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新たな展開を見せるTYLCVの虫媒研究―媒介・非媒介虫との比較から見えてきた媒介を阻止する障壁の存在―

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Academic year: 2021

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I 非媒介虫オンシツコナジラミ体内に おける TYLCV の挙動 1 中腸上皮細胞膜がウイルスの細胞への侵入を阻止 する 媒介虫タバココナジラミによる TYLCV の媒介は,本 病に罹病した植物を吸汁してウイルスを保毒(この過程 を「獲得吸汁」という)することより開始される。その 後,保毒虫が健全植物へ移動し,加害吸汁中に唾液とと も に ウ イ ル ス を 植 物 組 織 中 へ 放 出 す る こ と に よ り , TYLCV が媒介される(ウイルス保毒虫による健全植物 への吸汁を「接種吸汁」という)。コナジラミ類の口器 は口針型であり,植物の篩部組織へ口針を挿入して篩管 液を吸汁する。ウイルスはこの篩部組織へと直接的に侵 入することになり,実際に TYLCV は植物組織内でも篩 部組織周辺にある伴細胞などで増殖している。植物ウイ ルスの昆虫媒介には様々な様式があることが知られてお り,次のように区分されている。媒介虫の体内(血体 腔)をウイルスが循環するか否かにより,「循環型」と 「非循環型」に大別される。さらに虫体内におけるウイ ルスの増殖性の有無により,「増殖型」と「非増殖型」 とに区別される。TYLCV のタバココナジラミによる媒 介は,循環型―非増殖型とされている。これまで,媒介 虫タバココナジラミ体内における TYLCV の局在部位に ついての研究が行われ,ウイルスが虫体内を移行するこ とが明らかとなってきた(GHANIMand MEDLINA, 2007)。

獲得吸汁により虫体内に侵入した TYLCV は,消化管内 を移動し,中腸内腔へと到達する。その後,養分(主に 植物の篩管液成分)を吸収する中腸上皮細胞を入り口と して,昆虫組織内部へと侵入する。中腸上皮細胞内へと 侵入した TYLCV は,血リンパ(昆虫の体液成分)へと 侵出して,さらに虫体内深部へと移行する。全身を循環 する血リンパの流れに乗り,TYLCV は脚の先から,頭 部や腹部組織へと広がり,やがて唾液腺組織に到達し, 唾液腺細胞内部へと侵入する。こうして唾液腺組織内へ と侵入した TYLCV は唾液へと放出される。TYLCV が 媒介昆虫により媒介されるためには,細胞外から細胞内 (中腸細胞)への侵入,全身への循環,唾液などによる 体外への放出という一連のウイルス移行過程がすべてス は じ め に

トマト黄化葉巻病は,Tomato yellow leaf curl virus ( T Y L C V ) に よ る 虫 媒 性 難 防 除 ウ イ ル ス 病 で あ る 。

1 9 9 6 年  に 九 州 ・ 東 海 地 域 で 初 め て 発 生 が 確 認 さ れ (KATOet al., 1998),同ウイルスを唯一媒介することがで

きるタバココナジラミ Bemisia tabaci(GENNADIUS)の分

布拡大に伴い,現在までに東北地域南部まで本病の発生 が広がっている。タバココナジラミは広範囲の植物種を 寄主とし,発生地域では同じコナジラミ亜科に属するオ ンシツコナジラミ Trialeurodes vaporariorum(WESTWOOD) も同じ感染トマト上で繁殖することができるが,オンシ ツコナジラミは TYLCV を媒介しないことが知られてい る。この 2 種コナジラミは多くの地域で寄主植物を同じ くするが,「なぜ,オンシツコナジラミは TYLCV の媒 介虫とならないのか」という基本的な問題は不明なまま であった。筆者らは,媒介・非媒介性を決める要因を明 らかにしようと考え,この 2 種コナジラミ間で TYLCV 媒介能力が異なる原因について研究を行った。その結 果,TYLCV が媒介されるためには,昆虫体内組織への 侵入が重要であること,オンシツコナジラミでは中腸上 皮細胞膜により TYLCV の組織への侵入が阻止されるこ とが現在までに明らかとなった(OHNISHIet al., 2009)。

すなわち,非媒介虫オンシツコナジラミには TYLCV の 媒介を阻止する「障壁」が存在し,それが媒介・非媒介 性を決定していることが示唆された。本稿では,これま での既往の報告も含めて TYLCV の媒介機構について紹 介するとともに,他の動物・植物ウイルスの研究により 解き明かされつつある媒介を阻止する「障壁」につい て,概説する。

A Potential Mechanism of a Transmission Barrier Presented in the Nonvector Whitefly Trialeurodes vaporariorum to Tomato yellow leaf curl virus. By Jun OHNISHI

(キーワード:昆虫媒介,オンシツコナジラミ,タバココナジラ ミ,TYLCV,トマト黄化葉巻病,媒介阻止)

新たな展開を見せる TYLCV 媒介阻止機構

―媒介・非媒介虫の比較から見えてきた媒介を阻止する障壁の存在―

おお

西

にし

じゅん 野菜茶業研究所

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消化管内に取り込まれた TYLCV が中腸上皮細胞膜を通 過して,同細胞に侵入することが明らかとなった(図― 1 上)。一方で,非媒介虫オンシツコナジラミでは, TYLCV は消化管内腔や中腸上皮細胞膜表面(中腸管内 腔側)にとどまるのみで,組織内部への侵入が観察され なかった(図― 1 下)。さらに,タバココナジラミでは, その後に唾液腺組織に TYLCV が局在(図― 1 上図枠内) をしていたことより,中腸組織の基底膜から血リンパに 侵出し,唾液腺の特定の細胞へと侵入する様子が観察さ れた。 昆虫の組織切片を用いたウイルスの局在部位の観察に 加え,血体腔を循環するウイルスを高感度検出する目的 で,獲得吸汁後の 2 種コナジラミより頭部・腹部・脚部 をその接合部より切り離し,それぞれの部位より DNA を抽出して PCR 検定を行った。腹部には消化器系組 織・脂肪体組織などが含まれ,脚部は血リンパが循環し ていることより血体腔中のウイルスを間接的に検出する ことができる。また,頭部には唾液腺組織が含まれる。 保 毒 し た タ バ コ コ ナ ジ ラ ミ の こ れ ら の 部 位 よ り , TYLCV が高率で検出された(表― 1)。しかし,オンシ ツコナジラミでは腹部以外の部位からは TYLCV が検出 さ れ ず , 脚 部 か ら も 検 出 さ れ な か っ た こ と よ り , TYLCV は血体腔中を循環していないことがあきらかと なった。これら二つの異なる実験手法により 2 種コナジ ラミ間における TYLCV の挙動が明らかとなり,オンシ ツ コ ナ ジ ラ ミ の 中 腸 上 皮 細 胞 膜 は 「 障 壁 」 と な り TYLCV の昆虫細胞内への侵入と,その後の血体腔内へ の 侵 出 を 阻 止 し て い る こ と が 示 唆 さ れ た ( 図 ― 2 ) (OHNISHIet al., 2009)。

2 媒介されなくても虫体内に滞在するウイルス 吸汁により消化管内腔に取り込まれたウイルスは,そ ムーズに行われる必要がある。すなわち,どこか一つの 過程でも阻止されるとウイルスが媒介されなくなると考 えられる。このような考察に基づき,筆者らは非媒介虫 であるオンシツコナジラミ体内におけるウイルスの挙動 を観察し,媒介虫タバココナジラミと比較することで, ウイルス移行過程を阻止して虫媒性を決めている要因を 解析した。 TYLCV が虫体内を移行する様子を観察するために, ウイルスの局在部位を可視化した。具体的には,2 種コ ナジラミ成虫を TYLCV に罹病したトマト上にて 8 日間 吸汁させた後に,供試虫の組織切片を作成し,TYLCV の外皮タンパク質(CP)に対する特異的な抗体を利用 した蛍光抗体法により,ウイルス局在部位を組織レベル で観察した。その結果,タバココナジラミでは最初に中 腸上皮組織内部に TYLCV が集積しており,吸汁により 図 −1 蛍光抗体法による 2 種コナジラミ成虫体内での TYLCV 外被タンパク質の局在部位の観察 (上図)タバココナジラミの中腸組織に侵入したウイ ルス,(下図)オンシツコナジラミの中腸上皮細胞膜 により侵入を阻止されているウイルス.上図中の白 枠は唾液腺組織内に局在するウイルス.下図中の白 枠は拡大図を示す.矢印は TYLCV 外被タンパク質の 局在を示す.スケールバー: 100μm(上下図中), 25μm  (上図中の白枠). 表 −1 獲得吸汁後の 2 種コナジラミ体内 における TYLCV の検出 コナジラミ類 TYLCV 陽性率(%) 頭部 腹部 脚部 タバココナジラミ オンシツコナジラミ 100 0 100 100 72 0 タバココナジラミとオンシツコナジラミ に,トマト黄化葉巻病に罹病したトマト葉 を 7 日間吸汁させた.その後 TYLCV が感 染しない健全キャベツ葉上で 6 日間飼育し た.保毒虫より頭部・腹部・脚部を切り離 し , D N A を 抽 出 し て P C R 法 に よ り TYLCV を検出した.

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上にはウイルス粒子を受容するレセプター分子などの存 在が示唆されている。筆者らの研究結果は,オンシツコ ナジラミの TYLCV 非媒介性を決める要因は,同細胞表 面へのウイルス結合親和性ではなく,細胞内部への取り 込み(transcytosis)過程である可能性を示唆している。 II ウイルス媒介を阻止する障壁:Transmission barriers 植物ウイルスを媒介する昆虫類の種類は多岐にわたる が,昆虫類全体から見れば限られた種類の昆虫だけがウ イルス媒介虫となっているに過ぎない。媒介虫が寄生す る植物には,媒介虫以外の昆虫類も多く寄生しており, 罹病植物体上で繁殖することも多い。媒介虫と非媒介虫 が同一の生物に寄生する例は,動物ウイルスとヒトや家 畜の吸血性昆虫・無脊椎動物の組み合わせでも多く見ら れる。動物ウイルスの媒介蚊は,直接ヒトを吸血する衛 生害虫として,さらに伝染病の予防衛生の観点から虫媒 メカニズムの研究が古くから行われてきた。HARDYet al. は,西部ウマ脳炎ウイルスとその媒介蚊の一種である Culex tarsalis(イエカの一種)の疫学的な調査や,実験 室レベルでコントロールされた研究から,吸血によりウ イルスを保毒(吸血した蚊よりウイルスが検出される) するが,媒介能力が異なる個体群が存在することを明ら かとした(HARDYet al., 1976 ; 1978)。蚊体内におけるウ イルスの挙動が研究され,後述のようなウイルスの虫体 内移行の阻止がウイルス媒介能力に影響を及ぼすことが 示唆された。ウイルスの虫体内移行を阻止し,虫媒性に 影響を及ぼす要因は,transmission barriers(本稿中で は媒介障壁と訳す)と呼ばれる。媒介障壁には様々なス テップが含まれ,腸管細胞への侵入阻止(gut infection barrier),腸管組織から血リンパへの離脱阻止(gut escape barrier),唾液腺組織への侵入阻止(salivary gland infection barrier)等,昆虫の組織別に存在するこ とが知られ,いずれも細胞膜や基底膜などの生体膜を介 した障壁である(BEERNTSENet al., 2000)。一方で,免疫 システムよる自己・非自己の寛容が,同一の病原体であ っても非媒介・媒介生物間で異なることが知られ,媒介 障壁の一つと考えられている。興味深いことに,このよ うな媒介障壁はウイルス―昆虫間だけではなく,原虫 (真核生物)や細菌(原核生物)性病原体に対しても存 在する(BEERNTSENet al., 2000)。 非媒介虫オンシツコナジラミにおける TYLCV の媒介 障壁は,ウイルス粒子が中腸上皮細胞膜表面に結合した 後に,細胞内への侵入過程である transcytosis の阻止が 示唆されることより,上記の gut infection barrier と考 の後どのような変遷をたどるのか。罹病葉吸汁後の 2 種 コナジラミ成虫体内における TYLCV の蓄積量の変化 を,TYLCV の v1 遺伝子断片を指標とした定量 PCR 法 により解析した。その結果,TYLCV の蓄積量は獲得吸 汁終了直後から大きく変化することはなく,同程度のレ ベルで保持されていた(図― 3)。非媒介虫オンシツコナ ジラミでは,TYLCV が昆虫組織内部に侵入しないにも かかわらず,長期間ウイルスが保持されるという興味深 い結果を得た。上述の TYLCV の局在部位の観察結果を 踏まえると,2 種コナジラミ成虫において TYLCV は中 腸上皮細胞の表面(細胞膜表面)へ結合親和性を有し ており,その結合は安定であると考えられる。同細胞膜 オンシツコナジラミ タバココナジラミ 中腸上皮細胞 ウイルス 中腸上皮細胞膜が TYLCV の侵入を阻害 図 −2 オンシツコナジラミ中腸組織内への TYLCV の侵入 阻害とタバココナジラミに見られるウイルス通過 1 3 6 9 14 罹病葉吸汁終了後の経過時間(日) タバココナジラミ オンシツコナジラミ ウ イ ル ス 濃 度 ︵ T Y L C V D N A コ ピ ー 数\ 成 虫 ︶ 10 8 6 4 2 0 図 −3 2 種コナジラミ類成虫体内における TYLCV 濃度の 経時的変化 2 種コナジラミ成虫をトマト黄化葉巻病に感染したト マト葉を 24 時間吸汁させ,その後にキャベツ葉上で 飼育し,各経過日数時に保毒虫を回収した.保毒虫 よ り D N A を 抽 出 し , 定 量 P C R 法 に よ り T Y L C V DNA(v1 遺伝子)の 1 個体当たりのコピー数を測定 しウイルス濃度とした.グラフ中の縦線は標準偏差 を示す.グラフ縦軸は対数表示.

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中の変態という発生過程において創出されることで,発 育段階に依存したウイルス媒介様式を示すようになる例 として興味深い。 お わ り に 本稿では循環型の媒介様式を行うウイルスについて, 媒介虫と非媒介虫を用いた研究により明らかにされつつ ある媒介障壁の存在について,研究事例を概説した。動 植物ウイルスの虫媒研究では,媒介虫体内におけるウイ ルス動態に関する研究が行われてきた。動物ウイルスと 媒介蚊の研究より,同じ媒介虫種でも生息地域が異なる 個体群においてウイルスの媒介能が異なり(HARDY et al., 1976 ; 1978),虫体内でのウイルスの挙動の違いから, 前章までに述べた「媒介障壁」の存在と重要性が認識さ れた(HARDYet al., 1983)。すなわち,虫体内を循環する ウイルスでは,虫体内に存在する障壁を乗り越えて媒介 を成功させているという考え方が用いられ,非媒介虫体 内ではウイルスの組織間の移行過程が妨げられるため に,ウイルス媒介が行われないと考えられる。媒介能の 異なる種間における交雑実験により,媒介障壁は遺伝的 に複数の因子によって決定されていることが示唆された (HARDYet al., 1978)。自然界における虫媒性病原体(原 虫・細菌を含む)の生物的拡散(吸血性昆虫・ダニなど の吸血性無脊椎動物を含む)には遺伝的なバイアスが存 在すると言われ(GOODING, 1996),複数の因子よりなる 媒介障壁がそのバイアスの実体と考えられる。媒介障壁 は特定の昆虫種が特定のウイルスを媒介するという媒介 親和性を規定していることより,媒介障壁にかかわる因 子とその機序に関する知識の蓄積は,虫媒ウイルスの媒 介抑制技術開発における有力な干渉作用点としての情報 を提供するであろう。 動植物の病原体を媒介する昆虫のゲノム研究が多国間 の連携プロジェクトにより進展中であり,それらゲノム 情報を基に分子レベルでの虫媒メカニズムの理解も進ん できている。その中でもウイルス媒介に関与する媒介昆 虫側因子(ウイルス受容体を含む)の同定作業は,虫媒 研究において重要な課題であり,今後とも精力的に研究 が展開されるものと思われる。媒介虫だけではなく,非 媒介虫を含めた研究展開により虫媒メカニズムの総合的 な理解が可能となる。 本稿執筆に当たっては,農研機構野菜茶業研究所本多 健一郎氏にご助言をたまわった。また,本研究は同研究所 北村登史雄氏・寺見文宏氏のご協力のもとに共同で行っ た。同研究所太田泉氏には本研究で用いたオンシツコナ ジラミをご提供いただいた。ここに記して謝意を表する。 えられる。 植物ウイルスにおいても非媒介虫を用いた研究例があ り,「循環型」の媒介様式によりアブラムシ類によって 媒介されるルテオウイルス科のウイルスにおいて,媒介 障壁の存在を示唆する報告がされている。オオムギにお いて黄化萎縮症を引き起こす Cereal yellow dwarf virus (CYDV ― RPV 株)は穀類に寄生するムギクビレアブラ ムシ(Rhopalosiphum padi)により媒介されるが,ムギ ヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)および,ムギウ スイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)では媒介 されない。虫体内におけるウイルスの挙動が相互に比較 解析された結果,S. avenae では血体腔内を循環し,副 唾液腺組織までウイルスが到達するが,副唾液腺細胞膜 表面にウイルスがとどまるのみで細胞内部への侵入が阻 止されていた(GILDOWand ROCHOW, 1980)。一方で,M.

dirhodum では後腸細胞膜上(腸管内腔側)へのウイル スの吸着が観察されず,細胞内への侵入が阻止されてい ることが明らかとなった(GILDOW, 1993)。さらに,同じ

ルテオウイルス科に属する Barley yellow dwarf virus (BYDV)では,上記を含むアブラムシ種による虫媒性 の有無が各ウイルス分離株間において異なることが確認 されている。BYDV では非媒介虫の血体腔内を循環でき る分離株が多く,上記のような副唾液腺細胞膜による細 胞内部へのウイルス侵入の阻止のほかに,同組織細胞の 基底膜もウイルスの通過を阻止しており,複数のステッ プによる副唾液腺組織への侵入過程が障壁となることを 示唆している(GILDOW, 1993 ; GRAYand GILDOW, 2003 ;

BRAULTet al., 2007)。 ウイルス媒介能力が媒介虫の発育段階に依存するタイ プの植物ウイルスも存在する。トマト黄化えそウイルス (TSWV)は,数種のアザミウマ類により媒介される。 ダイズウスイロアザミウマでは,幼虫期にウイルスを獲 得し羽化後に成虫となって初めて TSWV を媒介する能 力を発揮する。成虫期にウイルスを吸汁したとしても, ウイルスを媒介する能力はない。幼虫期に獲得されたウ イルスは,中腸組織への侵入・増殖後,蛹期間中に中腸 組織から唾液腺組織へと移行を開始し,羽化成虫ではウ イルスは唾液腺組織のみで増殖し,媒介される。一方 で,成虫期にウイルスを吸汁した個体では,ウイルスは 中腸組織へ侵入・増殖はできるものの,その後に唾液腺 組織への虫体内移行が行われず,中腸組織中のウイルス も次第に減少して消失してしまい,媒介されない。本種 の成虫体内では,上記の gut escape barrier が存在し, 中腸細胞基底膜を TSWV が通過できないことが示され ている(OHNISHIet al., 2001)。媒介障壁が昆虫の生育期

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6)GOODING, R. H.(1996): Clin. Microbiol. Rev. 9 : 301 ∼ 320.

7)GRAY, A. and F. E. GILDOW(2003): Ann. Rev. Phytopathol. 41 :

539 ∼ 566.

8)HARDY, J. et al.(1976): Am. J. Epidemiol. 103 : 498 ∼ 505.

9)―――― et al.(1978): Am. J. Trop. Med. Hyg. 27 : 313 ∼ 321. 10)―――― et al.(1983): Ann. Rev. Entomol. 28 : 229 ∼ 262. 11)KATO, K. et al.(1998): Ann. Phytopathol. Soc. Jpn. 64 : 552 ∼

559.

12)OHNISHI, J. et al.(2001): Phytopathol. 91 : 1149 ∼ 1155.

13)―――― et al.(2009): J. Gen. Plant. Pathol. 75 : 131 ∼ 139. 引 用 文 献

1)BEERNTSEN, B. T. et al.(2000): Microbiol. Mol. Biol. Rev. 64 : 115 ∼ 137.

2)BRAULT, V. et al.(2007): Micron 36 : 302 ∼ 312.

3)GHANIM, M. and V. MEDLINA(2007): Tomato Yellow Leaf Curl

Virus Disease : management, molecular biology, breeding for resistance, Springer, Berlin, p. 171 ∼ 183.

4)GILDOW, F. E.(1993): Phytoathol. 83 : 270 ∼ 277.

5)―――― and W. F. ROCHOW(1980): Virology 104 : 97 ∼ 108.

かぼちゃ:べと病:収穫 30 日前まで やまのいも:炭疽病:収穫 21 日前まで 樹木類:炭疽病,斑点症(シュードサーコスポラ菌):発病 初期 樹木類:枝枯細菌病:新梢伸長期∼発病初期 蘆シモキサニル・マンゼブ水和剤 22434: M I C カ ー ゼ ー ト P Z 水 和 剤 ( 三 井 化 学 ア グ ロ ) 09/08/05 シモキサニル:12.0%,マンゼブ:65.0% ばれいしょ:疫病:収穫 7 日前まで トマト:疫病:収穫前日まで きゅうり:べと病:収穫前日まで すいか:褐色腐敗病,つる枯病:収穫 7 日前まで メロン:べと病:収穫 7 日前まで はくさい:べと病:収穫 30 日前まで たまねぎ:べと病,白色疫病:収穫 3 日前まで らっきょう:白色疫病:収穫 30 日前まで だいず:べと病:収穫 45 日前まで 小粒種ぶどう(露地栽培):べと病:収穫 60 日前まで 大粒種ぶどう(露地栽培):べと病:収穫 60 日前まで ぶどう(施設栽培):べと病:開花前まで 蘆マンゼブ水和剤 22435: M I C ペ ン コ ゼ ブ フ ロ ア ブ ル ( 三 井 化 学 ア グ ロ ) 09/08/19 マンゼブ:28.0% 小粒種ぶどう(露地栽培):べと病,黒とう病,晩腐病:収 穫 60 日前まで 大粒種ぶどう(露地栽培):べと病,黒とう病,晩腐病:収 穫 60 日前まで ぶどう(施設栽培):べと病,黒とう病,晩腐病:開花前まで きゅうり:べと病,炭疽病:収穫前日まで トマト:疫病,葉かび病,輪紋病:収穫前日まで ミニトマト:疫病,葉かび病,輪紋病:収穫前日まで メロン:べと病,つる枯病:収穫 7 日前まで すいか:つる枯病,炭疽病:収穫 7 日前まで キャベツ:べと病:収穫 30 日前まで ねぎ:黒斑病,さび病,べと病:収穫 30 日前まで 実えんどう:褐紋病:収穫 14 日前まで 蘆ピロキロン・フラメトピル粒剤 22438: MIC コラトップリンバー粒剤(三井化学アグロ) 09/08/19 ピロキロン:5.0%,フラメトピル:1.5% (36 ページに続く) (新しく登録された農薬 25 ページからの続き) 22428:日農ビームアプロードスタークル微粒剤 F(日本農 薬)09/08/05 ジノテフラン:0.35%,ブプロフェジン:1.0%,トリシクラ ゾール:0.50% 稲:いもち病,ウンカ類,ツマグロヨコバイ,カメムシ類: 収穫 7 日前まで 「殺菌剤」 蘆チアジニル粒剤 22425:アプライ箱粒剤(日本農薬)09/08/05 チアジニル:12.0% 稲(箱育苗):いもち病,白葉枯病:は種時覆土前 蘆マンゼブ水和剤 22432: MIC ペンコゼブ水和剤(三井化学アグロ)09/08/05 マンゼブ:80.0% みかん:黒点病,小黒点病,そうか病,チャノキイロアザミ ウマ,そばかす病,褐色腐敗病,ミカンサビダニ,炭疽 病:収穫 30 日前まで かんきつ(みかんを除く):チャノキイロアザミウマ,炭疽 病,褐色腐敗病,そばかす病,汚れ果症,黒点病,小黒点 病,ミカンサビダニ:収穫 90 日前まで かき:落葉病,炭疽病:収穫 45 日前まで なし:黒星病,赤星病,黒斑病,輪紋病:収穫 45 日前まで りんご:黒星病,赤星病,黒点病,斑点落葉病,褐斑病,炭 疽病:収穫 60 日前まで 小粒種ぶどう(露地栽培):黒とう病べと病,晩腐病,黒と う病,べと病,晩腐病:収穫 60 日前まで ぶどう(施設栽培):黒とう病,べと病,晩腐病:開花前まで すいか:炭疽病,つる枯病:収穫 7 日前まで メロン:つる枯病,べと病:収穫 7 日前まで きゅうり:べと病,炭疽病,褐斑病,黒星病:収穫前日まで キャベツ:べと病:収穫 30 日前まで はくさい:べと病,黒斑病,白斑病:収穫 30 日前まで ねぎ:べと病,黒斑病,さび病:収穫 30 日前まで たまねぎ:べと病,黒斑病,灰色かび病:収穫 3 日前まで ばれいしょ:夏疫病,疫病,疫病:収穫 7 日前まで てんさい:褐斑病,褐斑病:収穫 30 日前まで だいず:べと病:収穫 45 日前まで にんにく:葉枯病:収穫 7 日前まで さんしょう(果実):さび病:最終収穫後から落葉期まで オリーブ:炭疽病:収穫 90 日前まで アスパラガス(露地栽培):斑点病,茎枯病:収穫終了後 但し,秋期まで

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