「地域における死亡診断時の医師の立ち居振る舞いについてのマニュアル作成」
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(2) 目次. 背景. 1. 目的 方法 結果. 1 1 2. ① 地域の医師・看護師インタビュー ② 死亡診断時の医師の立ち居振る舞いについての遺族調査 ③ ガイドブック作成 考察 おわりに 感想 成果物. 13. 謝辞 参考文献. 15. 14 14 15 15.
(3) 背景 死亡診断の場面での医師の立ち居振る舞いは、その後の遺族の悲嘆に大きく影響を及ぼす と考えられる。死亡診断の場面は、医師によるグリーフケアを施すチャンスでもあるが、医 学基礎教育のなかには、死後の内容はほとんど含まれておらず、グリーフケアを意識して死 亡診断を行う医師は少ないことが予想される。 主治医が死亡診断に立ち会えば、遺族への声かけは自然と行われるが、現実は、病院にお いても在宅においても当直医や当番医が死亡診断に立ち会うケースも多くあり、遺族への 声かけは十分には行われていないことが予想される。患者や家族が望む医師や看護師の対 応、コミュニケーションについては、専門家の意見や経験的記述がほとんどである。継続的 に診療に当たる医師が、その患者の臨終に立ち会うことは家族の悲嘆にとって好ましい影 響を与えると経験的に考えられているが、実際の看取りの場面での医師の具体的な振る舞 いを評価した研究はない。 目的 2025 年以降の多死時代に向けて在宅看取りを推進する国策ではあるが、時間的な問題、地 域のリソースの問題等で多職種が十分介入できずに医師のみ看取りを行わなければならな いケースも出てくることが予測される。今後は、尊厳ある人間の最期に関わるものの責務と して、医師にもグリーフケアへの意識が必要と考える。在宅での看取りに関わる医師、看護 師へのインタビューと遺族アンケートを行い、死亡診断時にふさわしい医師の立ち居振る 舞いを解明する。その調査を基に主治医であるなしに関わらずグリーフケアを意識した死 亡診断ができるようなマニュアルを作成する。. 方法 Ⅰ.当地域において看取りの経験のある在宅医と訪問看護師に死亡診断の場面での医師 のふさわしい立ち居振る舞いについて、インタビューを行う。 Ⅱ.医師・訪問看護師へのインタビューを基に、当クリニック医師が自宅で死亡確認をし た遺族を対象とした医師の死亡確認の場面での立ち居振る舞いに関するアンケート調査 を行う。 Ⅲ.地域で自宅看取りをする医師、看護師のインタビューと遺族アンケートを基にした死 亡診断の場面での医師の立ち居振る舞いについてのマニュアルを作成する。 1.
(4) 結果 Ⅰ.地域の医師・看護師インタビュー 1.医師インタビュー 2013 年 6 月~2014 年 2 月にかけて計 8 人に実施。インタビューアーは医師。 医師経験年数 12~38 年、在宅医療経験年数. 2~19 年。. 在宅看取り件数は年ごとのばらつきが多く集計は不能であるが、いずれの医師も 10 件以上 の在宅看取りを経験している。 ① 試みに対しての評価 ・死亡確認の際の教育には確かに枠組みはなく、先輩のやり方を見て真似する程度のこと。 試みとしては非常によい。 ・経験年数によって捉え方が違うだろうが、若手医師ならば素直に聞けるだろう。 ・看取りの場面では現場はシーンとしており、医師の一挙手一投足に注目が集まっている。 決まった動作があると心に留めておくことは医師にとっては安心できることだろう。 ② マニュアルに組み入れるといい内容 ・あくまでも各医師が死亡診断時の振る舞いを見直すきっかけになればよいという目的で あることをもっと明らかにすべき。 ・主治医と主治医以外が看取った場合では『かけるべき言葉』に違いがあると思う。 ・主治医以外の看取りのときは敢えて言葉かけはあっさりしたものにして、後日主治医が電 話なり訪問なりでフォローするのがいいのではないか。 ・主治医以外の看取りなら『主治医からよく病状を聞いている』ことを伝えるのが重要だと 思う。 ・ 『マニュアル』という言葉はよくない。 『心得』とか『手引き』とかの方がよいのではない か。看取りは融通性があったほうがよい。 ③自らの診察に与える影響 ・今後の往診に役立てたいと思った点や、胸が痛いような指摘もあり大変勉強になった。 ・病院での死亡確認は終わったらあとはすべて看護師まかせなので、在宅では医師がするべ き話は多いと改めて思った。 ④批判的な意見 ・看取りの場面は多様性があり、マニュアルはあまり有効と思えない。 ・実際に在宅医療を実践している医師には特に新しい内容はないように思う。 2.訪問看護師インタビュー 2013 年 6 月~2014 年 2 月にかけて計 10 人に施行 インタビューアーは医師または看護師 看護師経験年数. 14~19 年. 年間の看取りに立ち会った数: 年次によってばらつきが. あるが、少なくとも毎年一人以上の自宅看取りを経験している。 2.
(5) ① 死亡診断に立ち会った際の医師の振る舞いを見て ・医師は生前と同じように丁寧に診察して臨終を伝えていた。 ・生前に家族とよい関係を保てていない医師の場合、事務的に死亡宣告をして退室している ように感じる。 ・死亡確認の際の診察方法は各医師に違いは無いように思える。 ② 死亡診断の場面で、困ったことや難しかった、という経験があるか?またそれはどうい う場面か? ・医療者は予想していたが、家族にその準備ができていなかった場合。 ・なかなか医師が訪問されず、待つ時間が長かった。 ・医師が死亡診断書をもたないで訪問し、役所に取りに行ったケースがあった。 ・経過を知らない医師が家族に病名や病気のことをいろいろ聞いてしまっていた。 ③ 望ましい死亡診断の方法 ・死亡を診断するだけでなく、その人の人生に敬意を払う。 ・家族やスタッフにも気配りができること 。 ・家族がこれでよかったのだと思えるように配慮すること。 ・死亡宣告ではなく、医師しかできない『診断』であることを大事にしてほしい。 ・担当の医師でない場合は、担当の医師から状況は聞いていたなどの言葉を添えてほ しい。 ・担当ではない医師の診断は淡々と事務的でよい(その後に主治医や訪問看護がフォ ローアップをした方がよい)。 ・一般的な接遇、マナーは学んでほしい。 ④死亡診断時のマニュアル化について ・死亡診断は多様性が高く、マニュアル化は難しいと感じた。 ・最低限の質の保証はとてもいいことだと思う。 ・基本的な部分だけでも統一されていれば、訪問看護師も対応しやすくなる Ⅱ.死亡診断時の医師の立ち居振る舞いについての遺族調査 対象患者:みらい在宅クリニックにて、2011 年 11 月 1 日~2013 年 11 月 1 日の期間で. ご家族を亡くされた方 226 名 分析対象 99 名/有効発送 195 名. 回答率 50.7%. 3.
(6) 1. 背景(n=99) 患者 年齢. 平均 81.9(±9.67)才. 患者性別 疾患 6%. 40% 男性. 60%. 女性. 5%. がん. 9%. 老衰. 17%. 63%. 肺炎 慢性閉塞性肺疾患 その他. 介護者. 介護者の性別. 付添期間 1% 5% 5%. 毎日. 23%. 週に4~6日. 男性 77%. 89%. 女性. 週に1~3日 付き添っていな い. 患者と介護者の関係 12% 1% 47% 40%. 配偶者. 介護者の健康状態 12%. 3% 26%. 子. まあまあ. 嫁・婿 兄弟・姉妹. 良かった. 59%. 良くなかった 非常に良くなかった. 4.
(7) 呼吸停止から医療者が到着するまでの時間. 9. 看護師. 25. 6. 医師. 27. 24. 0%. 7. 3. 34. 20%. 40%. 28. 24. 60%. 5. 80%. 立ち会っていた 30分以内. 30分~1時間. 1時間~2時間 2時間以上. 欠損値. 6. 100%. 死亡確認を行った医師. 32. 0%. 10. 20% 主治医. 50. 40%. 60%. 主治医ではないが良く知っている医師. 7. 80%. 100%. 良く知らない医師. 欠損値. 2.死亡診断時の医師の立ち居振る舞いに対する評価. 改善すべき点. 33. 0% 全くない. 20% ほとんどない. 48. 40% 少しある. 60% ある. かなりある. 5 1 4. 80%. 100%. 大いにある. 5.
(8) 3.医師の態度、死亡確認の仕方に対する評価 医師の態度、死亡確認の仕方 全くそう思わない~そう思わない. ややそう思う~そう思う. 欠損値. 落ち着いた雰囲気だった 1. 94. 4. 患者を大切に扱っていると感じた 1. 94. 4. 5. 質問しやすい雰囲気だった. 88. 動作は丁寧に感じた 1 言葉遣いは丁寧に感じた. 6. 94. 3. 4. 90. 6. 88. 忙しそうにバタバタしていた. 7. 91. 不機嫌そうにみえた. 4 4. 73. 事務的で機械的だった. 21. 自信がなさそうだった なれなれしかった. 5. 92. 3 4. 100. 05. 84. 流れ作業のように見えた. 11 93. 身だしなみが乱れていた. 0%. 10%. 20%. 30%. 4. 40%. 50%. 4 1 5. 60%. 70%. 80%. 90%. 6. 100%.
(9) 死亡確認前の医師の態度. あてはまる. あてはまらない. 82. 家族に挨拶をした. 5. 26. 白衣を着ていた. 18. 39. 27. 46. 同席している家族が誰か確認してから診察した. 30. 24. 居合わせたい家族が全員揃っていることを確認した. 27 32. 45. 患者に声をかけてから診察をはじめた 死亡前後の状況を家族や看護師にまず確認した. 23. 48 39. 家族が落ち着くのを待って診察をはじめた. 28. 24. 30. 65. 医師の死亡確認の仕方. 15. 68. 聴診器をあてて診察した. 19. 21. 24. 42. 29. 医師の携帯電話で死亡時刻を確認した. 25 3. 47. 診察のあと、布団や衣服を整えた. 19. 6 77. ペンライトで瞳孔を確認した. 患者の自宅の時計で死亡時刻を確認した. 12. 55. 33. 家族に患者の近くに寄るように声をかけた. 19 33. 35. 35. 91. 死亡時刻をご家族へ告げた 死亡時刻をはっきりといわなかった. 欠損値. 5. 78. 8. 診察のあと、患者の衣服が乱れたままだった. 3 5 16. 77. 14. 52. 診察のあと、経過、死因を分かりやすく説明した 経過、死因があいまいでよく分からなかった 2. 26 71. 説明が早口や専門用語が多くで分かりにくかった 2. 26 81. 「急変」という言葉を使用した 2. 21 77. 夜間だったので、翌朝に確認した 2. 0%. 16. 76 9. 「大往生」という言葉を使用した. 21. 13. 79 20%. 40%. 18 60%. 80%. 100%. 7.
(10) あてはまる 29. 患者へ「がんばられましたね」などの声を掛けた. 25. 44. 家族の肩や背中に手をかけた 1. 22. 83. 15. 27. 死亡確認だけして、その後の会話はなかった. 52. 20. 58. 死亡確認後に患者に礼をした. 11. 47. 死亡確認後に患者に合掌をした. 30. 22. 10. 死亡確認後あわただしく部屋から出て行った. 欠損値. 45. 33. 家族へ看病をねぎらう声掛けがあった. 分類死亡確認後も長く部屋にいた. あてはまらない. 30. 73. 1. 16. 80. 18. 54. 聞きたいことが質問できた. 18. 41. 患者が使っていた薬や器具類をどうするか説明した. 38. 25. 患者が付けている点滴や器具類を丁寧に外した. 27 20. 36. 38. 76. 字は丁寧だった. 8. 64. 内容を家族と一緒に確認した. 17. 6. 診断書の書き方が分からないようだった. 13. 64. 医師が診断書を持ってきていなかったので家族が取りに 1 行った. 0%. 18. 80. 20. 死因に「老衰」の記載があった. 15. 89 20%. 40%. 15. 9 60%. 80%. 8. 100%.
(11) 4. よく知らない医師が死亡確認をした場合の対応医師の 態度、死亡確認の仕方に対する評価(n=50). 27. 自己紹介をした. 15 32. 代わりであるが状況は聞いていると言った. 9. 34. 病状や経過がだいたいわかっている様子だった. 9 7. 「患者のことはよく分からない」といった 1. 9. 42. 説明してくれたが的はずれだった 0. 7. 42. 0%. あてはまる. 8. 20%. 8. 40%. あてはまらない. 60%. 80%. 100%. 欠損値. よく知らない医師が死亡確認をしたことについて. 11. 代わりの先生もよくしてくれ気にならなかった. 27. 13. できれば主治医にみてほしかったが仕方ない. 7. 36. 5. 30. 代わりの先生のことをあらかじめ言ってほしかった. 8. 10. それまでの経過が大事なので気にならなかった. 0%. 6. 27. 代わりの先生にもっと申し送りをしてほしかった. そう思わない. 6. 26 20%. ややそう思う~そう思う. 40%. 2. 7. 3. 9. 5 60%. 非常にそう思う. 3. 9. 80%. 100%. 欠損値. 9.
(12) 5. 家族が死亡確認時に必要と考えたこと 必要でない. 少し必要~必要. 息を引き取る時に主治医が立ち会う. 必要不可欠. 29. 死亡確認に看護師が立ち会う. 54 37. 3 42. 死亡確認は家族が全員そろうまで待つ. 2. 63. 死亡確認は家族が落ち着くまで待つ. 20. 41. 死亡確認は主治医(よく知っている医師)が行う. 42. 24. 医師の身だしなみが整っている. 10. 10. 69. 落ち着いた雰囲気である 0. 8. 68. 聴診器やペンライトを使って診察する 3. 18. 60. 25. 46. 診察結果、経過、死因を家族へ説明する. 2. 56. 患者の自宅にある時計で時刻を確認する. 37. 4. 患者や家族へねぎらいの言葉をかける. 4. 62. 22. 14. 死亡確認後、医師とゆっくり話す時間をもつ. 66 25. 7 62. 医師より肩や背中に手を掛けられる. 2. 78. 良く知らない医師の場合は自己紹介がある 1. 26. 55. 34. 13 0%. 8 2. 60. 良く知らない医師が行う場合にも、医師がおおむねの 0 経過をしっている. 死亡診断書の字が丁寧である. 2. 70 20%. 40%. 6 60%. 80%. 10. 100%.
(13) 6.アンケートの自由記載 1. 家族の満足度を向上させた臨終前後の医師の立ち居振る舞い(フリーコメントより) カテゴリー. サブカテゴリー. コメント内容 とても丁寧にみて下さいました。「心臓はま だ動いてますよ」と脈を計っていて下さいま した。担当医でなくても充分安心できる先 生でした。B). 医師の態度・行動が非 常に丁寧であったこと. 深夜にも係わらず丁寧な態度行動に感謝 いたしました。. 主治医不在時に死亡しましたが数日後主 治医がわざわざ訪問下さいましたことは深 く感謝しております。B) 看取り時における患者・家 族に対する医師の真摯な姿. 先生からねぎらいの言葉をいただきまし. 勢. た。「良く頑張りましたね。立派でしたよ。」 と。忘れません。 やさしく、ていねいな言葉はおぼえてます。 在宅クリニックを利用した事は良かったと 医師から思いやりのあ. 思います。. る声をかけられたこと 死直前に先生が家族にかけてくださったお 言葉に私は救われました。. 「すぐ行きますから落ちついて下さい」と言 われて少し心がおちつきました。. 11.
(14) 最後の看取りをどのようにするのかなど、 親切、丁寧に相談を聞いてくれてとても助 生前に、傾聴の姿勢で. かりました。A). 医師が家族に接してい. 先生がよく話を聞いてくれて、いつも私を. たこと. 肯定してくれていた事がとても力になりまし た。そのことが死亡時の医師への信頼にも つながっていると思います。 生前にきちんと説明を受けていたので、確. 家族の看取りに対する心構. 認していただいた時には落ち着いて聞く事. えを確立させる援助. が出来ました。 生前に、医師より看取 りまでの経過、対処法 について十分な説明を 受けていたこと. 何もかも生前に色々とお話を伺っておりま したので夜中でしたが安心してお願いする 事が出来ました。B) 死亡する日までに起きうる事、対応方法等 はっきり説明して頂いた事が覚悟につなが りよかったです。B). A):コメント内容より、主治医による死亡確認が特定されたケースを示す。 B):コメント内容より、主治医以外の医師による死亡確認が特定されたケースを示す。. 2.家族が改善の必要を感じた臨終前後の医師の立居振る舞い(フリーコメントより) カテゴリー. サブカテゴリー. コメント内容 患者の容態に対して先生方の連絡が密 であればもう少し迅速に行動がとれるの ではないでしょうか。 息をひきとった後1時間位経過して医師. Dr.call 後、医師到着ま でに時間がかかり過ぎ 診療体制に関連した問題. たこと. がおみえになりましたので、その間不安 でした。もう少し早く来ていただきたかっ た。 Dr.call 後、医師到着までに約 2 時間か かり、もっと早急に対応可能なネットワー クを確立してほしい。B). 死亡確認を行った医師. 訪問の先生が忙しくても変わってもらい. が主治医ではなかった. たくない。最後まで同じ先生に看てもらい. こと. たい。B). 12.
(15) 死亡確認はやはり主治医の方にみて頂 きたかった。その理由は最期まで見届け ていただき、また自分の気持ち、患者の 気持ちをわかちあった同志として自分の 中で区切りをつけたいからだと思いま す。B) 医師間の情報伝達が. 患者のことをあまり把握していない様子. 不十分だったこと. だったことが残念でした。B). 医師の態度が事務的 だったこと. 事務的な扱いを感じました。 誠意が少しもないと思います。B) 患者への思いやりと云うか、何か一言ね ぎらいと云うか、一言添えて下さればと. 医師の事務的態度・行動. 思いました。 医師からの思いやりの ある声かけが不足して いたこと. 家族に思いやるのある言葉がほしいで す。B) 出来れば家族に一言ホットコールをいた だけると癒されるのではないでしょうか。 ほんと一言で良いのです。. B):コメント内容より、主治医以外の医師による死亡確認が特定されたケースを示す。. Ⅲ.地域で自宅看取りをする医師、看護師のインタビュー(Ⅰ)と遺族アンケート(Ⅱ)を 基にした『死亡診断時の医師の立ち居振る舞いに対してのガイドブック』 (以下ガイドブッ ク)を作成した。また、内容をコンパクトにした A4 三つ折りのパンフレット版を配布する。 考察 私たちは、 『死亡診断時の医師の立ち居振る舞いに対してのガイドブック』を作成した。 (研 究開始の段階ではマニュアルと呼んでいたが、様々な意見を反映させ、最終的に『ガイドブ ック』と呼ぶこととした) 遺族アンケートより、家族が死亡診断の際に必要と考えていることが、明らかとなった。身 だしなみや挨拶など、当然と思われる事柄も多いが、落ち着いた雰囲気を出すことや事務的 にならぬよう配慮することは、意識して行うべき態度であることが明確となった。 13.
(16) 主治医以外の医師による死亡診断だった場合でも、多くの家族は診察の結果、経過、死因の 説明は必須と考えている。死亡診断のみの往診(病棟では診察)であっても、経過を十分理 解したうえで臨む必要がある。 私たちのグループでは、このガイドブック作成のアイディアは医師のグリーフケアへの意 識づけに有効であると考えたが、見知らぬ医師たちに実際に手に取ってもらうのは難しい と感じていた。 そこで、今回、私たち多職種研究グループで固めたコンセプトは『地域で作る』 『地元発』 ということであった。そのため、インタビューの対象は実際に連携をしている同地域の医師 、看護師とした。インタビューを行うことは、マニュアル作成に協力をして頂いていること であり、また今後出来上がるマニュアルの周知となる。行ってみると、いずれの医師、看護 師もインタビューに対し非常に協力的であった。この試みに対しては概ね好評価であり、様 々なアイディア・課題を出して頂けた。このプロセスを経て出来上がったマニュアルはまず 同地域で受け入れられ易いと思われた。地域から徐々に全国へ浸透していくことを期待す る。 またこのプロセス自体が地域連携の強化に繋がることを実感した。患者紹介ではない、共に 何かを作り上げる形の連携(サークル活動型地域医療連携)には大きな可能性が広がってい ると確信した。. おわりに 在宅で看取った患者家族へよいグリーフケアが実践できれば、次世代も在宅医療を優先に 考えるかもしれない。また多職種とともにいい看取りが実現できれば、多職種のバーンアウ トによる離職が防げる可能性がある。 自宅で人の最期に立ち会う医師は遺族の悲嘆、在宅医療の未来、関わった多職種のバーンア ウトに好影響を与えられる可能性がある。 このガイドブックが、多くの医師に読まれ、理想の死亡診断時の立ち居振る舞いとはどうい うものか?ということを考えるきっかけとなることを期待する。. 感想 お忙しいなかでインタビューをさせて頂いた地域の医師、看護師の皆様の優しさと熱さが 大変感動的でありました。地域で何かを作り上げる経験は、今後の地域医療に大きな発展性 を感じました。. 14.
(17) 成果物 ・地域における死亡診断時の医師の立ち居振る舞いについてのマニュアル(完全版&パンフ レット版). 謝辞 最期に調査研究事業にご理解・ご協力を頂きました地域の医師、看護師の皆様、横浜市南区 医師会様、ご遺族の皆様、また研究全般に対して細やかにご指導を頂きました聖隷三方原病 院緩和支持治療科森田達也先生、臨床検査科白土明美先生に心より御礼申し上げます。 また今回の研究に対し、財団法人在宅医療助成勇美記念財団から助成を頂いたことに深謝 いたします。. Ⅳ. 参考文献. 1) 平成 26 年度版死亡診断書(死体検案書)記入マニュアル/厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/toukei/manual/dl/manual_h26.pdf 2)柏木哲夫、林章敏、池永昌之『死をみとる1週間』医学書院. 2002. 3)池永昌之『ホスピス医に聞く 一般病棟だからこそ始める緩和ケア』メディカ出版 2004 4)柏木哲夫 『死にゆく患者の心に聴く』中山書店 1996 5)新城拓也、森田達也、平井啓他『主治医による死亡確認や臨終の立ち会いが、家族の心 理に及ぼす影響についての調査研究』Palliat Care Res 2010 ;5(2):161-169 6 ) Fujimori. M,Parker. PA,Akechi T,et al:Japanese cancer patients' communication style. preferences when receiving bad news.Psychooncology.2007;16:617-625 7)古屋肇子, 谷冬彦:看護師のバーンアウト生起から離職願望に至るプロセスモデルの 検討, 日本看護科学会誌 2008; 28(2): 55-61 8)日下部明彦、佐藤晶子、稲森正彦他『死亡診断時の医師の立ち振る舞いについてのマニ ュアル作成の意義』癌と化学療法 2013;40 SuppⅡ:199-201. 研究メンバー(えんじぇる班) みらい在宅クリニック. 日下部明彦(研究代表者). 南区医師会訪問看護ステーション. 平野和恵. マザーライク訪問看護ステーション 池永恵子 15.
(18) ゆう薬局. 齊藤直裕. 鹿児島大学保健学科臨床看護学講座 櫁柑富貴子 研究協力者 聖隷三方原病院 緩和支持治療科 森田達也医師 聖隷三方原病院 臨床検査科 白土明美医師. 16.
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