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プロ野球選手検診について

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Academic year: 2021

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57 1.当センターにおけるスポーツ外来の現況 (リウマチ痛風センター) 川井 三香・井上 和彦・ 石井 重雄・大辻 孝昭

平成1年2月から平成3年2月までの2年間に当セ

ンタースポーツ医学外来を受診した103例について報 告する. 症例は13歳から71歳までの男性64例,女性39例で8 割は40歳以下が占めていた.契機となったスポーツは, 男性ではサッカー,野球,女性ではスキー,テニスに よる症例が多く認められた.その他,ゴルフ,プロレ ス,水泳,バレーボール,陸上競技,ラグビー,アイ スホッケーにより受傷した例があった.これらのうち contact sports,すなわちサヅカー,野球,プロレス, ラグビー,アイスホッケーでは下肢の損傷が多く,大 腿の挫傷,膝の半月板断裂・靱帯断裂を多数認めた. 一方,テニス,スキー,水泳,ゴルフ等のnon−contact sportsでは, over useによる障害が多く認められる.

テニス,バスケット等では,滑りの少ないハードコー トで急激な方向転換を行うような場合に起こすACL 損傷や水泳選手が肩を外転伸展位で酷使すると起こす “Swimmer’s shoulder”という腱板症候群などが,典型 的な例であった. スポーツ障害治療においては,スポーツへの復帰が 常に問題となってくる.従って,保存療法を施行され ることも多いわけであるが,当科では現在までに57例 が,保存療法を,46例が手術療法を受けている. 今回,手術を受けたスポーツ外傷例を上肢,下肢各々 1例ずつ紹介する.1回目は上腕骨遠位端1/3の典型的 投球骨折で,保存的なhunging castやfunctional braceがよく用いられるが,本丁では管理の難しさ,患

者の苦痛を考え,plateとscrewによるORIFを施行

した. 2例目は,膝,内側半月板のバケツ柄型断裂と外側 半月板のタラップ式断裂の合併例で,膝関節鏡にて断 裂部を除去し膝の二二改善をはかった.本例は,現在 もプロのスポーツ選手(プロレスラー)として活躍し ている. 2.ヨーガ呼吸の生理学的特性 (衛生学・公衆衛生学) 坂木佳寿美 東洋では古来より精神と身体の調整を図る呼吸法 (調息法)がある.この基本は腹式呼吸で原点は紀元前 数世紀にインドで発祥したヨーガにあり,現在は健康 法として行われている.我々が生活している現代社会 は複:雑かつ多様化しており,常にストレスや緊張状態 に陥り易い環境にあるが,ヨーガ行法をしている人は このような状態に直面しても,心身のバランスを崩す ことは少ないと言われている.筆者はヨーガが健康維 持・増進またストレスや緊張緩和のために,どのよう な貢献をしているかを呼吸循環系ならびに自律神経機 能の面から検討を重ねているが,その結果を今回は総 合的に報告する. 方法:1)ヨーガ呼吸(吸気と呼気の比1:2)を10 分間.2)ヨーガ運動8種目を約40分間実施し,ヨーガ 前と後の変動を呼気ガス分析(VO2, VE, METs等), 心電図R−R間隔変動(CVR−R),心拍,血圧,尿中カテ コールアミン(CA)から測定.被験者はヨーガ熟練者 と未熟練者.3)ヨーガの効用に関するアンケート.4) 質量分析計による呼気パターンの解析. 結果と考察:1)ヨーガ運動前と後における熟練・未 熟練者間の相違は,呼気分析からは見出せなかったが, 全般的にヨーガ後に血圧,心拍の低下があり,運動強 度は約2METsで散歩程度である.2)自律神経機能変 化をみるCVR−Rは,ヨーガ歴の長い者ほど迷走神経機 能二進の状態に自己をコントロールすることが可能 で,尿中CAの測定からも交感神経が抑制されている ことが判明した.3)アンケートは,身体が軽くなって 動き易く,柔軟性が増し,自覚症状が改善された,の 回答が高く,血液循環の促進,筋弾力性,関節可動域 の増大を示している.4)呼吸パターンからヨーガ訓練 者の安静時の呼吸は,組織への02輸送,換,気分二等に より高い効率をもつことが示された.以上のことから, ヨーガは呼吸調節,血圧降下,ストレス解消,柔軟性 の増加,高い効率のガス輸送に役立っていることが示 された. 3.プロ野球選手の検診について (リウマチ痛風センター,整形外科・内科*) 別所 勇香・井上 和彦・ 大辻 孝昭・柏崎 禎夫* 最近のスポーツの普及は,スポーツさえ行っていれ ば健康になると言う迷信さえ生んでいるが,激しい運 動は身体に少なからず悪影響を与えることは容易に想 像がつく.このような点で,我々は年間を通して激し いトレーニングを行っているプロ野球選手の定期検診 を行い各選手の身体の変化と,外傷について検討した ので報告する. 対象および方法:対象は,1987年10月から1990年10 月までの4年間に検診を行った21歳から50歳までの選 一925一

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58 手およびコーチ45例である,検診項目は,①身長,② 体重,③血圧,④心電図,⑤胸部X−P,⑥理学所見, ⑦外傷所見,⑧血液検査の以上9項目とした。 結果:(1)心肥大が6例認められた.(2)外傷とし ては上肢障害,特に肩と肘の障害が多く,また腰痛も 多く認められた.(3)血液検査においては多血傾向が 認められ,尿酸,CPKに関しては4年間を通して高値 を示す例,正常値を示す例,次第に上昇する例の3群 が認められた.また,わずか数カ月の問に尿酸が上昇 した例があり,これには筋運動による影響の他になん らかのストレスも関与していると考える. 結語:今後の課題として,シーズン前後,各ポジショ ン別の比較を行いスポーツが身体に及ぼす変化につい て解明していきたい. 4.競技スポーツ選手の大動脈弁閉鎖不全症一競技 継続に関する検討一 (成人医学センター) 小堀 三孝・渋谷 実・木全 心一・ 窪倉 武雄・岳 マチ子・永田まこと・ 岡田 澄子・佐々木功一 競技スポーツ選手は,一般に疾患とは無縁と考えら れがちである.演者らは,大動脈閉鎖不全症(以下AR と略)を有しながら競技生活を続けた症例を経験した ので,その選手のスポーツ継続の適否につき検討を加 えた. 症例:24歳男性.生来健康.6歳時よりアイスホッ ケーを始め,18歳時に一流実業団チームに入部.入部 後洞性徐脈,拡大心,高尿酸血症を指摘されるも症状 なし.24歳時,感冒症状のため受診し,初めて心雑音 を指摘された.身長176cm,体重76kg,脈拍52/二二, 血圧136/82.胸骨回縁第3肋間に高調な拡張期雑音 (Levine I)を聴取.心胸比47%.心電図;洞性徐脈(心 拍数37/分),左室肥大所見なし.心エコー図;左室拡 張末期径(LVDd)60mm,左室収縮末期径(LVDs) 39mm, fractional shortening(FS)32%,大動脈弁 逸脱とともに,大動脈弁逆流による拡張期異常血流(軽 度)を検出. ARがスポーツ選手に与える影響につき,心エコー 図所見より検討した.39歳までに発症したAR 11名 (男8,女3,平均年齢36.6歳).心疾患を持たぬホッ ケー選手24名(全例男,平均年齢23.6歳),コントロー ル群9名(全例男,平均年齢24.4歳)のLVDd, LVDs, FSを計測し比較検討した.その結果,, LVDd値はAR が重症になるに伴い大となり,選手群はコントロール 群より有意に大であった(LVDdの平均値;コント ロール群48.3mm,選手群57.4mm, AR軽症群45.3 mm, AR中等二三61。5mm, AR重症群71.Omm). LVDs値は健常群(コントロール群および選手群)と AR軽∼中等症群間に有意差はなく,FSは各三間で有 意差は認められなかった.この結果,スポーツとAR はともにLVDd値を増大させるため,スポーツ選手の ARを評価するには,トレーニング歴を十分考慮する 必要があると考えられた症例は,LVDd値(60mm)か ら判断する限り,血行動態上スポーツ継続可能と判断 し,経過観察することとした. 5.虚血性心疾患における運動療法の経時的変化 一2年間の長期観察による検討一 (循環器内科) 上田みどり・平 敦子・ 雨宮 邦子・細田 瑳一 (榊原記念病院)濱本 紘・北原 公一 心疾患における運動療法は,身体的,予防的効果が あり,quality of lifeへの寄与といった点で最近注目さ れている.今回私たちは虚血性心疾患における心臓リ ハビリテーション(以下リハビリ)の経時的変化につ いて検討した. 対象:4週間のリハビリを行った心筋梗塞14例,狭 心症12例で,リハビリ開始前,終了後,6ヵ月後,1 年後,2年後に嫌気性代謝閾値(以下AT)を測定した. 酸素摂取量,運動能力,double productを,1)自己リ

ハビリ継続の有無:エルゴメーターE群5例早足歩

行W群15例,中断S群3例,2)年齢:60歳以上A群

13例(平均66±4歳),60歳未満Y群13例(51±8歳) の2点について比較検討した. 結果:1)リ・・ビリ継続の有無:リ・・ビリ前を100% とすると,ATでの酸素摂取量はいずれの群もリハビ リ終了後経時的に低下し,特にS群では2年後に72± 17%(p〈0.05)であった.一方運動能力は経時的に改 善し,1年後が最:高でE群122±17%,W群136±25%, S群128±8%であった.Double productはこれに伴 いW群127±20%(p<0.001),S群128±8%(p< 0.02)と増加したがE群96±16%と不変であった.2) 年齢:平均値で示すとA群に比しY群で良好であっ

た.ATでの酸素摂取量は, Y群は6カ.月が, A群で は直後が最高でそれぞれ2年後には5.1±0.9→4.4± 0.9Mets(p〈0.05),4.7±1.2→4.2±0。7Metsと低下 した.運動能力は両群とも1年後には,56±14→68± 16Watt(p<0.05),37±12→56±10Watt(p<0.01) と改善し,double productは増加した.最大運動野力 一926一

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