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大滝山(徳島県)山頂でアズマモグラが採集される-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(Kagawa Seibutsu)㈹:37−39,1984

大滝山(徳島県)山頂でアズマモグラが採集される

金 子 之 史

〒760 高松苗字町1−1 香川大学教育学部生物学教室

A c。11ectio。OfMogerawogura fr・Om the Mt。百taki(TokushimaPrefecture)

YukibumiKANAKO,BiologicalLaboratory,Fbculty ofEducation,Kagau,a

ひ如加汀鈍柏,プセ如′刑α£β%760,Jαpαれ

Abstract:One specimen ofMogera wog脚●a(K4341)was collected at the summit

of Mt。戸taki(3407′15〝N,13407′45〝E,alt”940m).1he pr・ojection degree of

incisor row was grIeaterin the specimen thanin otherISpeCimens ofM・WOgm

collected from Sh6doIsland and other・distr・icts・Itis suggested thatM叩ura

also occurs on other summits of the Sunuki Mountain Range

のでないかと,筆者は推測していた。 1981年7月15日香川大学教育学部生物学教室 主催の野外実習Ⅰにおいて,実習参加の学生によ って,徳島県乗馬郡脇町大滝山大滝神社社務所内 (北緯3407′151東経13407′亜て標高約940m)セァ ズマモグラ1頭が採集されたので,ここに報告する。 稿に先立つにあたり,貴重な標本を採集し提供 して下さった,香川大学教育学部高橋良平(当 時)・植松辰美両教授,および実習に参加され た学生の皆さんに謝意を表する。 アズマモグラ〟ogβγαWOg祝γαは,西日本で はコウべモグラ 〟小加あβαβ に比べて,その 分布は局所的である(今泉,1970)。この種は いままで,四国本島では剣山山頂(徳島県)(標 高1955m)(Abe,1967)と石鎚山面河湊(愛 媛県)(標高700m)(Abeほか,1970)とい う大きな山脈でのみ知られていた。しかし,櫛 橋(1982)が小豆島(香川県)(標高0∼60nう でアズマモグラを採集したことにより,四国本 島側の小さな山脈にも,このモグラが棲息する

Tablel.Measur・ementS Of Mogera wogura(K4341)collected from

Mt・Otaki,Tokushima Pr’efecture,July15,1981.

K4341 Measur・ementS K4341 Measur・ements

i・Palata11ength(mm)

.ト Rostr・albreadth/Greatest

aGr・eateStlength of sku11(mm)31.5 b.Rostr・albreadth(mm) 35 c。Greatestlength of breadth6nm)71 d・Length of upper tooth rIoW血m)131

12 O interor・bitalbr・eadth(%) 49 3 kサ Pr.ojection degr.ee of iIICisor・r・OW(珍) 1・Breadth of braincase/Length Of posterior■ half of braincase(%)

m.Br・eadth across molar・s/ Palatallength(%)

42 9

e・Length of maxillary tooth row

(mm)

f・Length of poster・ior half braincase(mm)

116

8“9

g・Br・eadth of braincase(mm) 14 8 h.Breadth acr・osS mOlars6nm) 77

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生捕り採捕されたアズマ・モグラは,生描り後 間もなく死亡し,その後生物学教室冷凍庫で保 存された。しかし冷凍状態が悪く腐敗したが, 頭骨は完全にとり出すことができた(K4341)。 上顎切歯前編の突出状態および下限窟孔のくさ び型形状(Abe,1967;今泉,1970)より,ア ズマモグラと同定した。 頭骨の計測は,ダイヤル式ノギス(ミツトヨ 製)にておこなった。計測部域は,Abe(1967) および櫛橋(1982)と同様で,その結果はTable lに示されている。 Tablelの計測結果を用いて,Simpson(19 41)のratio diagr・am法により,櫛橋(1982) の小豆島産アズマモグラ・コウべ・モグラの平均 値,およびAbe(1967)のアズマモグラ・コウ ベモグラの最大値・最小値より計算した平均値 (〔最大値+最小値〕/2)と比較しキ(Fig・1ゝ K4341のアズマモグラは,櫛橋(1982)および Abe(1967)のアズマモグラの平均値に比べて, 相対的に吻幅が短く,上顎切歯の突出度が高い ことがわかる。この結果が,讃岐山脈のアズマ モグラ個体群に共通にみられる特徴なのか,年 令変異なのか,単なる個体変異の極端なものに 認められた特徴なのかについては,今後の調査 を待たねばならない。 採集された個体は1虜であるが,讃岐山脈は 標高600′・】1000mの尾根筋が連続しているの で9 他の地域でもアズマ・モグラの棲息は十分に 考えられる。今後の棲息地の新たな発見と,コ ウべモグラとの分布の関係が問題となろう。

K4341

Fig.1Ratio diagr・amCCmPar・ing a number・Of measurements(a−m)in Mogera wo9ura.The hor・izontalscale repr・eSentS the deviation from the standar−d specimen(K4341)of the logar・ithmof each measurements.Measur・ementS(a−m)are shownin Tablel

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ar・ea−Ⅱ.A肌」物町〃甜/(コ「ぶ:7−14 今泉吾典。1970日本哺乳動物園説。上巻㌧新 思潮社,東京. 櫛橋秀晃・1982小豆島におけるモグラ属 (〟ogβγα)2種の採集に.ついて− 香川生物 ㈹:43−51

Simpson,G4 G・1941.Large Pleistocene Felines of Nor・th Amer・ica。Anwr励s. Ⅳ0研㍑.(1136):1−27

引 用 文 献

Abe,H.1967Classification and

biology of Japanese Insectivora

(Mammalia).Ⅰ。Studies on varIiation and classification。J。Far.Agr.,

勘助α富加び花宜γりぶα卿0γ055:191−265

タ T・Kobayashi,K・Maeda & To Miyao・1970Fauna.lsurvey of

the Mt。Ishizuchiar・ea,1IBP main

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参照

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