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血行性結核症の病理学的研究

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Academic year: 2021

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174 (70) 氏名(生年月日)

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

シマ ダ マコト

誠(

乙第884号 昭和63年2月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 血行性結核症の病理学的研究 (主査)教授 梶田 昭 (副査)教授 武石 詞,教授 鎮目 和夫

論 文 内 容 の 要 旨

目的 各種の難治疾患とこれに伴う医原性作用は個体の抵 抗性を低下さぜるが,結核症の全身蔓延もその一つの 結果として知られている,本論文は,剖検例中,結核 症の血行性撒布が認められた例について,全身蔓延を おこした条件,結核病変の診断上の規準,病巣内の結 核菌の在り方について検討を加えたものである. 材料および方法 第二病理学教室における連続的な剖検例4,222例か ら,まず結核性病変の記載のある217例を選び,この内, 論外臓器に血行性と推定される転移が認められる29例 (男性19例,女性10例)を今回の研究対象とした.すな わち臨床・剖検記録を調査すると共に,保存ブロック について組織学的染色,結核菌染色(Ziehl-Neelsen 法,Nyka変法,オーラミン染色,酵素抗体法)を行っ て鏡検,検討した. 結果 1.症例は幼児から高年にわたっているが,50~69歳 の間の例がおよそ半数を占め,既感染老からの再燃が 集中する年齢層と思われる. 2.全例の内9例は結核症以外の基礎疾患をもたない 例で若年者に多い.とくに結核性髄膜炎が7例を占めて いるが,生前診断されたのは2例のみであった, 3.基礎疾患としての悪性新生物,腎不全はそれぞれ 7例,4例に認められた.経過中副腎皮質ステロイドは 9例で投与されており,これは原疾患の治療のため,あ るいは結核性過程の症状を他種の原因によると診断さ れたため行われた. 4.血行性撒布は,器官別には脾,肝に多く,次いで 腎,髄膜,骨髄の順であった. 5.結核菌は29例からとった53試料のうち,35試料 (66%)で陽性であった.染色別にみると,Ziehl-Neel- sen法では21%にとどまるが,他の3法では40~45%で あった. 6.結核菌の検出率は脳脊髄膜で高く,肝,脾では低 かった.菌の検出は一般に乾酪化ないし滲出物の壊死 に依存し,たんに細胞集籏の形をとる病巣では検出さ れにくかった. 7.肝,脾などの小結節の一部が,形態像の上でしば しば特異性を欠き,結核菌も検出されないことは,病 巣の感染性格に若干の疑問を残す事実と考えられた. 結論 血行性結核症の発症条件は十分明かではないが,そ の存在は剖検によって始めて判明することが少なくな い,しかし,器官内の病変を組織像の特徴,菌の証明 によって結核性と同定する伝統的方法には限界があ り,とくに細胞集族巣がしばしば染色上無菌であるこ とは,将来解明すべき課題が残されていることを示し ている. 一838一

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論 文 審 査 の 要 旨

本論文は剖検で発見された血行性結核症の症例について,全身蔓延をおこした条件,蔓延の様相, 結核病巣の診断規準,病巣内の結核菌の在り方を検討,種々の新知見をえたもので学術上の価値が高 い. 主論文公表誌 血行性結核症の病理解剖学的研究 東京女子医科大学雑i誌 第57巻 第12号 1433~1441頁(昭和62年12月25日発行) 副論文公表誌 1)広汎な肺転移を来たした唾液腺癌の1剖検例 東女医大誌 55(1)72~75(1985) 2) 術後紅皮症の3剖検例 臨床的並びに病理学的 検討一 東女医大誌 54(11)1242~1245(1984) 3) 良性心臓腫瘍の4剖検例 東女医大誌 55(12)1074~1079(1985) 4) 無脾・多脾症候群の病理一とくに体静脈形成異 常について一 束女医大誌 54(7)574~580(1984) 5)リンパ濾胞胚中心内樹状細網細胞の免疫組織化 学的検討一とくに補体・補体レセプターの局 在を中心として一 病理と臨床 4(11)1201~1212(1986) 一839一

参照

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