46 に圧痛を認めた.入院後の諸検査でアメーバ性肝膿瘍 の診断,超音波誘導下ドレナージを施行した.採取さ れた膿汁は赤茶色,直接鏡検で赤痢アメーバ栄養型を 認め確診した.同時にメトロニダゾールの投与,洗浄 をくり返し,膿瘍も縮小,40日後チューブを抜去,退 院した.その後,外来で経過観察しているが,再発の 徴候はない, 12.電気水圧衝撃を用いた胆道鏡下結石破砕術 (聖マリアンナ医科大学第2外科)後町 浩二 胆道鏡的結石除去にさいして,嵌頓結石や大きな結 石の症例では結石の破砕除去に難渋することが多い. われわれは,この様な症例にたいして電気水圧衝撃波 による結石破砕術を行ない好結果を得ている. この電気水圧衝撃波による結石破砕法には1)装置 の持ち運び移動が容易である.2)レーザー装置よりも 安価である.3)結石破砕力はレーザーよりも効率が良 い.などの利点がある. 本法は今後も難かしい結石を除去するための有力な 手段の一つとなるものと思われたので,われわれの使 用している装置と手技について紹介した. 13.最近経験した成人腸重積症の1例 (流山中央病院外科) 昆野 博臣,成高 義彦,国吉 昇 成人腸重積症は比較的まれな疾患とされ,その多く は器質的病変によるものが多いといわれている,今回, われわれは回盲部に発生した成人腸重積症を経験した ので報告する.症例は50歳男性,腹痛および下血を主 訴として来院.腹部立位X線像にて鏡面像を認めたた め,腸閉塞症と診断.入院経過観察していたが,第4 病日より右下腹部に腫瘤触知したため,腹部エコー, 注腸造影施行したところ,回盲部腫瘍,腸重積症が疑 われた.開腹時所見は,ileo・ileo−colic typeの腫重積で あり,病理組織学的には,器質的病変を伴わない特発 性腸重積症であった.成人腸重積症の約80∼90%は器 質的病変を合併しているといわれているが,本症例は むしろ小児の特発性腸重積症に近いものと思われたの で報告した. 14.食道の良性潰瘍性病変の3例 (山形県金山町立病院外科)飯島 克己 昭和53年1月から59年12月目での7年間に当院で施 行した食道胃内視鏡野約1,800例のうち,3例に食道良 性潰瘍性病変を認めた.これらの稀な症例に対し,臨 床的検討を加えた. 症例:25歳の女性事務員.内視鏡検査で食道第2狭 窄部に全周性潰瘍性病変を認めたが,生検では非特異 性炎症であった.本患者には結婚問題,これに関連し た家庭内葛藤,職場での葛藤などが存在し,それらと 症状の経過が相関していたため,心身医学的治療にて これを治癒せしめた.症例2:74歳の女性.食道裂孔 ヘルニアを伴う潰瘍であるが,保存的治療により症状 の消失をみた.症例3:36歳の女性掃除婦.第2狭窄 部に3×2cmの浅い潰瘍性病変を認めた.発症原因は 不明であるが,保存的治療により約2週間で治癒した. 15,IIc+III型早期胃癌が疑われたRLHの1例 (新松戸中央病院外科)中田 一也 症例:40歳の女性で,主訴は心窩部痛であった.胃 検診で異常を指摘され,当院を受診し,胃X線および 内視鏡検査でIIC+III型早期胃癌が疑われた.しかし その後の5回の胃生検の結果はGroup Iであり,経過 を追っているうちにRLHが疑われた.すなわち,1) 陥凹の辺縁には蚕食像がみられず,辺縁を追い難かっ た.2)陥凹面の胃小野は比較的良く保たれていた.3) 陥凹の辺縁に潰瘍が多発し,それぞれの潰瘍に向って 多中心性に搬襲の尖端は腫大し,中心に向って輩下で 滑らかに断裂していた.本症例では以上の所見がIIC+ III型早期胃癌との鑑別上重要であったと思われる. 16.肝転移をみた胃カルチノイドの1例 (秋田市中通病院外科) 花岡 農夫,瀬戸 泰士 患者:43歳,主婦.主訴は上腹部痛.胃内視鏡,腹 部CT,腹腔動脈造影などの所見から胃前庭部の粘膜 下腫瘍とその肝転移例と診断した.手術は腫瘍が膵へ 浸潤していたため,膵臓を一部削って広範囲胃切除を 行ない,B−1法で再建した.術後,病理組織学的にカル チノイドと診断した.なお,GrimelinsおよびFontana −Masson染色はともに陰性(反応陰性細胞型)であっ た.術後経過は良好で,S−HIAA,セロトニンともに正 常,術後第35病日に肝動脈へのMMC 10mg one shot
動注,MFC療法3回施行した.さらに外来ではMFC
療法3回施行した.さらに外来ではMFC療法週1回, PGB, FT−207投与を行い,現在は主婦の仕事を続けて いる. カルチノイドの肝転移症例も強力な制癌療法により 長期生存が望めるといわれている.肝動脈への動注の 反復も含め,経過を追う予定である.17.乳癌組織CEA量の検討
(外科)清水 忠夫 乳癌患者のCEA測定の有用性をみる目的で,血清 一280一47 CEA値,組織CEA量を測定しえた乳癌患者90例に対 して,組織型,脈管侵襲,病期および予後との関連に ついて検討した.陽性率は,血清CEA量,14.4%,組
織CEA量,35.5%と組織CEA量に高かった.血清
CEA値と組織CEA量の関連は認められなかった.組 織型,脈管侵襲,病期との関連は,血清CEA値につい ては認められなかったが,組織CEA量では,乳頭腺管 癌,脈管侵襲陽性,病期の進んだ症例に陽性率は高い 傾向を示した.予後について生存率をみると,血清 CEA耐陰性例に予後良好であり(p〈0.05),そのなか でも組織CEA量陰性群で,予後良好となった(p〈 0.01).以上,血清CEA値は予後に関して有用な腫瘍 マーカーであるものの,陽性率が低く臨床病期をあま り反映させないことがわかった.臨床病期,予後をみ る上では,組織CEA量を測定することがより意義が あるものと考えられた. 18.食道静脈瘤に対する硬化剤注入療法の成績一手 術療法との比較一 (外科)小豆畑野 食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化剤注入療法(以下 EIS)の治療成績を手術療法(以下OP)と比較検討し た,対象はEIS症例118例とOP症例30例である. 止血率は,EIS 93%, OP 92%と共に高率であった. 4年累積生存率をみると,緊急症例ではEIS 57%, OP 33%と,いずれも治療後早期に低下したが,EISのほう が良かった.待期予防症例ではEIS 60%, OP 57%と 大きな差はなかった.治療後の4年累積出血率はEIS35%,OP 24%と, EISのほうがやや高かった. EIS後 の出血時内視鏡所見をみると,発赤所見の残存・再発 が多く,今後改善の余地があると思われた. 以上の結果より,EISを緊急症例だけでなく,待期予 防症例に行なっても良いと思われた. 19.閉塞性黄疸の血行動態に関する研究 (外科)熊沢 健一 閉塞性黄疸時に低血圧や徐脈を来し,シ・ックや腎 不全となることがある.そこでこの循環動態を解明す るため以下の実験を施行した.雑種成犬12頭をNem− butal麻酔下で開腹し総胆管を結紮.結紮前,結紮後
3,6週目にSwan Ganz catheterを挿入し血行動態 を測定した.同時にICGより循環血液量を求め,血液 ガス分析を行なった.その結果,閉塞性黄疸では心係 数と循環血液量は上昇,平均動脈圧と末梢血管抵抗は 減少し,hyperdynamicな血行動態を示した.一方,酸 素消費量が上昇していることから心係数の上昇は酸素 の需要の増加を助ける合目的な変化といえる.そして, 血管抵抗を下げることにより心係数を増加させている と考えられる.さらに血中グルカゴンが上昇したが, グルカゴン負荷により血管抵抗が上昇したことから, 閉塞性黄疸の血行動態にグルカゴンが関与しているこ とがうかがわれた, 20.中枢性尿崩症に対するデフモプレッシンの経直 腸投与 (脳神経外科)渡部 英美 中枢性尿崩症の治療には,DDAVPの経鼻投与が行 なわれている.しかし,経鼻的下垂体手術の術直後な どでは,経鼻投与は不可能である,このような場合は 他の投与法が求められる. 今回,我々は経鼻投与に代わり得る方法として,