射 骨髄抑制等の副作用が増強 ともに骨髄抑制作用を有す

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することがあるので、併用 療法を行う場合には、患者 の状態を観察しながら減量 するなど用量に注意する。 る。 放射線照射 肝を含む病巣への放射線照 射を施行中の患者に、本剤 を併用すると肝毒性が増強 するとの報告がある。 本剤の代謝は肝チトクローム P-4503A が関与するとされて いることから、肝チトクロー ムP-4503A を阻害する薬剤と の併用において、本剤の血中 濃度が上昇する可能性があ る。 アゾール系抗真菌剤(イト ラコナゾール、ミコナゾー ル等) 本剤の筋神経系の副作用が 増強することがあるので、 副作用が発現した場合に は、減量、休薬、投与中止 等の適切な処置を行うこ と。 本剤は肝チトクロームP-450 3A により代謝される。アゾ ール系抗真菌剤は肝チトクロ ームP-450 3A を阻害するた め、併用により本剤の代謝を 抑制することがある。 6)プレドニン 併用注意 薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子 バルビツール酸誘導体 フェノバルビタール フェニトイン リファンピシン 本剤の作用が減弱すること が報告されているので,併 用する場合には用量に注意 すること。 バルビツール酸誘導体,フェ ニトイン,リファンピシンは チトクロームP-450 を誘導 し,本剤の代謝が促進され る。 サリチル酸誘導体 アスピリン,アスピリンダ イアルミネート,サザピリ ン等 併用時に本剤を減量する と,サリチル酸中毒を起こ すことが報告されているの で,併用する場合には用量 に注意すること。 本剤はサリチル酸誘導体の腎 排泄と肝代謝を促進し,血清 中のサリチル酸誘導体の濃度 が低下する。 ワルファリンカリウム 抗凝血剤の作用を減弱させ ることが報告されているの で,併用する場合には用量 に注意すること。 本剤は血液凝固促進作用があ る。 経口糖尿病用剤 塩酸ブホルミン,クロルプ ロパミド,アセトヘキサミ ド等 インスリン製剤 経口糖尿病用剤,インスリ ン製剤の効果を減弱させる こ と が 報 告 さ れ て い る の で,併用する場合には用量 に注意すること。 本剤は肝臓での糖新生を促進 し,末梢組織での糖利用を抑 制する。 利尿剤(カリウム保持性利 尿剤を除く) フロセミド,アセタゾラミ ド,トリクロルメチアジド 低カリウム血症があらわれ ることがあるので,併用す る場合には用量に注意する こと。 本剤は尿細管でのカリウム排 泄促進作用がある。

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等 活性型ビタミンD3製剤 アルファカルシドール等 高カルシウム尿症,尿路結 石があらわれることがある ので,併用する場合には, 定期的に検査を行うなど観 察 を 十 分 に 行 う こ と 。 ま た,用量に注意すること。 機序は不明 本剤は尿細管でのカルシウム の再吸収阻害,骨吸収促進等 により,また,活性型ビタミ ンD3製剤は腸管からのカル シウム吸収促進により尿中へ のカルシウムの排泄を増加さ せる。 シクロスポリン 他の副腎皮質ホルモン剤の 大量投与で,シクロスポリ ンの血中濃度が上昇すると の報告があるので,併用す る場合には用量に注意する こと。 副腎皮質ホルモン剤はシクロ スポリンの代謝を抑制する。 エリスロマイシン 本剤の作用が増強されると の報告があるので,併用す る場合には用量に注意する こと。 本剤の代謝が抑制される。 非脱分極性筋弛緩剤 臭化パンクロニウム,臭化 ベクロニウム 筋弛緩作用が減弱又は増強 するとの報告があるので, 併用する場合には用量に注 意すること。 機序は不明 8.9 研究期間 2006年 7月 ~ 2008年 6月 8.10 目標症例数 一群を35例とし、合計70例を目標とする。 【設定根拠】 閾値完全寛解率60%、期待完全寛解率80%と仮定し、片側α=0.05、β=0.20の条件下でSimon法の optimal designにより必要症例数を算出すると中間段階11例、最終段階31例となる。最終段階の 例に脱落例を10%見込み最終的な目標症例数は35例とした。 もし、中間段階11例登録した時点で完全寛解例が6例未満であれば完全寛解率は60%以下である可能 性が高いので登録を中止する。完全寛解率が6例以上であれば予定通り臨床研究を継続する。 尚 、 閾 値 完 全 寛 解 率 60% 及 び 期 待 完 全 寛 解 率 80% に 関 し て は 、 高 齢 者 の Diffuse Large B-Cell

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ぞれ63%と75%であったことから設定した。 9 観 察 ・ 検 査 ・ 調 査 項 目 及 び 時 期 9.1 観察・検査・調査項目及び時期 9.1.1 観察・検査・調査項目 表に示したスケジュールに従って、観察・検査・調査を実施する。 表 観察・検査・調査スケジュール 時期 項目 研究前 登 録 前 開始 時 1 2 3 4 (5) (6) (7,8) 被験者背景 ◎ 一 般 所 見 有害事象 ◎ PS,脈拍,血圧, 体温,体重 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 心電図 ◎ ○ ○ BNP ◎ ◎ ◎ 心エコー ◎ ◎ ◎ 病 期 X線検査 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ CT所見 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ 骨髄所見 ◎ 必要に応じて実施*1 臨 床 検 査 血液学的検査 ◎ ◎ 2-3回 2-3回 2-3回 2-3回 2-3回 2-3回 2-3回 血液生化学検査 ◎ ◎ 1回 1回 1回 1回 1回 1回 1回 尿検査 ◎ ◎ 1回 1回 1回 1回 1回 1回 1回 そ の 他 CD20抗原 ◎ sIL-2R ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ (bcl-2) ○ (PET検査) ○ ◎:必須 ○:可能な限り実施 *1: 骨髄所見は、各コースで必要に応じて実施する。

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9.1.2 研究開始前(Baseline) 本研究開始前に以下の項目について調査を行う。 被 験 者 特 性 1)被験者の同意 文書同意取得日 2)被験者特性 組織診断日、組織型、既往歴、合併症 一 般 所 見 ( 登 録 前 ( 初 回 投 与 前14日以内)及び初回投与前に検査を実施) P.S.、脈拍、血圧、体温、体重、心電図 心 電 図 ( 登 録 前 ( 初 回 投 与 前14日以内)に検査を実施) 臨 床 検 査 ( 登 録 前 ( 初 回 投 与 前14日以内)及び初回投与前に検査を実施) 1)血液学的検査 赤血球数、ヘモグロビン濃度、白血球数、血小板数 白血球分画(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、腫瘍細胞、その他) 2)血液生化学検査 総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、GOT,GPT,γ-GTP、ALP、LDH、BUN、クレ アチニン、Na、K、Cl、Ca、CRP 3)尿検査 尿蛋白、尿糖 4)特殊検査 CD20抗原(登録前) sIL-2R(初回投与前) (bcl-2) (PET検査) 病 期 診 断 ( 登 録 前 ( 初 回 投 与 前14日以内)に検査・観察を実施) 1)X線検査 胸部X検査 2)CT所見(初回投与前28日以内) 頸部、胸腹部、骨盤CT 3)骨髄所見 骨髄穿刺 登 録 前 の 治 療 原疾患に対する前の治療方法(薬剤名)、開始日、終了日、臨床効果、再発確認日 初 回 投 与 前 の 治 療 初回投与前14日以内に行った合併症等に対して用いられた治療方法(薬剤名)、 開始日、終了日、併用理由 9.1.3 投与開始後 本研究中に以下の項目について検査を行う。また、有害事象の有無、有害事象が有りの場合は本研 究薬との因果関係及び因果関係無の場合はその理由を症例報告書に記録する。 研 究 薬 及 び 併 用 薬 の 投 与 状 況

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投与日、投与量、その他 変 更 ( 投 与 量 等 ) 投与量、その他 一 般 所 見 P.S.、脈拍、血圧、体温、体重、心電図、BNP、心エコー 臨 床 検 査 1)血液学的検査(2-3回/週) 赤血球数、ヘモグロビン濃度、白血球数、血小板数 白血球分画(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球、腫瘍細胞、その他) 2)血液生化学検査(1回/週) 総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、GOT,GPT,γ-GTP、ALP、LDH、BUN、クレ アチニン、Na、K、Cl、Ca、CRP 3) 尿検査(1回/週) 尿蛋白、尿糖 4)特殊検査 sIL-2R(2サイクル毎必須とし、可能な場合毎サイクル実施) 病 期 診 断 1)X線検査、CT所見(2サイクル毎での実施を必須とし、可能な場合毎サイクル実施) 2)骨髄所見(必要に応じて実施) 有 害 事 象 ( 自 他 覚 症 状 ) 有害事象の内容、処置の有無、発現日、最大Grade、消失/継続確認日 因果関係、因果関係なしと判断された場合はその理由、重篤性 有 害 事 象 ( 臨 床 検 査 値 ) 異常値又は異常変動の有無、処置の有無、発現日、最大Grade、 消失/継続確認日、因果関係、因果関係なしと判断された場合はその理由、重篤性 併 用 療 法 併用療法の有無、治療内容(薬剤名)、開始日、終了日、併用理由 抗 腫 瘍 効 果 有効性評価、評価方法、確認日 9.1.4 研究終了時(End of Study) 個々の被験者の観察・検査・調査終了後に中止例又は終了例に分類を行い、その結果を症例報告書 に記録する。また、中止例の場合は、中止理由を症例報告書に記録する。 中 止 例 ・ 終 了 例 中止例、終了例の分類、中止の場合はその理由 抗 腫 瘍 効 果 有効性評価、評価方法、確認日 臨 床 検 査

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特殊検査 sIL-2R 病 期 診 断 1)X線検査、CT所見 2)骨髄所見(必要に応じて実施) 9.1.5 追跡調査(Follow-up) 本研究終了後6ヶ月を目処に追跡調査を行い、その結果を症例報告書に記録する。また、有害事象が 規定の最終観察・検査・調査時に消失又は研究開始前までの状態に回復していない場合は、その有 害事象が消失又は研究開始前までの状態に回復するまで追跡調査を実施する。ただし、他の治療法 に変更した場合は、他の治療法に変更する前までの追跡調査を行う。 追 跡 調 査 1)生存・死亡の転帰 生存・死亡の確認日 死亡の場合、死因、本療法との因果関係 2)研究終了・中止後の治療 他治療開始日、治療方法 3)有害事象 有害事象の内容、消失又は調査最終日、消失又は調査最終日におけるGrade(0~5)、 転帰 9.2 評価 9.2.1 有効性の評価 9.2.1.1 評価項目 完全寛解率(CR+CRu) 登録症例数に対する百分率とする。 【設定根拠】 「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ.第Ⅱ相研究)」を参考に設定した。 9.2.1.2 評価の基準 抗腫瘍効果判定基準は、「NHLの国際ワ-クショップ判定基準」を元にしたJCOGリンパ腫瘍グル -プによる「非ホジキンリンパ腫に対する腫瘍縮小効果判定基準」に従う。 1)完全寛解(CR:Complete Response) 以下のすべてを満たす。 ① 腫瘍関連のすべての自他覚症状が消失、かつ腫瘍関連の検査値異常がすべて正常化 ② すべての節外性病変が画像上消失、かつ肝腫大、脾腫、腎腫大の消失 ③ すべてのリンパ節病変が正常化

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・登録前に長径が1.5cmを超えていたリンパ節は長径が1.5cm以下に縮小 ・登録前に長径が>1.0cmかつ≦1.5cmであったリンパ節は長径1.0cm以下に縮小 ④ 骨髄浸潤の消失(陰性) 2)不確定完全寛解(CRu:Complete Response/unconfirmed) 以下の①②の両方を満たし、かつ③④のいずれかもしくは両方を満たす。 ① 腫瘍関連のすべての自他覚症状が消失、かつ検査値異常が正常化 ② 肝腫大、脾腫、腎腫大の消失、かつ標的病変以外の節外性病変が画像上消失 ③ 標的病変のSPDが75%以上縮小 ④ 骨髄浸潤は不確定(indeterminate) 3)部分寛解(PR:Pertial Response) 以下のすべてを満たす。 ① 標的病変のSPDが50%以上縮小 ② いずれの非標的病変の増大もなく、肝、脾、腎の増大もない。 ③ 腫瘍関連のすべての自他覚症状が消失、かつ腫瘍関連の検査値異常がすべて正常化 ④ 骨髄浸潤の有無(陽性/陰性/不確定)は問わない(検査未施行も可)。 ⑤ 新病変の出現がない。 4)安定(SD:Stable Disease) PR未満の効果があるが、PDではない。 5)増悪(PD:Progression Disease) CR、CRuのいずれかと判定されていない症例で以下のいずれかを満たす。 ① 新病変の出現 ② 標的病変のSPDが最小のSPDから50%以上増大 ③ 節外性病変、肝腫大、脾腫、腎腫大の明らかな増大 ④ 腫瘍関連の自他覚症状の明らかな増悪 ⑥ 腫瘍関連の臨床検査値異常の明らかな増悪 6)再発(RD:Relapsed Disease) CRもしくはCRuの判定が得られた後に以下のいずれかを満たす。 ① 新病変の出現 ② 画像上消失していた節外性病変の再出現 ③ 正常化していたリンパ節の長径が、もっとも小さくなった時の長径から50%以上増大 ④ 標的病変のSPDが最小のSPDから50%以上増大 ⑤ 肝腫大、脾腫、腎腫大の再出現 ⑥ 消失していた腫瘍関連自他覚症状の再出現 ⑦ 正常化していた臨床検査値異常の再出現

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総合効果 標的病変の SPD リンパ節or リンパ節塊 の長径 肝腫大 脾腫 腎腫大 腫瘍関連 症状と 検査値異常 節外性の 非標的病変 骨髄浸潤 CR 100%縮小(消失) すべて正常化 消失 消失 消失 陰性 CRu 100%縮小(消失) すべて正常化 消失 消失 消失 不確定 75%以上縮小 すべて正常化 消失 消失 消失 陰性or不確定 PR 100%縮小(消失) すべて正常化 消失 消失 消失 陽性 50%以上縮小 増大なし 増大なし 消失 増大なし 問わない SD 50%未満の縮小 50%未満の増大 50%以上の 増大なし 増大なし 増悪なし 増大なし 問わない PD 50%以上増大 50%以上増大 増大 増悪 増大 陽性化 9.2.2安全性の評価 9.2.2.1 評価項目 Grade 別副作用発現例数、発現頻度及び Grade 3 以上の副作用発現頻度 【設定根拠】 「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン(Ⅲ.第Ⅱ相研究)」を参考に設定した。 9.2.2.2 評価の基準 1)有害事象 有害事象とは、研究薬の投与中もしくは投与後に、被験者に生じた、あらゆる好ましくないあるい は意図しない徴候(臨床検査値の異常を含む)、症状又は病気のことであり、当該研究薬との因果 関係は問わない。 2)副作用 因果関係分類 ①関連なし、②おそらく関連なしを除く有害事象を副作用とする。 3)安全性評価基準

安全性評価は、NCI Common Terminology Criteria for Adverse Events Version 3.0 ~日本語訳 (2003年) に従い評価を行い、重症度はGrade1~4に分類する。 なお、臨床検査値の異常の有無は、施設基準値に従って行う。 4)因果関係分類 有害事象と本治療法との因果関係は、以下の5段階に分類する。 ①関連なし ②おそらく関連なし ③関連あるかもしれない ④おそらく関連あり ⑤明らかに関連あり

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