【論 文
I
UDC :550.
343 日本建 築 学 会構 造 系 論 文 報告集 第 393 号・
昭 和 63 年11月液
状
化
の
影響
を
考
慮
し た
簡 便
な
木造家
屋
の
被害
分 布 予 測
正 会 員 正 会 員翠
∫
ll
三
良
K
*若
松
加 寿
江
**L
は じ め に 地 震 防 災 対策を進め てい く上で,
対 象 地 域での地 震 災 害危 険度を推 定し て お く必 要が あ ること は 周 知の通 りで あ る。 わ が国で は,
地 震 災 害 危 険 度に お け る 重 要な要素 の一
つ とし て,
木造 家屋があ げら れ る。
木 造 家 屋の被 害 予測を行う際に は, 各 地 点で推 定 され た地 震 動 強さ を物 部 式に代 表さ れ る地 震 動 強さと 被 害との関 係 式を介 し て, 被 害 率に変 喚す る とい う手 順が と られ る場 合が多 い% しか し,
近 年の 被 害 地 震に よる木造家屋の被害の 原 因を整理 して み る と,
振 動 的 現 象よ りも,
地 盤の液状 化現 象に伴 う地 盤の変 形に よる場合が多く2),
液状 化発 生の有無に よ り木 造家屋の被 害の大 き さは大き く変化す ること が指摘 さ れて いる3)−
S 〕 。そこ で
,
よ り正確な被 害 予 測 を行 うために,
地盤の液 状化予 測 も行い, 振 動に よ る被 害と液 状 化に よる被 害の 両 者を併せ た木造 家 屋の被 害 予 測 も行わ れ てい る”・
〕。
し か し, 既 存の方 法 6 } で液状化 予 測 を行うに は各 地点で の ボー
リング資 料 を必 要 と し,
広 域を対 象と し た液状化危 険度予測に は多大の作 業 や費 用が要 求さ れ る。その た め,
任 意の地 域に対し て,
こ のよ うな方 法に よっ て地 盤の液 状 化を考慮し て木 造 家 屋の被 害 予 測を行うこ と は、
容易 で はない。
そこ で,
筆 者ら は,
液状化 発生の た めの地 震 動の尺 度 と し て最大 速 度 振 幅が適 切で あ るこ と を確認 し たi )上 で,
自然堤防・
後 背湿地な どの 各微 地 形ご とに液状 化を 発 生せ しめる地 震 動の最 大速度振 幅 を明らか に し,
地 盤 調査を 必要とせ ずに微 地 形 区 分のみに基づ く簡 便な液 状 化 予 測手法 を提 案 したSl。
こ の手 法で予 測さ れ た液 状 化 発生の有無を,
木造 家 屋の被 害 予 測に結び付け る た め に は,
液状化地点で の木造家屋の被 害の大き さ を定量 的に 把 握 する必 要が あ る。
本研 究は,
過 去の被 害 地 震での事 例に基づい て,
液状化地 点で の木 造 家 屋の被 害 率と 地震 動の最 大 速 度 振 幅の 関 係お よ び非 液 状 化 地 点で の これ ら の関 係を明 確に し,
液 状化の影 響 を考 慮した木 造 家 屋の 被 害 分布を予 測す る簡 便な手 法 を提 案 するもの であ る。
2.
液 状 化 地 点およ び 非液状化 地 点で の木造家屋の被 害率と地震動強さの関係過 去の被害 地 震にお け る液 状 化発生 地 点お よび非 液状 化 地 点での木 造 家 屋の被 害 率と地 震動強さの関係につい て定量的に検討し た
。
字 単 位 ない し町 丁 目単 位で木造家 屋の被 害 率G
全 壊 戸 数+半壊戸数/2 レ全 戸 数)およ び 液 状 化 発 生の有 無が確 認でき る地点に対し て,
筆 者の一
人ら が提 案し た手 法yに よ り最 大 地 動速度を計算した。 こ の手 法は,
地 震規 模や震源か ら の距離の効果に加え て, 震 源 断 層の広が りや地 盤に よる増幅の効果 も考慮で き る もので,
従来の地震規模と震源距離の み に よる距離減 衰 式に比べ て予 測 精 度は か な り向 上して いるη。
地 震動強 さの尺 度と し て最大 速度を用い たの は, 1)木造家屋の 被 害 とス ペ トクル インテンシ ティ (以 下SI
と呼ぶ)の 相関 が高くs°・
m ,SI
と最 大 速 度と は非 常に高い相関を 示 すlz}こと,2
)液状化 発生の尺度と し て も最大 地 動 速 度が適切 であるこど) , の 二つ の理由に よる。
対 象と し た地 震は表一
1に示す 1891 年濃 尾 地 震か ら 1983年日本 海 中 部 地 震のIO
ヶの地震であ る。 対象地 点 は, 北海道か ら本州 中 部まで広く分 布し, そ の総 数は約 160であ る。 地 震動 強さ と被 害率の関係は地 震 ご とに異 な る場 合が ある こと が指 摘されて い る5)の で,
地 震ごと の両者の関係 を検 討し た。
図一1
に非 液 状 化 地 点で の関 係を示す。一
つ の地震でも両者の関係にか な りの バ ラツ * 東 京工業 大 学 助手・
工博 * * 早 稲 田大 学 理 工学 研 究 所 特別 研 究 員・
工修 (昭和63年6月8日原稿 受 理 ) 表一
1 対 象と し た 地点 地 震 名 M麟
1
非 液 状 化 地 点 数 合 計 濃尾(1891) 8,
012 7 19 関 東 (1923
)7.
928
1644
北 伊 豆G93
7.
3o ll11 西埼玉(1931) 6.
92 3 5 東 南 海 (Igq4) 7,
921 ε 27 三 河 (1945) 6.
86
1 7 福 井 (19印8) 7.
15 q 9 新 潟 (196q) 7.
57 8 15 宮 城 県沖 (1978) 7.
40 5 5 日 本 海 中 部 (1983) 7.
79 5 1心一
18
99
.
9
99
調
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窪
7
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20
40
60
80
100
PEAK
GROUND
VELOCITY
cm /
S
図一一
1 各地 震 ご との非液状化地 点で の木造家屋の被害率と最大 地 動 速度との 関係 表一
2 液 状 化 を 発 生せ しめ る最 大地動 速度 (文献8)による) 微 地 形 区 分 最 大地動 速 度 埋 立地、
干 拓地 自然堤 防、
河道 砂 丘 (縁 辺 部 )、
砂 丘 間 低 地15cm
/s 後 背 湿 地 谷 底 平 野、
デ ル タ+ 25cm /s 砂 州、
扇 状地35cm
/s +デル タ 地 帯 と 呼 ば れ る 地 形 区 分 のう ち、
埋 立 地。
干 拓 地 な ど を除いた狭義の デル ダを 指 す。
キがあるが,
全 体に地 震による有 意な差は認められず,
平 均的には,
最大速 度 30cm /sお よ び60 cm /s で それ ぞ れ ユ % お よ び20
%前後の被害率を示 し てい る。
地 震ご との違いが明 瞭でない のは,
木 造 家屋の耐 震 性お よ び被 害の 判 定 基 準の時 代 的 変 化の影 響が互い に相 殺し あっ て い る た めとも考え ら れ る。
いずれにせ よ,
被 害 率と 地震 動 強さ の関 係の地震に よ る違い は無 視で き る もの と し て,
以 後の議 論を進め るこ と とし た、
図一
2に液 状 化 地 点および非 液 状 化 地 点で の木 造 家 屋 の被 害 率と最 大地動 速 度の関 係を示す。 液 状 化 発生の し やす さ は微 地 形に よっ て お お む ね判 断で き,
表一
2に示99
.
9
99
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70
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30
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40
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P
.
G
,
V
.
cm ’s 図一
2 液状化地点お よ び非 液 状 化地点での木 造 家 屋の被 害 率と 最大 地 動 速度との関係 す よ うに液状化を発生せ し め る最大 地動速 度の大き さ は 微地 形によ り3 種類に大 別で きる こ と が指 摘さ れて い るs)。
そこで, 図一2
で は液状 化地点にっ い て は この分 類に従っ て記号を変えて示し て ある。
すな わ ち,
丸 印が 最 も液 状 化の発 生し や すい微 地 形で, 三角 印が最も発生 し に くい微地形で,
四角 印が そ の中間の微地 形で あ る。
三角 印および 四角 印で示し た液 状 化の比 較 的 発 生しに くい扇状地, 砂州, デル タ, 後背湿 地で は, + で示し た 非 液状化地点と比べ て木造 家屋の被害率が顕著に増 大す る傾 向は認め ら れ ない。
しか し, 丸 印で示 し た液 状 化の 発 生しや すい 自然 堤 防, 砂 丘, 于 拓 地では,
最 大 地 動 速 度が20
cm /s程 度を越え る と,
液 状 化 発 生に よっ て被 害 率が著し く増 大 する場 合が多く,
非 液 状 化 地 点での被 害 率と地 震 動 強さの関 係 を上に平行 移 動し た よ う な関 係が 認め ら れ る。 この こ と は,
平 野 部で も,
自然 堤 防 地 帯お よ び,
干 拓地 を含む 三角 州地帯で は他の微地形に属す る 地 域に比べ て木 造 家 屋の被 害は増 大 する とい う望 月ら の 指 摘13乏結 果 的に符 合 する もの である。
な お,
非 液 状 化 地 点につい て も,
微 地 形に よる被 害 率 と地 震 動 強さ の関 係の相違につ い て検 討 し た が , 図一
3 に示す よ うに,微 地 形ごとの明 瞭な相 違は認め ら れ ない。
非 液 状 化 地 点で の デー
タの多 数が自 然 堤 防の もの で , デー
タ に偏りが ある もの の, 非 液 状 化 地 点で は, 被 害 率 と地 震 動 強さの関 係の微 地 形に よる違い を無 視し て も大一
19
一
後 背 湿 地
扇 状 地 自 然 堤 防 (氾 濫原) 1日河 迄 ALLUVlAL FAN NA丁URAL LEVEE BACKHnRSH fORMER
【「LOODPL貞IN) R「VERCHANNEL SPT
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50 「 谷 底 平 野 VALLEYPLAIN SPT Nトvtlue DEPTH {m} 0 50 00
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−
25
PEAK
GROUND
VELOCITY
Cm ’S 図
一
3 各微地形ご との非液状化 地 点での 木造家屋の被害率と最大地 動 速度 との関係一
50 酬( 砂 丘 頂部) (
轟
) SA肥 BハR SA闇9 E SAND 9刪E ‘10円 fMARGINl:
1
1
砂 丘 間 低 地飜 騰
LONし陸ND 巳ACK MARSH
BETW匚[N 【FORM[R RAGOON] SAND
DUNES Oし1酬 D〔POS「TS RSHDEPO511S ACHDεPO5「TS UVIO
一
図AR「N匚 DEPDS RIN( DEPOSI下S UVFAL DEPOSIIS 図一
4 各微地形 で の代表 的な ボー
リング柱 状図 〔文 献8>に よ る〕 き な誤り は犯 さない もの と判断で き る。
微 地 形に よっ て液状化発 生が木 造 家 屋の被 害 率に及ぽ す 影 響が異な る の は,
そ れ ぞ れ の微 地 形で地 盤の性 状が 異な る た め と推 測され る。
図一
4は各微地形で の代表 的 な 土質 柱状図 を示し た ものであるB)。
これ か ら,
液 状 化 の発 生し やすい 自 然 堤防,
河道,
砂丘 (縁 辺 部 ),
砂丘 間低地, 干拓地, 埋 立 地で は,一
般に,
飽 和 し た ゆるい 砂 層が地 表付近に比較的 厚く存 在 する ため,
液 状 化を生 ずる層が 厚く, 液 状 化によ る 地盤の変形も大きい こと が 予 想さ れ る。一
方, 他の微 地 形では,一
般に, 飽和し た ゆ るい砂層は比較的 薄 く, 大 きな地 盤の変形が生じ難い もの と予想 さ れ る。 これ が,
自然堤防などの地 盤で液 状 化 が 発 生した場 合には大き な被害を生じ や す く な り,
被 害 率と地 震 動 強さの関 係が液状 化を生じ な かっ た場 合 や 他の微地 形に属す る地 盤で液 状 化 を生じ た場合に比べ て 大き く異な ることの ひとつ の理 由と考え ら れ る。
以 上の結果は
,
埋立 地 を除け ばほと ん ど が自然 地 盤で の デー
タ に よ る もの であるが,
近 年,
都 布 周 辺で は開 発 が進み,
人 工 的に造 成 され た地 盤が増 加し ている。 例え ば,1987
年の千 葉 県 東 方 沖の 地 震の場合では,
後 背 湿 地 や谷 底平野 で も, かっ て水 田や湿 地で あっ た所を盛 土 造 成され た地 点で は,
液 状 化 発 生に伴っ て比 較 的 大き な 不 同沈下 を生じ,
全 壊な い し半 壊家屋 が生 ずる場 合 もみ ら れ ている]4)。
こ の よう な 地 盤は被 害 地 震の経 験が少な く,現 在の ところ利 用でき る デー
タ は ほ と んどない た め,
本研 究の対 象 外 と なって いる。 しか し,
都市域で の地震 災害危 険度を予 測す る上で, こ の よ う な地 盤の液 状 化 危 険度の評 価は重 要な問 題であ り,
今後の大き な検討課 題 と考え ら れ る。
3.
液 状 化の影 響を考慮 し た木造家屋の被害 分 布 予 測 前 章の結 果から,
自然 堤 防な ど の地 盤で液状化が発生 し た場 合と そ れ以 外の場 合に分けて, 木 造 家 屋の被 害率 と地 震 動 強 さの 関係を定め れば, よ り正確な木造家屋の 被 害 分 布 予 測がで き るものと考え られ る。 ど ち ら の場 合 にも,
被害率と地震動強さの関係に は か な り の バ ラ ツキ が あ り,
その関係を定め るには恣 意 性 を伴うが,
以 下の ように し て,
そ れ ぞ れの場 合につ い て その平均 的 な関 係 を定 めることとし た。 振 動 現 象に よる木 造 家 屋の被害率と 地震 動 強さの関 係 と し て,
山 本ら は1978 年宮城県沖地 震の資料を基に し て,SI
(h ・
=
O.
2)が 20,
40,
60 cm /s のと き,
被害 率 はそ れぞれO.
3, 2 ,15
%程度に な る こ とを示し てい る11 )。SI
(h =
0.
2)と最 大 速度振幅と は 図一5
に示す よ うに ほぼ一
対一
に対 応 するの で,
こ の 関係も参考に して, 非 液 状 化 地 点で の被害 率と 地 震動強さ の平均 的な関 係 を,
図一
2の 実 線で表し た (以下,
関 係A
と呼ぶ)。
こ一
20
.
一
一
の関係は
,
従来の物 部 式に代 表 される木 造家屋の振 動に よ る被 害に対応す るもの であ る。一
方,
図一
2の丸 印で示し た 自然 堤 防などの地 盤では, 最大 速度が 15cm /sを越え ると 液 状 化 が 発 生す るs〕 た め に被 害 率は関 係A か ら期 待され る値に比べ増大し は じ め, 最大速度が20cm
/sを越え る と関 係A
か らの相 違は 顕 著と な る。
そこ で,
関 係A を上に平 行 移 動し た線 を 引 き (図一
2の破線 ), こ れを自然 堤防な どで液 状化が発 生 し た場 合の被害 率と地震動強さの関係と し た (以 下,
関 係B と呼ぶ )。
な お, こ の線を引く際に は,
液状化が 生じ た場 合に は生じ な かっ た場合に比べ て 同 じ強 さの地 震 動を受 けても被 害は数倍ない し十 倍 程 度 増 大す る とい う既往の結果3ト5〕も参考に し た。 こ れ ら の地 震 動 強さ と木 造 家 屋の被 害 率の関係を 用い て, 液状 化の影 響を考慮し た木造家屋の被 害 分 布の予 測 が以下に示す簡 単な手順で行え る。
1 )想 定 地 震に対し て最大地動速度分布を計算す る。2
) 自然堤防,
河道,
砂丘,
砂丘 間 低 地,
埋 立・
干 拓 地の微 地 形に属する地 盤で, 最 大 地 動 速 度が15 cm /sを 越え た場 合に は液状化が発 生す るもの と考え ら れ る の で 関係 B を用い,
15cm /s 以 下の場 合に は液 状 化は発 生 し な いもの と考え られ る ので関係A
を用い, 最大速度分布 を木造家屋の被 害率分 布に変換す る。
3 )
そ れ以 外の微 地 形に属 する地 盤で は, 液 状 化 発 生 の有無 が木造家屋の被 害率に及ぼ す影 響は顕 著でないの で
,
液 状化 発 生の有無によ らず関 係Aの みを 用い て,
最 大 速 度 分 布 を木造家屋の被害 率分布に変換す る。 こ の 手法では,
最大 地動速 度お よ び微地 形 区 分の み か ら液状 化の発生お よびそ れ が被害率に及ぼ す影 響を判断 でき,
液状化に対す る評 価に各地点で のボー
リング資 料 を必要と し ない た め,
本手 法に よ る被 害予 測は任意の地 域で比 較 的 簡 単に実 行 す ること が 可 能であ る。
こ の手順 に よ る木造家屋の被 害分布予 測を, 既に最 大 地 動 速 度 分 布が計 算さ れて い る1931年 西 埼 玉 地 震お よ び 1923年 関 東 地 震15)につ い て行っ た。
ま ず, 西埼玉 地 震に対し て計 算さ れ た最大地 動速度 分 布か ら,
関係A
の みを用いて,
振動 的被害による木造 家 屋の被 害 率1%以 上の地域を推定し た結果を図一6
に示 す。
こ の地 震の木 造家屋 の被害 率の分布に は不 明の点が 多いが,
被 害率の わか っ て い る市町 村の結 果i6}・
17)を参 照 す ると, 家屋の全半壊を 生じ た市町村と被害 率1
%以 上 の地域が お お む ね対応し て い るもの と考え ら れ る。
そこ で, 家 屋の全半壊 を生じ た市町村の地域 (図中のハ ッ チ の部分}と推 定し た被害 率1
% 以上の地 域 (図 中の砂 目 の部分)を比べ て み たところ, よい対 応が み ら れ ない 。 図一
6 1931年西埼玉地震の木造家屋の被 害 分 布の予 測 (液状化を考慮し ない場 合 )oo
ゆ 〉 ヒ 0り ZU ト Z
一
Σ ⊃ 匡 」 b 凵 巳 ω O、
EOPEAK
GROUND
VELOCITY
cm ’S 図
一
5 ス ペク トル インテンシ ティ (h=
0.
2>と最 大 速 度振 幅 との関 係 図一
7 1931年西埼玉地 震の木 造 家 屋の被 害分布の予 測 〔液 状 化を考慮し た場 合)一
21
一
実 際の被 害 地 域は推 定し た被 害 地 域に比べて大き く南 東 K 方向に広がっ て お り, 振動 的被害のみを考慮し ただけ で は推 定さ れ た被 害域は実 際の も の に比べ てか な り狭い も
ノ
r の とな っ て い る
。
j
r そこで,
液状化の影響を考慮す る た めに, 前 述の 自然 堤 防な どの地 盤で最 大地動速度が 15cm /s を越え る地 域 で は関係B
を 用いて被 害 率 を 算 定 し,
図一
6の結 果 を修 正し た。 その結 果を図一7
に示す。 図一6
に示 し た液 状 化を考 慮し ない場 合に比べ て , 被 害 域は南 東 方 向に拡 大1
し,
実際の被害分布を お お む ね よ く説明し てい る。
1923 年関東地 震の場 合を図
一
8−
10に示す。図一
8は,
この地震に よ る埼玉県周辺での木造家屋の被 害 率18)の 分 布で ある
。
図一
9は, 関 係A のみ を用い て振 動に よ る被 害率を推定し た結 果で, 西 埼 玉 地 震の場 合 と 同様に実 際 図一
8 1923年 関 東 地 震の木 造 家 屋の被 害 率の分 布 の被 害域に比べ て推定さ れ た被害 域は か な り狭い もの と なっ て い る。 図一10
は, 関 係B
も用いて液 状 化の 影 響 を考 慮して推 定さ れ た被 害 率分布で あ り,
図一
9に比べ\
灘
糠 蹴
駅
野
脉 し麟广
丶
へ
こ
〕
:
き
ゼ
ノ
これ らの こと か ら・
従 来 行わ れてき た よ う嗾 動現象 ,s
,u、、、、YAl
\
のみ により被 害 を 推 定 す ることで は,
実 際の被 害を過小 に評 価す る・と と な り・
本手法の ように液 状 化の影 響 もし
℃
考慮 しな叱 罰 な木 造 家 屋の囎 の評 価を行う・と目
D”MAGE R川 ゜ は困難なもの と考え られる。
4・
結 論0
10km 木造 家 屋の被 害に液 状 化の影 響が大きい場 合が あ るこ 一
一一
S と が指 摘さ れて い ること か ら,
液 状化の影響を考慮し た丶『
丶v ノ
x 木造家屋の被 害 率 を推 定 す る簡 便 な手 法につ い て検 討 を丶
L 行い,
以下の結論を得た。
(1
)過 去の被 害 地 震の際の液 状 化 地 点および非 液 状 図一
9 1923年 閧 東 地 震の木 造 家 屋の被害分布の予測 化地 点で の木造家屋の被害 率 と地 震 動 強さの 関 係 を整 理 (液 状 化 を考慮し な い場 合 ) し た とこ ろ,
自然堤 防・
砂丘・
干拓地 な どの地盤で液 状 化が発 生 した場 合に は,
液 状 化が発生 し な かっ た場 合に 比べ て,
被害率と地 震 動 強さの関 係は大きく異な ることが わ かっ た。 た だ し
,
後背湿地などの その他の地 盤で液 状 化が発 生 した場 合に は,
被害率に及ぼ す液 状化の影 響 ’ は顕著で は な かっ た。i
r (2
) 自然 堤 防などの地 盤で液 状 化が発 生し た場 合と豪
餝縫籟 奠
軈
騾 撚
二
叢
鵬
速 度 分 布と微 地 形 区 分の み を用い て, 液状化の影 響 を 考 慮した木 造 家 屋の被害率を推定す る簡便な手法 を提 案し た
。
本 手 法は液 状 化に対 する評 価に各 地点で のボー
リン グ資 料 を必 要 と しないため,
従来の方 法に比べ 比較的 容 易に被 害 予 測 を行 うこ と ができ る。 (3) こ の手 法 を 用い て 1931年 西 埼玉 地震お よ び 1923年 関 東 地 震の被 害 分 布を推定し た ところ,
振 動に図
一
101923 年 関 東 地 震の木 造 家屋の被 害分布の予測 よる被 害の み を考慮 した場 合に は実 際の破害に比べ て過 〔液状 化 を考慮した場 合 )一
22
−一
小な結 果と な るの に対して
,
液状化の影 響を考 慮す るこ と によ り実際の被害 分 布 を お お むね説 明 する結果を 得る こ と が で き, 本 手 法の有 効 性を確認 し た。 謝 辞 小林啓美 東工大名誉教授および古 藤 田 喜 久 雄 早 大 教 授 に は貴 重な御 助 言を頂い た。
大 町 達 夫東工大教 授に は原 稿 を読ん で頂き, 改 善の た め の有益な ご意見を頂いた。 大阪市立 大宮野道雄氏に は宮城 県 沖 地 震の被 害 統 計 資 料 を提供し て頂い た。 記し て,
謝意を表す次第で ある。 参 考 文 献 1) 鏡 味 洋 史 :木 造 建築物の被 害率と地震 動の最 大 加 速 度と の関 係,
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19864 ) 山 本 明 夫,
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pp.
381−
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ig25一
23
一
SYNOPSIS
UDO:55e. 343
SIMPLIFIED
PROCEDURE
FOR
PREDICTING
DAMAGE
DISTRIBUTION
OF
WOODEN
HOUSE,
TAKING
THE
EFFECT
OF
SOIL
LIQUEFACTION
INTO
ACCOUNT
by Dr,SABUROH MMORIKAWA, ResearchAssociate,Tokyo Instituteof Technology, and KAZUEWAKAMATSU,
Research Scientist,Waseda UniveTsity,Members of
A,LJ.
For
predictingdamage
distTibution
of woodenhouse
due
toan earthquake, thesimplified procedurewhich can take theeffect ofsoilliquefaction
into
account, wasproposed.
The
relationbetween
peak groundvelocity anddarnage
ratio of woodenhouse
was checked, using casehistories
at aboutl60
liquefied
and non-Iiquefied sitesduring
10
Japallese
major earthquakes.It
wasfound
thatthedamage
ratio increasesremarkably when $oilliquefaction
occur$ atthe
ground
whosegeomorphological
conditionis
reclaimed ordrained
land,
naturallevee,
river channel, sanddune,
orlowland
between
sanddunes,
Therefore,
twodifferent
relationship$between
peak ground velocity anddarnage
ratio weredefined
for
thecase thatsoilliquefaction
occurs at theabove-mentioned ground and the other cases, respectively,Using
theserelationships, thedistribution
of peak ground velocity of an earthquake canbe
convertedtothe