愛総研・研究報告 第10号 2008年
セラミックスのカーボン被覆
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稲 垣 道 夫 Michio Inagak:i Abstract : Carbon coating of ceramic particles were successfully performed by a simple process, i田e., heat treatment of powder mixture of thermoplastic carbon precursor (such as poly(viny1 alcoho1), PV A) and ceramic s (such as MgO, Ti02, etc園). The experimenta1 results obtained since 1985 were surnma-rized. Preparation conditions of mesoporous carbons企omcarbon回coatedMgO through the dissolution
of MgO by di1uted acid were estab1ished. Mesopore size could be controlled by MgO precursor.
Carbon-coated Ti02 was found to giv巴variousmerits for photocata1ystラhybridizationof adsorptivi匂f with photoactivity, suppression of phas巴 仕 組sformationfrom anatase to ruti1e, fixation by using organic
binder. From the mixture of Sn02, MgO and carbon precursor, the dispersion of metallic Sn nanopar -ticles in porous carbon was successfully performed. In thes巴carbons,some space neighboring Sn par
-ticle was always formed after the disso1ution of MgO particle, which was advantageous to absorb some expansion and shrinkage due to alloying ofLi into Sn. From the mixture ofK2W 04 and K2Mo04 with
carbon precursor, carbon-coated W C and M02C were synthesized, which gave a high vo1ume住民high
capacitance in elec仕ochemicalcapacitor. From the mixture of(NH4) 10W12041with PV A, on the other
hand, carbon-coated W18049 cou1d be prepared, which had a photocata1ytic activity in visib1e 1ight.
The mixtures of Fe203 and NiO with carbon precursors gave either carbon-coated Fe or Ni, in which graphite crystals formed even at 900 oC. Carbon coating of ceramic ti1es gave a possibility to produce Japanese rooftile with a new process, which was comp1etely different from conventiona1 one.
1.緒 言 カーボン材料は前史時代から人類の生活に密接 な関係を持ち,科学・技術の進歩を支えるととも に,カーボン材料の種類も作成法も大きく変化し てきた 1) 最近では,フラーレンおよびカーボン ナノチューブと云う新しいカーボン材料が発見さ れ,それがナノテクノロジーの発展に対して大き なインパクトを与えた 我々は 1985年頃に偶然,セラミックスとポリ塩 化ビニノレの粉末混合物を,不活性雰囲気中で 1000
。
C付近まで加熱処理することによって,セラミッ クス粒子をカーボン被覆し得ることを発見した 2,3) カーボン被覆され真黒となったセラミックス 粒子は粉末状で得られ,凝集することはなかった. その後,種々のセラミックス基材とカーボン前駆 体との組み合わせについて多くの研究を行い,そ れぞれが有望な用途を持つ可能性を確かめること ができた.用いたセラミックス,それからの生成 物そしてそれらの用途を Fig.lとしてまとめた. Elec仕odefor lithium ion山吋
batleries Electrode for electric double layer capacitor Gasoline v勺
radsoぬent Hybridization b巴tween photoactivity and adsorptivity↑
Electrode for electro -chemical capacitor↑
Carbon-coated 明TCandMo2C Carbon-coated Sn Mesoporous carbon Carbon司coatedanatase Fig. 1 Development and application possibility of carbon-coated ceramics studied. 愛知工業大学工学部応用化学科(豊田市) 47愛知工業大学総合技術研究所報告,第10号, 2008年 ことが推奨される.しかし,その前駆体からのセ ラミックス粒子が,カーボン前駆体の熱分解が生 じる以前に生成していることが必要である.カー ボン被覆によって, 1000 oC付近の高温まで加熱し でも,セラミックス粒子の焼結,粒成長が抑制さ れることは,本法のもう一つの特徴であろう. 2.カーボン被覆プロセス セラミックス粉末あるいはブロックをカーボン 被覆するプロセスはきわめて簡単で,カーボン前 駆体とセラミックス基材を混合し,不活性雰囲気 中で 1000oC前後の温度まで加熱することによっ て行われる.その基本プロセスを Fig.2として示 した. 48 3. 多孔質カーボンの作製 (賦活を用いない細孔構造制御) 酸化マグネシウム MgOは高温まで安定である 上,弱酸性水溶液に簡単に溶解する.そこで,い ったんカーボン被覆 MgOを作製した後, MgOを 酸で溶解,除去することによって,多孔質カーボ ンが得られることを見出した4-11) 粒子の大きさが約 100nmの MgO粉末と 3種の カーボン前駆体 (PVAラHPC,PET )を種々の割合 で混合し, 9000Cに炭素化した後, MgOを希硫酸 で溶解,除去してカーボンを得た.その BET表面 積を混合比の関数として Fig.3a)に示した.賦活に 相当する処理を通っていないにもかかわらず, 1000 m2/gに近い表面積が得られる.Fig. 3b)および c)には,最も高い BET表面積を与えた混合比 7/3 のものについて細孔径分布をミクロ孔およびメソ 孔領域に分けて示した. MgO粒子の後に残った細孔は 100nm前後の大 きさであり, Fig. 3b)および 3c)の細孔径分布曲線 の範囲からはずれており3 検知できない. PVAか ら作られたカーボンは 0.8nm付近のミクロ孔のみ が認められるのに対して, PETおよび HPCからの カーボンはメソポーラスである. MgO Anatase-typeTi02 Sn02,F円03,etc K2 WU4, (NH4ho Wl20 e41tc Ceramic tile Alu江 田mmplate Pm叩 凶carbon Fig. 2 Procedure for carbon coating of ceramics 本法の特徴はそのプロセスの簡単さ,簡便さに ある.セラミックスあるいはその前駆体とカーボ ン前駆体を接触させた状態で,不活性雰囲気中で 加熱処理することによってカーボン被覆がなされ る. しかし, 目的とする材料を本法で合成するた めには,してつかの要件を満足することが必要で ある.まず,カーボン前駆体としては,熱可塑性 であることが望まれる.我々が用いた主なカーボ ン前駆体を Fig.2中に挙げたが,これらに限るも のではない.本法の開発は PVCを使って始めたが, 排ガス中に塩素が含まれることは望ましくないの で,現在は使用していない また,セラミックス を微粒子で得たい場合はその前駆体から出発する c) Pore size distributio目 m mesopore regwll
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u p h o m r は ・ 川 -EH d E e n q & ・ 胃 且 ・ 1 e a e r o p ) hu a)BET surface area 3.0 5 0 5 0 5 2 2 1 1 0 E 阻 ・ 国 泊 目 ¥ ( 白 回 。 -) 聞 と K F 司 2.自 自 国 OJl1.5 ; コ 自 ¥ ( ~ 1.0 0Jl。
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旬 ド 400 同 国 0 0 • ‘ , n o i “ 。 2/8 317 5/5 7/3 8/29/1 l¥'1i:xing ratio, l¥'lg0JCarbon precursOl 20骨 2.5 Fig. 3 Porous carbons prepared from MgO with100nm size and different carbon precursors PVAと酢酸マグネシウムを粉末で混合した場合 と水溶液として混合した場合の表面積およびメソ カーボンおよび MgO前駆体の混合方法も細孔 構造に大きな影響を与える. Fig. 4a)および b)は,49 て作製したカーボンについて,表面積および細孔 容 量 を ミ ク ロ 孔 お よ び メ ソ 孔 に 分 け て 測 定 し (Smicro., Smeso., V microおよびVmeso) 混合割合に対 してプロットした.Sm四およびVmesoはクエン酸マ グネシウム混合割合の増加とともに急激に増加し, その混合割合 (MgOIPVAに換算)が 6/4以上では 飽和する傾向を示す.飽和値は Sm闘で,約 1600 m2/g, V meso.で約 2.0mLlgと非常に高い.これに対 して Smicroは約300m2/g, Vmicroは約0.1mLlg手呈 度までしか増加しない. これらのカーボンについての細孔径分布は
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5c)にを示したように,約 5nmを中心としたシャ ープな分布を示した.混合割合が増加し, Sm四お よびVmesoが増加するとともに,分布の極大値は高 くなり,その径は小さくなる.そして ,Sm即e悶s叩Oおよ びVm町 回 に極大値を与えるシヤ一フプ。な分布となる. グルコン酸マグネシウムを MgO前駆体とする ことも可能であり,その場合は, 2~4nm に極大 値を持つシャープな細孔径分布が得られた.また, Smicroおよび Vmicroは,クエン酸マグネシウムを用 いた場合よりは大きな値を示した. クエン酸およびグソレコン酸マグネシウムを前駆 体として用いた場合には,粉末混合法と溶液混合 法とでは,細孔構造に大きな違いは生じなかった. セラミックスのカーボン被覆 b) Pore size distribution in mesopore region 50 218 3n 5/5 7β I W , 0 1 0 2 0 3 0 4 0 Mixingra,。針"ivIgO !PVA POfr width / nm Fig.4 Effect of mxing method on pore structure 孔領域での細孔径分布を示した. 吉 岡 田 E 2 s a 担 ¥ ( 唱 凶 。 巴 空 ﹀ 匂 タ t ~lg11叫時lf'YA s .: 1500~ PO叫"_..mì~il1'!;、 oo~ [Mg llç~ta(~IP';:\i
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ぷ -, aぽ'・ 粉末混合の場合,表面積は 1000m2/gまでであ り, MgOを用いた場合とほとんど差はないが,細 孔の大きさは非常に違っており, MgO (粒子サイ ズ100nm)では, PVAから生じたカーボンが本来 持つ細孔(約 0.8nm径)のみであるのに対して, 酢酸マグネシウムを前駆体として用いた場合は, 10 nm以上の広い範囲のメソ孔が生成している. 溶液混合の効果は,表面積値は勿論,細孔サイズ においてもさらに顕著であり,表面積は 1800m2/g にまで達し,約10nm付近に細孔径が集中してい る. 次に、 MgO前駆体としてクエン酸マグネシウム を選び、 PVAと粉末および溶液混合法によって混 合した後、炭素化することによってカーボンを作 製した.F
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に,溶液混合法によっ 20 5 10 15 Pore、甘dth/ 11m 4 3 2 1 E F M ¥ 一 昔 恒 ¥ ( 白 凶 旦 ) 司 ¥ ﹀ 司。
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2/8 4/6 614 釘Z 同10 Mg-CilPV A ratio in皿 匝S a) Surface area Z似拙~ーー一一一一ー一一ー一ーー 。 必 a 1。跡 書 調 。 :: }OOD 官 畠 価幅から求めた結晶子の大きさ Lx町と透過電子 顕微鏡像から求めたMgO粒子サイズLTEMを,窒 素ガス吸着等温線から求めた平均メソ孔サイズと 比較して示した. これら3つの値はほぼ一致しており, MgO粒子 の溶解によって残された孔がメソ孔となっている ことを示している. MgOはl規定の酢酸あるいはクエン酸を用いて も溶解させることができる.そしてその洗浄液は 酢酸あるいはクエン酸マグネシウム溶液である. そこへ再度PVAを加えた後乾燥させ, 900oCで炭 MgOprecぽsor MgO particl巴size AverageLx-ray LTEM mesopore slze MgO 100 100 101 Mg acetate 30 30 28 (Powder mixing) Mg acetate 17 15 13 (Solution mixing) Mgci仕at巴 9 6 5 Mg gluconate 4 2 Table 1 Particle size ofMgO and mesopore size (nm) カーボン中のメソ孔径は MgO粒子の大きさに よって決まっている, Tab1e 1に, X線回折線の半
50 愛知工業大学総合技術研究所報告,第10号, 2008年 素化させることによってカーボン被覆 M g Oが得 られる.Table 2は,このようにして, M g Oをリ サイクノレして使用することによって得られた多孔 質カーボンの収率と BET表面積を示したもので ある. Table 2 Recycle ofMgO Cycle 1.2sing acetic acid U sing citric acid No. Mg acetateIPVA=5/5 Mg citrateIPVA=5/5 SBET Carbon yield SBET Carbon yield (m2/g) (mass%) (m2/g) (mass%) 1210 9.8 1402 26.8 2 1185 9.6 1468 25.2 3 1262 9.3 1423 25.4 4 1203 10.1 1415 26.1 5 1249 9.1 1481 25.4 5サイクル繰り返し行っても,ほとんど一定の 収率で, BET表面積で評価した細孔構造が同一の 多孔質カーボンを得ることができる. 得られたカーボンについて,電気二重層キャパ シタの電極材としての性能を評価した.測定には l規定硫酸を電解液とした 3極式のセノレを用いた. Table 3にその静電容量を,充・放電過程での電流 密度が50および1000mA/gの場合について示した. また,し、くつかの試料について,静電容量を電流 密度に対してプロットしたものを Fig. 6a)に示し た. Table 3 Electric double layer (EDLC) capacitance of carbons prep紅ed. Mixing
Mixing ratio EDLC capacit組ceσ/g)
method ~mA/g 1000 mA/g MgOIPVA=7/3 103 34 MgOIPVA=5/5 88 39 MgOlPyA=2~ 65 28 Mg acetatelPV A =7/3 184 96 Powder Mg citrateIPVA=5/5 296 144 mlxmg Mg citrat巴IPVA=10/0 208 151 Mg gluconatelPV A=5/5 191 138 Mg gluconatelPV A = 10/0 250 174 Mg gluconate/ 248 198 Mg citrate=5/5 Mg citratelPV A =7 /3 320 154 Solution Mg acetatelPV A=7/3 338 198 mlXmg Mgac巴tateIPVA=5/5 238 210 Mg acetatelPV A =2fll 89 68 酢酸塩などの M g O前駆体を用いて作製したメ ソポ)ラスなカーボンについては,電流密度 50 mA/gで、ゆっくり充・放電した場合に, 200 ~ 300 F/gのかなり高いキャパシタ容量を示す.Fig. 6a) 中の比較試料(キャパシタ電極材として市販され ている活性炭)よりも大きな容量を示すものも多 い.また,本法で作製したカーボンでは,電流密 度が 200 rr凶/g以上ではほとんど一定の容量を示 すことも,市販活性炭とは異なっている.このこ とは,電流密度を 1000mA/gとして急速に充放電 しでも,容量の低下が少ないことを示している. そこで,キャパシタの充・放電速度に対する性 能のパラメータとして, 1000 mAlgの時の容量値 ClOOOの50mA/gの時の容量CSOに対する比 ClOOO/CSO を求め,それをメソ孔表面積の全表面積に対する 相対的割合Smeso/Stotalに対してプロットし,Fig.6b) に示した. a) Change with current density 3。号 b)RelationOfClOOo/C50to S間 知/Stotal 1011 ー ト
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Fig. 7 Bimodal carbon宜omth巴mix回reofKg ci仕a匂 姐dglucon
セラミックスのカーボン被覆 ゆっくりした充・放電 (20~ 100mAJg)では, それぞれの前駆体単独で、作製したカーボンの方が 高い容量を持つが,急速充・放電 (1000mAJg)で は両者の混合物から作製したカーボンの方が高い 容量値を示している.この結果は,電気二重層キ ャパシタ電極材としての細孔構造の重要性を示唆 している. 現在,環境保護のためにも石油資源節約のため にも,駐停車中の自動車から放出されるガソリン 蒸気を回収して,エンジンへ送るためのキャニス タの重要性が指摘され,ガソリン蒸気の吸着材と しての活性炭が注目されている.そこで,本研究 で作製した多孔質カーボンの,自動車用キャニス タへの適用の可能性を探るため,ガソリン蒸気の 吸着に伴う重量増加を測定した. 蒸気吸着に伴う重量増加は, Fig. 8a)に示したよ うに,初期に急激に起こり,その後飽和する傾向 にある.そこで,カーボン単位重量当たりのガソ リン蒸気吸着量の 125分後の値を飽和吸着量と見 なし,細孔パラメータとの対応関係を検討した. その結果, 10 nm以下の細孔の容量に対して,ほ ぼ良好な依存性を認めることができた. Fig.8b)に, クエン酸マグネシウムIPVAおよび酢酸マグネシ ウムIPET混合物から作製したカーボンの飽和吸 着量を,キャニスタ用として市販されている活性 炭と比較した. b) Adsorption vs. pore volume
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副 叫 580 TimeI min 0 o 0.4 0.8 1.2 1.6 2 Volume ofpores less thau10nmI mLI匡 Fig. 8 Adsorption of gasoline vapor クエン酸マグネシウムを用いて作製したカーボ ンの多くは,細孔容積も大きく,ほぽ自重に相当 する量(吸着量 100%)のガソリン蒸気を吸収し 得る.これに対して,酢酸マグネシウムを用いて 作製したカーボンの吸着量は 40%以下であり,細 孔容量も低い.比較に用いた市販活性炭も細孔容 積はそれほど大きくなく,ガソリンの吸着量も 40 %程度である.クエン酸マグネシウムを MgO 前駆体として用いると,約 6nmの大きさのメソ孔 が大量に生成する (Fig.5c) のに対して,酢酸マ グネシウムを用いると, 10 nm以上のメソ孔が主 体 (Fig.4b) である.また,市販活性炭は 2nm付 近に極大値を持つ細孔分布を持っているが,細孔 51 量としてはクエン酸マグネシウムから作製したカ ーボンに比べると少ない.クエン酸マグネシウム を前駆体として使用することが,ガソリン蒸気の 吸着に適した大きさの細孔を大量に作製すること に適していると云える. この多孔質カーボン作製法は,従来の活性炭の 作製法に比べて,熱可塑性前駆体を用いながら不 融化プロセスを必要としない,賦活も必要ないた めより高い収率が得られる また,ゼオライトな どの鋳型を用いた作製法に比べると,鋳型に相当 する MgOが弱酸で溶解,除去できること, MgO をリサイクノレできることなどの特徴を有している. 4.光触媒 Ti02のカーボン被覆 (光触媒能と吸着能の融合) 光触媒であるアナターゼ型酸化チタンを基材セ ラミックスとして選ぶことによって,光触媒能と 吸着能のハイブリッド化を達成し得た.それと同 時に多くの利点を得ることができた叫26) 作製した試料を Table4にリストアップした原 料には市販の光触媒 ST-Ol(石原産業製)を選び, それとポリビニノレアルコール粉末を種々の割合で 混合し,アノレゴ、ン気流中で、 500~ 1100o
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の温度に 1時間保持することによってカーボン被覆を行っ た.原料とした ST-Olは一次粒子が約 70nm,凝 集二次粒子が約 60μmの大きさで, BET表面積は 300 m2/gを持っている. Ap-parent SBET 叫旦 300o
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31 2 14 130 164 10 170 12 I 166 145 120 60 40 196 130 100 50 SP90-700 SP95-700 SP60-900 SP70-900 SP80-900 SP90-900 。 。 戸 、 “ ゥ ム*
A:出latasephase, R: rutile phase, Rt:仕aceamount of rutile phase and Tin02n-1: r巴ducedphase ofTi02・ Fig. 9に,カーボン被覆 Ti02および原料 ST-Ol を用いた場合の水中のモデ、ノレ汚染物質,メチレン ブルー (MB),レアクティブブラック 5(阻5),52 愛知工業大学総合技術研究所報告,第10号, 2008年 ブェノール (Ph)およびイミノクタヂン三酢酸塩 (11),の濃度変化を紫外光の照射時間の関数と して示した. 汚染物質の溶液中での残留濃度を紫外光照射前 の濃度を 100とした相対値c/coで表し,その対数 を照射時間に対してプロットしたものは,いずれ の場合も直線で近似できた.すなわち,一次反応 速度式 c/co= kt が成立している.したがって,光触媒による水中 汚染物質の分解反応は速度定数kで表すことがで きる.なお,吸着による濃度変化を除外するため, 光触媒はあらかじめ高濃度の汚染物質溶液中に充 分の時間保持し,吸着を飽和させている.したが って,試験溶液中に移した際に汚染物質が溶け出 す場合もあり,直線の切片は必ずしも 100%を通 っていない. 4 [rll:dill.liontimc! b b) Reactive bJack 5 (RB5) ,0'∞ S 3 5 脅 さ "
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S ~ 1 tJ 0 Fig.9ではいずれの場合も,カーボン被覆をして いないST-01と比較としている. M Bの場合はカ ーボン被覆によってその分解反応が著しく促進さ れているのに対して, RB5の場合は分解反応が著 しく遅らされている .Phおよびr
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の場合は,ST-01 に匹敵する速度定数 kを持つカーボン被覆Ti02 もあるが,多くのものは,より小さい k値を持っ ている園 カーボン被覆の効果が最も顕著であった M Bの 場合について,分解速度定数 kMBを700~ 900 oC で作製したカーボン被覆Ti02のカーボン被覆量 に対してプロットしたものをFig.10として示した. カーボン被覆量が増加するとともに,カーボン層 が厚くなると考えられ,それによって基材である アナターゼTi02に到達する紫外光は弱くなり,カ ーボン被覆を700および8000Cで、行った場合は, 徐々に分解速度定数は小さくなる.しかし, 8500C でカーボン被覆を行った場合はカーボン被覆量が 4mass%付近で、極大値を示す これは8500Cへの 加熱処理によってカーボン被覆が行われると同時 に,アナターゼの結品性が向上するために光触媒 能が向上したためである.しかし, 8500Cでは, 低カーボン被覆量領域では速度定数が急激に減少 する.これは,カーボン被覆による相転移の抑制 が十分に行われないために,アナターゼ相の一部 がルチル相へ転移するためである.9000Cでのカ ーボン被覆処理では,ルチノレ相への転移がさらに 促進されるため,速度定数 kMBの極大値が高カー ボン被覆量側にシフトすると同時に低い値となっ ている. 0.7 95叫Analase I A,
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が大きいほど,言 い換えればカーボン被覆層が厚ければ厚いほど強 く抑制されている.この効果は被覆カーボン層が,T
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2粒子同士の接触を阻害し,高温での焼結,結 晶成長を妨げるためと考えられる. アナターゼ型T
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2の結晶性が,その光触媒能に 強し、影響を持ち,結晶性が高いほど光触媒能が高 いことを実験的に明らかにした 27~29) 実際には, 結晶性が高くなると,高温安定相であるノレチルへ の相転移も促進されるため,光触媒能はノレチルへ の相転移の始まる直前で最大値を示すこととなる. からノレチルへの構造変化が抑制され,高温処理に よってアナターゼの結晶性を高くすることが可能 となることにある.F
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とそれから 種々の温度で作製したカーボン被覆T
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2の高温安定 相はノレチル型構造で、あり,光触媒能を持つアナタ ーゼ構造は5
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0
0C
での加熱処理によってルチルに 相転移し始め, 9000Cで、は完全にノレチル相へ転移 するこれに対して,カーボン被覆した試料では,1
1
0
0
0C
で処理しでも,トレース程度のルチノレ相し か生成しておらず,ノレチノレへの相転移が強く抑制c) Mixture with different ST-Ol/PV A ratios at 900
o
c
10 臼Ana弘特 @'R凶量e 60 2NG m o -ロ 。 。 向 。 50 o M @ ~ W 10 W m w 2 9 ; " C u K α 2 9 ; " CuKαFig. 12Changes in XRD pa枕emof anatase-type Ti02 and carbon-coated Ti02 with heat仕 切 出lenttemperatur巴
30 40 29 !" CuKα 20 d , e ¥ h w a ロ a a b) Mixtur宮withST心l/PVA=50/50
at different temperatllres 口Iu訟もase 叫民嘩;丘ぽile Eロ 8P50-900 SP50司800 60 50 SP50司1000 SP50.j 100 d d ¥ b a g ω 百 円 語)ST幽01 10 20 S J 偲 ¥b 何 回 星 島 って,水中のメチレンブツレーの光分解を繰り返し い行い得る事を示した. 光触媒であるアナターゼ
T
i
0
2をカーボン被覆 することは、T
i
0
2表面に到達する紫外光を弱くす ることになるため,不利で、あると考えられがちで ある.しかし,実際には,カーボン被覆によって 光触媒能を有するアナターゼ相を安定化し,高結 品性を持たせ得ることによって、アナターゼの触 媒能が向上する,カーボンへの汚染物質の吸着に よってアナターゼ粒子周辺の濃度を高め,光分解 速度を向上させ得る,など多くの利点を有するこ とを明らかにした.実用化を考慮したとき,有機 系接着剤によってカーボン被覆Ti0
2粒子を固定 できることも利点の一つである。F
i
g
.
1
3
a
)
には,カーボン被覆T
i
0
2中のアナター ゼ相の結晶性の目安としてX
線1
0
1
回折線の半価 幅p
に対して, M Bの分解速度定数 kM Bをプロット した.また ,F
i
g
.
1
3
b
)
には,アナターゼ相の存在 割合を同じくp
に対してプロットした. Fig. 13 Dependences of rate constant kMB and anatase content fA on half width of 101 diffraction line for carbon coated Ti02・ 5. 被覆カーボンと基材セラミックスの反応 (新規材料の創製) 被覆したカーボンと反応して基材セラミックス が還元され,新しい材料を作製することもできる. 我々は,金属酸化物が金属まで還元される例とし てスズおよび鉄,ニッケノレなどの遷移金属微粒子 分解速度定数 kM Bは日値が 0.30付近で最大値を 示し,そのあたりからアナターゼ相の割合が急激 に少なくなる,すなわちルチノレへの相転移が起こ っていることが分かる. カーボン被覆Ti0
2のもう一つの利点は,それら の粒子を有機パインダーを用いて固定できること である.有機系接着テープ上に固定することによ愛知工業大学総合技術研究所報告,第 10号, 2008年 Fig. 15に, Sn分散カーボンをグラファイト共 存下で作製したもののサイクル特性を,グラファ イトのみを用いた場合と比較した Sn分散カー ボンをグラファイトに担持することによって,可 逆容量を大きくすることが可能であり,そのサイ クルも安定している. 0 5 8 5 2 3 1 0 L4h ﹂乞 bjSF¥ 四 傾 向 Z Z E C L a) Discharge-charge cu何 回 1.5 ! が生成する場合じ還元が途中段階の酸化物還元 相のとどまる例として W18049相が生成する場合, さらに金属とカーボンが反応する例として ,W C などのカーバイドが生成する場合を検討した. 割} . J 6 8 10 t2 1-1 Nuntbet' of cycles Fig. 15 Composit巴ofSn-dispersed carbon with natura1 graphite.
リチワムイオン二次電池の充・放電容量の向上 が強く望まれており,シリコン,スズなどの金属 が有効であることが示されている.しかし,これ らの金属を微粒子として分散される必要があり, そのための多くの作製法が試みられてきた.本研 究のスズ微粒子分散法は簡便な手法であり,有望 な可能性と云える.
5
.
2
カーバイド微粒子を分散したカーボン (スーパーキャパシタ電極材) K2W 04および K2Mo04とカーボン前駆体 HPCを それぞれの水溶液として後,混合,乾燥、加熱処 理 す る こ と に よ っ て カ ー ボ ン 被 覆 W C お よ び Mo2Cを作製した 31) この W Cおよび Mo2Cは硫 酸電解質中で、最初の放電フ。ロセスで、水酸化物とな り,その後の充・放電で Redox反応を示し,多孔 質カーボンによる電気二重層容量に,疑似容量を 付加することが可能である. Fig. 16aおよび 16bのX線回折図形が示すよう に, W 03は W2C,W Cそして W に還元されるが、 最終的には W Cが主成分となる (Fig.16a)のに対 して, Mo03は直接 Mo2Cとなり,それ以上還元は 進まない. このように作製した W Cおよび Mo2C分散カー ボンをキャパシタ電極として場合,その容量を電 極材料の重量当たりで表すと,添加されている金 属が重いために,大きな値が得られない.しかし, 電極材の体積当たりの容量とすると大きい値を示 す.Fig. 16cには,キャパシタの充・放電サイクノレ を繰り返した場合の,電極材体積当たりの容量変 化を示した.キャパシタ容量が大きな値であるこ とに加えて,非常に安定したサイクル特性を示す 5.1金属微粒子を分散したカーボン (金属スズ分散リチウム二次電池負極材) 金属スズはリチウムイオン二次電池の負極材と して大きな理論容量を持つことから,それを黒鉛 中に微粒子で分散することが試みられている.本 法を酸化スズ Sn02と MgOおよび PVAの混合物 に適用することによって,スズ微粒子を MgO を 取り去った後の細孔中に保持することに成功した Sn02は PVAの炭素化過程で還元され金属とな るが,それは融点が低く溶融状態おなり, MgO粒 子がないと流動,合体して大きな粒子となり,カ ーボン被覆もされない園しかし, MgOが共存する と,溶融スズが MgO に濡れ,流動が妨げられる とともに, MgOと一緒にカーボン被覆される 室 温に冷却後, MgOを 1MHClによって溶解,除去 すると,微粒の金属スズと MgO が抜け出た後の 空間がカーボンの殻の中に残る.この空間がスズ 粒子と隣り合って存在することは,電池負極とし て用いた場合にリチウムとの合金化によって生じ るスズ粒子の著しい体積膨張を吸収する役目を果 たす. 54 b) Cyclic performan田 in Li-ion secondary battery 100 "0 円。 c 8U a v n 70き 内 定 60青 色〈 3 5U ".
0
2 4 6 8 10 12 1~ Number of cvcles Fig. 14 Sn-dispersed carbons a)TEM image of carbon-coated So Fig. 14a)に MgO/Sn02寸/5として得た試料の TEM 像を示した. Sn粒子の大きさは MgO/Sn02 比に依存し,比が大きくなるほど分散された金属 Sn量は小さくなり,その粒子も小さくなる. Fig. 14b)には, リチウムイオン二次電池の負極材とし て使用した場合の充。放電サイクルに伴う可逆容 量およびクーロン効率の変化を示した.MgO/Sn02 比が大きくなるほど可逆容量は大きくなり, 500 mAh/g以上となる.またクーロン効率も 100%に 近い. MgO/Sn02比が大きくなるほど, Sn粒子が 小さくなり,より効率的に Liの合金化に使われて いるといえる.セラミックスのカーボン被覆
ことが分かる.この結果はカーバイドが微粒子で あり、カーボンで被覆されているために,カーバ イド粒子全体がRedox反応に関与することができ
a) Change in X-ray dif企actlOnpa恥mwithHTT
(叫 ) k υ ( V 1'110壬: -宮 司 E e電 30 1.0 2fJI'CnKα 50 30 40 29;' CuKα 55 るうえに,サイクノレによる粒子の接触や融合が阻 害されていることに由来している. v bVωehJ@ 宮 出
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3
Carbon~coated MozC 噌 戸 』 噌J 一 品 噌 → 一 世!
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主竺
仁arbon-coatcd'YC 50 100 o 100 100 3自o 400 ヨ00 Numbcr of c¥'Clcs Fig. 16 Changes inX-ray diffraction pa社emwith heat treatment tempera旬re姐dthos巴involumetric capacitance with cycling W Cおよび Mo20 が水酸化物に変化し、その Redox反応に基づく疑似容量をスーパーキャパ、ン タに与え得ることは,我々の研究31)で始めて示さ れた.更なる容量の増加や作製条件の最適化など 今後検討すべき問題も多いが,スーパーキャパシ タの電極材料として有望な材料と考えられる. 5.3 カーボン被覆 W1S049微粒子 (次世代可視光活性触媒) パラアンモニウムタングステン酸とPVA
をそ れぞれの溶液とした後,混合,乾燥,加熱処理す ることによってカーボン被覆W
1S0
49が作られた32, Fig. 17は種々の温度で作製したものの XRD図 形を示した, 8000C付近で W18049が生成している. このカーボン被覆 W18049について,可視光下で光 触媒能が認められた ,Fig.18にメチレンブルーお よびフェノールの分解挙動を,他の試料と比較し て示した. マ 、 、 ewo! V柄 拘0,時(WOヱマ斗 χ(NH.lo_'-'、、0, O(:\IJJ)~ dVOJ .. 。(;\, H~) JßW ,!【"' ( d ・ ε らA V 百 四 尚 早 戸 畑 山 (d)780'( o 0, 町 、t :< ",x. :." ぜ 、(c)4600ご (b)340'( 20 30 40 50 60 28 I degree (CuK叫Fig. 17 Chang巴in)ぼDp丘町m ofthemix印reof para-ammonium
tungstate and PV A with h巴atむeatmenttemperature Fig. 18aは,カーボン被覆 W1S049は暗所でもメ チレンブノレー (MB)濃度が減少し,吸着が進んで いることを示している. しかし,繋外光照射下で 暗所より急速に濃度が減少し,可視光下ではさら に急速に濃度が減少し, MBの分解が進んでいる. Fig. 18bにおいて, W 03を還元雰囲気で 9000Cに 加熱することによって作製した W1S049は,W 03 と同様に,フェノーノレ (Ph)に対しては全く活性 を示さない.これに対してカーボン被覆 W18049 は,可視光下で顕著な濃度減少,すなわち分解を 示す.カーボン被覆 W1S049が Phの吸着を示すこ と (inthe dark参照)から,被覆されたカーボン 層に聞が吸着されて W1S049粒子の周囲の Ph濃度 が高くなることによって光分解能が顕著に認めら れたと考えられる. a) Decomposition ofmethylene blue b) Decomposition ofpbenol Carbon-coated羽'18049 W1S049 under、isiblelil!ilt 告1.0 ~ 0.9
"
] 0.7a
0.4 0.6 o 1 2 J 4 5 6 7 H lrradiution timcJ h o 2 Time/hJ 4 S Fig. 18 Photocatalytic activity of carbon coated W18049・ 太陽光中には4%
以下しか紫外光が含まれてお らず,可視光下で活性の高い光触媒が次世代材料 と考えられる。 W 03が可視光活性を持つことが示 されたが,水への溶解度が高いなどの理由から実 用化されていない.我々は,W1S049が水に難溶性56 愛知工業大学総合技術研究所報告,第10号, 2008年 であるとともに,可視光活性であり,カーボン被 覆によって触媒能が向上することを示し,そして その簡便な作製法を提案した. 504遷移金属微粒子分散カーボン (黒鉛化触媒) FeヲNi,Coなどの遷移金属酸化物は,カーボン前 駆体の炭素化と同時に還元されて,微粒子で非常 に活性な金属となる.カーボン前駆体から生じた 熱分解物がこの金属微粒子と反応して 1000
o
c
付 近の低温で黒鉛が生成することが見出された 3, 34-36) Fig. 19に, NiO/PV A=4/6 混合物を 1000~1100o
c
に種々の時間加熱処理したもののX線粉末図形を 示した. 10000Cでの処理時聞が 1時間では,なお 二次元的な 11回折線しか認められないのに対し て, 5時間保持ではブロードではあるが三次元的 な黒鉛構造に由来する 112回折線が認められ,処 理時間の経過とともに成長している.加熱処理温 度を 1100o
c
とすることによって 004回折線はシ ャープとなり, 112回折線も明確となる. Fig.20に, Fe304/PVP=7/3混合物から 12000Cに 加熱処理して得られた黒鉛粒子の高分解能透過電 子顕微鏡 (1王RTEM)像を示した. 100暗視野像で はモワレ縞が観察され (Fig.20a),制限視野回折 ではスポット状の六回対称性の 002回折線が (Fig. 20b) ,そして 002格子像では平行に積層した大き な網平面が認められる (Fig.20c)園これらの結果 は高い結晶性を持つ黒鉛結晶が生成していること を示している. 004 110 Si 29 I 'CuKα 29 IロCuKα Fig. 19 Change in XRD pa社巴m withheat仕eatmenttemperature Fe3uiPVP = 30170, at 1200 oC for 5 h Fig.20HRTEM images on graphite crystal formed 炭素の黒鉛化には原料の選択と 3000O
c
近い高 温を必要とする.そこで,触媒を用いてより低温 での黒鉛化が古くから試みられ,鉄,ニッケノレな どの遷移金属が有効であることが示されている. 本研究では,カーボン前駆体中に混合した遷移金 属酸化物が還元されることによって金属微粒子が 生成し,それが触媒として働き, 10000C前後の低 温で黒鉛が生成することを示した.カーボン前駆 体からの熱分解生成物と還元直後の微粒金属が接 触することによって,低温での黒鉛化が可能とな ったと考えられる. 6. セラミックタイノレのカーボン被覆 (日本瓦の新規作製法) 日本瓦はセラミックスタイノレの表面に炭化水素 ガスの気相熱分解によってカーボンを蒸着させる ことによって作られている.本1
去を用いることに よって同様のカーボン被覆が可能であることが示 された 37-40) Fig.21に,カーボン前駆体 (PVAあるいは PET) 粉末をタイル (35mmX20 m m,厚さ 4mm) の下 に敷いた状態 (Fig.21a)で 10000C付近に加熱処 理すると,直接カーボン前駆体と接していないタ イル上面までカーボン被覆される (Fig.21b) タ イル上面は余分なカーボンの付着もなく,均質で ある (Fig.21c)が,カーボン前駆体に接していた 下面には余分のカーボンの付着が認められた (Fig. 21d).しかし,これも簡単に取り除くことができ, 上面と変わらない均質なカーボン被覆ができた. Fig. 21 Carbon coating on ceramic til巴. Fig.21で示したように,カーボン前駆体からの 熱分解物はタイルの側面に沿って上昇し,上面を 均一にカーボン被覆する. しかし,タイルが厚す ぎると上面を完全にカーボン被覆することができ ず,熱分解物の上昇高さに限度があると考えられ た. 日本瓦の場合,銀白色を呈することが好まれ,セラミックスのカーボン被覆 それはグラファイトが生成するためであると云わ れ,タイノレ素地中に鉄分を混在させることによっ て 作 ら れ て い る (I壊し瓦」と呼ばれる) .他方, 本法で酸化鉄のカーボン被覆を行うと金属鉄が生 成し,その触媒作用によってグラファイトが生成 することが明らかになっている (5.5) そこで, 酸化鉄をカーボン前駆体に加え, Fig. 22a)の配置 で、加熱処理を行った.その色相を分光光度計を用 いて評価したが,明度が必ずしも市販の嬬し瓦に 相当する値には達しなかった.今後さらに検討が 必要である. 7. 結 言 セラミックスとカーボン前駆体の混合物を加熱 処理するとしづ簡単な操作でカーボン被覆セラミ ックスを作製することができる.そして,それぞ れが種々の用途を持っていることを示した. カーボン被覆 MgOの場合は, MgO粒子径の制 御によって,それを除去した跡に同じ径の細孔を 作ることができる.また,光触媒 Ti02は,カーボ ン被覆によって,光触媒能を向上させるとともに, 有機接着剤による固定化が可能になる,水中で、の 沈降が急速に起こるなど、のパフォーマンスも向上 させることができる.また,セラミックスがカー ボンと反応することによって,新しい機能を持つ 材料へ変換し得ることを ,Sn02さらに K2W 04な どを用いた場合について示した. 最近,このカーボン被覆をセラミックス微粒子 の合成に利用した研究成果も報告されている.た とえば,y-Ab03とカーボン前駆体混合物を加熱処 理することによってカーボン被覆α-Ah03を作製 した後,カーボンを酸化,除去することによって サブミクロンサイズの高結晶性アルミナを作製し た41) また3 カーボン被覆 Ti02とアノレミニウムの 混合粉末を,アノレゴ、ン気流中で 1000oCに加熱処 理することによって, 50~100 nmのサイズを持つ Ah03/TiC複合粒子を合成した42) 逆に,コロイド 状カーボン粒子を酸化物 (Si02,Ti02ヲSn02など) の酸化物で被覆した後,カーボンを酸化,除去す ることによって,約 2μmのサイズを持つ中空酸化 物粒子を作製した43) これまでに取り上げてきたセラミックスおよび カーボン前駆体は限られた数でしかなく,さらに 多くの組み合わせが考えられよう.今後のはっ底 を期待する. 謝 辞 この一連の研究は北海道大学在任中に始ま り,愛知工業大学で大きく発展させることができ た.その発展は多くの方々のご協力の下で可能に なったものであり,ここに感謝の意を表する園ま た,文部科学省の科学研究費およびフロンティア 学術推進事業,環境省の環境技術開発推進費およ び日本板硝子研究会からの研究助成を頂いた. 文 献
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14 T. Tsumura, N. Kojitani, H. Umemura, M Toyoda and M. Inagaki, Appl園SurfaceSci., 196
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J
.
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(2007) 407-411
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